-
- 上肢(腕の障害)
- 下肢(足の障害)
- スポーツ外傷
「疲労骨折は自然治癒する?」「どのくらい休めば治るの?」といった、悩みを抱えるランナーは少なくありません。 疲労骨折について、自然治癒するのか、病院に行くべきか悩む方もいるのではないでしょうか。 結論から言えば、疲労骨折は安静にすることで自然治癒が目指せるケガです。 しかし、自己判断で放置してしまうと、以下のようなリスクもあるため注意が必要です。 骨が折れる(完全骨折) 骨の変形や癒合不全(うまく治らない) 炎症が慢性化 手術が必要になる 疲労骨折から早期に回復し、再びランニングを楽しむためには、正しい知識と適切なケアが欠かせません。 この記事では、疲労骨折の原因や症状、自然治癒のプロセス、そして復帰目安と予防策について詳しく解説します。 「まだ病院に行くほどではないけれど、痛みがあって、少し不安が残る」という方は、ご自身の状態が自然治癒で済むものか確かめるためにも、ぜひ一度、当院(リペアセル)の無料電話相談をご利用ください。 専門スタッフが、現在の症状や状況を丁寧に伺い、必要な対応をアドバイスいたします。 ▼疲労骨折に関する不安や疑問に関しては、以下をクリックでご自宅からでも簡単に相談いただけます。 >>0120-706-313(受付時間:9:00〜18:00) 疲労骨折は自然治癒できる!早く治すには「安静にすること」が大切 結論からいえば、疲労骨折は自然治癒するケガです。しかし、なにも対策せずに放置していても早く治るわけではありません。 疲労骨折を早く自然治癒させるには、疲労骨折がどうして発症するのか、どのような状態なのかを理解する必要があります。本章をしっかりと確認し、疲労骨折についての理解を深めてください。 疲労骨折の原因と典型的な症状 疲労骨折は、以下のような要因が重なると発生しやすくなります。 急激なトレーニング量の増加 不適切なランニングフォーム 硬いランニングサーフェス 足に合わない靴の使用 骨密度の低下 疲労骨折の症状は、以下のようなものがあります。 症状 説明 運動時の痛み 特定の部位の痛み 安静時の痛みの持続 休んでいても痛みが続く 腫れや圧痛 患部が腫れたり、押すと痛みを感じる 皮膚の発赤や熱感 患部の皮膚が赤くなったり、熱を持つ これらの症状が継続する場合は、疲労骨折の可能性が高いと考えられます。 疲労骨折は足をはじめ、膝や腰などにも発症しやすいケガです。以下の記事では、ランナーに多い「膝」と「足の甲」の疲労骨折について解説しています。気になる方はぜひ一度ご覧ください。 疲労骨折は通常の骨折と違い使いすぎによるもの 疲労骨折は運動などで体を使いすぎたことによって生じるケガです。病名には「骨折」とありますが、通常の骨折とは発症のメカニズムが異なります。 通常の骨折は転倒などの衝撃によって骨が折れるのに対し、疲労骨折は走った際の衝撃や筋肉が引っ張る力が繰り返し同じカ所に加わることで生じるケガです。 そのため、疲労骨折を治すためにはケガした箇所への負担を減らし、安静にすることが大切といえます。もし疲労骨折と診断されたら、治るまでは運動を中止しましょう。 ちなみに以下の記事では脛(すね)の使いすぎによって生じるシンスプリントについて解説しています。疲労骨折でお悩みの方はぜひご覧ください。 【自然治癒】疲労骨折を早く治す3つの方法! 疲労骨折を早く治す方法として、以下3つが挙げられます。 6〜8週間は安静にし、休息時間を取る 自然治癒を促進する栄養を摂取する 整形外科を受診し、運動療法や物理療法などのリハビリを受ける 疲労骨折で早く自然治癒させるためには、一旦運動せずに体を休めて安静期間を作りましょう。安静が必要な期間は疲労骨折の重症度によって変わり、症状が重たい場合にはより長く安静にする必要があります。 ここからは、自然治癒を早めるために大切な方法を3つご紹介します。本章を参考に、正しい疲労骨折のセルフケアを実施しましょう。 6〜8週間は安静にし、休息時間を取る 疲労骨折には6〜8週間の安静と休息時間が必要といわれています。ただし、骨折の部位や重症度によって、治癒に必要な期間は異なるので、まずは整形外科で検査を受けることをおすすめします。医師に疲労骨折の程度を確認してもらい、適切な指示を受けましょう。 疲労骨折のタイプと治癒の目安期間は以下のとおりです。 骨折のタイプ 治療期間の目安 脛骨(シンスプリント) 4~8週間 中足骨 6~8週間 大腿骨頸部 8~12週間 腰椎 6~12週間 ただし、これらは一般的な目安であり、治癒期間には個人差があるので注意してください。 また、疲労骨折の自然治癒には、以下の条件が必要といわれています。 十分な安静と休息 患部への負荷の回避 適切な栄養摂取 これらの条件を守れば、疲労骨折の自然治癒を早められる可能性があります。疲労骨折で悩んでいる方は、ぜひ実践してみてください。 自然治癒を促進する栄養を摂取する 自然治癒を促進するためには、適切な栄養摂取が重要です。以下の栄養素は、疲労骨折の自然治癒を早めてくれる可能性がある、おすすめの食材です。 栄養素 食べ物 カルシウム 乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど) 小魚(しらす、小あじなど) 大豆製品(豆腐、納豆など) 緑黄色野菜(小松菜、ブロッコリーなど) ビタミンD 魚(鮭、さんま、いわしなど) きのこ類(しいたけ、まいたけなど) 卵黄 タンパク質 肉類(鶏肉、豚肉、牛肉など) 魚介類(鮭、まぐろ、えびなど) 大豆製品(豆腐、納豆、油揚げなど) 卵 乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど) 上記の食材を食事にバランス良く取り入れ、疲労骨折の回復効果を高めましょう。 整形外科を受診し、運動療法や物理療法などのリハビリを受ける 疲労骨折の回復を早めるためには、整形外科を受診し、運動療法や物理療法など適切なリハビリを受けることをおすすめします。リハビリは自己判断で行わず、必ず医師の許可を得てから開始し、理学療法士の指導のもとで段階的に進めましょう。 疲労骨折時のリハビリの種類は以下のとおりです。 種類 目的 具体的な方法(例) 注意点 段階的な運動負荷 徐々に運動量を増やしていく 低強度から開始し、耐久性をつける 痛みに注意しながら、負荷を徐々に上げる 骨折部位に過度な負荷をかけないよう、医師の指示に従う 全身的な筋力トレーニング 骨折部位周辺および全身の筋力維持・強化 体重負荷や抵抗運動を取り入れる 患部周辺の筋肉だけでなく、全身の主要な筋群をトレーニング コアスタビリティトレーニング(体の中心部の筋肉を鍛える運動)の導入 骨折部位の筋力トレーニングは、完全に治癒するまで控える 関節可動域訓練 関節の柔軟性維持 ストレッチや筋緊張の緩和を促す 患部の関節および全身の主要な関節を動かす運動 骨折部位の関節は、医師の許可があるまで動かさない バランス訓練 再発予防とパフォーマンス向上に有用 片脚立ちや不安定な面(例:バランスボール)での立位保持 動的なバランス運動 プロプリオセプション(体の位置感覚)トレーニング 骨折部位に体重をかけない方法から始める 代償動作の修正 不適切な動作パターンの改善 歩行分析と修正 日常生活動作の評価と指導 骨折部位を保護しながら行う このアプローチにより、骨折部位を適切に保護しつつ、全身のコンディショニングと再発予防に焦点を当てたリハビリが可能となります。常に無理のない範囲で、徐々に活動レベルを上げていくことが大切です。痛みがある場合は必ず中止し、医師に相談してください。 また、リハビリには上記のような運動療法だけでなく電気や超音波を利用した物理療法もおこないます。物理療法では骨への血流促進効果や炎症を抑える作用があり、疲労骨折の治療として有効です。物理療法には以下のようなものがあります。 種類 効果 アイシング 痛みと腫れの緩和に効果的 電気刺激療法 痛みの軽減と筋肉の緊張緩和 超音波療法 骨の治癒を促進する可能性あり 物理療法は疲労骨折による痛みの軽減や骨の自然治癒促進に働く可能性があります。効果には個人差がありますが、疲労骨折を早く自然治癒したい方は積極的に取り入れてみてください。 【再発に注意】疲労骨折後に運動復帰する2つの目安 疲労骨折から運動を再開するときに注意すべきなのは疲労骨折の再発です。 疲労骨折の治療中、安静にしていた体は想像以上に筋力・体力が衰えている可能性があります。そのため、運動復帰時の強度に注意が必要です。 これからご紹介する2つの目安を参考に運動を再開し無理をしないように心がけてください。それでも判断に迷う場合には、必ず医師の判断を仰いでから運動を再開しましょう。 なお、当院リペアセルクリニックでおこなっている再生医療は疲労骨折にも効果が期待できます。興味がある方はメール相談もしくはオンラインカウンセリングでお気軽にご相談ください。 骨折部位を押したり叩いたりして痛みがない 骨折部位を押したり叩いたりして痛みがない場合、運動を再開できる目安といえます。 疲労骨折時は、骨折部位を押したり叩いたりすると痛みを感じることが多くあります。 痛みがなければ疲労骨折が治癒している可能性があるため、少しずつ運動を再開しても良いでしょう。 逆に押したり叩いたりしたときに少しでも痛みを感じるようであれば、無理せず安静にすることをおすすめします。 運動動作をしてみて痛みがない ジョギングなどの軽い運動動作をしてみて痛みがない場合も、運動再開の目安です。 運動再開時は疲労骨折する前と同じ運動量ではなく、負荷をかけすぎないように注意してください。走るときもまずはジョギング程度から開始し、時間・距離を短くして軽く走ると良いでしょう。 安静期間が長いほど体は衰えている可能性が高いため、急に激しく動かすと疲労骨折の再発の原因になりかねません。 軽めのジョギング程度から開始し、徐々に時間・距離を伸ばして体を運動に慣らしましょう。 また、疲労骨折の再発を予防するためのポイントは次項で詳しく紹介しています。疲労骨折後に運動復帰する上で大切なことなので、ぜひチェックしてみてください。 疲労骨折を予防する2つのポイント 疲労骨折を予防するためにはトレーニング方法の見直しとライフスタイルの調整が重要です。ここから疲労骨折を予防するためのポイントを2つご紹介しますので、ぜひ実践してみてください。 トレーニングは自分に合った方法と負荷で行う 疲労骨折を予防するためには、自分に合った方法・負荷で行うことが大切です。トレーニングでは、以下4つのポイントを抑えておきましょう。 トレーニングのポイント 詳細 段階的にトレーニング量を増やす 増やす負荷は「週10%以下」が目安 たとえば10kg→11kg程度で、1週間の間でそれ以上は上げない 十分なウォームアップとクールダウンを行う ウォーミングアップは運動をするための準備が整い、怪我を予防できる クールダウンは疲労回復効果があり、疲労骨折を予防できる 適切な休養日を設ける 体を休めることで、使いすぎによる疲労骨折を予防できる 具体的に、週1回以上の休息がおすすめ クロストレーニングを取り入れる 全身を使う水泳などのクロストレーニングは一部位への負担を軽減し、疲労骨折の予防につながる 急激に大きな負荷をかけたり、休まず動かし続けたりすると、疲労骨折のリスクが高くなります。 トレーニングの負荷は段階的に増やすよう意識し、週1回以上は身体を休めるようにしましょう。 規則正しいライフスタイルで骨を休ませる 疲労骨折を予防するには、十分な休息で骨を休ませる規則正しいライフスタイルが重要です。以下のようなライフスタイルの調整が役立ちます。 ライフスタイルの調整 具体的な方法 バランスの取れた食事 カルシウム豊富な食品(乳製品、小魚、大豆製品、緑黄色野菜など)を摂取する ビタミンD含有食品(鮭、さんま、きのこ類、卵黄など)を取り入れる 適度な日光浴 1日15~30分程度、日中の太陽光を浴びる 禁煙 ニコチン代替療法(ニコチンパッチ、ガムなど)を活用する 禁煙外来や禁煙プログラムに参加する 禁煙に理解のある友人や家族に協力を求める 過度なアルコール摂取の制限 1日の飲酒量を、男性は20g、女性は10g未満に抑える アルコールを含まない飲み物を積極的に摂取する アルコールの代わりにストレス解消法を見つける 疲労骨折の予防には、適切な栄養摂取が欠かせません。 また、意識的に太陽の光を浴びたり、喫煙や過度な飲酒を避けたりすることも、疲労骨折の予防につながります。 定期的な骨密度検査を受け、骨の健康状態をチェックすることも大切です。疲労骨折の予防や早期発見のためにも、整形外科にて定期的な骨密度検査や診察を受けておくと安心です。 まとめ|疲労骨折を早く自然治癒させるためには安静が重要! 疲労骨折は身体の使い過ぎによって起こるケガであり、自然治癒するケースが多くあります。疲労骨折を早く自然治癒させるためには、しっかりと安静にすることが大切です。 また、自然治癒を早めてくれる栄養の摂取や、運動復帰後のトレーニングの進め方も大切です。この記事で紹介したことを実践し、疲労骨折の予防や再発防止に努めましょう。 ちなみに当院リペアセルクリニックでおこなっている再生医療は、疲労骨折をはじめとするスポーツ障害の治療にも有効です。気になる方はメール相談もしくはオンラインカウンセリングでお気軽にご相談ください。 この記事が少しでも役に立てば光栄です。 疲労骨折についてよくある質問 疲労骨折は自然治癒しますか? 疲労骨折は自然治癒するケガです。安静にし、骨折部位に負担をかけなければ自然治癒していくでしょう。しっかりと栄養を摂り、運動療法や物理療法を併用すればより早く自然治癒する可能性もあります。 疲労骨折で多い部位はどこですか? 足の中足骨や膝・肋骨・腰椎・脛に多く発症します。 これらの部位はあらゆるスポーツでよく使われる骨です。とくに長い距離を走ったり、体を捻ったりするスポーツ選手は注意が必要なため、疲労がたまらないようケアを心がけてください。
2024.09.06 -
- 上肢(腕の障害)
- 下肢(足の障害)
- スポーツ外傷
