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「肝臓の病気である自己免疫性肝炎の症状は?」 「自己免疫性肝炎は女性に多いの?」 自己免疫性肝炎は、体のなかで最大の臓器である肝臓に起こる病気で、とくに女性に多く認められます。 初期段階では自覚症状がほとんどなく、異常に気づきにくいですが、適切な治療を受けずに放置すると肝硬変や肝不全、肝がんなどの重大な病態にいたる可能性もあります。 本記事では、自己免疫性肝炎の原因や症状、診断に必要な検査、治療方法を解説します。 肝臓の症状悪化を防ぐには早期治療が重要です。肝臓の病気などに不安を感じておられる方は、ぜひ医療機関に訪れて医師からの診断をあおいでみてください。 また治自己免疫性肝炎の治療では、一般的にステロイド療法が行われますが、副作用への不安や、治療を続けても十分な改善が得られないケースも少なくありません。 そのような場合には、再生医療も選択肢の一つとなります。 https://youtu.be/ZmpzVJ3I8LY?si=RICesObBXs58p2Go 再生医療は、患者さまご自身の細胞を用いて肝臓本来の修復力を引き出し、炎症やダメージを受けた肝組織の再生を促すことで肝機能の改善を目指す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 ステロイド治療に不安がある 治療を続けているが改善がみられない 病気が進行してしまい、今後が心配 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院(リペアセルクリニック)では、自己免疫性肝炎を含む肝疾患に対する再生医療について、無料カウンセリングを行っていますので、ぜひご相談ください。 女性に多い自己免疫性肝炎とは【肝臓の病気】 自己免疫性肝炎(じこめんえきせいかんえん)は、一般的に慢性に進行する肝障害をきたす病気です。 発症は60歳ごろがピークとされ、中年に多いとされています。 男女比は1:4.3と、男性よりも女性に多い傾向があり、日本では約3万人強の患者さまがいると推定されています。 自己免疫性肝炎は、国が定める指定難病です。一定の重症度を満たす場合は、医療費が公費補助の対象となります。 自己免疫性肝炎は、適切な治療や経過観察が行われない場合、慢性肝炎から肝硬変へ進行するリスクがあるので注意が必要です。 一度肝硬変に進行すると、肝臓の状態を元に戻すことは難しくなり、将来的には肝不全や肝がんのリスクも高まります。 当院(リペアセルクリニック)では、自己免疫性肝炎を含む慢性肝疾患に対し、将来のリスクに備えた治療相談を行っています。 「今すぐ治療が必要なのか知りたい」「自分の場合、将来どうなるのか聞いてみたい」という方は、当院に一度ご相談ください。 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 肝臓の病気である自己免疫性肝炎の原因 自己免疫性肝炎の原因は、まだ完全に明らかになっていません。しかし、さまざまな要素から、免疫が自身の体を攻撃する場合に起こる「自己免疫疾患」と考えられています。 実際に自己免疫性肝炎では、肝臓に免疫細胞が多く集まり、炎症をきたしている所見が確認できます。 ただ、アルコールをまったく摂取しない人や、ウイルス性肝炎を起こすB型肝炎、C型肝炎の感染がなくても病気が発症する場合もあるのです。 たとえば、特定の遺伝因子を持つ人が発症しやすいといわれています。しかし、一般的に行われている検診などでは、発症のしやすさを判定できません。 肝臓の病気である自己免疫性肝炎の合併症 自己免疫性肝炎は、ほかの自己免疫疾患との合併が多く認められます。 たとえば、以下のような疾患を患っている方は、自己免疫性肝炎を発症するリスクが高まります。 【自己免疫性肝炎に多い合併症の例】 慢性甲状腺炎(橋本病) 首が腫れる 無気力になる 体重が増える 甲状腺に炎症が起こり機能低下する シェーグレン症候群 目が乾く 唾液が出にくく、口が乾燥する疾患 関節リウマチ 手、指などの小関節を中心とした腫れ 痛み、こわばりなどを起こす疾患 肝臓の病気である自己免疫性肝炎の症状 残念ながら「〇〇の症状があれば、自己免疫性肝炎が疑われる」など、特徴的なものはありません。 早期に発見されるきっかけは、無症状のまま健康診断などで肝障害を指摘される場合が多いです。 肝臓は別名「沈黙の臓器」と呼ばれています。そのため、肝障害は早期の段階で病気に気づきにくいのです。 一方で、急激な経過をたどる場合は、以下のような自覚症状を認める場合があります。 以下の症状は、自己免疫性肝炎に特異的ではありませんが、複数のものが該当するときは、急激に進む重度の肝障害が起こっている可能性があるため、早期に受診しましょう。 【急性肝炎として発症する場合の症状の例】 全身倦怠感 だるい感じがする ちょっとしたことで疲れやすい 食欲不振 食欲低下のため食事が摂れない 黄疸 全身の皮膚や白眼が黄色くなる 尿の色が濃くなる 一部の方は、気づかないうちに病状がかなり進行して、肝硬変をきたしている場合があります。 肝臓の病気や自己免疫性肝炎の診断に必要な検査 肝臓の病気や自己免疫性肝炎を調べるときは、さまざまな検査を行って総合的に診断します。 まずは血液検査で肝臓の障害があるか、障害の程度を含めて判断する流れが一般的です。 AST(GOT)・ALT(GPT)の数値検査 IgG・自己抗体検査 B型・C型肝炎ウイルス検査 画像検査 肝生検 AST(GOT)・ALT(GPT)の数値検査 健康診断でよく見る AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇が参考になる所見です。 数値が高いときは、肝臓の機能になんらかの異常がある可能性を示しています。 ちなみに、AST(GOT)とは「アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ」と呼ばれる酵素です。ASTは細胞がダメージを受けると、血液中に酵素が放出されます。 また、ALT(GPT)は「アラニンアミノトランスフェラーゼ」と呼ばれる酵素です。主に肝臓に存在しており、肝細胞が破壊されると血液中に放出されます。 IgG・自己抗体検査 免疫関連の検査として、IgG(免疫の成分である抗体の量を見る検査)を行います。 いくつかの自己抗体(自分の体を攻撃する抗体についての検査)も重要です。 B型・C型肝炎ウイルス検査 肝臓にダメージを与えるB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスなど、感染の有無を調べます。 画像検査 エコー、CTなど、肝臓の画像検査も必須です。 肝障害をきたす脂肪肝など、他疾患の有無、肝臓の硬さ、悪性腫瘍(とくに肝がん)における合併の有無を評価します。 肝生検 診断においてとくに重要なのは、肝臓の組織の検査、肝生検です。 肝生検には「経皮的肝生検」と「腹腔鏡下肝生検」の2つがあります。 基本的には、体に負担の少ない「経皮的肝生検」が行われる場合が多いです。経皮的肝生検では、実際にエコー下で肝臓を確認しながら、細い針を刺して組織を採取します。 出血などのリスクがある検査で、終了後の安静が求められるので短期間の入院が必要です。 肝生検で採取した組織は特殊な染色を行い、顕微鏡で観察します。検査により、以下の内容を確かめられます。 どこにどのような炎症があるか 肝細胞のダメージはどうか 肝臓の硬さ(線維化) 進行具合 自己免疫性肝炎で特徴的なのは、インターフェイス肝炎(Interface hepatitis)と呼ばれるものです。 肝臓へ血液を運ぶ肝動脈、門脈や胆汁を運ぶ胆管が集まった「門脈域」に、リンパ球や形質細胞(一部のリンパ球が成熟した細胞)などの炎症細胞が集まります。 周囲の肝細胞を破壊しながら、炎症がさらに広がっていく様子が認められるのです。このような所見は全例で見られるわけではありませんが、認められれば診断への重要な手がかりとなります。 肝生検はほかの原因を除外し、自己免疫性肝炎の診断を確実にするために重要な検査です。ただ、患者さまの体の状態が悪く、肝生検をしないほうが良いケースには行いません。 自己免疫性肝炎の病気における治療法【副作用も解説】 自己免疫性肝炎の治療は、基本的にステロイドを使います。ステロイドは副腎皮質から分泌されるホルモンをもとにつくられた薬剤です。 強力な抗炎症作用や免疫抑制作用をもっており、自己免疫性肝炎を始め、さまざまな自己免疫疾患の治療に使われています。 治療における流れは以下のとおりですが、長期で大量に使用するとさまざまな副作用をきたすので注意が必要です。 治療の流れ プレドニゾロンのステロイドホルモン薬を、体重1Kgあたり0.6mg以上で開始 (例)50Kgの人は1日あたり30mg以上が開始量 ※重症度に応じてもっと多い量を使用する場合もあります 副作用の例 感染状態 骨粗鬆症 食欲亢進 高血圧、脂質異常、糖尿病などの生活習慣病の出現や悪化 体重増加、肥満 躁状態、うつ状態、不眠などの精神神経症状 消化管潰瘍 緑内障、白内障 など 開始後は、最低でも2週間程度は初期量の継続が必要です。 以降は肝機能の数値(主にALT)を見ながら少しずつ減量します。急いで減量や中止をすると、再燃のリスクがあるからです。 ほかには、肝機能の改善を助けるウルソデオキシコール酸が処方される場合があります。 治療困難例やステロイドを多く使えない場合には、免疫抑制薬をステロイドと併用で使うときもあります。 また近年、慢性的な肝臓疾患に対し、従来の治療に加えた選択肢として再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は、 体が本来持っている修復力に着目し、肝臓の炎症やダメージの改善を目指す治療です。 「現在の治療に不安がある」「将来の肝機能低下が心配」という方は、ぜひ一度当院にご相談ください。 自己免疫性肝炎の病気で日常生活を送るときの注意点 日常生活では栄養バランスの取れた食事をとり、間食を控えるのが大切です。また、外出時は人混みを避けて手洗いやマスク着用、うがいなどの感染予防行動を徹底しましょう。 注意しておきたいのが、続発性副腎機能不全です。ステロイド薬の内服により、引き起こされた副腎皮質ホルモンの不足を指します。 生理的な量を超えるホルモンを長期で内服すると、副腎は本来のホルモン分泌を怠るようになります。 そのため、長期内服者が薬を自己判断で中断してしまうと、ホルモン不足が起こるかもしれません。副腎皮質機能不全となると、以下のような症状が出てきます。 【副腎皮質機能不全の症状例】 だるさ 脱力感 血圧低下 吐き気 嘔吐 発熱 など また、重症になると意識を失ったり、ショック状態になったりする場合もあります。 ステロイドを自己判断で減量や中止してしまうと、病状悪化だけでなく、命に関わる副腎機能不全をきたすリスクもあるので、必ず医師の指示通りに内服しましょう。 自己免疫性肝炎の病気は進行するの?【肝臓の症状悪化を防ぐには早期治療】 自己免疫性肝炎の多くは治療が有効である一方、最初は軽症でも放置をすれば命に関わる事態になります。 自己免疫性肝炎を放置すると炎症が沈静化せず、肝臓の線維化が進みます。肝臓の線維化が進行して固くなった状態が「肝硬変」です。 肝臓では栄養素の代謝やエネルギー貯蔵、有害物質の分解や解毒などが行われていますが、肝硬変が進むと機能障害が起こります。 肝臓の働きが大きく損なわれてしまった状態を「肝不全」と呼びます。さらに、肝硬変は肝がんの発生が起こりやすく、肝がんは治療しても再発しやすい厄介ながんです。 肝硬変・肝不全・肝がんへの進行を防ぐには、早期から適切な治療を受けるのが重要です。自己免疫性肝炎では、治療によりASTやALTの数値を基準値内に保てれば、生命予後は良好とされています。 肝硬変の症状や原因については、以下の記事もあわせてご確認ください。 肝臓の症状や自己免疫性肝炎の病気が心配な女性は内科を受診しよう 自己免疫性肝炎に特徴的な症状はありませんが、ときにだるさや黄疸などをきたす場合があります。また、無症状で発見される場合も多いです。 診断は血液検査や画像検査などを行い、総合的に判断して行います。とくに組織の検査は非常に重要とされています。 治療の第一選択薬はステロイドです。副作用も多いですが、対策をしながら長期的に使用します。 自己免疫性肝炎を放置すると命に関わる「肝硬変」に進展するため、診断を受けたら定期的に通院をして服薬を続けましょう。 健康診断で肝臓の数値が高いと言われた方や、肝臓が悪いときの症状に思い当たる節がある方は、まずは医療機関で検査を受けてみてください。 また、肝臓に関わる病気については、治療方法のひとつとして再生医療があります。 再生医療とは、患者さまご自身の細胞が持つ修復力を活かし、炎症や損傷を受けた肝組織の回復を目指す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 ステロイド治療に不安がある 治療を続けているが改善がみられない 病気が進行してしまい、今後が心配 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する また、実際の再生医療の治療法ついては、以下の動画でも分かりやすく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs?si=vSGzZfT6tXT9Uc82 肝臓の病気に関わる症状に悩まれておられる方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 女性に多い肝臓の病気や自己免疫性肝炎の症状についてよくある質問 実際に患者さまからよくお聞きする質問や、肝臓の病気に関わるQ&Aをまとめています。 Q.自己免疫性肝炎の病気では、最終的にステロイドを止められますか? A.経過によっては中止が可能ですが、全員ではありません。中止できるときも、多くの場合は年単位の時間がかかります。 また、中止した場合には再燃するリスクもあります。減量や中止については個々のケースで大きく異なるので、主治医とよく相談するのが良いでしょう。 Q.原発性胆汁性胆管炎の病気も肝臓の自己免疫疾患と聞きましたが、違いはなんですか? A.どちらも中年以降の女性に多い自己免疫性疾患ですが、障害が起こる部位が異なります。 自己免疫性肝炎では、肝細胞の障害が中心です。原発性胆汁性胆管炎で起こるのは、肝臓内の胆汁が通る管(胆管)の破壊です。 そのため、胆汁の流れが滞り、ALPやγ-GTPなど、胆道系酵素や黄疸をきたすビリルビン値の上昇が目立ちます。進行すると黄疸や皮膚のかゆみを生じます。 また、病気を放置すると肝硬変へ進展するので、必ず医療機関での治療が必要です。 各種検査で自己免疫性肝炎との鑑別を行いますが、2つの病態が合併している場合もあります。 Q.アルコールを飲む機会が多いと肝臓の病気になりますか? A.アルコールを飲む量や本人の体調によっては、肝臓の病気になる可能性があります。 とくに長期間にわたり、アルコールの大量摂取を行うと、肝臓に大きなダメージを与えてしまうからです。 実際に、厚生労働省の情報でも、アルコールの飲みすぎは脂肪肝やアルコール性肝炎など、肝臓病につながりやすいと指摘しています。 日頃からお酒を飲まれる方で、肝臓への負担が気になる方は、アルコール性肝炎の初期症状などを解説している以下の記事もあわせて参考にしてみてください。 Q.肝臓の病気があるときに食べてはいけないものはありますか? A.糖質や脂質が多く含まれているような食べ物は避けましょう。 たとえば、以下の食べ物が例にあげられます。 ・糖質が多いもの:ジュース類、駄菓子、果物 など ・脂質が多いもの:揚げ物、肉の脂身、ドレッシング など 肝臓をいたわる食事の例を知りたい方は、以下の記事も参考になります。 Q.肝臓に血管腫があるときはどうすれば良いですか? A.肝血管腫とは、肝臓で異常増殖した細い血管が絡み合い、塊になった際にできる良性腫瘍です。 小さな病変かつ無症状であれば、基本的に経過観察のみと考えて良いでしょう。 大きくても増大傾向がなく、かつ無症状であれば経過観察可能と判断される可能性が高いと思われます。 また、肝臓に血管腫があるときは、医療機関での定期検査を行いましょう。気になるような症状や異変を感じた場合には、すぐ診療してもらうのが大切です。 以下の関連記事で詳細を解説しているので、あわせて参考にしてみてください。 Q.脂肪肝を改善するにはどうすれば良いですか? A.生活習慣や食事などの改善が必要です。 脂肪肝になった原因によって、以下のように改善方法は変わります。 アルコールが原因の場合:アルコール摂取量を減らす 肥満などが原因の場合:運動して減量、食事量を調整する また、脂肪肝を指摘されたときは、放置せずに早めに医療機関を受診して治療を行うのが重要です。 脂肪肝の改善に関わる詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。 Q.肝疾患の相談などができる支援機関はありますか? A.以下の支援機関で、肝疾患に関わる情報提供や相談を行っています。 ・肝炎情報センター:情報の提供 ・肝疾患相談支援センター:相談など 参考文献 厚生労働省難治性疾患政策研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班 自己免疫性肝炎(AIH)診療ガイドライン2021年 厚生労働省難治性疾患政策研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班 患者さん・家族のための自己免疫性肝炎(AIH)ガイドブック第2版 難病情報センター 自己免疫性肝炎 難病情報センター|原発性胆汁性胆管炎 厚生労働省|e-ヘルスネット「アルコールと肝臓病」 厚生労働省|事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン 参考資料 肝疾患に関する留意事項
2024.05.21 -
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肝血管腫は近年の画像診断により発見例が増加している良性の腫瘍です。(文献1) 無症状の場合は治療する必要がありませんが、まれにカテーテル治療や外科手術が必要なケースもあります。 本記事では肝血管腫の症状や原因、治療法、予防法について解説します。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 肝血管腫について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 肝血管腫とは? 肝血管腫とは、肝臓で異常増殖した細い血管が絡み合い、塊になったことでできる良性の腫瘍です。 良性腫瘍は周囲の臓器への転移や、周囲の組織に入り込んで増殖する(浸潤する)リスクが低く、身体におよぼす影響は比較的少ないとされています。 肝臓に見られる悪性腫瘍としては、肝細胞がんや胆管細胞がん(肝内胆管がん)がよく知られています。 肝臓はもともと血管が多い臓器であるため血管腫ができやすく、肝臓にできる腫瘍の半数以上が肝血管腫とされています。 肝血管腫は「海綿状血管腫」と「血管内皮腫」の2種類に大きく分けられますが、海綿状血管腫と診断されることがほとんどです。そして、臨床上問題を生じるのも海綿状血管腫が多い傾向です。 基本的には無症状のため、昔は剖検(ぼうけん:病死した患者の遺体を解剖して調べること)で見つかることが多かったのですが、近年の画像診断技術の発展に伴い、他の病気を探すための検査や人間ドックなどで偶然発見されることが多くなりました。基本的には消化器内科で診てもらう病態です。 成人の発生頻度は5%程度で、一般的には女性のほうが男性に比べてやや多いといわれています。 その他女性に多い肝臓の病気については、下記の記事も合わせてご覧ください。 肝血管腫の症状 肝血管腫は、多くの場合は無症状で、特徴的な症状はありません。ただし、腫瘍が大きくなってくると徐々に周囲の臓器を圧迫し、以下の症状が出やすくなります。 腹部の不快感 腹痛 右上腹部の膨満感 嘔気・嘔吐など また、発現頻度は低いですが、重症例では以下の症状が見られるケースもあります。 肝臓の巨大化による合併症 発熱 黄疸(皮膚や白眼の黄染) 呼吸困難 心不全など 肝臓の巨大化による合併症の具体例としては、肝臓の破裂や多臓器の圧迫、出血性ショックなどが挙げられます。 肝臓が巨大化して破裂して出血を起こすと治療が困難になり、最悪のケースでは死に至るため、なんらかの異常が見られる際は速やかに医療機関を受診する必要があります。 巨大肝臓血管腫のカサバッハ・メリット症候群に注意 カサバッハ・メリット(Kasabach-merritt)症候群は、新生児期から乳児期に多く見られる巨大な血管腫です。 発症すると血小板の顕著な減少が見られ、出血や多臓器不全などを起こすと最悪のケースでは死に至ります。 現在のところ確立した治療法がなく、ステロイドやインターフェロン、抗血小板薬の投与など複数の治療を並行するのが一般的です。 死亡率は20~30%とされていますが、治癒した例では予後が良好で、再発の可能性はありません。(文献2) 肝血管腫の原因 肝血管腫が形成される原因は明らかになっていませんが、先天的な要素が大きいと考えられています。乳児期に肝血管腫が生じる場合もありますが、通常は自然に消失していきます。 肝血管腫の男女比について、エビデンス(医学的根拠)を伴うデータはありません。 しかし、臨床上は女性の発症例が多く報告されており、ホルモンバランスの変化が発症リスクを高める要因ではないかと考えられています。 実際に、成人になって肝血管腫が発見された女性患者の調査報告では、女性ホルモン補充療法を施行したことにより肝血管腫の増大が見られ、結果として女性ホルモンとの関連が示唆されました。 女性ホルモンが実際にどのように肝血管腫に影響を及ぼしているかまでは未だはっきりと解明されていませんが、妊娠や女性ホルモン療法は肝血管腫増大のリスクになり得ると考えられています。 なお、ピルの服用が肝血管腫を増大させるかに関する研究もなされましたが、そちらでは有意に増大させないとの結果でした。 ただし、ピルの長期服用は肝機能障害や肝腫瘍のリスクを上昇させる上、ピルと肝血管腫増大の関連を考える報告があるのも事実です。 発症年齢に関しては30〜50代に多く見られるとされていますが、全年齢層で検査を行った結果ではないため好発年齢は不明です。 肝血管腫の検査・診断の方法 肝血管腫の検査法として以下の方法が挙げられます。 超音波(エコー)検査 CT(造影コンピュータ断層撮影)検査 MRI(磁気共鳴画像)検査 画像検査以外に腫瘍マーカーを用いてがんの可能性を調べたり、血液検査によりカサバッハ・メリット症候群のリスクを確認したりするケースもあります。 次項で肝血管腫の検査の際に行われる画像診断ついて解説します。 超音波(エコー)検査 超音波検査は身体に超音波の出るプローブと呼ばれる機械を当て、それぞれの臓器から跳ね返ってきた超音波を画像化するのが特徴です。 腹部超音波検査ではお腹をグッと押される感覚はありますが、被曝の恐れや痛みがなく、副作用を心配しなくて良い点がメリットです。 身体への負担が少ない検査で肝血管腫を発見できる点では優れますが、肝細胞がんや肝臓への転移がんと見分けにくい欠点があります。 造影超音波検査を用いることも可能ですが、患者さんの体格や術者の技量によって左右されるため、通常はCT検査やMRI検査の画像と合わせて総合的に判断されています。 造影超音波検査に用いられる造影剤は、卵アレルギーの方には使用できません。造影超音波検査に伴い過去にアレルギーを起こした経験がある方は、事前に医師に相談する必要があります。 CT(造影コンピュータ断層撮影)検査 CT検査はベッドの上に仰向けに寝た状態でトンネル状の装置に入り、X線の吸収率の違いを利用して体の断面を画像化するのが特徴です。 レントゲンでは確認が難しいミリ単位の微細な病変を発見しやすく、体内の状態を立体的に把握できる点がメリットです。 造影剤を使用しない単純CTでは肝血管腫の検出率は低いですが、造影剤を使用した造影CTであれば格段に検出率が上がります。 肝血管腫は他の肝臓がんと比べて血流の流れが遅いため、造影剤を使用すると全体がゆっくり染まるのです。 CT検査のデメリットとしては放射線を被ばくする点や、造影剤による副作用などが挙げられます。 過去に造影剤によるアレルギーが出た人や糖尿病薬を服用している人、腎機能障害のある人、授乳中の人などは造影剤を使用する際に注意が必要となります。該当される方は医師にご確認ください。 MRI(磁気共鳴画像)検査 MRI検査は強力な磁場が発生したトンネル状の機械に入り、ラジオ波を体に当てることでさまざまな角度から断面像を作り出すのが特徴です。 放射線被曝のリスクがなく、骨の影響を受けずに正常な組織と病変部位との判別ができる点がメリットです。 超音波検査やCT検査同様、必要時には造影剤も使用できます。造影を含めたMRI検査が肝血管腫の確定診断において最も有用であるといわれています。 MRI検査はさまざまな病気の早期発見に役立つ検査法ですが、狭いトンネルの中に入る必要があるので狭所恐怖症の人には不向きな点や、超音波検査やCT検査と比べてコストが高くなる点が懸念です。 検査に要する時間が長く、病院によっては他の検査と比較して予約が取りにくい場合もあるでしょう。 