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【医師監修】関節炎とは|原因・症状・治療法からリウマチとの違いを徹底解説

関節炎
公開日: 2026.02.02

「最近、指がこわばる」「膝の痛みで階段の上り下りがつらい」

このような症状に心当たりがある方もいらっしゃるでしょう。

関節の痛みや腫れが続くとき、考えられる原因の一つが関節炎です。

関節炎は年齢を問わず起こり得る病気で、放置すると関節の変形や機能障害につながるかもしれません。

一方、早期に原因を知って適切に対処すれば、進行を防げて日常生活の質(QOL)を保てます。

この記事では、関節炎の基本から、原因、症状、治療法、悪化予防のポイントまで解説します。自分の症状が関節炎かもと疑っている方は、ぜひ参考にしてください。

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関節炎とは

関節炎とは、関節の内部で炎症が起きている状態を指します。炎症が生じると、次のような症状があらわれます。(文献1

  • 関節が腫れる
  • 赤みや熱感を伴う
  • 動かすと痛みが強くなる

関節炎は、関節内に炎症が生じている状態の総称です。臨床では「化膿性関節炎」「乾癬性関節炎」など、原因に基づく疾患単位が診断名として用いられます。

関節炎と混同されがちなものが、関節痛と関節リウマチです。それぞれの違いを見ていきましょう。

坂本 貞範
坂本 貞範
関節炎の症状として代表的なものはやはり関節痛です。年齢のせいかな、無理がかかったのかなと関節の痛みを自己判断で様子を見てしまうことが多いです。痛み以外に赤く腫れたり、痛みが強くなる場合には注意が必要です。

関節炎と関節痛の違い

関節炎は炎症を伴う病気の状態、関節痛は症状といった違いがあります。

項目

関節炎

関節痛

定義

関節に炎症が起きている状態

関節に感じる痛みの症状

特徴

痛みや腫れ、赤み、熱感などを伴う

炎症の有無にかかわらず起こる

つまり、関節痛は「関節炎によって引き起こされる症状の一つ」といえます。

関節痛については、以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

関節炎と関節リウマチの違い

関節痛と同様に、関節炎と混同されやすいのが関節リウマチです。

両者の違いは、以下のとおりです。(文献2

  • 関節炎:関節に炎症が起こる状態の総称
  • 関節リウマチ:自己免疫が関与して、慢性的に関節炎を引き起こす病気

関節リウマチは、早期に診断して治療を開始すると、その後の寛解率(症状がおさまる確率)が改善するという報告もあります。(文献3

そのため「関節炎かもしれない」と感じた場合は、速やかに医療機関を受診し、専門医の診断を受けることが重要です。

【関連記事】

関節リウマチとは?初期症状・原因・診断・治療・生活上の注意

膝の関節炎とリウマチの違いとは?症状と治療法などを現役医師が解説

関節炎が起こる主な原因と症状

関節炎はさまざまな原因によって生じ、以下のように異なる症状があらわれます。(文献4)(文献5)(文献6)(文献7)(文献8)(文献9)(文献10)(文献11

原因

おもな症状の例

関連する病気

外傷(ケガ)

ケガをした関節の腫れ・炎症

スポーツや事故などによる半月板損傷

細菌・ウイルス感染

発熱、関節の強い腫れや痛み

化膿性関節炎、ウイルス性関節炎など

自己免疫異常

手指のこわばり、左右対称の関節の腫れ

関節リウマチ、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデス(SLE)など

結晶沈着(尿酸・カルシウム)

足の親指の激しい痛みや腫れ、熱をもつような強い炎症

痛風・偽痛風など

遺伝的要因

背中から腰のあたり(脊椎や仙腸関節)の慢性的な痛みや違和感

脊椎関節炎、強直性脊椎炎など

変形性関節症は、関節リウマチのような「炎症」から始まる病気とは異なり、主に軟骨がすり減る「関節症」です。

ただし、症状が進行すると関節を包む膜(滑膜:かつまく)に炎症が起き、関節炎の状態を伴うことがあります。

つまり、変形性関節症は「炎症が原因の病気」ではなく「軟骨のすり減りが原因で、結果的に炎症も起こりうる病気」と理解すると良いでしょう。

関節炎の治療法

関節炎の治療は、薬物療法やリハビリテーションが中心です。

そのほか、関節炎の原因や状態によっては手術や切開といった処置をおこないます。

ここでは、一般的におこなわれる薬物療法とリハビリテーション、そして再生医療という選択肢について解説します。

薬物療法

薬物療法は、関節炎の一般的な初期治療としておこなわれます。痛みと炎症を和らげて、病気の進行をおさえることが目的です。

たとえば以下のように、原因や症状に合わせた薬を使用します。(文献5)(文献8

原因・症状

使用する薬の例

化膿性関節炎

・原因となる病原体に応じた抗生物質

痛風発作

・炎症をおさえる薬(消炎鎮痛薬やコルヒチン)

