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「水中世界を楽しみたいけれど、ダイビング後の体調不良が心配……」 「高地登山は魅力的だけど、体調が悪くなったらどのように対処したら良いの?」 ダイビングや登山などのレジャーに伴う体調変化について、不安や疑問を感じている方もいるでしょう。 減圧症は、潜水や高地登山などで急激な気圧変化が起きた際に発症する場合があり、放置すると深刻な後遺症を残すケースも珍しくありません。 本記事では、減圧症を発症する仕組みや症状について解説します。誰にでもできる予防法も紹介するので、正しい知識を身につけ、安心してアウトドアを楽しみましょう。 減圧症とは?発症する仕組み 減圧症とは、周囲の気圧が急激に低下する環境において、体内に吸収されていた窒素などの不活性ガスが気泡となり、体内組織や血管内で問題を引き起こす現象です。 急激な気圧変化が起こる状況としてよく挙げられるのは、スキューバダイビングや急激に18,000ft(約5,500m)以上まで上昇する高地登山などです。 私たちの体は呼吸を通じて空気中の窒素ガスを取り込みますが、気圧や水圧が高い場所では、通常よりも多くの窒素ガスが血液や体組織に溶け込みます。 急激に気圧や水圧が低い場所へ移動すると、体内に溶け込んでいた窒素を気体の状態に戻し、気泡を発生させる原因へとつながります。 気圧変化によって発生した気泡は、血管を塞いだり神経を圧迫したりするため、しびれやめまいなどの症状を引き起こすケースも少なくありません。 気圧変化の大きいスキューバダイビングや高地登山をする際には、適切な知識と慎重な行動が求められます。減圧症を予防できるよう、発症のメカニズムを理解しておきましょう。 減圧症の症状と分類をわかりやすく解説 軽度の減圧症で発症する症状は、以下のとおりです。 関節や筋肉の痛み 皮膚の湿疹やかゆみ 疲労感 吐き気や頭痛 注意力散漫 ただし、減圧症は症状の現れ方や重症度によってⅠ型とⅡ型に分類されます。重症度で影響を受ける部位や対処法が異なるため、症状の特徴を理解するのが重要です。 ここでは「Ⅰ型減圧症」と「Ⅱ型減圧症」について、具体的な症状を交えながら詳しくみていきましょう。 減圧症の症状については、こちらの記事も参考にしてください。 Ⅰ型減圧症 Ⅰ型減圧症は比較的軽度の症状が中心で、主に筋肉や関節、皮膚およびリンパ管に異常が現れます。典型的な症状は、以下のとおりです。 関節の痛みや筋肉痛 かゆみ 皮膚の斑点や発疹 腕のむくみ 胸部や腹部の腫れ 極度の疲労 Ⅰ型減圧症の場合、腕や脚の関節・背中・筋肉に痛みを感じます。痛みが出る部位をはっきりと特定できないケースも珍しくありません。 初期段階での痛みは軽く断続的ですが、徐々に強く感じるようになり、動かすと悪化します。また、リンパ系が影響を受けると、腕や脚の腫れが見られるケースがあるのも事実です。 Ⅰ型は一見すると疲労や打撲に似た軽い違和感から始まるため、見逃されやすい傾向がありますが、早期に発見すれば大きな後遺症は残りません。 症状が軽度であっても放置せず、潜水・登山歴や行動内容と照らし合わせて慎重に評価する必要があります。 Ⅱ型減圧症 Ⅱ型減圧症はⅠ型よりも重篤で、神経系や呼吸器系、循環器系に深刻な影響を及ぼす可能性がある危険な状態です。具体的な症状は以下のとおりです。 めまい ろれつが回らない 手足のしびれや麻痺 視覚障害 聴覚障害 記憶障害 胸の痛みや咳と 不整脈 ショック状態 上記をはじめとするII型減圧症の症状は、脊髄や脳、心臓、肺などの重要な器官の血管が気泡によって閉塞したり、組織が圧迫されたりすると引き起こされます。 また、減圧症の長期的な影響として、減圧性骨壊死という骨の障害を引き起こすケースもあります。骨障害は、肩関節や股関節に起こる症例が多いのも事実です。なかでも、大腿骨頭壊死が起こると歩行障害などの影響が出るだけでなく、重症な場合には手術が必要となるケースも珍しくありません。 Ⅱ型減圧症は、迅速かつ専門的な治療を必要とする病気です。後遺症が出るリスクもあるため、疑わしい場合は直ちに医療機関を受診しましょう。 減圧症の治し方 減圧症を発症した場合、体内で生じた気泡を縮小させ、組織への酸素供給を改善する治療が基本です。症状の重症度や種類に応じて治療法は異なりますが、主に専門的な医療機関での処置が必要です。 ここでは、減圧症の代表的な治療法である「高気圧酸素療法」と「再圧治療」について、特徴と効果を詳しく解説します。 減圧症の応急処置や治療方法については、こちらの記事も参考にしてください。 また、後遺症でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。 高気圧酸素療法 高気圧酸素療法は、患者様を「高気圧酸素治療装置(チャンパー)」と呼ばれる装置内に入れ、大気圧よりも高い気圧環境下で高濃度の酸素を吸入させる治療方法です。 高い気圧によって、体内の気泡は物理的に圧縮され小さくなります。また、高濃度の酸素を吸入すると血液中に溶け込む酸素量が増加し、気泡によって酸素不足に陥った組織への酸素供給を促進します。 高気圧酸素療法は、Ⅰ型減圧症からⅡ型減圧症まで、幅広い症状に対して有効性が認められており、多くの医療機関で採用されている治療方法です。治療は早期に実施するほど効果が高く、神経症状の改善や回復時間の短縮が期待できるでしょう。 再圧治療 再圧治療は、とくに重症なⅡ型減圧症や高気圧酸素療法だけでは十分な改善が見られない場合に選択される、より強力な治療方法です。 症状が消失するか大幅に軽減する気圧を「再圧チャンパー」と呼ばれる治療装置内で再現し、ゆっくりとした速度で慎重に減圧していきます。徐々に減圧すると、体内に残る気泡を確実に縮小させ、再度溶解させる効果が期待できます。 再圧治療を実施できる施設は限られていますが、重篤な神経症状や意識障害を伴うケースでは、救命や後遺症軽減のために重要な治療方法です。 減圧症の予防ポイント6つ 減圧症は正しい知識と行動で十分に予防できる疾患です。とくに、ダイビングや高地登山などの気圧差の大きな環境下では、事前準備と行動の工夫が減圧症発症のリスクを大きく左右します。 ここでは、減圧症を予防するためのポイントを6つに分けて解説するので、ダイビングや登山の予定がある方はぜひチェックしてください。 ①潜水前の注意 潜水前には体調を整え、十分な睡眠を取るのが大切です。前日はアルコールを控え、疲労を残さないように注意してください。 風邪や鼻づまりがあると、周囲の水圧と体の圧力を同じに保つための耳ぬきをはじめとする圧平衡(あつへいこう)が上手くできず、気圧変化の影響を強く受けるため、無理な潜水は避けることをおすすめします。 また、以下のリスクがある方は、医師に事前に潜水をして良いか、確認しましょう。 卵円孔開存(らんえんこうかいぞん)や心房中隔欠損などの心臓の病気 疲労 肥満 高齢 経験やスキルレベルに見合った無理のない深度や潜水時間で潜水を計画するのが大切です。 ②潜水時の注意 急激な深さへの潜水や長時間の潜水は避け、適切な休憩を取りましょう。 潜水中はゆっくりとした下降と浮上を心がけ、急激な圧力変化を防ぐのが重要です。浮上する際は、ダイビングの種類によって1分間に9~18メートルを最大浮上速度とします。さらに、水深3~4m地点で3~5分間の安全停止時間を設けるのも、水圧の平衡を保つために推奨されています。 深く長く潜るほどリスクは高まるため、無理のない計画が必要です。体調に異変を感じたら、無理せず速やかに安全な方法で潜水を中止し、バディやインストラクターに知らせてください。 ③潜水後の注意 潜水直後は激しい運動や高所への移動を避け、身体を休ませる時間を確保します。 潜水回数や深度によって異なりますが、潜水後12〜24時間以内に飛行機に乗ると、減圧症のリスクが高まるといわれています。潜水後、飛行機に乗る予定がある場合は、12〜24時間ほど海抜0mの場所にとどまり、一定期間の休息が取れるようにしましょう。 潜水後は体調変化に十分注意を払い、万が一、関節痛や皮膚のかゆみ、しびれ、めまいなどの減圧症を疑う症状が現れた場合は、速やかに専門の医療機関に相談してください。 ④高地登山の適切な計画 登山前には、適切な標高への適応期間を確保し、急激な標高の変化を避けるよう計画しましょう。 登山中に急激な標高の変化があると、大気中の酸素濃度が減少し、減圧症が引き起こされるケースがあります。急激に標高を上げるのではなく、数日かけて徐々に体を高地の気圧に慣らしましょう。 登山中も、常にゆっくりとしたペースを心がけ、呼吸が乱れないように注意しましょう。十分な睡眠と休息も、高所での体調管理には欠かせません。 万が一、頭痛や吐き気、めまい、息切れなどの高山病の初期症状や、減圧症を疑う症状が現れた場合は、無理をせず直ちに下山を開始するのも重要な対処法です。 ⑤十分な水分摂取 十分な水分摂取は、体内の水分バランスを整えるだけでなく、減圧症の予防において重要です。 脱水状態に陥ると、血液のねばり気が高まります。血液がドロドロになると血流が悪化し、体内に溶け込んだ窒素ガスが気泡となった際に体外へ排出されにくくなったり、血管内で詰まりやすくなったりする減圧症のリスクが高まります。 活動中だけでなく、活動前後も意識的に水分を摂取するのが大切です。とくに、活動中はこまめに水分補給を行い、喉の渇きを感じる前に飲むように心がけましょう。 摂取する飲み物は、水やスポーツドリンクがおすすめです。アルコールやカフェインを多く含む飲料は利尿作用があり、かえって脱水を引き起こす可能性があるため、控えるようにしてください。 ⑥専門家のアドバイスを仰ぐ 潜水や高地登山などの活動前には、専門の医師や指導者・ガイドなどに相談し、適切なアドバイスを受けましょう。個人の体調や経験値に応じたアドバイスを受けられるため、より確実な予防が可能です。 以下の条件に当てはまる方は、潜水や高地登山前に潜水医学や高山医学に詳しい医師の診察を受けるのをおすすめします。 健康状態に不安がある方 循環器系や呼吸器系に持病がある方 過去に減圧症を発症した経験がある方 また、経験豊富な指導者やガイドは、個々のスキルレベルや経験に応じた安全な計画と、現地状況や特有のリスクに関する情報を提供してくれます。 自己判断に頼らず、専門家のアドバイスを受ける行動が重要です。 まとめ|減圧症の予防ポイントを押さえて安全なダイビング・登山をしよう 減圧症は、体内に溶け込んだ窒素が急激な気圧変化で気泡化することで起こる病気です。 Ⅰ型は関節痛や皮膚の異常など比較的軽度な症状が多く、Ⅱ型は神経や呼吸器に深刻な影響を及ぼします。治療には高気圧酸素療法や再圧治療が用いられますが、いずれも早期対応が重要です。 減圧症予防には、活動前後の体調管理や水分補給、安全な活動計画などを徹底しましょう。 しかし、適切な予防法を心がけても、減圧症による脊髄障害や脳障害によって麻痺などの症状が残ってしまう場合もあります。 減圧症による脊髄損傷に対しては、リハビリテーションやステロイドなどの薬物治療が一般的ですが、根本的な治療方法はありませんでした。 当院では、幹細胞治療として、ご自身の脂肪から培養した脂肪由来間葉系幹細胞治療を行っています。 減圧症などで脊髄損傷を起こしてしまった方で、再生医療にご興味のある方は、ぜひ1度当院までご相談ください。
2024.01.17 -
- 脊椎
- 胸椎椎間板ヘルニア
「背中が痛い」「胸が痛む」などの症状でお悩みの場合、実は「胸椎椎間板ヘルニア(きょうついついかんばん)」の可能性があるのはご存知でしょうか。 胸椎椎間板ヘルニアは、老化が原因の1つだと考えられています。 他の椎間板ヘルニアと比べて発症する確率は少ない珍しい疾患ではあります。 しかし痛みを放置すると「足が動かない」「尿や便が出なくなる」など、重大な問題が発生する疾患でもあります。 本記事では、胸椎椎間板ヘルニアとは、どのような疾患なのか、予防策や治療法などを解説します。 背中や胸の痛みが気になる方、最近になって足に力が入らない、しびれがあるなどで歩きにくさを感じている方はぜひ参考にしてください。 胸椎椎間板ヘルニアとは 胸椎椎間板ヘルニアとは、老化や強い衝撃を受けて脊椎の胸部にある椎間板が飛び出た状態を指した症状です。椎間板とは、脊椎と脊椎の間にあるクッションのような組織であり、飛び出ると周囲の神経や脊髄を圧迫して脱力感やしびれなどの症状が出ます。 胸椎椎間板ヘルニアが発症する年齢は40~50歳、かつ男性が多い傾向にあります。 胸椎椎間板ヘルニアは「椎間板ヘルニア」の中でも起こりにくい疾患です。 胸椎は肋骨とつながっており安定しているため、椎間板ヘルニアになりにくいと考えられています。 痛みの原因 胸椎椎間板ヘルニアで痛みを感じる原因は、以下の要因が考えられます。 老化 過度なスポーツ 肉体労働 長時間の運転 など どれも姿勢の悪さや背中の筋肉、背骨に問題が生じると胸椎椎間板ヘルニアが発症します。 そもそも胸椎とは「胸」とあるので胸部をイメージする方が多いのですが、実は背骨の一部分が胸椎です。 背骨は首から腰まで合計24個あり、胸部分にある8本の骨が胸椎です。 多くの患者様が外傷は見られないため、背中を押すと痛みを感じたり、太ももやふくらはぎが痛み出したりします。 痛みを放置すると歩行障害や重症化の恐れがあるため、早期の発見と治療が大切です。 「胸椎の痛みかわからないけれど、これって胸椎椎間板ヘルニアなの?」と少しでも気になる点がある方は、当院へ気軽にご連絡ください。 診断方法 胸椎椎間板ヘルニアを診断するにはMRI検査が有効です。 レントゲン検査ではとくに異常が目立たなくても、MRI検査を行えば椎間板ヘルニアの有無や脊髄の圧迫具合などが確認できます。 また、手術を行う場合には、CT検査などを行うケースもあります。 症状を具体的に把握し、適切な診断を受けるためにも、まずはMRI検査を行うのがおすすめです。 以下の記事では、現役医師の立場からMRI検査が必要な理由をまとめているので、あわせてご覧ください。 胸椎椎間板ヘルニアの予防策や治療法 ここからは胸椎椎間板ヘルニアで感じる痛みを避けたい方に向け、予防策を解説します。 胸椎椎間板ヘルニアの進行度によって異なる治療法についても紹介していきます。 安静にしておくのが無難 胸椎椎間板ヘルニアを予防するために、痛みを感じてもストレッチせず安静にしておくのが無難です。 自宅でできる予防法はなく、自己判断でストレッチを実施すると、炎症の悪化や骨折するリスクが高まるからです。 胸椎に痛みがあり、整骨院で施術をしたいと考える方もいるかも知れません。 しかし胸椎椎間板ヘルニアは、進行度によって治療法が異なるため、MRI検査で適切な診断を行う必要があるのです。 歩行障害が進行している場合、手術せず放置すると歩けなくなる事態まで発展する恐れがあります。 