• 股関節
  • 変形性股関節症

【医師監修】変形性股関節症でやってはいけないこと一覧|悪化を防ぐ対処法を解説

変形性股関節症 やってはいけないこと
公開日: 2020.12.24 更新日: 2026.03.11

変形性股関節症は、股関節への負荷が蓄積することで軟骨がすり減り、骨が変形していく疾患です。これ以上悪化させないために何ができるか、進行を遅らせる方法を知りたいと考える方も多いでしょう。

普段から股関節への負荷をできるだけ避け、股関節の可動域・筋力向上に効果的な運動を継続すれば、痛みの軽減が期待できます。

本記事では、現役医師が変形性股関節症でやってはいけないことについてわかりやすく解説します。記事の後半にはよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。

改善しない変形性股関節症の症状についてお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、症状や状態によっては、再生医療を用いた治療を提案しています。

変形性股関節症に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。

変形性股関節症のお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。

変形性股関節症でやってはいけないこと

やってはいけないこと 詳細
股関節へ過度な負担をかける行動 長時間荷重や重量物運搬。深い屈曲・反復ひねり
違和感がある時の無理な活動 症状が出ている状態での活動継続。高負荷動作の強行
自己判断による対処 評価を伴わない自己流の対応。根拠不十分情報への依存
受診・治療の先送り 症状の放置。介入遅延、関節変性・機能制限進行の要因

変形性股関節症では、日常の行動選択が症状の経過に大きく影響します。長時間の立ち仕事や重い物の運搬、深い屈曲や繰り返しのひねり動作は、股関節への負荷を増大させる要因です。

違和感を感じる場面での無理な活動継続や、高負荷な動作を強行することは炎症を悪化させる恐れがあります。また、医師による評価を受けずに自己流の対応や、根拠が不十分な情報に頼ることは症状の悪化を見逃す原因となります。

股関節へ過度な負担をかける行動

変形性股関節症は、股関節の軟骨や関節構造が長期間にわたる力学的負荷の影響を受け、徐々に変性していく疾患です。股関節は体重支持と運動機能を担う重要な関節であり、骨端を覆う軟骨が衝撃吸収と円滑な動作に寄与します。

変形性股関節症は軟骨が薄くなることで関節面に加わる力の分布が変化し、負荷に対する耐性が低下します。長時間の立位、重量物運搬、深い屈曲動作などは関節負荷を増大させ、症状進行に影響を及ぼす要因です。

違和感がある時の無理な活動

変形性股関節症は、軟骨の変性によって関節の安定性が低下し、負荷の影響を受けやすい状態です。

股関節は日常のあらゆる動作で体重がかかり続ける部位であり、違和感がある状態で無理な活動を続けると、関節面や周囲の組織へのストレスが増大し、症状の悪化や機能低下につながる可能性があります。

運動療法のガイドラインでは、激しい動作や持続的に強い負荷がかかる運動は避け、股関節への負担が少ない低負荷の活動を行うことが推奨されています。(文献1

自己判断による対処

変形性股関節症の管理には、関節の状態や進行度、筋力、生活環境に応じた個別対応が欠かせません。自己判断で運動量の調整や対処法を実施すると、関節に適さない負荷がかかり、症状を悪化させる可能性があります。

また、違和感や身体機能の変化を自己判断で放置すると、理学療法や生活指導、薬物療法など必要な治療介入が遅れるリスクがあります。

一般的なオンライン情報に依拠した対処は不適切な選択を招き得ることから、病態評価および負荷管理のためには医師による診断と指導が不可欠です。

受診・治療の先送り

変形性股関節症は進行性の経過をたどる可能性があるため、受診や治療の先送りは望ましくありません。

違和感や軽度の症状の段階で医師の評価を受けることで、関節の変形の程度や進行状況を把握できます。

反対に、症状を我慢して放置した場合、関節変形や機能低下が進行し、治療の幅や効果が限定されることがあります。自覚症状のみで関節内部の状態を正確に判断することは困難であり、画像検査や医学的評価が不可欠です。

変形性股関節症の禁忌動作を続けるリスク

禁忌動作を続けるリスク 詳細
疼痛が増強する 関節内炎症の助長。軟骨・滑膜への機械的刺激増大
歩行そのものが困難になる 関節可動域制限進行。支持性・安定性低下
人工関節を入れる手術が必要になる 関節変形進行。保存療法反応性低下

