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脳溢血を発症すると、運動麻痺や感覚障害などの後遺症が出る可能性があります。しかし、リハビリや適切な治療を継続的におこなえば、機能の回復や症状の改善が期待できます。 リハビリをおこなう際は、焦りは禁物です。負担のかかる無理な運動をすると、症状の悪化や再出血のリスクが高まります。医師や専門スタッフの指導のもとで自分の症状や回復段階に合ったリハビリを進めていきましょう。 本記事では、脳溢血による後遺症の種類や回復過程について解説します。リハビリ以外の療法や治療法も紹介しているので、後遺症の改善を目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。 脳溢血(のういっけつ)で後遺症が出るリスク 脳溢血は発症後に治療しても後遺症が出るケースが少なくありません。脳の細胞がダメージを受けて、体の麻痺や感覚の障害などが残る可能性もあります。 そもそも脳溢血とは、脳の血管が破れて血液が流出してしまう病気です。現在は脳出血と呼ばれることが多くなりました。 脳溢血の後遺症によっては、治療後も日常生活に影響が出る場合があるので、症状だけでなく後遺症の理解も深めておきましょう。 脳溢血の有効な治療法の1つに「再生医療」があります。 これまで一度死んだ脳細胞は戻らないとされてきました。しかし、再生医療は脳細胞を復活させ、脳溢血を含む脳卒中の後遺症を改善できることがわかってきたのです。 詳しい治療法や効果が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 脳溢血で残りうる後遺症の種類7選 脳溢血で残りうる7種類の後遺症を解説します。 後遺症 症状 運動麻痺 ・運動麻痺は脳溢血の代表的な後遺症 ・手足に力が入らなくなったり、動かしづらくなったりする ・左右どちらかの半身にのみ症状が出るのが特徴 感覚障害 ・感覚障害も脳溢血の代表的な後遺症 ・触った感覚や痛みの感じ方が鈍くなったり、逆に過敏になってしびれを感じたりする ・この障害も体の片側に起こる場合がほとんど 言語障害 言語障害は主に以下の2種類 ・失語症:言葉が出にくくなったり、読み書きが難しくなったりする ・構音障害:口や舌がうまく動かせず、言葉をはっきり話せない 視野障害 ・目の見える範囲が狭くなったり、物が二重に見えたりする ・また片方の目の視野が見えにくくなる「半盲」の症状が出る場合もある ・視野障害は長期間改善しない場合もある 嚥下障害 ・のどの筋肉の動きが悪くなり、食事や水分を飲み込みにくくなる ・食べ物が誤って気管に入ると「誤嚥性肺炎」を引き起こすリスクがある ・誤嚥性肺炎は高齢者の死亡原因となる場合も多いため、高齢者はとくに注意が必要 高次脳機能障害 高次脳機能障害とは、脳の細胞がダメージを受けて脳機能が低下した状態。下記のように複数の症状が現れる。 ・記憶障害:数分前の出来事を忘れる ・注意障害:注意散漫でひとつの作業に集中できない ・遂行機能障害:自分で計画を立てて実行するのが難しい ・半側空間無視:外界の半分を認識できなくなる 感情障害 ・常にイライラしたり、感情の起伏が激しくなったりする ・意欲が沸かず、うつ病のような症状が見られる 脳溢血による後遺症は運動機能から精神面まで多岐にわたります。症状に応じた適切な治療法を選択し、確実な回復を目指していく姿勢が大切です。 脳溢血による後遺症の軽減が期待できるリハビリの進め方 早期からのリハビリ開始で、脳溢血による後遺症は大きく改善する可能性があります。発症からの時期に応じて、3段階のリハビリプログラムを進めていきます。 ・急性期 ・回復期 ・維持期 リハビリの内容を順番に見ていきましょう。 急性期 脳溢血の発症から約2週間は「急性期」と呼ばれ、命を守る治療が最優先となります。体の状態が不安定なため、急な運動は血圧上昇や再出血を招く危険があるため焦ってのリハビリは禁物です。 しかし、ずっとベッドで安静にしていると「廃用症候群」(寝たきりによって筋肉の衰えや関節の硬化が起こる症状)を引き起こす恐れがあります。廃用症候群になると、床ずれや感染症のリスクも高まります。 そのため、急性期のメインとなるリハビリは、手足のストレッチや体位の交換といったベットの上でできる軽い運動です。 回復期 急性期を乗り越えて、体の状態が安定し、本格的にリハビリが始まる時期を「回復期」と呼びます。この時期には、日常生活に戻ることを意識しながらリハビリを進めていきます。 【主なリハビリ内容】 ・ベッドサイドでの運動 ・杖や歩行器を使った歩行練習 ・言葉や飲み込みの機能回復練習 ・記憶力や注意力などの脳機能向上訓練 ・食事、トイレ、入浴などの生活動作訓練 医師や専門スタッフの指導のもと、段階的に運動量を増やしながら機能回復を目指します。 維持期 回復期のリハビリで日常動作ができるようになり、自宅での生活が始まる時期を「維持期」と呼びます。 病院で回復した体の機能を保つため、定期的に外来リハビリに通ったり、日常生活で体を動かしたりする習慣が大切です。 脳溢血の後遺症に有効な4つの治療方法 麻痺の治療については近年研究が進んでおり、リハビリ以外にもさまざまな方法があります。ここでは、リハビリ以外の有効な治療法を4つ紹介します。 ・CI療法(Constraint-induced movement therapy) ・促通反復療法 ・電気刺激療法・磁気刺激療法 ・再生医療 治療方法を選択する際の参考にしてみてください。 CI療法(Constraint-induced movement therapy) CI療法は、麻痺した手が少しでも動かせる人を対象におこなう機能回復トレーニングです。 麻痺していない手を動かせないように固定し、麻痺した手を日常生活で多く使うよう促すことで麻痺した手の機能回復を目指します。 1回あたり6時間以上の訓練が必要になるため負担は大きいですが、実際に手の動きが良くなったという報告もあります。 促通反復療法 促通反復療法は、同じ運動を繰り返しおこない、脳の損傷した神経回路を修復・強化するリハビリ方法です。手足の麻痺が改善したという報告が多く寄せられています。 電気刺激療法・磁気刺激療法 麻痺した手足の筋肉に弱い電流を流したり、頭部に磁気を与えたりすることで、衰えた筋肉の働きを活性化します。主に歩行機能の回復が期待できる療法です。 促通反復療法と一緒におこなうと、より高い効果が期待できます。 再生医療 再生医療とは、修復力のある幹細胞の働きを利用して、弱ったり、傷ついたりした神経細胞を修復する新しい治療法です。 再生医療では、麻痺や痺れといった脳溢血の後遺症の回復を早めたり、脳卒中の再発を予防したりする効果が期待されています。 再生医療で脳溢血の治療を進めたい方は、弊社『リペアセルクリニック』にご相談ください。再生医療の症例数10,000例以上の経験を活かし、患者さま一人ひとりに合った治療プランをご提案いたします。 \クリックで電話できます/ メール相談 オンラインカウンセリング まとめ|脳溢血の後遺症に有効はリハビリと治療法を知って症状の軽減を目指そう 脳溢血は運動麻痺や感覚障害といった後遺症が出る可能性のある病気です。 安静による筋力低下を防ぎ、後遺症からの機能回復を図るためにはリハビリが欠かせません。回復過程に合わせた無理のないリハビリを進めて、着実な改善を目指しましょう。 近年では、脳溢血における後遺症の治療法として「再生医療」が注目されています。 再生医療は人間の自然治癒力を活用した最先端の医療技術です。幹細胞の修復力を利用して、脳細胞の機能回復を促進します。 「再生医療に興味があるけど具体的なイメージがつかめなくて不安…」という方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 脳溢血の後遺症に関するよくある質問 最後に脳溢血の後遺症に関するよくある質問と回答をまとめます。 脳梗塞と脳溢血(脳出血)における後遺症の違いはなんですか? 脳梗塞は、脳の血管が詰まることで脳細胞が死滅し、正常な機能が失われる病気です。一方、脳出血は血管が破裂して出血する病気です。 両者とも脳で起こる病気のため、後遺症の種類は似ています。 【脳梗塞と脳溢血の両方に見られる後遺症の例】 ・手足の麻痺 ・感覚の障害 ・記憶力や注意力の低下 発症する部分や重症度によって、後遺症の種類や症状の程度が異なります。 以下の記事では、脳梗塞の後遺症や治療方法について解説しています。脳梗塞の理解を深めたい方はぜひ合わせてご覧ください。 脳溢血(脳出血)で後遺症なしの確率はどれくらいですか? 脳溢血で後遺症なしの確率を証明する公的なデータは見つかりませんでした。 しかし、厚生労働省が実施した脳卒中患者(18-65歳)の予後調査によると、1,584例中、後遺症がまったく残らなかったのは344例でした。 つまり、脳出血を発症した患者の約2割が完全回復し、約8割の患者には脳卒中による何らかの影響が残る結果となりました。 以下の記事では、脳出血で後遺症なしになる確率について解説しているので詳細が気になる方はぜひあわせてご覧ください。
2023.03.03 -
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脳出血にならないために!予防と再発を防ぐための血圧管理方法について 高血圧を管理、治療する目標の1つに脳出血の予防、再発予防があります。 脳出血の主な原因は高血圧であり、一度脳出血を起こしてしまうと 1 年以内の再発率は5%程度、5 年以内の再発率は 2 割近くに及ぶと報告されています。 脳出血を起こしてしまうと、仕事に支障が出たり、介護が必要になってしまうこともあるため、予防が非常に重要です。この記事では、脳出血を予防するための血圧管理について詳しく解説していきます。 脳出血と血圧の関係 脳出血は、脳の中の血管が破けて出血してしまい、頭痛や吐き気、手足の麻痺などが出てしまう重大な病気ですが、発症には高血圧が最大の危険因子であることがわかっています。 血圧が高い状態は日常的に血管に強い力が加わってしまい、血管が破けやすくなり、動脈が硬くなる動脈硬化のリスクも上がるため、脳や心臓の血管の病気が多くなってしまいます。 また、高血圧は非常に多くの方がかかる病気であり、日本には高血圧患者は約 4300 万人もいると推定されています。高血圧自体は無症状のため、放置してしまう方もいるかもしれませんが、高血圧の治療は単に数値を下げるのではなく、脳や心臓の血管の病気を予防するためにとても重要なのです。 さらに血圧の管理は脳出血の再発予防にも必要です。一度脳出血を起こしてしまった方や喫煙者、糖尿病やコレステロールなどの他の病気を持っている方は、脳出血を起こすリスクが上昇してしまいます。そのため、一度発症してしまった方では、より厳重に血圧の管理をすることが大事です。 高血圧の診断と治療目標は 血圧は、上の数値を収縮期血圧、下の数値を拡張期血圧といいます。 高血圧治療ガイドラインの2019年版では、収縮期血圧 140 mmHg以上、または拡張期血圧 90mmHg以上( 140 / 90 mmHg以上)の状態を高血圧といい、治療の目標は 130 / 80 mmHg未満が推奨されています。 また診断・治療のときには家庭血圧(ご自宅で測定した血圧の数値のこと)の測定と血圧手帳への記入が重要です。病院で測定した血圧は緊張のため高くなりやすく、白衣高血圧といわれる病院でだけ血圧が上がってしまう方も比較的多くいらっしゃいます。 また、家庭血圧をもとにした場合の高血圧の診断基準は、135 / 85 mmHg以上をいい、治療の目標は125 / 75 mmHg未満と若干数値が異なるのが特徴です。そのため、高血圧の診断、コントロールには血圧計を購入し、ご自宅で測定した血圧を記入して医師にみせることが大事なのです。 高血圧の治療の目標は、ご本人の状況により変わることにも注意が必要です。年齢や喫煙の状況、心臓、脳血管の病気など、持病の有無によって推奨される血圧の目標値が異なるため、ご自分の治療目標がどの程度となるかは担当の医師とよく相談することが必要です。 一般的に、脳出血を起こしたことがある方は、再発予防のために130 / 80mmHg未満(家庭血圧で125 / 75 mmHg未満)とすることが推奨されているので、1 つの目安にしてください。 血圧を下げる方法 治療の基本は、生活習慣の改善(減塩、減量・運動、食事の見直し、禁煙、節酒)とお薬の内服です。まずは生活習慣の改善を行い、血圧の数値によりますが1 〜 3ヶ月ごとの評価で必要に応じてお薬を開始します。 生活習慣の改善方法とお薬の治療について順番に解説していきます。 生活習慣の改善 減塩 塩分は1日6g未満を目標とします。味噌汁や漬物など塩辛いものは可能な限り控えるようにしましょう。 適度な運動 有酸素運動は効果が認められているので推奨されます。週に2 - 3回、20 ~ 30分間程度の運動を行うことが重要です。ウオーキングや息が上がらない程度のジョギング、サイクリング、水泳などがおすすめです。 健康的な食生活 脳出血のリスクを減らすために、DASH( Dietary Approaches to Stop Hypertension )食という高血圧を防ぐ食事方法が勧められます。具体的にはカリウム、カルシウム、マグネシウム、食物繊維、タンパク質を多く含む果物、野菜、豆類、魚、肉、卵などのバランスの良い食事を摂り、高脂肪、高炭水化物の食事は避けるようにしましょう。 禁煙 タバコは脳出血のリスクを高めます。禁煙することが最も効果的な方法です。 適度なアルコール摂取 過剰なアルコール摂取は脳出血のリスクを高めます。週に 1 ~ 2 日程度の飲酒とするか、毎日飲むのであればビールは中瓶 1 本、日本酒 1 合以下に制限するようにしましょう。 お薬での治療 生活習慣を変えても目標の血圧にすることができない場合には、お薬による治療が考えられます。お薬には複数の種類があり、目標とする血圧になるように薬を組み合わせて内服をします。 多くの研究で、お薬で血圧を下げることによって、脳出血の発症・再発を予防できることが示されているので、医師の指示通りにしっかりと治療を行うことが大事です。 血圧についてよくある質問 Q&A 血圧管理方法に関するよくある質問に、Q&A方式でお答えしています。 Q.自宅で血圧を測るときのポイントは? A:上腕に巻くタイプの血圧計で起床後 1 時間以内(内服前)と夜(就寝前)の1 日 2 回、座って 1 ~ 2 分安静にしてからの測定がおすすめです。 Q.上の血圧と下の血圧どちらを見た方がいいですか。 A:上の血圧は収縮期血圧と言い、心臓が血液を送りだすときの血圧をいいます。下の血圧は拡張期血圧と言い、血液が心臓に戻るときの血圧をいいます。どちらも重要であり、高血圧の定義は収縮期血圧 140 mmHg以上/または拡張期血圧 90 mmHg以上ですので、下の血圧の数値も重要になってきます。 Q.血圧が毎回違うのはどうしてですか。 A:血圧はさまざまな要素で変わってきます。緊張や運動、お薬やカフェイン摂取、痛み、ストレスなどによって変動します。そのため 1 日 2 回、安静にしてから血圧を測定し、平均の数値をみることが大事になってきます。 まとめ・脳出血にならないために!予防と再発を防ぐための血圧管理方法とは 脳出血の予防・再発予防に重要な血圧の管理、治療目標と、その方法について解説しました。 高血圧は無症状ですが、放置してしまうと、重大な病気につながることがあります。血圧が高いことを指摘されたら早めに病院を受診して、生活習慣の見直しと治療を受けるようにしていきましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 ▼以下も参考にしてください 脳出血とストレスの関係性!その種類と部位を分かりやすく解説!
