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変形性股関節症の人工関節|手術で年代別に考慮すべき問題やリスク 変形性股関節症に悩まされ、運動療法や薬物治療に取り組むも改善が見られず、症状が進行した場合、人工関節への置換治療を薦められることがあります。 しかし、その選択に関して「年齢」という側面があることを忘れてはなりません。変形性股関節症の最終的な選択肢である手術は今ある関節を「人工関節」と取り換える大掛かりなものになります。 人工関節そのものに抵抗がある、手術を避けたい、入院期間が気になる、痛みが心配など、体や心、生活などの多様な心配事が浮かんで来られるのではないでしょうか。 この中にもありますが、手術について年齢的な問題を特に心配にされる方がおられます。 実際のところ「何歳まで受けることができるのか?」「リスクは・・・」「何歳位の人が多いのか?」「早すぎる、また遅すぎる・・・」など、といった不安や疑問を感じられるのではないでしょうか。 そこで今回は、変形性股関節症の人工関節の手術を受ける際の心配事の内「年齢について」解説致します。 人工関節について患者様の不安(リスク) ・人工関節そのものが心配 ・異物を入れる不安感 ・手術は避けたい ・入院期間が気になる ・痛みが心配 ・リハビリが心配 ・生活や仕事の心配 ・年齢的な心配 > 股関節の悩みを最先端の幹細胞治療で治療する 変形性股関節症での人工関節手術|その特徴と年代について 変形性股関節症の発症年齢は、40代以上が多い傾向があります。 手術は、関節の痛みを感じて保存療法等リハビリを行っても症状が進行し、薬物療法等でも痛みが緩和できなくなり、生活に支障をきたす状況になると選択肢として検討されることになります。 変形性股関節症の場合、手術は人工関節の置換術となることが多く、注意したいのが人工関節は、文字通り「人工物」ということです。つまり、物である以上、耐用年数が存在するということです。 考えるまでもなく、股関節には日常生活において大きな力が掛かっていることはご理解いただけるはずです。そのため年数による経年劣化は避けることができないという特徴があります。 ここが大切なところで、年齢的に早くに手術をすると人工関節が緩んだり、そのもの耐用年数が来て機能を果たさなくなってくることがあります。そうなると再手術という可能性があります。 そのため、変形性股関節症の手術を受ける年齢は、60代と70代が圧倒的に多いのです。ただ、変形性股関節症は、40代以下の若い人でも患う可能性があるため、比較的若い年齢でも手術を検討せざるを得ないことがあります。。 30代から40代の年齢で変形性股関節症を発症し、保存療法を続けていたけれど、痛みが強くなってきたため、50代で手術を受けることになるという人もいますし、もっと若い年齢で発症する人もいます。 ただ、近年の人工関節は技術の進歩で耐用年数が長くなってきたことは事実です。そのため、若年層であっても、再手術のリスクがあることを知った上でも、痛みのない普通の生活を取り戻したいとの想いから手術を受ける方もおられます。 若い年代(40~50歳代)で変形性股関節症の手術を選ぶ場合の問題点 変形性股関節症には、高齢者が悩まされるイメージがありますが、40代から50代という比較的若い年齢でも、その痛みに悩んでいる人はいますし、実際に手術を受けている人もいます。 人口関節には寿命があります。そのため、若いうちに人工関節を選択すると将来、再手術が必要になる場合が多く、手術を避ける傾向があります。 ただ、40代、50代という若く、再手術のリスクがある年齢でありながら、変形性股関節症の手術を選択する場合は、長く苦しむよりも、痛みのないスムーズな生活(QOL※の確保)を送ることを優先したいという想いに尽きますが、それ以外にも以下の1~3のような理由が見られます。 ※QOLとは クオリティ・オブ・ライフ(Quality of Life)の略です。 患者さんの肉体、精神、経済、社会といった各面での生活の質にこだわり、豊かな人生を確保するための概念です。 1.体を動かす仕事に就いている 40代~50代といった年齢であれば、まだまだ現役で仕事をする世代です。特に営業の外回りなどをしている、立ち仕事をしている、というような人は、変形性股関節症になると、思うように仕事ができなくなってしまう恐れがあります。 しかし、40代や50代という若い年齢であれば、変形性股関節症になってしまっても手術後にリハビリを行うことで、早い回復が見込めます。 そのため、職場復帰などを考慮するのであれば、なるべく早く変形性股関節症の手術を受けたほうが良い場合もあります。 2.50代・60代以降|スポーツを続けたい 仕事や趣味でスポーツをしている40代の人で、50代、60代になってもスポーツを続けたいと思われるかたは多くいます。そんな場合は、変形性股関節症の手術を早めに検討することがあります。 変形性股関節症は進行する病気、保存療法をおこなっても治癒は困難 変形性股関節症の治療は、「進行を抑えること」と、「痛みを抑える」ことを目的としたものになります。つまり、頑張っても症状は進行するし、痛みも伴うことになります。 そのため、再手術のリスクを抱えていたとしても、手術を受ける年齢が早いほど、術後のリハビリからの回復も早くなり、40代のうちに手術を受けておけば、それ以降、50代、60代でも元気にスポーツができる可能性が高まります。 このようなことから、あまり痛みが出ていない若い年齢であっても変形性股関節症の手術を受ける人がいるのです。ただ人工関節は万能ではありません。手術自体にもリスクがあります。 3.若くても既に変形性股関節症の痛みが出て日常生活に支障がある 変形性股関節症は、あぐらやしゃがみ込むなど、股関節に負担のかかる動作や姿勢を控えるようにして運動療法や薬物療法といった保存療法を続けていれば、ある程度痛みを抑えて日常生活を過ごすことは可能です。 しかし、既に日常生活で痛みが出てしまっている40代の人の場合は、早めに変形性股関節症の手術をおこなったほうが良い場合もあります。 早く手術を受ければ、リハビリの効果も発揮されやすくなりますし、人工関節を入れた場合は、人工関節の扱いに早く慣れることもできます。 そのため、変形性股関節症の痛みがすでに強いという場合は、保存療法で時間稼ぎをするのではなく、40代など若い年齢で手術をおこなうことがあります。 変形性股関節症の手術を控えたほうが良い年齢 変形性股関節症の手術を受けることが多い年齢の平均は60代~70代です。それ以上の年齢になってくると手術を控えたほうが良いケースもあります。 80代以上の高齢者は手術を控えたほうが良い 絶対ということではありませんが80代や90代の高齢者は、一般的に変形性股関節症の手術を控えたほうが良いと言われます。 その理由としては、80代以上の高齢者の場合、身体や筋力の衰えなどのため、手術後のリハビリは、若い人以上に根気よく続ける必要があること、また、本人にも、「リハビリを頑張りたい」という強い意志が求められるためです。 また、家族の十分なサポートがない場合、寝たきりになってしまう可能性もあります。変形性股関節症の手術後のリハビリは、家族のサポートも必要とされます。 80代以上の年齢になると手術は、体力や心肺機能に懸念 80代や90代以上の変形性股関節症の手術は、体力や心肺機能の面でリスクが高いという理由もあり、手術を控えたほうが良い場合もあります。 たとえ本人や家族が手術を希望していたとしても、持病や年齢によって既に心肺機能が低下している場合は、手術が受けられないことも少なくありません。 変形性股関節症の手術は一般的に全身麻酔による手術であるため、心肺機能が低下した状態で手術を受けるというのは、非常に大きな危険が伴うからです。 90代で手術を受けた症例もあるが・・・リスクが大きい 年齢について逆に高齢の場合はどうでしょうか?最高齢だと、90代で変形性股関節症の手術を受けたという症例があります。つまり、人工関節の手術自体は高齢が理由で妨げられないことになります。 ただし、一点。術後はある程度、高度なリハビリが必要となるため、手術のあとにリハビリを受けられるだけの体力がある人に限られます。 逆にリハビリができない場合は、寝たきりになるリスクもあり、手術を受けた意味がなくなる可能性もあり、医師としっかり相談して進めなければなりません。 もちろん家族の術前の同意や、術後の協力、支えが必要不可欠になります。 まとめ・変形性股関節症|人工関節手術の年代別リスクについて 変形性股関節症の手術は、大掛かりな手術になるため、年齢や生活環境、将来なども見据えた上で手術をおこなうかどうかの選択をしなければなりません。 また、変形性股関節症の手術を受けた後は、リハビリが必要ですが、そのリハビリは年齢が高くなるにつれて難しくなる場合もあります。そのため、変形性股関節症の痛みを手術で改善したいけれど、手術を受けることができないという人もいます。 そこで紹介したいのが、近年注目されている変形性股関節症を「再生医療で治療する」という方法です。 再生医療は、人工関節などを入れる手術と比べても治療期間が少なく済み、副作用のリスクも少ない安全で安心な治療です。そして、年齢が高くても治療できる可能性が広がりますし、高い治療効果を期待することが可能です。 変形性股関節症の手術を検討すべき状態ではあるけれど、体力面、心肺機能などで懸念材料があるという人、治療期間を短くしたい、なるべく体に負担が少ない治療を受けたいという人は、再生医療を検討してみてはいかがでしょうか。 >変形性股関節症は「再生医療」という最新治療法で手術・入院を避けて治療することできる方法があります。 以下の動画では、変形性股関節症に悩む患者様が手術ではなく再生医療を選択した経験について語っています。是非参考にしてみてください。 https://youtu.be/cjMBSIy0rG0?si=bbBce0OZEgtPY48d 以上、変形性股関節症|人工関節手術の年代別リスクについて記させていただきました。ご質問などございましたらお気軽にお問い合わせください。 ▼ 再生医療で変形性股関節症を治療する 変形性股関節症は、再生医療により手術せずに症状を改善することができます ▼こちらも合わせて確認しておきませんか 変形性股関節症と臼蓋形成不全の関係性と治療法について
2022.05.12 -
- ひざ関節
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「MRI検査って結果が出るまでの時間はどのくらいなのか」 「時間がかかるなら予定を組みたいから事前に知っておきたい」 人間ドックでも使用する機会が増えてきたMRI検査ですが、人によっては所要時間以前に検査を受けることが難しい場合があります。 本記事ではMRI検査でできる内容や、注意点について解説します。MRIを用いた検査を予定している人で、本記事で記したMRI検査の注意事項に当てはまる人は、検査の前に担当の医師に申告するための準備ができるので、ぜひ参考にしてください。 MRI検査とは MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像診断)検査とは、強力な磁場を発生させるトンネルのような装置の中で、身体の内部の断面をさまざまな方向から撮影する検査です。 MRI検査は、ベッドに横たわり検査が始まるとベッドが自動で動いてトンネルのような装置の中に入っていきます。磁場が発生するときは工事現場のような大きな音がするため、ヘッドホンや耳栓をして検査を行う場合もあります。 工事現場の音 80〜85デジベル MRI検査の音 120デシベル程度 MRI検査でわかること MRI検査は、全身の疾患について調べられますが、以下の部位における高い検査能力が特徴的です。 四肢(両手、両足) 関節軟部組織 脊椎 脳 膝 肩 子宮 卵巣 血管 など 骨や、その周辺にある軟骨の状況も精査できるほか、脳を含む頭部や骨盤内の臓器などを検査する際に使われます。 MRI検査とCT検査との違い MRI検査と同じように身体の内部を撮影する検査として「CT検査」があります。MRI検査と同様にトンネルに入って行うもので装置の見た目も似通っているのですが、大きな違いがあります。 それは「CT検査は放射線を使った検査」「MRI検査は磁場と電波を使った検査」の違いです。放射線を使わないMRI検査の方が身体への負担が少ないと考えられます。検査の原理や得意な部位の違いは以下の表でまとめました。 検査原理 得意な部位 MRI検査 磁場と電波 整形外科の主な症状 腱板損傷、腱板断裂、関節損傷、靭帯損傷、半月板損傷、頸椎症、胸椎・腰椎ヘルニア、頸椎ヘルニア、脊髄腫瘍、骨軟部腫瘍、その他 脊髄、関節、脳、骨盤腔内臓器 ※関節軟部組織の描出が得意 CT検査 放射線 骨、脳、肺、腹部 MRI検査の結果が出るまでの所要時間 MRI検査の所要時間は20~45分です。似ている検査方法のCT検査は10~15分なので、比較すると少し長い時間がかかります。身体を動かすと画質が落ちてしまうため、検査中はなるべく身体を動かさないことが重要です。 また、MRI検査の結果が出るまでの期間は、検査当日すぐに出る場合もあれば、7~10日間ほどかかる場合もあります。医療機関によって変わるため事前にご確認ください。 MRI検査当日の所要時間:20〜45分 MRI検査の結果が出るまでの期間:当日または7〜10日 MRI検査の全体的な流れ MRI検査の当日は以下の流れで検査が行われています。 受付しつつ注意事項の確認 問診完了後、検査着にお着替え 検査室に移動しMRI検査の実施 MRI検査終了後、来院時の服にお着替え お会計 MRI検査の結果は郵送でお知らせするケースが大半ですが、必ず担当医に「どのような方法で検査方法が知らされるのか」を確認しておきましょう。 MRI検査の注意点 MRI検査は、強力な磁石と電磁波を使用するので、MRIの検査室内には金属類の持ち込みを一切禁止しています。たとえば金属類が該当し、ファスナーやチャック、金属製のボタンなどが付いた服装では検査できません。 また、女性の方はホック付きのブラジャーも着用できない可能性があるため注意が必要です。その他、バッグはもちろん、携帯電話や腕時計、財布などの貴重品、身に付けているアクセサリーを含めた金属類はすべて取り外してもらうのが必須です。ヘアピンなども忘れがちですので注意してください。 医療機関では、MRI検査で検査着に着替える場合が多いため、なるべく金属が付いておらず着替えやすい服装で来院するとスムーズに検査を受けられます。 金属が付いていなくても発熱系素材の下着なども注意が必要です。 インプラントも素材によっては難しい場合があるので、入れ歯も外してもらう必要があります。 