肝血管腫の主な治療法 肝血管腫は腫瘍が小さく、症状が出ていない場合は治療の必要はありません。 肝血管腫の主な治療法としては、以下の例が挙げられます。 経過観察 外科的治療 放射線治療 肝移植 それぞれについて解説します。 経過観察が基本 肝血管腫の発症が確認されたとしても、経過を観察するのが基本です。 病変が小さくかつ無症状であれば、基本的に経過観察のみと考えて良いでしょう。大きくても増大傾向がなく、かつ無症状であれば経過観察可能と判断されやすいです。 ただし、経過を観察する場合であっても定期的に超音波検査やCT検査、MRI検査を受け、症状変化の有無を確認してください。 妊娠に関しては判断が難しいところで、大きな血管腫が発見された場合には妊娠を勧めるべきでないと主張する報告もある一方で、巨大血管腫がありながらも合併症を生じることなく妊娠継続ができたとの報告もあります。 自覚症状があり、かつ大きい肝血管腫を指摘されている場合は、それ以上大きくならないよう、女性ホルモン補充療法やピルの中断が推奨されています。 巨大血管腫があるために産婦人科領域の治療について相談したい方や妊娠をご希望の場合には、産婦人科の医師に加え、消化器内科や消化器外科の医師ともよく話し合いましょう。 治療の際には、消化器内科の医師より消化器外科や放射線科の医師へ紹介され、適切な治療を検討していきます。 外科的治療(肝切除・カテーテル)は腫瘍の大きさ・症状による 肝血管腫の大きさや自覚症状、合併症、悪性腫瘍の可能性を完全に否定できない場合は、外科的治療が必要です。 主な治療法は以下のとおりです。 治療法 目的 カテーテル治療 肝動脈を塞いで肝血管腫への血液流入を阻害する 手術 肝血管腫を切除する 次のような条件下では、カテーテル治療や手術療法といった積極的治療が必要とされます。 カサバッハ・メリット症候群 血管腫の急速な増大 血管腫の増大とともに症状の増悪 血管腫が原因となった合併症が中等度以上 血管腫の破裂 カテーテル治療は肝動脈塞栓術とも呼ばれており、血管内より血管腫に栄養を送る動脈へアクセスし、挿入した細い管を使って動脈を塞ぐ治療法です。 手術療法と異なり合併症のリスクが低いメリットがあり、肝血管腫が破裂して出血している症例や、カサバッハ・メリットに対して効果的と報告されています。 一方、カテーテル治療では肝血管腫の完治には至らず、多くの場合腫瘍の縮小はみられません。前段階として一旦肝動脈塞栓術を施行し、全身状態が改善されてから手術に臨む症例もあります。 カテーテル治療では十分な効果が得られない場合、手術療法(腫瘍摘出術)が検討されます。報告されている肝血管腫の手術成績は、破裂による緊急手術を除いて良好です。 手術の手法としては腹腔鏡手術と開腹手術の2つが挙げられます。腹腔鏡手術は傷口が小さくて済むメリットがありますが、肝血管腫の場所によっては開腹手術の方がリスクが低いケースも少なくありません。 放射線治療は症状緩和を目的として実施 肝血管腫を治療する際に、定位放射線治療(SRT:Stereotactic Radio Therapy・SBRT:Stereotactic Body Radio Therapy)を行うケースがあります。 定位放射線治療は、対象となる病変へ集中的に放射線を照射する治療法です。周囲の組織に与えるダメージを最低限に抑えられます。 肝血管腫に対して定位放射線治療を実施した例では、症状の改善に加えて腫瘍のサイズの縮小もしくは消失が報告されています。(文献3) 肝移植は最終手段 外科的治療や放射線治療で肝血管腫に伴う症状の改善が見られない場合は、肝移植が検討されます。 肝血管腫自体の改善よりは、肝機能不全による生命の危機を回避するのが目的です。 とくに肝臓全体に広がるびまん性の肝血管腫で、その他の治療法では血液凝固異常が改善しない場合、肝移植が選択肢の一つになります。 国内では乳幼児期以降に肝血管腫に伴う慢性肝機能不全を発症したケースで、肝移植の治療が実施されました。(文献4) 海外では血液凝固障害や心不全を伴う急性期症状に対し、肝移植を実施した例が報告されています。(文献5) 2024年現在は血管腫を薬で治す研究も進められており、今後の新しい治療法が期待されています。 肝血管腫の診断が出たら気をつけるべきこと 肝血管腫の診断が出たら以下の点に気を付けてください。 定期健診を受ける 肝機能に配慮した生活を送る 接触の激しいスポーツは避ける 妊娠中や妊娠計画中は医師の指示を守る それぞれについて解説します。 定期健診を受ける 肝血管腫の診断が出たら、定期健診を受けることが大切です。 肝血管腫は良性の腫瘍のため、無症状で経過するケースが大半で、肝臓がんと異なり腫瘍が急速に大きくなることもほとんどありません。 ただし、肝臓の病気は自覚症状を伴うケースが少ないため、定期健診で病変に異常が生じていないか確認する必要があります。 肝血管腫と診断されたら半年から1年後に再検査を行い、腫瘍の大きさに変化が見られない場合は、1年~2年ごとの検査が推奨されています。 再検査で腫瘍が大きくなっていた場合は、CTやMRIを用いた精密検査が必要です。 肝機能に配慮した生活を送る 肝血管腫の診断が出たら、肝機能に配慮した生活を送りましょう。 玄米や雑穀米を取り入れ、緑黄色野菜やキノコ類、海藻類、果物などを積極的に取り入れるのがおすすめです。 ベーコンやソーセージなどの加工品や揚げ物、バター、生クリームなど飽和脂肪酸を多く含む食品は肝臓への負担が大きいため、必要以上に摂取しないよう意識してください。 タンパク質は牛肉の赤みや鶏のササミ、青魚などから摂取すると肝臓にかかる負担が軽減します。 また、肝臓に大きな負担をかけるアルコールの過剰な摂取は控え、1週間に2日以上は休肝日を設けるのがおすすめです。 肝臓の数値が気になる方は、下記の記事も参考にしてください。 接触の激しいスポーツは避ける 肝血管腫の多くは無症状のため、スポーツ活動に制限はありません。 ただし、発熱や呼吸困難などの症状が出ている方や、肝血管腫の増大・巨大化の傾向が見られる方は、激しい運動を避けるのが好ましいと考えられます。 アメリカンフットボールやラグビー、格闘技など接触の多いコンタクト系のスポーツで身体に衝撃が加わると、肥大した肝血管腫の破裂や血管からの出血リスクが増加するためです。 腫瘍の大きさが5センチメートル以下であれば、定期健診で経過を見守りながらスポーツを楽しめるでしょう。 腫瘍が10センチメートルを超える場合は、運動強度について医師の指導を受ける必要があります。 妊娠中や妊娠計画中は医師の指示を守る 妊娠中もしくは妊娠計画中の女性は、定期的に検診を受けて医師の指導を受けてください。 妊娠中は女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量が増加するため、肝血管腫が増大する可能性があります。 また、直接的な因果関係は明らかにされていないものの、経口避妊薬を服用すると女性ホルモンのバランスが変化し、肝血管腫の増大を招く恐れがあります。 妊娠中や妊娠計画中はホルモンバランスが変化しやすいため、超音波検査などで経過を見守ることが重要です。 ほとんどの肝血管腫は治療の必要がない良性腫瘍ですが、巨大化や破裂のリスクが高い場合はカテーテル治療や手術が検討されます。 肝血管腫の予防法 現在のところ肝血管腫の原因は明らかにされていません。 胎児期に血管を形成する際に異常が生じたり、遺伝的要因が関わっていたりする可能性が示唆されていますが、具体的な予防法はありません。 しかし、肝血管腫を発症した後に肥大化を防ぐのであれば、対処の方法はあると考えられます。 たとえば、脂質の多い食事やアルコールの過剰摂取は肝臓への負担を増やし、肝臓を肥大化させる一因です。肝血管腫への負担も増大するため、栄養バランスのとれた食事を意識し、過剰なアルコールの摂取は控えましょう。 腫瘍が10センチメートルを超える場合は別ですが、内臓にかかる負担を減らすため適度な運動に取り組むのも効果的です。 肝血管腫の予防・早期発見のために定期健診を受けましょう 肝血管腫は良性腫瘍であり、基本的には怖い病気ではありません。腫瘍が小さくて無症状であれば、治療の必要はありません。 しかし、腫瘍が大きくなってくるといろいろな症状を招くほか、出血や破裂など重大な健康被害のリスクが生じます。 どちらかといえば女性に多く見られるとの報告があるため、妊娠中もしくは妊娠計画中の女性はとくに気を付けてください。 肝血管腫と診断された場合は、自分の身を守るためにも定期的な検査を心掛け、肝臓に負担がかかる食習慣の見直しに取り組むのがおすすめです。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 肝血管腫について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 肝血管腫に関するよくある質問 肝血管腫はがんの可能性がありますか? 肝血管腫は良性の腫瘍であるため、がんになる可能性はほとんどありません。 画像検査では肝臓がんとの見分けがつきにくいケースがあるため、初回の診察時にはCTやMRIなどを用いて判別する必要があります。 肝血管腫と肝臓がんの大きな違いは、腫瘍が大きくなるスピードです。肝血管腫は基本的に急激に巨大化しませんが、肝臓がんの場合は腫瘍が短期間で大きくなる傾向にあります。 万が一のリスクを避けるため、肝血管腫と診断された場合であっても、半年から1年後に再検査を行い、その後も定期健診を受けてください。 破裂する可能性はありますか? 肝血管腫が破裂する可能性は極めて低いとされます。 しかし、腫瘍が10センチメートル以上に巨大化した場合や、カサバッハ・メリット症候群を発症しているケースでは、肝血管腫が破裂するリスクが増加します。 肝血管腫の破裂に伴う特徴的な症状が、突然の激しい腹痛やめまいなどです。出血性ショックを起こした場合、急激な血圧低下に伴う意識障害を招く恐れもあるため、すぐに医療機関を受診してください。 肝血管腫の破裂を予防するためには、激しい運動を控えるなど外部からの衝撃を避けることが大切です。 参考文献 (文献1) 肝海綿状血管腫の画像診断ガイドライン|公益社団法人日本医学放射線学会 (文献2) カサバッハ・メリット(Kasabach-Merritt)現象(症候群)|小児慢性特定疾病情報センター (文献3) 肝海綿状血管腫の画像診断ガイドライン|公益社団法人日本医学放射線学会 (文献4) 乳幼児肝巨大血管腫|難病情報センター (文献5) 肝巨大血管腫(乳幼児難治性肝血管腫)|小児慢性特定疾病情報センター
2024.05.16 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
肝嚢胞とは、肝臓の組織に液体がたまって袋状になったものです。 健康診断や人間ドックで発見されるケースが多く、実際に約5人に1人の割合で健康診断の検査項目に含まれる腹部超音波検査で肝嚢胞が見つかるデータもあります。(文献1) そのため、診断後に放っておいて大丈夫か、家族として何かできることはないかと心配になって情報を探していらっしゃるのではないでしょうか。 突然聞かされると驚かれるかもしれませんが、肝嚢胞は比較的よく見られるもので、多くは良性で特に症状がないケースがほとんどです。 しかし、まれに大きくなって痛みが出たり、他の病気が隠れていたりする可能性もゼロではありません。 本記事では、肝嚢胞の原因や症状などを詳しく解説します。 治療法も紹介しているので、肝嚢胞の診断を受けて不安を感じている方は参考にしてみてください。 しかし、肝嚢胞の治療では、嚢胞が大きくなった場合に外科的な穿刺や切除手術が行われることがありますが、手術を避けたいという方は再生医療も選択肢の一つになります。 \再生医療という新しい選択肢/ 再生医療は、患者さまご自身の細胞を用いて肝臓の修復力を高めて、損傷や炎症を起こした肝組織の再生を促し、肝機能の改善を目指す治療法です。 「早く痛みから解放されたい」「機能を取り戻したい」という方は、まずは当院の無料カウンセリングをご利用ください。 ▼まずは無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 肝嚢胞(肝のう胞)とは 肝嚢胞とは、肝臓にできる液体がたまった袋状のものを指します。 肝嚢胞の種類は、大きくわけて以下の2つです。 孤発性肝嚢胞 多発肝嚢胞 孤発性肝嚢胞 「孤発性肝嚢胞」は、肝嚢胞の数が1〜3個程度で単発的に発生する肝嚢胞です。 肝嚢胞の大きさが5cm以下程度の小さいものであれば無症状のケースが多くなります。 まれにサイズが5〜10cmを超えるような大きい肝嚢胞もできます。 このサイズになると、周りの臓器が圧迫されてお腹が苦しくなったり、腹痛を感じたりする場合があるので覚えておきましょう。 ただし、肝臓自体への影響は少なく、血液検査で肝機能の異常が見つかるケースはほとんどありません。 多発肝嚢胞 「多発肝嚢胞症」は、肝嚢胞が肝臓に多発する病気です。 こちらは孤発性とは異なり、嚢胞の数が増えたり大きくなったりするケースが多く、それによる周囲への圧迫症状が見られやすくなります。 また、嚢胞内の感染や出血で炎症を引き起こし発熱や肝機能異常をおよぼす可能性もあります。 肝嚢胞以外の脂肪肝や肝硬変、肝炎といった肝臓の病気には「再生医療」の治療法が効果的です。 再生医療とは、人間の自然治癒力を活用し、損傷した肝臓の組織を修復する最新の医療技術です。 詳しい治療方法や効果が気になる方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 ▼まずは無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 以下の記事では、肝臓の働きや肝臓の病気について解説しています。詳細が気になる方は、参考にしてみてください。 肝嚢胞の原因 肝嚢胞の発生原因は、現時点では明確にわかっていません。 肝嚢胞ができるのは40歳から60歳の女性に多いことから、女性ホルモンの1種であるエストロゲンが関連しているという説があります。 以下の記事では、女性に多い肝臓の病気を解説しています。検査方法や合併症に関する情報も紹介しているので、詳細が気になる方はあわせてご覧ください。 なお、肝嚢胞は、エキノコックスという寄生虫の感染によって肝嚢胞ができるケースがあります。エキノコックスは、キツネやイヌの糞に含まれており、口を介して感染します。 肝嚢胞の症状 くりかえしですが、肝嚢胞はほとんどが良性なので、肝嚢胞そのものが体に悪い影響をおよぼす可能性は高くありません。 肝嚢胞が5cm以下ほど小さめのサイズであれば、無症状のケースが大半です。 5〜10cmを超えるような大きいサイズの肝嚢胞になると、周りの臓器を圧迫してお腹が苦しくなったり、腹痛を感じたりする場合があります。 また、嚢胞内の感染や出血で炎症が起これば、発熱や肝機能異常を引き起こす可能性があります。症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。 もしもご家族の方で肝嚢胞の疑いがある場合や、まずは相談先を必要としている場合などは、当クリニックでも無料相談を受け付けております。 ▼まずは無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 肝嚢胞の検査 冒頭で述べた通り、肝嚢胞は健康診断や人間ドックの腹部超音波検査検診で見つかるケースが多い傾向にあります。つまり、腹部超音波検査検診は肝嚢胞を発見する有効な検査といえるでしょう。 ほかには、腹部CTやMRIによっても確認できます。 CTやMRIでは、嚢胞の壁や嚢胞液の性状を詳しく調べられる検査です。超音波検査で嚢胞の性状が通常と異なっている場合や、嚢胞に対して治療を検討する場合にさらに詳しい情報を得るための検査としておこなわれます。 肝嚢胞の治療法 肝嚢胞は、圧迫症状がなければ治療はおこなわず、経過観察で良いものになります。 肝嚢胞のサイズが大きく圧迫による腹部症状をきたしている場合や、嚢胞内感染などを起こしている場合には治療をおこないます。 治療方法は、注射で嚢胞内の液を吸引して肝嚢胞を縮小させる方法です。超音波で嚢胞を確認しながらおこないます。その後、エタノールを注入して嚢胞内に再び液体がたまらないようにします。 根本的な治療としては、嚢胞を切開、切除する手術です。近年では腹腔鏡による手術もおこなわれ、より体に負担の少ない治療方法が広まっています。 傷付いた肝臓組織を修復する治療法の1つに「再生医療」があります。 リペアセルクリニックでは、ご自身の脂肪由来幹細胞を用いた再生医療を提供しています。 この治療は幹細胞が持つ組織修復能力を利用し、手術のような大きな負担なく、弱った肝臓の働きを根本からサポートすることを目指します。 治療法については、以下の動画でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs?si=w-r5Q9YGiwpb_Yfv 根本的な改善を期待したい方は、当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。 まとめ|肝嚢胞への理解を深めて適切な対応をとろう 肝嚢胞は多くの場合、無症状で偶然見つかるもので、症状がなければ経過観察で良いものになります。したがって、肝嚢胞と診断されても極端に心配する必要はありません。 しかし、大きい嚢胞では腹痛やお腹の圧迫感の症状が現れることがあるほか、まれにがん化する事例も報告されています。気になる症状があれば早めに専門の医療機関に相談しましょう。 損傷した肝臓組織を修復を模索するなら、手術を必要としない「再生医療」がおすすめです。本来なら手術しなければいけない状態でも、再生医療で治療できる可能性があります。 ご自身の細胞を用いる再生医療は薬や手術とは異なるアプローチで、慢性的な肝臓のダメージや機能低下に悩む方に新たな希望をもたらす可能性があります。 ご本人だけでなくご家族も一緒に最善の道を探るために、ぜひこの情報をご活用ください。 ▼まずは肝嚢胞の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 肝嚢胞に関するよくある質問 最後に肝嚢胞に関するよくある質問と回答を以下で回答しています。 肝嚢胞が何センチになったら手術が必要ですか? 肝嚢胞になったらどうすればいいの? 肝嚢胞でがんを発症するリスクはありますか? 肝嚢胞が何センチになったら手術が必要ですか? 手術の必要性を判断する明確なサイズの基準はありません。 嚢胞のサイズよりも、症状の有無や生活への影響が重要な判断材料となります。たとえば、嚢胞が腹部を圧迫して腹痛が生じたり、胃を圧迫して食欲不振になったりするなどです。 注射で肝嚢胞の液体を吸引する治療法もあるので、専門医と相談して自分の状態に合った治療法を選択していくのが良いでしょう。 肝嚢胞になったらどうすればいいの? 肝嚢胞と診断を受けた時点で、担当医に今後の治療方針を相談しましょう。 無症状であれば、定期的な経過観察を推奨される可能性があります。肝嚢胞がほかの臓器を圧迫して圧迫感や痛みを感じる場合は、注射吸引による液体の除去や肝嚢胞を切開・切除する手術などが進められます。 肝嚢胞でがんを発症するリスクはありますか? 肝嚢胞が、がん化した事例も報告されています。(文献2) がんの場合、早期発見が重要になります。体調不良や身体の違和感が長期間続く場合は、迷わず医療機関で検査を受けましょう。 参考文献 文献1:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jamt/65/1/65_15-10/_pdf 文献2:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsa/68/3/68_3_654/_article/-char/ja/
2024.05.09 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
高血圧で医師から降圧剤をすすめられたものの、「薬の違いがわからない」「副作用が不安」と感じている方は少なくありません。 高血圧は放置すると、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる病気のリスクが高まるため、適切な治療が必要です。 まずは食事の見直しや運動など生活習慣の改善が基本ですが、それだけでは十分に血圧が下がらない場合に、降圧剤が使用されます。 降圧剤には複数の種類があり、血圧を下げる仕組みが薬ごとに異なるため、体質に合う薬を選ぶことが大切です。 この記事では医師監修のもと、降圧剤の種類と特徴、副作用、そして薬と併用して血圧を下げる生活改善のポイントを解説します。 不安を取り除き、納得して治療を続けられるよう、ぜひ最後までご覧ください。 また、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供や簡易オンライン診断を実施しています。 高血圧について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 降圧剤(高血圧の薬)とは? 降圧剤とは、血圧を適切な範囲に保ち、高血圧による病気のリスクを抑えるために使われる薬です。 生活習慣の見直しだけでは血圧の改善が難しい場合に、治療の一環として用いられます。 ここでは、高血圧が起こる原因と、降圧剤が必要になる理由について解説します。 血圧が上がる原因と降圧剤が必要な理由 血圧が上がる原因には、次のような背景があります。 加齢による血管の硬化 塩分の多い食事 運動不足 肥満 ストレスの蓄積 遺伝的な体質 上記の影響が重なると血管に負担がかかり、血圧が高い状態が続きやすくなります。 高血圧は自覚症状がほとんどないまま進行することが多く、「少し高いだけだから」と放置してしまう方も少なくありません。 血圧が高い状態をそのままにしておくと、体に負担が蓄積され、将来的な健康リスクが高まります。 そのため、必要に応じて降圧剤を用いた治療が重要になります。 降圧剤の役割は「合併症リスクの回避」 降圧剤の目的は「今ある症状を和らげること」よりも、「将来的に起こり得る病気を防ぐこと」にあります。 高血圧の状態が続くと、脳卒中や心筋梗塞、心不全、腎臓病などの合併症を引き起こすリスクが高まります。 こうした背景から、医師は血圧を適切にコントロールし、合併症を防ぐ目的で降圧剤の使用を提案します。 降圧剤は「血圧を下げるための薬」というよりも、「将来の重大な病気を予防するための治療の一部」と理解しておくと安心です。 降圧剤が必要になる血圧の基準値とは? 現在のガイドラインでは、最高血圧が120mmHg未満、最低血圧が80mmHg未満の状態を「正常血圧」としています。(文献1) 一方で、最高血圧が130〜139mmHg、または最低血圧が80〜89mmHgの場合は「高値血圧」とされ、将来的に高血圧へ進行する可能性が高い状態です。 さらに、最高血圧が140mmHg以上、または最低血圧が90mmHg以上になると、「高血圧症」と診断され、薬物治療を含めた対策が検討されます。 ただし、降圧剤を使うかどうかは血圧の数値だけで決まるわけではありません。 年齢や持病の有無、生活習慣などを総合的に考慮したうえで診断されるため、自己判断せず、医師と相談しながら治療方針を決めることが大切です。 降圧剤(高血圧の薬)の種類と副作用 降圧剤にはいくつかの種類があり、血圧を下げる仕組みや副作用の出やすさがそれぞれ異なります。 代表的な降圧剤は、以下表のとおりです。 【代表的な降圧剤の種類】 薬の種類 主な作用 カルシウム拮抗薬 末梢の血管を拡張させて血圧を下げる作用の薬 ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬) 血管収縮を抑えて血圧を下げる作用の薬 ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬) アンジオテンシンⅡの産生を抑えて血圧を下げる薬 利尿薬 体内の水分と塩分を排出して血圧を下げる薬 β(ベータ)遮断薬 心拍数や心臓の負担を抑えて血圧を下げる薬 α(アルファ)遮断薬 交感神経の働きを抑えて血管を広げる薬 MR拮抗薬 ホルモンの作用を抑えて体液量を調整する薬 次に、それぞれの特徴と副作用について詳しく解説します。 カルシウム拮抗薬 カルシウム拮抗薬は、末梢の血管を拡張させることで血圧を下げる作用を持つ降圧剤です。 副作用が比較的少なく使いやすいため、現在の高血圧治療では最も多く処方されています。 また、高血圧の治療を始める際に、第一選択として選ばれることが多い薬でもあります。 一方で、血圧が下がりすぎた場合には、次のような症状が出る場合があります。 めまい感 動悸 頭痛 ほてり感 顔面紅潮 むくみ 歯茎の肥厚(歯肉肥大) など 【主なカルシウム拮抗薬の商品名(後発品含む)】 アダラート アムロジピン アムロジン ノルバスク ランデル アテレック カルブロック コニール など ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬) ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)は、カルシウム拮抗薬に次いで多く使用されている降圧剤です。 血管に作用する「アンジオテンシンⅡ」という物質の働きを抑え、血管収縮を防ぐことで血圧を下げます。 