2023.02.20 -
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脳卒中の前兆をリストでチェックして危険を予防しませんか?! 脳卒中は、時に命の危険や障害、寝たきりのリスクもある重い病気です。そのため、前兆となる初期症状を理解し、「脳卒中かもしれない」と思ったらいち早く治療を受ける必要があります。 そこでこの記事では、脳卒中を早期発見するために知っておきたい前兆や初期症状、脳卒中のリスクが高い方の特徴をチェックリストにして解説していきます。 脳卒中の前兆に対する理解を通して、早期発見や早期治療につなげましょう。 脳卒中は脳の血管に起こる病気のこと 脳卒中とは、脳の血管が破れたり、詰まったりする病気です。脳に酸素や栄養を送っている血流が悪くなるため、脳の細胞は重大なダメージを受けます。その結果、命の危険や障害が残るケースも多く見られます。 脳卒中には、血管のダメージの現れ方によって大きく次の種類があります。 脳卒中 脳出血・くも膜下出血 脳の血管が破れて出血する 脳梗塞 脳の血管が詰まる 脳卒中の原因は様々です。 主に生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症など)、生活習慣(食生活、飲酒・喫煙、運動不足)、ストレスなどの影響が積み重なって発病すると言われています。 脳卒中は脳血管障害とも呼ばれますが、種類によって好発部位は異なります。脳出血の場合は被殻・レンズ核や視床などが代表的ですが、一般的に脳のどの領域でも起こりうる病気です。 脳卒中の代表的な症状 脳卒中によって人間のからだや心をコントロールしている脳がダメージを受けると、生命を維持すること、からだや頭を使うことなど、生活全般に重大な支障をきたします。 ただ、ダメージがどの部分で起こったかによって、脳卒中の症状は異なることがポイントです。 脳卒中による代表的な症状は以下の通りです。 頭痛:激しく頭が痛む 麻痺:主に片方の半身がしびれる、動かなくなる 言語障害:言葉が出ない、ろれつが回らない 視野障害:主に片目が見えにくくなる めまい:天井が回るようなぐらぐらしためまいがある 失調:ものがうまくつかめない ひとつでも当てはまる症状があれば、脳卒中を疑いましょう。 脳卒中の前兆・初期症状 脳卒中の前兆を「TIA(一過性脳虚血性発作)」と呼びます。 初期症状であるTIAは数分〜数十分程度で消えることが多く、脳卒中の前兆と気づかないこともしばしばです。 TIAも、脳卒中と同じ症状が現れます。ただし、一時的な脳の血流の悪化が原因なので、短時間で収まることがポイントです。 TIAの主な症状 以下で、脳卒中の前兆であるTIA(一過性脳虚血性発作)の主な症状を見ておきましょう。 ・突然片方の手や足、顔半分がしびれる ・激しい頭痛が起きる ・言葉が出ない、ろれつが回らない ・相手の言葉を理解したり、自分の思いを上手く言葉で伝えられない ・箸やコップを持とうとしても力が入らず落としてしまう ・立ったり歩こうとしたりしてもふらついてバランスを崩してしまう TIAは、脳卒中、とくに脳梗塞の前兆として現れることが多い初期症状です。 国立循環器病研究センターによると、TIAは通常24時間以内に症状が消失する一方で、TIA発症後90日以内に15〜20%の割合で、そのうち半数は2日以内に脳梗塞になるリスクがあると注意喚起しています。 そのため、短時間で収まったからといってそのままにせず、早期受診で脳卒中を予防することが大切です。 参考:国立循環器病研究センター 脳卒中を防ぐために!脳卒中チェックリスト 年齢や生活習慣などによって脳卒中になりやすい方がいます。ここでは、脳卒中を予防する意識を高めるために確認しておきたいセルフチェックリストをご紹介します。 脳卒中セルフチェック 1.年齢・遺伝 ▢60歳以上である ▢家族の中に脳卒中や脳動脈瘤の持病がある 2.体質・既往歴 ▢肥満がある ▢睡眠時無呼吸症候群がある ▢高血圧・糖尿病・脂質異常症など生活習慣病である ▢腎臓病や不整脈・狭心症などがある 3.生活習慣 ▢喫煙・飲酒をよくする ▢運動不足である ▢「野菜が嫌い」など偏食気味である 4.前兆 ▢片側の手足のしびれや動きの鈍さを感じたことがある ▢片方の目が見えにくくなったことがある ▢言葉が出なくなった・舌がもつれたことがある ▢最近急に頭痛や肩こりがひどくなった ▢頭がボーッとして考え事や計算が苦手になった これらのセルフチェックで当てはまる項目が多い方は、日頃から日常生活の改善や持病の管理を続けることが大切です。 普段から「FAST(ファスト)」を合い言葉に 「脳卒中かもしれない」 「TIAの症状ではないだろうか」 日常生活で身体の不調を感じたとき、以下の4つのセルフチェックを思い出してみましょう。「FAST」というキーワードで、脳卒中の初期症状をわかりやすくの4文字にしたものです。 「FAST」によるセルフチェック 「F (ace)」フェイス:顔のゆがみの症状はないか? ・顔の片側(とくに口角)がだらんと下がっている ・食事中に食べ物が口の片側からこぼれ落ちる 「A (rm)」アーム:片腕の麻痺はないか? ・片腕だけしびれる、動きが鈍い ・箸や茶碗がもてない、手に力が入らず落としてしまう 「S (peech)」スピーチ:言語障害はないか? ・ろれつが回らない ・言いたいことがうまく言葉にして話せない 「T (ime)」タイム:症状が出てからどのくらいの時間が経ったか? ・脳卒中は、早期発見で早期治療を受けるほど、重症化や後遺症を防ぐチャンスが高まります。とくに脳梗塞は、発症から4.5時間以内であれば条件によって症状を改善できる薬を使える場合があるため、症状が現れてからの時間経過が重要です。 なお、最初の3文字「F」「A」「S」は、どれか1つでも症状があれば脳卒中である可能性が高いので注意してください。 まとめ:脳卒中の前兆をリストでチェック!項目に当てはまったら危険信号! 今回は、脳卒中の前兆や初期症状、セルフチェックリストをまとめてご案内しました。 脳卒中の前兆や初期症状で知っておきたいポイントは次の3つです。 ・脳卒中の前兆や初期症状(激しい頭痛、手足のしびれ、ろれつが回らない、など) ・脳卒中になりやすい人の特徴(生活習慣病や生活習慣の乱れが気になる方)) ・脳卒中の早期発見のため「FAST」によるセルフチェックを 脳卒中は発症してから治療を受けるまでの時間によって、病気の改善や後遺症の程度が大きく変わってくる病気です。そのため、日頃からチェックリストを確認して、脳卒中の前兆はないか、TIAの初期症状は出ていないかセルフチェックすることをおすすめします。 年齢や体質、生活習慣などで脳卒中になる可能性が高い方は、持病の治療や生活習慣の見直しを優先しましょう。そして、万一脳卒中の前兆や初期症状に当てはまったときは、できるだけ早く病院を受診してください。 ▼以下も参考にされませんか ある日突然起こる脳卒中にご注意!その症状と原因、予防法
2023.02.06 -
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視床出血は脳出血の一種で、脳の深部にある「視床」という重要な部位に出血が起こる疾患です。 高血圧などが原因で発症し、身体の片側の麻痺や感覚障害など、後遺症が出ることも少なくありません。 そんな視床出血後の回復には、適切なリハビリが欠かせません。 この記事では、視床出血の後遺症の特徴と、リハビリを通じた回復までの過程、さらに看護のポイントについて医師が詳しく解説します。 ぜひ参考にしてください。 そもそも視床とは? そもそも視床とは、脳の中心部に位置し、感覚情報を大脳皮質に伝達する重要な役割を担っている脳の一部です。 視床は視覚や聴覚、触覚など、さまざまな感覚情報を統合し、体の各部分から送られてくる情報を適切に処理する、など私たちの行動や認識に関与しています。 また、視床は運動機能にも関わりがあり、感覚と運動を調整する重要な役割があります。 本記事のテーマである「視床出血」とは、脳の一部である「視床」に出血が起こった状態を指します。 視床出血は、脳出血全体の2〜3割程度を占めるとされており、その多くが高血圧を原因としています。 次の章からは、そんな脳出血の中でも頻度が高い視床出血における後遺症や、それに対するリハビリ・看護に関して解説します。 関連:視床出血の特徴的な症状とは?治療後の予後を予測 視床出血の症状と後遺症 視床は、主に感覚をつかさどっています。 そのため視床出血が起こると、痺れなどの感覚障害を認めます。 また、視床の周囲には運動神経が走っているため、出血が拡大すると運動麻痺が生じます。 さらに出血が拡大するとその分脳の神経細胞が圧迫されるため、圧迫された部位に応じた症状が現れます。 視床は脳の深い場所に位置するため、原則手術は行わず、出血の拡大防止のために血圧を下げるなどの内科的な治療を主に行うことになります。 そのため視床出血は、症状が消失せず後遺症となってしまうことが多くあります。 視床出血で多く見られる後遺症は、視床痛と呼ばれる手足の強い痛みや痺れ、感覚障害を伴った半身麻痺です。 視床痛はジンジン・ピリピリというような痛み(痺れ)を認め、鎮痛薬は効果がないことがほとんどです。 また、麻痺も感覚障害を伴わない麻痺と比べて、手先の感覚や、立ったり歩いたりするときの位置感覚がわかりづらくなります。 そのため日常生活に支障をきたしてしまうことが多いです。 右視床出血と左視床出血の違いは? 脳は左右にわかれた大脳半球から構成されており、各半球は身体の反対側を制御しています。 視床出血は主に高血圧などの原因で生じ、出血の部位によって異なる症状が現れます。 右側の視床で出血が起こると左半身に麻痺が生じ、左側の視床での出血は右半身に麻痺を引き起こします。 さらに、視床出血は視床痛や視床性の運動障害といった二次的な症状をもたらすこともあり、患者の生活に大きな影響を与えることがあります。 参考:J-STAGE|視床出血における左右半球の違いは歩行に影響を与えるのか? 視床出血後遺症のリハビリ 半身麻痺が残り体の運動機能が低下した場合、運動機能障害に対するリハビリとして理学療法と作業療法を行います。 それぞれ解説していきます。 理学療法 理学療法は平行棒や歩行器を使用した歩行の練習や姿勢を保持する練習、体力・筋力の維持や向上など日常生活を送る上で必要な動作の練習を行います。 前述したように視床出血の半身麻痺は感覚障害を伴っていることが多いです。 そのため歩行の練習では免荷式(めんかしき)トレッドミルという機械を用います。 免荷式トレッドミル・・・体を上から吊るし、ハーネスで体を支えることで、足にかかる体重を調整できるためバランス感覚を鍛えます。これによって体重のかかり方を意識した歩行の練習を行えます。 >脳卒中の再生医療について詳しく確認する方はこちら< メール相談はこちら オンライン相談はこちら 作業療法 作業療法は、お箸の使い方など、日常生活を送るために必要な作業の訓練を行います。 麻痺側の手を積極的に使うことで、作業の質の向上をはかるCI療法がガイドラインなどでも推奨されています。 1日6時間以上麻痺した手を使用することで、手の機能が改善した報告もあります。 また、このCI療法を行うことで指先などの動きだけでなく、高次機能も回復した報告もされています。 視床出血で嚥下機能が低下した場合、言語聴覚士による嚥下の訓練を行います。 口周りや顔の筋肉の運動やゼリーなどを用いた飲み込む練習を行うことで、発症前のように口から食事が取れるようにリハビリを行います。 脳出血後のリハビリは毎日、長期間継続が重要です。 途中で中断してしまうと一度は回復した身体機能が再度低下してしまう可能性もあります。 長い道のりにはなりますが、回復を信じて、モチベーションを保ちつつリハビリを継続しましょう。 >脳卒中の再生医療について詳しく確認する方はこちら< 視床出血の看護 視床出血を含む脳出血の看護は、急性期と慢性期で大きく異なります。 