身につけてはいけないものや注意が必要なもの一覧 MRI検査当日は、以下の服装やアクセサリー類などを身につけて来院される場合は注意が必要です。 MRI検査時に注意が必要なもの一覧 身に着けてはいけないもの、注意が必要なもの ・ファスナー、金属ボタンのついた衣類 ・メイク、マニキュア(アイシャドウ、マスカラ、ネイルアートに注意) ・入れ歯、(インプラントは事前相談が必要です) ・腕時計、メガネ、へアピンなどのアクセサリー類 ・コンタクトレンズ(事前相談が必要です) ・コルセット系の下着、ホックが付いた下着・衣類 ・金属のついている服や下着 ・発熱保温機能付の衣料(ヒートテック等) など 体内にペースメーカーなどを埋め込んでいる人 MRI検査は、強力な磁石や電波を使うため、火傷などの事故が起こらないよう十分に気を付けなければなりません。人によっては、身体の状態や状況によってMRI検査を受けるのが難しいと判断されるケースがあります。 以下の事項に当てはまる人は、MRI検査を受けられない場合があるため注意が必要です。 体内に金属(インプラント、ペースメーカーなど)を埋め込んでいる人 手術などで体内に金属、プレートやボルトを埋め込んでいる人は、MRI検査で使用する磁石と金属が反応して検査画像の乱れや火傷の原因となる可能性があります。 金属を体内に埋め込んだ症歴がある場合は、検査を受ける前に必ず申告し「MRI検査が可能であるか」を確認しておきましょう。治療を受けた病院で、金属の種類を事前に確認を求められるケースもあります。 体内に金属類を埋め込んでいる人で注意が必要なケース一覧 ・心臓ペースメーカー ・骨折で体内に金属が入っている ・脳動脈クリップ ・血管ステント挿入 ・人工内耳、人工中耳 ・脳深部刺激装置 ・入れ墨、アートメイク ・リフトアップを金糸で行った場合 ・妊娠中、または妊娠の可能性 ・金属片が飛び散る職場での勤務 ・閉所恐怖症 ※上記でもチタンを用いたら、検査を受けられる場合もあります 刺青やアートメイクをしている人 刺青やタトゥーで検査ができないケースについて不思議に思う人も少なくないでしょう。実は刺青やタトゥーの色素に鉄などの金属が含まれている場合があり、MRI検査の強力な磁石と反応すると火傷を引き起こす可能性があるからです。 アートメイクの場合も、使用される金属の量はわずかですが、ごくまれに刺青と同様に検査画像が乱れてしまいます。火傷を引き起こす可能性もあるため、同じく注意が必要となります。たとえばマグネットネイルやミラーネイルなども変色の恐れがあるので注意しましょう。 刺青やアートメイクをしている人は、MRI検査を受ける前に必ず担当医師へ申告しましょう。 閉所恐怖症/狭いところが苦手な人 MRI検査は、狭いトンネルのような空間で行われるため、狭いところが苦手な人や閉所恐怖症の人は事前に申し出るのをおすすめします。MRI検査の検査時間は、長いと40分ほど必要になるため、閉所恐怖症の人は注意が必要です。 狭いところが苦手なのを事前に伝えておけば、医療機関によってはMRI機器の明るさを調整したりできる場合があります。検査機関によっては、オープン型のMRIを使用できるので事前に確認しておきましょう。 また、我慢できない場合は検査員に知らせるためのスイッチがあるので、気持ちを楽にしてお受けください。MRI検査について不安な点があれば、たとえ些細なことであっても検査を行う前に医療機関へ相談しましょう。 メイクやコンタクトレンズを着用をしている人 MRI検査を受ける際は、通常のメイクであっても注意が必要です。メイクをしたままMRI検査を受けるのは大きなリスクが伴います。 アイシャドーやマスカラ、アイラインなどの化粧品は、種類によって金属が含まれている場合があるため、検査画像の乱れや火傷を引き起こす恐れがあります。 正しく検査を終えられるように、MRI検査が始まる前までにメイクを落としておきましょう。 コンタクトレンズ(とくにカラーコンタクトレンズ)も注意が必要です。コンタクトレンズには鉄成分が含まれている場合があるため、コンタクトレンズをつけたままMRI検査を受けると検査画像への影響や火傷の危険があります。 コンタクトレンズを使用している人はMRI検査の前に外しておくか、検査の日は眼鏡をかけて来院し、検査中は眼鏡を外すような対応を行うのが無難です。 その他食事などにおける注意事項 MRI検査で腹部や骨盤の検査をする人は「食事の制限はしておくべきか」気になる人も多いでしょう。腹部や骨盤のMRI検査では、約6時間前までに食事を済ませてもらうよう案内しています。 水の摂取に関しては、MRI検査の直前までは問題ありません。とくに骨盤のMRI検査を受ける人は、来院の1時間前までに排尿を済ませておいてもらう必要があります。仮に来院1時間を過ぎたタイミングで排尿された場合は、300ml程度の水を摂取してから検査を受けましょう。 まとめ・MRI検査と検査を受ける際の注意点を把握しておこう MRI検査の造影剤は、被ばくの危険性がないため、CT検査よりも身体に負担の少ない検査であると言われています。しかし、体内に金属を埋め込んでいる人や刺青をしている人は危険が伴うため検査が受けられない場合があることを把握しておきましょう。 メイクをしたままやコンタクトレンズを付けたままの状態でMRI検査を受けるのも大きなリスクが伴います。必ずMRI検査を受ける前に注意事項を確認しておきましょう。
2022.04.18 -
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股関節の病気の種類と治療法・人工股関節を手術した場合のリハビリと注意事項 股関節の痛みをもたらす原因となる病気は、初期の段階では「保存療法」を行い、症状が進行した結果、末期に近づくにつれて「手術」となるケースが多く見られます。 医師より、「人工股関節を入れたほうがいい」などと言われると、「手術という不安感」と、「人工関節という戸惑い」、そして「痛み」などについて動揺や心もとない、不安なお気持ちになられるのではないでしょうか? そこで人工関節の検討が必要となる股関節の病気を明らかにし、その治療法を解説致します。また、人工関節の手術で気になる痛みを「手術そのものの痛み」、「手術後の痛み」について解説し、ご心配にお応えいたします。 股関節の病気と治療法 まずは、股関節に対する人工関節の手術(人工関節置換術)についての基本的なことについて解説します。 股関節を手術する原因となる病気の種類 股関節を人工股関節に置き換える手術を行うには、何らかの原因が存在しています。例として股関節の手術が必要になる可能性がある病気としては、以下のような病気が挙げられます。 ▼手術の可能性がある ・変形性股関節症 ・大腿骨頭壊死症 ・関節リウマチ ・股関節脱臼や股関節骨折の後遺症 変形性股関節症 股関節の軟骨成分が変性し、すり減ってしまうことで股関節に炎症を起こし、股関節の痛みや変形などの症状を引き起こす病気です。 大腿骨頭壊死症 大腿骨頭部の血流が滞って骨頭の細胞が壊死を起こし、細胞が死んだ部分の骨が変形を起こすことで痛みや歩行障害などを引き起こす病気です。 関節リウマチ 免疫異常によって自己抗体(体内の正常な細胞を損傷させる物質)が生み出され、全身のさまざまな関節がその影響を受けることで痛みなどの症状を引き起こす病気です。 股関節脱臼や股関節骨折の後遺症 事故などの外傷による衝撃で股関節がダメージを受け、脱臼や骨折を起こした後の後遺障害として関節疾患を引き起こすことをいいます。 上記、いずれにしても「股関節の痛み」や「歩行機能障害」など、日常生活にさまざまな影響を及ぼす可能性が高い症状を引き起こすため、適切な治療を継続する必要があるのです。 股関節の病気の治療法(保存療法) 股関節に関する上記の病気の治療方針としては、主に「初期段階には保存療法を適用し、保存療法が奏功しなくなったら手術を検討する」という方針がとられていました。 保存療法とは、発生している症状を緩和し、運動療法などによって患部の機能障害の進行を防止する治療法のことです。 保存療法は体への負担が小さい治療法として多くの症例で用いられる治療法ですが、上記の「機能障害の進行を防止する」という効果は完全なものではなく、加齢などの条件も重なって次第に症状は進行してしまいます。 結果、進行期から重度の疾患にまで症状が進行してしまい、次第に保存療法では十分に痛みなどの症状を緩和できなくなってしまうのです。 そうなると、以下のような股関節の手術を選択する可能性があります。 股関節の病気の治療法(手術の選択) 手術 ・人工股関節置換術 ・骨切り手術 ・関節鏡手術 人工股関節置換術の「手術中の痛み」と「手術後の痛み」について 手術というだけでも「痛み」については誰もが気になるところです。しかも、人工関節置換術となると、その言葉だけで更に心配になられる方が多いのではないでしょうか。 まず安心していただきたいのは、変形性股関節症などの治療において用いられる人工股関節置換術は、当然ながら「麻酔」を利用しますので、手術中に痛みを感じることはありません。 しかも、人工股関節置換術を実施する際には「全身麻酔」を用いることが多いため、痛みはもちろん、患者さんが手術中の様子や音などで不安を感じることもないのです。 人工股関節の手術に関する痛みについて、問題になるのは、麻酔が切れた後の「手術後の痛み」です。麻酔が切れると当然ですが痛みが起こります。 手術後の痛みに関しては痛み止めを使用します。薬剤によって痛みをコントロールすることになるのでご安心ください。手術後の痛みのピークは、手術直後から手術当日の夜の間が最も強く、その後は時間の経過に伴って軽減していき、手術後数日でおおまかな痛みは落ちつくでしょう。 また、「硬膜外麻酔」という麻酔術を手術前にすることで、手術後の痛みを軽減する治療が可能なケースもあります。 人工股関節置換術後リハビリと注意事項 股関節の痛みは、痛み自体や歩行機能への影響などがあるため、可能な限り最小限に抑えたいところです。股関節の人工股関節置換術の後、いわゆる「リハビリ期」において注意するべきポイントを押さえておきましょう。 リハビリは指示に従う 人工股関節の手術をしたら、入院とリハビリが必要になりますが、リハビリを行うにあたっては必ず「指示に従う」ことを遵守してください。 股関節の手術に限らず、手術後はデリケートな状態にありますので、早く退院したい、早く治したいとの想いで医師が禁止していることをしてはいけません。医師の指示通りにしないと、最悪の場合は手術をやり直さなければならなくなるケースもあります。 仮に人工股関節の手術後の痛みが抑えられて「きちんと治った!」と思っていても、実は勘違いという可能性もあるので、リハビリは医師の指示に従って安全におこないましょう。 股関節の脱臼リスクが高い動作は避ける 人工股関節置換術の後、気を付けるべきなのは「脱臼を避ける」ことです。リハビリ中、大きく仰け反るような動作、正座からひねって立ち上がるといった動作で脱臼しやすく、脱臼リスクの高い動作は意識して避けなければなりません。 スポーツなど、激しい動きがあるものは医師の許可を得る 人工股関節置換術の後、「スポーツ」や激しい動きと伴うものは、必ず医師の許可を得てからおこなってください。 特に重いものを持ったり、ジャンプの多い競技、急なストップや方向転換などなどの激しい動きあったり、相手にぶつかるような競技を避ければ、特に制限を設けることなく好きなスポーツに復帰することができるでしょう。 やりたいスポーツに関して担当医に相談し、どういった動作は避けなければならないか、そもそもリハビリ中に復帰可能なスポーツであるかの判断をもらうようにしてください。ただし、OKが出ても無理は禁物です。最初は試運転、徐々に取り組みましょう。 股関節への負荷を抑えるための体重コントロール 人工股関節置換術の後、人工股関節を少しでも長持ちさせるためには「体重コントロール」が欠かせません。股関節には上半身の重さがかかるため、体重が重いと人工股関節への影響が大きくなり、人工股関節の損傷リスクを高めることになります。特に運動を行う場合は、注意が必要です。 ただ適度な運動習慣を身につけることは大切です。この機会に適度な体重を維持できるように運動や食習慣といった生活全体の習慣を見直し、必要に応じて医師の指示した運動・生活メニューを実施するようにしましょう。 手術そのものを避けられる!再生医療という選択肢も生まれています 股関節の重い症状に対して人工股関節の手術などをおこなう場合、手術後の痛みのリスクを無視することはできません。保存療法は効かない、けれども手術は痛みや体への負担が気になるという患者さんは最新の医療分野「再生医療」も検討してみてください。 股関節の再生医療は自身の細胞によって股関節の軟骨の損傷を修復し、変形性股関節症などの症状の進行を遅らせて痛みを改善する効果が期待できます。 例えば「幹細胞」を利用した再生医療をする場合は、患者さん自身から幹細胞を採取(切開して脂肪を採取する等)し、これを培養してから患部に注射するという治療をおこないます。 この治療法であれば、人工股関節の手術ほど体への負担はありませんし、手術後の痛みの心配もほとんどないでしょう。 従来の保存療法では奏功しなくなった患者さんでも効果がみられる可能性があり、アレルギー・感染症・拒否反応といった副作用のリスクも少ないので、メリットの多い治療法と言えます。 下記の動画では、再生医療がどのようにして変形性膝関節症や変形性股関節症の患者様の痛みを軽減し、生活の質を向上させることができるかを示しています。是非参考にしてみてください。 https://youtu.be/03G87sTv2D4?si=soT1LvOnshMVSFB_ まとめ・股関節の病気の種類と治療法 人工股関節の手術(人工股関節置換術)は、手術後の痛みをコントロールすることは可能です。 手術後のリハビリは医師の指示のもとで安全におこない、脱臼や人工股関節の損傷などのリスクを少しでも減らすようにして痛みの改善ができれば、生活の質がグンと良くなるでしょう。 しかし、外科的な手術はどうしても避けたい、人工股関節のような手術を受けると、手術後の痛みがどうしても心配で仕方がないなどという人は、再生医療を選択するのもおススメです。 以上、人工股関節の原因となる股関節の病気と手術の痛みについて、手術中及び、手術後について記させて頂きました。 尚、再生医療は、股関節の痛みについて、多くのメリットがある治療法です。お気軽にお問い合わせください。親身になって詳しくご説明させて頂きます。 ▼ 最先端医療「再生医療」で股関節を治療する方法 股関節症の新しいい治療法、再生医療は、人工関節を避けて治療できる新しい医療分野です ▼以下も変形性股関節症の記事をご紹介しています 股関節の人工関節置について、高齢者が手術前に知っておくべきリスクとは?