適切な診断が終わるまでは、自己判断で胸椎の痛みを改善しようとせず、安静にしておきましょう。 予防におすすめのストレッチ法 現役医師の立場から胸椎椎間板ヘルニアの予防が期待できるストレッチを紹介します。 今回は横になった状態でできるストレッチをお伝えします。 胸椎椎間板ヘルニアに罹患していると猫背になりやすいので、以下のストレッチを実施してみてください。 左側が下になるよう両膝を抱える(背筋を伸びているかを意識する) 両肘を胸の前でまっすぐ伸ばし両手を合わせる 右手で頭上を通りながら半円を描くイメージで動かす 3の動きに合わせて頭も動かす 水平に後ろまで動かした手の動きを5回繰り返す 反対側(左側)も同様の動きを5回繰り返す 胸椎椎間板ヘルニアの痛みを悪化させないためにも、痛みがない程度にゆっくりストレッチを行いましょう。 以下の記事では、今回紹介したストレッチ以外の予防策をまとめています。 胸椎椎間板ヘルニアの治し方や、より詳しいストレッチ法が気になる方は、ぜひご一読ください。 胸椎椎間板ヘルニアの治療法 胸椎椎間板ヘルニアの治療法は、大きく分けると「保存療法」と「手術療法」の2つがあります。 進行度によって異なる治療法の違いは、以下の通りです。 症状の程度 治療内容 保存療法 比較的軽度 膝の筋肉低下や排尿障害がない場合適用 コルセットや内服薬 手術療法 痛みが進行している 歩行障害やしびれがある場合適用 背骨の一部を除去 以下の記事では、胸椎椎間板ヘルニアの治療後に実施するリハビリ内容を解説しているので、あわせてご一読ください。 なお、現在は胸椎椎間板ヘルニアが進行していても、手術なしで治療できる時代になっています。 胸椎椎間板ヘルニアの代表的な症状 ここからは胸椎椎間板ヘルニアの症状について解説します。 自身に当てはまる症状があれば医師に相談するようにしましょう。 背中や胸の痛み 胸椎椎間板ヘルニアが発症したときの代表的な症状が背中や胸の痛みです。 しかし、ヘルニアが発生する部位によって圧迫される神経やダメージを受ける神経が異なるため、痛みやしびれを感じる部位も異なります。 また、胸椎椎間板ヘルニアが肋間神経を圧迫すると「肋間神経痛」の痛みが現れるので注意してください。 肋間神経は背中から胸に向けて走っているため、背部痛や胸痛、わきの下あたりの痛みやしびれなどを引き起こします。 肋間神経痛の痛みは、ぴりぴりと焼けつくような感覚であったり、鈍い痛みとして感じる症例が大半です。 肋間神経痛による胸の痛みは、心臓が原因の胸痛と間違えられる場合があります。 しかし、胸椎椎間板ヘルニアによる胸の痛みは、体の動きや姿勢の変化により変動するため、多くのケースで心臓が原因の胸痛と区別できます。 以下の記事では胸椎椎間板ヘルニアの症状を、より詳しく解説しているのであわせてご覧ください。 その他の症状 胸椎椎間板ヘルニアが発症すると、背中や胸の痛み以外にも、以下の症状が伴う可能性があります。 太ももやふくらはぎの痛み、しびれ、脱力感 歩行障害(ふらつきや足のもつれ) 膀胱直腸障害 排便障害 など とくに太ももやふくらはぎの痛みは、胸椎椎間板ヘルニアの初期症状として認められるケースが大半です。 痛みを放置すると急激に足が動かしにくくなり、歩行障害につながる恐れがあります。 歩くときに足がもつれ、階段を昇り降りで手すりを持つようになった方は、胸椎椎間板ヘルニアの可能性があるため注意しましょう。 また、胸椎椎間板ヘルニアを発症すると、力をこめて便や尿を出そうとしても出せない状態(膀胱直腸障害)になる場合もあります。 胸椎の背中側にある脊髄は、便や尿を出す自律神経をコントロールする神経が走っています。 胸椎椎間板ヘルニアによって神経が圧迫されると、突然便や尿が出ない症状が起こるのです。 胸椎椎間板ヘルニアと神経痛の違いについては、以下の記事で詳しくまとめているので、ぜひご一読ください。 まとめ・胸椎椎間板ヘルニアで背中や胸が痛みを感じたなら早めの受診を! 胸椎椎間板ヘルニアは40~50歳の方に多く発症する疾患です。 代表的な症状として背中の痛みや胸の痛みがあげられ、肋間神経痛による焼けつくような痛みや鈍痛も認めています。 初期症状としては下肢のしびれや痛みなどがあり、薬物治療やリハビリなどでは歩きにくさを改善できません。 歩きにくさを感じている方は、手術療法を検討してください。 手術には神経麻痺や手術後の痛み、しびれなど術後後遺症の恐れもありますが、放置すると病状が進行して歩けなくなる可能性があります。 少しでも胸椎椎間板ヘルニアを疑う症状に気づいた方は、速やかに専門の医療機関で受診するようにしましょう。
2024.01.04 -
- 脊椎
- 胸椎椎間板ヘルニア
「ヘルニアに効果的な筋トレはある?」「ヘルニアは筋トレをしないほうがいい?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。 ヘルニアと診断されると、運動や筋トレを控えるべきか不安になる方も多いかもしれません。 結論からいえば、適切な筋トレを行うことでヘルニアの症状の改善・緩和が期待できます。 この記事では、ヘルニアの負担を軽減する筋トレメニューや、筋トレを行うときの注意点を解説します。 記事を最後まで読めば、ヘルニアに効果的な筋トレ方法が分かり、症状の緩和・改善を目指せるでしょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による治療も行っております。ヘルニアの辛い症状でお悩みの方は、お気軽に「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。 【目的別】ヘルニアの改善に効果的な筋トレメニュー 筋トレを行う際には、自分の目的にあったメニュー選びが重要です。ヘルニア改善に役立つ筋トレメニューは以下の通りです。 種類 効果 負担の大きさ おすすめの運動 体幹トレーニング 腰を支える筋力を強化し、負担を軽減 低い ドローイン プランク バードドッグ 下半身トレーニング 下半身を鍛えて腰の負担を分散 中程度 ヒップリフト レッグプレス ウォールシット 本章を参考に、自分に必要な筋トレメニューを取り入れてみましょう。 体幹を安定させる筋トレメニュー ヘルニアの症状を軽減するには、体幹を鍛えることが重要です。 体幹を鍛える具体的な筋トレメニューの一例は以下のとおりです。 トレーニング名 やり方 ポイント ドローイン 仰向けで膝を立て、深く息を吸ったあと、息を吐いてお腹をへこませてキープ 1回5秒キープし10回繰り返す プランク うつ伏せで肘をつき、体を一直線にキープ 20〜30秒キープを目安に実施 バードドッグ 四つん這いの状態で対角の手足を伸ばす 片側10回ずつゆっくり行う これらの運動は、腰に大きな負担をかけずに体幹を鍛えられるため、ヘルニアの改善に適しています。 最初は短時間から始め、徐々に時間を延ばしていくと良いでしょう。 下半身を強化する筋トレメニュー 下半身の筋力を強化すると、腰への負担を分散できるため、ヘルニアの痛みを軽減しやすくなります。 とくに、太ももやお尻の筋肉を鍛える運動が効果的です。 下半身トレーニングメニューの一例は以下のとおりです。 トレーニング名 やり方 ポイント ヒップリフト 仰向けで膝を立て、お尻を持ち上げる お尻を締めながらゆっくり上げ下げ レッグプレス ジムのマシンを使い、足でプレートを押す 負荷は軽めで、ゆっくり押し戻す ウォールシット 壁にもたれながら膝を90度に曲げ静止 20〜30秒キープし3セット実施 これらの運動は、スクワットのように腰に大きな負担をかけず、効率よく筋力を鍛えられます。 無理のない範囲で継続し、ヘルニアの痛みを和らげる習慣を作りましょう。 ヘルニアの症状は筋トレで緩和できる可能性がある 適切なトレーニングによって筋力を強化すれば、椎間板への負担を軽減し、ヘルニアの症状を改善できる可能性があります。 また、血行促進により、ヘルニアの症状の回復を促す効果も期待できます。 ただし、過度な負荷は症状を悪化させる可能性もあるため、やり方に注意しましょう。 本章では、筋トレによるヘルニアの症状改善の効果について解説します。 筋力の強化で椎間板への負担軽減が期待できる ヘルニアの症状を和らげるためには、腰を支える筋肉を鍛えることが重要です。 腹筋や背筋の強化によって、椎間板への負担を分散させ、痛みの軽減が期待できます。 ヘルニアの症状改善を目指して筋トレをする場合は、腰に過度な負担をかけず体幹や下半身を鍛えられるメニューを取り入れましょう。 また、最初は軽めの負荷から始めるなど、正しい筋トレを習慣化し、椎間板への負担を減らすことが大切です。 血流が良くなりヘルニアの回復が促進される 筋トレを行うと、血流が良くなりヘルニアの回復を助ける効果が期待できます。 血流が滞ると、筋肉が硬くなり、腰への負担が増えヘルニアが悪化する場合があります。 運動によって血流が改善されると、酸素や栄養が筋肉に行き渡りやすくなり、炎症の鎮静や組織の回復促進が期待できるでしょう。 ウォーキングやストレッチ、ヨガなど、血流を良くしながら無理なく筋力を鍛えられるトレーニングがおすすめです。 こうした運動は関節や筋肉に負担をかけにくく、継続しやすいというメリットもあります。 過度な負荷は症状を悪化させる可能性も 筋トレはヘルニアの症状を和らげる効果が期待できますが、過度な負荷をかけると逆効果になります。 とくに、重い負荷をかける筋トレや誤ったフォームでのトレーニングは、椎間板に余計な圧力をかけ、症状を悪化させる原因になります。 たとえば、バーベルを使ったスクワットやデッドリフトは、腰に大きな負担がかかるため注意が必要です。 また、反動をつけた腹筋運動や、腰を大きく反らす動作も、椎間板を圧迫しやすく、痛みを悪化させる可能性があります。 トレーニングを行う際は、まず低負荷のメニューから始め、体の状態を確認しながら徐々に強度を上げるのが理想的です。 痛みを感じたらすぐに中断し、無理なく続けられる範囲でトレーニングを進めましょう。 ヘルニアで筋トレを行うときの注意点 ヘルニアを抱えている場合、筋トレのやり方には十分な注意が必要です。 間違ったフォームや過度な負荷は、症状を悪化させる原因になります。 高負荷なスクワットやデッドリフト 腹筋運動(上体起こし) 腰を強く反らす運動 ここでは、避けるべきトレーニングとその理由について解説します。 高負荷なスクワットやデッドリフトは正しいフォームを意識する スクワットやデッドリフトは全身を鍛える効果がある一方で、腰に大きな負担をかけるため注意が必要です。 ヘルニアの症状がある場合、無理な動作が炎症を悪化させる可能性があります。 とくに、重いバーベルを使用するスクワットやデッドリフトは、腰椎への圧力が強く、ヘルニアの症状を悪化させる原因になります。 これらの動作を行う際は、軽い負荷で正しいフォームの意識が大切です。 腰をしっかり支えられない場合は、マシンを使ったレッグプレスなどの代替運動を選ぶのが良いでしょう。 腹筋運動(上体起こし)は避ける 腹筋を鍛えるのは大切ですが、クランチやシットアップなどの状態起こしの動作は、腰への負担が大きいため注意が必要です。 とくに、勢いをつけた腹筋運動はNGです。 腰椎に強い圧力がかかり、痛みや炎症を引き起こす原因になります。 代わりに、ドローインやプランクといった体幹を安定させるトレーニングを取り入れると、安全に腹筋を強化できます。 腹筋を鍛えたい場合は、腰に負担をかけない方法を選び、無理のない範囲で継続しましょう。 腰を強く反らす運動は無理に続けない 腰を大きく反らす動作は、椎間板に過度な圧力をかけるため、ヘルニアの悪化につながる可能性があります。 とくに、ブリッジやバックエクステンションなどの運動は注意が必要です。 腰を反らしすぎると、椎間板が圧迫されて神経を刺激し、痛みが強くなる場合があります。 代わりに、軽いストレッチや腰に優しい体幹トレーニングを取り入れると良いでしょう。 痛みを感じた場合はすぐに運動を中止し、無理に続けないことが大切です。 ヘルニアの再発を防ぐための3つの対策 ヘルニアは症状が落ち着いても、再発のリスクは残ります。(文献1) 再発を防ぐためには、日常生活での姿勢や負担のかかり方に注意し、適切な筋トレやストレッチを取り入れることが大切です。 本章では、ヘルニアの再発を防ぐための具体的な対策を3つ紹介します。 普段から姿勢や腰への負荷に注意する 無理のない範囲で筋トレを習慣化する ストレッチで柔軟性もUPする それぞれ詳しく解説するので、参考にしてください。 普段から姿勢や腰への負荷に注意する ヘルニアの再発を防ぐには、普段から姿勢を意識しておくのも重要です。 猫背や反り腰などの悪い姿勢は、腰に過度な負担をかけ、再発の原因になります。 たとえば、デスクワーク中は背筋を伸ばし、椅子の背もたれを活用するなどの意識付けが大切です。 また、長時間同じ姿勢を続けると筋肉が硬くなるため、1時間に1回は立ち上がり、軽いストレッチを行うと良いでしょう。 また、重いものを持つときは、膝を使い、腰に負担をかけないよう注意してください。 ヘルニアの再発を防ぐポイントについては、以下の記事も参考にしていただければ幸いです。 無理のない範囲で筋トレを習慣化する 適度な筋トレを続けることで、腰を支える筋肉を強化し、ヘルニアの再発リスクの軽減に期待できます。(文献2) ただし、無理な負荷をかけると逆効果になるため、自分に合ったメニュー選びが大切です。 おすすめは、体幹を鍛えるプランクやバードドッグです。 これらのトレーニングは、腰に負担をかけずに筋力を高められるため、初心者でも取り組みやすいでしょう。 また、下半身を鍛えるヒップリフトも、腰への負担を減らす効果が期待できます。 大切なのは、無理なく続けることです。週に数回、短時間でも良いので、習慣化する意識を持ちましょう。 ストレッチで柔軟性もUPする 筋肉の柔軟性が低下すると、腰への負担が増え、ヘルニアの再発リスクが高まります。 そこで、日常的にストレッチを取り入れ、筋肉を柔らかく保つことが重要です。 とくにおすすめなのが、ハムストリング(太もも裏)を伸ばすストレッチや、キャット&カウ(四つん這いで背中を丸めたり反らしたりする動作)です。 これらのストレッチは、腰周りの筋肉をほぐし、負担を軽減する効果があります。 筋肉を柔らかくすることで、腰を支える力が向上し、ヘルニアの再発を防ぎやすくなります。 ヘルニアに効果的なストレッチのやり方は、以下の記事を参考にしてみてください。 【関連記事】 胸椎椎間板ヘルニアの痛みに!ストレッチで痛みを和らげる方法 頚椎ヘルニアに効くストレッチ5選!予防ポイントも解説【医師監修】 腰椎椎間板ヘルニアのストレッチ5選!悪化・再発防止になる方法を医師が解説 まとめ|ヘルニアで筋トレする際は無理のない範囲で行おう ヘルニアの症状を緩和し、再発を防ぐには、適切な筋トレやストレッチを取り入れることが大切です。 