変形性股関節症において関節に負担のかかる動作を繰り返すと、力学的なストレスが蓄積し、症状や身体機能に悪影響を及ぼす可能性があります。

関節内の炎症や機械的な刺激が増大すると痛みや不快感が強くなり、可動域の制限や関節の支持力低下は歩行能力の低下に直結します。

さらに関節の変形が進行すると、運動療法や生活指導といった保存的な対応だけでは管理が困難です。病態の進行状況に応じて、人工関節置換術を含む外科的治療の適応が検討されます。

疼痛が増強する

変形性股関節症の方がしゃがむ、股関節を内側にねじるなどの動作を日常的に繰り返すと、大腿骨と骨盤の間にある軟骨がすり減り、痛みが強くなることがあります。

ここでいう痛みとは、皮膚や骨膜、筋、腱などに分布する自由神経終末が刺激されて生じるものです。灼熱感や強いしびれとして感じる方もおり、痛みの種類や程度には個人差があります。

股関節に負担がかかる動作や姿勢を繰り返すと、変形性股関節症の症状の進行が加速し、痛みがさらに強くなる可能性があります。

歩行そのものが困難になる

変形性股関節症は、運動療法による筋力強化をはじめとしたリハビリテーションが症状改善に有効です。一方、股関節に負担がかかる姿勢や動作を繰り返すと症状が悪化し、歩行が困難になる可能性があります。

痛みや可動域制限によって、外出や家事、入浴といった日常生活にも支障をきたし、生活の質(QOL)の低下に繋がります。

また、日常生活の維持に介助が必要となるケースもあります。

こうした状況を防ぐためにも、日常的に股関節への負担を意識的に軽減する生活を心がけることが大切です。

人工関節を入れる手術が必要になる

変形性股関節症の症状が進行すると、人工関節置換術が必要になります。すり減った軟骨や変形した骨は自然治癒しないため、痛みを根本的に改善するには外科的治療が選択される場合があります。

人工関節置換術を行えば、痛みが大幅に緩和される可能性は高い一方、皮膚や筋肉を切開する侵襲的な手術であるため、術後は段階的なリハビリテーションが必要です。

また、脱臼や再手術のリスクを避けるためには、手術前以上に日常生活での動作や姿勢に注意を払い、股関節への負担を管理し続けることが求められます。

変形性股関節症の悪化を防ぐための対処法

対処法 詳細
体重管理と股関節への負担の軽減を意識する 体重増加による関節圧縮力増大の抑制。長時間荷重や不良姿勢の回避
杖・補助具を活用する 歩行時荷重分散。関節安定性補助
身近な人の理解を得る 日常動作への配慮の共有。過負荷行動の予防。生活環境調整の円滑
無理のない範囲で股関節を動かし鍛える 関節可動性維持。周囲筋機能維持
負荷の少ないストレッチで股関節周りの柔軟性を保つ 筋緊張緩和。可動域維持。関節運動補助

変形性股関節症の進行予防では、関節への力学的負担を抑えつつ機能維持を図る視点が大切です。

体重管理や姿勢・動作の見直しは関節圧縮力の軽減につながります。杖や補助具は荷重分散と安定性補助に有効です。

さらに、周囲の理解を得て生活環境を調整し、無理のない範囲での運動や低負荷ストレッチを継続することが、可動域と筋機能の維持に寄与します。

体重管理と股関節への負担の軽減を意識する

体重管理は、変形性股関節症における基本的かつ重要な対策のひとつです。体重が増加すると股関節にかかる力学的な負担が増大し、関節軟骨や周囲の組織へのストレスが高まります。

わずかな体重減少であっても、歩行や立ち上がりといった日常動作における関節への負荷軽減が期待できます。

また、体重過多は変形性股関節症の発症や進行に関わる要因とされており、適正体重を維持することは症状の進行を抑える観点からも大切です。さらに、適切な運動療法と組み合わせることで股関節周囲の筋力が強化され、関節の安定性や日常動作の効率改善につながる可能性があります。