2022.04.08 -
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変形性股関節症を発症!悪化させないために気をつけたいこと 変形性股関節症と診断されたら、今以上に悪化させないようにしたいものです。変形性股関節症とは、股関節の軟骨がすり減ったり、骨の変形によって骨同士がこすれあうことで炎症が起こり、痛みを伴う病気です。 悪化すると日常生活にも支障をきたします。今回は、この変形性股関節症を悪化させないために気をつけるべきことについて解説してまいります。 変形性股関節症になったら気をつけることとは? 変形性股関節症は、股関節に負担がかかると症状が進行してしまいます。そのため、変形性股関節症の症状の進行を抑え、悪化を防ぐために、気をつけたいことがあります。 股関節への負担を減らす 変形性股関節症の初期の段階では、痛みを感じない場合も多くあります。しかし、股関節には日常の動作、つまり、歩いたり、階段を上ったり、座ったりといた動作が起こり、それだけでも股関節に負担がかかっています。 また、股関節の骨と骨の間に存在し、衝撃を吸収したり、骨同士が直接触れ合わないようクッションの役割を果たしている軟骨は、加齢だけでなく、関節を使うことで徐々にすり減ってしまいます。 そのため、変形性股関節症では、日常生活を工夫して、股関節への負担を減らすように気をつけることが大切です。 股関節を安静に保つ 荷物など、重いものを持つことを避けたり、腰をかがめる動作を減らすなど、股関節への負担を減らすことを意識して、安静に保つことで股関節への負担が減り、変形性股関節症の進行を遅らせることができます。 ゆっくり歩き/長時間歩かない 変形性股関節症と診断された場合は、歩くときにもできるだけ股関節に負担がかからないようにゆっくり歩くことを意識してください。また、連続して長時間歩くことも避けるようにしましょう。自分の大丈夫だろうという意識を捨て、無理は禁物です。 変形性股関節症は軽度の運動でも気をつける 変形性股関節症の初期の治療では、軽度の運動が推奨されます。これは筋肉をつけることで股関節の動きをサポートし、股関節の位置を正しい位置に矯正することで痛みの緩和が期待できるからです。 ただし、変形性股関節症でありながら運動する場合には、軽度の運動であっても気をつけることがあります。 15分以上の運動は控える 15分以上の連続した運動は筋肉が疲労してしまい、関節に負担をかけてしまうので控えるようにしましょう。 痛みを感じるような運動は控える 早く治そうと無理することは禁物です。筋力をつけようとして痛みを感じるほど運動してしまうと、かえって症状が進行してしまうこともあるので無理のない範囲で運動するようにしましょう。 肥満を解消する 普通に歩くだけでも、関節には体重の約3~5倍の負担がかかります。そのため、変形性股関節症の人が気をつけることの1つとして、肥満解消や体重コントロールも挙げられます。 股関節の負担が掛からないよう体重を管理し、肥満を防ぐ 中高年になると身体の基礎代謝が落ちてまいります。そのため、体重管理が難しくなります。運動も大切ですが、肥満を改善するためには食生活の見直しが必要です。 体重は、股関節へ直接負荷をかけることになるため、注意しなければなりません。体重は、けして切り離せないだけに留意すべき大切な要素です。 変形性股関節症において食事で気をつけたいことは、とにかく食べ過ぎないことと、栄養バランスよく食べることです。夕食は、寝る2~3時間以上前には済ませるようにしましょう。暴飲暴食は厳禁です。 また、早食いにならないようにゆっくりとよく噛むことで、食欲が抑えられ、食べすぎを防ぐことができます。食事内容のバランスにも気をつけましょう。脂っこい食事を避けて緑黄色野菜を多めに摂る、筋肉の基となるたんぱく質も意識して食べるようにしましょう。 無理に股関節を動かさない 変形性股関節症では適度な運動は推奨されますが、無理に股関節を動かすと、症状が悪化する可能性があります。激しいダンスやエアロビクス、ボーリングやウェイトマシーンを使っての筋力トレーニングは関節へ過度な負担がかかるため避けるべきです。 変形性股関節症のリハビリは、関節への負担が少なくて済むウォーキングや水中歩行のようなスポーツをゆっくり行うなど、関節に無理をかけないように気をつけることが必要です。 変形性股関節症の悪化|家族が気をつけること 変形性股関節症と診断された場合に、その家族が気をつけることを以下にまとめました。どのようなことがあるのでしょうか。 重いものを持たなくて済むようにサポートする 重いものを持つと関節に負担がかかりやすくなります。また、重いものを持つために、腰をかがめる動作も股関節に負担がかかるため、変形性股関節症の場合に荷物を持つときには、できるだけ家族が持つなどのサポートが大切です。 痛みの管理をサポートする 変形性股関節症では、痛み止めなどの内服薬も処方されます。痛み止めは、副作用で胃が荒れてしまうこともあり、それを予防するための胃薬や湿布のような外用薬など、数種類の薬が処方されることもあるため、薬の管理をサポートしましょう。 また、どのようなときに痛みが出たり、ひどくなったりするかの記録をつけることで、痛みの管理ができるため、家族もいっしょになって記録を取る手伝いをしましょう。 これら変形性股関節症では、その個人だけではなく、周りの家族も思いやりと、協力で、症状の進行を遅らせ、痛みを改善させ、より快適に過ごすことができるのではないでしょうか。 精神面でも支えになる 変形性股関節症の人は、症状が進むと動いていなくても痛みを感じる場合があります。今までできていたことができなくなり、トイレに行くにも不自由になり、ストレスを感じるようになる人もいます。 ですから、変形性股関節症の人の家族は、日常的な生活のサポートだけでなく、精神的な支えにもなるように気をつけることが必要です。 変形性股関節症の悪化|治療で気をつけること 変形性股関節症の治療で気をつけることも確認しておきましょう。 本人や家族が満足、納得できる医療機関を見つける 変形性股関節症の治療では、「薬物治療」、「運動療法」、「手術療法」などさまざまな治療がおこなわれます。手術療法を行う場合は入院が必要になりますが、どうしても仕事が忙しく時間がとれないなどの理由で手術を希望しない人もいます。 また、手術療法にも骨切り術や人工関節置換術があり、その後の通院頻度や入院期間も異なります。病院までの距離や医師との相性なども含め、本人や家族が満足できる、納得できる医療機関を見つけて治療を受けることが必要です。 意思や希望を主治医に伝える 変形性股関節症の人は、今後どのように治療を進めていきたいか、自分の意思をしっかりと主治医に伝えるようにしましょう。また、家族の意思や希望も伝えておけば良いでしょう。 なぜなら自分の望む治療がおこなわれないと、治療に対するモチベーションも下がってしまい、治療自体に影響が出ることもあります。 すぐに手術を受けたいのか、しばらくは薬で治療をしたいのか、飲み薬のほかに湿布薬や座薬も使いたいのかなど、医師にしっかり話をして、相談しながら治療をしていきましょう。 変形性股関節症に再生医療という選択肢もある! 変形性股関節症の治療の選択肢のひとつに、「再生医療」という最新の治療法もあります。今までの変形性股関節症の治療では、薬で痛みが抑えられなくなった場合には手術をするしかないと言われていました。 そのため、変形性股関節症は、日常生活においても股関節に負担がかからないように気をつけ、痛みが出たら痛み止めを飲んで緩和しながら進行を遅らせるなど、精神面や痛みのコントロールもとても大変でした。 しかし、最近ではスポーツ選手なども選択している再生医療という治療方法が注目を浴びています。 手術との違い 変形性股関節症における痛みの原因は、関節の軟骨がすり減ることで発生しています。再生医療では、修復が不可能と言われている関節の軟骨を新たに再生させていく画期的な治療法です。 この再生医療では手術を行いませんので、身体への侵襲が少ない治療となります。人工関節のような大掛かりな手術を実施した場合には、少なからずリスクを伴います。代表的な合併症としては、深部静脈血栓症・肺塞栓症・人工関節の再脱臼などがありますが、再生医療においてはこれらの合併症が発生することはありません。 再生医療の効果はいつまであるのか また、人工関節には耐久年数があり、一般的には平均15〜20年程度と言われています。人工関節をすると、経年劣化による不具合により疼痛などが発生することがあり、日常生活に支障が出た時には、再手術が必要となる場合も少なくありません。 再生医療の治療効果は人工関節の耐久年数と同じ程度の持続が期待されています。しかも手術に伴う合併症のリスクを負うことなく、手術と同じ程度の治療成績が得られることからも、再生医療を選択するメリットは大きいと考えられます。 これまでの治療では効果が感じられず、手術を受けようかとお悩みの方、あるいはどうしても手術を受けたくないという方にとって、安全で治療効果の高い再生医療は新たな選択肢と言えるでしょう。 下記の動画ではは、再生医療が変形性股関節症の痛みをどのように軽減し、患者様が日常生活でより多く動けるようになったかを示しています。是非参考にしてみてください。 https://youtu.be/ZYdyeWBuMQA?si=VGWXjnYGmS4UpHbm まとめ・変形性股関節症の発症後に気をつけたいこと 変形性股関節症で症状を悪化させないために気をつけたいことをご紹介しました。 変形性股関節症の治療においては、股関節に負担をかけないように気をつけることが大切で、安静や食生活の管理、適度な運動、また、家族のサポートも必要です。 これまでの変形性股関節症の治療では、痛み止めを服用して痛みを緩和し、手術をおこなう方法しかありませんでした。そのため症状の進行を抑える目的でリハビリを含め、生活上で注意すべきことが多々あります。 しかし、近年注目を浴びている再生医療は、変形性股関節症の治療の選択肢にすることができます。副作用が少なく、高い治療効果が期待できるので、治療方法を検討する際には、再生医療の選択もできるようになりました。 以上、変形性股関節症を悪化させないために気をつけたいことを記しました。 ▼ 再生医療で変形性股関節症を治療する 変形性股関節症は、再生医療により手術せずに症状を改善することができます ▼以下もご参考になりませんか 変形性股関節症を進行させない生活の工夫とリハビリについて
2022.04.07 -
- 股関節
- ひざ関節
- 肩関節