「腰の疲労骨折と診断されたけれど、早く回復して仕事やスポーツに復帰したい…」といった、悩みを抱えていませんか? 腰の疲労骨折は、無理をすると悪化しやすく、治癒までの期間が延びてしまうこともあります。 しかし、安静を最優先し、適切な時期にストレッチやトレーニングを実施すれば早期回復を目指せます。 本記事では、腰の疲労骨折を早く治す方法を具体的に解説しています。 治療中の注意点も紹介しているので、早期回復を目指したい方は参考にしてみてください。 疲労骨折のような症状があるけれど、病院に行くほどか迷うという方は、当院(リペアセルクリニック)の無料電話相談をご利用ください。 専門スタッフが痛みの程度や生活への影響をお伺いしながら、必要な対応やセルフケアのポイントをご案内します。 ▼腰の疲労骨折に関する不安や疑問に関しては、以下をクリックでご自宅からでも簡単に相談いただけます。 >>0120-706-313(受付時間:9:00〜18:00) 【基礎知識】腰椎疲労骨折とは 腰椎疲労骨折は、腰椎の「椎体」と呼ばれる骨の部分に微小な亀裂が生じる状態を指します。 腰椎疲労骨折の主な原因は、以下のとおりです。 重労働や繰り返しの負荷 不適切な姿勢や体の使い方 加齢に伴う骨密度の低下 骨粗鬆症などの基礎疾患 このように腰椎疲労骨折は、一度の強い衝撃ではなく、長期的な負荷の蓄積によって引き起こされます。特にスポーツを積極的に行う10代の若年層に多く見られ、同じ動作を繰り返すことで発症しやすいです。 腰椎疲労骨折の症状は、単なる腰痛とは異なり、以下のような特有の特徴があります。 安静時にも持続する鈍い痛み 特定の姿勢や動作で増悪する痛み 腰の特定の場所を押すと痛みを感じる(圧痛) 腰の特定の場所をトントンとたたくと痛みを感じる(叩打痛) これらの症状は、時間の経過とともに徐々に悪化する場合が多いです。最初は軽度の痛みで済んでいても、放置すれば日常生活や仕事に大きな支障をきたすようになります。 そのため、疲労骨折が疑われる場合は、早期の診断と適切な治療が不可欠です。適切な治療を行えば、痛みの軽減と日常生活の質の向上が期待できます。 なお、腰の痛みを伴う原因はほかにもあり、以下は対象となる疾患です。クリックすると詳細記事をチェックできるので、症状や治療法が気になる方は参考にしてみてください。 腰椎椎間板ヘルニア 脊柱管狭窄症 ぎっくり腰 近年、腰の痛みを伴う腰椎椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症の治療法として「再生医療」が注目されています。再生医療とは人間の自然治癒力を活用した新しいの医療技術で、損傷した脊髄の再生を図ります。 「腰に関連のある疾患の治療法に興味がある」という方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお問い合わせください。 腰椎疲労骨折はどれくらいで治る?【完治までは約3カ月】 腰椎疲労骨折の回復には約3カ月かかると言われています。 亀裂または折れた骨が癒合するまでに時間が必要なため、焦らず適切な治療を続けましょう。 治癒までの期間は、年齢や症状の程度、個人の体質などによって左右されます。 症状が軽度の方や若い方ほど治癒が早い傾向があります。 腰椎疲労骨折を早く治す方法5選 腰椎疲労骨折からの早期回復を目指す上で、日常生活で意識したいポイントを5つ紹介します。 焦らず安静にする コルセットの着用ルールを守る 計画的にリハビリを進める 軽めのストレッチ・トレーニングを行う 栄養バランスのとれた食事を心がける 参考にしながら実践をして、早期回復を目指しましょう。 焦らず安静にする 腰椎疲労骨折の基本治療は、安静により骨の自然回復を待つ保存治療です。 骨に亀裂が入っている状態なので、体を無理に動かすと状態が悪化します。 安静期間は、症状や人によって異なり、4週間から12週間程度です。 この間は、腰に負担をかけないように、できるだけ安静にして過ごしましょう コルセットの着用ルールを守る 疲労骨折の状態によってはコルセットを装着して安静時期を過ごします。 コルセットの着用が必要になった場合、使用ルールを必ず守りましょう。コルセットを着用する際は以下のような点に注意が必要です。 装着方法:締め付け具合 装着時間:1日の中での装着時間 着脱のタイミング:入浴時や就寝時の取り扱い コルセットを正しく装着しなかったり、着用を怠ったりすると、症状が悪化してしまう場合があります。早期回復のためにも、医師の指示に従って使用しましょう。 軽めのストレッチ・トレーニングを行う 骨の回復が認められ医師の許可が出たら、軽めのストレッチやトレーニングを開始していきます。 回復期は、骨盤周囲の筋肉を伸ばすストレッチや、腰を支える筋肉を強化するトレーニングが効果的です。 具体的には、ハムストリングストレッチや腰回りのストレッチや、腰椎を支える筋肉を強化を目的とした体幹トレーニングです。 適切な強度でストレッチやトレーニングを継続すれば、腰の機能改善につながります。 日常生活で負担のかかる動きを制限する 腰椎疲労骨折の回復段階では、日常生活で腰に負担をかけない動きをとる意識をもちましょう。 腰に負担がかかる動作をとれば、回復が遅れる可能性があるほか、再発のリスクも高まるからです。 腰に負担がかからない主な動作は以下の3つです。 腰を反らさない 力を入れすぎない ねじらない たとえば、ベッドから起き上がるときは、腰を反らさないように気をつけ、横向きになってから腕の力を使って上体を起こします。体をひとまとまりにして動かせば、腰に余計な負担をかけずに済みます。 椅子から立ち上がる際は、両手で座面を押しながら、膝を伸ばして立ち上がりましょう。腰を前後に動かさず、脚の力を使うと負担が軽くなります。 重い物を持つときも注意が必要です。腰を曲げずに膝を曲げ、背筋をまっすぐにしたまま持ち上げると、腰への負担が減ります。また、物を持ったまま体をねじらず、向きを変えるときは足から動かしましょう。 このように日常生活の動作を見直し、腰にやさしい動きを意識してみてください。 栄養バランスのとれた食事を心がける 骨の修復には多くの栄養が必要です。栄養バランスのとれた食事を心がけると、より早い回復が期待できます。 以下は、骨の修復に大切な栄養素と食材です。 栄養素 働き 食材 カルシウム 骨の主成分となり、強化を助ける 牛乳、チーズ、小魚、ひじき、小松菜 ビタミンD カルシウムの吸収を助ける イワシ、秋刀魚、鮭、しいたけ、きくらげ ビタミンK カルシウムを骨に定着させる 納豆、小松菜、ほうれん草、わかめ たんぱく質 筋肉や血液の材料になり、骨の修復を助ける 赤身の肉、魚、豆腐、納豆、ヨーグルト マグネシウム 骨の健康を維持し、強化をサポートする アーモンド、ごま、わかめ、大豆製品 バランスの取れた食事で、骨の修復に必要な栄養を補給しましょう。 まとめ|腰の疲労骨折を早く治すには焦らず治療していくのがもっとも大切 焦らず治療に専念するのが、腰の疲労骨折を早く回復させる近道です。腰に負担のかかる動作や運動を控えて、完治までじっくり治療に取り組みましょう。 本記事で紹介した、回復後の運動や食事のアプローチも参考にして、早期回復を目指してみてください。 腰の疲労骨折に関するよくある質問 腰の疲労骨折について、不安や疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。 ここでは、治療や予防、日常生活での注意点など、よくある質問とその回答を紹介します。腰の健康を守るための参考にしてください。 保存治療で症状がなかなか改善しない場合は手術が必要ですか? 保存的治療で十分な改善が見られない場合や、重度の骨折、神経症状を伴う場合などは、外科的治療が検討されます。 手術の方法は、骨折部位の固定や骨移植などです。 手術は、痛みの軽減、脊柱の安定化、神経症状の改善などを目的として行われます。 腰の疲労骨折における予防策を教えてください 腰椎疲労骨折の予防には、以下のようなポイントがあります。 適切な姿勢の保持 重量物の正しい持ち上げ方の習得 定期的な運動による腰部や体幹の筋力維持 骨密度の維持(バランスの取れた食事、適度な日光浴など) 日常生活の中で、腰への負担を減らす工夫を心がけるのが大切です。 重労働の仕事で腰が疲労骨折にならないためのポイントを知りたい 重労働に従事する人は、以下の点に注意をする必要があります。 項目 ポイント 詳細 1. 適切な重量制限の順守 無理なく持てる重量か確認する 重量物を分割して運ぶ 周囲と協力して持ち上げる 安全を優先して無理をしない 2. 重量物を持ち上げる際の正しい体の使い方 重心を低くし、物を体に近づける 膝を曲げ、脚の力で持ち上げる 急な動作を避ける 正しい姿勢で持ち上げ、腰への負担を減らす。定期的に訓練を受ける。 3. 休憩の確保と作業の分散 長時間の連続作業を避ける 同じ姿勢を続けない 作業を分散し負担を減らす 適切に休憩を取り、疲労を防ぐ。作業スケジュールを管理する。 4. 必要に応じた補助具の使用 台車や手押し車を使う 高所作業には脚立を使用する 腰ベルトの着用を検討する 補助具を活用し、負担を軽減する。正しい使い方を守る。 仕事と腰の健康は、切り離せない関係にあります。自分の体を守るためにも、リスク管理と予防策の実践を心がけましょう。 参考文献 MSDマニュアル家庭版."骨折の概要" 日本スポーツ整形外科学会.“スポーツ損傷シリーズ-疲労骨折" 日本臨床整形外科学会.”疲労骨折・腰痛” 日本脊椎脊髄病学会.”脊椎脊髄疾患について・主な症状” 日本生活習慣病予防協会.”骨粗鬆症” 村山医療センター.”腰椎分離症” 教えて!先生!腰痛の専門医による安心アドバイス.”腰の疲労骨折・脊椎分離症(腰椎分離症) 日本脊髄外科学会.”腰椎分離症・分離すべり症” 徳島県医師会.” 腰椎分離症 -病期・病態に応じて治療-” 日本整形外科学会.”「腰椎分離症・分離すべり症」” 厚生労働省.”腰痛予防対策” 厚生労働省.”職場における腰痛予防対策指針及び解説” ドクターズファイル.”疲労骨折” 医療法人大場整形外科.”腰椎疲労骨折” 日本骨折治療学会.”骨折の解説-疲労骨折”
2024.07.29 -
- 脊髄損傷
- 上肢(腕の障害)
- 脊椎
- 下肢(足の障害)
- スポーツ外傷
失ったはずの腕や脚が痛むのはどうして? 幻肢痛に効果的な治療法はあるの? この記事に辿り着いたあなたは、幻肢痛に悩んでおり、なんとかして痛みを和らげたいと感じているのではないでしょうか。 幻肢痛の治療法には「薬物療法」や「鏡療法」などの選択肢があり、複数の方法を組み合わせて治療を進めることもあります。ご自身の状態に合った治療法を試すことが大切です。 本記事では、幻肢痛でよく用いられる治療法やセルフケア、そして新しい治療法について解説します。幻肢痛に悩んでいる、また幻肢痛に苦しむ方の力になりたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。 幻肢痛に対する4つの治療法 幻肢痛(げんしつう)とは、事故や病気で四肢を切断したあと、失ったはずの腕や足に痛み・しびれを感じる現象です。四肢の切断によって脳内にある身体の地図が書き換わり、認識と感覚の不一致が生じて起こるといわれています。 幻肢痛の一般的な治療方法は、以下の4つです。 薬物療法 鏡療法 電気刺激療法 リハビリテーション ひとつの治療法で痛みが緩和され、一定の効果が得られる場合もありますが、さまざまな方法を組み合わせて治療を進めていくケースが多いです。 本章を参考に、幻肢痛における治療法の選択肢を知っておきましょう。 薬物療法 薬物療法では、以下のような種類の薬を使用します。 鎮痛薬 抗けいれん薬 抗うつ薬 抗てんかん薬 抗不整脈薬 オピオイド系鎮痛薬(モルヒネやドラマドール)が使われるケースもありますが、依存や乱用のリスクが高く副作用も懸念されるため、使用は慎重におこなうべきだと考えられています。 また、局所療法として、カプサイシンクリームの塗布やリドカインスプレーの噴霧などがおこなわれる場合があります。 いずれにしても、薬物療法は作用と副作用のバランスを考え投与するのが望ましいため、主治医と十分コミュニケーションを取りましょう。 鏡療法 鏡療法は、ミラーセラピーとも呼ばれている方法です。 健常な四肢を幻肢があるかのように鏡に映します。健常な四肢を動かすと、鏡にも同様に映るため、あたかも幻肢を動かしていると錯覚するのです。 これを繰り返すうちに、「幻肢が思った通りに動いている」と脳が認識するようになります。知覚と運動の情報伝達が脳内で再構築され、幻肢痛が軽減していきます。 具体的な方法は以下のとおりです。 1. 身体の正面中央付近に適切な大きさの鏡を設置します。 2. 切断部位が見えないようにし、健常肢が鏡に映るように調整します。 3. 鏡に映った健常肢の像がちょうど幻肢の位置と重なるようにします。 4. 健常肢側から鏡を見ると、幻肢があるかのように鏡に映ります。 5. その状態で健常肢でさまざまな動きをし、鏡の像を集中して見ます。 鏡療法をおこなう時間は決められていませんが、15分~30分程度おこなうのが一般的です。ただし、疲労状況や集中できる時間を考慮して、調整しましょう。 電気刺激療法 電気刺激療法には、3つの種類があります。 脊髄刺激 視床刺激 大脳皮質刺激 脊髄刺激を与えると、痛みが脳に伝わりにくくなります。刺激を与えると、痛みの伝達を抑制する物質が増加するため、神経の興奮を抑制して痛みの緩和につながるのです。 また、大脳皮質にある一時運動野や視床へ電気刺激を与えても、幻肢痛を和らげるケースが報告されています。刺激を与える部位は、切断部位や神経の残っている部分によって治療方法が異なります。 リハビリテーション 義肢や装具には、失った機能や役割を補うだけでなく、幻肢痛を和らげる効果があります。 義肢や装具の装着は、鏡療法と同様に脳に失った四肢を認識させるため、義肢の装着が日常的になると幻肢痛も消失していく場合が多いです。 ただし、幻肢痛がひどく、義肢や装具の装着ができない場合もあります。リハビリは、医師をはじめ、理学療法士や義肢装具士など、医療者と相談しながら進めていきましょう。幻肢痛は、常に一定に感じているわけではなく、突然襲われる場合もあります。 