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免疫療法が効く人と効かない人の違いは?医師に相談すべきことも紹介

免疫療法 効く人 効かない人
公開日: 2026.07.31

「がんの免疫療法が効く人と効かない人の具体的な違いは?」
「検討する場合は医師にどんなことを相談すれば良い?」

免疫療法の効きやすさは、がんの性質や体の状態によって個人差があります。検査である程度予測できるため、その結果をもとに医師と相談して治療方針を決めましょう。

本記事では、免疫療法が効く人・効かない人の特徴、医師に相談する前に知っておきたいことなどを解説します。医師に相談すべき具体的な質問もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

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免疫療法が効く人と効かない人の主な違い

免疫療法とは、人間の体にもともと備わっている免疫の力を利用して、がんと戦う治療法です。免疫療法の多くは、免疫の働きにブレーキがかかった状態を解除して、がんへ攻撃を促すことを目的としています。効きやすさはがんの性質や体の状態によって個人差があります。

免疫療法が効きやすい人と、効きにくい人を整理すると以下のとおりです。

項目 効きやすい傾向がある人 効きにくい傾向がある人
免疫細胞の状態 がん組織に免疫細胞が多く入り込んでいる がん組織に免疫細胞の入り込みが少ない
バイオマーカー 腫瘍浸潤リンパ球・PD-L1・遺伝子変異などが多い 腫瘍浸潤リンパ球・PD-L1・遺伝子変異などが少ない
体の状態 病状が安定している 病状が安定していない
服用中の薬 免疫を抑える薬を使っていない 免疫を抑える薬を使っている

なかには最初から効果が現れない「一次耐性」を持つ方、最初は反応するが途中から効果が現れない「二次耐性」を示す方もいます。

免疫療法が効く人の特徴

免疫療法が効く人の特徴として、以下が挙げられます。

それぞれについて詳しく解説します。

腫瘍浸潤リンパ球が豊富な人

免疫療法が効きやすい人の特徴として、まず「腫瘍浸潤リンパ球が豊富な人」が挙げられます。腫瘍浸潤リンパ球とは、がんの組織の中に、免疫細胞であるリンパ球がたくさん入り込んでいる状態のことです。

リンパ球は、体の中で異常な細胞を攻撃する役割を担う免疫細胞のことです。がんの内部にこうした免疫細胞が多く入り込んでいると「免疫がすでにがんに反応している」状態だと考えられています。つまり、免疫の攻撃力を引き出す治療との相性がよくなりやすいと判断できるのです。

PD-L1発現が高い人

「PD-L1発現が高い人」も、免疫療法が効きやすい特徴の一つです。PD-L1とは、がん細胞などの表面に現れるタンパク質で、免疫の攻撃にブレーキをかける目印のような役割を持ちます。このPD-L1が多く現れているがんは、免疫のブレーキを解除する免疫療法の効果を発揮しやすいと考えられます。

遺伝子変異が多い人

「遺伝子変異が多い人」も、免疫療法の効果が高い傾向にあると報告されています。(文献1)遺伝子変異とは、細胞の設計図である遺伝子に生じた変化のことです。

がん細胞に遺伝子変異が多いと、免疫にとって「異物」として認識されやすくなると考えられています。実際に免疫療法の効果を示した割合において、遺伝子変異が少ない人が6%に対して、多い人は29%であったとの報告があります。文献2

ホットチューマーを持つ人

「ホットチューマーを持つ人」は、免疫療法が効きやすい特徴として知られています。ホットチューマーとは、がんの内部に免疫細胞が活発に集まっている状態を指す言葉です。

反対に、免疫細胞がほとんど入り込んでいないがんはコールドチューマーと呼ばれています。免疫細胞がすでに集まっているホットチューマーでは、その働きを後押しする免疫療法が効きやすいと考えられます。

病状が安定している人

「病状が安定している人」は免疫療法の効果を得やすいとされています。ここでいう安定とは、全身の状態が良好であることを指します。全身の状態が良好とは、体温や血圧、呼吸、脈拍、意識レベルなどの生命維持に必要な機能が安定していることです。

実際に全身の状態が良好な人が免疫療法を行うと、生存期間や生活の質が改善したとの報告があります。文献3)病状が安定している時期は、免疫療法を検討する上で大切なタイミングといえます。

その他の特定のバイオマーカーを有する人

そのほかに、免疫療法が効きやすいことを示す目印があります。その代表がMSI-High(高頻度マイクロサテライト不安定性)です。MSI-Highとは、遺伝子を修復する仕組みがうまく働かず、遺伝子に変化が生じやすくなっている状態です。これらの目印をバイオマーカーと呼び、検査によって調べられます。