とくに、体幹や下半身を鍛えると、腰への負担を軽減できます。ただし、誤ったトレーニングは症状を悪化させる原因になります。 無理をせず、正しい方法で筋トレを続けることが重要です。日常生活の姿勢や習慣にも気をつけながら、ヘルニアと上手に付き合っていきましょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による治療も行っております。 ヘルニアの手術後に、後遺症でお悩みの方は、お気軽に「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。 ヘルニアの筋トレに関するよくある質問 ヘルニアで筋トレはいつからできますか? ヘルニアの回復状況によりますが、痛みがなくなり、日常生活に支障がない状態になってから始めるのが理想です。 一定の安静期間を設け、その後、医師やリハビリ専門家と相談しながら再開するのが安心でしょう。 体幹を鍛える軽めの運動から始めると、安全に筋力の回復に期待できます。 痛みが残っているうちに無理をすると、症状が悪化する恐れがあります。 焦らずに、軽いストレッチやウォーキングから始めることを意識しましょう。 ヘルニアでも筋トレマシンは使用できますか? ヘルニアでも適切なマシンを選べば、安全に筋トレを行うことができます。 ただし、腰に負担がかかるマシンは避ける必要があります。 そのため、筋トレを行う際は、負荷を軽めに設定し、正しいフォームを意識することが重要です。 リペアセルクリニックは「再生医療」に特化した再生医療専門クリニックです。 ヘルニアの手術や術後のお悩みがある方は、お気軽に「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。 参考文献 (文献1) 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会「腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021(改訂第3版)」 https://minds.jcqhc.or.jp/common/wp-content/plugins/pdfjs-viewer-shortcode/pdfjs/web/viewer.php?file=https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00645.pdf&dButton=false&pButton=false&oButton=false&sButton=true#zoom=auto&pagemode=none&_wpnonce=3b871a512b最終アクセス:2025年2月19日) (文献2) 伊佐整形外科「腰椎椎間板ヘルニア(リハビリテーション)」 https://www.isaseikei.or.jp/img/disease/kosi/010.pdf (最終アクセス:2025年2月19日)
2023.12.29 -
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この記事を読んでいる方は、背中や胸の痛みが肋間神経痛なのか分からず悩んでいるのではないでしょうか。 肋間神経痛は「背中や胸の痛み」が特徴です。しかし胸椎椎間板ヘルニアの症状と見分けがつきにくく、セルフチェック方法を知りたい方も多いかもしれません。 肋間神経痛のチェックには、背中だけでなく体幹や下半身にも痛みやしびれがないかを確認することが大切です。 肋間神経痛は背中や脇腹、胸の痛みが特徴ですが、胸椎椎間板ヘルニアの場合は太もも・ふくらはぎにも痛みやしびれを感じる場合があります。 本記事では、肋間神経痛および胸椎椎間板ヘルニアの症状について解説し、症状の違いについて解説します。 記事を最後まで読めば、肋間神経痛の原因や症状についての理解を深められるでしょう。 肋間神経痛の原因と症状をチェック! 肋間神経痛とは、胸椎椎間板ヘルニアのような病名ではありません。「肋間神経」という肋骨に沿って走っている神経が、何らかの要因で障害を受けたことで突発的に生じた痛みのことを指します。 痛みは身体の片側に起こることが多く、深呼吸や咳、そして身体の向きや位置を変えたりすることでも強くなることがあります。 帯状疱疹や神経の圧迫により起こることが多い 肋間神経痛の主な原因は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こる「帯状疱疹」です。 水痘・帯状疱疹ウイルスは、肋間神経の神経節という部分に潜んでおり、免疫力の低下によって再活性化し、痛みを引き起こします。帯状疱疹による肋間神経痛は、鋭く激しい痛みが片側の肋骨に沿って現れ、水ぶくれを伴う、赤い発疹もできるのが特徴です。 また、胸椎椎間板ヘルニアや側弯症で脊髄から肋間神経が出る部分が圧迫された場合や、肋骨骨折で肋間神経が妨げられた場合も、肋間神経痛が起こることがあります。 さらに、まれではありますが、肺がんなどの胸の手術時に使用した器具が肋間神経を圧迫し、術後に肋間神経痛として残ることもあります。 肋間神経痛の治療は、原因がある場合にはその病気の治療をしていきます。一方で、特に原因となるような病気がない場合には、肋間神経ブロックという痛み止めの注射を行ったり、鎮痛薬の内服をしたりなどして症状を抑えることとなります。 胸椎椎間板ヘルニアとの違いは「体幹や下半身の異常の有無」 肋間神経痛と胸椎椎間板ヘルニアの違いは「背中や胸だけでなく、体幹・下半身にも症状があるか」です。 肋間神経痛は背中や胸の痛みを指すため、体幹や下半身の痛みやしびれを感じることはありません。 一方、胸椎椎間板ヘルニアでは、背中や胸部の痛みが出るケースもありますが、主な症状は「体幹から下半身にかけての筋力低下や感覚の異常」です。 したがって、肋間神経痛と胸椎椎間板ヘルニアの痛みを見分けるときは、背中や胸以外に違和感があるかをチェックしてみましょう。 【セルフチェック】肋間神経痛・胸椎椎間板ヘルニアの症状一覧 胸椎椎間板ヘルニアと肋間神経痛は、同じように背中や胸部の痛みを引き起こします。 しかし2つの症状には違いもあるため、自分の症状がどちらに近いか以下のチェックリストで確認してみましょう。 《肋間神経痛が疑われる症状・特徴》 □背中から脇腹にかけての鋭い痛みがある □呼吸をすると痛みが強い □姿勢を変えると痛みが強い □胸や背中に帯状の発疹や水ぶくれが見られる(帯状疱疹による症状) □肋骨骨折の既往がある □胸や背中の手術経験がある 《胸椎椎間板ヘルニアが疑われる症状・特徴》 背中の痛みがある(ない場合も) □太ももやふくらはぎのしびれがある □足の脱力感がある □歩くときに足がもつれる □階段を降りるときに不安で手すりを持つ □用を足そうとしてもすぐに尿が出ない、残尿感がある ただし上記はあくまでもセルフチェックに留め、背中や胸の痛みが続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。 肋間神経痛は放置せず、早めの受診を! 肋間神経痛だと思っていても、別の疾患が隠れているケースがあります。 たとえば、以下のような病気が挙げられます。 狭心症・心筋梗塞などの心臓の病気 肺梗塞・気胸などの肺の病気 逆流性食道炎 胃・十二指腸潰瘍 大きな病気を見逃さないためにも、自己判断で終えず、早めに医療機関へ相談することが大切です。 まとめ|自分の痛みを知り、早めの対処を 肋間神経痛は、背中や胸の痛みを指します。胸椎椎間板ヘルニアの症状と見分けるときは、体幹や下半身の痛みがあるかをチェックすることが大切です。 また、症状が続く場合や痛みが強い場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」は、再生医療専門クリニックです。 椎間板ヘルニア術後の脊髄の障害に対しても、脂肪由来間葉系幹細胞治療を行っています。幹細胞治療とは、自分の脂肪から培養した幹細胞を脊髄腔内に注射または点滴投与するものです。 胸や背中の痛みの治療において、再生医療を検討している方はぜひメール相談やオンラインカウンセリングもご活用ください。 また、胸椎椎間板ヘルニアについては以下の記事でさらに詳しく解説しています。あわせてご覧いただければ幸いです。 【関連記事】 胸椎椎間板ヘルニアの症状レベルは?チェックリスト付きで医師が解説 肋間神経痛についてよくある質問 肋間神経痛は何科に行くべきですか? 症状によって異なります。 もし過去に胸や背中にけがをしたことがある場合は整形外科、帯状疱疹のような赤い発疹があれば、皮膚科を受診しましょう。 肋間神経痛のとき、やらない方がいいことはありますか? 体を急激に動かしたり、ストレスが溜まったりすると痛みが強くなる可能性があります。安静にし、体を休めましょう。
2023.12.25 -
- 脊椎
- 胸椎椎間板ヘルニア
胸椎椎間板ヘルニアの症状とはどのような病気? どのような症状があるの? 今の症状がどのようなレベルか知りたい このように思っている方は多いのではないでしょうか? 胸椎椎間板ヘルニアの症状はさまざまで、程度にも振れ幅があります。 さらにほかの疾患とも見分けにくく、発症に気づかないことも。 この記事では胸椎椎間板ヘルニアの症状や特徴、症状レベルやチェックリストを解説します。 同疾患に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。 【予備知識】胸椎椎間板ヘルニア症状の特徴と症状 まず、胸椎椎間板ヘルニアの特徴と症状に関して解説します。 胸椎椎間板ヘルニアとは、胸椎と胸椎(あるいは一番下の胸椎と一番上の腰椎)の間にある「椎間板」が胸椎の後ろに飛び出してしまうことを示します。 腰椎や頚椎の椎間板ヘルニアと比べると、症例が少なく、稀な疾患です。 椎間板は、椎骨が動くときに衝撃を吸収するクッションの役割があります。 体をひねる・前に曲げる・後ろに反るなどの動作ができるのは、一つ一つの椎骨が滑らかに動くから。 ところがヘルニアを発症すると、椎間板の変性により線維輪が壊れて中の髄核が飛び出してしまいます。 特に胸椎椎間板ヘルニアでは、髄核はまっすぐ真後ろに飛び出すことが多いことがわかっています。 飛び出した髄核は、ときに真後ろに走る脊髄を圧迫し、足の痺れや感覚の低下が起こります。 病状が進行すれば歩行障害が起こることも。 なお、腰椎や頚椎では後側方に飛び出したヘルニアが、脊髄から伸びる神経の根本を圧迫して「神経根痛」とされる、「ビリビリッ」とした痛みを起こすことがあります。 一方の胸椎椎間板ヘルニアでは神経根痛が目立ちません。 その原因となる横方向に飛び出すことが多くないからです。 ただし、肋間神経痛(脇腹の痛み)が生じることもあります。 ただし、患者さん全員にすべての症状が起こるわけではありません。 また、特異的な症状はなく、別の病気でも同様の症状が起こることがあります。 胸椎椎間板ヘルニアの症状レベル【チェックリスト付き】 胸椎椎間板ヘルニアの症状には振れ幅があり、程度によって取るべき対応が異なります。 しかし程度を判断できず、適切な対応が取れない場合も。 また胸椎椎間板ヘルニアはほかの病気と見分けにくく、発覚が遅れ、早期に治療できないケースもあります。 そこで今回は、胸椎椎間板ヘルニアの症状レベル一覧と、症状チェックリストを紹介します。 胸椎椎間板ヘルニアの症状レベル 胸椎椎間板ヘルニアの症状レベルは、大まかに初期、中期、後期にわけられます。 各期で生じる症状は以下のとおりです。 症状レベル 具体的な症状 初期 わずかな下半身の痛み わずかな感覚の鈍麻 太ももの軽度の痺れ 腰痛 中期 背中の痛み 脇腹の痛み(肋間神経痛) はっきりとしたしびれ 後期 下半身の筋力低下 歩行困難 排尿障害 感覚の喪失 重大な麻痺 初期では無症状であり、発見が遅れることがあります。 症状があれば、痛み止めの投与などがおこなわれます。 この段階では、活動や運動はさほど制限されません。 中期になると、痛みやしびれをはっきりと感じます。 運動の困難などを感じることもあるでしょう。 後期になると症状は重篤になり、歩くのもむずかしくなります。 また保存療法が意味をなさず、日常生活にも影響します。 後期に入る前に治療するのが重要でしょう。 重篤な症状は手術で治すのが一般的ですが、現在では再生医療を用いて、より負担が軽い方法で完治を目指すことも増えてきました。 興味がある方はぜひ再生医療に関して学びましょう。 胸椎椎間板ヘルニアの症状チェック 続いて、胸椎椎間板ヘルニアの症状をチェックしましょう。 背中が痛む 脇腹が痛む 腰が痛む 体のどこかの感覚が鈍い 何となく力が入りにくい 足がもつれて歩きにくい 階段を降りるのが不安定で怖くなった 排尿がむずかしい 尿漏れがある 排便がむずかしい 胸や背中に不快感がある 一つでも当てはまれば、胸椎椎間板ヘルニアを発症している可能性があります。 該当する場合は速やかに医師の診察を受けるのをおすすめします。 診断はどのようにしておこなうか 疑わしい症状があれば、MRIを撮影して椎間板の逸脱がないかを調べます。 レントゲンでは診断はつきませんが、骨折など他の病気を探すためにMRIに先行しておこなうことが多いです。 ただし、胸椎椎間板ヘルニアは非常に稀な病気である上に、腰椎の病気と似た症状を起こすことが多いです。 そのため、最初は腰椎の検査をされ、のちに胸椎椎間板ヘルニアだったと判明することもあります。 胸椎椎間板ヘルニアは自然治癒するの?可能性と注意点 結論から言うと、椎間板ヘルニア全般に自然治癒はあり得ます。 もちろん胸椎椎間板ヘルニアも、ごく軽症であれば自然と治るかもしれません。 しかし胸椎椎間板ヘルニアは症例が少なく、自然治癒の事例もさほど多くありません。 自然治癒を期待して、治療を受けず放置していると症状が悪化し、歩行・排尿機能の障害が生じるリスクがあります。 したがって自然治癒に期待しすぎず、医師の診断を受け、指導のもと治療に臨むようにしましょう。 胸椎椎間板ヘルニア|自然治癒の可能性と注意点 ▼可能性 胸椎椎間板ヘルニア:稀な疾患、自然治癒の報告例僅か 腰椎や頚椎の椎間板ヘルニア:自然消失例の報告例有 胸椎椎間板ヘルニア:一部の軽症例で自然治癒の可能性がある ▼注意点 ✕ 自然治癒を過剰に期待するのはNG ✕ 自己判断で放置すると歩行・排尿障害に陥る「リスクが大きい」 定期的な受診を怠らず、歩きづらさを感じたら、早急な受診をお勧めします。 <関連記事> 胸椎椎間板ヘルニアの保存療法!リハビリの種類や具体的な内容を解説 胸椎椎間板ヘルニア|症状と自然治癒の可能性について 胸椎椎間板ヘルニアは予防できる? 胸椎椎間板ヘルニアの発症を予防するのはむずかしいです。 できることとして以下があげられるでしょう。 普段から正しい姿勢を保つ 中腰での作業を避ける 重たい荷物を持ち上げるなど腰に負担のかかる運動を避ける 同じ姿勢を取り続けないようにする 背筋を鍛える このような工夫により、多少は発症を予防できます。 とはいえ胸椎椎間板ヘルニアは突発的に起こるものであり、完全な予防は困難であることを知っておきましょう。 まとめ・胸椎椎間板ヘルニア症状と自然治癒の可能性について 胸椎椎間板ヘルニアはまれな病気です。 軽症の場合は対症療法のみで様子を見ることができる一方、足の麻痺などが出てしまうと手術を行わなければいけないことがあります。 自然治癒の可能性もありますが、一方で急激な進行を認めるケースがあるのも事実です。 すぐに手術しない場合でも通院を怠らず、症状の変化に気をつけて過ごしてください。 この記事が参考になれば幸いです。 ▼こちらも参考にされませんか 胸椎椎間板ヘルニアの痛みに!ストレッチで痛みを和らげる方法 ヘルニアの種類と後遺症に再生医療という新たな治療法 参考文献 大場哲郎, 波呂浩孝.日本医事新報 (5084): 42-42, 2021. 岡田英次朗.日本医事新報 (4994): 40-40, 2020. 小西明, 藤井基広, 増本眞悟, 石井秀典, 今井健, 角南義文. 整形外科と災害外科 48:(1) 10-12, 1999. 公益社団法人日本整形外科学会|「胸椎椎間板ヘルニア」