急性期は再出血や血腫の増大、脳浮腫などが起こる可能性があり、そうなった際は早期発見と早期治療が回復の大きな鍵となります。 そのため、急性期の看護では全身状態をしっかり観察することが重要です。 以下のことに注意を向けて観察しながら看護しましょう。 ・意識や瞳孔の確認 ・血圧コントロール ・褥瘡(じょくそう)予防の適切なポジショニング ・一人ひとりの後遺症に沿った看護 それぞれ解説します。 意識や瞳孔の確認 視床出血の患者さんの中には自発運動ができない方や発語がない方も多くいらっしゃいます。 そのため、こまめにバイタルサインをはかり、意識や瞳孔の変化などに注意しましょう。 血圧コントロール 脳出血にとって血圧コントロールは再出血予防のために最も重要です。 決められた範囲内で血圧が維持できているかどうかを、きちんと確認しましょう。 褥瘡(じょくそう)予防の適切なポジショニング 再出血などを予防するために、急性期は安静を保たなければなりません。 ベッド上での安静保持は、関節の拘縮や褥瘡のリスクとなります。 褥瘡の好発部位の皮膚観察や、こまめな体位変換、拘縮予防するための適切なポジショニングを意識しましょう。 一人ひとりの後遺症に沿った看護 急性期を過ぎて回復期や慢性期に入った患者さんには、再発防止のための内科的治療と、後遺症へのリハビリが中心となります。 各患者さんの後遺症に応じた看護を行いましょう。 また、褥瘡を予防するための皮膚観察や関節拘縮を防ぐための体位調整に加え、栄養状態、運動機能、精神状態にも注意が必要です。 嚥下機能が低下した場合、誤嚥性肺炎のリスクがあるため、食事時の姿勢と口腔ケアを徹底しましょう。 また、感覚麻痺や視床痛が残る患者さんには心のケアも重要です。 感覚が鈍くなっていることを意識し、体に触れる際には声をかけるなどの気遣いを忘れないようにしましょう。 まとめ・視床出血における後遺症は、一人ひとりの後遺症に沿った看護とリハビリが大切 視床出血のリハビリと看護に関して紹介しました。 患者さんが1日でも早く、発症前のような生活に戻れるように看護ケアやリハビリを行いましょう。 また、脳梗塞による障害で精神的な苦痛を感じてしまう方も多くいらっしゃいます。 そういった精神的苦痛にも寄り添ったケアを行ってください。 この記事がご参考になれば幸いです。 >脳卒中の再生医療について詳しく確認する方はこちら< メール相談はこちら オンライン相談はこちら
2023.01.30 -
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脳溢血(のういっけつ)とは脳の血管が破れ、脳内に血が溢れる病気です。脳卒中の種類のひとつで「脳出血」とも呼ばれています。 脳溢血は、ある日突然発症します。出血量や出血場所によっては、運動麻痺や感覚障害といった後遺症を引き起こします。最悪の場合、命を落とす恐ろしい病気です。 本記事では、脳溢血の症状や原因、前兆のサインを解説します。予防法や治療法も紹介しているので、脳溢血について詳しく知りたい方は記事を読んで理解を深めましょう。 脳溢血でダメージを受けた脳は、もう元には戻らないと言われてきました。しかし「再生医療」によって脳機能が復活するとわかったのです。再生医療なら症例実績が豊富な『リペアセルクリニック』にお任せください。無料のメール相談、オンラインカウンセリングも実施中です。 脳溢血(脳出血)とは脳に血が溢れる状態のこと 脳溢血(のういっけつ)とは、文字通り脳に血が溢れる状態を指した病名です。脳の中の細い血管が破れて血液が溜まることにより周囲の神経細胞が圧迫されます。神経細胞が圧迫されると働きが障害されてしまうため、さまざまな症状が出現します。 この脳溢血は脳出血とも呼ばれ、同じ意味で用います。 脳卒中・脳梗塞との違い 脳溢血は、脳卒中や脳梗塞と混同される傾向にあります。しかし、これらの意味や症状はまったく異なります。下記に、それぞれの定義をまとめました。 脳卒中 脳の血管が破れたり、詰まったりすることで発症する脳の病気。「脳溢血(脳出血)」「脳梗塞」「くも膜下出血」の総称。 脳溢血 脳卒中の一種。脳の血管が破れ、脳内に血が溢れる病気。 脳梗塞 脳卒中の一種。血管の細化や血栓の形成により脳の血管が詰まる病気。 つまり、脳卒中の種類のなかに「脳溢血」と「脳梗塞」が含まれます。 脳溢血の前兆【いびきとの関係性】 基本的に脳溢血の前兆はありません。何の前触れもなく突然症状が現れるケースがほとんどです。 しかし、寝ているときに突然大きないびきをかき始めたときは、脳溢血や脳梗塞の可能性を視野に入れましょう。 脳卒中で意識障害を引き起こすと、舌根が落ちて気道がふさがり、いびきをかく場合があります。 脳溢血の原因 脳溢血の原因の多くは高血圧です。血管内の圧が上がり、その圧に血管壁が耐えられなくなるため出血が起こります 高血圧は、塩分の多い食事や過度なストレス、喫煙などが原因とされているので、健康的な生活を心がけましょう。また、高血圧は動脈硬化のリスクもあります。動脈硬化が起こると血管壁が弱くなるため、さらに血管が破れやすくなるのです。 脳溢血の症状は出血が起こった場所によって異なる 脳溢血の症状は、出血が起こった場所によって異なります。主な出血箇所は、下記5つです。 被殻出血 視床出血 橋出血(脳幹出血) 小脳出血 大脳皮質下出血 それぞれの特徴を見ていきましょう。 被殻出血 被殻出血は脳溢血全体の50%程度を占めています。被殻出血の特徴的な症状は片側の手足の麻痺や片側の顔の動かしにくさです。さらに進行すると感覚障害や意識障害に至ることもあります。重症度や血腫の圧迫の程度によって、症状が変わる場合もあります。 視床出血 視床は人の感覚を司っています。そのため視床出血では片側の感覚障害を認めます。また、視床出血を発症した際に目が中央によって寄り目をしているように見えることが特徴です。視床の周りには運動神経が走行しているため進行すると運動麻痺も生じます。また「視床痛」といって腕や脇、脚などに激しい痛みをともなうケースもあります。 橋出血(脳幹出血) 橋出血(脳幹出血)は、脳幹の一部である橋で出血が起こる脳溢血です。橋は全身の運動や意識状態、呼吸をつかさどっています。そのため橋に出血が起こると、たとえ出血した血液量が少量であったとしても意識障害や両側の四肢麻痺などが生じます。また、自分で呼吸ができなくなってすぐ死に至ってしまうこともあります。 小脳出血 小脳には体の平衡感覚を保つ働きがあります。そのため小脳出血では強いめまいや吐き気を訴える方が非常に多いです。めまいが強くまっすぐ歩くことができなくなったり、立てなくなってしまいます。 小脳は大脳の後ろに位置しているため、出血が起こった際に頭の後ろの部分に頭痛を認めます。 大脳皮質下出血 大脳皮質とは大脳の表層に位置する部分のことを指します。つまり、大脳皮質下出血とはその大脳皮質から出血が起こったもののことを呼びます。大脳皮質は部位によって働きが異なるため、出血した部位に応じた症状が出現します。運動麻痺や感覚麻痺、言葉の出づらさなどから人格の変化、視力障害が起こることもあります。 これまで、一度機能を失った脳細胞は、元には戻らないと言われてきました。しかし、再生医療により脳機能が回復するとわかったのです。 再生医療とは、修復力のある幹細胞の働きを利用して、弱ったり、傷ついたりした細胞を再生する医療技術です。 再生医療では、麻痺や痺れといった脳溢血の後遺症の回復を早めたり、脳卒中の再発を予防したりする効果が期待されています。 再生医療で脳溢血の治療を進めたい方は、弊社『リペアセルクリニック』にご相談ください。再生医療の症例数8,000例以上の経験を活かし、患者さま一人ひとりにあった治療プランをご提案いたします。 \クリックで電話できます/ メール相談 オンラインカウンセリング 発熱の症状 これ以外に、脳溢血によって発熱が生じる場合があります。 視床や被殻などが存在する大脳基底核や、大脳皮質下出血が起こった場合、体温調節中枢である視床下部が圧迫されてしまうことがあるため、発熱をきたしやすくなります。 脳溢血が起こると、出血が起こった部分から徐々に脳に浮腫が起こりはじめ、その結果、頭蓋内の圧が上がる頭蓋内圧亢進の状態になるのです。これにより視床下部が刺激を受けると、体温が上昇し発熱します。 頭蓋内圧が亢進し、進行すると圧に耐えられなくなり浮腫んだ脳がさまざまな方向にはみ出てしまいます。この状態が「脳ヘルニア」です。 脳がはみ出る部位によって出現する症状は異なりますが、大後頭孔と呼ばれる隙間から脳がはみ出した大後頭孔ヘルニアが生じると、大脳により呼吸・循環を維持する働きをもつ脳幹が圧迫されるため急激に状態が悪くなり、突然死となってしまうことがあります。 これらの脳溢血が原因の発熱を「中枢性発熱」と呼び、中枢性発熱を認めた場合は予後が悪くなると言われています。そのため、少しでも予後をよくするためにこの中枢性発熱になるべく早く気づく必要があるでしょう。 脳出血の予防方法 先述のとおり、脳溢血の原因の多くは高血圧です。つまり、血圧が上がらないような生活習慣を身につけると、脳溢血の予防につながります。 下記は、血圧を上げないための予防法です。 禁煙する 適度に運動不足する ストレスをためない 塩分を控えた食事をとる 適度にアルコールを摂取する 自分の血圧状態をしっかり把握するためにも、健康診断を定期的に受診しましょう。 下記の記事では、脳溢血(脳出血)の予防法や再発を防ぐ方法を解説しています。予防の知識を深めたい方は、参考にしてみてください。 脳溢血の治療方法 脳溢血は、出血した場所によって後遺症の症状や程度が異なります。脳溢血の治療方法は、後遺症の状態に応じたリハビリを進めるケースが多くなります。 下記は脳溢血でよく見られる後遺症と、一般的におこなわれるリハビリです。 後遺症 リハビリ 運動麻痺 ・電気刺激 ・装具療法 感覚障害 ・電気刺激 ・さまざまな形や素材を触る触覚トレーニング 言語障害 ・音読訓練 ・口腔の体操 これらのリハビリは、医師やリハビリテーションの専門家の指導のもと、無理のない範囲で実施されます。 脳溢血は再生医療でも治療できます。 人間の自然治癒力を活かした最先端治療に興味がある方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にご相談ください。実際の治療例をお見せしながら再生医療の仕組みをわかりやすくお伝えいたします。 まとめ|脳溢血の理解を深めて適切な予防や対処をしよう! 脳溢血は前兆もなく突然起こる病気です。しかし少しでも早く症状に気づけば、生命を危険に晒すことなく元の生活に戻れることもあります。日頃から予防することを心がけて、少しでも怪しい症状を認めた場合は病院を受診しましょう。 現在、脳溢血の治療法のひとつとして「再生医療」が注目されています。 再生医療は人間の自然治癒力を活用した最先端の医療技術です。 幹細胞の修復力を利用して、脳細胞の機能回復を促進します。 「再生医療に興味があるけど具体的なイメージがつかめなくて不安…」という方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 再生医療による脳溢血の治療方法や治療事例などをわかりやすくお伝えします。
2023.01.25 -