寝ていても飛び起きてしまうような突然の痛みに襲われたり、失った手足が締め付けられるように感じたり、痙攣している、幻肢がねじれる、しみるなど、感じ方や程度はさまざまです。 数年で幻肢痛がなくなる方もいれば、長年痛みに苦しめられる方もいます。そのため治療法の選択は、医師をはじめとするさまざまな医療者と相談し、それぞれの痛みの程度やライフスタイルに合わせた継続できる治療法の選択が必要でしょう。 幻肢痛治療経験者の中には、治療に成功し、徐々に痛みが緩和され消失した方もたくさんいます。 「なるべく痛みではなく、他に意識が向くようにしていると徐々に痛みが引いた」「義足をつけてリハビリを続けていると幻肢痛が緩和した」など、幻肢痛はすぐになくすことはできませんが、治療を続け徐々に痛みから解放された方は多くいます。 しかし、長年幻肢痛に悩まされているケースもあります。幻肢痛の治療は、根気強く治療を続けていくモチベーションが必要です。 幻肢痛のセルフケア方法2つ 幻肢痛のセルフケアをする方法として、以下2つが挙げられます。 ストレスをコントロールする 家族・支援者によるサポートを受ける 本章で幻肢痛のセルフケア方法を知り、医療機関での治療以外にできることがないか検討してみましょう。 ストレスをコントロールする 適切なストレス管理で痛みを和らげることもできます。 幻肢痛患者は、痛みによって、不安や怒り、恐れなど、さまざま感情が入り混じっている心理状態です。慢性的なストレスは、痛みを過敏に感じさせるため、幻肢痛が悪化する原因にもつながります。 自分でできるストレスのコントロール方法は、以下の通りです。 趣味に没頭する 散歩をする 映画やドラマを見る 好きな物を食べる お風呂にゆっくりつかる 規則的な睡眠をとる 香りを楽しむ 声を出して笑う 日光を浴びる 過度な運動などの幻肢痛が悪化するようなものは避け、まずは自分ができそうなものから始めてみましょう。暴飲暴食、過度な飲酒・喫煙などはかえって体調不良や睡眠不足の原因となり、痛みの悪化を招くため注意が必要です。 家族・支援者によるサポートを受ける ストレス管理は本人だけでなく、周囲からのサポートが必要になるケースもあります。 なるべくストレスを抱え込まず、周りの人の力を借りながらうまくコントロールすることが大切です。 家族・支援者ができるサポートは、以下の通りです。 痛みが一番のストレスなら、残存した方の腕や足を軽くマッサージしてもらう リハビリがストレスなら、リハビリのやり方やメニューを主治医と相談する 生活の不自由さがストレスなら、補助グッズの使用や利用できる支援の導入を検討する まずは自分がストレスに感じていることは何かを、家族やサポートしてくれる人に話して理解してもらう必要があります。 また、精神的に不安定になっている場合は、心療内科・精神科の受診やカウンセリングを受けることなども検討しましょう。 新たな技術を用いた幻肢痛の治し方2選 四肢の一部を失った方が、幻肢痛を乗り越え、生活の再構築をしていくのは、とても困難な道のりでしょう。 幻肢痛には、従来先述したような4つの治療法が用いられていますが、IT技術の進化に伴い、以下2つのような新しい治療法も登場しています。 VR技術による「遠隔セラピー」 BCI(ブレインコンピューターインターフェイス)による「脳のトレーニング」 体験を行う交流会もあるため、積極的に参加することで新たな発見があるかもしれません。お住まいの地域での開催がないか調べてみましょう。 VR技術による「遠隔セラピー」 VR空間のなかで、失った四肢を補間し、脳を錯覚させるセラピーも開発されています。幻肢痛を感じる患者とセラピストが一緒にVR空間の中に入り、手足を動かすイメージを共有する手法です。 3Dを利用したリアルな空間なので、実際にリハビリをしているような雰囲気が味わえます。 さらに、VR空間でセラピーを行うため、セラピストが近くにいなくても、いつでもどこでも実施が可能です。 鏡療法は切断部位によって有効でない場合もありますが、VR技術による遠隔セラピーならばより多くのケースに対応できます。 BCI(ブレインコンピューターインターフェイス)による「脳のトレーニング」 BCIによる「脳のトレーニング」では、脳活動を計測し、得られた計測信号から脳情報を読み解き、それに基づいて架空の手足の映像をオンラインで動かします。 架空の手足を動かすことで、脳の変化を促し、新しい感覚を得られたり、治療につながっていくことを目的としたものです。 この訓練を3日間行うことで、訓練後5日間の痛みが30%以上減弱した調査結果もあります。 まとめ|自分に適した幻肢痛の治療法を検討しよう 本記事では、幻肢痛の治療法とセルフケアの方法について詳しく解説しました。 治療の際には、失った部位や痛みの状態に合わせた方法を選択する必要があります。 また、IT技術を活かし、リアルに失った四肢を感じられるような遠隔セラピーやBCIによるトレーニングといった新しい治療法も開発されています。日々情報収集をおこないながら、自分に合った治療法を見つけましょう。 当院「リペアセルクリニック」は、幹細胞の働きを活かし、本来の機能ができなくなった臓器や骨などを修復する「再生医療」を扱うクリニックです。再生医療には、膝や腰の痛みを改善させる治療もあります。再生医療に興味を持たれた方は、ぜひ当院のホームページをご覧ください。 参考文献一覧 (文献1) 住谷昌彦 幻肢の感覚表象と幻肢痛 バイオメカニズム学会誌Vol. 39,No.2(2015) (文献2) インタビュー「最先端の幻肢痛治療に見る、「脳のリプログラミング」の可能性」 (文献3) UTokyo バーチャルリアリティー治療で緩和される幻肢痛の特徴 (文献4) 住谷昌彦、宮内哲ほか 幻肢痛の脳内メカニズム 日本ペインクリニック学会誌Vol.17No.1 2017 (文献5) UTokyo 失った手足の痛みを感じる仕組み (文献6) 日本ペインクリニック学会 「神経障害制疼痛薬物療法ガイドライン 改訂第2版」 (文献7) 緒方徹、住谷昌彦「幻肢痛の機序と対応」Jpn J Rehabil Med 2018;55:384-387 (文献8) ミラーセラピーについて | 脳梗塞集中リハビリセンター │ 社会医療法人 生長会 (文献9) 大内田裕 「幻肢・幻肢痛を通してみる身体知覚」2017年 (文献10) 片山容一、笠井正彦 「幻肢・幻肢痛を通してみる身体知覚」2017年 (文献11) 落合芙美子 日本義肢装具学会誌「義肢装具に対するチームアプローチ」日本義肢装具学会誌Vol.13 No.2 1997 (文献12) 幻肢痛VR遠隔多人数セラピーシステム|JDP (文献13) 事故で失った幻の手の痛みが脳活動を変える訓練により軽減 - ResOU
2024.06.19 -
- 野球肘
- 再生治療
- 腱板損傷・断裂
- 上肢(腕の障害)
- インピンジメント症候群
- 肩関節、その他疾患
- 肩関節
- スポーツ外傷
2024シーズンからメジャーリーグに挑戦している山本由伸投手は、右肩の怪我により離脱を余儀なくされています。ロサンゼルス・ドジャースとの大型契約で注目を集めた山本投手は、デビューシーズンから肩の怪我に直面することになりました。 本記事では、山本由伸選手が負った怪我である腱板損傷の詳細や怪我をした原因、怪我の治療法まで詳しく解説します。 山本由伸選手が負った怪我である腱板損傷とは? 腱板損傷とは、肩関節の安定性を保つために重要な4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)とその腱の総称「腱板」に損傷が生じる状態です。特にプロ野球のピッチャーは投球動作で肩に大きな負担がかかるため、この怪我のリスクが高まります。 山本由伸選手の場合、MLBデビューシーズンとなる2024年に右肩の腱板に損傷を負いました。これはオーバーユース(使いすぎ)や投球フォームの問題、あるいは急激な環境変化による負担増加などが複合的に影響した可能性があります。 腱板損傷は軽度の炎症から完全断裂まで症状の幅が広く、重症度によって治療法や復帰までの期間が大きく異なります。 山本由伸選手が怪我をした腱板損傷を含む野球肩の種類 プロ野球選手、特にピッチャーが抱える肩の怪我は多岐にわたります。ここでは山本由伸選手が負った腱板損傷を含む、野球選手に多い肩の怪我について説明します。 上腕骨骨端線離開(こったんせんりかい) 「リトルリーグショルダー」とも呼ばれ、成長期に起こる投球障害です。成長期における過度の投球により成長軟骨が損傷することで、投球時や投球後に痛みを生じます。 「動揺性肩関節症」は「ルーズショルダー」とも呼ばれています。上腕骨と肩甲骨の間にある靭帯などが先天的に緩い状態にあり、その状態で肩を酷使すると周囲の組織を損傷してしまい、肩の痛みや不安定感を覚えます。 肩甲上神経損傷 棘下筋を支配する肩甲上神経が投球動作により引っ張られる、あるいは圧迫されるなどによって損傷を起こし、肩の痛みや肩の疲労感を覚えます。 インピンジメント症候群 野球肩の中で最も多くみられる症状で、靭帯や肩峰に上腕骨頭が衝突することで腱板が挟まれ、炎症を起こすことで肩の痛みを生じます。 山本由伸選手が怪我をした原因 山本由伸選手の腱板損傷の原因については、複数の要因が複合的に影響していると考えられます。 まず第一に挙げられるのは、日本からメジャーリーグへの環境変化による影響です。MLBとNPBでは投球間隔やボールの違い、マウンドの状態など様々な差異があります。特にMLBのボールは表面が滑らかで縫い目が低く、日本のボールと比べてグリップ感が異なります。 また、投球フォームの問題も一因と見られています。山本選手の投球フォームは非常にパワフルですが、肩に過度な負担をかけるリリースポイントであったという指摘もあります。特に最大の武器である150km/hを超える直球を投げる際には、肩への負荷は相当なものとなります。 そして、投球数や登板間隔の管理の問題も指摘されています。メジャーリーグでは先発投手としての役割や期待が大きく、適切な休息をとれなかった可能性もあります。 山本由伸選手の怪我の治療法 山本由伸選手の腱板損傷に対する治療法には、いくつか種類があります。ここでは主な治療法について解説します。 保存療法 保存療法は、手術をせずに行う治療法の総称で、腱板損傷の初期段階でまず試みられるアプローチです。休息と投球制限が基本となります。 特に初期対応としては、炎症を抑えるためのRICE処置(Rest:休息、Ice:冷却、Compression:圧迫、Elevation:挙上)が重要です。また非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服や、場合によっては炎症部位への局所注射なども行われます。 急性期を過ぎたら、段階的なリハビリに移行します。肩関節周囲の柔軟性回復のためのストレッチングから始め、徐々に肩甲骨周囲筋や腱板自体の筋力強化エクササイズへと進めていきます。 手術療法 保存療法で症状が改善しない場合や、腱板の断裂が大きい場合には手術療法が検討されます。現代では低侵襲な関節鏡視下手術が主流となっています。 関節鏡視下手術では、小さな切開から内視鏡と専用器具を挿入し、腱板の修復を行います。断裂した腱板を元の位置に戻し、アンカーと呼ばれる特殊な縫合糸で上腕骨に固定します。 大きな切開を必要としないため、術後の痛みが少なく、回復も早いのが特徴です。手術後は肩を固定し、数週間の安静期間を経てから段階的なリハビリを開始します。 完全な競技復帰までは選手の状態や損傷の程度によって異なりますが、一般的には6〜9ヶ月程度を要します。 再生医療 最新の治療法として、再生医療のアプローチも注目されています。PRP(多血小板血漿)療法や幹細胞治療などが、従来の治療法を補完する形で用いられるようになっています。 PRP療法では、選手自身の血液から濃縮した血小板を損傷部位に注入します。血小板に含まれる成長因子が組織の修復を促進し、治癒を早める効果が期待されます。 また幹細胞治療では、骨髄や脂肪組織から採取した幹細胞を利用して損傷した組織の再生を促します。これらの治療は手術の必要性を減らしたり、手術後の回復を早めたりする可能性があります。 まとめ|山本由伸選手が負った怪我には再生医療も有効! 野球選手にとって肩の怪我は避けられないリスクの一つですが、その中でも「野球肩」は一般的に起こりえる問題です。 野球肩とは、投球動作やバッティングなど、腕を激しく使うことで肩関節周囲の筋や腱、骨が損傷や炎症を起こす状態を指します。この野球肩には、腱板損傷、リトルリーグショルダー(上腕骨骨端線離開)、ルーズショルダー(動揺性肩関節症)、肩甲上神経損傷、インピンジメント症候群など、さまざまな種類があります。 各症状は投球時や日常生活での痛み、肩の不安定感、疲労感などを引き起こし、生活の質を大きく損なう可能性があります。従来の治療法としては、痛みの軽減や肩の安静を目的としたリハビリテーション、または重症の場合は手術が行われてきました。しかし、これらの方法は長期の休養が必要な場合も多く、選手にとって大きな負担となることがあります。 そこで注目されているのが「再生医療」です。 再生医療は、体への負担が少なく、手術や入院を避けることができるため、治療期間が短縮されるというメリットがあります。この治療法は、多くの有名野球選手も実績があり、スポーツへの早期復帰を目指すための画期的な方法として今注目の最新の治療方法です。 メジャーリーグのドジャースに所属する山本由伸選手も、ぜひ再生医療を用いた治療を考えてほしいものです。なぜなら、選手生命を護ることができるからです。 肩の痛みや違和感を感じたら、早めの受診と適切な診断を受けることが重要です。肩の怪我を適切に治療し、スポーツを続けるためには最新の医療情報を活用し、専門医の指導を受けることが肝要です。 スポーツ選手は自分を護るためにも再生医療といった最新の治療法を知ることも大切です。 早期の回復を目指せる再生医療は、肩の怪我に悩む野球選手の救世主となり得ます。再生医療に興味があれば豊富な実績で症例数をリードする当院までお問い合わせください。 山本由伸選手が負った怪我についてのQ&A 検査はどのようにするの? 投手の肩の怪我を診断するための検査は複数回行われます。 まずは肩の可動域や痛みの位置を確認します。次にX線検査で骨の状態を確認し、さらに詳細な検査のためMRIを実施します。 MRIでは軟部組織の状態を可視化でき、筋肉や腱、靭帯の損傷を詳細に把握できます。山本選手の場合もこれらの検査に加え、必要に応じて超音波検査やCTスキャンなどの追加検査が行われているでしょう。 山本由伸選手と同様の怪我の復帰時期はいつくらいですか? 山本選手のような投手の肩の怪我からの復帰時期は、怪我の種類と程度によって大きく異なります。 一般的に投球肩の炎症や軽度の筋肉疲労であれば2〜4週間程度で復帰できるケースが多いですが、腱板の損傷や関節唇(ラブラム)の裂傷などの重度の損傷では3〜6ヶ月以上の長期リハビリが必要になることもあります。
