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変形性股関節症|人工関節手術のデメリット・リスクと治療の代替案を紹介

変形性股関節症の治療法として人工関節置換術は広く行われていますが、手術には入院期間や費用、手術後の生活制限などのデメリットがあります。
人工関節には寿命があり、将来的に再手術が必要になる可能性も否定できません。
手術を受けたあとに後悔しないためには、メリットだけでなくリスクを正しく理解して治療法を検討することが重要です。
この記事では、変形性股関節症の手術のデメリットや手術の流れから、人工関節を入れずに症状改善を目指す方法についても解説します。
なお、当院「リペアセルクリニック」では変形性股関節症に対して手術を必要としない再生医療を提供しております。
手術に対する不安がある方は、当院の公式LINEで再生医療の情報確認や簡易オンライン診断をお試しください。
目次
変形性股関節症で手術を受ける主なデメリットとリスク
変形性股関節症の手術には、症状改善のメリットがある一方で、いくつかのデメリットや注意すべきリスクも存在します。以下では押さえておきたい主なポイントを解説します。
変形性股関節症の原因や症状については、以下の記事をご覧ください。
費用・入院期間・仕事復帰への影響
人工股関節置換術は、費用と時間の両面で大きな負担が生じます。
手術費用は公的医療保険を利用しても自己負担額が数十万円になるケースが多いため、高額療養費制度の併用が一般的です。
さらに、入院期間は通常2〜3週間ほど必要となり、退院後もリハビリを続けながら社会復帰を目指すため、仕事復帰までに数カ月かかる場合があります。
医療費だけでなく、長期の休職による収入減少も重なるため、経済的な負担が非常に大きい点がデメリットです。
人工関節の寿命と再手術のリスク
人工関節は耐用年数があり、一定期間で再手術が必要になる可能性がある点もデメリットです。
耐用年数は平均15〜20年程度といわれており、摩耗や骨との固定がゆるむことで再置換手術を検討するケースが出てきます。
とくに若年層では生涯を通じて2回以上の再手術に至ることもあり、そのたびに身体への負担や医療費の増加が懸念されます。
さらに年齢を重ねると骨質が低下し、手術そのもののリスクも上昇するため、長期的な負担を踏まえた検討が大切です。
年齢・活動性による留意点(若年者/高齢者)
人工関節手術は、若年者と高齢者で異なるリスクがあります。
若年者はスポーツや日常生活で股関節を頻繁に使用するため、人工関節が摩耗しやすく、15〜20年以内に再置換が必要になる場合があります。複数回の再手術が想定される点が大きな負担です。
一方、高齢者は骨の脆弱性や免疫力の低下により感染症や合併症が発生しやすく、回復が遅れることがあります。
そのため手術を検討する際は、現在の年齢や体力だけでなく、手術後の生活設計を含めた慎重な判断が必要です。
日常生活の制限(スポーツ・屈曲動作など)
手術後は、スポーツや日常動作に一定の制限が生じることが大きなデメリットです。
とくにジャンプやランニングなど衝撃が大きい運動は、人工関節の耐久性を損なう恐れがあるため禁止されます。また、和式トイレや正座、しゃがむ動作は股関節が深く曲がるため、脱臼のリスクが高く注意が必要です。
そのため生活習慣を見直し、椅子やベッド中心の洋式生活に切り替えることが求められます。
手術後も安全に生活を送るためには、日常生活での制限を理解し、家族と協力して環境を整える必要があります。
医学的リスク(合併症)
人工関節手術には、さまざまな医学的リスクが伴う点もデメリットです。
代表的な合併症として、手術部位や体内で細菌が増殖する人工関節感染症が挙げられます。(文献1)感染が血流を介して広がる「遠隔部位感染」の場合は、人工関節を除去する大がかりな手術が必要になることもあります。
また、長時間の手術により足の静脈に血の塊ができる深部静脈血栓症(DVT)や、血の塊が肺に詰まる肺塞栓症(PE)を発症すると、命に関わる可能性も否定できません。(文献2)
さらに、人工関節のゆるみや摩耗、坐骨神経痛などの神経障害、周囲の骨がもろくなることで起こる人工関節周辺骨折といった合併症の危険もあります。