副作用が少なく、治療の第一選択として使われることもあり、カルシウム拮抗薬だけでは十分な効果が得られない場合に、併用されるケースも少なくありません。 注意点として、副作用の一つに、服用中に血中カリウム値が上昇する可能性があります。 腎機能が低下している方が服用する場合、定期的に腎機能やカリウム濃度等をチェックする必要があります。 また、妊娠中や授乳中の方は服用できません。 【主なARBの商品名(後発品含む)】 オルメテック オルメサルタン アジルバ アジルサルタン ミカルディス テルミサルタン など ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬) ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)は、ARBと同じアンジオテンシン系に作用する降圧剤です。 アンジオテンシンⅡの産生そのものを抑えることで、血管収縮を防ぎ、血圧を下げます。 ACE阻害薬の副作用として知られているのが「空咳(からせき)」です。 これは体内物質であるブラジキニンの影響によるもので、日本人を含むアジア人に出やすい傾向があります。 妊娠中や授乳中の方は、ARBと同様に服用できません。 【主なACE阻害薬の商品名(後発品含む)】 レニベース エナラプリルマレイン酸塩 エースコール テモカプリル塩酸塩 タナトリル イミダプリル塩酸塩 など 利尿薬 利尿薬は、体内の余分な水分や塩分(ナトリウム)を尿として排出し、血液量を減らすことで血圧を下げる薬です。 とくに、塩分摂取量が多い日本人にとって、効果が期待できる薬の一つです。 また、利尿薬は高血圧だけでなく、むくみを伴う心不全がある場合や、他の降圧剤で効果が不十分な場合に併用されます。 副作用としては、電解質異常やトイレの回数増加などが起こる場合があります。 【主な利尿薬の商品名(後発品含む)】 ヒドロクロロチアジド フルイトラン トリクロルメチアジド フロセミド ラシックス アゾセミド ダイアート など β(ベータ)遮断薬 β遮断薬は、心臓の働きを抑えて心拍数や心臓の負担を軽くすることで血圧を下げる薬です。 高血圧治療の第一選択になることは多くありませんが、特定の病気を合併している場合に使用されます。 心筋梗塞後や脈が速いタイプの高血圧では、他の降圧剤と併用されることもあります。 喘息などの呼吸器疾患を持病に持ち、吸入を行っている方が使用する場合は、症状が悪化する可能性があるため注意が必要です。 【主なβ遮断薬の商品名(後発品含む)】 インデラル プロプラノロール メインテート ビソプロロール アーチスト カルベジロール など α(アルファ)遮断薬 α遮断薬は、交感神経の働きを抑えて血管を拡張し、血圧を下げる薬です。 交感神経が活性化しやすい早朝に血圧が上昇するタイプの方の場合、就寝前に服用することで効果が期待されます。 α遮断薬は自律神経に働きかける薬のため、交感神経の作用を抑えることで以下のような副作用が起こる可能性があります。 起立性低血圧(立ち上がったときに血圧が下がる状態) めまい 失神 α遮断薬を服用する場合は少量から開始し、副作用に注意しながら徐々に増やしましょう。 【主なα遮断薬の商品名(後発品含む)】 カルデナリン ドキサゾシン ミニプレス プラゾシン など MR拮抗薬(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬) MR拮抗薬(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬)は、アルドステロンというホルモンの働きを抑え、体内の水分量を調整することで血圧を下げる薬です。 心臓を保護する作用も期待でき、心不全を合併する高血圧で使用されることがあります。 一方で、MR拮抗薬は体液バランスを調節する薬のため、高カリウム血症などの電解質異常に注意が必要です。 とくに、腎機能障害がある方や糖尿病性腎症がある方では、使用できない場合があります。 【主なMR拮抗薬の商品名(後発品含む)】 アルダクトン スピロノラクトン セララ エプレレノン ミネブロ など 降圧剤(高血圧の薬)の配合剤とは? 高血圧の治療において、1種類の降圧剤では血圧が十分に下がらない場合、複数の降圧剤を1つにまとめた「配合剤」を服用するケースがあります。 降圧剤の配合剤は、異なる作用を持つ薬を組み合わせることで、より安定した血圧管理を目指す治療法です。 ここでは、配合剤の仕組みや特徴、代表的な配合パターンについて解説します。 複数の作用を一度に得られる治療薬 配合剤とは、血圧を下げる仕組みが異なる降圧剤を1錠にまとめた薬です。 たとえば、血管を広げる薬と、体内のホルモンの働きを抑える薬を組み合わせることで、それぞれの作用を補い合いながら血圧をコントロールできます。 高血圧の治療が進むにつれて薬の種類が増えると、「飲み忘れが心配」「管理が大変」と感じる方も少なくありません。 配合剤は、薬が増えることへの不安を軽減しやすい治療の選択肢として用いられています。 配合剤のメリットとデメリット 配合剤は、作用の異なる複数の降圧剤を1錠にまとめた薬で、服用する錠数を減らしながら血圧管理を行える点が特徴です。 薬の数が増えると飲み忘れが起こりやすくなりますが、配合剤を用いることで服薬管理がシンプルになり、治療を継続しやすくなる効果が期待できます。 一方で、配合剤には複数の成分が含まれているため、副作用が現れた場合に、どの成分が影響しているのかを判断しにくいという側面があります。 そのため、めまいや体調不良など、これまでと異なる症状を感じた際には、自己判断で服用を中止せず、医師に相談しながら調整を行うことが重要です。 降圧剤の主な配合パターンと代表的な薬剤 現在国内で処方可能な降圧薬の配合剤は、大きく分けて3種類です。 降圧薬の配合剤 詳細 カルシウム拮抗薬+ARB ザクラス アイミクス ミカムロ レザルタス エックスフォージなど ARB+利尿薬 イルトラ エカード プレミネント ミコンビなど カルシウム拮抗薬+ARB+利尿薬 ミカトリオ 配合剤を使用する際は、それぞれの降圧薬の副作用に注意してください。 配合剤の場合、名前だけでどの薬が配合されているかがわかりにくいため、注意が必要です。 降圧剤(高血圧の薬)を安全に服用するための注意点 降圧剤は、飲み合わせや服用方法を誤ると、思わぬ副作用につながる場合があります。 ここでは、降圧剤を安全に服用するために知っておきたい注意点を解説します。 グレープフルーツなどの柑橘類を避ける 降圧剤を服用している場合、グレープフルーツを含む柑橘類の摂取は避けるようにしましょう。 グレープフルーツには「フラノクマリン類」と呼ばれる成分が含まれており、体内で薬を分解する酵素の働きを妨げます。 この酵素の働きが阻害されると、薬の成分が体内に通常より長く残り、作用が強く出すぎることで、かえって副作用のリスクを高める恐れがあります。 これは降圧剤に限らず、コレステロール低下薬や抗不安薬など、さまざまな薬で起こる可能性があります。 降圧剤を服用している間は、柑橘類の摂取にも意識し、少しでも気になる場合は医師や薬剤師に相談しましょう。 自己判断で降圧剤の服用をやめるのは危険 血圧が落ち着いてくると、「もう治ったのではないか」と感じ、自己判断で薬をやめてしまう方もいます。 しかし、血圧が下がった状態は、薬によってコントロールされている結果であり、高血圧そのものが治ったわけではありません。 途中で降圧剤の服用を中止すると、再び血圧が上昇し、高血圧の状態に戻ってしまう可能性があります。 そのため、薬の減量や中止を考える場合は、必ず医師と相談しながら進めることが重要です。 また、降圧剤を一生飲み続けなければならないのか不安に感じる方もいるでしょう。 血圧を下げるには薬の服用が重要ですが、中には生活習慣が改善したことで徐々に減量し、降圧薬をやめられた方もいます。 そのため、治療が順調であれば、薬を中止できる可能性は十分にあります。 降圧剤の飲み忘れに気づいたらどうする? 降圧剤を飲み忘れた場合の対応は、薬の種類や服用タイミングによって異なります。 そのため、自己判断で対応せず、あらかじめ医師や薬剤師から指示を受けておくことが大切です。 一般的には、飲み忘れに気づいた時点で時間をずらして服用する場合がありますが、1度に2回分をまとめて飲むことは避けましょう。 まとめて服用すると、血圧が下がりすぎたり、副作用が出やすくなる恐れがあります。 飲み忘れが続く場合や、対応に迷った場合は、早めに医師や薬剤師へ相談しましょう。 降圧剤(高血圧の薬)だけに頼らない!血圧を下げる生活習慣 降圧剤は血圧をコントロールするうえで重要な役割を果たしますが、生活習慣の見直しも同じくらい大切です。 毎日の食事や運動、過ごし方を少し見直すだけでも、血圧に良い影響を与える場合があります。 ここでは、血圧管理に役立つ生活習慣の改善方法について解説します。 食事の改善|食塩を減らす工夫 高血圧の改善には、食事内容の見直しが重要です。 なかでも塩分の摂りすぎは血圧を上げる大きな要因となるため、意識的に減塩を心がけましょう。 日本人は、もともと塩分摂取量が多い傾向にあり、高血圧の方では1日の食塩摂取量を6g未満に抑えることが推奨されています。(文献2) 家庭の食事だけでなく、外食や加工食品にも多くの塩分が含まれている点にも注意が必要です。 減塩を続けるためには、次のような工夫が役立ちます。 香味野菜や香辛料を活用して薄味でも満足感を高める 外食や加工食品の利用を控えめにする 食べすぎを防ぎ、適量を意識する 麺類はスープを残す また、アルコールの飲みすぎも血圧を上げる原因になります。 1日の純アルコール摂取量の目安は約20g程度とされており、ビール中瓶1本(500ml)、日本酒1合(180ml)、ワイン1杯(120ml)程度に相当します。(文献3) お酒を飲む習慣がある方は、量と頻度を意識することが大切です。 運動習慣の改善|有酸素運動・体重管理 食事とあわせて、運動習慣を見直すことも血圧管理に役立ちます。 高血圧の改善を目的とした運動では、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動がすすめられています。 運動の強さは、「ややきつい」と感じる程度で十分です。 激しい運動を行うと、かえって血圧が上がる場合があるため、無理のないペースを心がけましょう。 目安としては、1日20分以上、週200分程度の運動が推奨されています。(文献2) ただし、急に長時間の運動を始めると体への負担が大きくなるため、まずは短時間から少しずつ習慣化することが大切です。 まとまった運動時間を確保しにくい場合は、次のような日常生活の中で体を動かす機会を増やす工夫も効果的です。 エレベーターではなく階段を使う 近い距離は歩いたり自転車を利用したりする 長時間座り続けないよう、こまめに立ち上がる こうした積み重ねが、体重管理や血圧の安定につながります。 ストレスケアと睡眠リズムの整備 ストレスや睡眠不足も、血圧に影響を与える要因のひとつです。 強いストレスが続くと自律神経のバランスが乱れ、血圧が上がりやすくなる場合があります。 自律神経の安定には、十分な睡眠の確保と就寝・起床のリズムを整えることが重要です。 また、趣味の時間を持つ、深呼吸や軽いストレッチを行うなど、自分なりのリラックス方法を見つけることも、血圧管理に役立ちます。(文献2) 降圧剤(高血圧の薬)に関するよくある質問 降圧剤を服用する中で「一生続くのか」「体に合わなかったらどうするのか」など、不安や疑問を感じる方も多いでしょう。 治療を続けるうえでは、正しい知識を持ち、必要に応じて医師と相談することが大切です。 ここでは、降圧剤に関してよく寄せられる質問をもとに解説します。 降圧剤は一生飲み続ける? 降圧剤は、必ずしも一生同じ薬を飲み続けなければならないものではありません。 血圧の状態や年齢、体質、生活習慣の改善状況によって、薬の量や種類が調整される場合があります。 また、治療が順調に進み、食事や運動などの生活習慣が整ってくると、医師の判断で減量や中止を検討できる場合もあります。 自己判断で薬をやめるのではなく、定期的な診察を受けながら医師と相談して進めることが大切です。 降圧剤で血圧が下がりすぎた際の対処法は? 降圧剤の影響で血圧が下がりすぎると、めまい、立ちくらみ、ふらつき、倦怠感などの症状が出る場合があります。 とくに立ち上がったときに症状が出やすい場合は、注意が必要です。 こうした症状が続く場合や、日常生活に支障を感じる場合は、早めに医師へ相談しましょう。 薬の量や種類を調整することで、症状が改善するケースも少なくありません。 サプリメントと併用しても大丈夫? サプリメントの中には、降圧剤の作用に影響を与えるものがあります。 とくに、カリウムを多く含むサプリメントや健康食品は、薬との組み合わせによって体に負担がかかる可能性があります。 自己判断で併用するのではなく、サプリメントを使用している場合や新たに取り入れたい場合は、事前に医師や薬剤師へ相談すると安心です。 安全に治療を続けるためにも、服用しているものはすべて伝えるようにしましょう。 まとめ|降圧剤(高血圧の薬)と生活習慣の両立で血圧を安定させる 降圧剤は、高血圧による脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気を防ぐために、血圧を適切な範囲に保つ重要な治療方法です。 降圧剤にはさまざまな種類があり、それぞれ作用の仕組みや副作用が異なるため、自分の体質や状態に合ったものを選ぶことが大切になります。 一方で、高血圧の治療は薬だけで完結するものではありません。 食事の減塩や運動習慣の見直し、十分な睡眠やストレスケアといった生活習慣の改善を併せて行うことで、血圧の安定につながりやすくなります。 また、降圧剤の服用を続ける中で不安や疑問が生じた場合は、自己判断せず、医師や薬剤師に相談することが重要です。 降圧剤と生活習慣の両立を意識しながら、自分に合った血圧管理を続けていきましょう。 参考文献 (文献1) 高血圧治療ガイドライン・エッセンス|日本心臓財団 (文献2) 血圧を適切に保つための10のヒント|日本高血圧学会 (文献3) アルコール|厚生労働省
2024.05.02 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
「高血圧だと腎臓に影響するって聞いたけど、血圧の高さはどう改善すればいいの?」 「そもそも両者にはどんな関係性があるのか知りたい」 このような疑問をお持ちの方も多いでしょう。 結論、高血圧の場合、腎臓に悪影響を及ぼします。血圧が高いと腎臓に負担がかかり腎機能が低下するほか、腎炎や慢性腎臓病などの病気を発症するリスクも高まります。 腎機能を健康な状態に保つには、高血圧を改善するための取り組みを日頃から継続することが大切です。 本記事では、腎臓と高血圧の関係や血圧の高さを改善する方法を解説します。高血圧患者が発症しやすい慢性腎臓病についても紹介しているので、参考にしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 「高血圧と関連のある腎臓病」について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 【基礎知識】腎臓と高血圧の関係 高血圧は、脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる怖い病気を引き起こすことをご存じの方は多いかもしれません。 高血圧はそれだけでなく、腎臓にも負担を与え、徐々に腎臓の機能を低下させていきます。 この章では、高血圧と腎臓の働きについて解説した上で、高血圧が腎臓に与える影響を詳しく説明します。 高血圧とは 高血圧とは、一般的に「最高血圧が140mmHg以上もしくは最低血圧が90mmHg以上、またはその両方」である状態を指します。 血圧は変動しやすいため一時的にこの値を上回ることはよくあり、その場合は問題とはなりません。 腎臓の働き 腎臓は、尿を作る働きがあり、老廃物や余分な塩分を尿として体外に排出してくれます。尿の量を調整する機能もあり、体内の水分量を適切な状態に保ちます。 また、ホルモンを分泌し、血圧の調整を図るのも腎臓の重要な役割です。そのほかにも血液を作るホルモンも分泌しており、貧血にならないように体をサポートしています。 高血圧が腎臓に与える影響 高血圧の状態が長期間続くと、腎臓に負担を与え、腎機能の低下を引き起こします。 腎臓の機能が低下すると、腎炎(腎臓の炎症)を発症しやすくなります。また、慢性的な機能障害を引き起こし、慢性腎臓病と診断される方も少なくありません。 腎臓から血圧への逆の影響もあります。腎臓は血圧を調整するホルモンを分泌する働きがあるため、腎臓の機能が低下すると高血圧になりやすいです。 このように、腎臓と高血圧は密接な関係にあり、互いに影響し合って悪循環を招くことがあります。 高血圧患者が発症しやすい慢性腎臓病について ここでは、高血圧患者が発症しやすい慢性腎臓病について、さらに詳しく解説します。 慢性腎臓病とは、腎機能の障害が慢性的に続いている状態です。 具体的には、機能異常による腎障害が3カ月以上持続または糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)の数値が60mL/min/1.73m²未満に低下した状態が3カ月持続している方を指します。(文献1) 健康な方の糸球体濾過量は100mL/min/1.73m²程度ですので、慢性腎臓病の方では正常値の60%ほどまで機能が低下している状態です。 国内に1330万人の慢性腎臓病患者が存在すると推定されています。これは成人の約8人に1人の割合であり、どなたでも発症しうる身近な疾患です。(文献2) 慢性腎臓病の原因 慢性腎臓病の原因にはさまざまなものがありますが、とくに高血圧や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病と深く関係しています。 また、加齢による腎機能低下も大きな原因の1つです。 高血圧 脂質異常症 糖尿病 加齢 慢性腎臓病の症状 慢性腎臓病の初期には自覚症状がないことが多いですが、進行すると息切れや倦怠感、むくみといった症状が現れます。 息切れ 倦怠感 むくみ このような症状がみられた場合、腎臓が正常に機能していない可能性があるため治療が必要になります。 慢性腎臓病の治療 残念ながら慢性腎臓病で徐々に低下してしまった腎機能を完全に元に戻す治療法はありません。 慢性腎臓病と診断された場合に行う治療には大きく分けて、進行を抑える治療、そして悪化した腎機能を人工的に維持する治療の2つになります。 治療方法 治療内容 投薬治療 進行を抑える治療 慢性腎臓病の原因となった生活習慣病に対する投薬治療になります。 具体的には、高血圧をお持ちの方であれば降圧薬の内服が一般的です。 腎代替療法 腎機能を人工的に維持する治療 腎代替療法(血液透析や腹膜透析など)と呼ばれる治療になります。 先ほど紹介したような息切れや倦怠感、むくみといった症状を伴う場合にこのような治療が必要になる可能性があります。 高血圧患者が腎臓の機能を改善する方法 高血圧患者が腎臓の機能を改善させるには、日頃の生活習慣や、血圧の状態を適切に管理することが大切です。 具体的な改善策は主に以下の5つです。 食生活を見直す 禁煙する 糖尿病の治療を進める 血圧計測で目標値内にコントロールする 健康診断を受ける 順番に見ていきましょう。 食生活を見直す 高血圧を予防するために最も大切なことは、バランスの取れた食生活を送ることです。 日々の食事では炭水化物、たんぱく質、脂質といった三大栄養素が大部分を占めており、現代の日本人は特に、炭水化物や脂質を摂りすぎる傾向にあります。 このような食生活を続けてしまうと、血圧が上昇し、腎臓に負担がかかります。さらに、高血圧を防ぐためには、塩分を控えた食事も大切です。高血圧や慢性腎臓病を予防するための適切な塩分量は1日当たり6g未満とされています。 ところが、厚生労働省の調査報告書によると日本人が1日に摂取している塩分量の平均値は9.8gです。(文献3)平均すると1日当たり3.8gの減塩が必要となります。 禁煙する 喫煙は血圧を上げる要因となります。たばこに含まれる成分が血管の収縮や柔軟性の低下を引き起こすためです。 そのため、腎機能の改善を図るには、禁煙をして高血圧にならないようにする意識が大切です。 以下の方法が禁煙に役立ちます。 禁煙外来を受診する ニコチンパッチやガムを使う 無理のないペースで、たばこの本数を少しずつ減らしていきましょう。 糖尿病の治療を進める 高血圧と糖尿病は併発しやすく、国内にいる糖尿病合併高血圧患者は約90万人です。実際には、糖尿病患者の半数以上は高血圧を併発しています。(文献4) 糖尿病を発症している方は、糖尿病の治療に専念することで高血圧の改善につながり、ひいては腎臓機能の改善も期待できます。 糖尿病の主な治療は、糖質の量や血糖値の上昇をコントロールする食事療法と、インスリンを注射で投与する薬物療法です。 そのほかにも再生医療の選択肢があります。再生医療は患者様ご自身の細胞を活用した治療方法で、当院では脂肪由来の幹細胞を投与する治療を提供しています。 メール相談、オンラインカウンセリングを承っておりますので、詳しい治療方法を知りたい方はお気軽にお問い合わせください。 血圧計測で目標値内にコントロールする 血圧は家庭用の血圧計で簡単にチェックできるため、日ごろから計測する習慣を付けましょう。 日々血圧を意識しつつ、生活習慣の改善だけで下がりきらない場合には内科のある病院を受診してください。 降圧薬を服用しながら適切な値にコントロールする必要があります。 健康診断を受ける 慢性腎臓病を早期発見するには、定期的に健康診断を受けることが大切です。 慢性腎臓病の初期段階では、腎機能の低下を生じていても自覚症状がみられない場合がほとんどです。 そのため、早期発見のためには健康診断の血液検査で血清クレアチニン値や血中尿素窒素など、腎臓の機能に関わる項目をチェックしましょう。 これらの項目が異常と判定された場合には慢性腎臓病の可能性がありますので、早めに内科を受診し、早期の検査をおすすめします。 腎臓機能と高血圧の改善策を知って日々の過ごし方を見直そう 血圧と腎臓は密接な関係にあるため、それぞれの状態を良好に保つ意識が健康維持に繋がります。 高血圧は日頃の食生活の改善、喫煙習慣、運動習慣、定期的な血圧チェックにより、早期発見と適切な対策が可能です。 本記事で紹介した改善策を参考に、腎機能の向上を目指しましょう。 腎臓と高血圧の改善に関するよくある質問 腎不全と高血圧に関連のあるレニンとはなんですか? レニンは、血圧を上げる働きのあるホルモンを作るために必要な酵素です。つまり、レニンの分泌量が増えると、高血圧になりやすいです。 高血圧の状態が長期間続くと、腎機能が著しく低下し、正常に機能しなくなる腎不全に進行する可能性があります。 高血圧患者が腎臓を検査する方法は? 高血圧患者の腎臓状態をチェックする代表的な検査は以下のとおりです。 検査の種類 内容 尿検査 尿に含まれる成分を検査 たんぱく質や血液などが混入し、異常が認められると腎機能低下の可能性があります 血液検査 クレアチニン(老廃物の一種)の濃度を検査 クレアチニン値の濃度が高いと腎臓の機能低下が疑われます 画像検査 腎臓の形・大きさを画像で検査 腎臓の萎縮や腫瘍が確認できます 腎生検 腎臓の組織を採取する検査 尿検査・血液検査・画像検査では判断困難な場合に正確に診断します 検査は状態の進行具合や医師の判断によって選択されます。 低血圧の場合も腎臓に負担がかかりますか? 低血圧の状態が長く続くと、体内に酸素や栄養が行き届かなくなり腎臓にも負担を与えます。 参考文献 (文献1) エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023|東京医学者 日本腎臓学会編集 (文献2) エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018|東京医学者 日本腎臓学会編集 (文献3) 令和5年国民健康・栄養調査結果の概要|厚生労働省 (文献4) 糖尿病の病態と高血圧一なぜ糖尿病では高血圧合併例が多いのか一|内分泌·尿病科
2024.04.30 -
- 頭部
- 頭部、その他疾患