2023.12.21 -
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- 胸椎椎間板ヘルニア
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「背骨を押すと痛い」「背骨の胸あたりを押すと痛む」部分を胸椎(きょうつい)といいます。 首と腰の間にある部分で、胸椎は12個の骨から成り立っており、それぞれが左右12本ずつある肋骨(ろっこつ)とつながっています。 背骨を押すと痛みを感じるとき、ただの疲れや姿勢の問題だと考えられがちですが、実は神経や骨に関連する病気の可能性もあります。 本記事では、背骨に痛みを感じたときに考えられる5つの病気や改善方法などを専門医ができるだけわかりやすく解説します。最後まで読めば、痛みが悪化する前に適切な行動ができるようになるはずです。 背骨(胸椎)を押すと痛い原因 背骨を押すと痛い原因はさまざまですが、姿勢の悪さや筋肉、骨の問題であることがほとんどです。 例えば、主婦や事務労働をする方であれば、背中が丸まったような悪い姿勢(猫背)が主な原因として考えられるほか、年齢に伴う椎間板の老化なども挙げられます。 冒頭でもお伝えしましたが胸椎は肋骨と繋がっています。背中の真ん中あたり、肋骨に近い背骨を押すと、胸椎の後ろにある突起部分(棘突起:きょくとっき)に圧力がかかり、痛みの原因となるのです。 特に胸椎のあたりに痛みがある場合は、神経や筋肉、骨に関わる病気の可能性があります。 背骨(胸椎)を押すと痛いときに考えられる5つの病気 背骨(胸椎)を押すと痛いときに考えられる5つの病気は以下の通りです。 脊椎過敏症 胸椎椎間板ヘルニア 肋間神経痛 強直性脊椎炎 胸椎骨折 各疾患の症状などをできるだけ簡単に説明します。痛みがどの症状に当てはまるのか、チェックしながら読み進めていきましょう。 ①脊椎過敏症(せきついかびんしょう) 背骨を押すと圧痛が生じる病態として、脊椎過敏症があります。この病気の症状としては、背部や棘突起のあたりの痛みや押した際の痛み(圧痛)が出ます。 脊椎過敏症では、背部の痛み以外には特に症状はなく、予後も比較的良好です。この脊椎過敏症は、20歳代の女性、特に事務労働者や主婦に多く、背中が丸まったような悪い姿勢などの原因が あるのではないかと考えられています。数ヶ月から数年の間で自然に治っていくことが普通です。 ②胸椎椎間板ヘルニア(きょうついついかんばんヘルニア) 胸椎椎間板ヘルニアは、胸椎の椎体と椎体との間にあるクッションのような構造である椎間板が変性し、脊椎の外側に飛び出し、脊髄を圧迫する病気です。 胸椎椎間板ヘルニアの症状として、背部痛(背中の痛み)が生じることもあります。その他の症状として、体幹から下半身の感覚が低下することや、筋力低下がみられます。胸椎椎間板ヘルニアは、外傷などの明らかな原因がない場合がほとんどです。 また胸椎椎間板ヘルニアは腰椎や頚椎の椎間板ヘルニアと比べてその頻度は少なく、歩行障害などの症状が現れた場合には手術を要することが多いです。 放置すると重症化の恐れがある胸椎椎間板ヘルニアの概要や症状について、以下の記事でさらに詳しく解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。 なお、胸椎椎間板ヘルニアなどの痛みは、手術を必要としない再生医療によって改善が期待できます。興味のある方は、再生医療による回復の事例などを紹介した以下の動画もご覧ください。 ③肋間神経痛(ろっかんしんけいつう) 胸椎椎間板では、椎間板の中にある髄核(ずいかく)という構造が脊髄の真ん中を圧迫するですが、左右方向に髄核が飛び出すと神経根という脊髄から神経が出ていく部分を圧迫することもあります。すると、肋間神経痛の症状が現れます。肋間神経痛の症状としては、背中から胸にかけて、肋骨に沿ったような鋭い痛みが生じるというものです。 なお前述の胸椎椎間板ヘルニアと肋間神経痛は、いずれも背中に痛みが出ますが、痛みの場所であったり症状だったりが異なります。 以下の記事で胸椎椎間板ヘルニアと肋間神経痛の違いについて詳しく解説したので、こちらも合わせてご覧ください。 ④強直性脊椎炎(きょうちょくせいせきついえん) 強直性脊椎炎は、仙腸関節という関節や腰、背中、首の脊椎の靱帯付着部に炎症が生じる病気です。さらに、胸椎の椎間関節にも炎症は起こります。 症状の多くは腰痛やお尻の痛みから始まり、徐々に背中全体や首にまで広がっていきます。症状が進むと、体を曲げ伸ばしすることが難しくなり、前屈みの姿勢となっていきます。 体のだるさや疲れやすさ、体重減少、微熱、高熱などの全身の症状がでることもあります。 また、4人に1人の確率で目の病気である虹彩炎(こうさいえん)が起こりますが、早めに眼科治療を受ければ予後は良好です。 ⑤胸椎骨折(きょうついこっせつ) 骨粗鬆症や、腫瘍が骨に転移した際に、背骨が圧迫骨折をきたすことがあります。この場合にも、圧痛や体動時痛といった症状が生じることがあります。 骨折の程度によっては、脊髄損傷をきたすこともあり、胸椎と腰椎の移行部に骨折が生じた場合には、両下肢の麻痺症状などを引き起こす可能性もあります。 骨折の原因が骨粗鬆症などで軽度の圧迫骨折を来している際には、安静と簡易コルセットなどの外固定をすることで、3〜4週間でほとんどの症状が改善するとされています。 転移性骨腫瘍が原因である場合には、癌そのものに対する化学療法やホルモン治療が行われます。骨転移による痛みが強い場合には、放射線治療が有効な場合もあります。骨破壊が進行しており、脊髄への圧迫がみられるような際には、脊椎固定術も行われます。 脊髄の損傷は手術しなくても治療できる時代です。 背骨(胸椎)を押して痛いときの改善方法 背骨(胸椎)を押して痛いときの改善方法として以下の3つが挙げられます。 医療機関を受診する 正しい姿勢を意識する 普段の姿勢やストレッチなどで痛みを緩和できるかもしれませんが、まずは専門医の診断を受けることをおすすめします。 医療機関を受診する 前述してきたとおり、背骨の胸のあたりにある「胸椎」を押して痛い場合にはさまざまな原因があります。脊椎過敏症のように、胸椎を押したときの痛み以外に特に症状がなく、治療をしなくても自然に改善していくこともあります。 一方で、胸椎椎間板ヘルニアなどは、下半身の筋力低下や感覚低下といった神経症状がみられます。こうした場合、基本的には手術が必要となりますので、早めに整形外科などの専門医療機関を受診することをお勧めします。 背骨(胸椎)を押して痛いときは、自己判断せずに医療機関に相談しましょう。当院「リペアセルクリニック」では、胸椎の痛みなどに関する再生医療や幹細胞治療を得意としていますので、まずはお気軽にご相談ください。 正しい姿勢を意識する 正しい姿勢は背骨にかかる負担を減らすことができます。特に猫背は背骨に負担がかかるので、背筋を適切に伸ばした状態をキープするようにしましょう。 日常の中で特に猫背になりやすい体制として、以下の3つが挙げられます。 スマホを操作するとき デスクワークをするとき 寝るとき 日常生活には背骨への負担がかかる場面が多くあるので、上記を参考にできることからはじめていきましょう。 まとめ|背骨(胸椎)に痛みを感じたらすぐに受診を! 本記事では、背骨(胸椎)を押して痛い原因や5つの病気、治療などについて解説しました。 胸椎椎間板ヘルニアなどの神経を圧迫する疾患では、治療が遅れると脊髄の神経が傷つき、麻痺が完全に治らない場合もあります。現在の医療では、一度傷ついた神経細胞を完全に修復することは難しいですが、当院は自己脂肪由来幹細胞を用いた再生医療を、脊髄損傷にも応用しています。 背骨(胸椎)を押して痛い病気の中には、後々まで症状が残る場合もあるため、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。 再生医療に少しでもご興味のある方は、当院「リペアセルクリニック」までご相談ください。 背骨(胸椎)の痛みに関するよくある質問 Q.背骨(胸椎)が痛むときにストレッチをしても大丈夫ですか? A.痛みや症状によってはストレッチを避けて安静にするのが良いです。 例えば、胸椎自体の痛みがある場合は、骨折や脊椎炎などが考えられ、このような場合はストレッチは避けるのが無難です。 また、胸椎椎間板ヘルニアの場合は、ヘルニアを押し戻すような効果として、猫のポーズが有効な場合があります。 このように、自己判断でストレッチをすると症状を悪化させてしまいかねませんので、医療機関を受診しましょう。 なお、胸椎椎間板ヘルニアの痛みを予防するストレッチについては、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。 参考文献 胸背部痛.日内会誌.2010;99:1686-1689. 脊椎過敏症 (medicina 14巻13号) | 医書.jp 胸椎(せなか)の症状一覧 - 日本整形外科学会 強直性脊椎炎(指定難病271) - 難病情報センター 「脊椎椎体骨折」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる 「転移性脊椎腫瘍」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる
2023.12.18 -
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- 胸椎椎間板ヘルニア
胸椎椎間板ヘルニアは、痛みやしびれを引き起こし、日常生活に大きな影響を与えます。「動くたびに痛む」「肩こりと勘違いして放置していたら悪化した」「手術しないと治らないのか」と悩む人も多いでしょう。 しかし、適切な治療とストレッチを取り入れると、症状の軽減が可能です。この記事では、胸椎椎間板ヘルニアの治し方や痛みを和らげるストレッチ方法を解説します。 胸椎が痛む場合は、胸椎椎間板ヘルニアが疑われる可能性があるため、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。 「胸椎椎間板ヘルニア」とは?背中から胸にかけて痛みが出る疾患 背中から胸にかけて痛みや、脚のしびれなどの症状がある場合は、胸椎椎間板ヘルニアの疑いがあります。(文献1) 背骨の首の部分を頚椎、腰の部分を腰椎、頚椎と腰椎に挟まれた背中の部分が胸椎です。そして、椎骨と椎骨の間には、衝撃を吸収するクッションの役割をもつ椎間板があります。 ヘルニアは、椎間板の中にあるゼリー状の髄核(ずいかく)が、椎間板から飛び出てしまい、近くの神経を圧迫している状態です。そのため、胸椎の椎間板で生じるヘルニアを胸椎椎間板ヘルニアと呼びます。 ただし、胸椎は首や腰に比べて動きが少ない部分のため、実はヘルニアになりにくい場所でもあります。 胸椎椎間板ヘルニアの原因 椎間板ヘルニアは加齢や繰り返しかかる負担で椎間板が変化したり断裂したりして起こる疾患です。繰り返し椎間板に負担がかかる作業といえば、重い荷物を抱えたり、運転など長時間座ったりする作業があります。 また動きや接触の激しいスポーツ、事故などの衝撃もヘルニアの原因です。 前述のように胸椎は動きが少なく、頚椎や腰椎に比べると上記のような原因でヘルニアになるケースは少ないです。 胸椎椎間板ヘルニアの症状チェックリスト 胸椎椎間板ヘルニアの症状は以下のようなものがあります。 症状例 脚がしびれる 脚に力が入らない 歩くとふらつく お腹がしめつけられる 背中や脇腹が痛む 背中から胸にかけて痛む おしっこや便が出にくい、漏らしてしまう 太ももやふくらはぎに痛みがある 胸椎椎間板ヘルニアによってうまく歩けなかったり、ふらついたりするのは、脚の筋力が低下してしまい、力が入りにくいためです。 筋力低下が起こる原因は、ヘルニアにより背骨を通る神経が圧迫されて筋肉に指令が伝わりにくくなるからです。 麻痺が進行すると、排尿を支配する神経も障害されるため、尿が出にくいなどの症状が出ます。しびれなどの感覚障害も症状の1つですが、痛みを伴うケースは少ないです。まれに、神経の障害の影響で背中や脇腹のあたりが痛む場合もあります。このような痛みを肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)と呼びます。 腰椎のヘルニアでよく見られるような、腰から脚に広がる神経痛は胸椎椎間板ヘルニアでは少ないです。 【関連記事】 胸椎椎間板ヘルニアで背中や胸が痛み始めた方へ!症例や予防策を医師が解説! 胸椎椎間板ヘルニアの症状レベルは?チェックリスト付きで医師が解説 胸椎の痛みが胸椎椎間板ヘルニアであるかを診断する方法 胸椎椎間板ヘルニアの診断にはMRI検査が有効ですが、CTが用いられるケースもあります。 MRIでは椎間板、神経、靭帯を詳細に抽出できるため、椎間板の状態や神経の圧迫の有無を詳しく調べられます。しびれや痛みなどの症状がある際に、MRIを用いて脊椎の状態を確認可能です。放射線を使用せずに軟部組織を抽出できます。 一方、CT検査は骨の詳細な構造を短時間で確認が可能です。そのため、手術を行う場合にはCT検査を用いて骨の異常や椎間板の位置を把握する場合があります。 胸椎椎間板ヘルニアの痛みの治療方法 胸椎椎間板ヘルニアの治療方法は「保存療法」と「手術療法」があります。治療の概要は表の通りです。 治療方法 内容 保存療法 胸椎をできるだけ動かさないように安静にします。 