杖・補助具を活用する

変形性股関節症では、歩行や立ち上がりなどの日常動作で股関節に繰り返し負荷がかかるため、関節への負担軽減が重要です。

杖や歩行補助具は有効な手段であり、適切に使用することで歩行時の股関節荷重や内転モーメント(股関節の内側に集中しやすい力の軽減)の低減が期待できます。

対側上肢での杖使用は、歩行時に股関節へかかる圧縮力の低減に寄与し、姿勢安定性および動作補助効果を通じて関節負荷の分散をもたらします。

以下の記事では、変形性股関節症に適した杖の選び方について詳しく解説しています。

身近な人の理解を得る

変形性股関節症は、日常生活における関節への負担を軽減する上で、家族や職場など身近な人の理解と協力が重要です。

周囲のサポートが得られることで「重い物の代わりに運搬してもらう」「生活環境を椅子やテーブル中心に整える」「入浴を補助する用具を導入する」といった具体的な対策が実行しやすくなります。

こうした支援体制は心理的な安心感にもつながり、治療やリハビリテーションの継続を後押しする要素となります。

無理のない範囲で股関節を動かし鍛える

変形性股関節症では、股関節周囲の筋力が低下すると関節にかかる負担が大きくなるため、無理のない範囲で股関節を動かし、筋力を維持・強化することが重要です。

筋力が不足すると関節を支える役割が骨・関節構造に集中し、軟骨の摩耗や骨の変形を促進する可能性があります。無理のない範囲で運動を実施し、関節への負荷を抑えながら継続できる運動を取り入れることが大切です。

仰向けでの脚上げ運動や、プールでの水泳・水中歩行は、浮力や重力の影響を利用して股関節への負荷を軽減しながら、周囲の筋力強化を図れる運動です。

負荷の少ないストレッチで股関節周りの柔軟性を保つ

筋力維持と並んで、負荷の少ないストレッチも変形性股関節症の管理において重要な要素です。股関節周囲の柔軟性が保たれることで関節運動が円滑になり、特定部位へ負荷が集中しやすい力学的な偏りを抑える効果が期待されます。

可動域が制限された関節では衝撃や負荷が一部に集中しやすくなる一方、可動域が維持されていれば関節全体へ分散されやすくなり、関節構造への持続的なストレス軽減につながります。

ストレッチは無理のない範囲で行い、違和感が強い場合は中止または強度の調整が必要です。

変形性股関節症の治療法

治療法 詳細
保存療法 運動療法・生活指導・薬物療法による関節負担軽減と機能維持。初期〜中期の基本的治療選択
手術療法 人工関節置換術などによる関節機能改善と支持性回復。保存療法で管理困難な場合の治療選択
再生医療 細胞や血液成分の活用による組織修復・機能改善を目的とした治療選択肢。適応評価が重要

変形性股関節症の治療は、関節の状態や日常生活への影響を踏まえながら段階的に検討します。治療の中でも基本となるのは保存療法です。

保存療法での管理が難しい場合や症状が進行した場合には、人工関節置換術などの手術療法が選択肢となります。

また、組織の修復や機能改善を目的とした再生医療についても、適応を慎重に評価した上で検討される場合があります。再生医療には実施施設や適応に制限があり、病態によって適用可否が異なるため、医師の診察および適応評価が不可欠です。

以下の記事では、変形性股関節症の治し方を詳しく解説しています。

保存療法

保存療法は、手術を行わずに股関節への負担軽減、症状の緩和、進行抑制を目的とする治療法です。軽度から中等度の変形性股関節症ではまず保存療法が検討され、生活習慣の見直しが基本となります。

なかでも体重管理は関節負担の軽減に直結する重要な取り組みのひとつです。あわせて股関節周囲の筋力強化や可動域維持を目的とした運動療法を実施します。また、炎症や症状が強い場合には、消炎鎮痛薬の内服・外用療法が併用されることがあります。

以下の記事では、変形性股関節症における保存療法について詳しく解説しています。

【関連記事】

変形性股関節症の保存療法|手術を避けて症状改善を目指す治療法

変形性股関節症のリハビリプログラム4選|自宅でできるストレッチや筋トレについても解説

手術療法

手術名 概要
人工股関節置換術 損傷した関節表面を除去し、金属などの人工関節へ置換する手術
骨切り術 骨盤や大腿骨の形状・向きを調整し、負担のかかる部位を変える手術

保存療法で十分な改善が得られない場合や、関節変形が進行して日常生活に支障をきたす場合には、手術療法が検討されます。代表的な術式として、損傷した関節を人工関節に置き換える人工股関節置換術と、骨の形状や配列を調整して荷重部位を変える骨切り術が挙げられます。