変形性股関節症で手術を受けたら後悔する?後遺症の可能性も紹介
後遺症により変形性股関節症での手術を後悔するケースも少なくありません。痛みは軽減しても可動域が完全には回復せず、日常生活の動作が思うように改善しないことが理由です。
手術後は長期間のリハビリが欠かせず、仕事や家事への復帰が想定以上に遅れる場合もあります。そのため、「思ったほど動きが改善しなかった」「リハビリが想像以上に大変だった」と後悔する方もいます。
また、稀に関節が硬くなる後遺症や、人工関節の異物感が残ることもあります。
変形性股関節症の手術を任せる医療機関の失敗しない選び方
変形性股関節症の手術を成功させるには医療機関選びが重要です。医療機関の選び方のポイントは以下です。
- 症例数や実績が豊富な医師がいること
- 設備や安全管理が整っていること
- 相談しやすい環境があること
これらの条件を押さえることで、安心して手術を任せられる医療機関を選べます。インターネットや口コミを活用し、複数の医療機関で情報を比較しましょう。
また、人工関節の手術に不安がある場合は、リペアセルクリニックの再生医療もご検討ください。
再生医療は、他の細胞に変化する能力を持つ幹細胞を股関節に注射する治療法で、手術・入院を必要としません。また、自身の細胞を使用するため、拒絶反応やアレルギーなどの副作用が少なく、身体への負担が抑えられるのも特徴です。
人工関節の手術を避けられる再生医療について、興味をお持ちの方は当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。
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変形性股関節症で手術を受ける場合の流れを紹介
変形性股関節症の手術は一般的に全身麻酔を行うため、まず術前検査で血液検査や心電図、画像診断などを通じて身体の状態を確認します。
その後、手術計画を医師と共有し、生活習慣やリハビリ方針について相談します。手術当日は麻酔後、約2時間かけて人工関節を設置する流れです。
手術後は段階的にリハビリを進め、関節の可動域や歩行機能の回復を目指します。入院期間は通常2〜3週間程度で、退院後も定期的に通院して経過を確認しながらリハビリを継続します。
変形性股関節症の手術後にやってはいけないこと
変形性股関節症の手術後は、関節の脱臼や負担を避けるため、手術後3カ月程度は深い屈曲や股関節を内側にひねる動作、あぐらの姿勢を控えることが重要です。
日常生活では着替えの際は椅子に座って行う、就寝時は足を組まずに横向きで寝る、車の乗降はゆっくり行うなど、無理のない動作を心がけましょう。
また、椅子やトイレの高さを調整したり、手すりを設置したりすることで、関節への負担を減らし再発リスクを抑えられます。
加えて、疑問点や不安があれば医師やリハビリスタッフに事前に確認し、やってはいけない動作を理解した上で日常生活を送ることが、手術後の安全な回復につながります。
変形性股関節症の手術後の予後と生活上の注意
変形性股関節症の手術後は、以下の回復過程や見通しを理解した上で日常生活を送ることが重要です。
リハビリの段階的な進め方
手術後は段階的にリハビリを進めることが大切です。手術翌日からの初期段階では、ベッド上でできる簡単な運動からスタートします。筋肉を柔軟に保ちつつ、関節の可動域を維持していくことが重要です。
手術後1~2週間は座位や立位、歩行練習など、より積極的なリハビリに進み、関節の安定性を高めます。
手術後2~4週間には歩行器や杖を使った歩行訓練に加え、階段昇降やトイレへの移動、着替えなど日常生活動作の練習も行い、筋力やバランスを段階的に回復させます。
リハビリの進め方は、年齢や手術後の回復状況、筋力の状態などによって異なるため、必ず医師や理学療法士の指導を受けながら、自分のペースで行いましょう。
合併症の早期サインと受診の目安
人工関節手術後は、合併症の兆候を見逃さないことが大切です。発熱や関節の腫れ、痛みの増加、傷口の赤みや浸出液などは早期受診のサインです。
とくに、動かすと痛みが強まったり、歩行に支障が出たりする場合は注意が必要です。異常を感じた際は決して自己判断せず、迅速に医師へ相談することで重篤化を防げます。