また、猫背を軽減するためのストレッチを実施します。 手術療法 背骨の一部を除去し、症状の軽減を図ります。 痛みや歩行障害がある場合に適用されます。 保存療法と手術療法の具体的な内容は、以下で解説します。 保存療法 ヘルニアがあっても症状が軽く、脚の筋力低下や排尿の障害などが伴わない場合は、コルセットや内服薬で痛みの軽減を図ります。ヘルニアは症状が自然に治る場合もあり、症状が軽い場合は、まず保存療法で様子を見ます。 手術療法 胸椎椎間板ヘルニアの症状が進行し、麻痺の症状が見られると保存療法での治療は困難です。放置すると症状が徐々に進行するため、早めに手術が行われます。 手術は側方から椎間板を摘出して骨を移植する「前方固定術」、後方から椎間板を切除する「後方除圧術」を実施します。症状の悪化が見られる場合、手術も視野に入れましょう。 再生医療 再生医療は、身体の治癒力を利用した新しい医療です。 再生医療のうち「幹細胞治療」は、さまざまな細胞に変化できる幹細胞を患者様から採取・培養した後、患部に戻します。自分の身体から採取した細胞なので、アレルギーや拒絶反応が起こりにくいのがメリットです。 当院「リペアセルクリニック」では、椎間板ヘルニアの後遺症に対して幹細胞治療を行っています。一般的に用いられる方法では、幹細胞を一度にまとめて培養後、冷凍したものを複数回に分けて投与します。しかし、当院では投与の度に幹細胞を培養するため、新鮮な幹細胞の投与が可能です。 再生医療について興味がある方は、無料のメール相談やオンラインカウンセリングを承っておりますので、お気軽にご相談ください。 胸椎椎間板ヘルニア(予防)におすすめのストレッチ2選 胸椎椎間板ヘルニアの予防や、痛みの緩和をするためにおすすめのストレッチを2つ紹介します。 特別な道具も必要なく自宅でも簡単にできる方法ですので、日頃の生活に取り入れてみましょう。 横になってする胸椎ストレッチ まずは寝た状態でできる胸椎のストレッチです。 胸椎が固くなると猫背になり、胸の前側が固くなります。 このストレッチでは胸の前側の筋肉を伸ばし、姿勢の改善が期待できます。 横になって行う胸椎ストレッチ 1. 左側が下になるように両膝を曲げて背筋を伸ばした状態で横になる 2. 両肘を胸の前でまっすぐ伸ばし、両手のひらを合わせる 3. 右手を大きな半円を描くように頭上を通りながら水平に後ろまで動かす (このとき手の動きを追うように頭も動かす) 4. 右手を元の位置に戻して5往復程度繰り返す 5. 反対も同様に行う ゆっくりと動作を行い痛みが出ない程度の範囲で行いましょう。 四つ這いでする胸椎のストレッチ 四つ這いになって背骨の柔軟性を高めるストレッチを紹介します。 胸椎のストレッチに加えて、背骨を支える筋肉を働かせるためトレーニングの効果も期待できる運動です。 四つ這いで行う胸椎ストレッチ 1. 背中をまっすぐにして四つ這いになる 2. おへそをのぞき込みながら背中を丸めるようにゆっくり動かす 3. 目線を少し上にして両方の肩甲骨寄せながら背中をそらすようにゆっくり動かす 4. 5往復程度繰り返す 最初の姿勢では肩の下に両手を肩幅に広げておき、腰の真下に膝がくるように動かします。また背骨を一つずつ動かすような意識でゆっくりと実施するのがポイントです。 胸椎椎間板ヘルニアが疑われる際にやってはいけないこと 胸椎椎間板ヘルニアでは、身体を丸める動きに注意が必要です。たとえば、中腰姿勢、重い荷物を持ち上げる、猫背の姿勢を続けるなどは椎間板に負担がかかります。 身体を丸める動作は、椎間板や髄核が飛び出る方向に動いてしまうため、できるだけ避けましょう。 胸椎の痛みの正しい治し方・ケア方法を知って適切に対処しよう 胸椎椎間板ヘルニアは症状が進行すると歩くのが難しくなり、排尿・排泄が障害される疾患です。 症状が軽い場合は安静や薬による治療を行いますが、症状が重い場合は手術を検討します。 また、椎間板ヘルニアの後遺症に対しては、再生医療という治療方法も選択肢のひとつです。 当院「リペアセルクリニック」では、椎間板ヘルニアに対して再生治療を行っています。ヘルニアの症状や術後後遺症でお悩みの方は、ぜひ一度リペアセルクリニックへご相談ください。 参考文献 文献1 公益社団法人 日本整形外科学会「胸椎椎間板ヘルニア」 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/thoracic_disc_herniation.html (最終アクセス:2025年2月22日)
2023.12.14 -
- 頚椎椎間板ヘルニア
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頚椎椎間板ヘルニアを発症したら、何日入院する必要があるの? 手術を受けた場合の休養期間は? 頚椎椎間板ヘルニアを発症した、もしくは疑われている方は、このような疑問を持っているでしょう。 この記事では各状況での平均的な休職期間を解説します。 どの程度休む必要があるのか把握したい方は参考にしてください。 【予備知識】頚椎椎間板ヘルニアとは 頚椎椎間板ヘルニアは、頚椎(首の背骨)と頚椎の間にあるクッションのような役割をしている椎間板が破れたりして、脊髄や神経根が圧迫されることで神経症状が起こる病気です。 症状は首の痛みが急激に生じ、続いて、腕や手指に痺れや痛みを感じます。腕や手指に脱力が生じることもあります。 ヘルニア病変が大きく、脊髄の圧迫が強まると、巧緻(こうち)運動障害を生じ、お箸がうまく使えない、字が下手になる、ボタンを留めることが難しいなど、細かな作業ができなくなったり、さらには歩行障害が生じることもあります。 頚椎椎間板ヘルニアでは、まれにヘルニアが自然に吸収され、自然治癒にいたる例も多数報告されています。 そのため、症状が軽い場合には保存的治療をおこない、経過をみていくことが多いです。 たとえば、薬の内服や安静、理学療法や頚椎カラー固定などの保存的治療が選ばれます。 薬の内服や安静 理学療法 頚椎カラー固定 ※保存療法でも、症状の悪化は十分にありうるため、常に注意をしておく必要があります。 頚椎椎間板ヘルニアで仕事や運動にドクターストップがかかるケース 頚椎椎間板ヘルニアの症状が重篤だと、仕事や運動に支障が出ます。 以下のケースではドクターストップがかかるでしょう。 神経症状の悪化が予測される 脊髄への影響が疑われる 業務内容がデスクワークなど、頚椎に負担がかかるものである 休業期間や手術が必要である 頚椎椎間板ヘルニアを発症しても、「無理をすれば働けなくもない」程度の症状にとどまるケースがあります。 しかし頚椎椎間板ヘルニアは、薬の内服や休業期間などがないと、症状が悪化します。 ドクターストップがかかれば指示どおりに休業するべきでしょう。 頚椎椎間板ヘルニアによる入院・休業期間の平均日数 頚椎椎間板ヘルニアによる入院・休業期間の平均日数は、状況によって異なります。 次の章でいくつかの状況と、それぞれの入院・休業期間を示します。 手指の繊細な仕事が必要な場合 手指の巧緻運動障害や、痺れや脱力症状も、頚椎椎間板ヘルニアの症状です。 そのため、こうした症状がある場合は、絵を描く、工芸品を作る、など繊細な手作業を要する仕事の場合には、症状が改善するまで休むことが必要となる場合があります。 軽度の症状なら、数日の休業期間にとどまるでしょう。症状が重ければ1週間以上かかることもあります。 頚椎椎間板ヘルニアによる症状が重い場合 頚椎椎間板ヘルニアでは、通常は上半身、とくに首から肩、腕、手指などに痺れや痛み、ときに脱力などの症状が現れます。 一方で、重症になると歩行障害など下半身にも影響がみられます。 そのため、仕事内容によって歩くことが必要となる職種、デスクワーク以外、たとえば営業職や販売、倉庫、工場などでの勤務は、治療がある程度完了するまでの間、仕事を休まざるを得ない場合もあるかもしれません。 休んでも筋力低下や脱力、巧緻障害が戻らないときは手術が必要です。 また、第1指と第2指の骨間筋の萎縮が見られることもあり、注意して診察しなければいけません。 症状が重い場合は、1〜2週間ほどの休業期間が必要でしょう。 手術を受けた場合 頚椎椎間板ヘルニアの症状が「保存的な治療で改善しない場合」、患者様から「強い希望がある場合」、また先ほど述べた「巧緻運動障害や歩行障害がある場合」などでは、全身麻酔のもとで前方除圧術や前方除圧固定術などの外科的治療(手術)が選択されます。 頚椎椎間板ヘルニアでは、頚椎前方除圧固定術がよく選ばれます。 この手術は、頚椎の前側、つまり首の前面から皮膚や筋肉を切り開き、椎間板や頚椎の骨の出っ張っている部分を切除して、神経の圧迫を取り除くものです。 手術自体は1〜1.5時間くらいで、翌日から歩行可能とされています。 しかしながら、入院期間はリハビリなども含めて通常10〜14日程度です。 そのため、その間はもちろん通勤などはできませんし、仕事を行うのは難しいでしょう。 また退院後すぐに出勤できるかどうかは人によりさまざまですが、手術を行なった場合には休む期間は平均で3〜6週間ほどと考えられます。 外科的治療(手術) 手術時間の目安 入院期間の目安 休職期間の目安 頚椎前方除圧固定術 1〜1.5時間 10~14日 3~6週間 一方で、ヘルニアによって神経根や脊髄の圧迫が強いために、後遺症として神経症状が残ってしまった場合は、休職、あるいは仕事を辞めることを検討する必要があるでしょう。 このように術後の後遺症で悩まれている方はたくさんおられますが、今の保険診療内では根治は難しいとされています。 そこで、幹細胞による再生医療が注目されています。 頚椎椎間板ヘルニアでも仕事を休めない場合には 基本的には痛みが強い間には安静にしておくことが大切ですが、頚椎椎間板ヘルニアによる腕の痺れや首の痛みがあっても、休業期間を取れないケースもあります。 そのような場合には、頚椎カラーで首を固定したり、首を曲げるような動きは極力避けることで、頚椎椎間板ヘルニアの症状悪化を防ぐことが期待できます。 頚椎椎間板ヘルニアでの症状を軽減させるポイント それでは、休業期間中に注意したいポイントを解説します。 頚椎椎間板ヘルニアの症状を軽減させるためには、頚椎の良い姿勢を保つことが大切です。 とくに後屈、つまり後ろに反らす動作を避けることが重要です。 たとえば、上を見上げる姿勢は取らない、首をぐるぐると回す運動は避ける、腹ばいでの読書や、そうした姿勢でのテレビ視聴は避けるなどの注意が必要です。 これらを予防するために、頚椎カラーも有効です。 また、寝る際には首までしっかりと固定できる面積の広い枕を使うことも良いでしょう。 このようなポイントを守ることで、頚椎椎間板ヘルニアによる神経症状の悪化を、ある程度食い止めることが可能と考えられます。 上を見上げる姿勢は取らない 首をぐるぐると回す運動は避ける 腹ばいでの読書やそうした姿勢でのテレビ視聴を避ける 首までしっかりと固定できる面積の広い枕の使用をする まとめ・頚椎椎間板ヘルニアの治療、入院期間と休業期間について 今回の記事では、頚椎椎間板ヘルニアの症状の程度によっては仕事を休まざるを得ないケースを解説しました。 頚椎椎間板ヘルニアによる休業期間の必要性は、症状の種類と程度によって異なります。 手指の繊細な作業が必要な場合や症状が重い場合は休職が必要となることがあります。 症状の程度に応じて適切な休業期間を確保し、適切な治療と姿勢の管理を行うことが必要です。 頚椎椎間板ヘルニアは、多くは保存的治療もしくは手術によって症状が改善します。 一方で、神経の圧迫の程度が強く、後遺症が残ってしまう場合も残念ながらあり得ます。 手術や保存的治療を受けた後でも、症状が改善せず仕事を続けることが難しい場合があります。 最後に頚椎椎間板ヘルニアによる神経症状を軽減させるためには、適切な姿勢を保つことが重要です。 休む期間に限らず、普段から意識して姿勢を整えるようにしたいものです。 ▼当院では、脂肪由来の幹細胞を使用した脊髄内幹細胞の投与による、傷ついた神経の修復・再生に取り組んでいます。 https://www.youtube.com/watch?v=0hyJR5VW3oY&t=64s 頚椎椎間板ヘルニアの手術を受けてもなかなか症状が改善しない、術後の後遺症に悩んでいる、仕事に早く復帰したい方は、ぜひ一度当院までご相談ください。
2023.12.11 -
- 脊椎
- 頚椎椎間板ヘルニア
「頚椎(首)ヘルニアの痛みやしびれにストレッチは有効?」 首や肩周辺の痛みやしびれを自力でなんとかしたいという方も多いのではないでしょうか。 本記事では、医師監修のもと頚椎ヘルニアに有効なストレッチ方法や、予防ポイントについて詳しく解説します。 しかし、間違ったストレッチ方法では症状を悪化させ、耳鳴りやふらつきなどの重大な症状が発生しやすくなるため、注意が必要です。 また、頚椎ヘルニアはセルフケアだけで完治する病気ではないため、あくまで補助的な役割であることを理解しておきましょう。 頚椎ヘルニアによる痛みやしびれを早く治したい方は、再生医療も選択肢の一つです。 今までは手術による治療が一般的でしたが、頚椎ヘルニアの神経損傷を手術しないで治療する方法として「再生医療」が注目されています。 \ヘルニアによる神経痛の改善に有効な「再生医療」とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を向上させることで、痛みやしびれの原因となる損傷した神経の再生・修復を促す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 ヘルニアによる痛みやしびれを早く治したい 根本的に治療したいが、手術はできるだけ避けたい 痛み止めや湿布が効かない、あるいはすぐに痛みがぶり返す リハビリやマッサージを続けているが、期待した効果が得られない 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずはヘルニアによる神経痛の治療について無料相談! 頚椎ヘルニアに効果的なストレッチ4選 結論、頚椎ヘルニアには不良姿勢を改善する首や胸のストレッチが頚椎ヘルニアの予防・改善につながります。 頚椎ヘルニアは、ストレートネックや猫背といった不良姿勢によって首や胸の筋肉の緊張によって引き起こされることも多いため、不良姿勢を改善するストレッチを継続することが重要です。 症状を少しでも和らげたい方は、ぜひチェックしてください。 僧帽筋・肩甲挙筋のストレッチ 首のストレッチでは、僧帽筋(そうぼうきん)・肩甲挙筋(けんこうきょきん)という首〜肩甲骨にかけてついている筋肉を伸ばします。 アゴを首に近づけるように後ろに引きながらストレッチすることがポイントです。 上記ストレッチは息を止めてしまいやすいため、呼吸を意識しながら行いましょう。 手で強く押さえつけると首を痛める原因となります。