「首(または腕)が痛く、1日でも早く治す方法が知りたい」 「首の痛みは日常生活にも影響するため、できるなら通院せず治したいけれど可能なの?」 頚椎捻挫が発症していると、首や腕の痛みだけでなく、しびれ、頭痛、めまいなどの症状が起きます。 早く治したい一心から、自宅でストレッチや軽い運動をしてしまうと、症状を悪化させてしまう恐れがあります。 そこで今回は現役医師の立場から、頚椎捻挫を早く治す方法をまとめました。 受傷からの期間別でどのような治療がおすすめなのかも解説したので、ぜひ最後までご覧ください。 【予備知識】頚椎捻挫を早く治す方法の前に押さえておきたい注意点 まず把握してもらいたいのが頚椎捻挫は、よく耳にする「むち打ち症」と同じ意味である点です。 自動車で運転中に追突事故に遭ったり、スポーツ中の衝突により首が過剰に動いたりすると起こる症状です。 首の筋肉や靭帯に損傷が起こる症状として知られています。そこで改めて頚椎捻挫の症状と治るまでの期間をお伝えします。 頚椎捻挫の主な症状 頚椎捻挫の症状として代表的なのは、主に首や腕の痛み、しびれなどが挙げられます。 しかし代表的な症状以外にも、以下の症状があるため注意しましょう。 腕の脱力感 肩こり 頭痛 めまい 耳鳴り 動悸 倦怠感 など 以下の表では、タイプ別で症状や考えられる発症の原因をまとめました。 タイプ 症状 発症の原因 頚椎捻挫型 首や腕の痛み 首回りの筋肉や靭帯が引き伸ばされ発症する 神経根症状型 手、指、腕のしびれ 神経が圧迫されて脳からの伝達が伝わらなくなり発症する バレ・リーウー型 頭痛、耳鳴り、吐き気、難聴、視力低下 など 事故後の安静(急性期の対応)が不十分だと発症しやすい 脊髄型 足の感覚異常、排尿と排便のしにくさ 脊髄の損傷から動きにくくなり発症する 以下の記事では、頚椎捻挫の後遺障害等級についても触れているので、あわせて参考にしてください。 頚椎捻挫を治すまでの期間 頚椎捻挫が治るまでの期間は、患者様の容態によって異なりますが、1〜3カ月で症状が軽快するでしょう。 早ければ1〜2週間の方もいれば、6カ月かけても症状が残っている方もいます。 もしも6カ月経っても治らない場合は、後遺障害としての申請をするのがおすすめです。 以下の記事では、頚椎捻挫の後遺障害等級についても触れているので、あわせて参考にしてください。 頚椎捻挫を早く治す方法 頚椎捻挫を早く治したい場合、受傷してからの期間によって対処方法が異なります。 順番に早く治す方法を解説していきます。 早めの受診がおすすめ(1週間以内) 頚椎捻挫を受傷したら、あまり症状を感じていなくても早めに受診するのがおすすめです。 時間が経ってから急速に症状が出てくるケースがあるため、痛みを感じていなくても受診を検討してください。 受傷後すぐ(急性期)は、首に負担をかけないのが望ましいため、首を固定する「頚椎カラー」の装着が1つの選択肢になります。 患部に対し、リハビリを実施してしまうと、炎症が悪化する恐れがあるため、注意しましょう。 鎮痛剤の処方をしてくれる場合もあるため、まずは病院を受診するのが早く治る方法として挙げられます。 激しい運動を控える(〜2週間) 首の筋肉や靭帯に損傷が起こっている状態のため、受傷から2週間経過するまでは症状が軽いケースでも安静にしましょう。 むやみに動かし過ぎると症状を長引かせる原因になります。 「亜急性期」と呼ばれる時期になり、理学療法士によるリハビリを開始しながら早く治していきましょう。 物理療法として、温熱や低周波などによる治療も実施するケースがあります。 どれも自宅ではできない治療法になるため、専門医から適切なアドバイスを受けるのがおすすめです。 無理のない範囲でストレッチする(6カ月前後) 痛みが落ちついてきたら痛みが出ない範囲で首や肩周りを動かしましょう。 同時に、受傷から6カ月以上経っても以下の症状を感じる方は要注意です。 強い痛みは無いけれど首や肩周りが突っ張る なんとなくスッキリしない など 上記のような症状を感じる方は「慢性化」している恐れがあります。 筋肉や靭帯の損傷は安静にしていれば治りますが、筋肉の緊張状態は安静にしていると、どんどん固まってしまい、緊張状態が強くなってしまいます。 つまり、慢性化しないためにも適度なストレッチが必要になるのです。 デスクワークやスマホを見る習慣が多い現代人のほとんどが負担のかかる姿勢が続いています。 姿勢を治すためには肩甲骨や胸椎(両方の肩甲骨の間にある背骨)を動かすような体操や顎を引く運動、胸前の筋肉をほぐすストレッチをしましょう。 なお、頚椎捻挫が治っていない原因を確かめるには、MRI検査が選択肢として挙げられます。 以下の記事では、MRI検査の所要時間や注意点をまとめているので、ぜひ参考にしてください。 早く治すなら週3の通院がおすすめ 捻挫を1日でも早く治したいのであれば、週3回の通院をおすすめします。 頚椎捻挫は受傷後、1週間以内の受診をおすすめしたように、時間の経過とともに急速な変化が伴うケースが大半です。 首や腕に負担をかけないよう固定したりリハビリを案内し始めたりする時期が、患者様によって異なるからです。 症状によって通院の頻度が異なるので、あくまで1つの基準として捉えてもらえると幸いです。 なお、症状や適切なリハビリなどでお困りでしたら、当院ではオンラインカウンセリングも実施しております。 「いつまでに治りそうなのか」「今の症状では何をすべきか」など、気になる方は以下からご連絡ください。 病院受診時の流れ 頚椎捻挫を早く治す方法を取り入れるため、病院の受診を検討している方に向け、実際の流れをお伝えします。 一般的な病院での受診時、以下の流れになるケースが大半です。 診断 安静 リハビリ それぞれ何を実施するのか、詳しく解説していきます。 受診 頚椎捻挫の受診は基本的に「整形外科」を選択しましょう。 整形外科は、頚椎捻挫や関節リウマチなど、慢性疾患を主に取り扱っています。 専門学校で3年間勉強し「柔道整復師」に合格した方が施術する整骨院とは異なり、医学部合格後、最低でも6年間の勉強と臨床実習が医師には必要です。 理学療法や物理療法を始め、CTやMRI検査など、正確な医学的な知識をもとに治療してもらうには、整形外科がおすすめです。 しかし、整形外科にはリハビリテーション専門のスタッフ(理学療法士や作業療法士)がいない整形外科もあります。 できれば理学療法士や作業療法士のいる整形外科を選択しましょう。 安静 頚椎捻挫を受傷したら、最初のうちは患部を安静にしておくのが無難です。 症状の重さにもよりますが、軽度であれば投薬(薬物療法)を行います。 症状が重い場合は頚椎カラーを装着し、少しでも患部を安静できるようサポートしていきます。 頚椎捻挫は症状の重さに関係なく急性期の症状を早く落ち着かせることが、早く治す方法として挙げられるのです。 リハビリ 頚椎捻挫で骨折や脱臼が発症していない限り、少しずつ痛みがない程度のリハビリを行います。 整形外科で専門的な知識と経験がある理学療法士や作業療法士になるリハビリ指導が始まります。 理学療法士や作業療法士が在籍していない整形外科の場合、温熱療法や牽引療法、電気治療を施しているので、受診時に治療方法を確認しておきましょう。 以下の記事では、頚椎捻挫の治療方法について、自宅でできる対処法を紹介しています。 悪化予防の観点から、ぜひ参考にしてください。 まとめ・頚椎捻挫をすぐに治したいなら受診してもらおう! 頚椎捻挫を早く治す方法は、すぐに受診し安静にしておくのがおすすめです。受傷直後は興奮状態で痛みを感じない場合もありますが、数日経ってから症状が出る可能性もあります。 仮に痛みを感じていなくても「受傷したら痛みがなくても受診」と考えておきましょう。 首回りの組織が損傷している可能性もあるため、スポーツだけでなくストレッチも含めて無理に首を動かすのは控えるのが無難です。 患部を動かすのは、痛みが落ち着いたらリハビリを実施しましょう。 動かさない期間が長くなってしまうと筋肉が固まってしまい、慢性化する可能性もある点に十分気をつけましょう。当院ではオンラインカウンセリングをはじめ、メール相談も承っております。 頚椎捻挫を早く治す方法を専門医からのアドバイスを受けたい方を含め、お気軽にお問い合わせください。
2024.04.29 -
- 頭部
- 頭部、その他疾患
むちうち症(頚椎捻挫)は、交通事故やスポーツ中の事故などにより、首の周りの筋肉や靱帯に急激に力がかかったことで痛みが生じる状態をいいます。 軽症なものであればネックカラーを装着しての安静処置やリハビリなどで徐々に軽快してきます。しかし、重症なものだと慢性的な痛みと長期間付き合っていく状態になりかねません。 そこで本記事では、むち打ち(頚椎捻挫)の治療方法と治し方を中心に、完治期間についても医師の観点から解説します。 むち打ち症(頚椎捻挫)の症状 むち打ち症の症状は、首を動かしたときの痛み・頭痛・倦怠感(だるさ)・耳鳴り・やめまい・手や腕のしびれと多岐にわたります。 中でも代表的な症状は首を動かしたときの痛みです。筋肉や靱帯に不自然な強い力がかかったことで炎症し痛みが生じます。 頭痛は脳が強く揺さぶられたことによる脳振盪症状や、頭・首・背中につながっている僧帽筋という筋肉が損傷し、全体の痛みを頭痛として捉えることもあります。 倦怠感や耳鳴り、めまいといった症状も脳振盪が原因とされ、首の損傷がさまざまな症状を引き起こします。 むち打ち症(頚椎捻挫)4つのタイプ 上記のとおり、むち打ち症には4つのタイプがあります。 最も多いのは捻挫型で、首や肩の痛み・動かしづらさを発症します。頚椎捻挫の約80%程度がこのタイプです。 神経根型は、腕や手のしびれや痛みが出現するタイプです。頸髄の神経根が筋肉や骨で圧迫されることで発症します。首を動かしたり、咳やくしゃみをしたりすると、強い痛みやしびれが出現します。 脊髄型は、下肢のしびれや知覚異常などを引き起こすタイプです。 頚椎捻挫だけでなく、脊椎椎間板ヘルニアなどが合併した場合に分類される傾向にあります。重度の場合、歩行障害や排尿困難・排便困難といった膀胱直腸障害を発症します。 Barre-Lieou型(バレー・リュー型)は首の痛みだけでなく、めまい・耳鳴り・難聴・視力障害などさまざまな症状が起こるタイプです。不眠症や不安症といった精神的な症状が合併するケースもあります。 むち打ち症(頚椎捻挫)の治療方法 交通事故やスポーツで強い衝撃が首にかかって頚椎捻挫を起こした場合、まずは意識障害や嘔吐・手足のしびれや麻痺、下半身の症状がないかを確認します。 意識障害や嘔吐がある場合、脳にも強く力がかかって調子が悪くなっている可能性があるため安静にし、必要に応じて脳神経外科の受診をします。 手足のしびれや麻痺・下半身に症状がある場合は、頚部に強い力がかかって骨の変形や骨折もありえますので、首をなるべく動かさないようにして、安静にして病院を受診します。 病院を受診した場合、まずは骨折がないかレントゲンやCTを行い確認します。もし骨折や変形があれば医療機関で治療を行い、骨折や変形がなければ、頚椎捻挫と診断されます。 頚椎捻挫は炎症が重症にならないよう、受傷直後から1〜2日程度は冷やして安静にすることが大切です。 急性期(受傷時)の治療 安静を保つ 炎症が重症にならないように注意 冷やして安静にする(受傷直後から1~2日程度) 急性の炎症が落ち着いたら、筋肉の萎縮や硬直を防ぐためにも少しずつ動かしていきましょう。最初はストレッチや可動域訓練から始め、マッサージや軽い運動を行います。また、並行して痛み止めの内服や湿布薬を使用していきます。 急性期後の治療 ストレッチ(可動域訓練) マッサージ 日常的な普段通りの生活 痛み止め(内服) 湿布薬 牽引療法や温熱療法 ハビリテーション 急性期後は整形外科クリニックなどで、牽引療法や温熱療法や通院リハビリテーションを行うケースもあります。慢性化する場合は、さらに鍼治療・漢方薬・精神療法・認知行動療法といった、補完的な治療も必要です。 また、癒着した筋膜に生理食塩水を注入するハイドロリリースや、神経根に対して局所麻酔を投与してしびれや痛みを軽快する神経ブロックなどもペインクリニックなどで検討されます。 むち打ち症(頚椎捻挫)の完治期間 症状が軽快するまで通院を行うことが一般的です。軽症であれば1カ月弱で改善しますが、数カ月通院を必要としたり場合によっては慢性化するケースもあります。 特に交通事故やスポーツ外傷の場合は保険も関わってきますから、医師とよく相談し、必要に応じて積極的な通院が必要です。 軽いものであれば自然に軽快しますが、むち打ち症(頚椎捻挫)が完治しないうちにまた強い衝撃が加われば頚椎捻挫が重症化する可能性もあります。 とくにスポーツ外傷では軽快するまでむち打ち症になりかねない激しい運動への復帰は控えましょう。 もし、むち打ち症(頚椎捻挫)後、症状がこれ以上改善しない場合は、症状固定と判断され、行為障害診断書を発行したのち後遺障害等級の認定を受けることも検討する必要があります。 後遺症は以下の通りです。 多くの場合、14級や12級で認定します。 むち打ち症(頚椎捻挫)後遺障害等級 1級 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、常に要介護 2級 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、随時介護 3級 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、生涯働けない 5級 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、特とくに軽易な労務以外働けなくなった 7級 神経系統の機能または精神に障害を残し、軽易な労務以外働けなくなった 9級 神経系統の機能または精神に障害を残し、就ける仕事の程度が制限された 12級 局部に頑固な神経症状を残す 14級 局部に神経症状を残す *症状固定となると、治療費、休業補償などは打ち切られますが、後遺障害等級の認定を受けることで、後遺障害慰謝料などが受け取れるようになります。弁護士や保険会社とよく相談の上、医師に認定を相談してみてください。 *症状固定とは ケガや病気を治療する上で治療を続行したとて現在の症状以上の改善を見込むことが難しいと判断された状態を指します。 まとめ|むち打ちを早く治すなら医師の指示を守ろう むちうち症(頚椎捻挫)は交通事故やスポーツ外傷で起きてしまうことが多いです。慢性化して日々痛みに悩まされることにもなりかねません。 また、むち打ち症には4つのタイプがあり(捻挫型、神経根型、脊髄型、Barre-Lieou型)、それぞれ異なる症状を示します。 治療方法としてはまず安静にし炎症を抑えることが重要です。その後ストレッチやマッサージ、湿布薬の使用などを行い、必要に応じて整形外科での治療を受けましょう。 治療期間は症状の重さによって異なりますが、一般的には数週間から数カ月かかることがあります。慢性化した場合は、補完的な治療や後遺障害の認定を受けることも考えねばなりません。 むち打ち症状を疑う場合は最寄りの整形外科医を受診するか、当クリニックにご相談ください。ちょっとした悩みでも真摯に対応いたします。
2024.04.29 -
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高血圧の薬とグレープフルーツなどの柑橘類は、相互作用によって薬の効き目が強まってしまうため注意が必要です。 本記事では、高血圧の薬との飲み合わせに注意したい『柑橘類』について紹介します。 ご家族の中に高血圧の方がいる場合、「脳梗塞」や「脳出血」などの発症すると命に関わる病気につながらないように注意しましょう。 「高血圧の治療で効果が見られない」「別の治療法があれば知りたい」という場合、傷付いた血管の改善が期待できる再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は傷付いた血管や高血圧によって発症する脳梗塞の症状改善が期待できる治療法です。 ご家族に高血圧の方がいるなら患者さまの将来のためにも、手遅れになる前に公式LINEの情報をぜひご参考ください! \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ ▼ご家族族の肝硬変が悪化して手遅れになる前に! >>【公式LINE限定】再生医療の治療法や症例を今すぐ見てみる 高血圧薬とグレープフルーツをいっしょに食べてはいけない理由は「フラノクマリンが含まれるため」 グレープフルーツと一部の薬を一緒に摂取することは避けるべきとされています。 理由としては、グレープフルーツに含まれる特定の化学成分(主にフラノクマリン類)は、人体内で薬物を分解する酵素(とくにCYP3A4というシトクロムP450酵素)の働きを阻害するからです。 この酵素は、薬物をより無害な形に分解し、体外へ排出するために重要です。しかしこの酵素の阻害は、薬物の体内での濃度を予期せず増加させ、副作用が起こるリスクを高めてしまいます。 血圧を下げる作用を持つ薬剤(降圧薬)の一群に『カルシウムチャネル拮抗薬』がありますが、こちらを一例としてご紹介します。 カルシウムチャネル拮抗薬の薬効は、血管を拡張させることで血圧を下げることです。しかし、フラノクマリン類との相互作用により、これら薬剤の効果が強まり、低血圧やめまい、倦怠感などの副作用を引き起こすリスクが高まってしまいます。 高血圧の薬にはカルシウムチャネル拮抗薬だけでなく、さまざまな作用の仕方、成分がありますが、グレープフルーツを含む柑橘類は同じく避けましょう。 これが降圧薬とグレープフルーツを一緒に摂ってはいけない理由です。 さらに、高血圧の薬以外にもグレープフルーツが影響を及ぼす薬剤として、以下のようなものが挙げられます。 高血圧治療薬(例:カルシウムチャネル拮抗薬 フェロジピン) コレステロール低下薬(例:スタチン類) 抗不安薬 免疫抑制剤 抗アレルギー薬 これらの薬剤も、CYP3A4酵素によって代謝されるため、グレープフルーツやグレープフルーツジュースとの同時摂取はとくに注意が必要です。 健康を守るためにも、薬を服用している場合は、柑橘類の摂取に関して医師や薬剤師と相談しましょう。 また、高血圧については以下の記事でも紹介していますのであわせてご覧ください。 グレープフルーツ以外のフラノクマリン含有量の高い果物(柑橘類)一覧 グレープフルーツ以外にも、高血圧治療薬と相互作用を起こしやすい柑橘類の一覧は以下の通りです。 出典:酵素免疫測定法による食物・生薬中のフラノクマリン類含量のスクリーニング それぞれ「果汁」と「果皮」でフラノクマリン類含有量が異なることもあるため、上記の柑橘類には注意しましょう。 当院の公式LINEでは、先端医療である再生医療に関する詳細や症例を公開しております。 再生医療は高血圧で傷ついた血管に対しても改善が期待できる治療方法なので、将来的な不安がある方はこの機会にぜひ知っておきましょう。 ▼傷付いた血管の治療に再生医療が注目 >>【公式LINE限定】再生医療ガイドブックを見てみる 果汁の場合 果汁ではスウィーティー、メロゴールド、バンペイユがグレープフルーツと同程度の結果でした。 そして、フラノクマリンの量が増えるとCYP3A4の活性が阻害(働きが妨げられること)される強さの度合いはほぼ比例すると報告されています。 そのため、スウィーティー、メロゴールド、バンペイユおよびレッドポメロはグレープフルーツと同様に、フラノクマリン類による相互作用に注意が必要であると考えられます。 ダイダイ、ブンタン(ザボン)についてはやや少ないですが、これらも注意が必要です。 なお、スウィーティーとレッドポメロはすでに生物の体内でもグレープフルーツと同様にCYP3A4の働きを妨げることが報告されていますが、メロゴールドについてはまだ報告されていません。 果皮の場合 また、果皮についてはメロゴールドとスウィーティー、甘夏みかんおよびサワーポメロがグレープフルーツに近い結果でした。さらに、フラノクマリン類は、ほとんどの柑橘類で、果汁よりも果皮の方に数十倍から数千倍多く含まれていることがわかりました。 レモン・オレンジは相互作用の心配が少ない柑橘類 一方で、レモンや日向夏、ネーブルオレンジ、スウィートオレンジ、温州みかん、ポンカン、イヨカン、デコポン、ゆず、カボス、すだち、キンカン、バレンシアオレンジといった柑橘類については、少なくとも果汁にフラノクマリンはほぼ含まれていない(N.D.:未検出)ので、CYP3A4との相互作用の心配は少ないのではないかと考えられます。 しかし前述したように、フラノクマリン類は、ほとんどの柑橘類で果汁よりも果皮の方に数十倍から数千倍多く含まれていることがわかっています。果汁については心配の少ない柑橘類でも、果皮については、注意が必要です。 高血圧の薬と一緒に柑橘類を食べるときの4つの注意点 高血圧の薬と柑橘類を一緒に食べるときは、以下4つのポイントに注意する必要があります。 フラノクマリンの含有量が低い柑橘類を食べる 果物漬けやマーマレードなど加工食品にも注意を払う どうしても食べたいときは医師や薬剤師へ相談する フラノクマリンが多い果物を食べた場合は安静にし体調の変化がないか確認する フラノクマリンの含有量が低い柑橘類を食べる 柑橘類のなかには、フラノクマリンの含有量が少ないものもあります。 ミカンやオレンジなどの柑橘類で、食べたいと感じる気持ちを落ち着かせましょう。 また、先述したように皮は含有量が高い場合もあります。含有量をあらかじめ調べておくと良いでしょう。 果物漬けやマーマレードなど加工品にも注意を払う 先ほど述べたように、柑橘類の果汁よりも「果皮」にフラノクマリンが多く含まれていることがわ分かっています。そのため、果皮の果物漬けや、マーマレードなどの加工食品を食べる際にも、十分な注意が必要です。 ただし、グレープフルーツ由来のフラノクマリンなどの成分は小腸のCYP3A4に数日間影響を与えます。 そのため、降圧薬を飲む場合には、グレープフルーツジュースで薬を飲むことを避けるだけでは不十分と考えられます。 日常生活の中で、グレープフルーツジュースだけでなく、果汁やサワー、マーマレードなどの加工食品を摂取するのは避けた方が良いでしょう。 ミックスフルーツジュースを飲む際も、グレープフルーツが含まれているかどうかを確認する必要があります。 どうしても食べたいときは医師や薬剤師の意見を参考にしよう 薬剤師や医師は、高血圧薬との飲み合わせに関する専門的な知識を持っています。 薬を服用中の患者は、新しい食品やサプリメントを摂取する前に必ず医療の専門家に相談しましょう。 たとえば、主治医である血圧の診療に長けている医師や、治療薬に精通した薬剤師などは、自分の状況に合ったアドバイスをくれるでしょう。 高血圧の治療中に、自己判断で、新しいサプリメントなどを飲み始めることはあまり勧められません。 摂取すべきでない食品や飲み物、サプリメントを避けることで、高血圧の治療効果を最大限に引き出し、副作用のリスクを最小化できるでしょう。 代替となる安全な飲み物や食品 グレープフルーツや特定の柑橘類が持つ特定の薬剤との相互作用は、高血圧治療薬を含むさまざまな薬の効果に影響を及ぼす可能性があります。 しかし、柑橘類にはビタミンCをはじめとする、健康的な食生活にとって大切な食品であるという側面もあります。 そこで、柑橘類のように高血圧の薬との相互作用を避けるため、他のビタミンCが豊富な食品への代替が推奨されます。 ビタミンCは抗酸化作用を持ち、免疫機能のサポートやコラーゲンの生成に必要な栄養素です。 おすすめの代替食品 キウイ:キウイはビタミンCが豊富であり、1個のキウイで1日のビタミンC推奨量のほぼ100%を提供します。また、抗酸化物質、食物繊維、ビタミンKも豊富に含まれています。 赤ピーマン: 野菜の中でもとくにビタミンCが豊富で、グレープフルーツや柑橘類を避ける必要がある人にとって優れた選択肢です。サラダや料理の彩りも良くしてくれ、栄養も豊富なためおすすめです。 フラノクマリンの多い果物を食べてしまった場合には安静にし体調の変化を確認する もしも知らずにフラノクマリンの多い果物を食べてしまった場合には、急激な体調の変化が起こる可能性があります。 軽度のめまいや頭痛から、血圧が下がるとショック症状や心臓にかかわる症状が出るおそれもあります。 そのため、運動や外出などは避け、座ったり休んだりしながら様子を見ましょう。 明らかな体調の変化が起こった場合には、受診し医師の指示を仰ぐ必要があります。 まとめ|フラノクマリンの多い果物(柑橘類)には要注意 薬との飲み合わせが気になるけど、それでも柑橘が食べたいという時があると思います。 グレープフルーツ以外にも相互作用を起こしやすい柑橘類もありますが、その心配の少ない柑橘類もあります。 しかし、フラノクマリン類は、ほとんどの柑橘類で果汁よりも果皮の方に数十倍から数千倍多く含まれていることがわかっています。 果汁については心配の少ない柑橘類でも、果皮については注意が必要しましょう。 柑橘類を選ぶ際には、この記事の内容をご参考にしていただければ幸いです。 また、当院(リペセルクリニック)の公式LINEでは、先端医療である再生医療に関する詳細や症例をご覧いただけます! できなかったことが再びできるようになる可能性がある再生医療について「どのような治療を行うか」ぜひ知っておきましょう。 ▼傷付いた血管の治療に再生医療が注目 >>【公式LINE限定】再生医療ガイドブックを見てみる また、高血圧の薬の種類や副作用については以下の記事でも解説しておりますのでチェックしてください。 参考文献 Bailey, D. G., Malcolm, J., Arnold, O., & Spence, J. D. (1998). Grapefruit juice-drug interactions. British Journal of Clinical Pharmacology, 46(2), 101-110. 酵素免疫測定法による食物・生薬中のフラノクマリン類含量のスクリーニング.医療薬学.2006;32(7):693-699. p696 3.高血圧 | 薬事情報センター | 一般社団法人 愛知県薬剤師会 グレープフルーツと薬物の相互作用 – 「 健康食品 」の安全性・有効性情報 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「Q2 グレープフルーツジュースを避けるべきくすりがあるそうですが、どんなくすりですか。」 Chambial S, Dwivedi S, Shukla KK, John PJ, Sharma P. Vitamin C in disease prevention and cure: an overview. Indian J Clin Biochem. 2013 Oct;28(4):314-28.
