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【医師監修】乾癬性関節炎の初期症状とは?部位別サインと放置のリスクを解説
乾癬がある方で、最近になって指や足の関節の腫れ、爪の変形、かかとの痛み、腰や背中のこわばりが気になり始めた場合は、乾癬性関節炎の可能性があります。
乾癬性関節炎は、皮膚だけでなく関節、腱が骨に付く部分、指や足趾(そくし)、爪にも炎症が及ぶ病気です。
関節炎が続くと、骨びらんや関節破壊といった不可逆的な変化につながる可能性があり、早期に症状を把握し、皮膚科、またはリウマチ科・整形外科への受診を検討することが重要です。
この記事では、乾癬性関節炎の初期症状の特徴、セルフチェックリスト、放置した場合のリスク、そして受診の目安について解説します。
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目次
乾癬性関節炎の初期症状
乾癬性関節炎の症状は、皮膚・爪・関節・腱付着部など複数の部位に及びます。症状の出方は個人差が大きく、皮膚症状が先行することが多いものの、関節症状が先に現れる場合もあります。(文献1)
初期段階で現れやすい6つの症状を説明します。
爪の変形
乾癬性関節炎では、爪に次のような症状が見られることがあります。
- 小さなへこみができる点状陥凹
- 変形
- 爪が浮くような剥離
- 変色 など
爪の変化だけで乾癬性関節炎と判断することはできませんが、こうした爪の変化は、乾癬性関節炎の手がかりの一つです。
見た目だけでは加齢や別の爪トラブルと区別しにくいため、乾癬がある方に爪の異常が出てきた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
手足の関節・指趾全体の腫れ
乾癬性関節炎では、手や足の小さな関節に痛みや腫れ、こわばりが出ることがあります。
とくに特徴的なのが、指や足趾の1本全体がソーセージ状に腫れる「指趾炎(ししえん)」です。(文献2)
指趾炎は、腱鞘や腱付着部の炎症が原因と考えられており、関節リウマチとの鑑別においても重要な所見です。
腫れは左右非対称に生じることも多く、関節リウマチのような対称性とは異なる点が特徴です。
皮膚の赤み・かゆみ
頭皮、肘、膝、臀部などに、境界が明瞭な赤みと鱗屑(うろこ状の皮膚)を伴う皮疹が現れることがあります。
皮膚症状が先にみられることが多いものの、関節の違和感が先に目立つ場合もあります。
皮膚の赤みやかゆみだけで乾癬性関節炎と判断することはできませんが、爪の変形や関節の痛み、腫れなどが重なっている場合は、皮膚と関節の症状を分けて考えず、まとめて相談することが大切です。
腰や背中の違和感・こわばり
乾癬性関節炎では、手足の関節だけでなく、腰や背中に朝のこわばりや痛みが出ることがあります。
炎症性の腰背部痛は、動くことで軽減し安静で増悪するという特徴があり、安静で改善することが多い筋肉疲労や椎間板由来の腰痛と異なる点です。
腰痛は珍しい症状ではないため、乾癬性関節炎との関連に気づきにくいことがあります。
乾癬があり、腰や背中の違和感が長引いている場合は、単純な腰痛と考えるのではなく、専門医に相談してください。
かかと・アキレス腱まわりの痛み
アキレス腱や足底腱膜の付着部に痛みや腫れが生じることがあります。これを「付着部炎」といい、腱や靭帯が骨に付く部位の炎症です。
かかと、足裏、アキレス腱まわりの痛みとして気づきやすく、歩き始めや朝に痛みや違和感が出る場合もあります。
かかとの痛みは、足底腱膜炎や踵骨棘などほかの原因でも起こるため、鑑別が必要です。
倦怠感・疲労感
乾癬性関節炎では、炎症が全身に及ぶことで、慢性的な疲労感や倦怠感が現れる場合があります。
ただし、疲労感だけでは乾癬性関節炎と診断できません。
他の症状(爪の変化、関節の腫れ、皮膚症状など)と総合することが大切です。気になる症状がある方は、次のチェックリストも参考にしてください。
乾癬性関節炎の初期症状チェックリスト
乾癬性関節炎は、皮膚だけでなく関節、爪、かかとなどにも症状が出ることがあります。
初期の段階では気づきにくいため、気になる症状がある方は次のチェックリストを参考にしてください。
なお、チェックリストは、乾癬性関節炎のスクリーニングツールとして国際的に使用されているPEST(Psoriasis Epidemiology Screening Tool)質問票をもとに作成しています。診断を目的とするものではなく、受診の目安として活用してください。(文献3)