手や頭の重みを血要する程度にとどめ、ゆっくりストレッチしてください。 また、頚椎ヘルニアはストレッチだけで治る病気ではないことを理解しておく必要があります。 今までは手術によって神経の圧迫を取り除くのが一般的でしたが、近年では頚椎ヘルニアを手術しないで治療する方法として「再生医療」が注目されています。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 ▼損傷した神経の治療に再生医療が注目 >>今すぐ電話してみる 大胸筋のストレッチ 大胸筋は胸の前方〜鎖骨・腕にかけてついている筋肉です。 大胸筋が固くなると鎖骨や腕が前に引っ張られ、猫背になってしまうことがあります。猫背になると同時に首も前方に倒れ、頚椎ヘルニアの原因になりかねません。 こまめに大胸筋のストレッチを行い、猫背や頚椎ヘルニアを改善しましょう。腕や体を大きく動かしながらストレッチするとよく伸びるので、ぜひ試してください。 立ってできる大胸筋のストレッチ 1. 壁に対して横向きに立つ(右側が壁になるように) 2. 右側の手のひらと腕を壁につける(肩と肘が同じ高さになる位置) 3. ゆっくり体を左側にひねる 4. 右胸の前側が伸ばされるのを感じた状態で15秒から30秒キープする 5. 反対側も同様に行う ポイントは手のひらを壁につけたまま、しっかりと体を捻ることです。体の捻りに腕がついてくると大胸筋のストレッチが弱くなるため、壁に手をつけたまま動かないように体を捻ってください。 座ってできる大胸筋のストレッチ 1. 椅子の背もたれから少し体を離してまっすぐ座る 2. タオルを持ったままバンザイする 3. タオルを引っ張るように腕を開きながら腕を後ろに引く 4. 肩甲骨を背骨に寄せるようにしながら肘を曲げていく 5. バンザイ→肘を曲げる動作を10回程度繰り返す このストレッチでは、胸を張るように肩甲骨を背骨に寄せる動きが重要です。 また、腕を開いて肘を曲げていく際に頭が下を向きやすいため、頭の位置を変えないように注意してください。 寝ながらできる大胸筋のストレッチ 1. 横向きに寝て、上になった側の足を前に出す 2. 上になった側の手を天井に向けて伸ばす 3. 上に伸ばした手を手のひらが前に向いたまま背中に向かって倒していく 4. 後ろに倒した手を元に戻し、10回繰り返す 後ろに倒すときには、肘をしっかり伸ばしたまま倒すようにこころがけてください。 また、後ろに倒しながら息を吸うことで胸が膨らみ、大胸筋が伸びやすくなります。 頚椎ヘルニアの原因は「ストレートネックや猫背」 そもそも頚椎ヘルニアとは、首の骨(頚椎)の間にある椎間板が圧迫されることで、椎間板の中にある髄核(ずいかく)が後ろに突出し、首の後ろにある神経が圧迫される病気です。 頚椎ヘルニアの主な原因は、猫背やストレートネックなど首が前に倒れる不良姿勢です。また、加齢や飲酒・喫煙などの生活習慣の乱れによって起こることもあります。 猫背やストレートネックが原因で頚椎ヘルニアを発症した場合、首や胸のストレッチを行うことで症状が緩和・改善する可能性があります。 しかし、不良姿勢以外が原因である場合は、ストレッチのみでの症状改善は難しいかもしれません。放置すると首〜腕にかけての痛みや痺れが悪化したり、歩行が困難になったりする可能性もあるため、ストレッチをしても症状の変化がない場合には、早めに整形外科を受診しましょう。 ちなみに、当院リペアセルクリニックでは再生医療を中心に、頚椎ヘルニアの治療にも取り組んでいます。頚椎ヘルニアに対しての治療で気になる方は、メール相談もしくはオンラインカウンセリングでお気軽にご相談ください。 頚椎ヘルニアの初期症状についての記事はこちら 頚椎ヘルニアの詳しい原因と症状についての記事はこちら ストレッチ以外で頚椎ヘルニアを予防するポイント2つ 頚椎ヘルニアの症状を改善・予防するためには、生活習慣の改善と筋トレが効果的です。 乱れた生活習慣や筋力の低下は猫背やストレートネックにつながるため、意識して改善することで頚椎ヘルニアの改善・予防効果が期待できます。 それぞれどのような効果があるのか、詳しくみていきましょう。 生活習慣の改善 生活習慣の改善には、以下に挙げる3つに気をつけてください。 不良姿勢の改善 適切な枕の使用 首に負担のかかる生活の改善 猫背やストレートネックといった不良姿勢は頚椎ヘルニアを強めるため、普段から姿勢を正す意識を持ちましょう。 また、枕の高さが合っていないと寝ている間首への負担が強くなるため、適切な高さに調整することをおすすめします。 首に負担がかかる生活、とくにスマホの見過ぎには注意が必要です。スマホの見過ぎによってストレートネックになることが予想されるため、姿勢を正して使う意識を持ってください。 なお、以下の記事でも頚椎ヘルニアで注意してほしいことをご紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。 筋トレ 頚椎ヘルニアの原因に多い猫背やストレートネックは、体幹を中心とする筋トレによって矯正できる可能性があります。体幹を鍛え、猫背やストレートネックが解消されれば、頚椎ヘルニアの改善にもつながるでしょう。 ただし、筋トレをするにあたって痛みが強い場合には避けてください。痛みがあるにもかかわらず無理に筋トレをすると、頚椎ヘルニアの症状を強めてしまう可能性があります。 無理のない範囲での筋トレをこころがけ、少しずつ取り組むことが大切です。 まとめ|頚椎ヘルニアには首と胸のストレッチが重要!早めの受診も検討しよう 頚椎ヘルニアに効果的なストレッチは、首だけでなく胸を伸ばすのがポイントです。 とくに僧帽筋・肩甲挙筋・大胸筋に対するストレッチをして、猫背・ストレートネックといった不良姿勢の改善を目指しましょう。 しかし、頚椎ヘルニアはストレッチで治る病気ではないため、適切な治療と併せて、リハビリテーションの一つとして行うことが重要です。 従来の治療では、手術によって神経の圧迫を取り除く治療が一般的でしたが、近年の治療では手術せずにヘルニアを治療する方法として「再生医療」が注目されています。 \ヘルニアによる神経痛の改善に有効な「再生医療」とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を向上させることで、痛みやしびれの原因となる損傷した神経の再生・修復を促す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 ヘルニアによる痛みやしびれを早く治したい 根本的に治療したいが、手術はできるだけ避けたい 痛み止めや湿布が効かない、あるいはすぐに痛みがぶり返す リハビリやマッサージを続けているが、期待した効果が得られない 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずはヘルニアによる神経痛の治療について無料相談! 頚椎ヘルニアについてよくある質問 最後に頚椎ヘルニアについてよくある質問に回答していきます。 よくある疑問を確認し、頚椎ヘルニアに対する不安を解消しておきましょう。 頚椎ヘルニアはストレッチで良くなりますか? 頚椎ヘルニアは、適切なストレッチをすれば手や腕のしびれや痛みが緩和する可能性があります。 「ストレッチしても症状が治らない」「痛みやしびれが長引いている」という方は、早めに医療機関に相談して適切な治療を受けた方が良いです。 重症の場合は、神経の圧迫を取り除くために手術が検討されるケースもあります。 しかし、近年では頚椎ヘルニアを手術しないで治療する方法として「再生医療」が選択肢の一つとして注目されています。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 ▼損傷した神経の治療に再生医療が注目 >>今すぐ電話してみる 頚椎ヘルニアに筋トレは有効ですか? 頚椎ヘルニアの原因が不良姿勢の場合、筋トレが有効といえます。 頚椎ヘルニアの原因である猫背・ストレートネックなどの不良姿勢は、筋力不足によって引き起こされることがあります。筋トレによって不良姿勢が改善されれば、頚椎ヘルニアの症状も和らぐ可能性があるでしょう。 ただし痛みや痺れがあるにもかかわらずトレーニングを行うと逆効果になってしまうため、注意が必要です。整形外科の医師に相談の上、無理のない範囲で行いましょう。
2023.12.07 -
- 頚椎椎間板ヘルニア
- 脊椎
「首のヘルニアは何が原因?」「予防法はある?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。 首ヘルニアは、加齢による椎間板の劣化や、姿勢の悪さなどさまざまな原因で起こります。放っておくと、日常生活に支障をきたすほど悪化する場合もあります。 首ヘルニアの改善には、加齢や生活習慣などの要因を理解し、適切な対策を講じることが大切です。 本記事では、首ヘルニアの原因から症状の進行、日常生活でできる予防策まで詳しく解説します。早めの対策で、悪化を防ぐためにも、ぜひ最後までご覧ください。 また、当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による治療も行っております。首ヘルニアの症状でお悩みの方は、お気軽に「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。 首ヘルニアの主な原因 首ヘルニアは、加齢や生活習慣などさまざまな要因によって引き起こされます。 本章では、首ヘルニアの原因について以下の6つに分けて解説します。 加齢による椎間板の劣化 長時間のデスクワークやスマホの使用 猫背や姿勢の悪さ 事故やスポーツでの強い衝撃 喫煙による血行不良 合わない枕の使用や寝方の姿勢 それぞれ詳しく見ていきましょう。 加齢による椎間板の劣化 加齢によって椎間板が劣化すると、首ヘルニアの原因になります。 通常、椎間板は水分を含んでおり、クッションの役割を果たしています。しかし加齢とともに弾力を失うと、神経が圧迫され、首ヘルニアのリスクが高くなります。(文献1) 予防のためには、日頃から適度な運動を取り入れ、筋力を維持することが大切です。 長時間のデスクワークやスマホの使用 長時間のデスクワークやスマホ使用は、首ヘルニアの原因の一つです。 とくにスマホを長時間見下ろす姿勢は、首に大きな負担をかけます。首を前に傾けた状態が続くと、椎間板に圧力がかかり、ヘルニアを発症しやすくなります。 対策としては、画面の高さを目線に合わせる、定期的に休憩を取る、ストレッチを行うなどが有効です。 日常的に正しい姿勢を意識すると、首の負担を減らせるでしょう。 猫背や姿勢の悪さ 猫背や姿勢の悪さも、首ヘルニアのリスクを高める要因です。(文献1) 姿勢が悪いと首の自然なカーブが崩れ、椎間板にかかる圧力が偏ります。とくに前かがみの姿勢は首に負担をかけ、慢性的な痛みにつながるケースもあります。 正しい姿勢を保つためには、椅子の高さを調整したり、背筋を意識的に伸ばすことが大切です。また、肩甲骨周りのストレッチを行うことで、姿勢の改善につながります。 事故やスポーツでの強い衝撃 交通事故やスポーツでの衝撃も、首ヘルニアの原因になります。(文献1) むち打ちや転倒によるダメージは、椎間板や神経に影響を与えます。外部から強い力が加わることで椎間板が変形し、症状が悪化するケースもあるでしょう。 予防策としては、スポーツ時に適切なストレッチを行い、首への負担を減らすなどが挙げられます。 また、事故後に違和感がある場合は、放置せずに早めに病院を受診しましょう。 喫煙による血行不良 喫煙は血流を悪化させ、椎間板の劣化を早める原因となります。(文献1) 椎間板には血管が少なく、栄養が行き渡りにくい構造です。血流が悪くなると椎間板の修復が遅れ、劣化が進行する場合があります。 禁煙を心がけるだけでなく、適度な運動やバランスの良い食事を意識するのも大切です。 合わない枕の使用や寝方の姿勢 枕の高さが合わないと、首に余計な負担がかかり、ヘルニアのリスクが高まります。高すぎる枕を使用すると、首が不自然に曲がった状態が続き、椎間板への負荷が大きくなります。 また、うつ伏せ寝の習慣も、首に負担をかける原因の一つです。 適切な枕を選び、普段から首に負担をかけない寝方を意識すると、ヘルニアの予防につながります。 仰向けで寝る際は、首を適度に支える枕を使用すると良いでしょう。 首ヘルニアによる症状の変化 首ヘルニアの症状は、初期・中期・後期と進行するにつれ、痛みやしびれ、筋力低下などが現れます。 以下の表で、それぞれの症状の特徴を確認しましょう。 進行度 主な症状 初期症状 軽い首の違和感や痛み 中期症状 肩や腕のしびれ・こわばり・動かしにくさ 後期症状 指先の力が入りにくい・歩行障害・慢性的な痛み 症状が進行するほど、日常生活への影響が大きくなります。 ここでは、それぞれの症状についてさらに詳しく解説していきますので、参考にしてください。 首ヘルニアの初期症状|軽い首の違和感や痛み 首ヘルニアは、初期の違和感から徐々に症状が悪化します。 初期段階では軽い痛みやコリを感じる程度ですが、腕や手に軽いしびれを感じる人もいます。 しかし、これらの症状はよくある不調と似ているため、見過ごされがちです。症状が進行するほど日常生活に影響を及ぼすため、早期発見と適切な対策が重要です。 頚椎椎間板ヘルニアの初期症状や程度の見極め方に関しては、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。 首ヘルニアの中期症状|肩や腕のしびれ 中期になると、首の痛みが強くなり、肩や腕のしびれが現れます。神経が圧迫されるため、ピリピリとした感覚や違和感を感じる場合もあるでしょう。 また、腕を上げたり、一定の姿勢を続けると痛みが悪化するケースもあります。 日常生活に支障をきたす可能性も出てくるため、この段階で専門医の受診が推奨されます。 首ヘルニアの後期症状|歩行障害・慢性的な痛み 首ヘルニアが後期症状にまで進行すると、手のしびれや筋力の低下、歩行障害といった深刻な症状が現れる場合があります。 神経の圧迫が強くなり、指先の細かい動作が難しくなるケースも少なくありません。 また、首だけでなく、背中や腰にも痛みが広がる場合があります。 この段階では、保存療法だけでの改善が難しく、手術が必要になる場合もあるでしょう。 日常生活に支障を感じるほどの症状が出た際は、早めに専門医に相談し、適切な治療を受けることが大切です。 以下の記事では、首ヘルニアの軽度から重度までのレベル別症について詳しく解説しています。あわせてご覧ください。 首ヘルニアの治療法は主に2種類 首ヘルニアの治療には、保存療法と手術療法の2つがあります。(文献2) 以下のように、症状の程度に応じて適切な方法が選択されます。 