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家族が倒れて視床出血と言われたけれど、どんな病気なのだろう。 これからどうなるか心配。 この記事を読んでいるあなたは、「視床出血」という病気を初めて聞き、不安を抱いているのではないでしょうか。「今後、どうなるのだろう」と心配しているかもしれません。 結論、視床出血は脳の奥にある「視床」という部位からの出血で、脳内出血のうち2番目に多い症状です。経過によっては、麻痺やしびれなどの後遺症が出るケースも珍しくありません。 本記事では、視床出血の症状や原因、治療法について、詳しく解説します。記事を最後まで読めば、視床出血に関する基本的な内容がわかり、今後の見通しもたてやすくなるでしょう。 視床出血の主な症状は「感覚障害や麻痺」 視床は、脳の奥に位置する器官です。主に、痛覚、視覚、聴覚、味覚など、嗅覚以外のあらゆる感覚情報や運動機能の調節情報を大脳に伝達する「中継所」の役割を果たします。(文献1) そのため、出血によって機能が失われると脳内の神経伝達がうまくできなくなり、さまざまな症状が起こります。 視床出血の代表的な症状は、以下のとおりです。 ・意識障害:意識を失ったり刺激に対して反応しなくなったりする ・眼球障害:両眼が内下方を向き、鼻先を見つめるようになる ・感覚障害:痺れやピリピリしたような感覚が出る ・運動障害:手足が思い通りに動かしにくくなる ・失語:言葉が出てこなくなり会話がしにくくなる ・視床痛:出血した脳と反対側の手や足に強い痛みが出る 出血の範囲や程度によっては、複数の症状が同時にあらわれるケースも珍しくありません。 また、視床出血には、ほかの脳出血と比べて以下の特徴があります。(文献2) ・約25%のケースが片側の顔面や手のひらの痺れが起こる「感覚障害」から始まる ・眼球障害が起こりやすい 感覚障害から始まった視床出血の症状は、その後「焼き付くような」「剣山を押し付けられたような」などと表現される痛みへ移行します。 さらに、脳組織のむくみや髄液という水分の循環が悪くなって起こる「水頭症」なども起こると、症状や予後の悪化につながります。 脳出血や脳梗塞において、麻痺が出るのは「機能が失われた脳の反対側」です。 そのため、右視床出血の場合は左側の麻痺症状、左視床出血の場合は右側に麻痺症状が出るケースが多くみられます。 なお、視床痛は発症後数カ月~数年後にあらわれるケースもあります。 視床出血については、以下の記事でも詳しく説明しています。 また、当院リペアセルクリニックでは、脳梗塞や脳出血といった「脳卒中」の治療法の1つとして再生医療を提供しています。「メール」や「オンラインカウンセリング」によるご相談も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。 \クリックで電話できます/ メール相談 オンラインカウンセリング 視床出血の原因やメカニズムは?高血圧による動脈硬化 視床出血の主な原因は、「高血圧による動脈硬化」です。 高血圧が動脈硬化を起こし、視床出血にいたるメカニズムは以下のとおりです。 1:高血圧により血管の内側が傷つき動脈硬化が起こる 2:動脈硬化によって血管がもろくなる 3:高血圧によって血管に高い圧力がかかる 4:血管がやぶれて出血する 多くの場合、出血の原因となるのは「穿通枝(せんつうし)」と呼ばれる非常に細い血管です。 視床出血を含む「脳出血」の前兆は、以下の記事で詳しく説明しています。 視床出血の診断は「頭部CT検査」にておこなう 視床出血の診断は、ほかの脳出血と同様に「頭部CT検査」によっておこなわれます。 CTでは出血部位が白く写るため、視床の部分が白く写れば「視床出血」となるのです。 また、白く写った範囲の広さや場所から「出血の程度」「視床からの出血が脳室まで達しているか」などの重症度を判断し、治療方法や予後を検討します。 なお、MRIでも出血の判定は可能ですが、検査に20〜30分ほど時間がかかるケースもあるため、速やかな診断が必要な脳出血にはあまり適しません。そのため、機械によっては3分程度で検査が終了するCT検査が一般的に用いられます。 視床出血の治療法は2つ 基本的に、視床出血では出血量が多くても血腫(出血による血の塊)を除去する手術はおこないません。 血腫を除去する手術をおこなわない理由は、以下のとおりです。 ・視床は脳の奥深くにあるため、手術が難しいから ・重要な神経が多く集まるため、手術によって脳がさらなるダメージを受ける可能性が高いから ただし、以下のような場合は手術をおこなうケースがあります。 ・出血の範囲が非常に大きく、合併症を最小限に食い止めるための手術が必要 ・水頭症による命のリスクがある 本章では、視床出血の基本的な治療である「薬物療法」と、水頭症におこなわれる手術「シャント術」について解説します。 なお、視床出血を含む「脳出血」の入院日数や費用は、以下の記事で解説しています。 薬物療法|血圧コントロール 薬剤による血圧コントロールは、視床出血の重要な治療法です。 視床出血は高血圧が原因となるケースが多く、とくに発症時(急性期)には収縮期血圧が200 mmHg以上となる人も珍しくありません。発症から 6 時間以内は再出血が起こりやすいため、急性期の治療では出血範囲の拡大や再出血の予防を目的に、血圧を安定させる降圧剤の点滴や内服などが使われます。 血圧は収縮期血圧140mmHgを目安に下げるのが一般的ですが、急激に血圧を下げると急性腎障害が増加したという報告もあります。そのため、状況を見ながらの適切な血圧コントロールが大切です。(文献3) また、慢性期にも生じる可能性がある視床痛は、一般的な鎮痛剤の効かない人が多く、有効な治療法は確立されていません。塩酸マプロチリン、アミトリプチリンなどの抗うつ薬、カルバマゼピンなどの抗けいれん薬を処方して様子を見ますが、効果がない場合はガンマ線を用いた定位放射線手術をするケースもあります。(文献4) 手術療法|シャント術 シャント術とは、脳内に溜まる髄液(硬膜と脳・脊髄の間を満たす液体)を体内の他の場所へ流す通り道を作る手術で、水頭症の治療法です。 髄液は誰にでも存在し、通常は脳内の狭い道を通って血管に吸収されています。しかし、視床出血が起こると通常のように吸収されず、溜まった髄液は脳内を圧迫し始めます。そのため、髄液を流す手術が必要になるのです。 シャント手術の主な経路は、以下のとおりです。 1. 脳室から腹部(脳室―腹腔シャント) 2. 脳室から心臓(脳室―心房シャント) 3. 腰から腹部(腰椎―腹腔シャント) 現在は、脳室―腹腔シャントが最も多くおこなわれています。 当院リペアセルクリニックでは、脳梗塞や脳出血を含む「脳卒中」の治療法として、再生医療を行っています。視床出血の治療法について新たな選択肢を知りたい方は、ぜひお気軽にメールにてお問い合わせいただければ幸いです。 視床出血の予後は出血量と範囲で決まる 一般的に、 出血が多くて広範囲なほど視床出血の予後は不良です。 また、出血範囲が生命を維持するために重要な「中脳」にまでが広がると、生命の危機につながる可能性が高いともいわれています。視床出血の死亡率は一般的に 14〜52 %とされていますが、実際は基礎疾患やもともとの健康状態などに大きく左右されます。 水頭症の発症や再出血、さらなる出血範囲の拡大などがあると、予後がさらに悪化するケースも珍しくありません。そのため、厳格な血圧コントロールや、少しでも後遺症を軽減する早期からのリハビリが重要です。 まとめ|視床出血の症状があらわれたらすぐに受診を 本記事では、視床出血の症状、診断、治療法などを詳しく解説しました。 視床出血は脳の深いところにある「視床」からの出血です。視床は視覚や痛覚など多くの感覚情報の伝達に関わるため、出血によって機能が失われると手足の麻痺や痺れなど、さまざまな症状が起こります。 顔の片側や手のひらの痺れ、身体がうまく動かないなど気になる症状が出た場合は、すみやかに受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療(幹細胞治療)による脳卒中の再生医療をおこなっています。再生医療(幹細胞治療)の効果は、脳神経細胞の修復及び再生と、脳の血管を新しく再生させることです。そのため、視床出血の再発予防や、後遺症の軽減、リハビリ効果の向上などに効果が期待できます。 再生医療へのご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」でも可能です。些細なことでも問題ないため、どうぞ気軽にご相談ください。 \クリックで電話できます/ メール相談 オンラインカウンセリング 視床出血の症状に関するよくある質問 視床出血ではどのようなリハビリをおこないますか? 視床出血でおこなう主なリハビリは、以下のとおりです。 作業療法:麻痺した腕、指先などの使い方や食べ物・飲み物を飲み込む動作を訓練する 理学療法:姿勢を保つ、歩くなどの日常動作を訓練する 視床出血をはじめとする脳出血のリハビリは、毎日の継続が大切です。失われた機能の回復に時間がかかるケースもありますが、根気よくリハビリを続けましょう。 視床出血後のリハビリについては、以下の記事で詳しく説明しています。 右視床出血ではどのような症状が出ますか? 右視床出血によって脳の右側の機能が失われると、身体の左側に麻痺や感覚障害が起こります。 麻痺や感覚障害が起こると身体をうまく動かせなかったり、手足のしびれや痛みが出たりします。 参考文献: 文献1 嘉戸直樹,視床の機能とその臨床応用,関西理学, 6:47ー49,2006 文献2 秋田県立脳血管研究所神経外科 伊藤善太郎 安井信之,視床出血, 第6回日本脳卒中学会総会講演抄録,3:126-129 文献3 脳卒中治療ガイドライン2021[改訂2023]日本脳卒中学会 文献4 Muhammad U. Jahngir; Adnan I. Qureshi.,Dejerine-Roussy Syndrome,StatPearls
2023.01.18 -
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脳卒中の退院後の生活への影響は、症状の程度によって大きく異なります。重度の後遺症が出ると、退院後も寝たきりになってしまう可能性もあります。 寝たきりになるリスクを避け、元の生活に戻るためには、適切なリハビリと生活習慣の改善が欠かせません。 本記事では、脳出血の退院後の生活について詳しく解説します。効果的なリハビリや退院後の生活で気をつけるべきことも紹介しているので、自宅に戻った後の過ごし方を考えたい方はぜひ参考にしてみてください。 脳出血の退院後の生活【後遺症が出て寝たきりになる可能性も!?】 脳出血の後遺症が重症であると、そのまま回復せず寝たきりになってしまう可能性もあります。 後遺症の影響を最小限に抑え、日常生活の質を向上させるためには、入院中だけでなく退院後も継続的なリハビリを続けていく必要があります。 以下の記事では、脳出血で後遺症なしになる確率について解説しているので、後遺症の有無が気になる方はあわせてご覧ください。 そもそも脳出血とは、脳の中の血管が破れて頭の中で出血が起こる病気です。たまった血液が神経細胞を圧迫することで、さまざまな症状を引き起こします。 たとえば、手足が動かない麻痺症状や言葉の出にくさなどの後遺症です。 脳出血の有効な治療法の1つに「再生医療」があります。 これまで一度死んだ脳細胞は戻らないとされてきました。しかし、再生医療は脳細胞を復活させ、脳出血を含む脳卒中の後遺症を改善できることがわかってきたのです。 詳しい治療法や効果が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 \クリックで電話できます/ メール相談 オンラインカウンセリング 脳出血の退院後の生活に欠かせないリハビリとは 脳出血による筋肉低下や後遺症の訓練に欠かせないのがリハビリです。 脳出血後の回復する過程は以下3段階にわかれており、各段階に応じたリハビリをおこなっていきます。 急性期 回復期 維持期 リハビリの内容を順番に見ていきましょう。 急性期|入院中のリハビリ 急性期は、脳出血の発症直後から2週間程度までの期間を指します。急性期は全身の状態がまだ不安定な時期のため、容体が悪化しないよう慎重な経過観察が必要です。 同時にこの時期は、長時間の安静により筋肉や関節の機能が低下する「廃用症候群」を防ぐ必要があります。廃用症候群は床ずれ(褥瘡)や感染症のリスクを高めます。 廃用症候群を予防するためのリハビリには、手足の軽い運動や体位の交換が有効です。 