|
チェック項目 |
確認したい内容 |
|---|---|
|
現在だけでなく、過去に関節の腫れに気づいたことがあるか |
|
|
一度でも医師から関節炎と説明されたことがあるか |
|
|
手や足の爪に点状のへこみがあるか |
|
|
かかとやアキレス腱まわりに痛みがあるか |
|
|
指1本、足趾1本が丸ごと腫れたことがあるか |
5項目のうち3項目以上に該当する場合は、乾癬性関節炎の可能性があります。
なお、乾癬性関節炎の確定診断は問診・血液検査・画像検査などを組み合わせて行われます。
該当項目が3つ未満でも、気になる症状があれば自己判断せず、皮膚科またはリウマチ科・整形外科への相談を検討してください。
①関節が腫れたことがある
関節の腫れは、乾癬性関節炎を疑うきっかけの一つです。
現在の症状だけでなく、過去に指、手首、足首、膝などの関節が腫れたことがある場合も確認の対象になります。
見た目にはわかりにくい場合もあるため、触ると腫れぼったい、動かしにくいと感じるといった変化も見逃さないようにしてください。
また、乾癬性関節炎の初期段階では、関節が腫れる前に違和感が出ることがあります。
②医師から関節炎といわれたことがある
過去に一度でも医師から関節炎を指摘されたことがあれば該当します。
当時は別の疾患と診断されていた場合でも、乾癬性関節炎の可能性を改めて確認する材料となります。
③爪に小さな穴や凹みがある
爪表面に針で刺したような小さな穴や点状の凹み(爪甲点状陥凹)が現れることがあります。
手の爪だけでなく、足の爪にも現れることがあるため、両方を確認してください。
爪の変化は乾癬性関節炎の早期サインとして重要視されており、関節症状とあわせて確認することが大切です。
④かかとに痛みがある
かかとの痛みは、腱や靭帯が骨に付く部分の炎症によって起こることがあります。
乾癬性関節炎では、このような付着部炎がみられることがあり、アキレス腱まわりや足裏の違和感として気づく場合もあります。
足底腱膜炎や踵骨棘と症状が類似しているため、鑑別が必要です。
かかとの痛みだけで乾癬性関節炎とはいえませんが、ほかの症状と重なっている場合は確認が必要です。
⑤指や足趾全体が原因不明に腫れたことがある
指1本・足趾1本の関節だけでなく全体がソーセージ状に腫れる「指趾炎」は、乾癬性関節炎に特徴的な症状です。
腫れが1本全体に及ぶ点が、通常の関節炎と異なります。
乾癬がある方で原因不明の腫れが続いている場合は、早めの相談が大切です。
乾癬性関節炎の初期症状を放置するリスク
乾癬性関節炎は、適切な治療を受けないまま放置すると、関節の破壊や身体機能の低下につながることがあります。
早い段階で気づき、必要な治療につなげることが大切です。
関節の不可逆的な破壊と変形
乾癬性関節炎による関節の炎症が続くと、骨びらんや関節破壊が進行する可能性があります。
関節の破壊が一定以上進んだ場合、元の状態に戻すことは困難です。
日本皮膚科学会のガイドラインでは、関節破壊の進行を抑えるために早期診断・早期治療開始が重要とされています。炎症が長期間続くと可動域の制限や変形が生じ、日常生活動作(歩行・把握動作など)に影響が出る場合があります。(文献1)
全身の炎症が招く合併症(心疾患・メタボなど)
乾癬性関節炎は、皮膚や関節だけの病気ではなく、全身の炎症と関連する病気として捉えられています。
乾癬および乾癬性関節炎の患者では、心血管疾患、肥満、メタボリックシンドローム、糖尿病、脂質異常症などの合併率が一般集団と比較して高いことが複数の研究で報告されています。(文献1)
ただし、これらの合併症と乾癬性関節炎の因果関係については研究が進められている段階であり、乾癬性関節炎が直接の原因であると断定するものではありません。生活習慣の改善や定期的な健康管理をあわせて行うことが重要です。
乾癬性関節炎を重症化させないための対策
乾癬性関節炎の治療は専門医による薬物療法が中心となります。生活習慣の見直しやストレスの管理も役立ちますが、これらは医療機関での診断や治療に代わるものではありません。
皮膚、爪、関節の変化が続く場合は自己判断で様子を見ずに受診を前提としながら日常生活も整えることが大切です。
早めの受診
乾癬があり、爪の変形や関節の腫れ、かかとの痛みなど、気になる症状が複数ある場合は、早めに受診してください。
乾癬性関節炎は、早期診断と早期治療が関節破壊の抑制につながることが報告されており、放置による関節破壊を防ぐ上でも受診のタイミングは重要です。