2024.04.25 -
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40代、50代になってから急に血圧が高くなったのはなぜ? 血圧とホルモンバランスには関連はあるの? このような悩みを持つ女性も多いのではないでしょうか。 高血圧は生活習慣病の一つとして広く知られていますが、女性の場合は更年期障害が原因のケースもあります。 女性ホルモンであるエストロゲンの減少により、血圧が下がりにくくなるためです。 本記事では、女性に多い高血圧の原因や、自分でできる対処法について解説します。 記事を最後まで読めば、女性由来の高血圧について正しい知識が身につくでしょう。 また、高血圧の改善について、専門科に相談したいという方はぜひ当院「リペアセルクリニック」の「メール相談」「オンラインカウンセリング」をご活用ください。 40代・50代女性の高血圧は「更年期による女性ホルモン減少」が原因 更年期の変化によって生じる高血圧を「更年期高血圧」と呼びます。 高血圧を放置しておくと、心臓病や脳血管障害につながることもあります。 本章を参考に、なぜ更年期になると高血圧が起こるのかを理解し、きちんと対策をしましょう。 女性ホルモンの減少によって生じる更年期障害 女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンの2種類があります。更年期になると卵巣機能が低下し、それに伴い女性ホルモンも減少します。このうちエストロゲンの減少が、更年期障害の発症に大きく関わっていると考えられています。 更年期になると卵巣機能が低下し、それに伴い女性ホルモンも減少します。 ホルモンバランスを保てなくなったことに対して、脳がそれを補おうと必死に身体にさまざまな命令を送り、それが更年期症状として現れてしまうのです。 多岐にわたる更年期症状ですが、高血圧以外には以下のようなものが挙げられます。 血管運動に関わる症状(ほてり、のぼせ、発汗、動悸、息切れ、むくみなど) 精神症状(頭痛、不眠、不安感、イライラ、抑うつ、無気力など) 消化器症状(便秘、下痢、胃の不快感、胸焼け、吐き気など) 皮膚症状(かゆみ、湿疹など) 運動器に関わる症状(肩こり、腰痛、背中の痛み、関節痛など) そのほか(疲労感、排尿トラブル、不正出血など) 症状が軽度で済む人もいれば、日常生活に支障が出るくらい重い症状が出る人もいます。軽度の場合は更年期症状、症状が重くなると更年期障害となります。(文献1) 主にエストロゲンの減少が高血圧を招く 私たちの身体は、常に一定の血圧を保持できるよう機能しており、高くなりすぎず、低くなりすぎないように調整されています。 エストロゲンは、その調整因子の一つであり、血管を広げて血圧を下げる働きをしています。更年期による卵巣機能の低下によってエストロゲンが減少すると、血圧が下がりにくくなってしまうのです。 また、自律神経の乱れも更年期高血圧に大きく関わる因子です。 自律神経には、交感神経と副交感神経があります。活発な時や緊張状態の時には交感神経が優位となり、血管が収縮して血圧が上昇します。 逆に休んでいる時や就寝中は副交感神経が優位となり、血管は拡張して血圧が下がります。 このように血圧調整にとても大切な自律神経ですが、女性ホルモン低下に追いつけないことでパニックになった脳は、さまざまな命令を身体に送る中で、自律神経も乱してしまうのです。 自律神経の乱れは血圧変動のみならず、上記に述べたような精神症状や身体症状の原因にもなっています。 このようにエストロゲンの減少と自律神経の乱れは、本来私たちに備わっている血圧調整の歯車を狂わせ、結果的に更年期高血圧を引き起こすのです。 更年期の女性がやるべき高血圧の対策7選 今日からご自身で始められる、更年期高血圧の対策は以下の7つです。 血圧測定を習慣化する 塩分を控える 体重管理を行う 運動習慣を取り入れる 睡眠時間を十分に取る ストレスを溜めない イソフラボンを摂取する 本章では、各項目について解説します。 血圧測定を習慣化する 血圧は普段の状態と、高くなっているときの違いを探すことが大切です。 以下のポイントを意識して、血圧の測定を行いましょう。 血圧上昇が一時的なものなのか 血圧が高い状態がずっと続いているのか どのような時に高くなるのか 外出時は精神的・身体的・環境的因子が血圧に影響することも多いため、自宅での血圧測定を推奨します。 なお「高血圧治療ガイドライン2019」では、血圧測定は、手首型の機器よりも二の腕で測るタイプを勧めています。(文献2) 定期測定は起床時と就寝前の2回、そしてめまいや動悸など、上記の更年期症状が出た際にも血圧を測定し、血圧の推移とともにどのような状況で血圧が上がったのかを書き留めておくと良いでしょう。 自分の状況を把握するだけでなく、医師からの診察の際にも役立ちます。 塩分を控える 塩分過多は高血圧の原因として最も多いとされています。 塩分を多く摂ると、血液中の塩分濃度が上がるため、それを薄めようと血管内の水分が増えます。そのため、血管を押し拡げる力が強くなり、血圧が上がってしまうのです。 近年はとくに、インスタント・冷凍食品の改良化や食事のデリバリー事業などが進み、便利な時代となりました。しかし、既製品や外食は塩分量とカロリーが高くなる傾向にあります。減塩調味料の使用や野菜多めの食事を心がけるようにしましょう。 体重管理を行う 血圧の管理には、体重管理も大切です。 肥満の人は食べ過ぎによるインスリンの出過ぎから、交感神経が刺激されカテコールアミンという物質が分泌され、血圧を上げてしまいます。さらに、脂肪細胞が肥大してアンギオテンシノーゲンという物質が出ることでも血圧上昇を引き起こします。 食事や運動を組み合わせてカロリーを調整し、BMI25以下を目指すようにしましょう。 また、食べ過ぎで塩分を過剰摂取してしまい、血圧上昇につながっている可能性もあります。日頃から減塩を意識して食事を摂りましょう。 運動習慣を取り入れる 仕事や家事に追われて、なかなか運動の時間をとるのが難しい方もいらっしゃいます。 1日の中で、少し早起きしてウォーキングをしてみる、10分のエクササイズ動画を真似してみる、休日にスポーツセンターに行ってみる、一駅分歩いてみる、など小さなことで構いません。自分のできる範囲内で何か始めてみましょう。運動するとイライラした気持ちも収まり、身も心もスッキリします。 睡眠時間を十分に取る 睡眠不足は交感神経を刺激し、高血圧を引き起こします。 しかし更年期障害の一つに不眠もあり、夜なかなか寝付けない人もいるかと思います。 具体的な方法は以下の通りです。 就寝時間の2時間前までに食事を摂り終える 布団に入ったらスマートフォンはいじらない 夜にカフェインやお酒は控える リラックス効果のある香りや音楽をつける ここまでの対策は自身でできることですが、やはり重症化予防の鍵は早期受診となります。 高血圧を適切に治療しなかった場合、心臓や脳の血管に障害を生じ、心筋梗塞や脳卒中のリスクが上がります。こうならないためにも、適切な治療を受けることが必要です。 ストレスを溜めない 体や心にかかるストレスは交感神経を興奮させ、血圧を上昇させます。 ストレスが強い、長く続いているという方は要注意です。 自分に合ったストレス解消法を見つけ、ストレスを溜めないことも血圧管理には大切です。 ストレス解消法の一例は、以下の通りです。 体を動かす 趣味に没頭する 日光を浴びる 好きな音楽を聴く 動物と触れあう 自分なりのストレス解消法を見つけ、高血圧を予防・改善させましょう。 イソフラボンを摂取する イソフラボンは、更年期に減少する女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをします。そのため、イソフラボンを摂取すると、更年期障害による心や体の症状の改善が期待できます。 イソフラボンは大豆、豆腐、納豆などのマメ類に多く含まれます。 さらに、LDLコレステロールを下げる働きもあり、動脈効果を防ぎます。そのため、動脈硬化による血圧上昇の予防にもなるのです。(文献3) まとめ|更年期女性の高血圧はエストロゲン減少が原因!医療機関の受診も検討しよう 更年期高血圧は、更年期を迎える女性の身体の変化に伴って生じるものです。 更年期を過ぎると血圧が元に戻ることもありますが、多くの場合は加齢の変化と相まって高血圧のままとなります。命を脅かす病気に発展しないよう、血圧のコントロールを行うことが大切です。 毎日の生活習慣を改善し、早期に病院を受診しましょう。このコラムがご参考になれば幸いです。 血圧が高くなってきて悩んでいる方は、当院の「メール相談」「オンラインカウンセリング」もぜひご活用ください。 また、高血圧とストレスについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。 参考文献 (文献1) 公益社団法人 日本産科婦人科学会,更年期障害 (文献2) 日本高血圧学会. 高血圧治療ガイドライン2019. (文献3) 久保田芳郎 ほか. 大豆イソフラボンアグリコンの更年期障害に対する効果について. 公益社団法人 日本人間ドック学会. 2002:17(2), p172-177
2024.04.22 -
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高血圧を放置すると、脳卒中や心疾患、腎臓病など、命に関わる病気を引き起こすリスクがあります。 しかし、日本の推定4,300万人の高血圧患者のうち、適切に治療できているのはわずか3分の1程度であり、多くの人は未治療で自覚がないケースも少なくありません。(文献1) 高血圧は自覚症状が乏しいまま進行するため「サイレントキラー」とも呼ばれており、血圧を下げる方法を知っておくことが大切です。 本記事では、血圧を下げる方法や基準値、自分で測定する方法などを解説します。 血圧に関する正しい知識を身につけて、改善や予防につなげていきましょう。 なお、高血圧を放置すると、脳卒中や糖尿病などの深刻な合併症を引き起こすリスクが高まります。万が一これらの疾患を発症した場合、脳卒中の後遺症や再発予防、糖尿病に対しては、再生医療という治療の選択肢があります。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施していますので、ぜひご登録ください。 血圧を下げる方法 高血圧と診断されたら放置せず、早期の対応が重要です。 血圧をコントロールするには生活習慣の見直しと、必要に応じて薬物療法の組み合わせが基本です。 ここでは、血圧を下げるために有効とされる対策を詳しく解説します。 塩分を制限する 血圧を下げるには、まず塩分を制限しましょう。 減塩の目安としては、1日あたりの塩分摂取量を6g未満に抑えることが推奨されています。 一方で、厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査」によると、日本人の平均的な塩分摂取量は1日約10.1gとされており、多くの人にとって6g未満の食事はかなり薄味に感じるかもしれません。(文献2) 減塩を実践する際のコツとしては、出汁や酢、スパイスなどをうまく活用し、塩分に頼らず風味を引き立てることがポイントです。 漬物やハム、ソーセージなどの加工食品は塩分が多く含まれているため、できるだけ控えてください。 さらに、加工食品や外食に含まれる大量の塩分にも注意しましょう。 外食では汁物を控えめにするなど、塩分の摂取を抑える工夫も必要です。 食事を見直して血圧を下げる 食事全体のバランスは血圧に大きく影響するため、食事内容を見直しましょう。 野菜や果物、きのこ類などをしっかり摂り、脂質は控えめにするのが基本です。 野菜や果物、きのこ類などに含まれるカリウムやマグネシウム、カルシウムは、ナトリウムの排出を助けて血圧の安定に役立ちます。 ただし、腎臓病の方はカリウム摂取に制限が必要な場合もあるため、通院中の方は主治医の指示に従ってください。 また、肉や高脂肪の乳製品などに多く含まれる飽和脂肪酸が過多になると、血中のコレステロールが増え動脈硬化が進み血圧が上がります。 特定の食品だけでなく、日々の食事内容をトータルで見直し、血圧の正常化につなげていきましょう。 適正体重をキープする 肥満は高血圧の大きなリスク要因のひとつです。 とくに、内臓脂肪が多いと交感神経が刺激されやすくなり、血圧を上げるホルモンの分泌も増えるため注意が必要です。 体重を1kg減らすことで、収縮期血圧が約1mmHg下がるとされており、適正体重の維持は降圧効果をもたらします。(文献3) ただし、過度なダイエットは体調を崩す原因になるため気を付けましょう。 バランスの取れた食事と適度な運動による、無理のない体重管理が理想です。 血圧を下げる運動を続ける 定期的な運動は血管を柔軟に保ち、血流を促進して自然に血圧を下げる効果があります。 なかでも有酸素運動が推奨されており、以下のような運動がおすすめです。 ウォーキング ジョギング 水泳 サイクリング エアロビクス 自分で楽しいと感じられる運動なら、継続しやすくなります。 「少しきつい」と感じるくらいの運動強度で毎日30分以上、または週180分以上が推奨されていますが、まずは無理のない範囲から始めましょう。(文献1) 運動を習慣化すると体重管理やストレス解消にもつながり、長期的な血圧管理に有効です。 肥満や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の予防や改善にも寄与するので、ぜひ積極的に取り組みましょう。 飲酒を制限する 過度の飲酒は一時的に血管を拡張させるものの、長期的には交感神経の興奮を引き起こし、かえって血圧を上昇させてしまいます。 高血圧がある方の飲酒量の目安は、1日あたりエタノールで男性20~30mL、女性10~20mL以下です。(文献1) 〈1日あたりの飲酒量の目安:男性の場合〉 日本酒 1合 ビール 中瓶1本 焼酎 0.5合 ウイスキー ダブル(約60mL) ワイン 2杯 女性の場合は、上記の半分を目安にしてください。 また、毎日飲むのではなく、週に2日は休肝日を設けるなど飲酒の頻度にも配慮しましょう。 禁煙する 喫煙は血管を収縮させて血圧を一時的に急上昇させるだけでなく、長期的には動脈硬化を進行させる原因にもなります。 喫煙者は非喫煙者に比べ、高血圧に伴う心血管疾患のリスクが著しく高くなる可能性が報告されているので注意しましょう。(文献4) また、ニコチンの影響で交感神経が刺激され、血圧のコントロールが難しくなるケースもあります。 禁煙は血圧の改善だけでなく、全身の健康維持にもつながる重要な取り組みです。 禁煙外来を利用する方法もあるので、自力で禁煙できない場合は受診を検討しましょう。 喫煙が血圧に与える影響については、以下の記事で詳しく解説しています。 血圧を下げる薬を使う 生活習慣の改善だけで血圧の管理が難しい場合、医師の判断で以下のような降圧薬が処方されます。 ACE阻害薬、ARB:血圧を上昇させるホルモンの作用を阻害する カルシウム拮抗薬:血管を拡張させて血圧を下げる 利尿薬:余分な水分やナトリウムを体外に排出する β遮断薬:交感神経を抑制して心収縮を抑えて血圧を下げる 個々の体質や合併症に応じて選択されるので、血圧が気になったらまずは医師に相談してみましょう。 薬物療法と生活習慣の改善を並行して進めれば、より効果的な血圧管理が可能になります。 ただし、降圧薬は長期的に使うことで安定した効果を発揮するため、自己判断での中止や変更は避けましょう。 高血圧の薬(降圧薬)の種類については、以下の記事でも解説しているので参考にしてみてください。 高血圧の原因|何が血圧を上げるのか 高血圧は、大きく分けて「本態性高血圧」と「二次性高血圧」の2つに分類されます。 それぞれのタイプによって対処法が異なるため、正確な理解が重要です。 二次性高血圧 二次性高血圧とは、明確な原因となる疾患が存在し、その疾患によって血圧が上昇している状態を指します。 以下のような疾患が主な原因です。 腎臓病 内分泌疾患 睡眠時無呼吸症候群 上記の病気を治療することで、高血圧の改善が期待できます。 とくに、若くして急に高血圧になった場合や薬が効きにくい場合には、二次性高血圧の可能性を疑いましょう。 本態性高血圧 本態性高血圧は、原因が特定できないものの、さまざまな生活習慣や体質、遺伝的背景が複雑に関係して起こる高血圧です。 日本人の高血圧の約8~9割は本態性高血圧に該当します。(文献1) 主な関係因子は以下のとおりです。 遺伝的体質 食塩の過剰摂取 肥満 運動不足 喫煙・過度な飲酒 ストレス 加齢 とくに、塩分は血圧上昇と深く関係しており、日本高血圧学会も1日6g未満の塩分摂取を推奨しています。(文献1) 血圧を下げるためには、減塩を基本とした食習慣の見直しや適度な運動、禁煙などの生活習慣の改善が不可欠です。 血圧の基準値 血圧は、診察室で測った血圧が「120/80mmHg未満」、自宅で測った血圧が「115/75mmHg未満」が正常な基準値です。(文献5) 病院で測定すると高くなる傾向があるため、まずは診察室血圧を測定して「140/90mmHg以上」であれば自宅でも測定し、「135/85mmHg以上」なら高血圧の確定診断となります。 自宅で血圧が測定できない場合は、複数回の診察室血圧だけでも高血圧と診断されます。 ただし、高血圧でなくても、正常血圧より高いグレーゾーンがある点に注意しましょう。 以下の表にあるように、病院での測定値「120〜139/80〜89mmHg」、家庭血圧「115〜134/75〜84mmHg」の場合はグレーゾーンに該当します。 区分 診察室血圧 家庭血圧 正常血圧 120/80mmHg未満 115/75mmHg未満 グレーゾーン 120〜139/80〜89mmHg 115〜134/75〜84mmHg 高血圧 140/90mmHg以上 135/85mmHg以上 高血圧の診断基準を満たさなくとも、血圧が高くなるにつれて脳卒中や心筋梗塞などの「脳心血管の疾患」が起こりやすくなります。 また、グレーゾーンの方は生涯のうちに高血圧の基準を満たす可能性も高くなるため、たとえ診断に至らなくても血圧が高めの方は対策が大切です。 なお、自宅での血圧が高血圧に該当しなくても、診察室血圧のみが高血圧の基準を満たす場合は「白衣高血圧」と呼ばれています。 白衣高血圧の方は高血圧でない方と比べて、将来的に脳心血管の病気を起こすリスクが高いため要注意です。 自宅血圧測定の方法|計測する時間帯や回数 自宅での血圧測定は、高血圧の診断において欠かせない要素です。 治療中においても、家庭血圧は降圧治療の効果を判断するための重要な指標となります。 高血圧と診断された場合、毎日家庭血圧を測定し、自分の血圧の傾向を把握することが大切です。 ここでは、家庭で正しく血圧を測るためのポイントを解説します。 家庭血圧測定のポイント 血圧測定は、朝と夜の2回行うのが基本です。 【朝の測定】 起床後1時間以内 朝食前 血圧の薬を飲む前 トイレを済ませた後 なお、水分を摂るのは問題ありません。 【夜の測定】 就寝前が目安です。 測定時の注意点 血圧は、1〜2分間座って落ち着いてから測定することが大切です。 動いた直後や急いで測ると、正確な値が出ない場合があります。 深呼吸をしてリラックスした状態で測定しましょう。 測定回数と記録の仕方 原則として、1回の測定で2回ずつ測り、両方の結果を記録します。 朝:2回 夜:2回 1日あたり:4回測定 2回分の血圧の値を平均して評価します。 診断や治療効果の判定には、5〜7日間の平均値を使うのが一般的なので、毎回の数値に一喜一憂せず一定期間の変化を見ることが重要です。 できるだけ毎日同じ時間帯に測定するのが理想ですが、生活リズムに合わせて調整しても問題ありません。 難しい場合は、かかりつけの医師に相談しながら、無理のない方法で続けましょう。 高血圧の自覚症状|頭痛・肩こりとの関係と潜むリスク 高血圧は、人によっては軽度の頭痛や肩こりなどの症状が現れる場合がありますが、自覚症状がないケースも少なくありません。 ただし、血圧が急激に高くなると危険な状態に陥る場合もあります。 180/120mmHg以上の高度の血圧上昇は「高血圧緊急症」と呼ばれ、脳・心臓・腎臓・大きな血管などに障害をきたし、放置すると命に関わるため注意が必要です。 高血圧緊急症になると、次のような疾患を発症するリスクが高まります。 高血圧性脳症 脳卒中 急性大動脈解離 急性心不全 急性心筋梗塞 急性腎不全 なかでも、「高血圧性脳症」は耳慣れない言葉かもしれません。 急激に血圧が上昇することで、脳の血流が必要以上に増加して脳がむくむ病気です。そのまま放置すると脳出血や昏睡状態を引き起こし、命を落とす危険性もあります。 脳卒中の予防する方法には、再生医療という選択肢もあります。脳卒中の後遺症や再発予防を目的とした再生医療の治療例については、以下の症例記事をご覧ください。 まとめ|高血圧は食事・運動・薬でコントロール! 高血圧の多くを占める本態性高血圧では、塩分のとりすぎをはじめとした生活習慣が大きく関わっています。 症状がないからといって高血圧を放置すると、命に関わる病気を起こしかねません。 血圧が気になるのであれば、まずは定期的な血圧測定を行い、日々の血圧がどのくらいかを把握するように努めましょう。 高血圧対策の第一歩は、生活習慣の改善です。 運動や食事を一気に改善するのが難しければ、できるところから始めてみましょう。 高血圧による合併症を予防したい方や、再生医療について詳しく知りたい方は、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEをご確認ください。 再生医療に関する情報提供や簡易オンライン診断をご利用いただけます。 血圧を下げることに関するよくある質問 血圧を下げるのに即効性のある食べ物は何ですか? 即効性があるとされているのは「減塩食」です。 塩分の摂取を急に減らすと、早い人では数日で血圧の変化を感じることがあります。 とくに、高血圧の方は塩分感受性が高いため、減塩の影響が出やすい傾向があります。 血圧を下げる飲み物にはありますか? 血圧を下げる働きが期待される飲み物には、以下のようなものがあります。 カリウムを含む「トマトジュース」「野菜ジュース」 GABA配合の「機能性表示飲料」 ポリフェノールを含む「緑茶」や「カカオ飲料」 血圧を下げる効果がある成分を含んだ飲み物を継続して摂取することで、血圧の安定化が期待できます。 ただし、塩分や糖分の含有量には注意が必要です。 血圧を下げるサプリはありますか? 血圧対策に使われる代表的な成分「γ-アミノ酪酸(GABA)」や「ラクトトリペプチド」は、機能性表示食品に多く利用されています。 ただし、サプリメントはあくまで補助的な存在であり、医師から高血圧と診断されている場合は、必ず医療機関の指示に従いましょう。 血圧を下げる呼吸法を教えてください。 深呼吸を意識的に行うと副交感神経が優位になり、血管が拡張しやすくなります。 軽度の血圧上昇であれば、一時的な改善が期待できるでしょう。 とくに、ストレスが原因で血圧が上がっているケースでは、深呼吸を習慣にすると精神的な安定も得られます。 一週間で血圧を下げる方法はありますか? 医学的には、薬を使用せず確実に血圧を下げる即効性のある方法は存在しません。 ただし、個人差はありますが、減塩や睡眠改善、運動、アルコール制限などの生活習慣の見直しを一気に行えば、短期間である程度の効果が見られるケースもあります。 参考文献 (文献1) 一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子|特定非営利活動法人日本高血圧学会・特定非営利活動法人日本高血圧協会・認定特定非営利活動法人ささえあい医療人権センターCOML (文献2) 令和元年 国民健康・栄養調査報告|厚生労働省 (文献3) PubMed Central (PMC) – U.S. National Library of Medicine|Lowering weight equals reduction of mortality: How far are we from the “Ithaka” of ideal weight control? (文献4) 喫煙と循環器疾患|厚生労働省 (文献5) 高血圧治療ガイドライン2019|日本高血圧学会
2024.04.15 -
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「ストレスで血圧が上がるのは本当?」「ストレスによる高血圧はどうしたらいい?」と疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか。 実際、ストレスは血圧に大きな影響を与える原因の1つです。 この記事では、医師監修のもとストレスが血圧を上げるメカニズムや、高血圧を予防する生活習慣について解説します。 本記事を読めば、ストレスと血圧のメカニズムを正しく理解し、健康管理に役立てることができるでしょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では高血圧によって引き起こされる疾患の治療も行っております。 気になる症状がある方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 ストレスで血圧が上がる3つのメカニズム 日常生活でストレスを感じると、体はさまざまな反応を示します。その中でも血圧の上昇は代表的な症状の1つです。 ストレスによって血圧が上がる原因として、以下の3つが挙げられます。 ストレスホルモンが血管を収縮させる 交感神経が活発になる 血管が収縮し血圧が上昇 本章では、ストレスが交感神経を刺激し、ホルモンの分泌や血管の収縮を引き起こすメカニズムを解説します。(文献1) ストレスホルモンが血管を収縮させる ストレスを感じると、体内でコルチゾールやアドレナリンといったホルモンが分泌され、血管を収縮させます。 体をストレスから守るために必要な一方で、血管を収縮させる作用も持ち合わせているため、血管が細くなり、血圧が上昇します。 たとえば、大きなプレッシャーを感じた時、心臓がドキドキしたり、顔が赤くなったりするのは、ストレスホルモンが分泌され血管が収縮しているサインです。 この作用が血圧上昇の要因となります。 交感神経が活発になる ストレスを感じると、自律神経の1つである交感神経が活発になります。 交感神経は、人が活動する際に働き、心臓の動きを速めたり血管を収縮させたりします。 ストレス時には交感神経が過剰に働き、心拍数の上昇や血管の収縮が起こり、結果的に血圧が上がる仕組みです。 こうした反応は自然な防御反応ですが、長期間続くと健康への悪影響が懸念されます。 そのため、ストレスをうまく管理する習慣が、健康維持には必要だといえるでしょう。 血管が収縮し血圧が上昇 ストレスを感じると、血管が収縮して血液が流れる抵抗が強くなり、血圧が上昇します。 この状態が長引くと、心臓や血管に負担がかかり生活習慣病のリスクが高まる可能性もあります。 血圧の急上昇を防ぐためには、深呼吸や軽い運動などで血管をリラックスさせる時間を設けることが大切です。 また、高血圧と生活習慣病の関係については以下の記事でも詳しく紹介していますので、参考にしていただけると幸いです。 【測定時】ストレスで血圧が変動する2つのケース 血圧を測定するときの環境や状況によっても、数値が変動することがあります。主なケースは以下の2つです。 職場高血圧 白衣高血圧 それぞれの原因を理解し、血圧変動を和らげる対策を見つけましょう。 仕事のストレスにより血圧が上昇する「職場高血圧」 職場高血圧とは、勤務中や仕事に関連したストレスによって血圧が高くなる状態を指します。 仕事のプレッシャーや締め切りへの焦りは交感神経を活性化させる原因です。心拍数が上がることで血管が収縮し、高血圧を引き起こします。 職場高血圧を防ぐためには、仕事の合間に適度な休憩をしたり、深呼吸をしたりすることを心がけましょう。 リラックスできる環境作りが、「職場高血圧」対策の第一歩となります。 病院での緊張により血圧が上昇する「白衣高血圧」 病院で測定するときだけ血圧が高くなる場合、白衣高血圧の可能性があります。 医師や看護師の前で緊張することで、交感神経が活発になり血圧が一時的に上がる現象です。測定後には自然に戻るケースが大半ですが、放置すると日常的な高血圧につながる恐れもあります。 対処法として、深呼吸をしてリラックスした状態で測定したり、普段から自宅で血圧を測る習慣を付けたりすることが挙げられます。 ストレスに左右されない状況下で、正確な血圧の数値を把握しておきましょう。 ストレスによる高血圧は「生活習慣の改善」で予防できる ストレスによる血圧上昇は、放置すると高血圧につながる恐れがあるものの、生活習慣の見直しによる予防が可能です。 本章では、ストレスによる高血圧を予防するための、具体的な生活習慣の改善策を5つご紹介します。 適度な運動をする バランスの取れた食事を摂る 睡眠をしっかりとる 禁煙やアルコールを控える リラックスする時間を作る できることから始めて健康な毎日を目指しましょう。 また、以下の記事では、高血圧の薬(降圧薬)の種類と副作用に関する情報をまとめています。高血圧の治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。 適度な運動をする 適度な運動は、ストレス解消につながります。また、運動によって血行が促進され、血管が柔らかくなることで血圧の安定も期待できます。 