変形性股関節症のリハビリ|運動療法!避けたい運動と行うべき運動
公開日: 2020.12.21更新日: 2024.10.07
目次
変形性股関節症のリハビリ|運動療法!避けたい運動と行うべき運動
変形性股関節症の進行を抑える治療法には、生活習慣の改善のほか「薬物療法」や「運動療法(リハビリ)」が推奨されています。
中でも運動療法は、正しく行えば効果的な治療方法です。
ただ、変形性股関節症の治療で運動療法に取り組む場合、たとえ運動療法(リハビリ)であっても、避けておきたい運動があります。
そこで今回は、変形性股関節症における治療としての運動療法、リハビリに取り組む際に避けておきたい、しない方が良い注意すべき動作をご紹介します。
それは「股関節へ負担をかけすぎないこと」に尽きます。
変形性股関節症は、股関節への負担が増えれば当然ながら症状は進行します。股関節は、運動にかかわらず、日常生活において歩くだけでも大きな負荷がかかる部位なので無理は禁物です。
早く効果を求めすぎて、過度な筋力トレーニングを行う等は、リハビリとしても避けるべきです。たとえそれがウォーキングなどの軽度な運動療法であっても、股関節へ過度な負担が掛かるなら、症状を悪化させかねない危険性があります。
いずれにしましても自己判断や、早く治りたいとの思いで無理や、焦りを持った取り組みは禁物です。医療機関を受診し、治療の一環として適切な指導やアドバイスを受け、それを守るようにしましょう。
|
変形性股関節症で避けておきたい運動とは?
変形性股関節症の運動療法で激しい運動を長時間の行うことは避けてください。
運動療法と申しましても例えば、強めの筋力トレーニングはもちろん、サッカーや、ランニング、軽めのジョギングであっても股関節を大きく使う運動は、股関節への負担がかかりすぎて、軟骨のすり減りに繋がるため、推奨されません。
|
お勧めの運動は、「軽いウォーキング」や、股関節に負担の少ない「水中でのウォーキング」、「軽めのヨガ(股関節に負担をかけないポーズに限る)」、「軽めの自転車こぎ」等の負担が少ない運動を意識して行うようにしてください。
ただし、ウォーキングが良いからと、歩くスピードが速すぎたり、長距離を歩き過ぎると、筋肉が疲弊し、股関節を支えることができなくなるため、股関節への負担が増えてしまう点に注意が必要です。
症状を悪化させないためにも、ゆっくり歩く、15分程度の軽めのウォーキングにするなど、行う程度や時間を考えて実施しましょう。筋トレではなく、あくまで「リハビリとして」股関節に負担がかからないようにすることです。
また、激しい運動ではないからとヨガを行いたいという人もいます。ヨガ自体は、悪くはないのですが変形性股関節症のリハビリの一貫であるということ。運動療法として行うという意味からは、たとえヨガといえども股関節への負担がかかるような姿勢を行うことは避けねばなりません。
ヨガといえども股関節に負担が掛かりそうなポーズ、痛みが出そうなポーズは行わないでください。
いずれにしましても、長時間の運動や、無理な姿勢での運動は、避けて、運動は股関節に負担がかからないように少しづつでも、毎日継続して行うことが大切です。
|
変形性股関節症の運動療法で避けたい動きがある理由
変形股関節症は、初期の段階なら痛みを感じない人もいますが、症状が進行すると、安静にしていても痛みを感じるようになります。そうならないためにも、たとえリハビリでも運動療法は股関節に負担をかけて症状を悪化させるような運動は避けるべきです。
更に言えば、変形性股関節症のリハビリであったとしても股関節に負担が掛かるような運動を行うと、股関節以外、ほかの部位に影響が及ぶ場合があります。
運動療法は、無理をすると股関節以外、他の部位に負担が行くことを理解してください。
例えば、無理な肢位や運動を続けていると、意識しなくても体は自然と、股関節を「かばう動作」を行うからです。そのため、股関節以外、足首や膝の関節に負担がかかり、その部位で痛みが発するようになったり、反り腰の姿勢となることで腰痛を招いてしまうこともあります。
運動療法で膝が痛くなったりした場合は、負担が大きすぎると考えてください。姿勢や取り組み方法を見直して症状に合わせた運動療法を行うよう心がけましょう。
その際は、医師やリハビリの専門家に相談し、現在の症状にあった方法になるよう指導を受けてください。
|
変形性股関節症|避けたい動きがあるのに、なぜ運動療法を行うのか?