2024.06.18 -
- 野球肘
- 幹細胞治療
- 再生治療
- 腱板損傷・断裂
- 上肢(腕の障害)
- インピンジメント症候群
- 肩関節、その他疾患
- 肩関節
- スポーツ外傷
メジャーリーグ(ドジャース)山本由伸選手が発症!肩腱板損傷とは? 負傷者リストに入ってしまったようで心配です。野球選手にも多い肩腱板の損傷についてその原因と治療法を詳しく説明いたします。 日常生活の中で何気なく動かしているように思う肩ですが、思わぬケガが原因で強い痛みが出たり、動かせなくなったりすることがあります。 スポーツ障害でも多い腱板損傷は、そのような状態を引き起こすもののひとつです。 今回は、その腱板損傷について詳しくご紹介します。 肩腱板損傷とは?その症状について 腱板は肩に存在する筋で、板のように広がっているので腱板といいます。 腱板を構成するのは「肩甲下筋腱」「棘上筋腱」「棘下筋腱」「小円筋腱」という4つの筋肉です。これらが肩の骨を囲み、肩関節の安定性に働きかける重要な存在です。 その腱板が部分的、または完全に断裂するのが腱板損傷です。主な症状は痛みですが、軽い場合もあれば、動かせないほどの激痛、夜間に起こる痛みなど程度に差があります。 部分的な断裂では、肩を動かせないということはあまりありません。損傷が激しい場合、腕が上がらなくなったり、肩が動かしにくいという症状が出ることもあります。 肩腱板損傷の原因とは? 腱板損傷の原因について見ていきましょう。腱板損傷の原因は大きく3つにわけられます。 外傷 腱板損傷の原因で多いのが外傷、つまりケガです。転んで肩を強く打つ、手をついたときに肩に衝撃が加わるというのが腱板を傷つけてしまうことがあるのです。 オーバーユース スポーツ医療でも注目される腱板損傷ですが、ケガというよりも肩の使い過ぎが原因のことが多いです。 その代表的なスポーツが野球です。何度も繰り返しボールを投げることで、肩関節や腱板に負荷がかかってしまうのです。 加齢によるもの 加齢によって腱板損傷が起こることもあります。年齢を重ねると腱や軟骨など、身体の組織も衰えてしまいます。そのため、自分でも気が付かないうちに腱板が傷ついていることもあるのです。 肩腱板損傷の治療法とは? 肩の腱板損傷の治療法をご紹介します。近年期待されている治療方法についても見ていきましょう。 保存療法 肩の腱板損傷の治療は基本的には保存療法です。急性期には三角巾で固定し、患部の安静を保ちます。痛みや腫れがある場合は痛み止めの注射やヒアルロン注射を行うこともあります。 また、腱板が損傷した状態で無理に動かすと再発したり、ひどくなったりすることがあるので、リハビリも大切です。 手術 保存療法で痛みが改善しない、損傷がひどく肩の動きが悪いという場合には手術を検討します。損傷した腱板を手術によって直接修復するというものです。 近年は関節鏡といって皮膚を大きく切らない手術が行われています。術後1~2週間ほどで痛みが落ち着くことが多いですが、正常な肩関節の状態に戻すにはリハビリ期間を含めて6か月程度かかることが多いです。 再生医療 これまで腱板損傷の治療は保存療法と手術がメインでした。しかし、手術となれば治療やリハビリを含めてスポーツ復帰までの期間が長くなります。 そんな中、近年、腱板損傷の治療法として再生医療が注目されています。 再生医療は、自身の脂肪から採取した幹細胞を肩腱板に注射します。そして幹細胞が傷ついた腱板や組織を修復するというものです。 外科的な手術をしないで治療できるため、治療期間の短縮も期待できます。 まとめ・メジャーリーグ(ドジャース)山本由伸が発症!肩腱板損傷について 今回は肩の腱板損傷についてご紹介しました。 今回の山本由伸選手をはじめとして、肩を酷使する野球などのスポーツで使い過ぎによって肩の腱板が傷つくことがありますし、加齢によって腱板損傷を起こすこともあります。 プロの選手のように日常からケアをしていても、発症することがあるため、注意が必要です。プロ野球選手のように選手生命という問題がある場合は無理もできません。 そこで近年、治療法として注目を集めているのが再生医療です。特に幹細胞治療は、自分の幹細胞を用いるので、副作用のリスクが少なく、治療期間も短くて済むというメリットがありスポーツをされている方に最適です。 もちろん、再生医療はスポーツ選手ではなくとも有効です。 肩の痛み、肩の腱板損傷でお悩みの方は、再生医療による治療を検討してみてはいかがでしょうか。お気軽にご相談ください。 ▼肩の腱板損傷の回復を目指す再生医療とは https://fuelcells.org/treatment/shoulder/ ▼スポーツ選手の選手生命を護る再生医療をご存知でしょうか https://fuelcells.org/treatment/sports/
2024.06.18 -
- 下肢(足の障害)
- 動作時の痛み
- ひざ関節
- 肘関節
- スポーツ外傷
- 膝部、その他疾患
離断性骨軟骨炎は、主にスポーツを行っている人が発症しやすい病気です。発症した際、完治期間はどのくらいの期間を要し、運動はいつから再開できるのか疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。 離断性骨軟骨炎は安静にしていると次第に痛みが軽減されるものの、完治したと思って無理に動くと再発する可能性があるため注意が必要です。 本記事では、離断性骨軟骨炎における完治期間の目安を解説します。再発予防法も紹介するので、離断性骨軟骨炎の症状回復へ向けた治療が知りたい方は参考にしてください。 離断性骨軟骨炎の完治期間 離断性骨軟骨炎は、治療法によって完治期間の目安が異なりますが、一般的に完治するまで6カ月以上かかる可能性があります。 そのため、完治期間の目安を把握したうえで、復帰スケジュールを組むのが大切です。ここでは、保存療法と手術療法の完治期間の目安を解説するので参考にしてください。 保存療法における完治期間の目安 保存療法における完治期間は、6カ月以上~1年ほどが目安になります。離断性骨軟骨炎は10代~20代くらいに多く発症するため、低年齢の場合は保存療法を優先するケースが一般的です。 保存療法では、離断性骨軟骨炎の要因となるスポーツ活動を禁止して安静に過ごしながら、レントゲンやMRIなどで修復状態を定期的に確認します。 症状を見ながら段階的にスポーツ活動への復帰を進めていきますが、発症前の運動レベルまで戻す場合は数カ月~1年くらいはかかる可能性があります。また、保存療法で症状回復が得られない場合は、手術を行うのが一般的です。 手術療法における入院期間と完治期間の目安 手術療法における完治期間の目安は、術式によって異なりますが6カ月~10カ月ほどでスポーツ活動に復帰できる可能性があります。入院期間も術式でさまざまで、おおむね5日~7日程度です。 退院後はリハビリを行い、修復状態を確認しながら軽い運動から復帰を開始します。本格的な復帰は6カ月ほどが多いため、6カ月ほどは無理のない範囲でリハビリを進めていくのが重要です。 スポーツ復帰を目指す場合は、適切な手術を受けて完治期間までは医師の指示に沿ったリハビリを受けましょう。 離断性骨軟骨炎の主な治し方 離断性骨軟骨炎の主な治し方は、以下の通りです。 治療法の種類 特徴 安静 運動をせず安静に療養する リハビリテーション 患部への負担軽減を目的にリハビリ訓練を実施する 薬物療法 鎮痛薬や関節内注射を行う マイクロフラクチャー法 膝関節鏡を関節内に入れて、患部の数カ所に小さい穴を開けて出血させて治癒を促進 整復内固定術 骨釘や生体吸収性ピンなどを使用して固定 骨軟骨移植術 円柱状の軟骨片を採取して、損傷した部分に移植 離断性骨軟骨炎は、問診や触診、レントゲン検査などを行ったうえで診断します。ただし、初期の場合はレントゲンでは写りにくいため、MRI検査で確定診断をするのが一般的です。 また、手術療法の術式は、遊離した軟骨片の大きさや状態などから総合的に判断して決めます。 無理に運動を継続すると手術が必要になるだけでなく、競技生活を続けられなくなる可能性があります。離断性骨軟骨炎は、早期発見・早期治療が重要なため、肘や膝に違和感があった際は、ただちに医療機関を受診し、医師の指示に従いましょう。 離断性骨軟骨炎は再発するためリハビリが重要 離断性骨軟骨炎は、症状が治まっても再発するリスクが生じます。 再発する理由は、関節軟骨は血流が乏しく自然治癒力が限られているためです。離断性骨軟骨炎の症状は安静にしていると落ち着いてくる場合があるため、完治したと勘違いする人も少なくありません。 しかし、完治していない状態で運動を再開すると、まだ安定していない軟骨に負荷をかけてしまい結果として再発につながります。 痛みや引っかかりがなくなったとしても、自己判断で運動を再開するのは危険です。離断性骨軟骨炎は完治までに6カ月以上かかるケースが一般的なため、再発を防ぐためにもリハビリが重要です。運動を再開する際は自己判断せず、医師の診察を受けましょう。 離断性骨軟骨炎のリハビリ治療と期間 離断性骨軟骨炎は、症状が軽い場合はリハビリと安静中心の保存療法で治療が行われます。リハビリ期間は、患者さんの年齢や症状の進行具合によって変わってきます。 離断性骨軟骨炎は、一般的に約1〜2カ月で痛みがやわらぎますが、3か月ほどの安静が必要です。 リハビリは、可動域訓練や筋力トレーニングを中心に行います。理学療法士の指導やアドバイスをもとに、肘や膝に負荷のかからない動作を身につけるのがリハビリの目的です。 3カ月以上保存療法を行っていても症状の回復が見込めない、もしくはすでに症状が進行しており軟骨の状態が良くない場合は、リハビリより手術を先に行います。 手術は関節鏡を使ったものが多いですが、症状によっては軟骨の移植など大がかりな方法になる場合があります。 関節鏡下の手術の場合は傷口が小さく回復が早く、早期にリハビリを開始可能です。ただし、軟骨の修復は普通の骨と比べて時間がかかるため、無理に動かさないよう注意しましょう。 離断性骨軟骨炎の再発予防法 離断性骨軟骨炎は、再発する可能性のある病気です。痛みが軽減されたかといって、本格的な復帰をしないよう注意しましょう。ここでは、離断性骨軟骨炎の再発予防法を解説します。 完治してから復帰する 離断性骨軟骨炎の再発予防には、完治してから復帰するのが重要です。痛みがなくなると運動を再開しても問題ないと判断してしまいがちですが、完治していない場合、軟骨は不安定な状態です。 離断性骨軟骨炎の発症前と同じレベルで体を動かすのは、再発につながるリスクが生じるため注意しなければなりません。再発しないためにも運動の時期は勝手に決めず、治療期間中は医師の指示に従い、段階を踏んで本格的な復帰を目指すようにしましょう。 オーバーワークになりすぎないようにする 離断性骨軟骨炎の再発予防には、オーバーワークになりすぎないよう練習量を調整するのが大切です。痛みがなくなると、発症前と同じ運動量で練習に参加してしまう可能性があります。 特にスポーツをしている場合はまわりに遅れをとりたくないと思って、無理をしてしまいがちです。完治していない状態でオーバーワークになりすぎると、再発により長期離脱につながりかねません。医師から完治と言われない限りは、練習量を抑えるのが重要です。 サポーターを着用する 離断性骨軟骨炎の再発予防には、サポーターの着用が効果的です。軟骨と骨をつなぎとめる部分の血流障害を引き起こすと軟骨が剝がれやすくなり、離断性骨軟骨炎を再発する要因になります。 離断性骨軟骨炎の場合は、サポーターを使用すると体の重心バランスが整い、患部の負担軽減につながります。サポーターはギブスと異なり関節の動きを固定しないため、自然な動きが可能です。 なお、離断性骨軟骨炎向けのサポーターには大腿四頭筋を補強するタイプや固定力の高いタイプなど、さまざまな種類があります。再発防止策には、目的や症状に合ったサポーターを選ぶのが大切です。 定期的に検診を受ける 定期的に検診を受けるのが、離断性骨軟骨炎の再発予防策です。スポーツでは継続的な負荷がかかるため、定期的な検診により症状が悪化していないか確認できます。 離断性骨軟骨炎は治療が早ければ、保存療法で症状回復が期待できる病気です。完治したからといって無理をしてしまうと、再発する可能性が考えられます。再び長期離脱につながらないよう定期的に受診し、再発を予防するのが大切です。 離断性骨軟骨炎における治療法の1つ再生医療の可能性 再生医療とは、損傷した組織や臓器の機能を回復させるために、細胞や組織、臓器を人工的に作製したり、自己修復能力を促進したりする医療技術の総称です。 当院「リペアセルクリニック」では、患者様自身の幹細胞を接種、培養しているため、副作用のリスクが低く抑えられます。 また、採取する脂肪量は米粒2~3粒程度のため、体への負担は大きくありません。再生医療では、手術不要で治療が受けられます。 メール相談やオンラインカウンセリングを受け付けておりますので、離断性骨軟骨炎の治療に関する悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。 まとめ・離断性骨軟骨炎の再発予防には完治期間を守ることが大切 離断性骨軟骨炎の完治期間は、6カ月以上が目安となります。一般的に安静にしていれば症状軽減が期待できますが、完治したと思って発症前と同様の生活をすると再発しやすくなるため注意が必要です。 離断性骨軟骨炎はリハビリを正しく行うと症状緩和につながり、再発を予防できます 治療後はいきなり発症前と同じ練習量やトレーニングをするのではなく、段階を踏んで運動を再開するのが大切です。 離断性骨軟骨炎の完治期間を踏まえたうえで、症状回復へ向けた適切な治療を受けましょう。