・尿酸を下げる薬(発作が治まってから)

関節リウマチ

・抗リウマチ薬

・生物学的製剤

そのため「関節が痛いから痛み止めを飲もう」と自己判断で痛み止めの服用をつづけると、原因に合っていない場合、症状が進行してしまうかもしれません。

関節炎を疑う症状があらわれたら、まず受診して正しい診断を受けましょう。

坂本 貞範
坂本 貞範
原因不明の痛みを痛み止めの薬を使うことによって、表面上の症状は軽快したように感じます。痛み止めは用量依存性のものが多く、痛みが強ければ適量を超えてたくさん飲んでしまい、結果として内臓に過度な負担をかけてしまうこともあります。そして、痛み止めが効かなくなってきて医療機関を受診すると、関節炎の原因となる疾患が進行してしまっている可能性があります。

リハビリテーション

リハビリテーションは、原因を問わず関節炎において大切な治療法です。

動かさないでいると関節の動く範囲が狭くなり、筋力が低下してますます関節に負担がかかるためです。

具体的なリハビリテーションの内容は、以下のとおりです。

リハビリテーションの内容

目的

温熱療法・電気刺激療法

血流改善によって炎症を緩和

筋力トレーニング・ストレッチ

関節を支える力の強化

歩き方・正しい姿勢・体重管理

関節に負担のかけない生活の習慣化

リハビリテーションと薬物療法と並行しておこなうことで、関節炎の進行防止が期待できます。

運動の種類や方法は、医師や理学療法士と相談して決めていきましょう。

【関連記事】

化膿性関節炎のリハビリは何をすれば?日常生活上での注意点を解説

仙腸関節炎(仙腸関節炎障害)の治し方・痛みを和らげるケア【医師監修】

再生医療

薬やリハビリテーションで改善が難しい関節炎に対して、再生医療という新しい選択肢があります。

たとえば、当院リペアセルクリニックでおこなう再生医療の特徴は、以下のとおりです。

  • 患者自身の脂肪から採取した幹細胞を使用する
  • 日帰り治療が可能
  • 採取した幹細胞を、骨や神経などの特定の組織へ変化させている

再生医療に関して詳しく知りたい方は、当院リペアセルクリニックの公式LINEへのご登録をおすすめします。

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関節炎を悪化させないために意識したい生活習慣

関節炎の治療と並行して大切なのが、日常生活の過ごし方です。

関節への負担を軽くし、炎症を悪化させないための生活習慣を意識して、免疫機能の維持・全身状態の管理を図り、症状の増悪を抑制しましょう。

坂本 貞範
坂本 貞範
関節炎の原疾患の治療とあわせて、関節への負担を軽くすることがより効果的な方法となります。症状が強いときには安静を意識して疼痛の緩和に努めます。症状の軽快にあわせて適度な運動(筋力訓練や可動域訓練)で関節への負担を減らしていきます。また、炎症による体力低下や免疫機能低下も生じますので、食事や睡眠などの基本的な生活習慣の管理も有効です。

バランスのとれた食事を意識する

骨や関節を健康に保つには、栄養バランスのとれた食事が欠かせません。

なかでも「ビタミンD」は、免疫力やカルシウムの吸収力の向上が期待できます。(文献12

ビタミンDが含まれる食材は、以下を参考にしてください。

食材

具体的な食品の例

きのこ類

干ししいたけ、まいたけ、しめじなど

魚類

サケ、サンマ、イワシなど

とくに卵黄

乳製品

ビタミンD強化牛乳、ヨーグルト、チーズなど

脂溶性ビタミンのビタミンDは、油と一緒に摂ると吸収率が高まります。少量のオリーブオイルやごま油を使用して、炒め物にするのがおすすめです。

また、日光を浴びることで体内でも生成されるため、「食事+日光浴」を意識すると良いでしょう。(文献12

無理のない運動とストレッチを習慣化する

「関節が痛いから動かさないほうが良い」と考える方もいますが、適度な運動は症状の改善に役立ちます。

運動によって関節を支える筋力が維持でき、関節の炎症の改善が期待できるためです。

たとえば、以下の運動がおすすめです。

  • ウォーキング
  • 軽いストレッチ
  • ヨガ
  • 水中歩行

関節を守るために、痛みの強くならない範囲で始めましょう。

体重を管理する

体重が増えると、膝関節や股関節などの負担も増えるため、適正体重の維持は欠かせません。

適性体重からどのくらいオーバーしているかの指標として、「BMI」が用いられます。(文献13

健康診断をきっかけに知る方もいますが、覚えていない方は身長と体重から算出できるため一度計算してみてください。

<BMIの計算方法>

BMI=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))