障害を受けた神経細胞は発症後3カ月がもっとも回復が期待できる時期といわれています。早期からリハビリをはじめれば、脳機能の回復や運動機能の改善につながるでしょう。 回復期|退院後の生活を意識したリハビリ 回復期とは、急性期の期間が過ぎたあとの約6カ月間を指します。回復期では、患者の症状に合わせたリハビリがはじまります。 主な目的は、可能な限り発症前の生活に戻れるよう、必要な動作や体の機能を強化することです。 リハビリの内容は患者一人ひとりの生活環境や目標に応じて設定されます。退院後の生活をイメージしながら、個別の訓練プログラムを組んでいきます。 以降では回復期におこなわれる「運動機能のリハビリ」「言語機能・嚥下機能のリハビリ」「高次脳機能障害に対するリハビリ」について詳しく解説します。 運動機能のリハビリ 回復期におこなわれる運動機能の強化を図るリハビリを6つ紹介します。 リハビリ 内容 筋力強化 安静にしていた期間に低下した筋力を回復する目的のリハビリです。自分の体重や軽い重りを利用したトレーニングをおこないます。 持久力強化 体力の向上を目的としたリハビリです。ウォーキングや自転車型の運動器具を使ってトレーニングをおこないます。 協調運動訓練 体の各部位の力加減を調整し、安定した動きができるように訓練するリハビリです。 基本動作訓練 日常生活に戻るために必要な動作の訓練をおこないます。具体的にはベッドからの起き上がりや車椅子の乗り移りなどの動作です。 歩行訓練 歩行機能の向上を図ります。杖や歩行器を活用しながら安定した歩行をおこなうための練習をします。 巧緻(こうち)動作訓練 手指のこまかい動きの回復を目指すリハビリです。具体的には箸を使ったり、ペンで文字を書いたりするなどの動きです。 移動に関する練習は理学療法士が、食事や身の回りの動作は作業療法士が担当します。 なお、脳出血の治療には「再生医療」が効果的です。 再生医療は人間の自然治癒力を活用した最先端の医療技術です。幹細胞の修復力を利用して、損傷した脳細胞の機能回復を促進します。 脳出血の後遺症も治療対象なので、具体的な治療法や効果が知りたい方は再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 言語機能・嚥下機能のリハビリ 言葉がうまく出てこない失語の症状が見られる場合には、話す練習や読み書きを通じてスムーズに言葉を扱えるように訓練をします。 食べ物を安全に胃まで運ぶ働きの「嚥下(えんげ)機能」が低下している場合は、口・喉・舌の筋肉を鍛える運動をおこないます。嚥下の機能低下は、食事が気管に入り込み、肺炎を引き起こす危険があるため、早い段階でのリハビリが必要です。 高次脳機能障害に対するリハビリ 「高次脳機能」は記憶力、注意力、感情のコントロールを担う働きを指します。脳の損傷でこれらの機能が低下した状態を「高次脳機能障害」と呼びます。 高次脳機能障害に対するリハビリでは、以下のように目的に応じた訓練をおこないます。 ・記憶力向上:言葉や絵を使った記憶訓練、メモの活用練習 ・注意力回復:計算問題など集中力を高める訓練 リハビリを続けないと、体や心の機能がさらに低下する恐れがあります。根気よく取り組むことが回復の鍵です。 また、高次脳機能障害のリハビリには、周囲の協力も大切です。たとえば、わかりやすい言葉で話しかけたり、生活環境を整えたりするなどのサポートが求められます。 維持期|退院後のリハビリ 維持期とは急性期と回復期を終えて、症状がある程度安定した時期を指します。維持期のリハビリは、主に自宅や施設でおこなわれます。 維持期のリハビリの目的は、急性期や回復期で回復した機能の維持です。リハビリを中断すると機能が再び低下する可能性があるため、継続が大切です。 また、後遺症が出ると、以前は簡単にできた動作が難しくなり、生活の満足度が下がる場合があります。維持期のリハビリは、生活を少しでも楽にするための訓練も進めていきます。 なお、脳出血を含む脳卒中の治療には「再生医療」が有効です。身体のしびれや麻痺、言語障害といった後遺症も治療対象に含まれます。 期待できる治療効果が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にご相談ください。 脳出血の退院後の生活で気をつけるべき4つの注意点 脳出血の退院後は、再発を防ぐために日常生活で気をつけるべき点があります。とくに以下4つの生活習慣が、再発リスクを高める要因となります。 ストレスをためる 塩分の高い食生活を送る タバコを吸う 過度な飲酒をおこなう 注意点をおさえて、健康的な生活を心がけましょう。 ストレスをためる 脳出血の要因となるのは高血圧です。ストレスがたまると血圧が上がりやすくなるため、同じ状況下で生活を続けていると、脳出血の再発リスクを高めます。 以下はストレス発散に効果的な方法です。 ・趣味の時間を作る ・規則正しい生活リズムを保つ ・無理のない範囲で軽い運動をする ・深呼吸やストレッチで気分転換をおこなう 血圧を安定させ脳出血の再発リスクを軽減させるためにも、自分に合ったストレス解消法を見つけ、ストレスケアをおこなっていきましょう。 以下の記事では脳出血とストレスの関係性を解説しています。ストレスによって生じる脳出血のリスクについて詳しく知りたい方は、ぜひあわせてご覧ください。 塩分の高い食生活を送る 塩分の高い食生活は血圧が上がりやすくなり、脳出血の再発につながる可能性があります。以下のような塩分を減らした食事を心がけましょう。 ・料理の味付けを薄くする ・塩分控えめの商品を購入する ・外食では低塩メニューを選ぶ 塩分の高い食生活で血圧が上がると血管に負担がかかります。脳卒中のリスクを軽減するためにも、日々の食生活の見直しをしていきましょう。 タバコを吸う 喫煙は血管を収縮させ、血圧上昇を招きます。禁煙は脳出血の再発予防にもつながるため、以下のような手段でタバコを吸う機会を減らしてみてください。 ・禁煙外来の利用 ・ニコチンガムの活用 ・ニコチンパッチの使用 ・禁煙イベントの参加 タバコを吸うと再発リスクが高まるだけでなく、肺がんや心疾患といった別の病気を引き起こす原因になります。健康的な生活を送るためにも、タバコを断つ努力を続けましょう。 過度な飲酒をおこなう 過度な飲酒も血圧を上げ、脳出血を再発させるリスクがあります。 適量を超える飲酒は体にも大きな負担がかかるため、飲酒量を制限し適量を守りましょう。日常的にアルコールを飲む習慣がある場合、週に数日は休肝日を設けるのがおすすめです。 以下の記事では、脳出血の予防や再発防止に効果的な血圧管理方法を解説しています。高血圧の心配がある方は、ぜひ参考にしてみてください。 まとめ|脳出血の退院後の生活は寝てばかりにならないようにリハビリを続けよう 脳出血後のリハビリは、早めに開始して根気強く続ける意識が大切です。動かない時間が増えると、筋力が落ちたり、体の機能が戻りにくくなったりするからです。 家族や周囲の人々のサポートも回復の大きな力となります。生活環境を整え、患者の状態に合わせた適切な援助が必要です。 毎日少しずつ努力を重ねれば、発症前の生活に近づける可能性が高まります。自分のペースで無理なくリハビリを続けていきましょう。 なお、脳出血の治療には「再生医療」が有効です。 再生医療は人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術で、身体機能(後遺症)の回復や脳卒中における再発予防の効果が期待できます。 具体的な治療方法が気になる方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 \クリックで電話できます/ メール相談 オンラインカウンセリング
2023.01.06 -
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ある日突然起こる脳卒中にご注意!その症状と原因、予防法 脳卒中は、脳血管障害とも呼ばれる脳の重い病気です。 ケースによっては、からだを動かすのが不自由になる、言葉が出づらくなる、など後遺症が残ることも少なくありません。身近で脳卒中について話題になったこともあるでしょう。 この記事では、脳疾患である「脳卒中」にスポットを当てながら、病気の症状や原因、予防するための方法についてわかりやすく解説します。 脳卒中は、脳の血管障害によって発症する病気全般を指します! 脳卒中とは、脳の血管が詰まる、あるいは血管が裂けることで起きる脳の病気全般を指す言葉です。 例えば、腹痛と一口にいっても、下痢や便秘もあれば盲腸炎や大腸がんなど、原因となる病気はいくつも考えられるでしょう。 脳卒中には、大きく分けて次の 3 種類があります。 ・脳梗塞 ・脳出血 ・くも膜下出血 それぞれわかりやすく説明していきます。 脳梗塞 脳の血管が詰まる脳卒中の一種です。血管が詰まった先は血液の流れが悪くなるので、脳細胞が壊死していきます。 脳出血 脳の血管が、高血圧などにより内側から強い圧力がかかり、破けてしまう脳卒のことです。出血した血液が塊になって、脳が働かなくなります。 また、脳を圧迫するため、他の脳の部分にもダメージを与えます。 くも膜下出血 脳の太い血管にできた、動脈瘤というこぶが破れて起こる脳卒中のひとつです。 脳梗塞や脳出血は脳の中で起こりますが、出血した血液が脳の表面を覆って発症することがポイントです。 ここまでの説明を表にすると、以下のようなイメージです。 病名 病気の種類 病気が起きる原因 脳卒中 ・脳梗塞 脳の血管が詰まって血液が行き渡らなくなる ・脳出血 脳の血管が切れて出血して、脳の細胞が壊死する ・くも膜下出血 脳の血管にできた「動脈瘤」(こぶ)が破けて、脳の表面を覆うように出血が広がる もうお分かりですね! この表からもわかるように脳梗塞とは、あくまで脳卒中といわれる病名の中にあって、その種類のひとつなのです。このあたりは、知っている人に取っては当たり前ですが、知らない人にとってはごっちゃになっている部分だと思います。 最近は、脳卒中より脳梗塞という病名が知られるようになったため、別々の病気と思っている人も少なくありませんが、実は同じ病気だということです。 脳梗塞は脳の血管が詰まる・狭くなることで起きる ここまで説明してきたように、脳卒中と脳梗塞は異なるものではなく、脳卒中という大きな病気のひとつの種類に脳梗塞がある、とわかりました。 そして、 脳梗塞は、脳の血管が詰まって血液の流れが悪くなり、脳の神経細胞が死んでいくことによって発症します。 脳の血管が詰まる原因は、血栓と呼ばれる血の塊です。 年齢とともに血管の動脈硬化によってできる血栓や、心臓にできる血栓が脳に移動して、脳の血管を詰まらせます。血管が詰まると脳に血液が行き渡らなくなって、酸素や栄養が届かなくなり、脳が壊死してしまうのです。 脳梗塞の状態が重いほど、後遺症が強く残りやすくなります。 このように、脳梗塞や脳出血といった脳卒中は、寝たきりや認知症、高次機能障害といった後遺症を引き起こす重大な病気なのです。 脳卒中は年齢に関係なく突然起きる病気 代表的な脳卒中によくある症状は次の 5 つです。 症状 1.半身がしびれたり、麻痺が続く 2.ふらふらしたり、歩く・立つができなくなる 3.ろれつが回らず、言葉が出ない 4.視野の半分が暗くなる、二重に見える 5.激しい頭痛が突然起きる 脳梗塞をはじめ脳卒中は、ある日突然起きる病気です。脳の血管が詰まる、裂けるといった脳卒中の原因が突然起きると、一気に重い症状が現れることがポイントです。 脳卒中かもしれないと思ったら 「半身がしびれたり、麻痺がつづいている」「ろれつが回らなくなった」こうした脳卒中の症状に気づいたら、すぐに医師に診てもらいましょう。 脳梗塞や脳出血は似たような症状が起きることが多いため、日頃から脳卒中の代表的な症状を覚えておくことが大切です。 気になる症状があったときは、できるだけまずはかかりつけ医に電話で相談する、少しでも症状に不安を感じたら迷わず救急車を呼んでください。 脳卒中のリスクと予防 脳卒中は死に至ることもある重い病気で、後遺症が残ることも多いため、日常的に予防に努めることが大切です。 脳卒中の 5 大リスクとして知られているものは、次の 5 つです。 ①高血圧 ②糖尿病 ③脂質異常症 ④不整脈 ⑤喫煙 ここで挙げたリスクは、生活習慣病といわれていて、以下のような食事や運動、睡眠などの生活習慣の改善で予防できるものです。 食生活に気を配ることで予防が可能 ・塩分制限をする ・バランスの良い食事を心がける ・適度に運動する ・十分に睡眠をとる ・お酒や喫煙を控える 脳卒中は、起こってしまってからでは取り返しがつきません。 予防のためにも、まずは生活習慣を見直すことからスタートすることが何より大切です。 また、病院で血圧や血液検査などの異常を指摘された方も、薬による治療を続けると脳梗塞をはじめ脳卒中のリスクをコントロールすることができます。あわせて、定期的な健康診断や通院で、病気を管理することも忘れずに行いましょう。 まとめ・ある日突然起こる脳卒中にご注意!その症状と原因、予防法 脳卒中と脳梗塞の違いについて解説してきましたが、次のポイントを改めてチェックしておきましょう。 ・脳卒中は脳の血管障害による病気全般を指す言葉 ・脳卒中と脳梗塞は別々の病気ではなく、実は同じもの ・脳卒中の種類のうち、脳の血管が詰まるのが「脳梗塞」 ・脳卒中は生活習慣病が大きな原因 脳卒中の症状や、脳梗塞の特徴を覚えておいて、ぜひ病気の予防に努めましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 ▼こちらも参考にしませんか 脳卒中の種類と原因|発症を予防するため、注意すべき生活目標と修正方法とは