2023.05.26 -
- 足部、その他疾患
- 下肢(足の障害)
- 足部
- スポーツ外傷
足首や手首をひねった際に「痛みはあるけど病院に行った方が良いのかな?」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。 「軽い捻挫だろう」と放置されやすいですが、捻挫が癖になったり関節炎になるリスクがあるため、症状に合わせて適切な治療を受けることが重要です。 しかし、捻挫は自己判断が難しいケースも多く「実は捻挫ではなく靭帯が断裂していた」という場合も少なくありません。 本記事では、捻挫した部位別に重症度をチェックする方法や病院に行く判断基準について解説します。 また、リペアセルクリニックではご自身の治癒力を活用して早期復帰をサポートする「再生医療」を提供しており、捻挫症状の改善が認められた症例を公式LINEで配信中です。 つらい痛みから解放されるための一歩を踏み出すために、ぜひ 参考にしてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ ▼LINE限定の再生医療に関する情報は以下からご覧ください 【部位別】捻挫の重症度をチェックする方法 捻挫とは、転倒時や段差を踏み外したときなどに、関節に負荷がかかって起こるけがのことです。関節まわりの靱帯や腱、軟骨などを損傷している状態を指します。 軽度の場合はギプスやサポーターで損傷した部位を固定することで治療できますが、重症の場合は手術が必要になるケースもあります。そのため、捻挫をした初期段階で重症度を正しく診断し、早期に適切な治療をおこなうことが大切です。 本章では、捻挫の重症度を以下3つの部位別に解説します。 足首の捻挫の場合 手首の捻挫の場合 指の捻挫(突き指)の場合 自分の捻挫をセルフチェックする際の参考になれば幸いです。また、捻挫を早く治す方法について調べている方は、以下の記事もご覧ください。 足首の捻挫の場合 足首を捻挫した場合は、「Ottawa Ankle Rule(以下、オタワ アンクル ルール)」をもとにセルフチェックを行いましょう。 オタワ アンクル ルールは5つの項目で構成されており、該当する項目が1つでもあれば骨折の可能性があると判断します。 もし該当する項目がある場合、早めに整形外科を受診し、レントゲンなど詳しい検査を受けることをおすすめします。 また、該当の項目がなくても足首の違和感や痛み、腫れが続いている場合は早めに受診しましょう。 「病院に行く時間がない」という方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)にお電話ください! >>今すぐ電話してみる また、当院の公式LINEでは、患者さまの細胞を活用し早期改善を目指せる「再生医療」に関する情報を配信しています。 スポーツ外傷に対する症例も公開しているため、ぜひ参考にしてください。 >>公式LINE限定の情報はこちらから 手首の捻挫の場合 手首の捻挫では、動かしたときの違和感や痛み、熱の有無などによって重症度をチェックできます。 以下の表はあくまでセルフチェックとして利用し、症状が続く場合は整形外科を受診しましょう。 チェック項目 手首の捻挫の重症度 曲げ伸ばし、ひねるなどの動作をすると痛み・違和感がある 軽度 負傷したカ所が腫れており、少しでも動かすと痛み・違和感がある 中度 負傷したカ所を動かさなくても痛みがある。あるいは熱を持っている 重度(骨折の疑いあり) 手首の捻挫は、骨折と見分けるのが難しいケースも多くあります。 1週間以上痛みが引かない場合は整形外科を受診し、レントゲンなどの検査を受けることをおすすめします。 指の捻挫(突き指)の場合 指の捻挫(突き指)をした場合、以下の表をもとに重症度をセルフチェックしてみましょう。 チェック項目 指の捻挫の重症度 ・痛み、違和感がある ・腫れている ・曲げ伸ばしは可能 軽度 ・炎症(痛みや腫れ)が一週間以上続く ・曲げ伸ばしが困難 ・指が変形しているように見える 中度から重度 (腱の損傷や骨折、靱帯損傷の疑いあり) 指の捻挫は、軽度であれば1週間程度で炎症がおさまることが多いですが、症状がある場合は念のため病院に行くことをおすすめします。 整形外科を受診し、レントゲンなどの詳しい検査を受けましょう。 突き指と指の骨折、靱帯損傷について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしていただけると幸いです。 捻挫を放置するリスク 捻挫を治療せず放置した場合、以下のリスクが考えられます。 捻挫を繰り返しやすくなる 痛みが長引く 機能障害が残る(例:関節の可動域が狭くなる) など たとえ軽い捻挫であっても、保存療法など適切な治療をしなかった場合、靱帯が伸びた状態で固定されてしまいます。靱帯が伸び、関節が緩んでいる状態で負荷をかけると、同じ部位の捻挫を繰り返したり、痛みが長引いたりするリスクが高まるでしょう。 また、捻挫した部分が不安定になり、歩行や運動時のパフォーマンスへの影響も考えられます。骨折や変形につながる可能性もあるため、捻挫をした場合は早い段階で保存療法をはじめとする治療をおこないましょう。 捻挫と見分けにくい3つのけが 捻挫と見分けることが難しいけがは、以下の3つが挙げられます。 脱臼 骨折 関節軟骨損傷 捻挫の痛みが続く場合は、本章で紹介した外傷の可能性を考慮し、病院での受診を検討しましょう。 脱臼 脱臼とは、靱帯などの組織が損傷し、関節が外れてしまっている状態を指します。一方、捻挫は靱帯が傷ついてるものの、関節部分は外れておらず、安定性を保っている状態です。 脱臼の治療では「整復」もしくは「固定」を実施します。それぞれの治療法の詳細は以下のとおりです。 治療法 内容 整復 皮膚の上から、もしくは手術により、ずれた骨を元の位置に戻す 固定 ギプス等の器具を装着して脱臼した部位を正しい位置で固定する 部位や重症度によって差はありますが、脱臼の治療期間は、一般的には1カ月前後です。 骨折 捻挫した部位の変形や内出血、強い腫れがみられる場合、骨折をしている可能性があります。骨折の場合は、脱臼と同様「整復」もしくは「固定」をおこないます。 体重をかけることで悪化するリスクもあるため、捻挫か骨折か判断できないときは早めに整形外科を受診しましょう。 関節軟骨損傷 捻挫の痛みや違和感が長期的に継続する場合、関節軟骨損傷が疑われます。 関節軟骨損傷とは、関節の骨端表面にある組織が損傷している状態です。放置すると変形性関節症を引き起こすリスクもあるため、早めに適切な治療をおこなう必要があります。 関節軟骨損傷の場合、ギプスでの固定で治療するのが一般的です。ただし慢性化した場合は手術が必要になるケースもあります。 捻挫の痛みが続く場合は「軽度だから大丈夫」と放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。 まとめ|捻挫の重症度をチェックして病院に行くべきか正しく判断しよう 捻挫の重症度をチェックする方法は、捻挫の部位によって異なります。捻挫だと思っていたけがを放置すると、変形性関節症などの病気につながる可能性が高くなります。 痛み・違和感が長期間続く場合や、部位を動かせないほどの炎症が起こっている場合は、早めに整形外科を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、捻挫などの外傷に対する再生医療や幹細胞治療をおこなっています。 一般的に捻挫の治療では、3〜4週間の固定後、2〜3カ月間のリハビリをおこないます。しかし固定治療によって関節が固まると、リハビリがそれ以上長期化するケースも少なくありません。 再生医療を実施すれば、固定期間・リハビリ期間を短縮し、より早期に社会復帰できる可能性が高まります。捻挫の治療法やリハビリの長期化を懸念している方は、ぜひ一度「リペアセルクリニック」へご相談いただければ幸いです。 また、当院の公式LINEでは、患者さまの細胞を活用し早期改善を目指せる「再生医療」に関する情報を配信しています。 スポーツ外傷に対する症例も公開しているため、ぜひ参考にしてください。 >>公式LINE限定の情報はこちらから 捻挫の重症度チェックについてよくある質問 捻挫をした場合、どうしたら良いですか? まずは痛みの部位を確認して、体重をかけられるか確認しましょう。 痛みの部位は上記のチェックリストを参考にして、「くるぶしの内側」「くるぶしの外側」「かかとの外側」「足背から内側」にかけて押して確認します。押して痛みがある場合や、体重をかけられない場合には、病院受診をお勧めします。 また、捻挫の初期対応として知っておきたいのが、受傷の初期、急性期と言われる時点での対応をまとめた「POLICE」です。 POLICE Protection(保護) Optimal Loading(最適な負荷) Ice(冷却) Compression(圧迫) Elevation(挙上) ※拳上とは 捻挫した患部を心臓より高い位置に保つことで内出血による腫れを防ぐためです。 急性期の傷害対処法は、一般的に受傷後48~72時間以内にPOLICEによる処置を行うことが基本となります。 しかし、急性期を過ぎても患部が腫れている、触ると熱を持っているなどの場合は、引き続き「POLICE」処置を継続し、病院を受診することをおすすめします。 急性期には負荷をかけられないので、怪我をした直後は包帯で圧迫してアイシングを行い、足を挙上しておくようにしましょう。冷感湿布による冷却も、炎症の鎮静に効果的です。 捻挫は、どの程度の期間で治りますか? 軽度の靭帯損傷で、手術が必要ない場合には足関節をシーネやギプスで最低3週間の固定が推奨されており、長い場合には6週間程度固定を行うこともあります。また、スポーツの復帰時期については症状経過によります。 一般的には痛みがなくなった後からサポーターをして、ウォーキング、ジョギングなどの軽いスポーツから復帰し、徐々に元の競技へ復帰とします。 その間にチューブやタオルを使って足関節周囲筋を鍛えておき、必要であれば予防のためのリハビリも行う場合があります。 病院でのアドバイスに従いましょう。 捻挫後、時間が経過したが、痛みが残っている場合はどうしたら良いですか? 捻挫による靭帯損傷は重症度により3段階に分類されます。 このうち最も重症な「靭帯の完全断裂」では手術も検討されますし、治療が適切に行われなかった場合には足関節の不安定性を生じてしまいます。 また、捻挫と思っていても、距骨という骨の軟骨が損傷してしまっていることもあります。 このように、痛みが残っている場合には、足関節の不安定性や軟骨損傷の有無など、原因を詳しく調べる必要があるため早めの病院受診が大切です。 病院を受診する場合は何科を受診すれば良いですか? 捻挫した場合は、整形外科を受診しましょう。
2023.04.03 -
- 野球肘
- インピンジメント症候群
- 肩関節、その他疾患
- 肩関節
- スポーツ外傷
主に野球に取り組むアスリートに多く見られる、インピンジメント症候群。 肩の痛みや違和感などを引き起こし、投球や送球動作に大きな影響を与えます。 特徴として、完治までに数カ月単位の時間がかかる点があげられるでしょう。 発症してから競技復帰するまで、相当長いリハビリ期間を取る必要があります。 しかし、「リハビリの方法がわからない」「少しでも早く治したい」と考えている人も多いでしょう。 本記事ではインピンジメント症候群発症時のリハビリ方法を詳しく解説します。合わせて、予防法も解説しているので参考にしてください。 インピンジメント症候群のリハビリの目的と有効なストレッチ 野球やバトミントンなどオーバーヘッドスポーツで生じやすいインピンジメント症候群。 投球動作で肩に痛みが生じる、いわゆる「野球肩」の一種として知られています。 インピンジメントとは「衝突」の意味で、インピンジメント症候群は、肩の関節を構成する骨同士が衝突したり、骨の間に筋肉が挟まれたりして痛みが生じる状態です。 インピンジメントを引き起こす原因はさまざまで、原因に合わせたリハビリの実施が必要です。 今回は、インピンジメント症候群の具体的なリハビリ方法について解説します。 インピンジメント症候群のリハビリ目的 肩の関節は、背中にある肩甲骨と腕の骨である上腕骨、鎖骨によってできています。 上腕骨の先端にある球状の上腕骨頭(じょうわんこっとう)が肩甲骨のくぼみにはまるように作られる肩甲上腕関節(けんこうじょうわんかんせつ)が、一般的に肩関節と呼ばれる関節です。 インピンジメント症候群は、以下のような要因で、肩関節の正常な動きが妨げられるため生じます。 関節周辺の組織が固くなり上腕骨頭の位置がずれる 猫背になり肩甲骨の動きが悪くなる 筋力が低下して上腕骨頭が正常とは異なる動きをする これらの要因を改善して、インピンジメントを生じさせない動きを取り戻すのがリハビリの目的です。 また、リハビリでは、インピンジメント症候群により生じた炎症の回復を補助する目的も含まれます。 次からは具体的なリハビリの内容を紹介します。 インピンジメント症候群のリハビリとストレッチ|炎症への対応 肩を動かさなくても痛みがでる場合や、夜間に痛みがでる場合は、インピンジメントにより肩周辺の組織に炎症が生じている可能性があります。 そのような状態では、積極的な運動よりも、炎症や痛みを和らげる対応が優先されます。 そのため、肩のアイシングや安静時のポジショニング(肩の位置の調整)をおこない、肩にかかるストレスを軽減させるのが大切です。 ポジショニングは、肩や肘の下にタオルなどを入れて痛みがないポジションを作ります。 振り子運動 また、運動では振り子運動により、自重を使った関節の運動を実施して、肩への負担をかけないようにします。 インピンジメント症候群のリハビリとストレッチ|猫背を改善するリハビリ 猫背になると、肩甲骨の動きが妨げられるため、正常な肩関節の動きが生じずに、インピンジメントを引き起こしやすくなります。 