- 手部
- 肘関節
「痛み止めにステロイド注射を使う効果は?」 「痛み止めのステロイド注射はどんな副作用があるの?」 ステロイドは、変形性膝関節症や変形性股関節症を始め、各種関節症の保存療法(薬物療法)で、痛み止めとして使われているメジャーな薬です。 ステロイドは痛み止めの薬として効果を発揮します。ただ、ステロイドの副作用が気になり、怖いと感じる方もおられるはずです。 今回は関節症の痛み止めに使われる機会が多いステロイド注射の効果、副作用などをご説明いたします。 最後まで読んでいただければ、ステロイド注射を使うメリットとデメリットを理解できるので、治療を受けるべきか迷われている方は参考にしてみてください。 関節症に痛み止めのステロイド注射を使う効果は2つ 関節症に痛み止めのステロイド薬(ステロイド注射)を使う効果を2つ解説します。 ・鎮痛効果 ・抗炎症作用 鎮痛効果 ステロイド薬を使うメリットには、鎮痛効果による痛みの緩和があげられます。 各種関節症の発症初期には、保存療法(薬物療法)がおこなわれるケースが一般的です。 ステロイド注射は痛みを緩和させる目的で、以下のようなときに使います。 ・生活を送るときの不自由さを減らすため ・運動療法による治療効果を高めるため とくに運動療法を行うときに痛みがあると、痛む部位を守ろうとするあまり、ほかの筋肉や組織に力が入りがちです。結果としてほかの部位まで痛める可能性もあります。 保存療法を有効に進めるためにも、ステロイド注射で痛みを減らす必要があるのです。 抗炎症作用 ステロイド薬には、炎症(痛みの原因)を和らげる抗炎症作用があります。 痛みの原因物質の産生を抑えられると、鎮痛(痛みを抑える)効果が期待できるのです。 各種関節症の保存療法では、初期の段階ではステロイド注射で痛みを緩和しながら炎症を防ぎ、リハビリなどの運動療法における効果を上げる目的で使います。 痛み止めのステロイド注射に関する副作用 ステロイドに悪いイメージがあるのは、副作用があると聞いたからではないでしょうか。 実際に、ステロイド注射の副作用のひとつに「骨が脆くなる」点があげられます。そのため、事前の骨の検査や年齢によっては、ステロイド治療を行えない場合があるのです。 以下で、副作用における一例をまとめています。 【ステロイドの副作用】 ・ステロイド注射を長期間、あるいは短期間に多く投与された場合 →股関節の「大腿骨頭」、肩関節の「上腕骨頭」、 「膝関節」の骨への血流が阻害され、骨の組織が壊死する危険性がある ・短期的に大量に使ったり、長期的に使ったりした場合 →骨の代謝やホルモンの産生に影響を与える ・長期的に使うと骨を脆くする危険性がある →「大腿骨骨頭壊死」「上腕骨頭壊死」「膝関節骨壊死」 といった困難な症状を招く可能性もある 【骨粗鬆症のリスク】 ・ステロイド注射は短期間に多くの投与、あるいは長期間使うと、 骨やホルモンの代謝に影響を与えかねない 【感染症になりやすい】 ・ステロイド注射は免疫を抑制するため、 長期間、関節内に投与を行うと「化膿性関節炎」になる危険性がある ・関節炎になった場合、抗生物質の内服による治療や、 重症化した場合は、関節内の洗浄が必要になる しかし、ステロイド注射は、変形性膝関節症や変形性股関節症、肩の関節症などの痛みに対して鎮痛、消炎(炎症をとりさること)の改善効果が得られます。 デメリットを過大評価すると使うのをためらってしまいがちです。 先にステロイド注射を使うデメリットを知っておくと、ステロイド治療に対する判断の一助となり、医師の診断や意見を理解する上でも役立ちます。 医療機関などで医師の管理のもと、適切にステロイド治療を行えると、必要以上に怖がる必要はなくなるはずです。 【長期使用はNG】痛み止めのステロイド注射は根本治療にならない ステロイド注射は、関節症の痛みで困っている場合に高い鎮痛効果が期待できます。 ただ、副作用があるステロイド注射を長期間、継続して使うのはおすすめできません。短期間でも大量に使うのは避けましょう。 また、ステロイド治療は、骨の変形や軟骨のすり減りなど、関節の状態を修復する効果はありません。病気の進行を止めるなど、根本的な治療を目的としていないのです。 たとえば、変形性関節症は進行する病気です。変形性関節症の人がステロイド治療を行っても、最終的には手術が必要となる可能性があります。 関節症におけるステロイドでの治療方法について 関節症でのステロイド治療は、内服薬と注射があります。 症状や状態にもよりますが、内服薬で痛みに対する効果が感じにくくなった場合に、関節内にステロイド薬を直接注射する流れが一般的です。 ステロイド薬を関節に注射すると、抗炎症作用により痛みを改善します。ただ、何度も申しますが、長期的な使用や短期の大量投与は、副作用のリスクがあるので避けましょう。 また、関節症の症状が進行するとステロイドの効果が減少して、外科的治療として手術の選択を迫られるかもしれません。 しかし、近年はステロイド注射以外にも、手術や入院を避けられる再生医療の治療方法もあります。 再生医療の幹細胞治療では、膝や股関節、肩などの治療において、自身の幹細胞を培養して関節注射を行う流れです。 まとめ|関節症のステロイド注射は痛み止めに効果がある ステロイド薬は、内服や痛む関節に直接注射する方法で使います。鎮痛効果と抗炎症作用により、痛みを緩和させる効果があります。 ただし、ステロイド注射はメリットがある反面、副作用もあるので注意が必要です。短期的な大量投与や、長期的なステロイド治療は避けるべきです。 ステロイド注射は問題のある部位を修復できないので、根本的な解決はできません。 ただ、医療機関などで医師の管理下で治療するなら、必要以上に怖がる必要はないでしょう。ステロイドの特性を知った上で、治療に使っていただければと思います。 また、関節症に関わる治療のひとつとして、再生医療もあります。ステロイド治療以外で、根本的な治療を探している方は、再生医療の治療方法も視野に入れてご検討ください。 痛み止めのステロイド注射に関するQ&A 痛み止めのステロイド注射に関して、質問と答えをまとめています。 Q.関節症における痛み止めのステロイド注射は保険適用ですか? A.はい、一般的には保険適用になります。 ただし、症状や治療方法によっても変わる可能性があるので、詳細は医療機関でご確認ください。
2022.04.01 -
- 股関節
- 変形性股関節症
変形性股関節症の手術後の生活で注意したいことを詳しく 変形性股関節症の手術をされた方や、手術が決まっている、また病院で人工股関節への置換術をすすめられたけれど、術後の生活について詳しく知ってから手術を受けるかどうかを検討したいという人へこの記事を書かせていただきました。 変形性股関節症の手術を行って人工股関節を入れた場合、それですべて元通りになるかというと・・・そうではありません。股関節に気を配る、動作や姿勢に気をつけるなどの必要があります。つまり、手術前の生活と手術後の生活では日常が少し異なってきます。 今回は、変形性股関節症の手術後の生活で気を付けることをポイントごとに解説します。変形性股関節症の手術後の生活は、とにかく股関節に負担がかからないように注意しなければなりません。 過度の運動は避ける 運動によって股関節周りの筋肉を鍛えることができるため、運動をすることはおススメです。 しかし、変形性股関節症の手術をしたからとハードな運動を行えるというものではありません。過度な運動は控えたほうが良いでしょう。実際、変形性股関節症の手術後の生活で、ハイキングやウォーキングなど、いろいろなスポーツをしている人もいます。 ですが、このような運動をすることで、股関節の脱臼が起こることがあることを知っておくべきです。とはいっても運動を全く否定するものではありません。無茶をしない範囲でお取組みください。 変形性股関節症の手術後の生活の中で無理なく行っていただけるのは、水泳やウォーキングなどのスポーツとなります。しかし、例えば水泳であれば、平泳ぎは股関節に負担がかかるので控えるべきでバタ足などがお勧めです。ウォーキングは15分程度など軽めにするなどの配慮が必要です。 何より、過度な運動は合併症を起こしてしまう可能性があり、後々股関節のゆるみが生じてしまう恐れがあるので注意しましょう。 転倒しないようにする 変形性股関節症で人工股関節を入れた場合、手術後の生活は、この人工股関節と上手く付き合っていく意識が必要になります。人工関節の破損を避けるためにも転倒には気をつけましょう。 また、転倒は、破損だけでなく骨折の原因にもなり、そうなれば歩行が難しくなる可能性もあり、手術をした意味がなくなりかねません。 変形性股関節症の手術後の生活では、外出時には階段を避けてエスカレーターや、エレベーターを積極的に利用する。足場の悪いところは極力歩かないということを心がけるようにしてください。 股関節に負担のある姿勢を避ける 変形性股関節症の手術後の生活では、股関節を曲げて膝を内側にねじるような姿勢は負担が大きいので避けるようにしましょう。 また、あぐらやしゃがむ動作なども股関節に負担がかかります。そして、股関節の屈曲などの複合動作が続くと、股関節に大きな負担がかかってしまい脱臼や骨折の原因になります。無意識をできるだけ避けて股関節の動きや状態を意識して生活してください。 変形性股関節症の手術後の生活で工夫すべきこと 変形性股関節症の手術後の生活で工夫すべきことを以下にご紹介します。 1.生活スタイルを変える 変形性股関節症の手術後の生活では、股関節に負担のかかる生活を避けなければいけません。特にしゃがむ姿勢は、変形性股関節症において厳禁です。和式トイレなどでしゃがむ姿勢や、座布団に座る、重いものを持ち上げるなどは、意識してしないようにしましょう。 変形性股関節症の手術後の生活では、徐々にでもできる範囲で椅子や、洋式トイレを利用するなど、和式から洋式へと生活スタイルを切り替えることをおすすめします。 布団を敷いて寝ているという人は、ベッドにしたほうが股関節に負担をかけずに済みます。 2.運動時間を短くする 運動は、股関節の筋肉をつける上で有効な保存治療の一つですので変形性股関節症の手術後の生活でも、基本的にはおこなっても問題はありませんが、過度な運動は禁忌です。 徐々に股関節を慣らすようにして、運動は1日15分程度、ウォーキングなど軽いものからスタートしましょう。 また、体重が重いというだけでも股関節には負担が大きくなるので、運動をして体重管理をすることが大切です。標準体重よりも重い場合や、体重を重く感じていたり、落としたいと思ったら思い切ってダイエットを志向しましょう。