ウォーキングやジョギング、水泳など、無理なく続けられる運動を生活に取り入れるのがおすすめです。 毎日30分のウォーキングを習慣にすると、心身ともにリフレッシュでき、血圧コントロールにも役立つでしょう。 バランスの取れた食事を摂る バランスの取れた食事は、高血圧予防に欠かせません。 塩分を摂りすぎると、血液中の塩分濃度が高くなり、血管が収縮して血圧が上昇しやすくなります。高血圧を予防するには、塩分控えめを意識しましょう。 カリウムを多く含む野菜や果物を積極的に摂ると、体内の余分な塩分を排出する効果が期待できます。 また、食物繊維を多く含む食品も、血圧の安定に役立ちます。 毎日の食事内容を見直し、バランスの取れた食生活を心がけましょう。 睡眠をしっかりとる 質の良い睡眠は、ストレスを軽減し血圧を安定させるために重要です。 睡眠不足はストレスホルモンの分泌を促し、交感神経を活発にするため、血圧上昇の原因となります。 高血圧を予防するには、毎日同じ時間に寝起きし、7〜8時間の睡眠を確保するのが理想的です。 また、寝る前にカフェインを摂取するのを控えたり、リラックスできる環境を整えたりするのも効果的です。 質の高い睡眠を確保し、高血圧予防に努めましょう。 喫煙やアルコールを控える 喫煙や過度なアルコール摂取は、血圧を上昇させる要因となるため、控えるのが望ましいでしょう。 タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させて血圧を上昇させる働きがあります。また、アルコールの過剰摂取も、血圧の上昇や睡眠の質を低下させる原因になります。 禁煙に取り組む、あるいは飲酒量を減らすだけでも、血圧コントロールにつながるでしょう。 リラックスする時間を作る ストレスを溜め込まないためには、意識的にリラックスする時間を作るのも大切です。 音楽やアロマ、入浴など、自分に合った方法でリラックスしましょう。 また、瞑想や深呼吸などのリラックス法も効果的です。 自分に合ったリラックス方法を見つけ、日々の生活に取り入れてみてください。ストレスをうまく解消できれば、結果的に高血圧の予防にもつながります。 高血圧の予防方法については以下の記事でも解説していますので、興味がある方はぜひご覧ください。 高血圧の原因 高血圧は一次性と二次性の2タイプに分かれますが、主な違いは以下のとおりです。 一次性高血圧 ほとんどの高血圧はこのタイプに該当 明確な原因は特定されていないが、遺伝・食生活・生活習慣など複数の要因が関連していると考えられている 二次性高血圧 なんらかの病気や状況が原因で血圧が高くなるケース 腎臓病・内分泌異常・特定の薬剤の使用などが原因 また、高血圧の発症には以下の5つの要因が関係します。 高血圧の発症リスク 内容 加齢 加齢により血管が硬くなり、血流の調整が難しくなる。とくに中高年以降で発症率が上昇。 性別 男性は中年期に高血圧が多く、女性は閉経後にリスクが高まる傾向がある。 遺伝 遺伝的要素が影響しやすく、親族に高血圧の方がいる場合、発症リスクが高まる可能性がある。 生活習慣の乱れ 塩分の多い食事や運動不足が血圧上昇の原因。肥満や喫煙、アルコールもリスク要因となる。 ストレス 精神的な負荷が交感神経を刺激し、血圧を一時的または慢性的に上昇させる場合がある。 表のとおり、高血圧の原因にはさまざまな理由が挙げられます。 とくに、生活習慣の見直しやストレス軽減など、自己管理によって改善できる部分は意識してみましょう。 また、高血圧の原因についてはこちらの記事でもさらに詳しく解説しています。 血圧でお悩みの方は参考にしていただけると幸いです。 まとめ|高血圧を予防するためストレスを溜めない生活を心がけよう この記事では、ストレスが血圧を上げるメカニズムや、高血圧を予防するための生活習慣について解説しました。 ストレスは身体にさまざまな影響を与え、血圧を上昇させる要因の1つです。 しかし、事前知識や適切な対策によって血圧をコントロールし、高血圧を予防できます。適度な運動やバランスの取れた食事、十分な睡眠を心がけることが重要です。 本記事を参考に、リラックスする時間を持って健康な毎日を過ごしていきましょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では、高血圧が原因となる脳出血や脳梗塞の治療も行っています。気になる症状がある方は、「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 ストレスと血圧に関するよくある質問 ストレスで血圧はどれくらい上がりますか? ストレスを感じた際、一時的に10〜20mmHg程度血圧が上がる場合があります。(文献2) 慢性的なストレスが続く場合、持続的な高血圧につながる可能性があるため注意が必要です。 メンタルと血圧は関係ありますか? メンタルの状態と血圧は密接に関係しているため、ストレスや不安が続くと交感神経が過剰に働き、血圧が上昇します。 一方、リラックス状態では副交感神経が優位となり血圧が安定します。 そのため、心の健康を保つことは血圧を安定させる上で重要です。 当院「リペアセルクリニック」では、高血圧が引き起こす疾患に効果が期待できる再生治療も行っています。「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。 参考文献一覧 文献1 日本高血圧学会_高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)作成委員会 文献2 社会医療法人 春回会_高血圧とストレス
2024.04.10 -
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高周波熱凝固法は高周波の電磁波から放出される熱を用いて、神経を構成するタンパク質の一部を凝固させる治療法です。 局所麻酔剤やステロイド製剤を用いた神経ブロックでは十分な効果が得られない際に行われる治療法として知られています。 比較的長期にわたり痛みを抑えられる治療法ですが、後遺症や合併症を起こす可能性についても知っておかなければなりません。 本記事では高周波熱凝固法の効果やメリット・デメリットについて解説します。 高周波熱凝固法の後遺症や合併症に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 高周波熱凝固法の後遺症や合併症のお悩みを解消したい・再生医療に興味がある方は方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 高周波熱凝固法を受けるメリットとその効果 高周波熱凝固法を受ける主なメリットと効果は以下のとおりです。 長期的に痛みを抑える効果が期待できる パルス高周波法は低温で神経を傷つけにくい 手術ではないため日帰りで実施できる それぞれについて解説します。 長期的に痛みを抑える効果が期待できる 高周波熱凝固法のメリットの一つが、長期的に痛みを抑える効果が期待できる点です。 症状を引き起こしている神経を特定した上で高周波の電磁波で凝固させると、比較的長期にわたり脳に痛みが伝達されるのを阻害します。 効果の持続期間には個人差がありますが、凝固の程度により半年から1年以上効果が持続するケースも少なくありません。 一般的な神経ブロックの効果が数時間から数週間ほどしか持続しないことを考えると、生活の質を向上させる上で大きなメリットといえるでしょう。 高周波熱凝固法の対象となる主な疾患は以下のとおりです。 頚椎・腰椎椎間板ヘルニア 頚部・腰部脊柱管狭窄症 仙腸関節障害 腰椎すべり症 腰椎椎間関節症 三叉神経痛など ただし、高周波熱凝固法の適応症例は病院やクリニックにより異なります。 パルス高周波法は低温で神経を傷つけにくい 高周波熱凝固法と似た治療法の一つがパルス高周波法です。 高周波熱凝固法は70℃から90℃の温度で電磁波をおよそ120秒間流し、熱の力で神経を構成するタンパク質を凝固させます。(文献1) パルス高周波法は42℃の電磁波をおよそ300秒流し、間欠的に電気的刺激を与えるのが特徴です。 比較的低温の刺激のため神経を傷つけにくく、しびれや脱力感などの副作用を引き起こすリスクが低いメリットがあります。 整形外科やペインクリニックなどでは、症状のあらわれ方や程度に応じて、高周波熱凝固法とパルス高周波法のどちらが適しているか判断した上で実施しています。 手術ではないため日帰りで実施できる 高周波熱凝固法のメリットの一つが、手術ではないため日帰りで実施できる点です。 局所麻酔剤やステロイド製剤を用いて行う神経ブロックと同じく、高周波熱凝固法の施術も痛みを引き起こしている神経の近くに針を挿入して高周波の電磁波を流します。 高周波熱凝固法の治療には、およそ0.5mmから0.7mmと細い針が用いられます。 治療に伴う痛みが少ない上、切開して行う手術に比べて非常に傷口が小さく、外来で治療が受けられるため入院の必要がありません。 局所麻酔剤やステロイド製剤を用いたブロック注射に比べると、副作用のリスクが比較的低い点も高周波熱凝固法のメリットの一つです。 高周波熱凝固法の主なデメリット・副作用 高周波熱凝固法のデメリット・副作用としては以下の例が挙げられます。 神経を焼くため感覚が鈍くなることがある 身体の状態によっては受けられない可能性がある 術後でも後遺症や合併症のリスクがある 一度治った慢性難治性疼痛も再発する可能性がある 保険診療の適用外となる場合があり費用が高くなることがある それぞれについて解説します。 神経を焼くため感覚が鈍くなることがある 高周波熱凝固法のデメリットの一つが、電磁波で神経を焼くため術後に感覚が鈍くなるケースがある点です。 高周波熱凝固法では痛みの原因となる神経の近くに針を挿入し、ピンポイントで高周波の電磁波を流すのが特徴です。 針から放出される電磁波が神経内部のイオン分子を振動させると、分子運動が活発化した組織が高温となり、神経を構成する一部のタンパク質を変性させます。(文献2) 高周波熱凝固法により変性した神経は、脳に痛みを伝達する機能を失うため、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などに伴う疼痛の改善に効果的です。 一方で、神経が変性すると周囲の皮膚の感覚が鈍くなるリスクがあります。 運動神経の鈍麻による脱力感が生じたり、筋力の低下を引き起こしたりする可能性がある点も、高周波熱凝固法のデメリットの一つです。 高周波熱凝固法によって感覚が鈍くなった状態は、神経が自然に再生されるまで続きます。 身体の状態によっては受けられない可能性がある 高周波熱凝固法のデメリットの一つに、身体の状態によって施術が受けられない点も挙げられます。 以下に該当する方は、高周波熱凝固法の治療を受けられない可能性があります。 抗凝固薬・抗血小板薬を服用中の方 ペースメーカー・除細動器を使用している方 局所麻酔に対するアレルギーをお持ちの方 妊婦・妊娠の可能がある女性および授乳婦 抗凝固薬や抗血小板薬など血液が凝固しにくい状態にある方は、高周波熱凝固法をはじめとする神経ブロックを受けるべきではありません。(文献3) ペースメーカーや除細動器を使用している方が高周波熱凝固法の治療を受けると、電磁波により機器に悪影響を及ぼす可能性があります。 局所麻酔薬に対するアレルギーをお持ちの方は、術前の麻酔剤の投与によりアナフィラキシーショックを起こす恐れがあるため注意が必要です。 妊婦や妊娠の可能性がある女性、授乳婦に関しても高周波熱凝固法の治療は推奨されていません。 術後でも後遺症や合併症のリスクがある 高周波熱凝固法の治療を受けた後に、以下の後遺症や合併症を発症するケースがあります。 症状 具体的な症状 後遺症 しびれ・チクチクした感覚・出血・熱傷など 合併症 感染・知覚鈍麻・運動障害など 高周波熱凝固法で神経に変性が生じると、手足のしびれやチクチクとした感覚などの後遺症を生じる可能性があります。 針を刺した場所に出血を起こしたり、熱により火傷を起こしたりするケースも珍しくありません。 稀な例ですが針を刺入した場所に細菌が入り込んで感染症を発症したり、神経ブロックの作用で知覚鈍麻が生じたりするケースもあります。 高周波熱凝固法は原則として運動神経は対象外ですが、治療の際に誤って傷つけてしまうと運動障害を発症する可能性があります。 一度治った慢性難治性疼痛も再発する可能性がある 高周波熱凝固法のデメリットの一つが、一度は治ったと思われた慢性難治性疼痛が再発する可能性がある点です。 高周波熱凝固法によって消失した痛みが再発する主な理由は以下のとおりです。 原疾患が改善していない 神経が再生する 効果が不十分 高周波熱凝固法により消失した痛みが再発する理由の一つが、原因となる疾患が改善していない点です。 たとえば腰椎圧迫骨折が原因で痛みが生じている場合、高周波熱凝固法の治療で一時的に痛みが緩和しても、骨折自体が治らなければ痛みが再発しがちです。 また、高周波熱凝固法で焼いた神経が再生すると、痛みのサインが再び脳へと伝達されはじめる可能性があります。 痛みの原因によっては、高周波熱凝固法の治療だけでは不十分なケースもあります。 保険診療の適用外となる場合があり費用が高くなることがある 高周波熱凝固法のデメリットの一つが、保険診療の適用外となった場合に費用が高くなる可能性がある点です。 高周波熱凝固法は多くが健康保険の適用範囲内で受けられますが、場合によっては自費診療となるケースがあります。 高周波熱凝固法と似た治療法のパルス高周波法の場合、健康保険が適用されるのは1カ月の間に一度だけです。 1カ月に二回以上の治療を受ける場合、二回目以降の治療は自費診療が原則です。 自費診療の際にいくらかかるかは、病院やクリニックごとに異なります。 健康保険が適用されるケースでも、治療内容に応じて自己負担額が異なるため事前の確認が必要です。 高周波熱凝固法の術後後遺症でお悩みの際は再生医療もご検討ください 高周波熱凝固法の治療を受けた後に後遺症が発生した場合や、なかなか後遺症が改善しない場合の選択肢として幹細胞治療が期待されています。 幹細胞治療には他の細胞へ変化する分化能という能力があり、神経系の疾患やスポーツ外傷、変形性関節症などさまざまな症状が適応対象です。 当院リペアセルクリニックでは患者様自身の脂肪細胞から抽出した幹細胞を培養・増殖させ、点滴・注射を用いて患部に注入します。 手術の必要がなく大きな傷跡が残るリスクがない上、日帰りで治療を受けられる点がメリットの一つです。 腰部脊柱管狭窄症の術後後遺症に対する再生医療の治療例については、以下の症例記事をご覧ください。 日帰りできる!再生医療を受ける際の流れ 3ステップ 再生医療は手術の必要がなく大きな傷跡が残らない上、回復までに要する日数も短い点が特徴です。 当院リペアセルクリニックにおける再生医療は、以下の流れで実施するのが基本です。 1.脂肪採取:米粒3粒ほどの脂肪組織を採取 2.細胞培養・増殖:採取した幹細胞を培養・増殖 3.患部への投与:幹細胞を点滴・注射で患部に注入 当院リペアセルクリニックの再生医療では、患者自身の脂肪細胞から幹細胞を抽出し、培養・増殖させたのちに患部へ投与します。 細胞の培養には約1カ月かかりますが、培養後の投与・治療自体は1日で終わります。自己の細胞を用いた治療法のため副作用のリスクが少なく、拒絶反応の心配が限りなく少ない点がメリットの一つです。 再生医療の詳しい治療内容や適応症例については、以下のページをご覧ください。 高周波熱凝固法のメリット・デメリットを考慮して治療法を選択しましょう 高周波熱凝固法は電磁波によって生じた熱の作用により、神経を構成するタンパク質の一部を凝固させる治療法です。 神経を凝固させることで痛みのサインが脳へ伝えられるのをブロックする点が特徴で、局所麻酔剤やステロイド製剤を用いた神経ブロックでは十分な効果が得られない場合に適用されます。 比較的長期にわたり痛みを抑えられる上、入院の必要がなく日帰りで治療を受けられる点がメリットです。 一方で、知覚神経の鈍麻や感染症、運動障害などの合併症や、チクチクした感覚や手足のしびれ、火傷などの後遺症が生じる可能性があります。 高周波熱凝固法により合併症や後遺症が生じた場合は、再生医療も有効な選択肢の一つです。 再生医療に興味がある方や、高周波熱凝固法の合併症・後遺症にお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」お気軽にご相談ください。 参考文献 (文献1) 神経ブロック|一般社団法人日本ペインクリニック学会 (文献2) 治療機器:高周波熱凝固装置|2020年6月748号医機学 (文献3) 神経ブロック|一般社団法人日本ペインクリニック学会
2024.03.29 -
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リゾトミー(Rhizotomy)は、痛みに対して過敏に反応する知覚神経を、高周波のラジオ波で焼灼(しょうしゃく:焼き切ること)する治療法です。 腰には腰椎を動かすための椎間関節がありますが、加齢や疲労に伴い変形が生じると知覚神経が増殖します。 リゾトミーにより知覚神経を焼灼すると、慢性・難治性腰痛に伴う症状の改善に効果的です。 本記事ではリゾトミーの適応症状や治療の流れ、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 慢性腰痛にお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 リゾトミーとは神経の一部を切断・焼灼する治療法 リゾトミーは痛みに過敏に反応する知覚神経を、高周波のラジオ波で焼灼する治療法です。 知覚神経を焼灼すると脳に痛みのサインが伝達されなくなります。 慢性的な痛みのなかでも、とくに椎間関節の変形が原因で生じる首や腰の痛みに対して効果的な治療法です。 レントゲンやMRIなどの検査では原因が明確にわからない慢性腰痛(非特異的腰痛)に対しても効果を発揮します。 治療に用いられる専用の電極針はボールペンや鉛筆よりも細く、傷跡が小さくて済むため日帰りで治療を受けられる点がメリットの一つです。 どんな症状にリゾトミーが有効なのか? リゾトミーは疼痛過敏症に対して有効な治療法です。 腰椎には腰を動かす際にはたらく椎間関節がありますが、加齢や疲労により変形すると知覚神経が増殖します。 知覚神経が増殖すると、以前に比べて痛みを感じやすく(疼痛過敏症)なります。 リゾトミーは、ラジオ波(高周波の熱)を用いて、過敏になった知覚神経の働きを抑える治療です。疼痛過敏症に伴って生じる腰痛に対して効果的とされています。 リゾトミーの主な適応症状は以下のとおりです。 慢性難治性腰痛 椎間関節の変形による腰痛 知覚過敏による腰痛 保存療法では改善しない腰痛 椎間関節ブロックが一時的に有効な腰痛 なお、リゾトミー手術のメリット・デメリットについては、以下の記事が参考になります。 リゾトミーの詳しい治療方法と流れ リゾトミーの治療は以下の流れで行われます。 局所麻酔をして痛みを感じにくい状態にする 専用の細い電極針を皮膚から神経の近くに挿入する レントゲン透視で針の位置を正確に確認する ラジオ波(高周波)を照射して過敏になった神経を焼灼する 処置が終わったら短時間安静にする それぞれについて解説します。 1:局所麻酔をして痛みを感じにくい状態にする リゾトミーの治療前に、レントゲンやMRIなどの画像検査で痛みの原因となる関節および神経を特定します。 治療する場所が特定できたら、皮膚の洗浄および滅菌処置を施し、局所麻酔を注射して痛みを感じにくい状態にします。 リゾトミーの治療は基本的に狭い範囲が対象で治療時間も短いため、身体に大きな負担がかかる全身麻酔は必要はありません。 局所麻酔の効果があらわれ、痛みを感じにくい状態になったらリゾトミーの治療に移ります。 2:専用の細い電極針を皮膚から神経の近くに挿入する 局所麻酔の効果があらわれたら、専用の細い電極針を皮膚から痛みの原因となる神経の近くに挿入します。 治療する部位によっては、電極針の挿入口を複数個あける必要があります。 挿入口には筒形の傷口ができますが、針の太さはボールペンや鉛筆より細いため、傷口の大きさは3ミリメートルから5ミリメートル程度です。 皮膚を切開する必要がなく傷口が小さいため、回復に要する時間が短い点がリゾトミーの特徴の一つです。 3:レントゲン透視で針の位置を正確に確認する 電極針を対象となる関節や神経の近くに挿入したら、レントゲン透視下でより正確な位置に電極針を移動します。 一部の施設では内視鏡下でリゾトミーの治療を実施するケースもありますが、日本国内で実施できる施設はまだ少ないです。 内視鏡下で治療を進めるとより確実に痛みの原因となる神経にアプローチできるため、今後、実施できる病院やクリニックが増えていくかもしれません。 腰椎椎間板ヘルニアに伴う経皮的内視鏡下椎間板切除術(PELD)では、内視鏡を用いるのが一般的です。 4:ラジオ波(高周波)を照射して過敏になった神経を焼灼する レントゲン透視で痛みの原因となる関節や神経の位置が特定出来たら、ラジオ波(高周波)を照射して、疼痛過敏症を引き起こす知覚神経を焼灼します。 治療に際しては局所麻酔剤を注入するため、強い痛みが生じるケースは多くありません。 痛みが強い場合や不快感が生じるケースでは、鎮痛剤を追加で投入して対処します。 ラジオ波の治療に伴う痛みは個人により差があるため、心配な方はカウンセリングの際に担当医に相談するのがおすすめです。 5:処置が終わったら短時間安静にする ラジオ波で痛みの原因となる神経を照射し終えたら、短時間の安静が必要です。 リゾトミーの治療は傷口が3ミリメートルから5ミリメートルと小さく、施術に要する時間も15分から30分と短いのが特徴です。 しかし、皮膚に傷口が生じることには変わりないため、手術後は1時間ほどの安静が求められます。 1時間ほど経過したら担当の医師により傷口の状態や症状の確認が行われ、問題がないと判断されれば歩いて帰宅できます。 リゾトミーの術後回復とリハビリ リゾトミーの治療後は1時間程度の安静が求められます。 手術自体は15分から30分と短く、電極針を挿入する際に生じる傷口も3ミリメートルから5ミリメートルと小さいため、入院する必要はありません。 1時間程度の安静の後に症状や身体の状態に問題がないと判断されれば、その日のうちに歩いて帰宅できます。 手術後、麻酔の効果が消失した際に症状が改善していれば、特別なリハビリテーションは必要ありません。 ただし、椎間関節の変形が腰への過度の負荷や不良姿勢に起因する場合は、身体の正しい使い方に関するリハビリテーションが求められるケースもあります。 リゾトミーのメリット・デメリット リゾトミーの主なメリットとデメリットは以下のとおりです。 メリット:痛み・こわばりの緩和が見込める デメリット:後遺症・合併症のリスクあり 次項でさらに詳しく解説します。 メリット|痛み・こわばりの緩和が見込める リゾトミーのメリットとしては、以下の4点が挙げられます。 難治性の慢性腰痛への効果が期待できる 体への負担が少ない 回復が早い 複数部位の同時治療が可能 リゾトミーのメリットの一つが、難治性の慢性腰痛への効果が期待できる点です。 椎間関節が変形すると疼痛過敏症の原因となる知覚神経の増加が起きますが、リゾトミーの治療で神経を焼灼すると痛みの緩和につながります。 保存療法では改善が見られない難治性の腰痛に対しても効果を発揮するため、どのような治療を受けても症状が良くならなかった方にもおすすめです。 手術に要する時間は15分から30分程度と短く、傷口も3ミリメートルから5ミリメートルと小さいため、体にかかる負担が少なく、切開しての手術に比べて回復が早い点もメリットの一つです。 椎間関節の変形が複数ある場合でも、局所麻酔で一度に治療できます。 デメリット|後遺症・合併症のリスクあり リゾトミーのデメリットとしては、以下の5点が挙げられます。 費用が高額 実施している医療機関が限られている 後遺症が出る可能性がある 神経が再生すると痛みが再発する可能性がある 患者の状況によっては適応できない リゾトミーのデメリットの一つが費用が高額で、実施している医療機関が限られている点です。 健康保険が適用されず自由診療のため、手術費がおよそ60万円~70万円と高額な点もリゾトミーのデメリットといえるでしょう。 手術の際に誤って神経を傷つけると、後遺症を発症する可能性があります。 血栓症や術後血種、細菌感染など、合併症の可能性がある点もリゾトミーのデメリットです。 神経の再生により痛みが再発する可能性がある上、患者の状況によってはそもそもリゾトミーが適応できない可能性もあります。 リゾトミーの弱点とは?これからの可能性について解説 リゾトミーは神経を変性させるため、効果は永続的と考えるかもしれません。 実際は、しっかりと焼き切れていないと神経が再生して痛みが繰り返し てしまうため、長期に効果が続くわけではありません。 しかし、新たな手法により、この弱点をカバーできるかもしれません。それはPELD(Percutaneous Endoscopic Lumbar Discectomy :経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術)という最先端のヘルニア治療で使われる技術を応用した「内視鏡的リゾトミー」です。 PELDでは7mm程度のとても細い筒状の内視鏡を用いてヘルニアの手術を行います。この内視鏡を、リゾトミーで焼く神経を定めるのに使うのが、内視鏡的リゾトミーです。内視鏡で実際に神経を確かめるため、より確実な神経の焼灼ができます。 実際に海外の研究では、椎間関節の内視鏡的リゾトミーは、従来の透視下で実施する方法よりも効果がある期間が長かったという報告がされています。日本で内視鏡的リゾトミーを行なっている施設はまだ少ないのが現状ですが、今後普及すればより確実に腰痛を治療できるようになるでしょう。 リゾトミーの特徴を正しく理解して腰痛の治療法を選びましょう リゾトミーは痛みに対して過敏に反応する知覚神経を、高周波のラジオ波で焼灼する治療法です。 痛みのサインを脳に伝える知覚神経を焼灼するため、知覚過敏による腰痛や慢性難治性腰痛など、保存療法では改善が難しい腰痛に対して効果を発揮します。 実際の治療には鉛筆やボールペンよりも細い電極針を用いる上、傷口が3ミリメートルから5ミリメートルと小さいため身体にかかる負担が小さく、日帰りで手術が受けられる点もメリットの一つです。 リゾトミーの後遺症で神経障害を発症した場合は、再生医療で対処できる可能性があります。 腰部脊柱管狭窄症の手術後に生じたしびれや残尿感に対する再生医療の治療例については、以下の症例記事をご参照ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 慢性腰痛にお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 リゾトミーに関するよくある質問 リゾトミーを受ければ慢性腰痛は完治する? リゾトミーで慢性腰痛が完治するかどうかは、症状の原因や生活習慣によります。 痛みの原因となる知覚神経を焼灼するリゾトミーは、痛みの症状を和らげることを目的とした対症療法に分類される治療法です。 慢性腰痛の原因が普段の姿勢や日常的な身体の使い方にある場合、リゾトミーの治療で一時的に痛みが消失しても、時間が経過すると再び腰痛を発症する可能性があります。 リゾトミーで腰の痛みが緩和したら、身体の使い方や姿勢を見直し、慢性腰痛を根本的な解消へ導くことが大切です。 リゾトミーは何科で受けられる? 多くはペインクリニック専門医という痛みの緩和を行う医師が治療を担当します。また、一部の整形外科でも受け付けていることがあります。 リゾトミーだけでなく、「高周波熱凝固法」や「ラジオ波焼灼脱神経化」などさまざまな呼び名で紹介されているため、お探しの際にはご注意ください。 リゾトミーの費用は?保険は適用される? リゾトミーは健康保険が適用されず自由診療のため、費用は全額自己負担が原則です。 自由診療では病院やクリニックが価格を自由に設定できるため、医療機関により費用が異なります。 平均するとおよそ60万円〜70万円が相場ですが、詳細は各医療機関にお問い合わせください。 リゾトミーと似た治療法に、高周波熱凝固法があります。高周波熱凝固法のうち、高周波パルス法は保険適応の対象となる可能性があります。 ただし、パルス高周波で一カ月に治療できるのは一部位のみです。
2024.03.25 -