肩の痛みがあり肩関節を動かしにくいときでも、猫背を改善するリハビリは、肩関節を動かさずに実施できるため、積極的に取り組みましょう。 具体的な方法は以下の通りです。 ストレッチポールでのストレッチ ストレッチポールの上に仰向けで寝て、胸を開いて背中をストレッチします。 cat & dogストレッチ 四つ這いで背中を丸めたり、反らしたりする「cat & dog」の運動もおすすめです。 インピンジメント症候群のリハビリとストレッチ|肩関節の動きを改善するリハビリ インピンジメントを起こす原因の1つが、肩の関節周辺にある組織の柔軟性低下です。 とくに肩の後ろの組織が固くなると、上腕骨頭が前方にずれてしまい、正常な肩関節の運動ができません。 その結果、インピンジメントが生じやすくなります。 そこで、肩の後ろで関節を覆っており、動きの制限になりやすい後方関節包(こうほうかんせつほう)のストレッチを紹介します。 クロスボディストレッチ 1つ目の方法は座った状態または立った状態でおこないます。 具体的な方法は以下の通りです。 1, 痛みのある方の腕を肩の高さまで上げる 2, 反対の手で肘を掴んで体の内側に引きよせる 3, 肩の後ろが伸ばされるのを確認しながら30秒キープする 痛みがある場合は無理をしないようにしましょう。 スリーパーストレッチ 2つ目の方法は横向きに寝て行うストレッチです。 具体的な方法を解説します。 スリーパーストレッチ 1, ストレッチする方の肩が下になるように横向きに寝る 2, 腕を肩の高さに合わせるように脇を開く 3, 肘を直角に曲げる(前ならえ) 4, 反対の手で立てた前腕をゆっくり内側に倒す 5, 限界まで倒した状態で30秒キープする 強く抑えるように倒すと痛みが出やすいので、ゆっくり力を入れずに倒しましょう。 インピンジメント症候群のリハビリとストレッチ|腱板機能を改善するトレーニンング 腱板(ローテーターカフ)は、肩甲骨と上腕骨をつなぐ以下の4つの筋肉をまとめた呼び方です。 腱板とは 棘上筋(きょくじょうきん) 棘下筋(きょくかきん) 肩甲下筋(けんこうかきん) 小円筋(しょうえんきん) 肩関節をおおうように位置しており、肩関節を安定させて、スムーズに動かせるようにする役割を持っています。 そのため、腱板をうまく使えないと、肩関節が不安定になり、正常な関節の運動ができず、インピンジメントを引き起こします。 そこで、腱板の機能を改善するリハビリを紹介します。 棘上筋トレーニング 腱板の1つである棘上筋のトレーニングを紹介します。 1, 腕を体の横につけて、親指が上になるようにする 2, 肘を伸ばしたままで、体から腕が離れるように上げる 3, バレーボール1個分程度まで上げた後で元に戻す 負荷をかける場合は、500mlのペットボトルやチューブを使用しましょう。 腱板は関節を安定させるインナーマッスルですので、負荷は軽めにして20〜30回を目安に3〜4セットおこないましょう。 チューブがあるなら、以下の棘上筋トレーニングも導入できます。 1, 鍛えたい方の手でチューブを握る 2, 鍛えたい方の手と逆の足でチューブを踏んで固定する 3, 3〜5秒かけて、肘を伸ばしたまま、チューブを持ち上げる 4, 3〜5秒かけて、元の場所に戻す 1セット15回として、3〜4セットほどおこないましょう。 スピードを上げると効果が落ちるので注意してください。また、腕を過度に挙上すると、別の筋肉を使ってしまい、棘上筋のトレーニングになりにくいことを覚えておきましょう。 棘下筋・肩甲下筋トレーニング 棘下筋と肩甲下筋は、お互い対照的な働きをする筋肉です。 そのため、棘下筋のトレーニングと反対の動きをすると肩甲下筋のトレーニングになります。 1, 腕を体の横につけて、親指が上になるようにする 2, 肘を伸ばしたままで、体から腕が離れるように上げる 3, バレーボール1個分程度まで上げた後で元に戻す 脇を開くと、ほかの筋肉が働いてしまうため、棘下筋、肩甲下筋のどちらのトレーニングでも、脇を開かないように注意しましょう。 棘下筋トレーニングと同様、チューブなどを使い、軽めの負荷で、頻度を多くおこないましょう。 1〜2kgのダンベルがあれば、以下のトレーニングも実施できます。 1, 体の側部を床につける形で寝転がり、膝と背中を曲げる 2, 鍛えたい方の腕の肘をつけて、下腕を地面に対して垂直の角度で曲げる 3, ダンベルを持ち、胸の近くまで持ち上げる 4, ダンベルが床につく手前まで下げる 3と4を15回繰り返すのを1セットとし、3〜4セットおこないます。 とくに肩甲下筋を鍛えたいときは上記のトレーニングがおすすめです。 まとめ:インピンジメント症候群の改善には地道なリハビリとストレッチが重要 インピンジメント症候群は肩の柔軟性低下や腱板機能の低下、悪い姿勢によって、正常な関節の運動ができないことで生じます。 そのため、リハビリにより、原因となっている部分を改善して、肩関節の正常な運動を可能にする必要があります。 本記事では、原因ごとに基本的なリハビリ方法を紹介しました。 より効果を高めるためには、整形外科を受診して、医師や理学療法士などの専門家による指導を受けましょう。 また完治には数カ月単位の時間がかかるため、地道にリハビリに取り組む姿勢が重要です。 この記事がご参考になれば幸いです。 ▶治療方法の選択肢のひとつとして、こちらの動画も是非ご覧ください。 https://youtu.be/B4Vx0of7CsE?si=ypxnq2LyGBRckfpx ▼肩のスポーツ障害、ゴルフ肩に関して解説しています ゴルフ肩(スイングショルダー)とは?その原因と治療法 ▼インピンジメント症候群の原因や症状を解説 野球肩|インピンジメント症候群とは、その原因、症状と治療法 インピンジメント症候群に関するQA 本記事ではインピンジメント症候群に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。 インピンジメント症候群はどれくらいで治るか 再発を防止するにはどうすれば良いか インピンジメント症候群に効くツボはどこか それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。 インピンジメント症候群はどれくらいで治るか リハビリと保存療法をおこなう限り、十分に改善されるまで2カ月ほどかかります。 ただし症状が重篤な場合、さらに時間がかかるかもしれません。 また3カ月以上経っても十分な改善が見られない場合、手術などを検討します。 いずれにせよインピンジメント症候群の治療には時間がかかるため、焦らず着実にリハビリを進めるのが重要です。 再発を防止するにはどうすれば良いか インピンジメント症候群を予防するには、以下のポイントをおさえます 医師の指示のもと、投球、送球のフォームを見直す アイシングや休息を十分におこなう 入念なウォームアップやクールダウンを習慣づける 肩周りの筋肉を鍛え、剛性を保つ ストレッチを習慣づけて、柔軟性をつける 医師の指示のもと、上記の実施を目指しましょう。 また再発防止にはチームやトレーナーの協力も欠かせません。 状態を共有し、再発の要因となるトレーニングは避けるなどの配慮をおこないましょう。 インピンジメント症候群に効くツボはどこか インピンジメント症候群に効くツボとして以下が挙げられます。 肩髃(けんぐう)/肩甲骨の端、肩峰のやや前下方 肩井(けんせい)/首のつけ根と肩先の中間 肩髃や肩井を指圧すれば症状が改善する可能性があります。 しかしツボを刺激してインピンジメント症候群を治す試みは一般的ではなく、効果の程度も明確ではありません。 ツボの指圧よりも、一般的なリハビリや保存療法に集中するのを推奨します。
2023.03.24 -
- 足部、その他疾患
- 下肢(足の障害)
- 足部
- スポーツ外傷
「足をひねっちゃったけど、なんとか歩ける…」「でも、この痛みは大丈夫なの?」「病院に行くべき?それとも様子見でいいの?」 足をひねった・捻挫したにもかかわらず、痛みを我慢して歩ける程度だから病院に行くかどうか迷っていませんか。 歩けてしまうだけに「もしかしたら病院に行くほどではないのかも」と不安になってしまいますよね。 結論、テーピングなどで応急処置をして、心配なら早めに病院を受診しましょう。 歩けるからといってそのままにしたり無理に動かしたりすれば、痛みの悪化や再発を招く可能性があります。 本記事では、歩けるけど痛い程度の捻挫に対する正しい対処法を解説します。 さらに、「早く治したい」「再発を防ぎたい」という方のために、近年注目されている「再生医療」という選択肢についてもご紹介します。 「もっと詳しく知りたい」「専門家のアドバイスが欲しい」 そう思われた方は、ぜひ当院の公式LINEにご登録ください。 捻挫で歩けるけど痛いときの対処法【現役医師が解説】 捻挫で歩ける場合でも、正しい対処法の実施が大切です。 何もせずに放っておくと、痛みや腫れの症状が悪化したり、捻挫の再発につながったりします。 怪我をしてすぐの対処法として「RICE処置」をしましょう。RICE処置により、捻挫の直後に生じる炎症を抑えて、痛みや腫れ、出血を軽減できます。 RICE処置は以下の4つの方法を言います。 Rest:安静 Icing:冷却 Compression:圧迫 Elevation:挙上 具体的な手順は以下の通りです。 足首に体重がかからないように座ったり、横になったりして安静にする アイスパックなどで冷やして、包帯やテーピングで圧迫する 台などで心臓より足を高くあげるようにして、出血で足首にたまった血液を心臓に戻す RICE処置は、怪我をしてから1〜3日はくり返すのが望ましいです。 万が一、RICE処置ができなかった場合にも、テーピングや捻挫用の足関節サポーターで足首を固定するようにしましょう。 足首を固定しておくと、足首が動かず損傷部位のストレスを軽減させるとともに、捻挫の再発予防につながります。 処置をしても痛みが引かない場合や心配な場合は、靭帯が断裂している可能性があります。 痛くても歩けるからといって放置せずに、お近くの整形外科を受診しましょう。 【捻挫したときの対処法】 足首に体重を掛けない 座ったり、横になって安静にする 台などで心臓より足が高くなるようにする アイスパックなどで冷やす 包帯やテーピングで圧迫する 症状を自己判断せず医療機関を受診する ▼捻挫を早く治したい人は下記の記事をご覧ください。 捻挫を治療する2つの保存療法 捻挫の治療には、手術と手術をしない保存療法があります。手術をするのは重症の場合や、スポーツ選手で活動性の高い場合です。 痛みがあるものの歩ける捻挫の場合は、以下2つの保存療法で治療を進めます。 損傷の重症度や経過に応じて固定 再発を防止する運動療法 具体的な治療方法を知り、積極的に取り組みましょう。 損傷の重症度や経過に応じて固定 RICE処置などの初期治療後には、重症度に応じて固定を行い、靱帯の修復を図るのが大切です。 固定には次のような方法があります。 【初期治療】 損傷が軽度の場合:装具やテーピングによる固定 損傷が重度または複数の靱帯が損傷している場合:ギプスによる固定 軽度の場合は、1週間程度ギプスや装具による固定をしたあと、3週間程度テーピングで固定します。 重症の場合は、3〜6週間のギプス固定が必要です。 再発を防止する運動療法 足首の捻挫は、ほとんどの場合で内側に向かってひねることで起こる内反捻挫です。 内反捻挫の場合、再発を予防するために、足首を外にひねる作用のある腓骨筋(ひこつきん)という筋肉を鍛えましょう。 チューブを使ったトレーニングは負荷を簡単にかけられるため、おすすめです。 具体的な方法は以下の通りです。 【再発防止トレーニング】 両足をくっつけてチューブで縛る かかとを離さず、小指側をあげるような意識で、つま先を外に開く また、固定の期間中に足首の動きが固くなっているため、ストレッチをするのも良いでしょう。 タオルを足のつま先に引っ掛けた状態で、タオルの両端を両手にもって引っ張るようにすれば、足首の柔軟性を高めるストレッチが可能です。 トレーニングやストレッチを行い、内側に足首をひねらないようにするための筋力や柔軟性を保つようにしましょう。 また、捻挫の治療や再発予防には様々な方法があります。 当院の公式LINEではこれらの保存療法に加えて、根本的な改善が期待できる再生医療など最新の治療法に関する情報も提供していますので、再発防止を徹底したい方はガイドブックをご確認ください。 ▼気になる症状がある方はオンライン診断もご利用いただけます >>公式LINEはこちら 捻挫とは?足首をひねって靭帯などが損傷する怪我【症状も解説】 捻挫とは、関節が無理な範囲に強制的に動いてしまうことで、靱帯(じんたい)や関節包(かんせつほう:関節を包む膜)が損傷してしまう怪我です。 足首の捻挫は、足を内側に無理にひねって外側の靭帯を損傷することが多いです。 足首の外側には以下の3つの靱帯があります。 【足首の靭帯】 前距腓靱帯(ぜんきょひじんたい) 後距腓靱帯(こうきょひじんたい) 踵腓靭帯(しょうひじんたい) この中で、最も多く損傷するのが前距腓靱帯で、後距腓靱帯の損傷はまれです。1つではなく、複数の靱帯が同時に損傷する場合もあります。 捻挫の程度は、靱帯の損傷具合によって次の3つに分けられます。 【捻挫の程度】 1度捻挫:靱帯の損傷がなく、無理に伸ばされた状態 2度捻挫:靱帯が部分的に切れている状態 3度捻挫:靱帯が完全に切れた状態 靱帯の損傷がひどい場合は、靱帯による関節の固定力が弱まり、関節が不安定になってしまいます。その結果、捻挫を再発しやすくなるため注意が必要です。 症状は、捻挫の程度によって異なります。 主な症状は、損傷した部分の腫れや痛みです。痛みは損傷部位を指で押さえたときにみられる圧痛(あっつう)があります。 怪我したときと同じように、内側に足首をひねった動きを再現すると痛みがあります。損傷による内出血が生じていたり、熱をもっていたりするのも症状の1つです。 捻挫の重症度をセルフチェックする方法 歩ける程度の痛みでもすぐに受診すべきかどうか、捻挫の重症度をセルフチェックできます。 