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動脈硬化は改善できる?今日から始められる食事・運動・生活習慣の整え方を医師が解説

動脈硬化改善
公開日: 2026.05.30

健康診断でLDLコレステロールや血圧、血糖値の数値を指摘され、「このままだと動脈硬化が進むのではないか」「薬に頼らず生活習慣で改善したい」と感じていませんか。

動脈硬化は「サイレント・キラー」とも呼ばれ、自覚症状が出にくいまま進行する病気です。しかし、早めに生活習慣を見直すことで進行を抑え、改善が期待できます。

本記事では、動脈硬化の改善・予防に役立つ食事・運動・生活習慣の3つのアプローチを医師の視点から解説します。セルフチェック方法や医療機関での検査についても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

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動脈硬化を改善する3つのアプローチ

動脈硬化は、食事・運動・生活習慣の3つを見直すことで、進行を抑えられる可能性があります。一気にすべてを変えようとせず、できるところから取り組んでみましょう。

具体的な3つのアプローチは、以下のとおりです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.バランスの整った食事メニューに切り替える

カロリーや塩分のとりすぎは、中性脂肪やLDLコレステロールを増やす原因になります。こうした状態が続くと、血管の内側に脂質が蓄積し、血管が狭くなったり血流が悪くなったりするおそれがあるのです。

以下のチェックリストに3つ以上該当する人は、食生活を見直してみましょう。

  • 日頃から水分を十分にとれていない
  • 濃い味付けの料理を選びがち
  • 豆類・野菜・魚の摂取量が少ない
  • 加工食品や外食に頼る機会が多い
  • 間食が習慣化している
  • 麺類や丼物などの単品メニューをよく食べる

日本動脈硬化学会が提唱する「The Japan Diet」では、魚や大豆製品、緑黄色野菜、海藻などを積極的にとり、肉の脂身や加工食品、アルコールを控えることを推奨しています。(文献1

なお、具体的なメニューについては、後述する「動脈硬化を改善・予防する食事メニュー例」で詳しく紹介します。

2.血流を高める運動習慣を取り入れる

運動不足は血圧の上昇を招き、血管の老化を進めやすくなります。とくにデスクワーク中心の方は、意識的に体を動かす習慣を取り入れましょう。

なお、本格的な筋トレやスポーツでなくても問題ありません。軽い散歩やストレッチ、体を大きく動かす家事などでも血行をよくし、血管の内皮細胞を活発化させる効果が期待できます。

詳しいストレッチの方法は、後述する「動脈硬化改善が期待できる運動やストレッチ」で紹介します。

3.生活習慣を改善して自律神経を整える

血管の収縮や拡張は、自律神経によってコントロールされています。交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、血管が収縮しやすい状態が続き、血管への負担が増えることで老化が進みやすくなります。

以下のチェックリストに3つ以上該当する人は、自律神経のバランスが乱れ、動脈硬化のリスクが高まっている可能性があります。

  • 日常的にストレスをため込みやすい
  • 喫煙の習慣がある
  • 夜更かしが多く、十分な睡眠をとれていない
  • リラックスできる趣味や楽しみが少ない
  • 人とのコミュニケーションに負担を感じやすい
  • 以前よりも感動したり楽しんだりする機会が減っている

具体的な対策としては、定期的なストレス発散と良質な睡眠の確保が重要です。人との会話や散歩、読書、旅行など、自分が楽しめる時間を意識的に作りましょう。

また、就寝前のカフェインや飲酒、スマホの使用を控えると、睡眠の質が高まります。

そもそも動脈硬化とは?

動脈硬化とは、動脈の壁にコレステロールなどが蓄積し、血管が厚く硬くなる状態のことです

動脈は、全身に酸素や栄養を届ける血管です。内側から内膜・中膜・外膜の3層で構成されており、内膜の下にLDLコレステロールなどが蓄積すると、「プラーク」と呼ばれるかたまりが作られます。(文献2)プラークが大きくなるほど血管の内側は狭くなり、血液がスムーズに流れにくくなるのです。

また、プラークが破れると血栓(血管の中にできる血のかたまり)ができやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気につながりかねません。