2022.12.26 -
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脳出血の治療方法と手術になったときの入院期間や費用について 「脳出血と診断された。これからどんな治療をするのだろうか?」 「脳出血になったら、入院期間や費用はどれくらいかかるのだろう?」 脳出血は、早期の診断・治療がとても重要な疾患であり、治療が遅れれば遅れるほど、話しにくさや手足を動かしにくくなるという重篤な後遺症が残る可能性があります。 本記事では、脳出血が疑われる際の検査についてや、治療や手術、入院期間などについて解説してまいります。 脳出血の検査について 脳出血とは脳内の血管が破れて出血した状態で、一般的な症状として多くの人に認められるのが、突然の激しい頭痛や手足が動かしにくくなるという麻痺症状です。 出血がひどくなると意識障害などもみられることがあります。 このような脳出血の症状がみられる場合には、まず CT 検査を早急に行い、出血部位(被殻、視床、脳幹、小脳、皮質下)や出血量を確認することで確定診断に至ります。 脳出血は高血圧が原因であることが多いですが、MRIの検査によって脳動脈瘤や脳血管奇形といった脳内の血管自体の異常や損傷範囲などを調べることができます。 脳出血の手術と治療について 脳出血の治療は、内科的治療と外科的治療に分かれます。 それぞれについて、詳しくみていきましょう。 内科的治療法 内科的治療(薬物療法)として、最も重要になるのは、薬剤による血圧コントールです。 脳出血は高血圧が原因で発症することが多く、特に脳出血発症時には収縮期血圧が 200 mmHg以上となってしまうことも珍しくありません。 脳出血の発症から 6 時間以内は再出血が非常に起こりやすいと言われており、再出血を予防するために、血圧を安定させる降圧剤の点滴や内服などが用いられます。 退院後における慢性期においても、高血圧を放置することで脳出血の再発もあり得ますので、定期的な降圧剤の内服が必要なことが多く、血圧を安定させるための治療が行われます。 もう一点、内科治療として、脳出血により脳が浮腫み、腫れてくることがあります。そのまま放置してしまうと、出血していない部位にまで悪影響が出ることがあるため、マンニトールやグリセロールという抗脳浮腫薬の点滴を行うことがあります。 外科的治療法 脳出血の外科的治療法(手術)は、以下のような時に対して行われます。 ・出血量が 30 ml以上と多量であり、出血による血の塊(血腫)の圧迫により生命の危機がある場合 ・水頭症(髄液の循環不全により、髄液が過剰に溜まった状態) ・意識レベルの低下が疑われる場合 ただし、視床出血や脳幹出血の場合は重要な神経が通っているため手術は困難であり、また深昏睡状態(意識がなく自発呼吸もない状態)の場合も手術による改善が望めないため治療適応外となります。 手術方法としては血腫を除去する血腫除去術と、水頭症に対するシャント術が一般的です。 それぞれの手術法について詳しく見ていきましょう。 ◇血腫除去術 開頭血腫除去術 開頭血腫除去術は全身麻酔下で行われる手術で、3 時間程度要します。約 10 ㎝程度の大きさで頭蓋骨を切開し、脳内に溜まった血腫を摘出する手術になります。 内視鏡的血腫除去術 内視鏡的血腫除去術は開頭血腫除去術とは異なり、局所麻酔で行われる手術になります。数㎝程度皮膚を切開し、頭蓋骨に 1.5 ㎝程度の穴をあけて細い筒のようなものを挿入し、血腫の吸引を行っていきます。 開頭手術と比べるとおよそ半分程度の手術時間で完了するため、患者さんの負担も少なく、リハビリを早期から行うことが出来るというメリットがあります。 ◇シャント術 シャント手術とは、溜まってしまう髄液を体内の他の場所へ流し込むバイパスを作る手術になります。 主な経路としては、以下のようになります。現在では、脳室―腹腔シャントが最も多く行われています。 ①脳室から腹部(脳室―腹腔シャント) ②脳室から心臓(脳室―心房シャント) ③腰から腹部(腰椎―腹腔シャント) リハビリ 治療・手術後は、社会復帰に向けて必ずリハビリが必要となります。 「急性期」「回復期」「維持期」の回復過程に応じて、適切なリハビリを段階的に行うことになります。 脳出血の入院期間や費用について 入院期間 脳出血の平均入院日数は、およそ 107 日間となっており、下表のように年齢が上がると、日数は増える傾向にあります。 例えば、40~44 歳の方の平均入院日数は 56 .4 日となっていますが、80~84 歳の方の入院日数は約 3 倍の日数の 151 .3 日となっています。 これはご高齢になればなるほど、重症化のリスクやリハビリに要する期間が長くなるためだと思われます。 40 ~ 44 歳 56 .4 日 60 ~ 64 歳 81 .1 日 65 歳~ 69 歳 104 .8 日 70 歳~ 74 歳 96 .9 日 75 歳~ 79 歳 99 .1 日 80 ~ 84 歳 151 .3 日 入院費用 入院費用の平均は、約 70 万円前後( 3 割負担の場合)となっています。 なお、そのうち血腫除去術の一般的な手術費用は診療報酬点数が 47 ,020 点となっているので、1 点= 10 円とすると約 14 万円( 3 割負担)となります。 高額療養費制度を利用すると、自己負担限度額を超えた部分が払い戻されるので、最終的には更に軽減される可能性があります。 ただし、高額療養費制度の自己負担の上限額は、年齢や所得によって異なり、差額ベッド代や食事代等は制度対象外となります。 以上の入院日数や入院費用はあくまで平均値となっており、年齢や治療内容、症状などの差で変動します。 まとめ・脳出血の治療方法と手術になったときの入院期間や費用について いかがでしたでしょうか。 本記事では、脳出血の手術と治療、入院期間や入院費用について主に解説しました。 脳出血は早期の治療介入が非常に重要であり、重症度に応じて様々な治療方法が選択されます。発症から時間が経過すればするほど重い後遺症が残ったり、命の危機に晒されることに繋がりますので早期受診が重要です。 この記事がご参考になれば幸いです。 ▼脳出血、以下の記事も参考にされませんか 脳出血、後遺症の種類とリハビリによる改善の可能性
2022.12.23 -
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これまでに感じたことのない激しい頭痛や吐き気、嘔吐がある場合は、脳出血を起こしている可能性があります。ただし脳出血には、前兆が基本的にはありません。 一度障害を受けた神経細胞は元に戻ることはないため、脳出血を起こすと、麻痺や感覚障害などの後遺症が残ってしまう可能性があります。 本記事では、脳出血の初期症状をチェックシート(チェックリスト)を公開しています。いつもと違う激しい頭痛や吐き気、嘔吐などに悩まされている方は、本記事のチェックリストを活用し、一つでもあてはまる場合はすぐにでも専門の医療機関を受診しましょう。 脳出血の前兆を今すぐチェック【チェックシート付き】 脳出血は突然発症します。以下は「脳出血の前兆を症状で判別いただくためのチェックリスト」です。ひとつであっても当てはまるものがあれば要注意です。 脳出血の前兆に一つでも当てはまれば早期の受診を! とくに、今まで感じたことのないような激しい頭痛が生じたときは、脳出血が発症した可能性がかなり高いです。頭痛は、血管が破れた際に起こります。 さらに、激しい頭痛だけでなく「激しい吐き気」や「嘔吐」が伴う場合は、脳出血の可能性が高まります。 意識障害や昏睡状態になっている場合は、すでに重篤な状態であり命に危険が及んでるかもしれません。 すみやかに治療を受けることで、その他の症状を発症せずに済む可能性があります。救急車を呼ぶなどして、いち早く専門の医療機関を受診しましょう。 \クリックで電話できます/ メール相談 オンラインカウンセリング 脳出血に前兆はない? 脳出血は突然血管が破れて発症するため、前兆は基本的にありません。 ただし、脳出血は朝10時ごろに起こりやすくなっています。これは、血圧が一番高くなる活動的な時間帯であるためです。 そもそも脳出血とは? 脳出血は脳卒中の1つで、脳を走る血管が破れることにより脳の中で出血が起こる病気です。 高齢であったり、高血圧や動脈硬化が強かったりすると血管が弱くなるため、脳出血を引き起こしやすくなる傾向です。 また出血が広がると、血液で脳が圧迫されたり血液が神経細胞に行き渡らず細胞が死んでしまったりします。 一度障害を受けた神経細胞は元に戻ることはないため、麻痺や感覚障害などの後遺症を残します。脳出血の約70%が後遺症を残すと言われており、生活に支障をきたさない程度の後遺症から、 四肢麻痺などの日常生活が以前のように送れなくなるほどの後遺症までさまざまです。 リハビリである程度までの回復が期待できますが、完全に元に戻すことは難しく、何よりかなりの時間を要します。 脳出血で強い後遺症を残さないためにも、発症早期に気づき、周囲の神経細胞に障害が起こる前に治療を受けることが重要です。 脳出血の好発部位と症状の特徴 脳出血は、出血する部位によって頻度や症状が異なります。 脳出血が起こりやすいとされる好発部位は大きく分けて5つあります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。 ①被殻(ひかく)出血 脳出血のなかで一番頻度が高いのが被殻出血です。まず頭痛や嘔吐から始まり、片側の手足の麻痺や感覚の異常、うまく言葉が話せない構音障害などの症状があります。 また、どちらか一方に目が寄る共同偏視が生じることもあります。 ②視床出血 視床出血は、被殻出血の次に多く見られる脳出血です。視床は感覚を伝達する神経が多く走っている部位のため、視床出血では感覚障害や視床痛という半身のみの痛みが生じます。 また、視床出血は脳脊髄液が循環している脳室と近い位置にあるため、出血が脳室まで及ぶと水頭症になり意識障害を起こします。 視床出血が起きると、左右の目が内下方を向くようになることが特徴です。水頭症については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。 ③小脳出血 小脳は平衡感覚をつかさどる部位です。そのため、この小脳に出血が起こると頭痛と嘔吐、めまい、歩行障害が起こります。 小脳出血が広がり脳幹まで圧迫されると呼吸が止まり致命的になる可能性があります。小脳出血のみですと、麻痺は起こりません。 ④橋出血 橋は脳幹の一部で呼吸や全身の運動などをつかさどっている部位です。橋に出血が起こると意識障害や全身の麻痺が起こります。さらに出血が広がると、呼吸ができなくなり重篤な状態になることがあります。 橋出血が起こると左右両方の目の瞳孔が小さくなることが特徴です。 ⑤皮質下出血 皮質下出血とは、脳の比較的表層の部分に出血が起こるものです。 部位によって症状はさまざまで、片側の手足の麻痺や構音障害、視界の左右どちらかが見えなくなる半盲などの症状が生じます。 まとめ|脳出血の初期症状を確認したら早期治療で後遺症を残さないようにしよう 脳出血はある日突然発症し、多くの場合で後遺症が残ってしまう病気です。しかし早期に治療を行うことができれば後遺症を残さないか、残っても軽度で済む可能性が高まります。 さらに、脳出血は画像検査ですぐに診断可能です。 そのため、少しでも疑う場合はすみやかに医療機関を受診することが重要です。脳出血は主に脳神経外科が治療を行うため、脳神経外科の体制が整っている病院を選びましょう。 なお、後遺症については、リハビリ以外にも最先端医療の「再生医療」という新たな手法もあります。万が一後遺症が残った場合は、その存在を知っておくと良いでしょう。 本記事が参考になれば幸いです。 \クリックで電話できます/ メール相談 オンラインカウンセリング