いずれも主に進行期から末期の変形性股関節症が適応となります。術式の選択は年齢・活動性・関節の状態を総合的に評価した上で決定されます。

以下の記事では、変形性股関節症における人工関節手術のデメリットやリスクについて詳しく解説しています。

再生医療

再生医療は、身体が本来持つ修復機構に着目した治療の選択肢のひとつです。変形性股関節症に対しても検討される場合があり、脂肪由来の幹細胞を用いる方法では、幹細胞が持つ分化能や環境調整作用が注目されています。

当院独自の股関節内への投与方法

当院では、関節内への局所投与や静脈点滴投与など、病態や目的に応じた手法を採用しています。自己脂肪由来幹細胞治療では、脂肪採取後に細胞培養を行い、後日投与を実施します。

いずれも入院を必要としない日帰り施術です。なお、人工関節置換術後は適応外となりますので、ご注意ください。

リペアセルクリニックは、再生医療を用いた変形性股関節症の治療に対応している再生医療専門のクリニックです。手術・入院を必要としない新たな治療法である【再生医療】を提供しております。

詳しくは、以下の変形性股関節症における再生医療の症例をご覧ください。

変形性股関節症でやってはいけないことを理解し適切な治療を講じよう

変形性股関節症は、股関節への力学的負荷の蓄積により軟骨の変性や骨の変形が進行する疾患です。症状の進行を抑えるためには、負荷の大きい動作や不良姿勢を見直し、日常生活における関節への負担を軽減することが基本となります。

あわせて、家族や周囲の理解と協力を得ることで、生活環境の調整や負担管理がより実践しやすくなります。無理のない範囲での運動やストレッチを継続することも、関節機能の維持・改善に欠かせません。

自己判断に頼らず、医療専門家の指導のもとで適切な対応を続けることが、長期的な関節機能の維持につながります。

改善しない変形性股関節症の症状についてお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、症状や状態によっては、再生医療を用いた治療を提案しています。

変形性股関節症に対する治療の選択肢として、再生医療が検討される場合があります。損傷した組織の修復過程への関与が期待される治療法ですが、適応や治療経過には個人差があるため、医師による医学的評価が不可欠です。

再生医療の導入にあたっては、生活習慣の見直しや運動療法と組み合わせながら、関節への負担を継続的に軽減していく視点が大切です。

ご質問やご相談は、「LINE」や「メール」、「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。

\無料相談受付中/

通話料無料/受付時間 09:00~18:00

変形性股関節症でやってはいけないことについてよくある質問

変形性股関節症に良い運動は?

変形性股関節症では、股関節への負荷が少ない運動を選ぶことが重要です。

具体的には仰向けでの下肢伸展挙上運動や臀部挙上運動、浮力によって体重負荷を軽減できる水中歩行や水泳が挙げられます。また、平坦な地面での軽いウォーキングや、股関節周囲の柔軟性維持を目的としたストレッチも有効です。

ランニングや縄跳びなど股関節に繰り返し衝撃が加わる運動や、深い屈曲・ねじりを伴う高負荷な動作は避けることが望まれます。

変形性股関節症は歩かない方が良いですか?

変形性股関節症では、過度な安静は筋力低下や可動性低下につながるため推奨されません。

状態に応じた適度な歩行は有益ですが、症状が強い場面では負荷調整が重要です。歩行条件への配慮や補助具の活用も有効です。

変形性股関節症は手術しないで治すことはできますか?

変形性股関節症は、関節を完全に元の状態へ戻すことは難しい疾患ですが、手術を行わずに症状や日常生活における機能低下を管理できる場合があります。

進行度や身体状況に応じて、運動療法や生活指導などの保存療法が有効に機能することも少なくありません。

一方、関節変形が進行し日常生活への影響が大きい場合には、人工股関節置換術などの手術療法が検討されます。治療方針は個々の状態によって異なるため、自己判断に頼らず、医療機関で専門的な評価を受けることが重要です。

変形性股関節症になると筋力は落ちますか?

変形性股関節症では、股関節周囲の筋力が低下しやすいことが知られています。主な要因として、違和感や症状を避けようとすることによる活動量の低下が挙げられ、筋肉への刺激が不足することで筋力の低下につながります。

また、関節機能の変化により大殿筋・中殿筋などの支持筋群に萎縮や筋収縮抑制(疼痛抑制性筋抑制)が生じる場合があり、歩行安定性や関節支持性へ影響を及ぼすため、状態に応じた運動管理が重要です。

参考文献

(文献1)

Exercises for osteoarthritis of the hip|NHS inform