ダイエットと言わず体重の管理は非常に大切です。 3.重いものを持たない 変形性股関節症の場合、手術後の生活では日常的に重たいものを持たないようにしましょう。重量のあるものを持ち上げたり、持って移動するのは、股関節に大きな負担がかかります。もちろんしゃがんだ姿勢から持ち上げることはやめてください。 軽い荷物であれば大丈夫ですが、もし足腰を使うぐらい重い荷物を運ばなければいけないときは、家族や友人に遠慮せず手伝ってもらいましょう。 特に家族には、変形性股関節症のことを伝えて、手術後の生活についても話し合い、よく理解してもらうことが大切です。 変形性股関節症の手術後の生活で起こりやすいトラブル 変形性股関節症の手術後は、股関節に負担がかからないように生活することが大切ですが、気をつけていても起こりやすいトラブルがあります。変形性股関節症の手術後の生活で想定されるトラブルを順に解説します。 ちょっとしたことや、油断が危険につながる 変形性股関節症は股関節への配慮が最も重要で、負担のかかる姿勢や動作を繰り返さないようにするだけでなく、物につまずいて転倒しないように気をつけることが大切です。手術前の生活と術後では体力が変わっている可能性があります。 これぐらい・・・、この程度なら・・・という油断はくれぐれも禁物です。慣れ親しんだ普段の生活にこそ危険が潜んでいるものです。歩く、座る、立つなどの行動はもちろんのこと、何事も慎重な動作をお願いいたします。 変形性股関節症でない状態であれば、全く不安のない動作でも、またかすり傷程度で済むような、ちょっとした転倒であっても、変形性股関節症の人にとっては非常に危険な事故につながる恐れがあります。 ちょっとしたことや、油断が大きな危険、事故につながることがあるため、十分に気をつけるようにしましょう。 筋肉量の低下に注意する 変形性股関節症の手術後の生活は、とにかく安静にしておくのが一番だろうと、まったく体を動かさない人もいるようです。しかし、それはそれで全く体を動かさない、安静にし過ぎるのは良くありません。なぜなら筋肉量の低下につながるため回復に向けて大きな問題になります。 手術後の生活は、最初のうちは痛みが伴うことが多いため安静にすることが多いと思いますが、しばらく経過して痛みが落ち着いてきたら、外に出て、散歩を行うなど、無理のない範囲で軽い運動を心がけましょう。 短い時間での散歩や、軽めのジョギングなどの運動を通して筋肉を維持する、保つことが大切です。筋肉量を落とさないよう気を付けておかねば、歩行ができなくなったり、寝たきりになるリスクをはらんでいます。 もちろん運動に際しては、医師などの指導を受けて無理のない範囲で取り組むようにしましょう。具合が悪い時は、無理しないで、できる時に根気よく、継続的に行うようにしてください。関節の筋肉を維持するため、日々の運動を取り入れていきましょう。 まとめ・変形性股関節症の手術後の生活で注意したいことを 今回は、変形性股関節症の手術後の生活で気を付けるべきことや工夫すること、予想されるトラブルなどを解説しました。基本的に変形性股関節症の手術後の生活は、人工股関節に配慮をすれば大きな支障をきたすようなことはないでしょう。 しかし、人工股関節とうまく付き合っていく必要があるため、どうしても注意や工夫をしなければならない場面も出てきます。生活における注意事項や、運動、リハビリなどは必ず主治医に指導を受けるよう致しましょう。 ▼参考:股関節の負担を軽くする 変形性股関節症で股関節の負担を軽減する「立ち上がり動作」について
2022.03.31 -
- ひざ関節
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膝や肩、股関節の関節痛の診断に何故MRI検査が必要なのか 長時間の立ち仕事、座ったままのオフィスワークはもちろん、日頃から運動やスポーツをよくされる方にとって、首や肩はもちろん、腰や膝の痛みは日々の大きな悩みです。これらの痛みについて、その原因をつきとめるためには画像による情報をもとにした診断がとても重要です。 中でも膝や腰の痛みについて判断する際には、画像検査の中でもMRIを使っての検査が重視されます。今回は、膝や腰、股関節など深刻な関節痛の診断にMRI検査を使う理由についてみていきます。 1、画像検査について 診察時の画像検査として、誰もがご存知のレントゲン検査に加えて、CT検査、MRI検査という画像診断の方法があります。それぞれの長所・短所があるのでご説明させて頂きます。 1)レントゲン検査 レントゲン検査は、多くの方にとってなじみのある放射線の一種であるエックス線を用いた検査方法です。短時間で簡単に行えますし、苦痛もほとんどないため、まずはレントゲンを撮る病院が多いかと思います。 レントゲン検査は、骨の状態、部分を詳しく見るのに適しています。たとえば骨折や、骨の変形などがその代表です。しかし、筋肉・軟骨・神経などの骨より柔らかい組織を撮影することができません。 また最近はデジタル化の影響で線量が格段に少なくなっているため通常の検査であれば問題はありません。ただ、放射線を用いる検査ですので、何度も繰り返して検索を行うなどの場合は被曝の可能性については気になるところです。 2)CT検査 (Computed Tomography) CT検査は、レントゲンと同じエックス線を用います。このエックス線をあらゆる方向から照射することで体の輪切りした画像を撮影することが可能にするものです。レントゲンと違って体の内部まで輪切りにした状態で確認ができます。 輪切り画像を重ね合わせて他の断面の画像を構築したり、三次元(3D)の立体画像で確認することもできる検査です。レントゲン検査よりもさらに詳しく骨の状態を評価することが可能ですが、レントゲンと同じく筋肉・軟骨・神経などの骨より柔らかい組織については判断しにくいことがあります。 3)MRI検査(Magnetic Resonance Imaging) MRI検査とは、大きな磁石(磁場)を利用して体の内部を画像化する検査です。レントゲン検査や、CT検査ではわからない筋肉や神経などの柔らかい組織を写し出すことを得意としています。また、何より放射線を使用しないため被曝も無く、患者さんの人体に無害な検査という点で優れています。 ただ、装置自体が大きく、とても高価なため、大学病院をはじめとした一部の施設にしか配置されていません。また、検査に際しては、筒状の装置の中で30分程度は検査時間として、じっと我慢する必要があります。 狭い筒の中で閉じ込められるため、(閉所恐怖症)がネックとなります。また機械の作動音が大きく、それが我慢できないという方もおられます。もちろん具合が悪くなったら係員に知らせるためのボタンなどがありますので安心してください。 その他の注意としては、MRI検査は、誰でもできる訳であはありません。仕組みとして非常に強力な磁石を用いた装置であることから、体内に金属があると検査できないことがあります。 整形外科等の骨折の手術等でボルトや、プレートなどが入っていたり、特に心臓にペースメーカーを入れている方は、MRI検査に対応したペースメーカーでなければ撮影することができません。これはペースメーカーに付属の手帳で詳細が案内されているはずですのでご確認ください。 また、歯科インプラントはチタンでできていますし、心臓や脳血管のステントも大丈夫なことが多いのですが年のため、主治医にご相談ください。 ただし、注意が必要なのは刺青です。 最近はファッションで手軽に刺青を入れる方が増えてきました。実はこの刺青の色素に金属成分が含まれることがあります。色素の金属がMRI検査により熱を持ち、火傷にいたる可能性があります。そのため注意が必要です。 2、腰が痛い場合のMRI検査 腰痛の原因は様々ですが、MRI検査でわかるのは、軟骨の変形や神経の圧迫などです。 腰にある筋肉が肉離れを起こしたような状態であるギックリ腰や、腰の筋肉の疲労からくる筋・筋膜性腰痛症はMRI検査では異常がわかりません。 一方、椎間板ヘルニアではMRI検査が重要です。腰の骨(腰椎)には椎間板と呼ばれる円盤状の軟骨部分があります。この部分が外に出てきたのが椎間板ヘルニアという訳です。 神経が圧迫されると、腰、お尻、下肢にまで痛みやしびれが出ることがありますが、椎間板が出ていても神経を圧迫しなければ、痛みはありません。この椎間板の飛び出てきた様子をMRI検査を用いることで確認することができ、診察に当って正確な診断が行えます。 3、膝が痛い場合のMRI検査 膝の痛みには、交通事故、スポーツによる外傷、運動のやりすぎ、中年以降に慢性的に起きるものなどがあります。外傷による代表的なものとして、膝半月板損傷および膝靱帯損傷、変形性膝関節症があります。 MRI検査による画像情報なら半月板、膝軟骨、ひざの靭帯が、どのように痛んでいるのかなどの疾患を正確に知ることができ、これらの症状の診断には欠かせません。 特に変形性膝関節症の場合は、レントゲン検査では骨の外観しか判断できないところ、MRI検査によれば骨の中の状態まで把握できるため、医師は骨の内部にまで損傷がおよんでいないか確認することができます。 1)膝半月板損傷 膝関節のすき間には、内・外側それぞれに半月板と呼ばれる三日月型の軟骨(膝半月板)があり、膝にかかる衝撃を分散させています。例えばスポーツ等で強く膝を捻ったときに損傷することが多く見られたりします。 損傷直後には、強い痛みと共に腫れたり、関節内に血液が溜まる事があります。しばらくして痛みが和らいでも、膝の中で引っかかる様な感じや動きにくい感じが続いたりします。 2)靱帯損傷 膝を支えるため、膝には内・外側の側副靱帯および前・後十字靱帯の計4つの膝靱帯があります。半月板の損傷と同じように、スポーツ等で膝を捻った時や交通外傷で発生する事が多くあります。 強い膝の痛みと共に皮下や関節内に出血が生じます。膝関節が不安定になることが一番の問題であり、膝のくずれや持続する痛みでスポーツが出来なくなることもよくあります。これら靭帯の状態を確認する上でもMRI検査を用いた検査が一番わかりやすい検査となります。 もし、上記のうちに気になる症状があれば、早めに専門医院の受診をお勧めいたします。その際にMRI検査での精査を勧められることがあるかもしれません。その折のご参考としていただけると幸いです。 以上、「膝や肩、股関節の関節痛の診断に何故MRI検査が必要なのか」について記させていただきました。 ▼こちらも合わせてご覧ください MRI検査についてと、検査を受ける際の注意点 O脚とは?O脚の原因とおすすめの治し方を知りたい方へ必見です!