動脈硬化は自覚症状が出にくいため、健康診断でLDLコレステロールや血圧、血糖値を指摘された場合は、早めに生活習慣を見直しましょう。

動脈硬化の進行度を確認する方法

動脈硬化の対策を始める前に、まずは血管の状態を把握することが大切です。ここでは、セルフチェックと医療機関での検査、2つの方法を紹介します。

それぞれ詳しく解説します。

セルフチェックで動脈硬化のリスクを確認する

動脈硬化のリスクは、医学的な基準値と生活習慣の両面からチェックできます。以下の医学的リスク基準に3つ以上該当する方は注意が必要です。

項目 基準の目安
年齢 ・男性45歳以上
・女性55歳以上
血糖値 100mg/dL以上
脂質 ・中性脂肪150mg/dL以上
・LDLコレステロール140mg/dL以上
・HDLコレステロール40mg/dL未満
血圧 収縮期血圧140以上/拡張期血圧90以上

また、以下の生活習慣チェックリストに3つ以上該当する場合も注意が必要です。

  • 喫煙習慣がある
  • 血圧が高いと指摘されたことがある
  • 睡眠時間が不足しがちである
  • BMIが25以上、または腹囲が男性85cm以上・女性90cm以上である
  • 日常的にストレスを感じることが多い
  • 週3日以上アルコールを飲む
  • 運動する機会が少ない
  • デスクワークなどで座っている時間が長い
  • 魚より肉を食べる機会が多い
  • 濃い味付けの料理を好む
  • 満腹になるまで食べる習慣がある

該当する項目が多い方は、医療機関での検査を検討しましょう。

医療機関でABI・CAVI検査を受ける

医療機関では、血圧脈波検査によって動脈硬化の進行度を調べられます。血圧脈波検査は、両腕と両足の血圧を同時に測定し、CAVIとABIという2つの値を確認する検査です。検査時間は5〜10分程度と短く、体への負担も少ないとされています。

検査項目 確認できること 特徴
CAVI 血管の硬さ 動脈を伝わる脈波から、血管がどの程度硬くなっているかを調べる
ABI 血管の詰まり 腕と足の血圧の比をもとに、足の血管が狭くなっていないかを確認する

血圧脈波検査は、比較的太い血管を対象に測定するため、測定値の誤差が出にくい点が特徴です。

なお、血圧脈波検査にかかる費用は、受診する医療機関や検査の目的によって変わります。健康診断や任意のチェックとして受ける場合は自由診療になるケースが多く、費用の目安は2,000〜5,000円前後です。

一方で、医師が動脈硬化や血管疾患のリスクを調べる必要があると判断した場合は、保険診療として検査を受けられる可能性があります。費用や保険適用の有無は医療機関によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。

動脈硬化を改善・予防する食事メニュー例

日本動脈硬化学会の「The Japan Diet」によると、動脈硬化の進行を予防したい場合、以下のような食事が推奨されます。(文献1

意識したいこと 具体例
脂質をとりすぎない 脂身の多い肉や動物性脂肪の多い食品を控える
糖質・嗜好品を控える 甘い飲み物、菓子類、アルコールのとりすぎに注意する
魚・大豆製品を増やす 魚、大豆、豆腐、納豆などを食事に取り入れる
野菜・海藻類を増やす 緑黄色野菜、海藻、きのこ、こんにゃくなどを選ぶ
主食を工夫する 玄米、雑穀、麦などを取り入れる
塩分を控える 薄味を意識し、塩分の多い食品を控える

ここからは、上記の注意点を参考に具体的なメニュー例を紹介します。

毎日の食事メニューに取り入れてみてください。

【朝食】納豆と海藻を使った和食メニュー

朝食は、和食の基本をおさえつつ、未精製穀類と大豆製品をバランスよく組み合わせます。

区分 メニュー
主食 もち麦ごはん
汁物 わかめとえのきの減塩味噌汁
主菜 納豆(オクラやネギを添えて)
副菜 ほうれん草としらすのおひたし
デザート 無糖ヨーグルトとキウイフルーツ

精白米にもち麦を混ぜることで未精製穀類を増やし、食物繊維をしっかり摂取できます。また、主菜には動物性脂質を含まない大豆製品(納豆)を選び、オクラを加えて野菜も補えるメニューです。

汁物には海藻ときのこをたっぷり入れ、出汁を効かせて減塩を意識しています。デザートには、糖分を抑えた乳製品と甘味の少ない果物を組み合わせましょう。

【昼食】魚介とたっぷりの野菜メニュー

昼食は、青魚と野菜・海藻・きのこを組み合わせ、手軽に作れる内容を意識しました。

区分 メニュー
主食 全粒粉パンのサンドイッチ、または玄米おにぎり
主菜 さばの水煮缶を使ったトマト煮込み
副菜 海藻サラダ(わかめ、ひじき、レタス)のノンオイル和風ドレッシング
副菜 きのこ(しめじやエリンギ)とこんにゃくのピリ辛炒め