2022.12.19 -
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脳梗塞の予防や再発防止を図るためには、食事を見直すのが重要です。 脳梗塞の原因となる食品は数多くあり、普段から口にします。 したがって、脳梗塞の予防や再発防止のために食べてはいけない、食べすぎてはいけないものを把握した上で、食生活を築くのが大切。 本記事では、食べてはいけないものに合わせて予防や再発防止のために積極的に食べたいものも解説します。 脳梗塞のリスクを下げたいと考える人はぜひ参考にしてください。 脳梗塞の予防・再発防止のために食べてはいけないもの一覧 脳梗塞の予防・再発防止をする上で食べてはいけない・食べすぎてはいけない食べ物の代表例は以下です。 ・動物性脂肪・トランス脂肪酸が含まれる食品 ・加工食品 ・塩蔵品 ・アルコール ・高GI炭水化物 上記は脳梗塞の原因であり、発症や再発を避ける上で食べるのは好ましくありません。 それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。 ①動物性脂肪・トランス脂肪酸が含まれる食品 まず、動物性脂肪やトランス脂肪酸を摂取するのは避けましょう。 <動物性脂肪・トランス脂肪酸が含まれる食品一例> ・肉料理全般 ・卵 ・チーズ ・バター ・牛乳 ・チョコレート ・アイスクリームetc. 基本的に、肉類や乳が関係したものは、避けるようにしましょう。 動物性脂肪には、動脈を閉塞させるコレステロールを増やすはたらきがあります。 トランス脂肪酸は、血行を悪くする原因。 また後述する塩蔵品やアルコールとともに摂取する機会が多く、注意が必要です。 動物性脂肪とトランス脂肪酸の摂取を避けるためには、脂っこいものを避ける意識がポイントです。 ②加工食品 脳梗塞の発症と再発を避けるためには、加工食品の摂取も避けたいところです。 <加工食品の一例> ・インスタントラーメン ・スナック菓子 ・冷凍食品 ・菓子パン ・デザート 加工食品は添加物や保存料、炭水化物などを多く含んでいます。 また保存性を保つため、前述のトランス脂肪酸も、多くの場合で含まれているでしょう。 脳梗塞の原因となるものが多いため、加工食品の食べ過ぎには注意が必要です。 ③塩蔵品 また、塩蔵品(塩漬け)の類も避けましょう。 <塩蔵品の一例> ・漬物全般 ・塩辛 ・ハム ・ベーコン ・味噌漬け ・明太子etc. 塩蔵品は、動脈硬化や血栓形成の原因である塩分やナトリウムを大量に含みます。 また高血圧にも関係しており、脳梗塞の発症や再発のリスクが高い食品と言えるでしょう。 また、塩蔵品でなくとも塩分が多い食品にも同様のことが言えます。 塩蔵品も含め、食べすぎは避けるのをおすすめします。 ④アルコール 種類にかかわらず、アルコールは可能な限り避けましょう。 アルコールは、高血圧や血液の凝固など、脳梗塞の発症につながる現象を引き起こします。 さらに高血圧や血栓形成にも関係します。 さらにアルコールが提供される場所では、脳梗塞を発症・再発させうる食品も口にしやすいでしょう。 そしてアルコールには食欲を増進させる効果もあり、さらに脳梗塞発症・再発のリスクを高める懸念があります。 ⑤高GI炭水化物 また高GI炭水化物が豊富な食品も避けるようにしましょう。 GIとは「グリセミック指数」の略称です。 指標としては食品を食べたあとの血糖値の上昇の程度を示します。 <高GI炭水化物の一例> ・白米 ・食パン ・パスタ ・じゃがいも ・うどん ・シリアルetc. 一般的に白い、やや黄色い食品は、高GIの傾向があると覚えておきましょう。 高GI炭水化物は血糖値を急激に高め、脳梗塞の原因となる血栓生成や高血圧を引き起こします。 また血管内に炎症をもたらす点も、脳梗塞のリスクになります。 予防・再発防止の観点から見れば危険な食品であり、意識的に避ける必要があるでしょう。 脳梗塞の遺伝的要因と食事の関係性 脳梗塞は日本でも死因上位の病気であり、脳梗塞のリスクとして食生活と遺伝が関係します。 下記では、脳梗塞と、食事や遺伝の関係性を解説します。 合わせて後天的要因にも触れているので参考にしてください。 脳梗塞は遺伝する!?「食事」が関係する理由 脳梗塞の発症には多因子の関与が知られており、この多因子は大きく後天的要因と遺伝的要因に分けられます。 それぞれ解説していきます。 脳梗塞の遺伝的要因 遺伝的要因としては年齢 、性別 、人種 、家族歴 、高血圧 、糖尿病 、高脂血症 、肥満 、過凝固状態(血液が固まりやすくなること)などの要素が挙げられます。 以下の3つに関してより詳しく解説していきましょう。 脳梗塞の遺伝的要因 ・年齢 ・性別 ・家族歴 脳梗塞はどの年齢でも発生する可能性がありますが、リスクは 1 歳未満の乳児と成人で高くなります。 成人では、リスクは年齢とともに増加します。 また、若い年齢では、男性は女性よりも脳梗塞を起こす可能性が高くなります。 しかし、女性は長生きする傾向があるため、脳梗塞になる生涯リスクは高くなります。 また、経口避妊薬やホルモン補充療法を使用している女性や、妊娠中および出産後の数週間もリスクが高くなります。 脳梗塞の家族歴に関しては、親または他の家族が脳梗塞を発症したことがある場合、とくに若い年齢で脳梗塞を発症するリスクが高くなります。 後天的要因とは?体質の遺伝は食事と関係する そして後天的要因として、食事などの生活習慣なども関与し、危険因子と呼ばれます。 この後天的要因によって、脳梗塞が遺伝すると考えることもできます。 脳梗塞は稀ではありますが、遺伝に関係しているものはあります。 ほとんどの場合は生活習慣、とくに自宅で食べる際の食事の味付けに由来します。 たとえば塩辛い味が美味しいと感じる場合は、小さい頃から味付けが濃い食事を続けたことが影響していると言えます。 つまり、脳梗塞の家族歴があると、食生活も家族と同じようなものになる傾向があるため、高血圧症になりやすい体質が遺伝する可能性が高く、同様に発症リスクが高くなる考え方です。 脳梗塞の予防・再発防止のために摂りたい食事 脳梗塞の予防・再発防止のためには、食べてはいけないものを避けるのは大切です。 同じように、脳梗塞のリスクを下げる食品を食べるのも重要。 たとえば以下の食品は積極的に食習慣に取り入れましょう。 ・全粒穀物 ・青魚 ・果物 ・乳製品 ・タンパク質を含む食品 それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。 全粒穀物 まず、全粒穀物が予防や再発防止に役立ちます。 <全粒穀物の一例> ・玄米 ・オートミール ・ライ小麦etc. 全粒穀物には、食物繊維が多く含まれています。 食物繊維は、脳梗塞の原因になる血糖値やコレステロールの上昇を防ぎます。 またビタミンEやフィトケミカルが含まれている点も重要。 血管の硬化を防ぎ、血栓形成などのリスクを下げます。 ただし白米や精白パンなどの「精製穀物」には上記の効果が期待できず、むしろ脳梗塞の原因になる点に注意してください。 なお、全粒穀物は、白米や精白パンなどの代わりに主食の役割を果たします。 少しずつ精製穀物から切り替えていくと良いでしょう。 青魚 また青魚も、脳梗塞の予防や再発防止に有効な食品です。 <青魚の一例> ・サバ ・アジ ・サンマ ・イワシetc. 青魚にはDHAやEPAなどの成分が含まれています。 DHAやEPAは血行を促進し、血栓の生成を予防します。 またコレステロール値を下げる効果も。 さらに高血圧を改善するはたらきもあり、脳梗塞の予防や再発防止には欠かせない食品です。 また青魚は安価であり、普段の献立にも取り入れやすいです。 果物 果物も積極的に食べておきたい食品です。 <脳梗塞の予防や再発防止に役立つ果物の一例> ・オレンジ ・リンゴ ・パイナップル ・桃 ・ブドウ ・キウイetc. 果物には、血管や血行の状態を高める抗酸化物質、ビタミンなどが含まれています。 また血圧を下げるカリウムなども豊富。 さらに食物繊維も含まれているため、コレステロール値の低下も期待できます。 また、ほとんどの果物が安価かつ入手しやすいため、普段の食事に取り入れやすいでしょう。 乳製品 乳製品に関しては、効果的なものをきちんと選べば、予防や再発防止に役立ちます。 <乳製品の一例> ・牛乳 ・チーズ ・ヨーグルトetc. 乳製品に含まれるカルシウムは、脳梗塞の発症リスクを大きく下げるはたらきを示します。 国立がん研究センターによれば、乳製品由来のカルシウム摂取量が多いと、脳梗塞を含む脳卒中のリスクは、摂取量の低い群の0.64倍まで低下するとのこと。 ただしバターやマーガリン、練乳などの乳製品はむしろ脳梗塞のリスクを向上させるので注意してください。 参考記事:国立がん研究センター タンパク質 タンパク質を含む食品は、なるべく積極的に摂取しましょう。 タンパク質は、血圧を下げる、血行を促進する、血管をやわらかくするなど、脳梗塞のリスクを下げる上で欠かせないほとんどの効果を持っています。 とくにナッツや魚から得られる植物性タンパク質の摂取が好ましいでしょう。 一方で動物性タンパク質を含む肉類は、脳梗塞のリスクとなる動物性脂肪も多く含んでいます。 したがって口にする場合は注意が必要です。 ただし肉類でも、赤身のものを選択すれば、脳梗塞のリスクは低くなるでしょう。 脳梗塞の食事療法とは? 脳梗塞の時に摂るべき食事、控えるべき食事、さらに具体的にどのような工夫をすれば良いか解説していきます。 ①毎食さまざまな色の野菜を取り入れる 果物や野菜に含まれる栄養素をバランスよく得るため には、毎食、さまざまな色の食品を選ぶことが重要です。 濃い赤、オレンジ、鮮やかな黄色、濃い緑、青、紫など、さまざまな色の果物、野菜、豆類を選択することで、さまざまな栄養素を確実に取り入れられます。 ②飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、コレステロールの摂取を制限する 脂肪やコレステロールは体の健康のために必要ですが、血中のコレステロールが多すぎると、脳梗塞や心臓病のリスクが高まる可能性があります。 飽和脂肪酸などは、肉、チーズ、卵黄、バター、アイスクリームなどの動物性食品、および一部の植物油 (パーム、ココナッツ) などに含まれています。 これらの食品から摂取する飽和脂肪、トランス脂肪酸、コレステロールの量を制限するのが、脳梗塞予防の鍵となります。 ③食物繊維の多い食品を選ぶ 食物繊維はコレステロールと心血管疾患の全体的なリスクに関連します。 食物繊維の摂取量は、コレステロール値や脳梗塞のリスクに影響するだけでなく、血糖値をコントロールし、胃や腸などの病気を予防し、体重管理に役立つなどの利点があります。 ④食事中のナトリウムを減らす ほとんどの人が、必要以上にナトリウムを摂取します。 ナトリウムを摂りすぎると、体液が貯留し、血圧が上昇する可能性があります。 塩分を減らす方法としては、食卓塩の代わりにハーブやスパイスを使用しましょう。 塩味が控えめでも、風味が豊かになることで満足感を得られるのでおすすめです。 また、ナトリウムは食品の保存にも使用されるため、食品を加工すればするほど、ナトリウム含有量が高くなります。 したがって、加工食品や缶詰食品を使用しないことも大切です。 ⑤健康的な体重を維持する 脳梗塞のリスクを減らすためのもう 1 つの重要な戦略は、健康的な体重を維持することです。 食事量に注意して、食物繊維が多く脂肪の少ない食品を食べる、活動を増やすことで、健康的な体重を達成できます。 減量は無理なく続けることが大切です。 きちんと計画を立てて、最初から現実的に達成可能な短期、または長期の目標を設定して行うことが成功のポイントです。 ⑥糖分の摂取を減らす 糖分の過剰摂取は、高血圧、肥満、2 型糖尿病、脂質異常症と関連しており、これらはすべて脳梗塞の危険因子となっています。 砂糖の例としては、白砂糖、黒糖、蜂蜜、糖蜜、ゼリー、ジャム、加糖飲料などがあります。 使用頻度を減らすか、使用する量を減らすことが推奨されています。 ⑦カリウムを十分に摂る カリウムは果物、野菜、乳製品に豊富に含まれていますが、ほとんどの成人はカリウムを十分に摂取していません。 カリウムを摂るためには、バナナ、アプリコット、オレンジ、メロン、リンゴなどの果物がおすすめです。 野菜には、じゃがいも、さつまいも、ほうれん草、ズッキーニ、トマトなどがあります。 適切な心機能を維持するためには、十分な食事性カリウムの摂取が必要不可欠です。 関連記事:脳梗塞になりやすい人と?発症予防で注意しておくべきことはありますか? 脳梗塞のリスクについて食事療法で気をつけるべきことは? では、食事療法の工夫の次に、注意点についても見ていきましょう。 ただ単に食事内容に気をつけるだけではなく、以下のような注意点もあります。 ①肥満予防:食べる量に気をつける 満腹になるまで食べないことです。 肥満を防ぐためにも常に8割くらいに抑えて、食事量を調整しましょう。 ②脱水症状予防:水分を一緒に摂る 水分不足にならないように、食事と共に必ずこまめに水分摂取してください。 ただし、水分を摂るといっても、以下のような水分は推奨されません。 水分不足は、血流が滞り血栓ができやすくなる原因と言われています。 水または麦茶など、カフェインの入っていない飲み物は利尿作用がなく、水分の排出が少なく済むのでおすすめです。 水分でも以下は推奨しない ・アルコール ・コーヒー、緑茶 ・甘いジュース ③誤嚥予防:嚥下障害に気をつける 脳梗塞の後遺症として、飲み込みづらさなどがあり、飲み込みづらい場合は、ベット上で頭を上げるなど工夫して食事療法を行います。 誤嚥性肺炎などを引き起こす可能性もあるため、水分や固形物を飲ませる場合は、嚥下機能の評価を行ってからにしましょう。 まとめ・脳梗塞の遺伝的要因と後天的要因のリスク回避に食事療法を! 脳梗塞は食事療法を行うことで、予防できることもあります。 今回の記事でご紹介した、摂るべき食品、控えるべき食品を考えた食生活をすることで、血圧や体重をコントロールし、脳梗塞を再発するリスクを減らし、治療やその他の日常活動の負担を軽減できます。 より健康的な食事を摂るためにも、困った点があれば、栄養士に相談するのも大切です。 今回の記事をご参考にしていただき、ぜひ改善に取り組んでみましょう。ご参考になれば幸いです。 ※脳梗塞の後遺症でお悩みなら、再生医療と呼ばれる先端治療法があります。 再生医療は、多くの症例数を有する当院までお問い合わせください。 ▼以下も合わせてご覧ください 脳梗塞患者の家族が、看護で注意すべきポイントとは
2022.12.14 -
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脳梗塞の後遺症を改善するリハビリの方法と期間の目安とは 脳梗塞の後遺症で次のような悩みを抱えている方はいませんか? 「脳梗塞の後遺症を改善する方法について知りたい。」 「脳梗塞のリハビリについて具体的な方法を知りたい。」 脳梗塞を発症後、適切な治療を受けても後遺症が残ることがほとんどです。脳梗塞の後遺症を改善し、元の日常生活に戻るためにも、長期間のリハビリが欠かせません。 そこで今回は、脳梗塞の後遺症や改善する方法、脳梗塞のリハビリについて具体的に説明いたしますので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞の後遺症を改善するために! 脳梗塞には、さまざまな後遺症や合併症があり、治療後、回復の仕方もさまざまです。 脳梗塞の改善に向けたリハビリは、自立生活に必要な身体の状態や動作などなを取り戻し、生活の質を向上させるのに役立ちます。脳梗塞の影響を受けた脳の部分に応じて、さまざまなリハビリを行わねばなりません。 脳梗塞の後遺症の改善には、多くの専門家が関わります 以下のように脳梗塞の後遺症を改善させるためにはリハビリを含めて医療機関のさまざまな職種の専門家が関与します。 医師や看護師 かかりつけの医師は、神経科医や理学療法とリハビリテーションの専門家と同様に、あなたのケアを指導し、合併症の予防に役立ちます。 理学療法士 ウォーキングやバランスの維持などの動きを再学習するのに役立ちます。 作業療法士 着替え、入浴、家事のスキルなどのより自立した活動的な生活を送るのをリハビリを通して助けます。 改善に向けてさらに感情的、社会的なリハビリに焦点を当てた専門職もあります。 ソーシャルワーカー ソーシャルワーカーは、医療、福祉、介護などにおいて、相談員として支援を行い、日常生活を送る上で、困り事や問題を抱えている方に対して援助や支援の調整を行います。 心理学者 これらの専門家は、あなたの思考スキルを評価し、あなたの精神的および感情的な精神衛生上の懸念に対処するのに役立ちます。 脳梗塞の改善結果に影響を与える要因は? 脳梗塞の改善には個人差があります。 どれほどの能力を多く改善させられるか、また期間的にどれくらい早く改善できるかを予測するのは困難です。一般的に、脳梗塞の改善に向けたリハビリの成功には次のような要素に依存します。 身体的要因 脳梗塞の重症度など 感情的要因 モチベーションや気分など 社会的要因 友人や家族のサポートなど 治療上の要因 リハビリの早期開始や有無やリハビリチームのスキルなど 改善率は一般に、脳梗塞後の数週間から数ヶ月で最も大きくなります。脳梗塞後の改善に向けたリハビリは、長期間にわたって必要であり、途中で挫折してしまうことにないよう、改善に向けたリハビリで最大の効果を得るためには長時間かかることを理解しておくべきです。 脳梗塞後のリハビリ、具体的な方法と期間の目安 脳梗塞を改善させるために行うリハビリは計画的に行わねばなりません。その方法は、脳梗塞の影響を受けた体の部位や能力の種類によって異なり、主に以下の3つの時期に分けられます。 ①急性期のリハビリ ②回復期のリハビリ ③維持期のリハビリ ①急性期のリハビリ : 脳梗塞発症後〜 48 時間以内 ・急性期のリハビリとしては、運動機能の改善などが含まれます。 運動機能の回復訓練 全身の筋力と協調運動を改善するのに役立ちます。これらには、バランス、歩行、さらには飲み込むために使用される筋肉が含まれます。 歩行器、杖、車椅子、足首装具などの移動補助具の使い方を学んだり、ベッドから立つ、座るなどの離床訓練も必要です。 関節の可動域訓練 特定の運動や治療は、筋肉の緊張(痙縮)を緩和し、可動域を取り戻すのに役立ちます。看護師や理学療法士が行う他動的運動と自分で動かす自動運動に分けられます。 ②回復期のリハビリ : 3〜6 ヶ月 ・回復期では、日常生活に戻ることを目的とし、主に以下のようなリハビリを行います。 機能的電気刺激 弱った筋肉に電気を流して収縮させることで、筋肉に運動の仕方を再学習させることができます。 ロボット訓練 ロボット装置は、障害のある手足が反復運動を行うのを支援し、手足の強さと機能を回復するのを助けます。 言語機能訓練 失語症などの後遺症が残ったら、読み書きや言葉の言語機能の訓練を行います。 作業療法 作業療法と言語療法は、記憶、処理、問題解決、社会的スキル、判断力、安全意識などの認知能力の喪失を手助けすることができます。 心理的評価と治療 脳梗塞後の後遺症として心理的なケアも大切です。カウンセリングを受けたり、支援グループに参加したりすることもできます。 ③維持期のリハビリ : 回復期以降 ・維持期では退院後に主に日常生活を取り戻すためにストレッチなどの軽めの運動から始めます。 退院前に、患者さんとその家族は、病院のソーシャルワーカーやケアチームと協力して、最適なリハビリ環境を決定する必要があります。 ここで考慮すべき要因には、適用される保険、患者さんとその家族にとって何が最も便利かなどがあります。 病院の外来 病院または診療所の外来に通います。 専門的な介護施設 介護施設で受けられるケアの種類はさまざまです。 自宅でのリハビリ 自宅でリハビリを行うことで、柔軟性が高くなります。ただし、専門のリハビリ機器を利用できない可能性があります。また、在宅プログラムの保険適用範囲は大きく異なります。 最良の選択肢について、医師や家族としっかりと話し合うことが大切です。 脳梗塞の後遺症を改善するため、リハビリで気をつけるべきポイントとは? 脳梗塞の後遺症を改善するためにリハビリが有効ですが、気をつけるべきポイントについてみておきましょう。 残された能力も同時に鍛えながらリハビリを行うこと 失われた機能を取り戻すことに執着しがちですが、健常な機能を維持することも大切です。 例えば、片麻痺で健常な方を鍛えることで、後遺症を残した部位のサポートを行うことが可能です。バランスよくリハビリを行うことを心がけましょう。 リハビリは無理をせずじっくり行うこと リハビリはすぐに効果が出るわけではないため、焦らないことが大切です。 また、痛みが出たら、リハビリは中止しましょう。無理にリハビリを行うと逆効果になってしまいます。 脳梗塞の後遺症を改善するリハビリ、よくあるQ&A 最後に、よくある質問について Q & A でまとめましたので、参考にしてください。 Q ,脳梗塞のリハビリはいつから始めるべき? A ,一般的には、脳梗塞のリハビリを開始するのが早ければ早いほど、失われた能力やスキルを取り戻せる可能性が高くなります。 脳梗塞のリハビリは、脳梗塞発症後 24 時間から 48 時間以内の入院中に開始するのが一般的です。 Q ,脳梗塞のリハビリはどのくらい続けますか? A ,脳梗塞リハビリが必要な期間は、脳梗塞の重症度と関連する合併症によって異なります。ほとんどの場合、長期間にわたるリハビリが必要であり、数か月または数年続く可能性があります。 まとめ・脳梗塞の後遺症を改善するリハビリの方法と期間の目安が知りたい いかがでしたでしょうか。 脳梗塞の後遺症は、適切な治療とリハビリを行って改善を目指すことができます。その為には、退院後の日常生活でも継続的なケアが必要になってまいります。 今回の記事では、実際のリハビリの方法や気をつけるべき点について解説してきました。脳梗塞から早く仕事復帰するためには、入院期間中早い段階からのリハビリを適切に行うことが不可欠です。 今回の記事で、改めてリハビリについて理解を深めて頂き、活用してみてください。 ▼以下も参考にされませんか 20代、30代の若年性脳梗塞について|要注意「まだ若いから」と油断は禁物!
2022.12.09