2022.03.30 -
- 股関節
- 変形性股関節症
変形性股関節症を進行させない生活の工夫とリハビリ 変形性股関節症は中高年以降の女性に多く発生する病気で、動き出しなど動作のはじめや、長時間の歩行後に痛みを感じます。悪化すると安静時にまで痛みを感じるようになるため、日常生活を送る上で大きな支障となります。 股関節が痛む原因は2つあり、関節軟骨の摩耗と関節唇の損傷です。股関節へかかる負荷が原因で、クッション材である関節軟骨がすり減り、そのかけらが滑膜を刺激することで痛みを感じます。 また、股関節の安定性を高める関節唇が傷むことでも、関節が不安定になり痛みにつながります。 そんな変形性股関節症への治療は、関節への負荷を減らしながら、同時に関節を安定させることが重要です。この記事では、変形性股関節症を悪化させない具体的な工夫や取り組みを紹介します。 変形性股関節症の特徴 ・中高年以降の女性に多く発症 ・動き出しなど、初期動作に痛み ・悪化すると安静時にも痛む 生活スタイルを変え負担を避ける 日常生活を工夫することで股関節へかかる負荷を減らし、痛みを軽減します。日常生活で最も股関節に負荷がかかる姿勢は、関節が深く曲がるようなしゃがむ動作です。また低い位置から立ち上がる動作でも負荷がかかるため注意が必要です。 背筋を伸ばす 変形性股関節症の初期には、痛みをかばうことから骨盤が前傾し、不自然な姿勢を取りがちです。そうした姿勢が腰椎の前弯と胸椎の後弯を増強させ、股関節の可動域や筋力は低下します。そうして不安定になった関節に体重が加わると、関節軟骨への負荷が増し、痛みにつながります。 では骨盤を後傾させれば良いのか?というと、そうでもありません。猫背のように骨盤が後傾する姿勢では、その問題は背骨の湾曲だけでなく、股関節に不安定さをもたらし、それもまた痛みにつながります。(ヒップ−スパイン・シンドローム) 大切なのは、体操を通して常に股関節や骨盤の柔軟性を高め、できる限り背筋を伸ばしておくことです。 低い位置での生活をやめる 畳のような和式ならではの低い位置で過ごす生活では股関節に負荷がかかります。さらに立ち上がり動作でも股関節の負荷になることから、地べたでの生活から椅子を活用するなど、洋式の生活へと変えていく必要があります。 ほかには、トイレを洋式へ変えたり、布団からベッドに変更したりと低い位置での生活はなるべくやめていきましょう。また、キッチンで料理をする際、頻繁に使う物は高い位置に収納することで、頻繁にかがむ機会を減らします。 減量する 肥満であることは、股関節にかかる負荷も上がるため、変形性股関節症を進行させる要因の一つです。肥満傾向の方は体重を落とすことで、病気の悪化を防ぐことができます。 手すりの設置 段差の昇降は、股関節に負荷がかかるだけでなく、転倒するリスクが高まります。階段やお風呂場などには手すりをつけることで関節への負荷と転倒リスクを減らします。 積極的に運動療法(リハビリ)に取り組む 運動療法では筋肉を鍛え、関節の安定性を高めます。また適度な運動が股関節の可動域を拡大させ、変形の進行を防ぎます。運動療法は、自分のペースで無理せず行います。痛みを我慢して運動を続けると痛みは悪化し、ついには運動に取り組めないことがあるため気をつけましょう。 ウォーキング 歩くことで股関節の筋力を向上させ、脚を動かすことで関節可動域が広げる効果があります。 健康を目的とした歩行では、早歩きが推奨されることが一般的ですが、変形性股関節症の場合は違います。歩行速度が上がるほど股関節へ衝撃が伝わりやすくなるほか、歩行フォームが乱れ、不安定な股関節にさらに負荷がかかります。ウォーキングを始める際は、自分のペースでゆっくり歩くことがポイントです。 また慣れないうちから長時間や長距離を歩くのはオススメできません。無理をした疲労から動けなくなると、継続的な運動ができないため、短い距離・時間でも毎日継続することが大切です。 プールでの運動 水の浮力を生かした運動で、地上での歩行より負荷の少ないトレーニングができます。体重から股関節へかかる負荷を軽減できるため、地上でのウォーキングでは痛みを感じる方でも、水中では痛みなく歩ける場合があります。 また、水の抵抗に負けないように歩く必要があるため、筋力強化が期待できます。普段から股関節に痛みを感じており、満足に運動療法に取り組めない方には最適です。さらに地上でのウォーキングと比べて転倒リスクがないこともポイントです。 室内での運動 1日の大半を家で過ごす方も多いのではないでしょうか。そうした場合、室内で手軽にできる体操やトレーニングがあります。股関節の可動域が制限される原因の一つが筋肉の緊張です。室内での運動を通して、筋肉の柔軟性を取り戻し、関節可動域を高めます。可動域が高まれば、運動にも効率よく取り組めます。 股関節に関する筋肉の体操 1. 椅子に座り骨盤に手をかけます 2. おへそを出すように、ゆっくり骨盤を前方へ倒す 3. おなかを引っ込めるように、ゆっくり骨盤を後方へ倒す ※ 2~3を繰り返しを1分間行います。 1. 仰向けで寝転び、両膝を立てる 2. 両膝をそろえた状態で左右へ倒す ※ 左右各10回を、1日2セット行う 股関節に関する筋肉のトレーニング 1. 仰向けに寝転び、膝を立てます 2. 両膝にゴムを固定します 3. 左右同時に外へ向けてゴムを引っ張ります 4. 元の位置へ戻します 中臀筋や大腿筋膜張筋のような股関節の外転筋のほか、梨状筋や大臀筋のような外旋筋を鍛えます。 まとめ・変形性股関節症を進行させない工夫 変形性股関節症と診断された方は、痛みが少ない頃から股関節への負荷を減らし、関節を安定させ進行を遅らせます。 もし変形性股関節症が進行した場合、痛みをかばって歩くことで対側の股関節にも痛みがでることがあります。そうなると、活動量は低下し、さらに状態が悪くなる悪循環になります。 変形性股関節症を進行させないためには、股関節へ負荷がかからないように、低い位置で過ごすことが多い和式から洋式へと生活スタイルを見直し、自分のペースで痛みのない運動療法に継続して取り組みましょう。 ▼ 再生医療で変形性股関節症を治療する方法 変形性股関節症は、再生医療により手術せずに症状を改善することができます ▼以下も参考にされませんか 変形性股関節症でやってはいけない禁忌肢位とは
2022.01.22 -
- 肘関節
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人工関節の手術を受ける場合に知っておくべき安全性と危険性を解説 股関節、膝関節、肘関節、指関節、足関節における関節疾患の多くは比較的ゆっくりと症状が進行するため、本人は症状に苦しんでいるにもかかわらず、ただ単に年齢によるものというだけで見過ごされてしまうことが往々にしてあります。 ところが、知らず知らずのうちに病気の進行が悪化してしまうと、関節患部に強い痛みや熱感を自覚して、日常生活において歩く、座る、投げる、持つ、立つなどの基本的な動作能力が低下して必要な動きが制限されてくる恐れがあることをご存知でしょうか。 このような関節の症状が出たのちに、保存療法等、種々の治療を繰り返しても元には戻りにくく、徐々に症状は進行します。そして、最終的に提案されるのが手術療法になります。 人工関節置換術 この手術が「人工関節置換術」として知られているものです。この手術は、読んで字のごとく、疾患によって悪くなって異常がある関節部分を取り除いたのちに、人工の関節に置き換える手術です。 例えば変形性膝関節症や、関節リウマチなど膝関節疾患を治療する際には、その代表的な手術療法のひとつとして人工膝関節置換術が挙げられるという具合です。 人工関節の置換術が可能な部位は膝関節や股関節、肩関節、手関節、手指関節、足関節、肘関節となっていて、置換える人工関節そのものも年々進歩しています。 材料的には主としてチタン合金、コバルトクロム合金、セラミック、ポリエチレンなどで構成されています。 人工関節置換術は、関節の疾患がもとになって起こっている疼痛の原因となっている部分を取り除くことを主眼としているため、他の治療法と違って、患者さんの慢性的症状である痛みを和らげる効果を期待するものです。 そこで今回は、そのような人工関節の手術に関して知っておきたい安全性と危険性について解説したいと思います。 人工関節置換術 治療可能部位 材料 膝関節や股関節、肩関節、手関節、手指関節、足関節、肘関節 チタン合金、コバルトクロム合金、セラミック、ポリエチレン 人工関節の手術|安全性について 人工関節置換術という手術療法は、各種の関節症、例えば変形性関節症や関節リウマチを患われている患者様に対して関節の痛みを緩和して日常生活をより快適に送れる事を目的とする治療手段として普及しています。 今や各種の関節症に対する人口関節置換手術でのアプローチは年間に約20万例前後という件数が報告されるまでになりました。このように比較的メジャーになってきた人工関節の手術は、術式としては確立されていて、置換える人工物の素材も進歩を遂げています。 ただし、手術を安全に確実に実践するためには、当たり前のことながら整形外科の専門医を始めとして、医療従事者の専門性が問われ、人工関節の特性や、軟骨などの組織が破綻するメカニズムに対する知識が不可欠です。 これら関節の再建方法などについて熟知している専門性が大切であり、これまでの経験、知見、熟練の度合いが手術に影響するとされています。 また、人工関節置換術においては、言うまでもありませんが手術そのものの安全性を高く施行するだけでなく、術前や術後における全身管理や、術後の安定した段階で早期に、個人に沿ったリハビリテーションを計画し、適切に行えることが非常に重要です。 これらの人工関節手術を安心して受けるためには、術後の体制、いわゆる人工関節の緩み、異物感染、関節脱臼やインプラント周囲組織の骨折を含めた様々な合併症が起こった際に迅速かつ、確実に対応できる医療体制の存在、あり方が必要不可欠です。 また術後のリハビリテーションに関しては、術前に担当の看護師や理学療法士などのリハビリの専門部門が積極的に患者さんに接触し、術後の早期に状態を見極めながら関節機能を中心とした全身状態の改善を目指さなければなりません。 万が一にもリハビリテーションが予定とは異なり順調に進まない時には、自宅への退院とは別途、リハビリ専門施設へ転院するような連携調整、あるいは自宅退院後の各種生活支援についてメディカルソーシャルワーカーに相談する必要があるでしょう。 このように「人工関節の安全性」は、専門性、術前、術後、リハビリなどをすべて含めて判断すべきだと考えます。 安全性は、総合的に判断 ・専門医(経験、知見、習熟度) ・術前の全身管理 ・術後の対応、フォロー ・リハビリ計画 人工関節の手術|危険性について 人工関節置換術は、疼痛症状を緩和して関節の機能の回復を望める手術である一方、関節以外の他手術と同様に一般的なリスクとして、全身麻酔に伴う合併症や、深部静脈血栓症および肺塞栓症の発症、あるいは輸血に関する問題点などがあります。 また、人工物や手術部分の感染、患部周辺の血管や骨組織、神経などの二次的な損傷、あるいは手術中における予測不能なことがが引き起こされる懸念も考えられます。 そして、人工関節手術の術直後においては傷口の疼痛が非常に強いことが懸念されており、関節部の機能回復を阻害するのみならず、手術を受けた患者さんの満足度とも直接的に関連すると言われています。 他にも心配なのは、人工関節の耐久性です。人工物ですので永久に使えるものではないからです。いつまで使えるかということに関しては、患者さん自身の生活背景などの使い方にもよりますが概ね15年前後であると考えられています。 人生100歳時代の現代、耐久性という面から、将来に人工関節を入れかえるため、再手術の可能性があることを知っておくべきです。その際は、年齢的にも術式的にも、あらゆる面で最初より、難しさがが増す可能性があります。 従来、人工関節置換術は、およそ60歳以上の高齢者を中心に適応がある手術とされてきましたが、近年では個々の価値観やクオリティ・オブ・ライフ/QOL(*)が尊重される時代となり、2回目の手術を勘案して50歳前後でもより快適な人生を過ごすために本手術を選択される方もいらっしゃいます。 (*)クオリティ・オブ・ライフ/QOL 治療を受ける患者さんの肉体的なことはもちろん、精神的なことや社会的、そして経済的など、すべてを含んだ生活の質を指す言葉です。 今回の場合では手術そのものや、その後の副作用などでリハビリを行っても手術前と同じようには生活できなくなる危険性あります。 そのことを理解した上で手術の利点と危険性に関して医師とよく相談し、リハビリも含めた治療内容全般にわたって理解するようにしましょう。そして、家族や周りの理解や、協力を得られるよう相談し、慎重に決定されることをお勧めします。 最後に手術を選択した場合の入院期間について、概ね1か月は最低必要で、年齢的なものや、術後の状態により2か月~必要な場合もあるため、日程的な融通が必要な手術です。 今回は、人工関節への置換手術について不安を感じておられる方への術前のアドバイスとして記してまいりましたが、治療法としては、「再生医療」という先端医療分野があることも知っておきましょう。 その特徴は、手術も入院も不要という治療方法で自分の自己治癒力を引き出す最先端医療です。興味がある方は、お問い合わせください。いずれにしましても先生と話し合って、聞きたいことを聞き、納得して進んでください。 まとめ・人工関節の手術で知っておくべき安全性と危険性 股関節や膝関節は、下半身の体重を支えながら日常生活で立つ、歩くなどの基本的動作を実践するうえで極めて重要な関節です。肩関節や肘関節が障害を受けると荷物が持てないなど非常に支障をきたして日常生活が大変不便になります。 その意味でも日々の健康を保ち快適な暮らしを送り続けるためにも、関節に負担の少ない優しい生活を過ごすように意識しましょう。 仮に関節症の疾患で、人工関節置換術を勧められた場合は、選択肢としてこちらの記事で記したような将来の再手術の可能性、手術そのものの危険性や、入院期間が長くなるといった手術であること知ったうえで臨んでください。 リスクは、どのような手術であっても伴うものです。ただ、上手くいけば関節の痛みが緩和されて、関節の機能が元通りに再生されるのみならず、普段の歩き方や、身体のバランスを整備することが可能な治療法です。 これからの時代、健康寿命を延伸して自分らしい快適な生活を営むためにも、関節疾患は、放置することなく、治療方法について整形外科の専門医もしくは専門院を受診して相談されるこをお勧めします。 安全性 ・術式としては確立 ・多様な部位に対応 ・素材の進歩 危険性/リスクを理解 ・クオリティ オブ ライフ ・専門医の相談、納得感 ・家族の理解、支え ・人工関節の耐久性 → 年齢から再手術の可能性を念頭に ・長期入院 → 1か月~2か月 ・リハビリ → 長期計画 ・手術としての危険性(合併症、その他) ・手術部位の疼痛 以上、人工関節手術に関する安全性と危険性について記しました。今回の記事、情報が少しでも参考になれば幸いです。