さばの水煮缶は骨まで食べられる上、青魚のEPA・DHAを手軽に摂取できる優れた食材です。トマトと一緒に煮込むことで旨味が増し、塩分を抑えられます。

主食は精製された白いパンやご飯を避け、全粒粉パンや玄米を選ぶのがポイントです。きのことこんにゃくの炒め物は食物繊維が豊富で、唐辛子などスパイスを使えば薄味でも満足感が得られます。

【夕食】焼き魚と大豆製品の満足感メニュー

夕食は、肉類を控えて魚と大豆製品を中心に据えたメニューです。

区分 メニュー
主食 雑穀米
汁物 豆腐となめこのすまし汁
主菜 鮭の塩焼き(減塩)、たっぷりの大根おろし添え
副菜 厚揚げと小松菜の煮浸し
デザート りんご(少量)

夕食は肉類を控え、魚と大豆製品をメインに据えることが動脈硬化対策のポイントです。鮭は塩分控えめに焼き、大根おろしをたっぷり添えることでさっぱりと食べられます。

副菜には緑黄色野菜(小松菜)と厚揚げを合わせ、出汁の風味を活かした煮浸しにすると減塩につながります。汁物にも大豆製品(豆腐)ときのこ(なめこ)を取り入れることで、食物繊維をしっかり補える構成です。

動脈硬化改善が期待できる運動やストレッチ

近年の研究では、体の柔軟性が低い人ほど、血管も硬くなりやすい可能性が示されています。(文献3

血管の柔軟性を保ちやすくなるため、日々の習慣として以下の運動やストレッチを取り入れてみましょう。

それぞれ詳しく解説します。

かかと上げ下げ運動

運動不足は高血圧につながり、血圧が高い状態が続くと動脈硬化が進行しやすくなります。ふくらはぎは下半身の血液を心臓へ送り戻す「第二の心臓」とも呼ばれるポンプ機能を持っており、刺激することで血行改善が期待できます。

かかと上げ下げ運動の実施方法は、以下のとおりです。

  1. 楽な姿勢で立ち、軽く足を開く
  2. 両足でつま先立ちになる
  3. ゆっくりかかとを下ろす
  4. 10回を1セットとして、朝晩2回を目安に行う

つま先立ちが難しい場合は、後述する「寝たままふくらはぎストレッチ」を代わりに行いましょう。また、椅子に座ったままアキレス腱から膝裏を30秒×1〜2回/日マッサージするのも、血行改善に効果的です。

寝たままふくらはぎストレッチ

つま先立ちが難しい方には、寝たまま行えるストレッチがおすすめです。寝る前や朝起きたときに行うと、手軽に習慣化できます。

実施方法は、以下のとおりです。

  1. 仰向けになった状態で、両足のつま先を伸ばす
  2. つま先をゆっくりと上に引き上げる
  3. 10回を1セットとして、朝晩2回を目安に行う

寝たままできるストレッチなので、起床後や就寝前の習慣として取り入れてみましょう。

血管の柔軟性を高める効果が期待できるストレッチ

血管の柔軟性を高める効果が期待できる、5種類のストレッチを紹介します。実施方法は、以下表を参考にしてください。

ストレッチ 実施方法
膝裏 1.片足を前に出し、立った状態で膝を伸ばす
2.前に出した膝の上に両手を置く
3.上体を前に傾けて体重をかけ、膝裏をしっかり伸ばす
足の付け根 1.正座の姿勢になり、両手を体の前につく
2.片足をうしろへ引いて伸ばす
3.背筋をまっすぐに保ったまま、足の付け根を伸ばす
太もも前側 1.両足を前に伸ばして床に座る
2.両手を体のうしろにつく
3.片足をうしろへ曲げ、前を向きながら太もも前側を伸ばす
ふくらはぎ 1.壁の前に立ち、両手を壁につける
2.片足をうしろへ引き、かかとを床につける
3.前の膝をゆっくり曲げながら、うしろ側のふくらはぎを伸ばす
お尻 1.仰向けに寝た状態になる
2.片足を胸の方へ引き寄せて抱え込む
3.頭を持ち上げずに、お尻まわりを伸ばす