以下の5項目のうち、1つでも当てはまる場合は骨折の可能性がありますので、お近くの整形外科を受診しましょう。 【捻挫の重症度のセルフチェック】 外くるぶしを押すと痛みがある 内くるぶしを押すと痛みがある かかとの小指側の骨の出っ張り付近を押すと痛みがある 舟状骨(足背から内側にかけての部分)を押すと痛みがある 怪我をした側で4歩以上その足に体重をかけることができない・歩けない 判断がむずかしい場合や、当てはまる項目がなくても心配な場合は専門医に相談するのが望ましいです。 ▼捻挫で病院に行くべき目安を詳しく知りたい人は下記の記事もご覧ください。 まとめ|捻挫したときは正しい対処法を行い早めに受診しよう 捻挫をしたら、まずはRICE処置を行いましょう。 歩ける場合でも痛みがあるときは、テーピングやサポーターで足首を固定し、損傷した靭帯に負担をかけないことが大切です。適切に対応することで捻挫の悪化を防ぎ、再発予防にもつながります。 ただし、痛みが強い場合や腫れがひどくて心配な場合は、専門医の診断を受けましょう。 歩けるからといって捻挫を軽視せず、適切な対処法と治療を行えば、早期回復と再発防止がかなうはずです。 また、セルフチェックで不安を感じた方や、再発予防が期待できる治療方法を詳しく知りたい方は、簡易オンライン診断もできる当院の公式LINEにご登録ください。 ▼スポーツ外傷に関する改善症例も配信中 >>公式LINEで限定情報を確認する 捻挫に関するよくある質問 Q.足首や足の甲が腫れていて歩けるけど痛いと感じる場合は捻挫ですか? A.捻挫の可能性があります。捻挫の場合、足首の外側の腫れが最も一般的です。軽度の場合は歩けることもありますので、心配な場合は整形外科を受診しましょう。 Q.腫れていないけど痛いときは捻挫ですか? A.捻挫の可能性があります。捻挫で腫れるのは、傷ついた関節部分に内出血や炎症が起きるためです。特に軽い捻挫の場合は血管や組織の損傷が少なく、腫れないケースがあります。 Q.捻挫はおよそ何日で治りますか? A.重症度によって異なりますが、軽度の捻挫であれば1週間~10日ほどで治ります。中等度なら2週間、重度なら治るのに3週間ほどかかります。歩けるけど痛い場合は軽度~中等度と考えられますが、いずれも適切に処置し、3週間程度は捻挫部位を固定することが大切です。 Q.膝をひねったのですが、これは捻挫ですか? A.膝をひねった場合も捻挫です。捻挫は、関節のある場所なら起こります。膝はもちろん、突き指も捻挫の一種です。 ▼膝を捻挫したときの症状を詳しく知りたい人は下記の記事もご覧ください。
2023.03.13 -
- 足部、その他疾患
- 下肢(足の障害)
- 足部
- スポーツ外傷
「ジョーンズ骨折」と呼ばれる怪我に聞き馴染みがない方も多いのではないでしょうか。しかし、ジョーンズ骨折は意外にもアスリートがよく発症するケガです。 とくに高い負荷がかかる競技において、ジョーンズ骨折は珍しいものではありません。サッカーやバスケットボール、ラグビーなど、急な方向転換や激しい接触を伴うスポーツをしている場合は注意が必要です。 本記事では、ジョーンズ骨折の原因と治療法から、予防法やテーピングのやり方まで詳しく解説します。アスリートだけではなく、日常的に運動をする方や足に負担をかける仕事をしている方は、ぜひご参考にしてください。 ジョーンズ骨折とは ジョーンズ(Jones)骨折とは、第5中足骨の踵寄り(第5中足骨基部)に起こる骨折のことで、骨癒合しにくく、治るのに時間がかかる骨折の一つです。第5中足骨基部に起こる骨折は、以下の3つがあります。 基部裂離骨折 ジョーンズ骨折 骨幹部疲労骨折 いずれも見分けるのが難しいため、まとめてジョーンズ骨折と呼ぶこともあります。 原因|主にスポーツ外傷による骨折 ジョーンズ骨折は、特定のスポーツ動作で頻発する骨折です。 その動作とは、ストップやターンなどの速い動作の切り返しです。ストップやターン(切り返し)によって、急激に第5中足骨に負荷がかかると骨折してしまいます。 しかし、これらの動作だけが骨折の原因ではありません。ほかにも以下のようなあらゆる要素が重なって引き起こされると考えられます。 トレーニング過多による第5中足骨への疲労の蓄積 硬い地面による問題(人工芝、アスファルトなど) 下肢のアライメント異常(足の外側に体重が乗りやすいなど) スパイクのポイントの位置 第5中足骨基部への血流不足 第5中足骨基部への靭帯や腱の付着 つまり、ストップやターンは、最後の引き金に過ぎません。 症状|歩行や運動時の痛み ジョーンズ骨折の症状は骨折の程度によって大きく変わります。発症初期の不全骨折(ヒビ)であれば、運動中に少し痛みを感じる程度で、骨折部分を強く押すとズキっと痛む場合があります。 しかし、そのまま運動を継続すると、徐々に痛みが増していき、歩くのもままならない状態になりかねません。この場合、骨折部の状態は悪化していることが多く、完全骨折となっている可能性も考えられます。 また、捻ったり、ストップやターンの切り返しによって完全骨折となるケースも少なくありません。 ▼ ジョーンズ骨折の症状やついて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。 診断|レントゲンやエコー検査 ジョーンズ骨折は、レントゲン画像による診断が可能です。レントゲン撮影は、一方向だけではなく、角度を変えて複数方向からの撮影が有効となります。 しかし、初期の不全骨折の場合はレントゲン画像での判断が難しい場合があるため、必要に応じてMRIや超音波検査も実施します。 ジョーンズ骨折に有効な治療方法 ジョーンズ骨折は、ほかの骨折に比べて骨癒合が得にくい(遷延治癒:せんえんちゆ、偽関節など)とされているケガです。また、骨癒合が得られたとしても再骨折のリスクが高い骨折だといわれています。 そのため、一人ひとりの状況を考慮し、慎重に治療方法を選択する必要があります。 手術療法 激しいスポーツ動作を繰り返すアスリートには、手術療法がおすすめです。早期復帰や再骨折のリスクを減らす効果が期待できるためです。 手術方法は比較的シンプルで、一般的には第5中足骨に対しスクリューを埋め込む「髄内固定術」で行われます。 手術療法は、治療成績も良好で保存療法に比べて再発のリスクが低いことが特徴です。しかし、スクリューの位置を誤ったり、復帰が早過ぎたりした場合には、癒合不良や偽関節を引き起こす可能性もゼロではありません。 手術費用や復帰までの期間などの目安は以下の通りです。 手術費用・入院費用:10〜15万円 入院期間:3日〜2週間 スポーツ復帰目安:2〜3カ月 ※手術・入院費用、入院期間はあくまで目安です。医療機関ごとに違いがあります。 手術後は、医師や看護師、リハビリスタッフの指導に従って過ごすことが大切です。 保存療法 手術療法に抵抗がある方や、なんらかの理由で手術療法が難しい方は保存療法を選択します。 保存療法の場合は、骨が癒合していない状態で無理をしないことが重要です。とくに初期の段階では、骨癒合を第一に考え、骨折部分に体重をかけないようにします。その間に、骨癒合を促進させるような超音波治療器を用いる場合もあります。 骨癒合にかかる期間は個人差がありますが、少なくとも3〜4週間はかかるでしょう。レントゲン画像にて骨癒合が認められたら、少しずつ体重をかけていくことがポイントです。 なお、歩くときに行う踏み返し動作は骨折部に負荷がかかりやすいため注意が必要です。歩行を慎重に進めていき問題なくできるようになったら、少しずつ強度を上げてスポーツの動きを取り入れていきます。 ジョーンズ骨折にテーピングは有効?巻き方のポイント ジョーンズ骨折がまだ完全に治っていない状態でのテーピングは、あまり効果を期待できません。しかし、骨折がしっかり治り、スポーツに復帰する段階でのテーピングは、一定の効果を発揮します。 ジョーンズ骨折のテーピングの巻き方のコツは、足のアーチをサポートすることと、足の外側の補強をすることです。 足首の捻挫のテーピングと似ているところもありますが、そこにプラスして足底部にアーチをサポートするテーピングを巻くとより効果的です。 ジョーンズ骨折のテーピングは、その人の足の使い方によって巻き方が変わります。まずは、専門家に足の使い方をみてもらい、自分に合った巻き方を教えてもらうようにしましょう。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。テーピングを始めるタイミングや巻き方についてお悩みの方は、ぜひ気軽にご相談ください。 ジョーンズ骨折後にスポーツ復帰する流れ ジョーンズ骨折は再発しやすいため、状態を見極めて段階的にスポーツ復帰する必要があります。 骨癒合まで運動を我慢していたのに、復帰を焦ってしまって再骨折してしまう例も少なくありません。際骨折を防ぐためにも、スポーツの復帰には万全を期す必要があります。ジョーンズ骨折後にスポーツ復帰する流れの例は、下記の通りです。 1.その場でできるスクワットやカーフレイズ(爪先立ち)の運動 2.ランジや片脚スクワット、片脚カーフレイズで片側に体重をかけて行う運動 3.軽いジョギング 4.徐々にスピードを上げたランニングやダッシュ 5.ストップやターン動作の練習 6.ジャンプ動作の練習 7.各スポーツの練習を徐々に復帰 8.競技に完全復帰 上記のような流れを参考に、痛みや違和感が出たら前のメニューに戻るようにしながら、スポーツ復帰を目指します。 ジョーンズ骨折の予防にはサポーターの使用がおすすめ ジョーンズ骨折の再発予防には、足首の捻りを防止するサポーターやアーチを形成するためのインソールなどの使用が十分な効果を発揮します。 とくに、インソールは骨折部の負担を減らす効果が期待できるため、よりおすすめの予防方法です。 再発予防のためのサポーター選び ジョーンズ骨折に有効なのが、左右方向に強いサポーターです。足の力が横の動きに弱いと骨にかかる負担が増えてしまうため、横のぐらつきを押さえるようなサポーターが推奨されます。 注意点として、第5中足骨基部のあたりが厚くなっているサポーターの場合は、体重をかけた際に圧迫し過ぎて痛みを誘発する可能性があります。そのため、装着したときの圧迫具合や患部への当たりを確認した上で、適切なサポーターを選ぶ必要があります。 再発予防のためのインソール選び インソールの調整は、ジョーンズ骨折の再発防止のために非常に有効で、必須ともいえる手段です。 足の内側と外側にある縦アーチと横アーチをサポートしてくれるようなインソールを入れることで、足の機能が上がり負担がかかりにくくなります。 インソールは市販のものもありますが、専門の義肢装具士が作成しているオーダーメイドのインソールの使用がおすすめです。自分の足の型に合わせてインソールを作成するため、より高い効果が期待できます。 ▼ ジョーンズ骨折の予防法について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。 まとめ・ジョーンズ骨折の回復期には適切にテーピングしよう ジョーンズ骨折は再発しやすく、初期の対応や治療開始から復帰までのプランニングが非常に難しいケガです。そのため、焦らず骨の癒合状態を確認しながら、段階的に治療に取り組むことが重要です。 また、回復期には適切なテーピングが重要な役割を果たします。テーピングを用いることで、再発のリスクを減らし、足の安定性を高められます。ただし、間違った方法でテーピングを施すと逆効果になる場合もあるため注意が必要です。 ジョーンズ骨折をしてしまった際は、専門の医師やリハビリスタッフのアドバイスを聞きながら、安全に復帰までの道のりを歩んでいきましょう。 ジョーンズ骨折の治療に関するよくある質問 ここでは、ジョーンズ骨折の治療に関するよくある質問をまとめました。 ジョーンズ骨折は自然に治りますか? ジョーンズ骨折は、自然に治ることもありますが、癒合不全や変形癒合などの合併症につながる危険性があります。そのため、自己判断はおすすめできません。また、再骨折を防ぐためにも、痛みの程度だけではなく、骨が問題なく癒合しているか確認してから運動を再開する必要があります。 ジョーンズ骨折が疑われる場合は、できるだけ早く医療機関を受診し、医師の指示に従って経過を見守りましょう。 テーピングはどのようなものを使用すると良い? ジョーンズ骨折の再発を予防するためには、伸縮性のあるテーピングの使用が効果的です。伸縮性が高いスポーツ用のテーピングは、骨折しやすい部位を保護しつつ、足の柔軟性を保つために適しています。 また、はがれにくくするため、テーピングの角を丸く切って使用するのもポイントです。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。テーピングの選び方や使用方法で迷うことがあれば、ぜひ気軽にご相談ください。
2023.03.06 -
- 手部、その他疾患
- 手部
- スポーツ外傷