治療法 概要 適応する症状 保存療法 薬の服用・リハビリ・姿勢改善で症状を緩和 軽度の痛み・違和感・軽いしびれ 手術療法 ヘルニア部分の除去や骨の固定手術を行う しびれや筋力低下が進行、歩行障害がある場合 軽度の症状なら、薬の服用・リハビリ・姿勢の改善などの保存療法で緩和が期待できます。痛みが強い場合は、医師の判断のもと、鎮痛薬や神経ブロック注射をして様子を見るケースもあります。 しかし、しびれや筋力低下が進行し、日常生活に支障が出る場合、ヘルニア部分を除去したり、骨を固定する手術を検討することもあるでしょう。 首ヘルニアの悪化を防ぐには、早めの診断と適切な治療を受けることが大切です。 首ヘルニアを予防するには?日常生活でできる3つの対策 首ヘルニアは、日々の生活習慣の見直しによって予防が可能です。 とくに姿勢の改善や適切な枕の使用、スマホやPCの使い方を工夫することで、首への負担を軽減できます。 ここでは、首ヘルニアを防ぐための具体的な対策を3つ紹介します。 正しい姿勢をキープする 首に負担をかけない寝方と枕選び 長時間のスマホ・PC作業を避ける それぞれ詳しく解説しますので、参考にしてください。 正しい姿勢をキープする 首ヘルニアを防ぐためには、正しい姿勢を意識することが重要です。 猫背や前かがみの姿勢が続くと、首の自然なカーブが崩れ、椎間板に余計な負担がかかります。 たとえば、デスクワークが多い人は、無意識のうちに首に負担をかけているケースが少なくありません。座り仕事を行う場合は、椅子の高さを調整し、背筋を伸ばすように意識してみてください。 また、1時間に1回は軽く首や肩を動かすことで、血流が良くなり、筋肉の緊張を防げます。 普段から正しい姿勢を意識して、首ヘルニアのリスクを下げましょう。 首に負担をかけない寝方と枕選び 寝るときの姿勢や枕の高さも、首ヘルニアの予防に関わります。 高すぎる枕を使うと首が曲がった状態が続き、椎間板に負担がかかるためです。 また、うつ伏せ寝は首を不自然にひねる場合が多く、首のトラブルを引き起こす原因となります。 仰向けで寝るときは、首のカーブをしっかり支える高さの枕選びが大切です。横向きで寝る場合は、首と背骨が一直線になるような高さの枕を選びましょう。 適切な寝具の利用によって、首ヘルニアの予防はもちろん、快適な睡眠環境も作れます。 長時間のスマホ・PC作業を避ける スマホやPCの長時間使用は、ストレートネックの原因となり、首ヘルニアのリスクを高めます。 とくにスマホを下向きで操作する姿勢は、首への負担が大きく、椎間板への圧力を増加させます。 予防のためには、スマホを使うときは画面の高さを目線に近づけ、長時間の連続使用を避けるなどの対策が必要です。 また、PC作業では、モニターの位置を適切に調整し、こまめに休憩を入れて首の負担を減らすのも効果的でしょう。 以下の記事では、首ヘルニアの症状の方に向けて、日常生活で注意すべき点について解説しています。 まとめ|首ヘルニアの原因を知って早めに対策を! 首ヘルニアは、生活習慣の見直しによって予防が可能な疾患です。 加齢や姿勢の悪さ、長時間のスマホ・PC作業などが原因となるため、日々の姿勢改善や適切な寝具の使用を意識することが大切です。 とくに、首に負担をかけない生活習慣を心がけるだけでも、症状の悪化も防げます。 もし違和感を感じたら、早めに対策を取れば、健康な首を維持しやすくなるでしょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による治療も行っております。 術後の後遺症でお悩みの方は、お気軽に「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。 首ヘルニアの原因に関するよくある質問 首ヘルニアになったらやってはいけないことは? 首ヘルニアの症状がある場合、無理に首を動かしたり、自己流のストレッチを行うのは危険です。 強い痛みやしびれがある状態で首をひねると、神経をさらに圧迫し、症状が悪化する可能性があります。 また、長時間のデスクワークやスマホの使用も控えたほうがよいでしょう。 首に負担をかけないよう、適度な休憩や姿勢の改善を意識することが大切です。 以下の記事では、首ヘルニアでやってはいけないことを詳細にまとめています。 詳しく確認したい方は参考にしてください。 首のヘルニアは完治するんですか? 首ヘルニアは、症状の程度によっては回復が可能です。 軽度の場合、ストレッチやリハビリ、薬の服用で症状が改善するケースが多く、手術が不要なこともあります。 しかし、神経の圧迫が進行すると、完治が難しくなるケースもあります。 悪化を防ぐためにも、適切な治療を受けながら日常のケアを続けることが大切です。 こちらの記事では、首のヘルニアの症状や治療法について詳しく解説しています。 リペアセルクリニックは「再生医療」に特化した再生医療専門クリニックです。 手術・入院をしない新たな治療【再生医療】に興味がある方は、お気軽に「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。 参考文献 (文献1) せぼねお悩みドットコム「頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症による首の痛みや手足のしびれは神経が発信するSOSのサインです」 https://www.sebonenayami.com/common/images/specialist/18/18.pdf(最終アクセス:2025年2月22日) (文献2) 日本ペインクリニック学会「Ⅳ H 1 頸椎椎間板ヘルニア」 https://www.jspc.gr.jp/Contents/public/pdf/shishin/6-17.pdf (最終アクセス:2025年2月22日)
2023.12.04 -
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頚椎椎間板ヘルニアの症状とはどのようなもの? 初期症状はどう見分ければいい? 症状の程度を知りたい このように考えている方は多いでしょう。 頚椎椎間板ヘルニアには独特の症状があり、事前に理解していれば判断できます。 この記事では頚椎椎間板ヘルニアの症状や治療に関して解説します。 頚椎椎間板ヘルニアの初期に見られやすい3つのチェックポイント 頚椎椎間板ヘルニアは、頚椎(首の骨)間のクッションである「椎間板」組織の一部がなんらかの理由で本来の場所から逸脱することで起こる疾患です。 この椎間板は年齢とともに成分である水分がぬけてきて、脆くなりヘルニアとして突出してきます。 「ヘルニア」という言葉は臓器や組織が本来あるべき場所からはみ出してしまうことを指します。 初期症状のチェックポイントは以下3点。 首の痛み 片方の腕や手の痛み・痺れ 両手の痺れ・感覚障 ①首の痛み 首の痛みは頚椎椎間板ヘルニアの最初期の症状で、具体的には以下のような状態になります。 首の後ろ側が痛くなる(顕著な場合は肩甲骨あたりまで痛む) 左右に捻ったときだけ痛みを感じる 寝違えたような痛みがある このような症状が、突発的に現れるのが、頚椎椎間板ヘルニアの特徴です。 ②片方の腕や手の痛み・痺れ 片方の肩から腕、手にかけての痛みや痺れは「神経根の圧迫」が起こることで認められる症状の典型例です。 「神経根」とは脊髄から体の各部位に伸びる神経の付け根のことです。 各椎体と椎体の間から、左右それぞれに1本ずつ神経の束が伸びていきます。 神経根が出てくるのは椎体の外側やや後ろです。 椎間板組織がやや斜め後ろに飛び出すことにより神経根の圧迫が起こると、その神経の領域を中心に強い痛みをはじめとした症状が起こります。 頚椎から伸びる神経は主に肩から腕、手にかけて分布する神経です。 そのため頚椎椎間板ヘルニアの神経根症状は主に肩・腕・手に認められます。 症状は圧迫された側のみに起こるため、左右どちらか一方のみが痛んだり痺れたりします。 神経根圧迫による症状は「電気が走るような」「ビリッとした」などと表現されることが多いです。 ときに激痛となり、日常生活が困難になる人もいます。 ③両手の痺れ・感覚障害 片手でなく両手が痺れる場合はヘルニアによる「脊髄」のダメージが起こっている可能性があります。 脊髄は椎体(いわゆる背骨)の真後ろを走っています。椎間板の組織が体の後方へ飛び出すことで、脊髄が圧迫されます。 脊髄の圧迫による症状は指先から始まり、徐々に範囲が広がっていくことが多いです。 片側から始まることも多いですが、最後には両手に認めます。感覚も鈍くなります。 その後はさらに体幹部や足へも症状が広がっていきます。 神経根の圧迫と異なり、脊髄の圧迫では強い痛みはあまり感じません。 「なんとなく痺れた感じがする」程度の症状が、実は脊髄圧迫のサインであるかもしれないのです。 鑑別診断として、ALSなど神経系疾患、糖尿病の合併症である末梢神経障害、手根管症候群、足根管症候群なども注意しなければいけません。 頚椎椎間板ヘルニアの症状レベル4段階 頚椎椎間板ヘルニアの症状レベルは以下4段階に分けられます。 初期 発症期 中期 末期 それぞれでどのような症状があるか解説します。 初期|首や肩の違和感 初期症状が起こるのが前兆期です。以下のような症状が見られます。 軽微な首や肩の痛み 下半身のわずかな痺れや感覚の鈍麻 片手もしくは両手の痺れや感覚の鈍麻 初期症状として先述したとおりの症状が起こります。 ただしいずれも軽微であり、大きな問題にはなりません。 しかし症状が軽微であるがゆえ、診察や治療の意義を見出せず、対応が遅れがちです。 初期症状が見られたら、重篤化する前に医師の診察を受けるのが大切です。 発症期|鈍痛と痺れの併発 発症期に入ると、先述した首や肩の痛み、手足の痺れなどが強まります。 痛みはいわゆる鈍痛であり、各部位も動かしにくくなります。 このあたりで、なんらかの疾患を疑い出すケースが多いでしょう。 また痛みも痺れも、日常生活や仕事に差し障るレベルになります。 運動の困難も一部見受けられ、箸を使う、ボタンを止めるといった動作がややむずかしくなります。 中期|首や肩の可動域の低下 中期に入ると、明らかな鈍痛や痺れとともに、首や肩の可動域が低下したのを感じるようになります。 今までどおり首を上下に動かせない、肩が回せないなどの症状があらわれます。 また手指がうまく使えなくなり、コップなどが持てない、手すりをつかめないなどの症状も起こりうるでしょう。 頭痛が伴うケースもあります。 末期|耳鳴りやふらつきなどの重大な症状の発生 末期になると、症状は頭部や下半身に広がります。 眼精疲労やめまい、耳鳴り、ふらつきなどの症状が生じ、日常生活に大きな支障が出ます。 痛みの悪化もひどく、手足だけでなく胸や背中に強い鈍痛が生じることも。 下半身では歩行障害が生じ、さらに尿失禁なども起こります。 この段階では入院や手術による大掛かりな治療が必要です。 初期段階で放置した場合のリスク 神経根症状の場合は悪化すると、支配神経の感覚障害や筋力低下が起こることがあります。 ただし、神経根症状の場合は安静を心がけるだけでも約2カ月から3カ月で自然治癒する方も多くいます。 一方、脊髄圧迫の症状が進行すると厄介です。 進行していくと、まず手の「巧緻(こうち)性運動障害」が起こります。 細かく指を使う動作が難しくなり、箸を使う・ボタンをかける・文字を書くなどの当たり前にできていたことができなくなるのです。 続いて、足の運動障害により歩行が難しくなります。 さらに進行すると排尿のコントロールに重要な神経の障害が起こり、頻尿・残尿感・失禁などを認めることもあります。 ①手の「巧緻(こうち)性運動障害」が起こる 細かく指を使う動作が難しくなる。 箸を使う、ボタンをかける、文字を書けなくなる 当たり前にできていたことができなくなる ②足の運動障害 歩行が難しくなる。 ③さらに進行すると 排尿の障害 頻尿、残尿感、失禁 治療について 初期の症状のうちは保存療法が基本です。 保存療法 最も重要なのは首の安静を保つことです。 とくに後屈動作、つまり顎を上げる動作は症状悪化の原因になります。 なるべく首を動かさないように、頚椎カラーの使用を指示されることもあります。 痛みが強いときは鎮痛薬の内服やブロック注射などが選択肢です。 手術療法 一方、脊髄症状が進行してしまい、巧緻運動障害・歩行障害・排尿障害などが起こると手術を考えることになります。 また、神経根症状でも治療抵抗性の場合は手術が選択肢となります。 頚椎椎間板ヘルニアについてよくある質問 Q:頚椎椎間板ヘルニアが心配です。何科に受診すれば良いでしょうか? 頚椎椎間板ヘルニアをはじめとした頚椎疾患は次のいずれかの診療科で診察を受けることができます。 整形外科 脳神経外科 ただし、これらの診療科であっても医師によって専門領域が異なることもあります。 場合によっては他の病院や診療科に紹介となる可能性も否定できません。 受診希望時に迷うようであればあらかじめ「頚椎の病気」を診てもらえるか問い合わせをしておくとスムーズです。 Q:頚椎椎間板ヘルニアはレントゲンでわかりますか? レントゲンで確定診断をすることはできません。 同様の症状をきたす他の病気がないかを診る目的で行います。 頚椎椎間板ヘルニアがあるかどうかはMRI撮影を行って調べます。 Q:頚椎椎間板ヘルニア発症時にやってはいけないことは? 以下のような活動や行動は避けましょう。 重いものを持ち上げる 首を大きくひねる 長時間同じ姿勢を取る スポーツに取り組む 寒い場所に行く 温熱療法を自己判断でおこなう ストレスをためる 基本的に医師の指示にしたがい、安静に過ごすのが重要です。 Q:頚椎椎間板ヘルニアを発症した場合の仕事を休む期間は何日? 症状の程度にもよりますが、手術がないなら1〜3週間の休業が必要です。 手術が必要なら、1カ月以上の休養が必要になるでしょう。 まとめ・頚椎椎間板ヘルニアの初期症状を見逃さないための3つのポイント 頚椎椎間板ヘルニアはときに自然治癒することもある疾患です。 しかしながら、人によっては急激に悪化し、麻痺などの重い神経症状を認めることもあります。 一度重症化してしまうと手術を行わなければならないこともあり、早期に診断して適切な治療を行うことが望ましいです。 今回ご紹介した「首の痛み」「片方の腕や手の痛み・痺れ」「両手の痺れ・感覚障害」があれば、早めに病院を受診しましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 参考文献 山崎正志. 臨牀と研究. 97(7): 790-796, 2020. 鎌田修博. 整形外科看護. 12(9): 856-858, 2007. 中川幸洋. MB Orthop. 33(3): 27-34, 2020. 吉井俊貴, 江川聡. MB Orthop. 30(10): 7-13, 2017.