2021.12.20 -
- 股関節
- 変形性股関節症
変形性股関節症|股関節の負担が大きな「立ち上がり動作」で注意したいこと 変形性股関節症を発症すると、軟骨のすり減りや骨の変形を防ぐため、できるだけ股関節に負担を掛けないようにする必要があります。 特に、変形性股関節症の日常生活で気をつけて欲しい動作として、「立ち上がり動作」があります。今回は、変形性股関節症を発症した場合に、なぜ「立ち上がり動作に気をつけるべきなのか」について、その理由を解説します。 変形性股関節症とは 変形性股関節症とは、股関節にある軟骨が「すり減り」、骨の変形によって「股関節の隙間」が減ることで、骨同士が直接すれ合うことで痛みを感じる病気です。 軟骨のすり減りや、骨が変形するような股関節の摩耗は、多くの場合、加齢が中心ですが、実はそれ以外にも日常動作や、激しいスポーツでの負担が原因となっている場合があります。 いずれの理由であっても一旦、軟骨のすり減りや、骨が変形し、組織が損傷してしまうと元通りの状態に治すのは、非常に難しくなります。 変形性股関節症を発症後の「立ち上がり動作」は、股関節の屈曲による負担がかかる上、体重もかかってしまうため、「股関節にとっては大きな負担」になりやすい動作となります。 そのため、変形性股関節症は、可能な限り股関節に負担がかからないように過ごすことを意識し、進行を遅らせる努力が必要になります。 その意味で立ち上がり動作には特に特に気をつけなければなりません。変形性股関節症で股関節の負担に関わる「立ち上がり動作」で気を付けたいことを記してまいります 立ち上がり動作しだいで症状が悪化しかねない 変形性股関節症は、股関節を使用することで症状が進む病気です。しかも、立ち上がり動作は股関節に大きな負担がかかる動作です。股関節は、歩くときにはもちろん、立っているだけでも負担がかかります。 前傾した姿勢や、しゃがみこんだ姿勢から立つような「立ち上がり動作」をするときには、大きな動きをしていないつもりでも自分自身の体重そのものが股関節に負荷を与えることになるため、どうしても痛みを伴います。 立ち上がり動作を繰り返すと痛みが出る 初期の変形性股関節症では、痛みを感じない場合が多くあります。 初期のころは、痛みがないだけに不用意に股関節に負荷をかけがちとなり、注意が必要です。股関節への負担が日常的に続くと軟骨のすり減りが進むことになります。股関節の摩耗や疲弊が進むと期せずして歩行時、立ち上がり時に徐々に痛みが出るようになります。 このように変形性股関節症を発症後、頻繁に「立ち上がり動作」を繰り返すと、関節の摩耗や疲弊が進み、症状が進行して痛みを強く感じるようになります。さらに症状が進行すると安静にしていても痛みを感じたり、就寝時にも痛みで目が覚め、眠れなくなってしまうこともあります。 股関節以外(腰や膝)にも負担がかかります 注意したいのは、変形性股関節症の人が「立ち上がり動作」を行うと、どうしても股関節をかばってしまうため腰や、膝にも負担がかかり、時間とともに「腰の痛み」や、「膝の痛み」に繋がる可能性があります。 負担の少ない「立ち上がり動作」をするために 変形性股関節症を発症した場合でも、できるだけ症状の進行は抑えたいものです。そのためには、日常の過ごし方はがとても大切になります。 生活様式を洋式に変える 立ち上がり動作が股関節に負担になる…とはいっても、症状によっては、まだ痛みが少なく、痛みなしに立ち上がることができる場合があるかもしれません。それでも症状は徐々に進行していきます。 注意が必要とはいえ、日常生活で立ち上がり動作を一切しないことは難しいと思います。そのようなときには、生活自体を変更してく必要性があります。 例えば床に布団を敷くことはやめてベッドにする。トイレが和式であるなら洋式に変更する。畳に座っているなら椅子にする。食事もテーブルで行う。玄関には椅子を置くなど、生活様式そのものを徹底して、洋風に変えたり、しゃがむ動作を無くしていく工夫が大切です。 そうすることで、変形性股関節症であっても日常生活上で立ち上がる動作を減らすことが可能になります。 生活様式を変える/生活を洋風にするイメージ ・布団をやめてベットにする ・トイレを和式から洋式にする ・畳から椅子にする ・低いテーブルから、椅子に座って使うテーブルにする ・その他 筋肉をつけるようにする 変形性股関節症で、強い痛みを感じるようになると、ますます歩くことが億劫になり、そうなると股関節周辺の筋力も低下してきます。そもそも股関節は筋肉によってサポートされているため、筋力の低下は、変形性股関節症を悪化させる原因になります。 そのため、負担の少ない適度な運動をおこない、筋力をつける意識を持つことが必要です。 変形性股関節症で立ち上がり動作を繰り返し続けるとどうなる? 立ち上がり動作とは、例えば下記ような日常の動作のことを指します。どれも日常生活でおこなうことが多い動作です。変形性股関節症の人が、このような立ち上がり動作を繰り返し続けるとどうなるのでしょうか。 無理していると ・落ちている物を拾う ・椅子から立ち上がる ・トイレに行く ・靴ひも結ぶ ・靴下を履く・・・ 歩くのも困難になりかねない 変形性股関節症は、初期の場合は痛みを感じない場合もありますが、軟骨のすり減りが進み股関節の隙間がなくなってくると、骨同士が直接こすれあうようになり痛みが出始めます。 股関節は歩く際にも使用されるため、症状の進んだ変形性膝関節症の人は歩くことすら難しくなる可能性があります。 進行すると杖や車いすに移動を頼るようになる 杖を使うことで股関節への負担を軽減することができるため、より早い段階で杖を使うと症状の進行を抑えることができます。 しかし、徐々に変形性股関節症が進むと、歩き始めや歩行時にも痛みを感じるようになり、最終的には歩くことが困難となり、車いすに移動を頼ることになってしまう可能性があります。 変形性股関節症の治療に「再生医療」という選択肢 これまでの変形性股関節症は、損傷した軟骨や骨の変形は二度と元に戻らないため、最終的な治療として今ある関節を人工関節に置換える手術を行うしかありませんでした。 しかし、外科的な手術には抵抗がある、療養期間が長くなることから仕事が忙しいなどの理由で手術を躊躇する。その他、さまざまな理由から手術を受けることができないという人もいます。 また、人工関節を入れる手術をしても、人工関節のメンテナンスのための通院や、最も憂慮すべきは、人工関節の経年劣化による再手術の必要性があるということです。 そこで紹介するのが、「再生医療」です。再生医療とは、自分自身の「幹細胞」や「血小板」を用いて、股関節の修復を促す新しい治療方法です。 自己脂肪由来・幹細胞治療 幹細胞には、さまざまな細胞に変化する能力があり、皮膚や筋肉のほか、軟骨や骨にも変化できる細胞です。この幹細胞の能力を利用して軟骨や骨の変形の修復を促し、痛みの改善を目指すのが、「自己脂肪由来・幹細胞治療」という再生医療です。 PRP療法・再生医療 血液に含まれる血小板にも、組織を修復する能力があります。自分の血液を採取し、血小板を濃縮させたものを損傷した部位へ注入することで、関節組織の修復や再生を促し、痛みの改善を目指すのがPRP再生医療です。 再生医療は、副作用のリスクが少なく、メリットが多い 自己脂肪由来・幹細胞治療、PRP再生医療は、どちらの治療方法も、自分自身の細胞や血液を用いるため、拒絶反応や、アレルギーなどの副作用の心配が少なく、安全性が高く治療期間も短いという特徴があります。 さらに、手術よりも身体的な負担が少なく、手術の時間が取れない、高齢で手術をする体力がない人でも受けられるというメリットがあります。 まとめ・変形性股関節症|股関節の負担が大きい立ち上がり動作に注意 変形性股関節症の人が気をつけるべき「立ち上がり動作」についてご紹介しました。立ち上がり動作は、日常生活をする上で、どうしても必要な動作ですが股関節に負担のかからない方法で動作をおこなう工夫をするなどして、変形性股関節症の進行を遅らせるように意識しましょう。 しかし、工夫して進行を遅らせることは可能であっても、残念ながら症状そのものの進行を止めることはできません。いつしか痛みが強くなり、最終的には安静にしていても痛みを感じるようになるばかりか、移動を車椅子に頼らざるを得なくなることは希ではありません。 このように日常生活に支障をきたすような場合、手術によって人工関節に置換える治療法もありますが近年は、手術を避けて再生医療を選択することも可能になりました。 以上、変形性股関節症を発症した場合は、立ち上がり動作をはじめ、股関節に負担をかけない意識で生活しましょう。もちろん早期に整形外科をはじめ、病院等にて専門的な治療をお受けになること強くお勧め致します。 尚、既に治療をはじめておられ、その治療では効果を感じづらい、手術を受ける時間がない、できるだけ副作用の心配がない治療を受けたい。そもそも手術は嫌だ!という場合は、「再生医療」も選択肢のひとつとして検討されることをオススメします。 https://youtu.be/isSkwxfHrbI?si=-Q71vVuG9D6rlNPe ▶こちらの動画も是非ご覧ください。 ▼ 再生医療で変形性股関節症を治療する 変形性股関節症は、再生医療により手術・入院を避けて改善することが可能です ▼話題/以下もご覧ください 変形性股関節症|農業で発症、やめる!やめない?悪化させないために
2021.12.17 -
- 股関節
股関節の大腿骨頭壊死は治るのか? 皆さんは、これまでに「股関節の大腿骨頭壊死」という言葉を耳にしたことはありませんか。あまり馴染みは無いと思いますが、これは股関節に現れる病名で非常に大きな病です。 大腿骨頭壊死症は、大腿骨頭部の阻血性(血行障害)疾患であり、日本での年間発生者はおよそ2200人程度と推定されています。この疾患を発症するリスクとしては、ステロイドによる治療歴や、アルコール、つまり飲酒との関連性が報告されています。 大腿骨頭壊死とは、人体で一番大きな球状の関節である股関節を構成する大腿骨頭の一部に血流が通わなくなることで、その結果として悲しいことに骨組織が壊死してその部分が死んでしまうような状態を指します。 大腿骨頭壊死症になると、保存的な治療以外にも手術による治療を薦められることもあります。 基本は、患者さん自身の股関節を温存することを優先的に考えますが、症状や重症度によっては人工物で股関節を置き換える人工関節置換という手術療法を選択しなければなりません。 今回は、股関節に現れる大腿骨頭壊死の正体とその治療法について解説しましょう。 股関節の大腿骨頭壊死の原因や症状とは? 足の付け根部分にある関節、その中でも大腿骨の先、大腿骨頭は、股関節を形成する部位としてとても重要な役割を果たしています。大腿骨頭は丸みを帯びた形状をしていて、この大腿骨頭が股関節の中の臼蓋といわれるくぼんだ部分にはまり込むことで股関節が形成されています。 大腿骨頭壊死は、大腿骨頭への血流が十分な量が循環されなくなり骨組織が死んでしまうことで起こります。そして、大腿骨頭壊死症を発症すると大腿骨頭が正常な場合の丸みのある形が変形してしまい、そうなると正常な股関節としての機能を果たせなくなります。 大腿骨頭壊死は、血流障害から発生する病気ですが、いくつかの危険因子がこれまでの研究によって指摘されています。 例えば、「膠原病」の合併症として発生するケースが多いと報告されています。膠原病のなかでも特に大腿骨頭壊死と関連性が深いのは、全身性エリテマトーデスという病気で、実際に、15歳以上の全身性エリテマトーデスを罹患している患者さんでは、大腿骨頭壊死の発生数が急増することが分かっています。 また、「ステロイド」の大量服薬なども本疾患、発生の危険因子であると考えられています。 