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寒いと頭痛がするのはなぜ?原因・タイプ別の特徴とすぐできる対策を徹底解説
「冬になると頭痛が増える」「外に出るとこめかみがズキッと痛む」などの経験はありませんか。
寒さで血管が急激に変化したり、筋肉がこわばったり、自律神経が乱れたりすると、頭痛が引き起こされることがあります。
とくに片頭痛や緊張型頭痛を抱えている方には、冷えが頭痛の誘因になるケースも多いでしょう。
この記事では、寒いときに起こる頭痛の原因やタイプ別の特徴、日常でできるセルフケア、そして注意が必要な症状について詳しく解説します。
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目次
【なぜ?】寒いと頭痛が起こる3つの原因
寒い日に頭が痛くなるのは、単なる気のせいではありません。
冷たい空気や風、氷などに触れると、頭や顔まわりに「寒冷刺激(寒さ・冷たさによる刺激のこと)」が加わります。
すると血管や神経が反応して頭が痛くなることがあるのです。(文献1)
詳しくはまだ解明されていない部分もありますが、主に以下3つのメカニズムが関わっていると考えられています。
- 寒さで血管が急激に収縮・拡張する
- 首や肩の筋肉が冷えて緊張する
- 寒暖差や冷えで自律神経が乱れる
それぞれの原因について、順番に解説します。
寒さで血管が急激に収縮・拡張する
私たちの血管は、気温にあわせて収縮・拡張する性質があります。
寒い場所から暖かい場所へ移動した際に起こる血管の急激な変化は、脳の血管を取り巻く「三叉神経(さんさしんけい)」への刺激となりえます。(文献2)
刺激を受けた三叉神経は、痛みの感受性を高めてしまうため、普段なら問題ないような血管の変化でも頭痛として感じられてしまうのです。
外出時や室内に入った時に頭痛を感じやすい方は、この血管と神経の反応が関係している可能性が考えられます。(文献3)
首や肩の筋肉が冷えて緊張する
寒さにさらされると、首や肩の筋肉は無意識に力が入り、こわばりやすくなります。
筋肉の緊張が続くと、痛みを起こす物質が放出されて神経が過敏な状態になります。
その結果、痛みを感じやすくなり、普段は感じないような弱い刺激でもこめかみや後頭部に痛みが生じるのです。(文献4)
首こりからくる頭痛やめまいについては以下の記事でも解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
寒暖差や冷えで自律神経が乱れる
自律神経の乱れも、頭痛の原因の一つです。
私たちの体温は、自律神経によって無意識に調整されています。
しかし、寒暖差が大きすぎたり、冷えが続いたりすると、自律神経が過剰に働いて疲弊してしまいます。
これを「寒暖差疲労」といい、エネルギーを多く消耗することで、頭痛・肩こり・倦怠感などの不調を引き起こすのです。(文献5)
寒さで起こる頭痛の種類
寒さによる頭痛は、以下の2種類に分類されます。
- 片頭痛|ズキズキ・吐き気を伴う
- 緊張型頭痛|締めつけられるような痛み
本章をもとに、それぞれの頭痛の症状や原因を整理しておきましょう。
片頭痛|ズキズキ・吐き気を伴う
片頭痛は、頭の片側にズキズキと拍動するような強い痛みが出る頭痛です。
吐き気や、光・音に対する過敏さを伴うこともあり、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。(文献6)
気圧や気温の変化、寝不足やホルモンバランスの変化など、さまざまな要因が引き金になり、寒暖差もその一つです。(文献7)
吐き気を伴う頭痛については、こちらの記事もご覧ください。
緊張型頭痛|締めつけられるような痛み
緊張型頭痛は、後頭部や側頭部が締めつけられるような痛みが特徴です。
長時間のデスクワークやストレス、姿勢の悪さなどが原因ですが、寒さで筋肉がこわばることも頭痛があらわれるきっかけとなります。
ストレッチやマッサージなどで筋肉をほぐすと症状の軽減が期待できることも、緊張型頭痛の特徴です。(文献8)
寒いと頭痛がするときの対処法・セルフケア
寒さによる頭痛は、日常生活の中でできる工夫で予防・緩和できる場合があります。
こちらの記事でも頭痛の対処法を紹介しているので併せてご覧ください。
寒さや寒暖差を避ける
外出時はマフラーやニット帽を活用し、首や頭を冷やさないようにしましょう。
とくに首・手首・足首のいわゆる「三首」は太い血管が通っており、ここを温めると全身を効率よく温められます。(文献9)
また、室内外の温度差が大きくならないよう、エアコンや衣服の調整でこまめに対応しましょう。