免疫療法が効かない人の特徴

以下のように免疫療法が効かない人の特徴もいくつかあります。

それぞれの特徴について詳しく解説します。なお、ここで紹介する特徴に当てはまるからといって、完全に免疫療法が効かないと決まるわけではありません。

がんが進行・転移している人

「がんが進行・転移している人」は、免疫療法が効きにくい可能性があります。転移とは、がんが最初にできた場所から離れた臓器に広がることです。

実際に、がんの量が少ないほうが免疫療法の効果が長続きしやすい傾向があるとの報告があります。文献4)一方、転移を有する症例においても、生存期間の延長を示すことがあり、一概にはいえません。

免疫抑制剤を使用中の人

「免疫抑制剤を使用中の人」は、免疫療法が効きにくい傾向にあるとされています。免疫抑制剤とは、免疫の働きをあえて抑えるために使われる薬です。

例えば、ステロイドのような免疫を抑える薬は、免疫療法の効果を下げる可能性があるとの報告があります。文献5)しかし、どのようにして免疫療法に悪影響を及ぼすのかは、はっきりとわかっていません。

バイオマーカーが低値の人

「バイオマーカーが低値の人」は、免疫療法が効きにくいとされています。これは、前述した効く人の特徴で紹介した目印が、低い値にとどまっている状態のことです。

例えば、PD-L1の発現や遺伝子変異の量などが低い場合が当てはまります。ただし、バイオマーカーと効果の関連性については、明確になっていない部分があります。検査結果は一つの参考として捉え、免疫療法を検討するかどうかは医師に相談しましょう。

免疫療法の相談前に知っておきたいこと

免疫療法の相談前に知っておきたいことは、以下が挙げられます。

それぞれについて詳しく解説します。

効果が証明されている免疫療法は限られている

まず理解しておきたいのは、効果が証明されている免疫療法が限られているという点です。免疫療法といってもその内容はさまざまであり、有効性が十分に証明されていない種類もあります。

治療の効果が証明されている主な免疫療法は、以下のような免疫チェックポイント阻害薬です。

  • PD-1阻害薬
  • CTLA-4阻害薬
  • PD-L1阻害薬

また、治療の対象となるのは、肺がん・腎細胞がん・頭頚部がん・胃がん・食道がん・子宮頚がんなどが挙げられます。免疫療法の対象となるかどうかは、医師に確認しましょう。

副作用のリスクがある

免疫療法にも予測できないさまざまな副作用があります。適切に医師に相談できるように、事前にどのような副作用があるかを知っておくことは重要です。

副作用の一例として、以下が挙げられます。

  • 意識の低下
  • けいれん
  • 異常な行動
  • 発熱
  • だるさ
  • 寒気
  • 発汗
  • 体重減少
  • 皮膚のかゆみ

これらの副作用は一部です。どのような副作用に注意すべきか医師に確認しておきましょう。

高額な費用がかかるケースがある

免疫療法は、高額な費用がかかるケースがあることを理解しておきましょう。治療の種類によっては、保険診療の対象にならないためです。

保険診療の対象とならない場合は、副作用に対する治療費用も全額自己負担になります。治療を受ける前に「保険適用となるのか」「副作用の治療を含めて合計どれくらいの費用が必要か」などを確認しましょう。

免疫療法で医師に相談すべきこと

免疫療法を検討する際は、限られた診察時間のなかで要点を押さえて相談しなければなりません。あらかじめ相談したいことをまとめておくことが大切です。

医師に相談しておきたい主なポイントは、以下のとおりです。

  • その免疫療法は科学的に証明されているかどうか
  • 病状やがんの種類に適応があるかどうか
  • どのような副作用が起こりうるのか、また対処法はあるのか
  • 保険診療の対象であるのか
  • なぜその免疫療法は保険診療の対象外であるのか
  • 自由診療で副作用が起きたときに追加で必要な費用はどれくらいか
  • 治療全体にかかる費用はどれくらいか
  • 現在受けている治療とどのように組み合わせるのか

これらを事前にメモしておき、医師に相談しましょう。

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免疫療法の効果を高める併用治療

免疫療法は単独で行うのではなく、以下のように他の治療と組み合わせることで効果が高められるとされています。

それぞれについて詳しく解説します。

標準治療との併用

免疫療法は、標準治療と組み合わせることで効果の向上が期待できる場合があります。標準治療とは、科学的根拠にもとづき、現状で最も推奨されている治療のことです。

例えば、放射線療法と免疫療法では、治療効果の促進が期待できます。放射線療法はがんの破壊に加えて、腫瘍周辺の免疫細胞を活性化させるため、免疫療法の治療効果が高まると考えられています。