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慢性腰痛が治らない背景には、筋肉や神経、姿勢、生活習慣など複数の要因が関係している場合があります。 湿布や痛み止めの服用を続けても改善が見られないときは、痛みの根本原因を見極めましょう。加齢や姿勢の崩れだけでなく、内臓疾患が潜んでいるケースもあるため注意が必要です。 この記事では、慢性腰痛が治らない主な原因や年代別の特徴、生活習慣の見直しポイントなどを詳しく解説します。慢性腰痛に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。 慢性腰痛の術後後遺症に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。 慢性腰痛の術後後遺症のお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 慢性腰痛が治らないと不安な方へ最初に伝えたいこと 慢性的な腰痛が続くと、眠れない日が増えたり、仕事に集中できなかったりと、心身ともに大きな負担を感じるものです。「このまま治らなかったらどうしよう」と将来への不安を抱える方も少なくありません。 しかし、慢性腰痛の多くは深刻な疾患によるものではなく、姿勢のゆがみや筋肉の炎症、ストレスなどの要因が重なっていることがほとんどです。原因をきちんと把握して治療を行えば、痛みが軽減し日常生活を取り戻せる可能性があります。 正しい治療方針を立てれば、長く続く腰痛も改善が目指せます。まずは冷静に現状と向き合いましょう。 慢性腰痛が治らない原因は?代表的な6つの要因を紹介 慢性腰痛が治らない原因は一つではなく、筋肉や関節の炎症、神経の過敏など複数の要因が絡み合っています。ここでは代表的な6つの原因を解説します。 筋肉・関節の炎症が慢性化している 筋肉や関節の炎症が長期間続くと、慢性的な腰痛を引き起こす要因になります。 炎症が治まりきらない状態では、わずかな動きでも痛みが再発し、体をかばう姿勢がクセになりやすくなります。結果として血流の悪化や筋肉のこわばりが進み、痛みの悪循環に陥るケースも少なくありません。 湿布や一時的な鎮痛薬だけでは根本的な改善につながりにくいため、専門的な治療によって炎症そのもののコントロールが重要です。 神経が過敏になり痛みを感じやすくなっている 神経が過敏になると、わずかな刺激でも強い痛みを感じるようになります。 腰痛が長引くと神経系が痛みに敏感な状態を「記憶」し、実際には炎症が軽くなっていても痛みの信号が脳に伝わり続ける状態になるケースがあります。 ストレスや不安が痛みを強めている 慢性的なストレスや不安は、神経を過敏な状態にし、痛みの信号を強めてしまうことがあります。 精神的な負担は神経のはたらきにも影響を与えるため、痛みのコントロールが難しくなります。脳が痛みを「危険信号」として過剰に受け取り、実際よりも強く痛みを感じてしまうのが特徴です。 精神的な不調が続くと、抑うつ状態を引き起こし、痛みへの感受性がさらに高まるケースもあります。ストレス由来の腰痛を改善するには、体への治療だけでなく、心理的なケアを並行して行うことが欠かせません。 姿勢や体のゆがみが痛みにつながっている 姿勢の崩れや体のゆがみは、慢性腰痛を引き起こす大きな要因の一つです。長時間のデスクワークや立ち仕事によって姿勢がゆがむと、骨盤の位置がずれて腰周りに大きな負担がかかります。 骨格のバランスが崩れると神経が圧迫され、痛みを強く感じやすくなる場合があります。さらに筋肉の緊張や血流の悪化も進行し、腰痛が治りにくい状態に陥ることも少なくありません。 日常生活での姿勢を意識するだけでなく、ストレッチやリハビリを取り入れてゆがみを整えることが、痛みの改善につながる重要なポイントです。 内臓疾患やがんなどの病気から症状が出ている 腰痛が長引く場合、以下のような病気が痛みの裏に隠れていることがあります。 内臓疾患 がん・感染症 神経圧迫(椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症) 具体的には、消化器系では胃や十二指腸潰瘍、泌尿器系では尿路結石や腎結石、婦人科系では子宮内膜症や子宮がんなどです。(文献1) 加えて、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの神経圧迫も慢性腰痛の原因です。(文献2)長期間続く腰痛は軽視せず、医療機関での原因の特定が改善への近道となります。 別の病気・症状を治療してから後遺症が残っている 慢性腰痛が長引く背景には、過去の病気や症状の後遺症が深く関わることがあります。腰椎や関節の手術後、筋力低下や可動制限が残り、腰に負担がかかりやすくなります。 また、ぎっくり腰や骨折、スポーツや交通事故による怪我の後も、体のゆがみや姿勢の崩れから慢性的な痛みを生みやすいです。後遺症は痛みの出方や日常生活の動き方にも影響し、放置すると慢性化が進む可能性があります。 【年代別】慢性腰痛が治らない方によくある原因 年代ごとに慢性腰痛が治らない原因は異なり、生活習慣や体の変化が影響します。ここでは以下の世代別に代表的な要因を解説します。 20代~30代|運動不足や反り腰 30代~40代|加齢や長時間のデスクワーク 50代以降|骨の変形や筋力低下 20代~30代|運動不足や反り腰 20代~30代で慢性腰痛が治らない背景には、運動不足や反り腰といった若年層特有の要因があります。デスクワークやスマホの長時間使用で腰周囲の筋肉が十分に使われず、骨盤や腰椎に過度な負荷がかかりやすいです。 とくに反り腰は腰椎の前弯を強調し、軽い動作でも腰にストレスがかかるため、痛みが慢性化しやすくなります。このように、若年層であっても筋肉のアンバランスや姿勢の崩れによって慢性的な腰痛が生じるリスクはあります。 30代~40代|加齢や長時間のデスクワーク 30代~40代で慢性腰痛が治らない理由には、加齢に伴う体幹筋力の低下と、長時間のデスクワークや運転といった生活習慣が深く関係しています。 腹筋や背筋といった体幹のインナーマッスルが弱まることで、体重を支える腰椎や関節への負担が大幅に増加し、以前であれば感じなかったような少しの動作でも痛みを感じやすくなります。 さらに、同じ姿勢を長時間続けることで、腰周囲の筋肉が硬直し、組織の柔軟性が失われ血流が悪化することも慢性化の原因の一つです。筋力の低下と、日常的な姿勢の負荷が複合的に重なることで、腰痛が長期化しやすくなります。 50代以降|骨の変形や筋力低下 50代以降の慢性腰痛は、加齢に伴う骨の変形や、全体的な筋力低下が主な原因として挙げられます。50代以降になると、背骨のクッション材である椎間板の弾力性が大きく低下し、腰椎や周囲の関節にかかる負荷が若い頃よりも増えます。 そのため、立ち上がりや重い物の持ち上げなど軽い動作でも痛みを感じやすいです。さらに、背筋や腹筋といった体幹を支える深部の筋肉が衰えることで、腰を安定させる力が弱まり、猫背や反り腰などの姿勢の崩れや腰への負担増加が慢性化につながります。 女性に多い慢性腰痛の原因とその対処法 女性の慢性腰痛は、月経や更年期に伴うホルモンバランスの変化、冷え、骨盤のゆがみが複合的に関わって起こります。 ホルモンバランスの変化は、関節や靭帯の柔軟性、痛みの感じ方にまで影響を与えます。とくに、腰回りの冷えは血行を滞らせ、筋肉に疲労物質が溜まりやすくなるため、腰痛の慢性化を招きやすいです。 また、体型維持を目的とした極端な食事制限などの無理なダイエットは、筋肉量を低下させ、腰を支える力が弱まることで腰痛を悪化させます。 日常的な骨盤のゆがみに対処するには、ストレッチやインナーマッスルを鍛える運動を取り入れ、根本的な改善を目指すのが重要です。 慢性腰痛が治らないときに見直すべき生活習慣とは? 慢性腰痛が治らない場合、日常の生活習慣が症状を悪化させることがあります。以下の見直すべき代表的な生活習慣を紹介します。 長時間の座りっぱなし 睡眠不足 運動不足 長時間の座りっぱなし 長時間の座りっぱなしは、慢性腰痛を悪化させる要因の一つです。座っている姿勢は立っているときよりも腰椎に高い圧力がかかるため、とくにデスクワークや長距離運転などで同じ姿勢を続けると、腰回りの筋肉が常に緊張して硬直していきます。 筋肉の硬直は血流を極端に悪化させ、疲労物質の排出を妨げる結果を招きます。また、座りすぎは骨盤のゆがみを誘発し、体全体のバランスを崩す原因にもなるでしょう。 睡眠不足(痛みの回復の阻害) 睡眠不足は、体の組織が痛みを回復させるプロセスを阻害し、慢性腰痛の治りを遅らせる原因の一つです。就寝中は、日中に負担のかかった筋肉や靭帯が修復される大切な時間ですが、睡眠が不足すると組織の回復に必要な成長ホルモンの分泌が低下します。 さらに、慢性的な寝不足は脳を過敏にするため、少しの刺激でも強い痛みとして認識しやすくなります。 運動不足(筋力低下) 慢性腰痛が治らない原因として、体幹を支える筋力の低下を招く運動不足も挙げられます。 とくに、腰椎を支える腹筋群や背筋群といったインナーマッスルが衰えると、姿勢を維持する力が弱まり、腰椎や椎間板に過度な負担が集中しやすくなります。 筋力不足の状態は、骨盤のゆがみの原因にもなるでしょう。激しい運動は不要ですが、ウォーキングや軽度なストレッチ、体幹トレーニングなどを習慣化し、腰を支える土台となる筋力を維持・強化していくことが重要です。 慢性腰痛が治らないときは医療機関の選び方も大切 慢性的な腰の痛みが改善しない場合、原因に応じて適切な診療科を選ぶことが早期改善の鍵となります。 以下に症状の状況と、最初に検討すべき診療科の目安をまとめました。 状況 検討すべき診療科 役割 初期診療 整形外科 骨、関節、筋肉、神経の構造的な問題を総合的に診断する初期窓口 整形外科で改善しない ペインクリニック 神経ブロック注射や薬物療法など痛みの緩和治療に特化 強いストレスや不安が伴う 心療内科 痛みに伴う不安や不眠、心因性の影響を診断・治療 手術後の後遺症や根本的な組織修復を目指す 再生医療クリニック PRP療法や幹細胞治療など組織修復アプローチを検討 とくに慢性腰痛の場合、単なる骨や筋肉の問題だけでなく、心理的な要因が関わっていることもあります。そのため、整形外科だけでなく、ペインクリニックや心療内科など、症状に応じた専門的な治療が必要になる場合があります。 また、慢性腰痛の術後後遺症に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。 以下の記事では、腰椎ヘルニアの術後後遺症に対する再生医療の症例を紹介しています。ぜひ参考までにご覧ください。 慢性腰痛の術後後遺症のお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 慢性腰痛が治らないときにやってはいけないNG行動 慢性腰痛が治らないとき、自己流の誤った対処法は症状を悪化させるリスクが高まります。とくに以下の行動は避ける必要があります。 自己流で強いマッサージ・ストレッチを行う 痛みを無視して無理に動く 痛み止めに頼りすぎる 強いマッサージやストレッチは、炎症を起こしている組織をさらに傷つけ、かえって痛みを強めてしまいます。また、痛みを薬で一時的に抑えて無理に活動を続けると、症状を悪化させるリスクがあるため無理は禁物です。 痛みが長期化している場合は、自己判断を避け、必ず専門医に相談して適切な診断を受けましょう。 慢性腰痛が治らない場合は適切な医療機関で治療を受けましょう 長引く慢性腰痛を治すためには、自己判断を避け、適切な医療機関で根本原因に対する治療を受けることが重要です。 この記事で解説したように、腰痛には加齢や生活習慣、心理的要因、そして後遺症などさまざまな原因が潜んでいます。とくに、これまでの治療で改善が見られない方や、手術後の後遺症が疑われる場合は、従来の治療法にとらわれない選択肢の検討も必要です。 慢性腰痛の術後後遺症に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。 当院リペアセルクリニックでは再生医療を活用し、長引く腰痛や術後後遺症に向き合う治療を行っています。専門スタッフが症状を丁寧にヒアリングした上で、適切な治療プランを提案します。 腰痛に対する再生医療の治療例については、以下の症例記事をご覧ください。 慢性腰痛の術後後遺症のお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談まで、お気軽にお問い合わせください。 参考文献 (文献1) がん疼痛の分類・機序・症候群 |日本緩和医療学会 (文献2) 「治療と職業生活の両立等 の支援手法の開発」 のための事業 |厚生労働省
2024.03.22 -
- 幹細胞治療
- 脊椎
- 脊椎、その他疾患
慢性腰痛とは、一般的に「12週間以上持続する腰痛」のことです。多くの場合、治療が効かずに慢性化してしまっており、痛みを一気に解決する方法はなかなか見つかりません。 しかし、腰痛によってあまり動けない状態が続くと、体幹や全身の機能が低下していきます。日常生活や仕事への影響が拡大する前に、何とか治したいと考える方は多いでしょう。 腰痛の治療は保存的療法が基本ですが、手術が有効なケースもあります。 この記事では、手術が有効な可能性がある腰痛の種類と、主な手術方法について解説します。また、手術以外の選択肢として再生医療についても紹介しますので、長引く腰痛に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。 慢性腰痛の治し方として手術が有効かは症状による 慢性腰痛の治療には、手術以外にもさまざまな保存的治療があります。(文献1) 治療項目 詳細 運動療法 ・全身を鍛えることで腰が安定する ・腰の負担が軽くなる 薬物療法 内服薬や神経ブロック注射で痛みを軽減する 物理療法 マッサージや鍼治療、温熱療法、経皮的電気刺激(TENS)などで痛みの軽減を図る 腰痛教室 ・腰痛のメカニズムを知る ・動作上の注意点や腰痛体操といった予防策を学ぶ 認知行動療法・心理面のケア ・痛いから何もできない、といった思い込みを解消する ・ストレス対策、カウンセリングなど 症状によっては、運動療法と心理面のケアを組み合わせれば、手術と同等の効果があるともいわれます。(文献2)手術はあくまで選択肢の一つであることを知っておきましょう。 手術が有効な治療法となる慢性腰痛の原因・症状 手術が有効となりえるのは、神経が圧迫されて腰痛が生じている場合です。(文献2)病名としては以下が挙げられます。 椎間板ヘルニア 腰椎すべり症 腰椎分離症 変形性脊椎症 など こうした病気でも、最初は保存的治療により様子を見ます。しかし、痛みやしびれ、排泄障害などによって日常生活への支障が大きい場合は手術を検討します。 一方で、神経を圧迫する明らかな狭窄やすべり症を伴わない慢性腰痛の場合は、慎重な判断が必要です。少なくとも脊椎固定術については、効果は限定的とされており、積極的には行いません。(文献2) 慢性腰痛における手術での治療方法を紹介 ここでは慢性腰痛の治療で検討される代表的な手術方法を紹介します。 リゾトミー(高周波熱凝固法) 脊椎固定術 全内視鏡下脊椎手術 再生医療 手術以外の選択肢として再生医療についても解説するので、ぜひ参考にしてください。 リゾトミー(高周波熱凝固法) リゾトミーは神経ブロックの一種で、高周波の熱を使って痛みの原因となる神経を焼き切る治療法です。神経を完全に殺すわけではなく、数か月ほどで再生します。 局所麻酔薬による神経ブロックが効くけれど、長持ちせず困っている方に良い適応となります。とくに神経根の圧迫による痛みに対して効果があるとされています。 リゾトミーを行う手順は以下のとおりです。 手術台にうつ伏せになっていただき、対象となる腰椎の横突起関節(おうとっきかんせつ)の皮膚を洗浄・滅菌する 局所麻酔薬を注射し、皮膚とその下の組織の痛覚を抑える X線で確認しながら、腰椎へ特殊な針を挿入し、腰痛の原因と考えられる神経に針先を向ける 針に小さな電流を流して、筋肉のひきつれや痛みの誘発をテストし、正しい神経に届いていることを確認する 針を通して高周波エネルギーを送り、神経を加熱して焼き切る 針を抜き、挿入部位を包帯で覆う これでリゾトミー治療は終了です。しばらく経過観察した後、その日のうちに帰宅できます。 脊椎固定術 脊椎固定術とは、不安定になったり変形したりしている脊椎を固定する手術です。脊椎をボルトで固定し安定を図る方法(脊椎固定術)と、狭くなった背骨の間にスペーサーを挟んで整える方法(LIF:椎体間固定術)があります。 両者を併用する場合も多く、総称して脊椎固定術と呼ぶこともあります。 神経を圧迫している明らかな狭窄がある場合や、腰椎すべり症により背骨がずれている場合は、脊椎固定術の良い適応です。腰痛の原因が椎間板障害だとわかっている場合は、脊椎固定術で痛みが軽減する可能性があります。(文献3) 脊椎をボルトで固定する手術は、一般的に背中側から行います。狭くなった脊椎にスペーサーを挟む手術は、おなか側から手術する方法(ALIF)、背中側から手術する方法(PLIF・TLIF)、内視鏡を使って脇腹を経由する方法(LLIF)に大きく分けられます。(文献4) どの方法で手術する場合も、入院して全身麻酔で行うのが一般的です。 全内視鏡下脊椎手術 内視鏡だけで完結する脊椎の手術が、全内視鏡下脊椎手術です。腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症といった一部の慢性腰痛症に適用となります。飛び出している椎間板を切除する手術や、スペーサーを挟んで椎間を広げる手術などが、内視鏡だけで可能です。 内視鏡手術の利点として、傷が小さく痛みも少ない、筋肉や内臓を触ることによる合併症が起きにくい、といった体への負担の少なさが挙げられます。治療内容や病院の対応状況によっては、局所麻酔で手術可能な場合もあります。また、入院期間も短く済むのが一般的です。 なお、過去の手術により癒着が起きている恐れがある場合や、脊椎周辺の靱帯が全体的に硬くなっている場合など、内視鏡では対応できないケースもあります。ただし、たとえば背中からの手術歴がある方に、脇腹経由で再手術できるケースもありますので、主治医とよく相談してみてください。 再生医療 再生医療は手術ではありませんが、保存的治療とも異なります。さまざまな細胞に分化できる幹細胞の性質を活かした、体への負担がの少ない治療法です。入院の必要はなく、日帰りの処置と注射で治療が完結します。 再生医療は、慢性腰痛の手術をどうしても避けたい方や、事情があって手術を受けられない方でも行える可能性があります。また、手術を受けたけれど症状が変わらない方や、再発・悪化した方も検討可能です。 当院「リペアセルクリニック」での再生医療「幹細胞治療」の流れは以下のとおりです。 患者様の腹部から、米粒2~3粒程度の脂肪組織を採取する 脂肪組織から幹細胞を抽出し、約1カ月間培養する 増やした幹細胞を、点滴または脊髄腔内に直接注射して投与する 脊髄腔内への投与は注射により、傷ついた神経の近くに直接幹細胞を届けられます。 慢性腰痛の手術治療における費用目安・治るまでの期間 慢性腰痛の手術治療の費用感(自己負担額)と、およその入院期間をまとめました。症状や治療内容によって異なるため、あくまで目安とお考えください。 手術の種類 費用目安(検査や入院費用も含む) 入院期間 リゾトミー(高周波熱凝固法) ・保険診療:数千円 ・自由診療:約30~60万円 日帰り可能 脊椎固定術 約60〜85万円 7日~2週間 全内視鏡下脊椎手術 約25〜40万円 5日~7日 リゾトミーを保険で行うには条件があるため、自由診療で治療を行う医療機関もあります。 脊椎固定術では一般的に、術後3カ月ほどコルセットの着用が必要です。 どの手術においても、完全な痛みの軽減を実感するまでには個人差があり、数週間から数カ月かかることがあります。治療後は、手術を受けた医療機関へ定期的に通院し、必要なフォローアップを受けたり、リハビリテーションに取り組んだりしましょう。 慢性腰痛に対する各手術のリスク 慢性腰痛の手術にはリスクも伴います。先に紹介した手術の主なリスクについてまとめました。 手術の種類 主なリスク リゾトミー(高周波熱凝固法) ・感染 ・軽度の熱傷 ・迷走神経反射(血圧低下などの自律神経反応) 脊椎固定術 ・一時的な筋力低下や感覚障害(手術中に筋肉に触った場合) ・腎臓、尿管、大腸などの損傷や、動静脈損傷 ・下肢麻痺、下肢知覚鈍麻、排尿排便障害 ・硬膜の損傷、脳脊髄液の漏出 ・髄膜炎 全内視鏡下脊椎手術 ・一時的な筋力低下や感覚障害(手術中に筋肉に触った場合) ・下肢麻痺、下肢知覚鈍麻、排尿排便障害 ・硬膜の損傷、脳脊髄液の漏出 ・髄膜炎 リゾトミーは、重い合併症の発現率が0.92%と低く、安全性が高い手術とされています。(文献2) 脊椎固定術と全内視鏡下脊椎手術は、どちらも手術操作に伴う合併症のリスクがあります。長時間にわたり同じ姿勢で手術を受けるため、下になっていた皮膚の損傷や、皮膚の神経麻痺が起きる可能性もゼロではありません。 まとめ|慢性腰痛の治療で手術が有効か気になる場合は専門医へ相談 慢性腰痛の原因が、椎間板ヘルニアや腰椎すべり症などによる神経への圧迫の場合、手術が有効なケースがあります。しかし、手術には多額の費用がかかるほか、さまざまな合併症のリスクも伴います。 慢性腰痛の治療方法は手術だけではありません。運動療法や薬物療法、心理療法といった保存的治療や、再生医療も選択肢となります。慢性腰痛に悩んでいれば、医療機関へ相談しましょう。どの治療が適しているか、医師としっかり相談して治療していくのが大切です。 また、手術をどうしても避けたい方や、手術の結果が思わしくない方は、再生医療が力になれるかもしれません。慢性腰痛の再生医療に興味のある方は、当院へお気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 参考文献 (文献1) 村田淳ほか.「慢性腰痛の疼痛管理─リハビリテーションの視点で」『日本腰痛会誌』10(1), pp.23-26, 2004年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/yotsu/10/1/10_1_23/_pdf(最終アクセス:2025年4月19日) (文献2) 真興交易(株)医書出版部「慢性疼痛診療ガイドライン」2021年 https://www.jhsnet.net/pdf/totsu_guideline_jp.pdf(最終アクセス:2025年4月19日) (文献3) 一般社団法人 日本腰痛学会「腰痛に関する手術治療」日本腰痛学会ホームページ https://www.jslsd.jp/medical/surgical-treatment/(最終アクセス:2025年4月19日) (文献4) 上田茂雄ほか.「側方経路椎体間固定術のメカニズム─手術適応と合併症の回避」『脊髄外科』32(2), pp.143-150, 2018年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/spinalsurg/32/2/32_143/_pdf(最終アクセス:2025年4月19日)
2024.03.19 -
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この記事を読んでいる方は「椎間板ヘルニアのPLDD手術で失敗したらどうなるのだろう」と不安になっているのではないでしょうか。 椎間板ヘルニアのPLDD手術は、メスを使わないため出血が少なく、全身麻酔の必要もないため、患者さんの負担の少なさが特徴です。しかし、適応できるヘルニアは限られ、自分の状態に合うかをよく見極める必要があります。 本記事では、椎間板ヘルニアのPLDD手術について、失敗と言われる例や失敗を防ぐポイント、失敗した際の対処法などを詳しく解説します。記事を最後まで読めばPLDD手術の注意点がわかり、より失敗の少ない施術を検討できるでしょう。 【効果なし?】ヘルニアのPLDDが失敗だったと言われる3つの例 椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板が飛び出して神経を圧迫し、痛みやしびれを引き起こす病気です。その治療法として、経皮的レーザー椎間板減圧術(PLDD:Percutaneous Laser Disc Decompression)が注目を集めています。 しかし、PLDDはすべての患者さんにとって最適な治療法とは限りません。 「ヘルニアのPLDDが失敗だった」と言われる主な例は以下の3つです。 十分な効果が得られずに痛みが続く 合併症や後遺症が起こる ヘルニアが再発する 本章の内容をもとに、PLDDが失敗だったと言われる例を確認しておきましょう。 なお、PLDD手術の詳細は、以下の記事で詳しく説明しています。 十分な効果が得られずに痛みが続く もともと効果が期待できない人が手術を受けた場合、術後も痛みが続いて「PLDDに失敗した」と思う可能性があります。 PLDDは、局所麻酔で1ミリmm程の穴から針を挿入し、レーザーを椎間板中心部に照射します。髄核を一部蒸発させて内圧を下げることで、神経を圧迫していたヘルニアが引き戻され、腰痛やしびれが改善する手術です。 適するヘルニアの大きさや症状には限りがあり、残念ながら他の手術法の方が良い方におこなわれて「効果がなかった」となるケースもあります。 PLDDが適するヘルニアの種類については、記事の後半で説明します。 合併症や後遺症が起こる PLDDはリスクが少ないと言われていますが、以下のような合併症が起こるケースもあります。 手術後の感染 レーザーの影響による骨壊死 レーザーの誤照射や針による損傷 どんな手術にもリスクは存在します。メリットだけでなくデメリット・リスクなども事前によく確認するようにしましょう。 ヘルニアが再発する 手術後に痛みが改善しても、その後ヘルニアが再発して「PLDDは失敗だった」と思うケースも考えられます。 PLDDの治療成功率は約70%で比較的高い傾向ですが、約5%の確率で再発するといわれています。(文献1) ただしPLDD以外の手術であっても、手術後の再発リスクはゼロではないことが多いでしょう。 手術を受ける前に再発リスクについて確認し、PLDDを受けるべきか検討することが大切です。 当院「リペアセルクリニック」では、椎間板ヘルニアのPLDDにおける後遺症の治療に再生医療(幹細胞治療)をおこなっています。従来の点滴による投与方法のほかに、より神経の再生にアプローチしやすい「脊髄腔内ダイレクト注射」も選択可能です。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」から気軽にお問い合わせください。 ヘルニアのPLDD手術で失敗しないためのポイント3選 リスクが少ないといえども、PLDD法が失敗する可能性はあります。治療を後悔しないために大切な内容は、以下のとおりです。 自分のヘルニアにPLDD手術が適しているかチェックする 費用や期待できる効果を事前に確認する 手術後の注意点を守る 本章の内容をもとに、PLDDの失敗を防ぐための知識を身に着けておきましょう。 自分のヘルニアにPLDD手術が適しているかチェックする 椎間板ヘルニアには、PLDDが適するものと適さないものがあります。 ここからの内容をもとに、自分のヘルニアが、PLDDに適しているかどうかを確認しましょう。 症状が似ている「脊柱管狭窄症」とヘルニアの見分け方については、以下の記事をごらんください。 PLDDが適している可能性が高いケース 椎間板ヘルニアに対してPLDDが適する可能性が高いケースは、以下のとおりです。(文献2) 内容 詳細 神経根の圧迫による症状である 以下の典型的な症状がある: 下肢への放散痛(坐骨神経痛) 腕への放散痛など 画像診断でヘルニアが確認され、症状と一致する 椎間板の突出が神経根を圧迫しているのが明確である とくに椎間板が全体的に膨らんだような形になっているヘルニア(膨隆型:ぼうりゅうがた)は良い適応 保存的治療(薬物療法、物理療法など)で十分な改善が見られない 数週間から数カ月の保存的治療後に効果が不十分な場合、PLDDを検討することがある 医師の説明を良く聞き、相談した上で手術を受けるか検討するようにしましょう。 腰椎椎間板ヘルニアについては、以下の記事で詳しく解説しています。 PLDDが適していない可能性が高いケース PLDDが適さない可能性が高いケースは、以下のとおりです。 内容 理由・解説 椎間板の破裂や大きな脱出がある PLDDは椎間板の小さな突出に対して効果的だが、大きな脱出や破裂には適さないため 重度の椎間板狭窄や脊椎管狭窄がある PLDDによる改善が難しく、他の手術的治療が必要な可能性があるため 椎間板感染症や腫瘍がある PLDDの適応外であるため 椎間板以外の原因による症状がある 椎間板ヘルニア以外の原因で症状が出ている場合は、PLDDが適さないため 例) 筋肉の緊張 関節の問題など PLDDの適応は状態や症状によって異なるため、専門医による詳細な診断と評価が欠かせません。他の治療方法との比較検討も含めて、専門医と十分に相談しましょう。 PLDD以外の手術法については、以下の記事で詳しく説明しています。 費用や期待できる効果を事前に確認する PLDD手術を受ける前は、以下の4点を確認しておきましょう。 費用 期待できる効果 副作用 治療後の経過観察やリハビリの必要性 痛みがつらいときは、「早く痛みを取り除きたい」という一心で手術を決断しがちです。しかし、手術後のトラブルや失敗を減らすには、費用や副作用、術後のケアなども事前に確認すべきです。 気になる点は必ず質問し、疑問を残さないようにしましょう。 PLDDの費用については、以下の記事で解説しています。 手術後の注意点を守る PLDDは、身体に与える負担が小さい治療です。しかし、治療後には以下のような注意点を守る必要があります。 術後は安静にし、医師の指示に従って徐々に活動を再開する 痛みやしびれが再発した場合は、早めに医師に相談する 定期的な通院やリハビリなどのフォローアップを受け、症状の変化に注意する 手術後の不十分なケアによる再発防止にも、注意点は大切な役割を果たします。 PLDDの有効性や手術後の痛みについては、以下の記事も参考にしてみてください。 ヘルニアのPLDDで失敗したら再生医療を検討しよう PLDDは、ヘルニアによる短期的な痛みの軽減に有効であると考えられます。しかし、変性した椎間板そのものの修復はできません。 PLDDの他に、椎間板ヘルニアに対する治療選択肢としては、再生医療があります。 再生医療の一つである「幹細胞治療」は、身体から採取した幹細胞を培養して投与する治療法です。椎間板ヘルニアによる神経損傷や変性した椎間板に対する治療として実施されています。 また、PLDDと再生医療を組み合わせることで、椎間板ヘルニアの痛みの軽減と椎間板の修復・再生の両方を目指すアプローチとなる可能性があります。。 ただし、再生医療は治療費が高額になる可能性があるため、費用と効果のバランスを考慮する必要があります。 まとめ|ヘルニアのPLDDで失敗しないためのポイントを知っておこう PLDDは、椎間板ヘルニアの治療に有効な選択肢ですが、すべての患者さんに適するわけではありません。 治療を受ける前には、自分の状態がPLDDに適するかを理解し、医師と十分に相談することが重要です。また、治療後の適切なケアとフォローアップも欠かせません。 患者さんご自身が積極的に情報を収集し、自分に適した治療法を選択することが、後悔しないための鍵となるでしょう。 当院「リペアセルクリニック」では、ヘルニアにおけるPLDDの失敗や後遺症に関して再生医療(幹細胞治療)を提供しています。 もし術後の後遺症にお困りであれば、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」にご相談ください。 PLDDのヘルニア手術の失敗が気になる人によくある質問 PLDDを失敗しない名医を探す方法はありますか? どんな手術にもリスクはあります。 そのため、「絶対失敗しない名医」ではなく、「自分が信頼できる医師」を探す方が現実的ではないでしょうか。 医療機関を探す際は、以下のポイントを確認しましょう。 病院や医師の実績 納得できる説明がされたか なお、PLDDは自由診療のため、金額をはじめとする詳細は医療機関によって異なります。他の手術方法も念頭に置き、自分に合う治療法・医師を探してみてください。 PLDDが失敗する確率はどのくらいですか? 文献によってばらつきがありますが、PLDDが有効な症例に対して行った場合の成功率は75~89%というデータがあるため、失敗する確率は11~25%程度とわかります。(文献3) しかし、効果がなく、失敗する確率が高いヘルニアの人にPLDDがおこなわれる可能性を考えると、正確な失敗率は何とも言えません。 自分の症例にどの程度の確率でPLDDの効果が期待できるかは、医師へ確認してみるのが良いでしょう。 当院「リペアセルクリニック」では、PLDD手術の失敗例や後遺症に対して再生医療(幹細胞治療)をおこなっています。相談は無料で受け付けておりますので、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」まで気軽にご相談ください。 参考文献 (文献1) 石井克典ほか,椎間板ヘルニア髄核組織の光学特性の算出と経皮的レーザー椎間板減圧術の最適波長に関する一考察.2010;31(2):152-157 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jslsm/31/2/31_2_152/_pdf(最終アクセス:2025年2月25日) (文献2) 中溝 寛之ほかレーザーによる経皮的椎間板減圧術 (PLDD法) の経験.中四整会誌.1997;10 (2): 229-233. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcsoa1989/10/2/10_2_229/_pdf/-char/ja(最終アクセス:2025年2月17日) (文献3) Hellinger J. ,Technical aspects of percutaneous laser disc decompression (PLDD),Lasers in Surgery and Medicine, 1999.Dec;16(6):325-31. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10204439/(最終アクセス:2025年2月17日)