BMIが25を超えると、オーバーウェイトとなります。

まずは今の自分の体重を把握し、日常の食事や運動習慣を見直すきっかけを作りましょう

睡眠時間を確保する

睡眠不足は炎症を悪化させる要因となり得ます。

海外では、睡眠時間が長いほど関節炎の新規発症リスクが低くなるという報告が得られており、睡眠はなんらかの形で関節炎に関係している可能性があるのです。(文献14

そのため、十分な休養をとり、生活リズムを整えることで、関節への負担を軽減しやすくなるでしょう

関節炎は悪化する前に早期受診を心がけよう

関節炎は、自己免疫疾患や感染、痛風など、原因が多岐にわたる病気です。

症状も指のこわばり、膝や股関節の痛み、発熱を伴う関節の腫れなどさまざまで、人によって異なります。

自然に治りそうに思えても、放置してしまうと関節の変形や機能障害へと進行するケースも少なくありません。

症状が軽いうちに原因を明らかにする、適切な治療を受ける、日常生活で予防・改善を心がけるなどが、快適な生活を取り戻すことにつながります。

もし「関節炎かもしれない」と感じたら、自己判断せずに早めに専門医へ相談しましょう。

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関節炎に関するよくある質問

関節炎を放置するとどうなりますか?

関節炎を放っておくと関節の変形や機能障害が進み、歩行や日常動作が難しくなる恐れがあります。

重症化すると滑膜切除術や人工関節置換術といった外科的処置が必要になるため、疑わしい症状があったら受診をおすすめします。

関節炎が治るまでの期間はどのくらいですか?

軽度の炎症であれば数週間で改善する場合もありますが、慢性化すると数年単位で治療が必要になることもあります。

原因や治療法によって大きく異なるため、受診時に医師へ確認してみましょう。

あちこちの関節が痛いのは関節炎でしょうか?

身体中の関節の痛みの原因が、必ずしも関節炎とは限りません。

加齢や疲労による関節痛の場合もあります。

ただし、複数の関節が左右対称に腫れたり痛んだりする場合は、関節リウマチをはじめとする自己免疫疾患の可能性があります。

正しく対処するために、整形外科を受診しましょう。

関節炎の原因にストレスはありますか?

ストレスそのものは、関節炎を起こす直接の原因ではありません。しかし、ストレスは免疫や自律神経に影響を与え、炎症を悪化させることがあります

そのため、十分な睡眠をとりストレスを溜めない・うまく解消することが、関節炎の予防や症状緩和につながります。

参考文献

(文献1)

続編:関節の具合はどうですか?―関節の痛みが続くとき、どのような病気を考えるか?最近の治療の動向は?|独立行政法人国立病院機構 宇多野病院

(文献2)

関節リウマチ|公益財団法人日本リウマチ財団

(文献3)

関節炎の鑑別診断|宮坂信之

(文献4)

膝半月板損傷|順天堂大学医学部附属順天堂医院

(文献5)

関節リウマチ(RA) | 一般社団法人日本リウマチ学会

(文献6)

乾癬性関節炎(PsA) | 一般社団法人日本リウマチ学会

(文献7)

全身性エリテマトーデス | 一般社団法人日本リウマチ学会

(文献8)

痛風 | 一般社団法人日本リウマチ学会

(文献9)

偽痛風(ぎつうふう)をご存知ですか|新潟労災病院

(文献10)

脊椎関節炎(SpA) | 一般社団法人日本リウマチ学会

(文献11)

強直性脊椎炎(指定難病271)|難病情報センター

(文献12)

ビタミン(脂溶性ビタミン)|厚生労働省

(文献13)

身長から、自分の適正体重を知る|日本医師会

(文献14)

Sleep duration and the risk of new-onset arthritis in middle-aged and older adult population: results from prospective cohort study in China|PMC