変形性股関節症で避けたい運動があるにも関わらず、なぜ運動療法をするのでしょうか。
リハビリとしての運動療法は、大切です。無理にならない程度、動かすことで股関節の固まりや、こわばりを防ぐことができ、股関節周りの筋力を強くして、その力を落とさないためです。
運動療法は、筋力を上げ、股関節の負担を軽減します。無理なく運動療法を行うことで症状の進行を遅らすことができるのです。自身の力で歩くためにも大きな意義があります。
変形性股関節症とは?
変形性股関節症とは、股関節の軟骨や骨が、加齢や日常生活による負担などによって損傷し、痛みを生じてしまう病気です。初期の段階では痛みを感じない人でも進行するにつれて痛みや関節の動かしづらさを感じ始めます。
この症状に関わらず、一度損傷した軟骨や、骨を元通りに改善することは難しいため、症状が進行すると最終的に骨切り術や、人工関節の置換術のような手術が一般的におこなわれます。
そのため、進行を少しでも遅らせるように股関節への負担を減らす必要があります。
変形性股関節症の運動療法の目的とは?
股関節の柔軟性を高めることを目的とし、股関節の可動域が改善し、股関節を正しい位置にすることができます。指導を受けながら軽めの筋力トレーニングを行うことで筋肉をつけたり、血行を良くすることで、痛みの緩和を期待することが可能です。
運動療法を行うことで股関節の負担や痛みを軽減させ、変形性股関節症の進行を遅らせることが狙いです。
変形性股関節症の運動療法で行うべき運動5選とは
変形性股関節症のリハビリテーション、運動療法で避けたい運動があることは述べました。
では、どのような運動を、どう行えば良いのでしょうか。変形性股関節症の運動療法で行っても良い、やるべき運動について具体的に4つご紹介しましょう。
水中ウォーキング
|
ウォーキング
|
ストレッチ
|
適切な筋力トレーニング
|
変形性股関節症の運動療法・リハビリで無理は禁物
変形性股関節症のリハビリで運動療法をする場合は、負担の少ない運動を毎日継続して行う必要があります。しかし、無理せず休んだほうが良い場合もあります。
痛みがあるときは、無理はしない
股関節に痛みを感じるときは、股関節を休ませてあげましょう。痛みがあるのに無理して我慢してまで運動やトレーニングを行うと、無意識に痛む部分をかばってしまい、ほかの関節にも負担をかけてしまうことが往々にしてあることは前述しました。
そんな場合は、運動は控えたり、あるいは違う運動をするなど、痛みが起こらない動きをしてください。運動療法で膝や腰など別の部位に痛みが出たときは、運動を控えなければなりません。
しかし、だからといってまったく体を動かさない日が何日も続くと、ますます歩行ができなくなる可能性があり、悪循環を招く恐れがあります。痛みがあるときは、原則として運動を休むべきですが、痛くないときは、主治医から指導を受けた運動を行いましょう。
体重管理とダイエット
リハビリで運動を行うためには「体重の管理」にも気を使ってください。股関節の痛みや、症状の影響で運動量が落ちるとどうしても体重が増えがちになります。
増えすぎた場合は、ダイエットを意識する必要があります。自分の標準体重を知って、体重管理してください。体重が増えてしまうとせっかく運動療法を行っても関節への負担が増えて悪影響になりかねなりかねません。
意識して体重を管理されることをオススメします。「増えたな」と思ったら食べる量や、間食を減らすなどの簡単でもダイエットする意識を持ってください。
まとめ・変形性股関節症のリハビリ|運動療法!避けたい運動と行うべき運動
今回は、変形性股関節症の人が運動療法をするときに、治したいと思うあまり焦って無理をしないこと、また、やるべき運動と、運動を避けたい状況についても解説しました。
変形性股関節症を発症したら、運動療法に取り組むことは大切ですが、股関節へ負担がかかる動作は避けましょう。ただし、医師から指導を受けたリハビリは、無理のない範囲、痛みが出ない範囲で取り組んでください。
ストレッチは有効です。筋肉をほぐしてから水中ウォーキングや軽めのウォーキング、負担の少ない筋力トレーニングをするようにしましょう。また、痛みがあるときは無理をせず、運動はお休みして主治医に相談しましょう。
リハビリは、焦らず、無理せず、地道でも継続的に取り組みましょう。
変形性股関節症では運動療法も有効ですが、根本的な治療を希望されたい方や、すでに手術を勧められて迷っておられるなら、切らずに改善できる「股関節の再生医療」という手段もあります。
こちらに「股関節の再生医療」について詳しい内容や動画もございますのでご参考になさってください。
▼以下もご参考にされませんか
変形性股関節症|人工関節の手術で起こるリスクとは?