温かい飲み物や入浴などで体を温める
体の内側から温めることも、冷え対策として有効です。
根菜・生姜などを含む体を温める食事や温かい飲み物は、血流改善に効果的です。
また、湯船にゆっくり浸かると全身の筋肉がほぐれ、自律神経のバランスも整いやすくなります。
ただし、片頭痛の発作中に体を温めると、かえって痛みが悪化することがあります。発作中は無理をせず、静かな場所で休むようにしましょう。(文献1)
ストレッチや深呼吸で筋肉と神経をゆるめる
首・肩のストレッチや深呼吸は、筋肉のこわばりを和らげ、自律神経の安定にも役立ちます。(文献5)
短時間でも良いので、こまめに体を動かす時間をとるようにしましょう。
肩甲骨まわりの軽い体操や、深い呼吸を意識するだけでもリラックス効果があります。
具体的なストレッチ方法については、こちらの記事も参考にしてください。
寒さで起こる頭痛と脳の病気の見分け方
寒さによる頭痛は比較的軽度なことが多いのですが、なかには重大な病気が隠れていることもあります。
以下のような症状がある場合は、すみやかに医療機関を受診してください。
- 突然、これまでにない激しい頭痛が起こった
- 高熱や嘔吐を伴っている
- 手足のしびれやまひがある
- 視野の異常やろれつが回らないといった神経症状がある
これらは、くも膜下出血や脳出血、髄膜炎などが起こるサインかもしれません。(文献8)
いつもと違う痛みを感じたときは、自己判断せずに専門医の診察を受けましょう。
脳出血の後遺症や再発予防を目的とした治療法として、再生医療という選択肢があります。脳出血に対する再生医療の治療例については、以下の症例記事をご覧ください。
脳の病気については、以下の記事も併せてご覧ください。
【関連記事】
寒いと頭痛する症状が続くときは我慢せず医療機関を受診しよう
寒さをきっかけに頭痛が起こる場合、症状が長引いたり頻繁に繰り返したりするようなら、一度医療機関で相談してみることをおすすめします。
また、「いつもと違う痛みがある」「最近強くなってきた」「日常生活に支障が出ている」などのサインがある場合は、早めに専門医の診察を受けましょう。
なお、市販の鎮痛薬で一時的に症状を和らげることは可能ですが、薬の使いすぎによって頭痛が悪化するケースも報告されています。
症状に合った対処や薬の選び方について迷う場合も、医師に相談すると安心です。
痛み止めについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
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寒いと頭痛が起こることに関するよくある質問
寒いと頭痛がするのですが、漢方は効きますか?
寒さによる頭痛には、冷え・血流の悪化・自律神経の乱れなど、さまざまな要因が複雑に関わっています。
漢方薬は、こうした不調の背景にある体質の乱れを整えることを目的としており、根本的な改善をめざすアプローチのひとつです。
実際に、片頭痛や緊張型頭痛に対しては「呉茱萸湯(ごしゅゆとう)」や「五苓散(ごれいさん)」などの処方が使われることがあり、一定の効果が報告されています。(文献1)
ただし、漢方薬は一人ひとりの体質や症状に合わせて選ぶ必要があるため、自己判断での服用はおすすめできません。
気になる方は、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談し、自分に合った処方を見つけるようにしましょう。
寒さで頭痛がするとき、こめかみや目の奥が痛むのは異常ですか?
寒さで頭痛がするとき、こめかみや目の奥にも痛みを感じることは珍しくありません。
寒さや冷たいものを食べたときの刺激による頭痛は、おでこや頭の横側、目の奥に痛みが出る一過性の反応とされています。
多くは30分以内におさまりますが、痛みが強い、長引く、しびれやまひなどを伴う場合には、脳の病気が関与している可能性もあります。(文献10)
気になる症状があるときは、早めに専門医の診察を受けましょう。
こめかみの痛みに不安がある場合は、以下の記事も参考にしてください。
参考文献
頭痛の診療ガイドライン2021|日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会
Weather and Migraine|american migraine foundation
4. Other primary headache disorders|IHS Classification ICHD-3


