ステロイドは膠原病や白血病などの数多くの病気で使用される重要な薬剤ですが、1日に40㎎以上を服用し続けると大腿骨頭壊死を患うリスクが上昇するという研究結果があります。 その他に大腿骨頭壊死の原因としてあげられるのがアルコールの過剰摂取、年齢、性別、凝固異常などが考えられています。尚、性別については、男性が女性よりも発生しやすいという統計になっているので男性は注意が必要です。 さらに、発症の危険因子ではありませんが、症状が悪化すると壊死した骨へ体重が過剰に掛かると潰れやすくなることも指摘されていて、これも注意しなければなりません。 大腿骨頭壊死は、大腿骨頭の壊死が生じた段階では明らかな症状はありません。骨頭部の壊死が発生してから股関節の症状が出現するまでには時間差があるからです。 本症では、病理学的には骨細胞と骨髄細胞が壊死に陥る特徴があります。骨頭壊死部は、主に壊死した層、修復反応層、健常な層といった 3 つの層に分かれていて壊死した層が壊れることで大腿骨頭の形に変化が生じ、股関節の機能に障害が起こるります。 股関節の大腿骨頭壊死の治療法 さてここからは、股関節の大腿骨頭壊死は治るのかと題して、骨頭壊死に対する治療法についてご紹介していきましょう。 まず大腿骨頭壊死の診断は、レントゲン写真やMRI検査、シンチグラムといった画像検査が主体になります。特に、MRI検査では大腿骨頭が潰れるという大きな変化を起こす前段階の時点、画像で異常を発見することが可能になります。 大腿骨頭壊死では、保存的療法と手術療法が存在しますが、病状の進行度や症状などに応じて治療方針が決定されます。もし、壊死範囲がごく小さい場合や経過が悪くないと判断されるケースでは、手術を選択せずに保存的な治療で様子をみることになります。 通常の保存的な治療では、体重を過度に増やさず肥満を防止したり、歩行では杖を使用して体重が股関節に賭ける負担を無くしたり、また長距離歩行を出来る限り控えることが必要です。また、重いものを持ち上げることも禁止される場合が多いと思われます。 疼痛(痛み)症状に対しては、消炎鎮痛剤が使用されます。 そして、大腿骨頭壊死の手術療法としては、「自分自身の股関節を温存する方法」と、「人工股関節への置き換える方法」があります。 仮に壊死部分に過剰な体重がかかってしまうと大腿骨頭の潰れが進行してしまうため、大腿骨頭回転骨切り術と言われる手法や、大腿骨内反骨切り術という手術の実施を考えることになります。 自分自身の股関節を温存する手術とは、手術で大腿骨の形を変えることによって体重のかかる部分に健常な関節面が当たるようにします。これによって大腿骨頭の変形の進行を抑えていきます。 また、大腿骨に大きな変形が生じている症例では、人工関節への置換手術を行います。 この場合に、注意しておきたいのは股関節を人工物に置き換えるということは、人工物と骨を結合する必要から、その結合状況の耐久性にはおのずと限界があることです。そのため、人工関節置換術という手術は、将来的に再手術が必要となる可能性があることを考慮した上で慎重に検討しなければなりません。 大腿骨頭壊死は治るのか?まとめ 股関節は、自分自身の体重を支える非常に重要な関節です。大腿骨頭壊死は、股関節を構成する大腿骨頭という部分に血流が行き渡らなくなることで、骨の組織が壊死してしまった状態です。 壊死しただけでは疼痛症状(痛み)を自覚しませんが、壊死部分が圧迫されて潰れると痛みが生じます。 特に、大腿骨頭壊死の発症にはステロイドとの関連性が指摘されており、治療にあたり、ステロイドの服用に関しては慎重な管理が必要とされます。 かつては、股関節の大腿骨頭壊死症は「一度壊死が起きたら治らない」と言われていた時代がありましたが、上手に治療して壊死部分が圧潰しなければ改善する可能性があります。 早めに信頼できる医師に相談して改善を目指しましょう。
2021.12.10 -
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PRP療法とAPS療法の比較|期待できる効果と治療法 「再生医療」という先端医療をご存知でしょうか?近代になって研究室での実験から、医療の現場で実施されるまでに至ってきた医療分野です。 いわゆる再生医療とは、怪我や病気によって低下あるいは喪失した生体機能を従来の医療方法では違うアプローチで治療する方法です。人為的に加工や培養して作製した細胞や組織などを用いて人体に元来備わっている修復能力を増大させて症状を改善させることが出来る可能性を秘めた未来的な治療方法です。 一昔前ならSFの世界、まともに語っていたなら「夢でも見てるの」かと夢物語にされかねない非現実的な医療でした。このような非現実的な治療方法であるだけに、実際にその治療を受けることが可能だとは、ほとんどの方がご存知ないのではないでしょうか。 それもそのはず現場の医師でさえ詳細を知る方は、まだまだ少ないのが現実なんです。そこで再生医療とは、どんな治療方法なのでしょうか? 今回は、PRP療法とAPS療法の比違いについて、比較を交えてお話しさえて頂きます。 そもそも私たちの血液中には、赤血球や白血球、あるいは血小板と呼ばれる成分が含まれていることはご存知ですね。これらの成分には、それぞれに特化した役割が存在しています。 その中でも血小板は外傷によって皮膚表面が傷ついた場合や、関節捻挫、あるいは筋肉打撲などで負傷をした際に損傷部位を治癒させる働きを有しています。つまり、自己治癒力です!傷ついたり、痛んだりした組織を自動で修復してしまう!すごい機能です。 このような働きができるのは血小板の中に含まれて、傷んだ組織部位を治す「成長因子」と呼ばれる成分のお陰お陰です。それが今回、ご紹介するAPS療法の基礎となるものです。 PRP療法とAPS療法 血液中の血小板から濃縮して大量の成長因子を含む「多血小板血漿」は、昨今の再生医療の分野で大変着目されており、英語表記でPlatelet Rich Plasma(略して以下、PRP)と呼称されているものです。 さらに、Autologous Protein Solution(略して以下、APS)を用いた療法は、自己タンパク溶液として、前述したPRPを特殊な過程で更に濃縮したものです。このAPS治療は、目下のところ慢性的な膝関節等の疼痛に対する再生医療という新たな最先端治療として注目されているものなのです。 今回は、再生医療の新人!APS療法について解説していきましょう。 [再生医療] PRPとAPSの比較 自己多血小板血漿、注入療法とも呼ばれるPRP療法については聞き覚えのない馴染みが薄い治療法に感じられるかもしれませんね。しかし、実のところ海外においては10年以上の使用実績がある方法なのです。 ケガなど、傷ついた部位の修復に作用する血小板に含まれる成長因子を取り出すPRP療法は、私たちがもっている治癒能力や組織の修復能力、再生能力を引き出すという目的があります。 それに対してAPS治療は、患者様自身の血液成分から特殊な専用医療機器を用いてAPS成分のみを抽出します。 このAPSの抽出方法は、基本的にPRPそのものを更に遠心分離器を活用して特殊加工することによって、炎症を抑制する役割を有したタンパク質と軟骨を保護して損傷を改善させる「成長因子」を高濃度に抽出したものになります。 このような抽出背景から「APS」は、まさに「次世代型のPRP」とも表現されることがあります。 抽出したAPSを関節内などの疼痛部位に向けて成分を注射することによって関節部の疼痛や炎症の軽減のみならず、軟骨の変性進行や組織破壊を抑制することが期待されるものです。 APS治療は、現在のところ、まだ「変形性膝関節症」に痛みなどを対象疾患を限定して使用されている段階ですが、これまでのPRP治療でも難渋していた患部改善にも一定の効果を示すことが徐々に判明してきています。 尚、APS療法では患者さんご自身の血液を基準にして作るために異物免疫反応が引き起こされる可能性は極めて低確率であると考えられています。 また、本治療はPRPと同じく、手技的に採血操作と注射投与だけですので、手術などのように患者さんの身体的な負担も大幅に少なくて済むという特徴があります。 PRP療法とAPS療法の比較 ・PRP療法 「PRP療法」は血液中の血小板から濃縮して大量の成長因子を含む「多血小板血漿」Platelet Rich Plasmaを略したもので、自己血液から血小板を取り出し、それを患部に注入する治療法です。 血小板には成長因子が豊富に含まれており、これらの成長因子が治癒を促進する働きがあります。具体的には、炎症を抑え、組織再生を刺激し、細胞の増殖と修復を促進します。主に関節炎や腱や靭帯の損傷、筋肉の損傷などに使用されます。 ・APS療法 「APS療法」は、Autologous Protein Solutionを略したものです。前述したPRPを特殊な過程で更に濃縮したもので抗炎症性のサイトカインとよばれるタンパク質と関節を健康に保つ成長因子を高濃度で取り出した⾃⼰タンパク質溶液を患部に注入する治療方法です。 再生させるという観点ではなく、現在のところ、関節内で痛みを引き起こすたんぱく質の活動を低下させることから症状緩和に焦点を当てた特化的治療といえるものです。 APS療法で期待できる効果や、実際の治療法 さて、ここからは変形性膝関節症に対してAPS療法で期待できる効果や実際の治療法などについて紹介しましょう。 ご注意頂きたいのは、APS療法は、再生医療ではありますが自己の血液から抗炎症成分のみを濃縮して抽出したあと、関節内に注射することで関節の軟骨を修復し、再生させるという観点ではなく、膝痛の症状緩和に焦点を当てた特化的治療であることです。 膝の変形性関節症では、疾患が進行することによって「半月板の損傷」や、「靭帯のゆるみ」など膝関節のバランスが崩れることで軟骨がすり減り、膝関節が変形して発症します。 また、変形性膝関節症では膝関節部における変形度の進行に伴って、軟骨がすり減り、半月板が擦り減って傷み、さらには滑膜炎など炎症が起きて膝部に水が溜まることがあります。 従来、治療としては繰り返し鎮痛剤を内服することや、ヒアルロン酸を関節内に注入するなどが代表的な治療法でした。しかし、鎮痛剤を飲み続ける是非や、ヒアルロン酸の効果が期待できなくなった変形性膝関節症の患者様の中には、このAPS治療によって症状が幾ばくかの改善を示すケースがあることが分かってきたのです。 一般的にAPS治療では、投与してからおよそ1週間から1か月程度で患部組織の修復が起こり始めて、だいたい治療してから約2週間から3ヶ月前後までには一定の効果が期待できると言われています。 海外のAPS治療に関する報告例では、APSを一回注射するだけで、最大約24ヶ月間にもわたって痛みに対する改善効果が継続するとの実例も紹介されていました。ただし、これは一例で実際の治療効果や症状が改善する持続期間に関しては、患者さんの疾患の程度、条件によって様々、個人差があり変化することをご理解ください。 また、このAPS治療は、PRPと同じく、患者さん自身の血液を活用して生成するために、通常ではアレルギー反応や免疫学的な拒絶反応は出現しないと考えられている点も良いい面でのポイントです。 APS治療の手順 1)まず約50~60mlの血液を採取 2)厚生労働省が認めている特殊な技術で処理し、血小板成分を濃縮したPRPを抽出 2)精製されたPRP物質をさらに濃縮してAPSを抽出 こうして抽出した後、痛みを自覚されている関節部位に超音波エコー画像を見ながらAPS成分を注射して投与する まとめ・PRP療法とAPS療法の比較|期待できる効果と治療法 従来におけるPRP療法(自己多血小板血漿注入療法)は、患者自身の血液中に含まれる血小板を活用した再生医療です。 そして、昨今特に注目されているAPS治療では、先のPRPを更に濃縮。このAPS成分を患部に注射投与してから平均しておよそ1週間から1か月程度で組織修復が促進されて更には疼痛緩和に繋がる可能性があります。 なおAPS治療を現実的に受けた当日は、入浴や飲酒、あるいは喫煙、また激しい運動やマッサージなどは出来る限り回避するように意識しましょう。 APS注射直後には、個人差はあるものの一時的に痛みや腫脹、発赤などの症状が出ることがありますが、疼痛があるために関節部位を全く動かさないと逆効果になってしまうこともあります。 ここのあたり治療後の行動については、くれぐれも十分に主治医と相談するようにしましょう。また現段階では、このAPS治療は保険適応外であり自費負担になります。 費用は、それぞれの対象医療施設や治療適応となる患部箇所などによって異なりますので、この治療法をもっと知りたい方は私どもほか、専門の外来へお問い合わせされることをお勧めします。 このAPS療法のほかにも再生医療として、私どもが推進する「幹細胞治療」という関節部分の軟骨を自己治癒力を用いて再生させるという正に未来的な治療法も存在し、この分野から目が離せません。 いずれにせよ関節に問題があって、「後は手術しかないと」言われた方は再生医療をご検討されてはいかがでしょうか。私たちは再生医療の幹細胞治療で1,600例を超える豊富な症例を有しています。いつでもご相談ください。 以上、PRP療法とAPS療法の比較|期待できる効果と治療法について記させていただきました。 ▼ PRP療法をさらい詳しく PRPを使った再生医療は、人間が持つ自然治癒力を活かして治療する先端医療です
2021.10.20