上記ストレッチを実施する際は、1つにつき20〜30秒キープし、左右2回ずつ行いましょう。ストレッチ間のインターバルは10〜20秒が目安です。

なお、無理に連続して行うと体に負担がかかるため、適度に休憩を挟みながら続けましょう。

動脈硬化が進行すると起こりやすい病気

動脈硬化が進行すると、重大な病気を引き起こす可能性があります。注意すべき主な病気は、以下のとおりです。

疾患名 症状・リスク
脳梗塞 ・脳の血管が詰まり、脳の細胞が障害を受ける
・手足の麻痺、言語障害、記憶力や思考力の低下などが残ることがある
脳出血 ・脳の血管が破れて出血する
・意識障害や頭痛、手足の麻痺などが起こることがある
・後遺症が残り、生活に支障をきたす場合がある
心筋梗塞 ・心臓の血管が詰まり、心筋に血液が届かなくなる
・胸の強い痛み、息苦しさ、冷や汗、吐き気などが起こることがある
・突然死につながるケースもある
狭心症 ・心臓の血管が狭くなり、血流が悪くなる
・運動時や寒暖差などをきっかけに胸の痛みや圧迫感が起こることがある
・放置すると心筋梗塞などの重い病気につながるおそれがある

とくにデスクワーク中心の方は、座りっぱなしが続くと血流が悪くなりやすいため、こまめに立ち上がって体を動かすことが大切です。

ただし、食事や運動、生活習慣を整えることで、これらのリスクを下げられます。できることから一つずつ始めていきましょう。

以下の記事では、首の血管に関する動脈硬化についてまとめています。首の違和感に心当たりがある方は、ぜひ参考にしてください。

まとめ|動脈硬化を改善するには食事や生活習慣を整えよう

動脈硬化は、生活習慣の見直しによって進行を抑え、改善が期待できる病気です。バランスの整った食事メニューに切り替え、適度な運動や良質な睡眠を意識しながら、生活習慣を整えていきましょう。

ただし、一気にすべてを変えようとせず、一つずつ始めることが大切です。「今日の食事から見直してみる」「寝る前にストレッチを1セット行う」など、小さな一歩を積み重ねましょう。

また、定期的な健康診断やABI・CAVI検査で血管の状態をチェックすることもおすすめです。気になる症状がある方は、早めに医療機関を受診してください。

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動脈硬化改善についてよくある質問

動脈硬化改善に有効なサプリメントはありますか?

動脈硬化の予防や血管の健康維持に役立つ成分として、DHA・EPAなどの魚油由来の成分が知られています。日本動脈硬化学会のガイドラインでも、中性脂肪の低下を目的にEPA・DHAの摂取量を増やすことが推奨されています。(文献4

DHA・EPAの摂取で期待される働きは、以下のとおりです。

成分 期待される働き
DHA ・青魚に多く含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸の一種
・血管の健康維持に関わる成分として知られている
EPA ・青魚に多く含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸の一種
・中性脂肪(トリグリセライド)の低下を目的とした摂取が推奨されている

動脈硬化の改善を目的にサプリメントを購入する際は、DHA・EPAが多く含まれる商品を検討してみてください。

なお、DHA・EPAは、イワシ・サバ・サンマ・アジなどの青魚に含まれています。サプリメントで補う方法もありますが、まずは食事から青魚を取り入れることが基本です。

動脈硬化改善におすすめのレシピはありますか?

日本動脈硬化学会が推奨する「The Japan Diet」では、動脈硬化予防に役立つ食事として、魚・大豆製品・野菜・海藻・きのこ・こんにゃくなどを取り入れ、肉の脂身や動物脂、菓子類、甘い飲み物、アルコールなどを控える食事が紹介されています。(文献4

調理のポイントは、以下のとおりです。

ポイント 具体例
魚を主菜に取り入れる アジ、イワシ、サバなどの青背の魚を中心に、刺身・焼き魚・蒸し料理などで取り入れる
大豆製品を活用する 納豆、豆腐、高野豆腐などを主菜や副菜に加える
野菜や海藻類を増やす 緑黄色野菜、淡色野菜、海藻、きのこ、こんにゃくを副菜や汁物に使う
主食を工夫する 白米だけでなく、玄米、麦、雑穀、そばなどを取り入れる
動物性脂肪を控える 肉の脂身、鶏皮、ラード、牛脂、バターなどを控えめにする
減塩を意識する 出汁、香味野菜、すだち、レモン、大根おろしなどを活用して薄味にする

上記を参考に、日々のレシピを組み立ててみてください。

参考文献

(文献1)
動脈硬化を知る×動脈硬化を予防する食事|一般社団法人 日本動脈硬化学会

(文献2)
動脈硬化性疾患とは?|一般社団法人日本動脈硬化学会

(文献3)
Poor trunk flexibility is associated with arterial stiffening|PubMed

(文献4)
動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版|日本動脈硬化学会