2023.11.30 -
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頚椎椎間板ヘルニアと診断されたものの、なかなか痛みが和らがず、この先どうすれば良いのか分からないといった不安を感じている方も多いのではないでしょうか。 頚椎椎間板ヘルニアとは、頚椎と頚椎の間にある椎間板と呼ばれるクッションのようなものが後ろに飛び出し、神経を圧迫することで首の痛み・腕や手のしびれ・肩こり・感覚異常などの症状を引き起こします。 症状が緩和されないときは、医療機関で専門家に相談しながら、今後の治療方針を見直すことが必要です。 本記事では、頚椎椎間板ヘルニアの原因から痛みを和らげるための治療法をわかりやすく解説します。 痛みを悪化させないための日常生活での工夫や注意点も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。 また「今の治療では痛みが改善しない」「他に自分に合う治療法がないか知りたい」という方は、当院(リペアセルクリニック)の無料電話相談もご活用ください。 ▼つらい頚椎椎間板ヘルニアの痛みに関する無料のご相談は(こちらをクリック) \お問い合わせはこちらからも可能!/ 0120-706-313 (受付時間:9:00〜18:00) 頚椎椎間板ヘルニアの原因と発症メカニズム 首の部位にある背骨を医学用語で「頚椎(けいつい)」と呼びます。背骨は頚椎が積み重なるようにして、作られているのが特徴です。 頚椎の間には「椎間板(ついかんばん)」と呼ばれるクッションのような構造があります。 椎間板は、ゴムのような線維性軟骨からなる環状部分(繊維輪)と、ゼリーのような柔らかい(髄核)でできています。 以下画像のように、頚椎椎間板ヘルニアとは、椎骨の間にある椎間板が後ろに飛び出てしまい、脊髄や神経根が圧迫されて症状が出る病気です。 また、頚椎椎間板ヘルニアは、椎間板が加齢などの理由で変性して、後ろのほうへ突出して起こるのが原因です。 30〜50代の働き盛りの方に多く、誘因なく、突然発症する場合も多い傾向にあります。 悪い姿勢での仕事や、スポーツなどがきっかけとなる場合もあるでしょう。 ほかにも、頚椎椎間板ヘルニアの症状としては、急な首の痛みに引き続き、腕や手指のしびれが特徴です。 飛び出した椎間板が大きく、脊髄を圧迫してしまうと、歩行障害や手指の運動障害が生じる可能性もあります。 また以下の動画では頚椎椎間板ヘルニアの初期症状を見逃さないための3つのポイントを、わかりやすく解説しています。 「最近、首の痛みや腕のしびれが気になる」「もしかして頚椎椎間板ヘルニアかも?」と不安に感じている方は、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/bXPC0JUz68g?feature=shared 頚椎椎間板ヘルニアの診断・検査 頚椎椎間板ヘルニアの診断には、首の骨のレントゲン撮影やCT検査、MRI検査などが行われます。 MRI検査では、変性した頚椎の椎間板や、頚椎椎間板ヘルニアの確認が可能です。 椎間板が後ろのほうへ飛び出している場合、脊髄や神経根が圧迫されているか、また程度の確認も行う流れです。 画像検査の結果と症状を照らし合わせながら、矛盾がない場合は、頚椎椎間板ヘルニアの症状であると診断できます。 また、首を斜め後ろへ反らすと、腕や手に痛みが走るのも症状の特徴なので、診断の際にはこのような手技が用いられる場合もあります。(文献1)(文献2) 頚椎椎間板ヘルニアのテスト 頚椎椎間板ヘルニアの確認方法として、以下のようなテストが行われます。 ・頚椎伸展テスト:首を後ろにそらすと、腕から手指にかけてのしびれや痛みが増強します。 ・ジャクソンテスト:頭を少し後ろにして首をそらし、頭を上から圧迫すると、腕から手指にかけて痺れや痛みが出てきます。 ・スパーリングテスト:頭を症状のある方向へ傾けると、腕から手指にかけてしびれや痛みが出てきます。 頚椎椎間板ヘルニアの痛みを和らげる治療方法 頚椎椎間板ヘルニアの治療法は、症状の程度によって「保存的治療」もしくは「外科的治療」に分けられます。まずは症状が軽いときの治療法から解説します。 保存的治療 外科的治療 保存的治療 頚椎椎間板ヘルニアの痛みを和らげる方法には、鎮痛薬や神経ブロックなどの薬物治療、牽引(けんいん)治療、理学療法が行われます。 また、頚椎椎間板ヘルニアによる症状は、ヘルニアが自然に吸収されると自然に治癒する例も多数報告されています。(文献3)(文献4) そのため、まずは保存的な治療で様子をみていく場合が多いです。 薬物治療 痛みが強いときには、首の安静保持を心がけます。 また、鎮痛薬の内服や神経ブロックを行う場合もあります。 牽引治療 頚椎カラー装具で首を固定したり、首の牽引治療を行ったりする場合もあります。 首の牽引治療を行うと、理学療法のみの場合よりも、治療開始5週間後の握力の回復が優れていたという報告も見受けられました。 また、頚椎の牽引を行うと神経根が減圧され、再髄鞘化と血流の改善が起こると考えられています。 理学療法 頚椎椎間板ヘルニアを含み、頚椎が変性して起こる疾患には理学療法も効果的です。 理学療法としては、マッケンジー法や首のエクササイズなどがあります。 マッケンジー法では、首の反復運動の検査や姿勢保持検査を行い、症状を見ながら運動療法の内容や負荷、強度などの治療方法を決めていくものです。 運動の内容としては、首の曲げ伸ばし、側屈、回すことなどを組み合わせて行います。(文献5) 外科的治療 保存的治療の開始から約3カ月経っても症状の改善がないときは、手術を考慮したほうが良いという報告もあります。 また、早く症状を改善したい希望が強い場合にも、外科的手術が推奨されます。 ほかにも、脊髄症の症状である運動麻痺が強く出ているときも、手術が考慮されるのが一般的です。 外科的手術の方法としては、以下が標準的な術式として推奨されています。 前方除圧術 前方除圧固定術(文献6) 頚椎椎間板ヘルニアの痛みを和らげる方法【日常生活の注意点2つ】 日常生活での動作に注意しておくと、ヘルニアを含め、頚椎症による神経症状の悪化をある程度予防できると考えられています。 また、頚椎椎間板ヘルニアの痛みを和らげる行動にもつながるでしょう。 頚椎椎間板ヘルニアに限らず、頚椎の変性で起こる病気について、日常生活での注意点をご紹介します。 良い姿勢を保つ 寝るときに面積が広い枕を使う 良い姿勢を保つ 保存的治療や予防の段階では、頚椎に負担をかけないためにも、良い姿勢を保つのが大切です。とくに、後屈(後ろに反らす動作)を避けるのが重要になります。 【負担をかけないためのポイント】 上を見上げる姿勢は取らない 首をぐるぐると回す運動は避ける 腹ばいでの読書はやめる 不適切な姿勢でテレビを見ない 寝るときに面積が広い枕を使う 頸椎への負担を減らすには、寝方にもポイントがあります。 寝るときは、頭だけでなく首もしっかりと固定できるような、面積の広い枕を選びましょう。(文献7) まとめ|頚椎椎間板ヘルニアの痛みを和らげる治療方法で悪化を防ごう 頚椎椎間板ヘルニアで症状が重い方には、手術療法が選択されます。 一方で、手術を行っても脊髄や神経根の損傷が完全に修復されない場合もあります。結果として、しびれや痛みといった症状が残ってしまう場合もみられるでしょう。 頚椎椎間板ヘルニアの痛みが和らがないときは、医療機関への受診を検討する必要があります。 当院リペアセルクリニックでは、脂肪由来の幹細胞を使用した脊髄腔内ダイレクト注射療法を使い、傷ついた神経の再生を試みています。 頚椎椎間板ヘルニアの手術を受けても、なかなか症状が改善しない・痛みが続くなどお悩みの方は、ぜひ一度当院までご相談ください。 ▼つらい頚椎椎間板ヘルニアの痛みに関する無料のご相談は(こちらをクリック) \お問い合わせはこちらからも可能!/ 0120-706-313 (受付時間:9:00〜18:00) ▼再生医療による治療事例については、以下の動画もぜひご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=5WTj47BqXbQ 頚椎椎間板ヘルニアに関するよくあるQ&A 頚椎椎間板ヘルニアに関するよくある質問と答えをまとめています。 Q.頚椎椎間板ヘルニアの入院期間・休業期間は? A.一般的な入院期間、休業期間は以下のとおりです。 入院期間(リハビリなども含め):10〜14日ほど 休職期間(手術を行なった場合):2〜3週間ほど 頚椎椎間板ヘルニアの治療に関する詳細は、以下の記事も参考になります。 Q.頚椎椎間板ヘルニアのストレッチ方法は? A.首の筋肉を始め、胸の前側にある筋肉のストレッチを行うのがおすすめです。 ただし、違和感や痛みがある場合、無理にストレッチを行わないように注意しましょう。 ストレッチの方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。 Q.頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけないことは? A.以下の5つがあげられます。 スポーツでの違和感は放置しない 姿勢が良くないまま過ごさない 体重管理をせず体に負担をかけない 自転車・バイクなどに乗って負担をかけない 喫煙を習慣化しない 詳細については、以下の記事も参考にしてみてください。 参考文献 文献1 頚椎椎間板ヘルニア|一般社団法人日本脊髄外科学会 文献2 「頚椎椎間板ヘルニア」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる 文献3 頚椎症性神経根症(椎間板ヘルニア含む)の 外科治療に関する指針.Spinal Surgery.2015;29(3)242-251. p242-p243 文献4 自然消退がみられた頚椎椎間板ヘルニアの1例.整形外科と災害外科.2012;61:(1)89-93. 文献5 頸椎変性疾患患者に対する理学療法の効果.理学療法学.2020. 文献6 頚椎症性神経根症(椎間板ヘルニア含む)の 外科治療に関する指針.Spinal Surgery.2015;29(3)242-251. p246 文献7 頸椎症の診療.臨床神経学.2012;52(7)469-479. p476
2023.11.27