バレーボールやバスケットボールなどの球技はもちろん、スポーツ経験者であれば、誰しも一度は突き指をした経験があることでしょう。 軽くみられがちな怪我であるため、突き指をしてもそのまま放置が一般的になっています。しかし、骨折の可能性があるため、たかが突き指とあなどってはいけません。 本記事では、突き指と骨折の違いや見分け方を中心に紹介します。突き指の治りが悪い方や痛みが引かない方は要チェックです。 突き指と骨折の違い 結論、突き指は「現象」を表し、骨折は「状態」を表します。つまり、怪我した状況は「突き指」なのですが、その結果「骨折」が起きた!といった判断になるのです。 突き指は、物によって指先に衝撃が加わることで発症する手指の怪我の総称です。突き指を起こした結果、骨折はもちろん靭帯損傷や腱の断裂など細かくケースがわかれています。 一般的に使われている突き指は、骨折を伴っていないケースが多いのも事実です。突き指をしてしまったら自己判断はせずに、一度専門の医療機関で詳しく検査してもらうことをおすすめします。 突き指と骨折の見分け方 「最近突き指をしたけど、骨折していないか心配」とお悩みの方に向けて、一般的に区分される突き指と骨折の見分け方を紹介します。 突き指と骨折の見分け方は以下の通りです。 症状 突き指の場合 骨折の場合 疼痛 軽度(1週間程度で完治) 強い(長期間続く) 腫れ 軽度(1週間程度で完治) 顕著(長期間続く) 変形 腱損傷の場合は確認できる(伸ばせない) 場合によっては確認できる(動かせない) 上記のように、突き指と骨折は目視だけで見抜くことが難しいため、症状が1週間以上続くようであれば整形外科院を受診してみましょう。 また、どこを受診するか悩む方は、オンライン・電話から当クリニックにお気軽にご相談ください。親切丁寧に対応いたします。 【骨折を伴わない】突き指の症状 骨折のあるなしに関わらず、突き指の症状としてまず痛みが出ます。その後腫れ・赤み・動かしづらさなどの炎症症状がみられることが多いです。 軽症な突き指なら、1週間程度で炎症は落ち着きます。一方で靭帯や腱の断裂など重症な場合は、指の変形や動かしづらさが長引いてしまうので適切な診断と治療が必要です。 腱の断裂で起こる腱性マレット指 腱の損傷や断裂を伴う突き指は、『腱性マレット指』と呼ばれます 指先を伸ばすための腱が切れてしまい、指の第一関節を自力で伸ばせなくなります 痛みが引いてもなお伸ばせない症状が続いたら、腱性マレット指の可能性があります。 ※早急に医師の判断を仰いだ方がいいでしょう。 出典:日本整形外科学会『マレット変形』より(https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/mallet_finger.html) 出典:日本整形外科学会『マレット変形』より(https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/mallet_finger.html) 【骨折を伴う】突き指の症状 骨折を伴う突き指は、上記の腱性マレット指と似通った症状がみられます。指を自力で最後まで伸ばせない症状ですが、骨折を伴うため痛みや腫れがより強く現れます。 また、骨折を伴う突き指はレントゲン検査で容易に発見できます。骨折の程度にもよりますが手術が必要となるケースもあるため、顕著な痛みや腫れ、症状が長期間続く際はできるだけ早く医療機関を受診しましょう。 骨折の症状で起こる骨性マレット指 突き指による骨折で多いのが、『骨性マレット指』です 指先だけでなく、中間部分(骨幹部)や、関節の脱臼骨折などもあります 指を伸ばすための腱が付いている部分が、剥がれるように骨折(剥離骨折)する 痛みや腫れが大きい場合、骨折の可能性がああります。医療機関を受診してください 出典:日本整形外科学会『マレット変形』より(https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/mallet_finger.html) 突き指・骨折を起こしやすいスポーツ 突き指・骨折を起こしやすい代表的なスポーツは球技です。中でもバレーボールやバスケットボール、野球に多くみられます。 それぞれのスポーツをやっていて、どのような場面で突き指が起きやすいのかを説明します。 バレーボール バレーボールは、ブロックのときとオーバーハンドレシーブのときに突き指を起こすことが多いです。特にブロックではジャンプのタイミングが遅れたり、指先に力が入っていなかったりすると突き指につながります。 ボール自体は軽いのものの、アタックの時はボールのスピードが速いため突き指を起こしやすいです。 バスケットボール バスケットボールは、パスを受けるときやボールをカットするときなどに受傷するケースが多いです。また、相手と激しくぶつかり合いながらダッシュ・ストップ・ターン・ジャンプなどさまざまな動きを伴うため、ボールに接触せずとも突き指をしてしまうこともあります。 バスケットボールのボールは他の球技と比べ重く、軽く当たるだけでも怪我につながるケースが多いです。 野球 野球で突き指を発症するシーンは、守備のときが大半です。特に多いのが打者が打ったゴロを捕球する際で、両手で捕ろうとして投げる側の手にぶつけてしまうケースです。また、球との衝突だけでなく、走塁・守備時のスライディングでも発症してしまうことがあります。 ボール自体は小さいですが硬さがあり、不規則なバウンドをした時にケガへとつながりやすくなります。 突き指の落とし穴 軽くみられがちなケガの代表格とも言える突き指ですが、後々に大きな影響を及ぼすこともあるので注意が必要です。 上記でも紹介した通り、突き指の中にも腱の断裂や骨折といった重度の損傷が隠されており、自然治癒で治りきらないこともあります。発症後は迅速なアイシングを心がけつつ、何度もいうように突き指症状が長引く場合は最寄りの医療機関を受診しましょう。 放っておいても治らない? 腱の断裂や剥離骨折(マレット指)は、痛みが引いたからといって普段通りに動かしていると、骨や腱がつながらず完全に伸ばせなくなる恐れもあります。 装具やテーピングによる固定や、場合によっては手術をするケースもあります。ケガの状態によって治療方針はさまざまなのでケガの程度を見極めることが大切です。 受診の目安は骨折だけじゃない! レントゲンでは骨の形態しか確認できません。レントゲン撮影後も症状がなかなか落ち着かなかったり、指が完全に伸ばせなかったりした際は事後症状を伝えるためにも再度専門医を受診しましょう。 詳細検査を実施すると、腱が切れていたといったパターンも少なくありません。 ケガをしてからすぐに固定をしておけば保存療法で済む場合もありますが、痛みを堪えて動かしてしまったために手術が必要になることもあります。結果的に完治までの時間がかかってしまい、スポーツ復帰の遅れにつながりかねません。 「たかが突き指」と決めつけず、できるだけ早く然るべき医療機関へ受診するよう心がけましょう。 まとめ|突き指の痛みが長引くときは専門医を受診しよう 突き指は、スポーツ(特に球技)をする方々にとっては身近な怪我です。ただの軽い怪我だと思って放置すると、骨折を含め大きな問題につながりかねません。また、骨折を伴う場合は痛みや腫れが顕著なことと同時に、腱の断裂や靭帯損傷といった外傷が隠れていることもあります。 症状が長期間にわたって継続し、骨折や腱の断裂が疑われる場合は躊躇なく整形外科院を受診しましょう。 当院でも、突き指や骨折の相談を受けつけているので、ぜひお気軽にお問い合わせしてみてください。
2023.02.27 -
- 手部、その他疾患
- 手部
- スポーツ外傷
「突き指を早く治すにはどうすればいい?」 突き指を早く治すには、適切な湿布やテービングの使用などの処置が重要です。 しかし、一口に「突き指」といっても、骨折や指の腱・靭帯の断裂などの早期の治療が重要な外傷も含まれます。 だだの突き指と思って放置すると炎症が悪化して完治が遅れるだけでなく、手術が必要になるケースもあるため注意しましょう。 「突き指の痛みを早く治したい!」「手術が必要な状態ではないか不安...」という方は、まずはお電話でご相談ください! 先端医療である再生医療専門クリニックの当院では、どんな些細なお悩みに対してもわかりやすくご説明いたします! ▼まずは電話で無料相談 >>今すぐ電話してみる 突き指を早く治す3つの方法 突き指は、指先にものが強くぶつかって、腫れや痛み、内出血、関節の動きの制限などが起こるケガです。 自然に治るケースもありますが、適切な処置をすれば早く治る可能性が高まります。本章では突き指を早く治す3つの方法について説明します。 湿布 突き指をしたときに痛みや炎症を抑える湿布を貼れば、突き指のつらい症状をやわらげられます。 痛みや炎症を抑える成分の例は、以下のとおりです。 ロキソプロフェン ジクロフェナク インドメタシン フェルビナク また、湿布には貼ったときに温かく感じる「温感タイプ(温湿布)」とひんやり感じる「冷感タイプ(冷湿布)」があります。温感・冷感は「感じ方」だけの問題のため、実際はどちらを貼っても効果は同じです。 突き指の直後は炎症によって指が熱を持った状態のため、冷感タイプの方が心地よく感じられるでしょう。 RICE処置 突き指を早く治すには、以下4つの項目の頭文字を取って名付けられた応急処置方法「RICE処置」もおすすめです。 R:Rest(安静) I:Icing(冷却) C:Compression(圧迫・固定) E:Elevation(挙上) RICE処置には、痛みや腫れを軽減し、回復を助ける効果が期待できます。本章の内容をもとに、具体的な方法を理解しておきましょう。 Rest:無理に動かさず「安静」にする 怪我をした直後は無理に動かさず、安静にしましょう。炎症や痛みがあるのに無理に動かすと、怪我の状態や症状を悪化させる恐れがあります。 Icing:怪我をした部分を「冷却」する 怪我による炎症をやわらげるため、以下の方法で傷めた指を冷やしましょう。 1. 氷のうやビニール袋に氷水を入れて患部に当てる 2. 15分ほど冷やして患部の感覚がなくなったら外す 3. また痛みが出てきたら冷やす 1〜3の流れを繰り返します。 氷が手に入らない場合は、保冷剤をタオルに包んだり、流水で冷やしたりしても良いでしょう。 ただし、冷やしすぎると凍傷(とうしょう:やけどの逆。冷えすぎによって起こる組織の障害)になり、さらに指を傷める可能性があります。 使う水の温度や氷の量によってどの程度冷えるかは異なるため、冷やす時間は指の様子を見ながら調節してみてください。 Compression:テーピングや包帯で「圧迫・固定」する 腫れていて指を曲げると痛い場合は、圧迫して腫れを抑えたり、固定して動きにくくしたりしましょう。木や金属の板を指に沿うように当てる、テーピングや包帯で固定するなどの方法があります。 ただし、圧迫部位が青くなる、冷たくなる、痺れが出るなどの場合は圧迫が強すぎる可能性があるため、少し緩めるようにしてください。(文献2) Elevation:心臓より高い位置に「挙上」する 腫れを予防、軽減するために、怪我をした指を心臓より高い位置まで挙上(きょじょう:持ち上げること)しましょう。心臓より高く上げることで、怪我でたまった血液が流れ、腫れをやわらげられます。 テーピング テーピングは、前述したRICE処置の「圧迫・固定」にあたる処置です。指の動きを固定し、無理な動きによる痛みや炎症の悪化を予防できます。 テーピングの方法は、以下の2種類です。 怪我をした指だけテーピングをする 怪我をした指と隣の指を一緒に固定する(バディテーピング) 突き指の応急処置には、隣の指が添え木の代わりになる「バディテーピング」が効果的です。 指を曲げると痛い場合は、指を伸ばしたまま固定して曲がらないようにします。 少し動かせるようになったら、隣の指を固定から外し、怪我をした指のみをテーピングすると良いでしょう。 やってはいけない突き指の応急処置 突き指をした際に、以下のような応急処置は症状を悪化させる可能性があるため避けてください。 突き指した部分を引っ張ったり強く揉んだりしてしまうと、炎症がひどくなり怪我の状態を悪化させる危険があります。 上記のような状態の悪化を招く動きや完全に治っていないのに指を無理に動かすと、関節部分の損傷が慢性化し、関節の変形を引き起こす可能性も。 「突き指の痛みを早く治したい」「ちゃんと治るか不安...」という方は、お気軽にお電話でご相談ください! ▼まずは電話で無料相談 >>今すぐ電話してみる 湿布で突き指が治らないなら骨折の可能性もある 痛みや腫れがひどい場合は骨折している可能性があるため、整形外科への受診が必要です。 突き指が原因で指先が曲がり、伸びない状態を「マレット変形」または「槌指(つちゆび)」と呼びます。 マレット変形は、傷めた部分が腱か骨かにより、以下2つのタイプに分けられます。(文献1) 腱性マレット変形:指を伸ばす伸筋腱が切れて、関節を伸ばせない状態 骨性マレット変形:腱がついている骨が折れて(骨折)、ずれた状態 骨性マレット変形(骨折)の場合、すぐに手術が必要なケースもあります。 処置が遅れると回復が困難になる可能性もあるため、応急処置で良くならない、痛みや腫れが強いなどの場合は早めに整形外科へ受診してください。 当院「リペアセルクリニック」でも、突き指や骨折の相談を受け付けています。指の痛みや腫れがひどく、医療機関での受診を検討している方は当院の「メール相談」や「オンラインカウンセリング」からお気軽にお問い合わせください。 突き指と骨折の違いについての記事はこちら まとめ|突き指には湿布が有効だが必要に応じて受診しよう 本記事では、突き指を早く治すための正しい応急処置を解説しました。 突き指は自然に治るケースもありますが、適切な応急処置や必要に応じた受診によって早期の回復が期待できます。 代表的な突き指の応急処置方法は「湿布」「RICE処置」「テーピング」です。しかし、突き指の症状が強く、強い腫れや痛みが続く場合は骨折している可能性があるため、早めに整形外科を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」は、突き指や骨折に関する相談を受け付けています。治療やリハビリに時間のかかる大きなケガの場合は、再生医療による治療も可能です。 突き指について気になる点がある場合は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」にて当院へご相談ください。 突き指の湿布についてよくある質問 突き指の湿布に冷えピタなどの冷却シートは使えますか。 冷えピタをはじめとする冷却シートは、突き指にはあまり意味がありません。冷却シートの効果は「ひんやりした感じがある」程度にとどまり、突き指の炎症を抑えるほどの冷却はできないためです。 突き指の応急処置で冷やす際は氷水や氷のうなどで、患部をしっかりと冷やすようにしましょう。 突き指に冷湿布を貼れば冷やさなくても良いですか。 冷湿布を使う場合も、突き指をした部分は必ず冷水や氷水で冷やしてください。冷湿布のひんやり感は「メントール」や「水分」によるもので、突き指の炎症を抑えるほどの冷却効果はないためです。 突き指に対する湿布の効果は患部の冷却ではなく、有効成分が患部の炎症を直接鎮めることで得られます。突き指をしたら患部を良く冷やし、そのあとに炎症を抑えるための湿布を貼るようにしましょう。
2023.02.17