定期検診と長期的なフォロー
人工関節手術後は、定期的な検診を欠かさず受けることが回復維持には不可欠です。
X線や血液検査で状態を確認し、早期に問題を見つけることで大きな合併症を未然に防げます。また、生活習慣や運動の管理も医師と連携して行うことで、関節の負担を軽減できます。
変形性股関節症の手術後は、快適な日常生活を維持するために長期的なフォローの継続が欠かせません。
手術しないで治せる?変形性股関節症における人工関節以外の治療の選択肢
手術以外にも、症状の進行を抑えたり痛みを軽減したりできる治療法があります。ここでは、人工関節以外の選択肢を紹介します。
保存療法(リハビリ・服薬・装具など)
保存療法は症状を緩和し、関節機能を維持するためにまず選ばれる治療法です。具体的には以下の4つの保存療法が挙げられます。
- 運動療法・リハビリ療法:筋力強化や可動域維持で関節の安定性を高める
- 薬物療法:痛みや炎症を抑え、日常生活での負担を軽減する
- 生活指導:負担の少ない動作や生活習慣を取り入れ、関節への負荷を減らす
- 物理療法:温熱や装具を利用し血流改善や筋肉の柔軟性の向上を図る
ただし、保存療法だけでは症状が十分に改善しない場合もあります。痛みが強く日常生活に支障が出る場合は手術も選択肢に入れる必要があります。
再生医療(PRP療法・幹細胞治療など)
再生医療は、人工関節手術を回避したい方にとって選択肢となり得る治療法です。
PRP療法や幹細胞治療は、自身の血液や脂肪から採取した細胞を活用するため、拒絶反応やアレルギーといった副作用が少ないのが特徴です。また、人工関節手術のような大がかりな手術と比べ、感染症のリスクを抑えられる利点もあります。
従来の治療法では効果が不十分だった方、あるいは手術に強い不安を感じる方にとって、再生医療は有望な選択肢の一つといえるでしょう。
当院、リペアセルクリニックでは、患者様の症状を詳細に診察し、適切な再生医療プランを提案しています。

股関節の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。
まとめ|変形性股関節症の手術のデメリットを理解して適した治療法を選びましょう
変形性股関節症の人工関節手術は、痛みの改善や生活の質の向上が期待できる一方で、手術費用や合併症、日常生活での制限などのデメリットも存在します。
手術を検討する際は、こうしたデメリットやリスクを理解した上で、自分に合った治療法を選ぶことが重要です。
保存療法やリハビリで改善が見込める場合もありますが、痛みや可動域の制限が続く場合は選択肢として再生医療も検討してみましょう。
再生医療専門クリニックであるリペアセルクリニックでは、PRP療法や幹細胞治療を通じて、手術リスクを避けつつ症状の改善をサポートしています。
当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。
変形性股関節症について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEへご登録ください。
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変形性股関節症の手術に関してよくある質問
人工関節の手術費用には公的保険を適用できる?
人工関節の手術費用は健康保険が適用されます。
また、高額療養費制度を活用すれば、自己負担が一定額を超えた分は払い戻され、手術費用の負担を軽減できます。事前に制度の条件を確認しておくことが重要です。
手術後に飛行機・温泉・歯科治療など日常生活を送る上での注意点は?
手術後の飛行機や長時間の移動では、血流が滞りやすく血栓ができるリスクがあるため、軽い運動を取り入れて血行を促すことが重要です。また、温泉や入浴は創部が完全に治癒するまで控えましょう。
歯科治療は感染リスクがあるため、治療前に人工関節の手術履歴を医師に伝えることが推奨されます。
参考文献
(文献1)
人工関節の感染性関節炎|MSDマニュアル
(文献2)
人工膝関節全置換術後の深部静脈血栓症に対する早期理学療法介入の有用性|昭和学士会雑誌