生活習慣の改善
体重管理、禁煙、適度な運動、十分な睡眠などの生活習慣の見直しは、炎症のコントロールや合併症予防の観点から重要です。とくに肥満は炎症を悪化させる要因の一つとして指摘されています。
ただし、生活習慣の改善のみで乾癬性関節炎を治療することはできません。
関節症状がある場合は生活習慣だけで済ませず、受診と並行して考えることが重要です。
以下では症状を予防する食事について詳しく紹介しています。
ストレスの管理
ストレスは乾癬および乾癬性関節炎の症状を悪化させる要因の一つとして知られています。
乾癬性関節炎でも、症状が続くことで睡眠や日常生活に影響が出やすく、心身の負担が大きくなりがちです。
睡眠の質を高める、生活リズムを整えるなど、日常的なストレス管理が症状の安定につながる可能性があります。
ただし、ストレス管理のみで症状をコントロールできるとするエビデンスは限られており、痛みやこわばりが続く場合は我慢せずに受診につなげてください。
乾癬性関節炎は初期症状に気づいた段階で早めに受診しよう
乾癬性関節炎の初期症状は、爪の変形、指趾の腫れ、かかとの痛み、腰背部のこわばりなど、一見すると他の疾患と区別がつきにくいものが多くあります。
年齢のせい、疲れのせいと見過ごされやすい症状であっても、複数の部位に同時に変化が現れている場合は注意が必要です。
関節の炎症が長期間続くと、骨びらんや関節破壊といった不可逆的な変化につながる可能性があります。早期に診断・治療を開始することで、こうした変化の進行を抑えられます。
まずは皮膚科で相談し、関節症状が目立つ場合はリウマチ科や整形外科との連携も視野に入れると良いでしょう。
なお、乾癬性関節炎の60代男性で、再生医療により手足の痛みやしびれ、肝機能値の改善傾向がみられた症例があります。
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乾癬性関節炎の初期症状に関するよくある質問
関節リウマチとの違いは何ですか?
乾癬性関節炎と関節リウマチは、どちらも関節の痛みや腫れが出る点では似ていますが、いくつかの点で異なります。
乾癬性関節炎では、乾癬などの皮膚症状や爪の変化を伴うことが多く、指や足趾1本全体が腫れる「指趾炎」や、腱付着部の炎症(付着部炎)が現れることがあります。関節の腫れは左右非対称に生じることが多い点も特徴です。
ただし、最終的な鑑別は医療機関での問診・血液検査・画像検査によって行われます。自己判断はせず、専門医に相談してください。
関節リウマチの初期症状については、以下記事もご参照ください。
乾癬性関節炎はどのように治療しますか?
治療は症状や重症度に応じて異なります。
一般的には、非ステロイド性抗炎症薬、抗リウマチ薬、生物学的製剤などが検討されます。
治療の目標は「寛解」または「低疾患活動性の維持」であり、定期的な評価のもとで治療方針が見直されます。
自己判断で我慢せず、早めに診断を受けて治療方針を決めることが大切です。
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乾癬性関節炎が治った実例は、以下記事をご覧ください。
皮膚科と整形外科どちらを受診すべきですか?
乾癬があり、関節や爪の症状も気になる場合は、まず皮膚科で相談して問題ありません。
皮膚科医が乾癬性関節炎の可能性を判断し、必要に応じてリウマチ科や整形外科と連携します。
なお、関節症状が強い場合や、歩きにくさ、手指の腫れが目立つ場合は、リウマチ科やリウマチ診療に対応した整形外科を受診することも選択肢の一つです。
乾癬性関節炎の診療には複数の診療科が関わるため、受診先に迷う場合はかかりつけ医に相談することも有効です。
診療科に迷う場合は、以下の症状別受診先に関する記事もご参照ください。
乾癬がなくても乾癬性関節炎になることはありますか?
多くの方では皮膚症状が先に出ますが、皮膚症状が目立たない場合や、関節症状が先行して発症する場合もあります。
また、爪の変化や家族歴が手がかりとなることがあります。
乾癬の皮膚症状がない場合でも、特徴的な関節症状や爪病変があれば乾癬性関節炎の可能性を否定できません。
気になる症状がある場合は、自己判断せず専門医に相談してください。
参考文献
PEST Screening Tool|RCGP Learning
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