ただし、適した組み合わせはがんの種類や体の状態によって異なり、副作用が重なる可能性もあります。どのような治療との組み合わせが適しているかは、医師に相談しながら判断しましょう。

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複数の免疫療法の併用

複数の免疫療法の併用も治療効果の向上が期待できます。例えば、PD-1阻害薬(ニボルマブ)とCTLA-4阻害薬(イピリムマブ)の併用療法では、ニボルマブまたはイピリムマブの単剤による治療よりも、優れた治療効果が期待できるとの報告がありました。(文献6

ただし、薬の組み合わせにより副作用のリスクが増加する可能性があります。複数の免疫療法の併用を検討する場合は、副作用も考慮に入れて慎重に検討しましょう。

再生医療におけるがんの発症・再発予防

がんの発症予防・再発予防に役立つ再生医療の一つに、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)を用いた「高活性NK細胞免疫療法」があります。

NK細胞は、体内をパトロールしながら細菌やウイルス、がん細胞を発見して攻撃する働きを持つ白血球の一種です。この治療では、患者様ご自身の血液から採取したNK細胞を培養して数を増やし、点滴により体内へ戻します。

当院「リペアセルクリニック」では、この働きを活かした高活性NK細胞免疫療法を行っています。がん予防や再発予防に関する再生医療について詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。

手術しなくても治療できる時代です。

再⽣医療で免疫⼒を⾼めることができる時代です。

免疫療法の受診をご検討の方は当院へご相談ください

免疫療法の効きやすさは、がんの性質や進行状態、全身の状態によって個人差があります。ステロイドのような免疫を抑える薬を服用している場合も、悪影響が及ぶことがあります。効きやすいかどうかは、検査によってある程度予測が可能です。

検討する前に「その免疫療法が科学的に証明されているか」「どのような副作用があるのか」といったことを理解しておく必要があります。また、医師に相談する際は「保険診療の対象であるか」「治療全体でかかる費用はどれくらいか」など、具体的に尋ねられるように準備しておきましょう。

当院「リペアセルクリニック」では、がんの予防を目的とした免疫細胞療法を行っています。がんの予防方法について気になることがある方は、お気軽にご連絡ください。

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免疫療法が効く人と効かない人に関するよくある質問

オプジーボで完治した人はいますか?

「完治」を証明する報告はありませんが、長期生存が確認された症例はあります。再発性または切除不能な悪性黒色腫の患者様24名にニボルマブを2週間ごとに投与したところ、5年後の生存が6名確認されたとの報告があります。(文献7

ただし、この結果は「完治」を意味するものではなく、一部の患者様における生存確認の報告である点にご留意ください。

キイトルーダの効果が出るまでの期間はどれくらいですか?

子宮頚がん・卵巣がん・子宮体がんの患者様計31名を対象とした報告では、キイトルーダの効果が現れるまでの期間の中央値は1.9カ月であったとされています。(文献8

効果が現れるまでの期間は、がんの種類や体の状態によって異なる可能性があるため、あくまで目安としてお考えください。

オプジーボの効果が出るまでの期間はどれくらいですか?

ホジキンリンパ腫の患者様95例を対象とした報告では、オプジーボの効果が現れるまでの期間の中央値は2.1カ月であったとされています。(文献9

ただし、がんの種類によって効果が現れるまでの期間は異なる可能性があります。

参考文献

(文献1)
Ⅲ.大腸癌におけるがんゲノム医療の実践|日本大腸肛門病学会

(文献2)
第10章 甲状腺がんの薬物療法|日本内分泌学会

(文献3)
薬局における疾患別対応マニュアル~患者支援の更なる充実に向けて~|厚生労働省

(文献4)
Association Between Clinical Tumor Burden and Efficacy of Immune Checkpoint Inhibitor Monotherapy for Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer|National Library of Medicine

(文献5)
Impact of Glucocorticoids on Immune Checkpoint Inhibitor Efficacy and Circulating Biomarkers in Non-Small Cell Lung Cancer Patients|National Library of Medicine

(文献6)
The efficacy and safety of combined immune checkpoint inhibitors (nivolumab plus ipilimumab): a systematic review and meta-analysis|National Library of Medicine

(文献7)
Five-year survival with nivolumab in previously untreated Japanese patients with advanced or recurrent malignant melanoma|National Library of Medicine

(文献8)
Real-World Experience with Pembrolizumab Treatment in Patients with Heavily Treated Recurrent Gynecologic Malignancies|National Library of Medicine

(文献9)
FDA Approval Summary: Nivolumab for the Treatment of Relapsed or Progressive Classical Hodgkin Lymphoma|National Library of Medicine