2024.03.15 -
- 幹細胞治療
- 脊椎
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 再生治療
腰椎椎間板ヘルニアによる慢性的な痛みやしびれに悩む方の中には「手術は避けたいが、痛みを改善したい」と思う方も多いでしょう。 放置すると症状が悪化し、歩行困難や日常生活への影響が深刻になることもあるので、適切な治療を選んで早めに対処することが重要です。とくにPLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)は、低侵襲で回復が早い治療法として注目されています。 手術よりも身体的負担が少なく、日帰りも可能ですが、効果や後遺症のリスクも気になるでしょう。 この記事では、PLDDのメリット・デメリット、後遺症の可能性、費用感について詳しく解説します。治療方法の参考にしてください。 メリット・デメリットを理解するための PLDD治療に関する基礎知識 PLDD(Percutaneous Laser Disc Decompression経皮的レーザー椎間板減圧術)は、レーザーを使用して椎間板内の圧力を低下させ、神経への圧迫を軽減する治療方法です。 具体的には、皮膚とその下の筋肉に局所麻酔を施した後、非常に細い針(0.4㎜)を背中から椎間板に挿入します。その針の中にレーザーファイバーを通し、レーザーを照射して椎間板内の髄核の一部を蒸発させます。この過程により、椎間板が縮小するため圧力が下がり神経への圧迫が軽減する手術です。 PLDDは主に頚椎や腰椎のヘルニア治療に用いられ、従来の手術に比べて侵襲性(体への負担)が低いのが特徴です。 PLDD治療のメリット PLDD治療のメリットは4つあります。 直接神経に触れない治療のため安心して受けやすい 切開をほとんど伴わず手術後に日帰りできる 局所麻酔で手術可能なので身体への負担が少ない 再生医療とPLDD治療を併用しやすい それぞれ詳しく解説します。 直接神経に触れない治療のため安心して受けやすい PLDD治療は、直接神経に触れることなく施術を行えるのがメリットです。レーザーファイバーを椎間板内に直接挿入し、神経から十分に距離をとった状態で処置を行うため、手術中の神経損傷を起こしにくく安全性が高いとされています。 従来の外科手術に比べて出血も少なく、身体への負担が軽減できるため、高齢者や体力に不安がある方でも安心して受けやすい治療法です。また、局所麻酔で行うため、全身麻酔ほどのリスクがありません。 ただし、すべてのヘルニアに適応できるわけではなく、効果にも個人差があるため、事前の画像診断や診察による適応判断が重要です。 切開をほとんど伴わず手術後に日帰りできる PLDD治療は、直径0.4㎜程度のレーザーファイバーを挿入するだけであり、切開をほとんど伴わない治療法です。施術時間は30〜60分程度と短く、多くの場合は手術当日に退院できます。 皮膚を大きく切開しないので感染症のリスクが低く、術後の回復もスムーズです。術後の痛みも少なく、歩行や軽い日常動作はすぐにできます。入院が不要なため、以降の仕事や家庭への影響はほとんどありません。 保存療法でなかなか改善しない方、高齢で大がかりな手術が難しい方などにおすすめの治療方法です。 局所麻酔で手術可能なので身体への負担が少ない PLDD治療は、局所麻酔で手術が可能なため、身体への負担が少ない治療法です。全身麻酔のリスクを避けられるため、手術中の負担を軽減できます。高齢者や全身麻酔が困難な方でも、安心して治療を受けることが可能です。 局所麻酔による手術は、術後の回復が早く、長時間の入院も不要です。とくに持病を抱えている方や体力に不安がある方に適しています。全身麻酔が不要なため、術後の体調管理も容易です。痛みが比較的少なく、社会復帰もスムーズに進められます。 身体への負担を抑えながら、効果的な治療を受けたい方におすすめです。 再生医療とPLDD治療は併用しやすい PLDD治療は、レーザーで椎間板の圧力を下げて神経の圧迫を和らげやすい低侵襲の治療法です。再生医療と組み合わせることで、さらに治療効果を高められます。 PLDD後に幹細胞を注入すると、神経の修復が促進され、炎症の軽減や組織の再生が期待できます。PLDDは皮膚を小さく穿刺するだけで負担が少ないため、再生医療との相性が良好です。 細胞の修復能力を活用することで術後の回復が早まり、痛みの再発リスクも抑えられます。ヘルニアの再発を防ぎたい場合、PLDDと再生医療の併用が有効です。 PLDD治療のデメリット(リスク) PLDD治療のデメリットは以下の5つがあります。 効果が即効性に乏しい 治療にかかる費用が全額負担になる ヘルニアの状態・種類によって治療を適用できない場合がある 手術後に後遺症が出ることがある ヘルニアが再発するリスクがある それぞれ解説します。 効果が即効性に乏しい PLDDは即効性に乏しい点がデメリットです。手術後すぐに症状が改善するわけではなく、1週間程度経過してから徐々に効果が現れます。完全に改善するまでには2〜3カ月ほどかかることが一般的です。ヘルニアの状態によっては、痛みの軽減が十分でない場合も考えられます。 レーザーによる椎間板の減圧が少しずつ進むため、即効性を求める方には向いていません。日常生活への影響を抑えながら治療を受けられる反面、効果を実感するまでに時間が必要です。そのため、改善までの期間を考慮した治療計画を立てることが大切です。 治療にかかる費用が全額負担になる PLDDの治療費は自己負担となり、保険が適用されません。病院によって費用は異なりますが、30〜50万円程度が相場です。自由診療のため、高額療養費制度は利用できません。 治療を検討する際は、費用と想定される効果を考慮し、納得した上で選ぶことが大切です。クレジットカード払いや医療ローンを利用できる場合もあるため、支払い方法について事前に確認すると安心でしょう。 また、PLDD治療費は他の医療費と合わせて年間10万円を超える場合、医療費控除の対象となり還付金を受け取れる可能性があります。ただし、医療費控除を受けるには確定申告が必要なので注意してください。 ヘルニアの状態・種類によって治療を適用できない場合がある PLDDは、すべての椎間板ヘルニアに適用できるわけではありません。ヘルニアの状態や種類によっては、治療を行えないか効果が限定される場合があります。 たとえば、椎間板の変性が進んでいると、PLDDのレーザー照射による減圧が十分に機能しない可能性が高いです。 また、大きく突出したヘルニアや、神経を強く圧迫しているケースでは、手術が必要になる場合もあります。骨の変形を伴うヘルニアや脊柱管狭窄症がある場合も、適応外となる可能性があります。 このようなケースがあるため、事前に画像診断を受けることが大切です。適用範囲に制限がある点を理解した上で治療を検討しましょう。 手術後に後遺症が出ることがある PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)は低侵襲な治療法ですが、手術後に後遺症が出ることがあります。主な後遺症は以下の通りです。 症例 概要 神経障害 神経の損傷や圧迫によるしびれや感覚異常が生じることがあります。 炎症の持続 手術後の炎症が長引き、痛みが続くケースもあります。 症状の再発 PLDDは根治治療ではなく、時間の経過とともに症状が再発することがあります。 椎間板の損傷 レーザーによる熱ダメージで椎間板が脆くなり、損傷が広がる可能性があります。 感染症 低侵襲手術とはいえ、感染リスクが少なからずあります。 PLDDは侵襲性が低いものの、少なからず後遺症のリスクがあります。 これらの後遺症に対し、再生医療が適用できます。再生医療の幹細胞治療により、損傷した組織の回復を促すことが可能です。症状に応じた適切な治療を受けることで、改善が見込めます。 ヘルニアが再発するリスクがある PLDDの有効率は、文献によって異なりますが、約70%と報告されています(文献1)。一方、一般的に行われる椎間板切除術では、術後5年で再発率が1.5〜8.5%です(文献2)。単純な比較はできませんが、PLDDはこれらより治療成績が劣ると考えられます。 PLDDは、椎間板の内圧を下げることでヘルニアの圧迫を改善する治療法です。しかし、ヘルニアが後縦靭帯を突き破っている場合、すでに椎間板内圧が低下しているため、レーザーで髄核を焼いてもヘルニアが縮小しません。そのため、PLDDの適応は保存療法が効かず、後縦靭帯を破っていないヘルニアに限られます。 頸椎・腰椎ヘルニア・狭窄症の治療や後遺症には再生医療をご検討ください 頸椎・腰椎のヘルニア・脊柱管狭窄症は、十分な改善が得られず手術後も後遺症が出ることがあります。 当院リペアセルクリニックでは、幹細胞を脊髄の損傷部位へ直接投与する再生医療を提供中です。この治療法は、国内ではほとんど届出されていない先進的な治療方法で、損傷部位の神経修復を目的としています。 脊髄の神経が損傷し、慢性的なしびれや痛みが続く方におすすめです。リハビリと組み合わせることで、症状の改善や生活の質の向上も期待できます。 従来の治療で十分な改善が見られなかった方、治療後に後遺症が出てお悩みの方はぜひ当院の再生医療をご検討ください。 PLDD治療のデメリットが気になる方は再生医療もご検討ください PLDDは、低侵襲で回復期間が短いため日帰りで手術を受けられるのがメリットの治療法です。 検討する際は適応やリスクを十分に理解し、他の治療法と比較することが重要です。再生医療と組み合わせることを選択肢の一つとして検討するのも良いでしょう。 また、症状によっては再生医療のみでも高い治療効果が出ています。 当院では、脊髄損傷や椎間板の変性に対する再生医療として、自己脂肪由来幹細胞治療や脊髄腔内ダイレクト注射療法により直接投与する方法を提供しております。 椎間板ヘルニアや術後の後遺症にお悩みの方は、一度リペアセルクリニックまでご相談ください。 参考文献 (文献1) 佐藤 正人ほか.「レーザー照射が椎間板細胞に与える影響ーPLDDへの警鐘ー」『日本レーザー医学会誌』 31(2),pp.146-151, 2010. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jslsm/31/2/31_2_146/_pdf/-char/ja (最終アクセス:2025年3月20日) (文献2) 日本整形外科学会「腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021 改訂第3版」2021年 https://minds.jcqhc.or.jp/common/wp-content/plugins/pdfjs-viewer-shortcode/pdfjs/web/viewer.php?file=https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00645.pdf&dButton=false&pButton=false&oButton=false&sButton=true#zoom=auto&pagemode=none&_wpnonce=3b871a512b (最終アクセス:2025年3月20日)
2024.03.12 -
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- 頚椎椎間板ヘルニア
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- 再生治療
PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)は、切らずに施術できる椎間板ヘルニア治療として注目されていますが、術後に予期せぬ症状が現れることもあります。 「しびれが残る」「痛みが強まる」「ヘルニアが再発した」といったケースもあり得るため、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。 本記事では、PLDDによって生じる恐れのある後遺症やリスク要因、近年注目されている再生医療による治療の可能性について詳しく解説します。 なお、椎間板ヘルニアに対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。 椎間板ヘルニアのお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 PLDDの後遺症・合併症 PLDDは低侵襲な椎間板ヘルニア治療法として注目されていますが、すべての患者において合併症や後遺症のリスクがゼロになるわけではありません。 術後にさまざまな症状が発生する可能性があるため、リスクを事前に把握しておくことは治療の選択において重要です。 ここでは、PLDDにおける代表的な後遺症や合併症について詳しく解説します。 神経障害 PLDDでは、レーザー照射で椎間板の中心にあるゼリー状の組織「髄核(ずいかく)」を減圧しますが、熱や操作によって神経に以下のような影響が及ぶリスクがあります。 知覚異常(しびれ、感覚鈍麻) 運動麻痺(筋力低下、動作困難) 神経痛の持続または悪化 これらの症状は手術直後に発症するケースが多く、早期の対応により回復が見込まれることもあります。 神経障害が疑われる場合には、速やかな診察と神経学的検査が必要です。 炎症 PLDDによる熱処理は、局所的な炎症を引き起こす可能性があります。 術後にみられる主な炎症反応は、以下のとおりです。 浮腫や腫脹による神経圧迫 滑膜炎や線維化による可動域の制限 発痛物質の増加による痛覚過敏 これらの症状は術後の痛みや違和感の一因となる場合があり、アイシングや消炎鎮痛薬が必要です。 症状が強い場合は画像検査などで評価し、追加の治療が検討されます。 ヘルニアの再発 PLDDは根治的な手術ではなく、髄核の圧力を一時的に軽減する治療方法です。 以下の要因により、再発のリスクを伴います。 髄核減圧が不十分だった場合 椎間板変性が進行している場合 術後に過度な負荷がかかった場合 再発した場合には再度の保存療法やPLDDの再施行、もしくは別の治療が必要になるケースがあります。 椎間板損傷 PLDDでは、レーザーの熱によって椎間板自体が損傷を受ける可能性があります。 主な損傷例としては以下のとおりです。 椎間板の線維輪に亀裂が生じる 組織のタンパク質が変性し、弾性が低下する 椎間板変性が加速する これらは術後の疼痛や運動制限の原因となり、長期的には椎間板の機能低下につながる恐れがあります。 症状が持続する場合は、MRIなどで評価と追加の治療の検討が必要です。 感染症 PLDDは切開を伴わない低侵襲手技ですが、穿刺操作があるため感染のリスクを完全になくせるわけではありません。 以下のような感染症のリスクがあります。 椎間板炎(椎間板内への細菌感染) 硬膜外膿瘍(硬膜外腔への波及) 皮膚および皮下組織の感染 感染が進行すると激しい痛みや発熱が起こるため、術後の経過観察が重要です。 感染が疑われる場合は、抗生剤の投与や外科的処置が必要になるケースもあります。 PLDD術後に症状が悪化するケースとその原因 PLDDは、切開を伴わない低侵襲治療として注目されていますが、術後にかえって症状が悪化するケースが報告されています。 ここでは、PLDD術後に症状が悪化する代表的な原因を2つの視点から見ていきましょう。 術後の痛みが増す理由 PLDDの術後に痛みが増す理由としては、以下のようなレーザー照射による炎症反応が挙げられます。 椎間板組織や周囲の組織が熱刺激を受けることで炎症が起こる 炎症による浮腫(むくみ)や発痛物質が神経根を圧迫・刺激する 術後早期に一時的な痛みの増強が見られることがある 次に、神経そのものへの刺激や損傷も痛みの原因となります。 照射位置や針の操作がずれた場合、神経線維を損傷するリスクがある 熱や機械的刺激により、神経性疼痛が発生しやすくなる しびれやビリビリとした感覚が持続することがある また、PLDDの構造的な限界として、ヘルニア突出部が直接取り除かれない点が挙げられます。 髄核の一部を蒸発させるだけで、飛び出た部分はそのまま残る 除圧が不十分な場合、残存ヘルニアが神経を継続的に刺激し続ける 結果として、術前よりも強い痛みを感じる場合がある さらに、交感神経の過敏化や疼痛感作といった慢性痛の機序も関与します。 手術による神経刺激が自律神経系を介し、痛みの過敏化を引き起こす 中枢神経での痛覚調整が乱れ、慢性的な痛みが残ることがある このように、PLDD術後に痛みが増す要因には、複数の要素が複合的に関係しているため、術後の経過観察と適切な対応が不可欠です。 PLDDが失敗する要因 PLDDが十分な効果を発揮しない、あるいは術後に症状が悪化する原因には複数の要因が複雑に関係しています。 以下のような症例では、PLDDの効果が限定的です。 脱出型・遊離型のヘルニア:突出が大きく、髄核の蒸発だけでは物理的な除圧が不十分になる 高度な椎間板変性:構造が劣化しており、減圧効果が発揮されにくい 症状と画像所見の不一致:痛みの原因と照射対象が合致していない 以下のような術中操作の不備も失敗の一因となります。 照射量が少なすぎる:十分な髄核蒸発が得られず、除圧効果が不十分 照射方向の誤り:標的に正確に照射できず、効果が局所に偏る 熱損傷や血腫形成:神経や周辺組織を損傷し、痛みやしびれを悪化させる さらに、術後管理の不適切さも見逃せません。 安静期間が不十分:早期の過度な動作が治癒を妨げ、炎症を助長 再突出のリスク:負荷管理が徹底されていないと、再発や隣接椎間板の障害につながる 上記のリスクを最小限に抑えるためには、適応の厳密な判断と術中の精密な操作、術後の継続的フォローアップが不可欠です。 LDDを成功させるためには単に手技を実施するだけでなく、患者ごとの状態を的確に把握し、全過程を通じて一貫した管理が求められます。 PLDD術後後遺症の神経障害に対する再生医療の可能性とは 再生医療の「幹細胞治療」がPLDD術後後遺症への新たな希望となるかもしれません。 従来、神経が傷ついてしまうと完全にもとに戻すことは難しいとされてきました。 そのため椎間板ヘルニアの術後後遺症が残ってしまっても、薬やブロック注射などの対症療法を行うことしかできなかったのです。 しかし、再生医療の幹細胞治療により、神経の回復を目指せるのではないかと期待されています。 幹細胞治療は、他の細胞に変化できる「幹細胞」を使用するのが特徴で、体への負担が少ない低侵襲な新しい治療法です。 PLDDの術後の後遺症が心配な方、椎間板ヘルニアの症状でお困りの方はチェックしてみてください。 PLDDの基本知識 ここでは、PLDDを理解するために必要な椎間板ヘルニアの発症メカニズムから、PLDDの具体的な治療内容・メリット・リスク・適応条件までわかりやすく解説します。 治療を検討しているなら、まず基本知識から理解を深めていきましょう。 椎間板ヘルニアのメカニズム 椎間板ヘルニアは、椎間板内部の構造の破綻によって、神経が圧迫されることで発症する疾患です。 人間の背骨は椎骨(ついこつ)という骨が縦に積み重なって形成されており、その間には「椎間板」という軟らかい組織が存在します。 椎間板は、以下の2つの構造で構成されています。 髄核(ずいかく):中心部にあるゲル状の柔らかい組織で、水分を多く含み、衝撃を吸収する役割を担っている 線維輪(せんいりん):髄核を外側から包む硬い繊維性の組織で、椎間板全体の形を保持する 通常、髄核は線維輪の内部に収まっていますが、過度な負荷や加齢による変性が進行すると、線維輪に亀裂が生じる場合があります。 髄核が亀裂から外へ飛び出し、近くを走行する神経根を物理的に圧迫すると、椎間板ヘルニアは発症するというメカニズムです。 圧迫が生じると、以下のような神経症状が引き起こされます。 痛み(神経の圧迫による電気が走るような感覚) しびれ(知覚神経の障害) 筋力低下や麻痺(運動神経の障害) 腰椎や頚椎など、神経が密集している部位で髄核が飛び出すと、症状が強く現れる傾向があります。 したがって、治療では圧迫状態をいかに早く緩和するかが重要なポイントです。 治療方法 PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)は、レーザーによって椎間板内の圧力を下げ、神経への圧迫を軽減する低侵襲の治療法です。 背中から極細の針を刺して、内部にレーザーファイバーを通し、椎間板の中心部へレーザーを照射します。 照射されたレーザーは髄核の一部を熱で蒸散させて椎間板内の内圧を下げます。その結果、次のような変化が期待されます。 髄核の体積が減少し、内部の圧力が緩和される 椎間板の膨らみが小さくなり、神経の圧迫がやわらぐ 神経根への圧迫が軽減され、痛みやしびれの改善が期待できる メスを使用しない手術であり、皮膚に針を刺すだけの処置で切開・縫合は不要です。 ごく小さな刺し傷ができるのみで、出血や傷跡も最小限に抑えられます。 さらに、PLDDは体への負担が少ないため入院を必要とせず、医療機関によっては日帰り手術も可能です。 治療を検討する際は、MRIなどの画像検査をもとに、担当医と十分に相談しながら決めることが大切です。 メリット・デメリット PLDDは、体への負担が少ない低侵襲手術として注目されていますが、デメリットも存在します。 以下に、主なメリットとデメリットをまとめました。 <主なメリット> メスを使わないため、出血や傷跡がほとんど残らない 局所麻酔で施術でき、全身麻酔が不要 針穴程度の傷のみで、体への侵襲が極めて少ない 1椎間あたりの手術時間が短い 入院不要な場合が多く、日帰り手術が可能 術後の回復が早く、社会復帰までの時間が短い 神経や周辺組織への影響が少なく、合併症リスクが比較的低い <主なデメリット> 健康保険が適用されず、自費診療となる 効果が現れるまで1〜3カ月かかることがある すべての椎間板ヘルニアが適応になるわけではない 術者の技量や施設によって治療成績に差が出る可能性がある 稀に感染症や椎間板炎、神経障害などの合併症リスクがある 一度で十分な効果が得られない場合、再施術が必要になる 上記の特性を把握したうえで後遺症の状態やヘルニア形態などを総合的に考慮し、治療を検討することが重要です。 PLDD治療のメリット・デメリットについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。 安全性 PLDDは比較的安全性の高い手術法であり、日帰り手術でも実施されています。 出血や大きな傷がほとんどなく、周辺組織への直接的な損傷リスクが小さい点も特徴です。 ただし、術中・術後の合併症リスクはゼロではありません。 レーザーによる神経合併症の報告もあるため、治療の検討はさまざまな点を考慮しながら慎重に進めましょう。(文献1) 適している人 PLDDは、すべての椎間板ヘルニアに適応できるわけではありません。 比較的効果が期待できる患者には、以下のような条件が挙げられます。 膨隆型・突出型のヘルニア:髄核の飛び出しが比較的小さく、線維輪を突き破っていない 椎間板の変性が軽度:加齢による変化が進みすぎておらず、椎間板に弾力性・可動性が残っている 保存療法で効果が見られないケース:薬物療法やリハビリを3カ月以上行っても、症状が改善しない 中等度の神経圧迫があるが、重度ではない:痛みやしびれはあるが、明確な麻痺や排尿障害は認められない 一方で、以下のような症例ではPLDDの効果が限定される、あるいは適応外となる場合があります。 脱出型・遊離型の大きなヘルニア 高度に変性した椎間板 脊柱管狭窄症など、骨性の圧迫が主因 広範囲な神経障害や運動麻痺、膀胱直腸障害を伴う重症例 このように、PLDDは限られた症例に対して効果が期待される治療法である点に留意しておきましょう。 費用目安 PLDDは自由診療(保険適用外)として提供している施設が多く、治療の費用は医療機関によって大きく異なります 一般的な相場は30万〜50万円程度ですが、施設によって価格設定が異なるため、事前に確認が必要です。 また、2カ所以上の複数椎間に対して行う場合には、追加の費用が発生するのが一般的です。 なお、費用に術前の検査費用や術中管理費用、術後フォロー費用がすべて含まれるかどうかも施設ごとに異なるので、しっかり確認しておきましょう。 PLDD治療と費用に関しては、以下の記事もご覧ください。 まとめ|PLDD術後後遺症に対する治療法をチェック PLDDの術後に後遺症が起こらないことが一番ですが、どのようなリスクや症状があるのかを知っておくことは、治療法を検討するうえで大切です。 万が一後遺症が起こってしまった場合には、再生医療という選択肢もあります。 再生医療の幹細胞治療は、PLDDをはじめとした椎間板ヘルニアの術後後遺症に対応する新しい治療法のひとつです。 幹細胞治療では、患者様自身から採取・培養した幹細胞を患部に投与します。 幹細胞が他の細胞に変化する「分化能」という能力を活用する治療法です。 一般的には培養した幹細胞を冷凍保存して使用しますが、当院では患者様ごとに「その都度」培養を実施。細胞を凍結せずに保存・輸送することで、新鮮で生存率・活動率の高い幹細胞の提供に努めています。 以下は、当院のヘルニアに対する再生医療の症例です。 椎間板ヘルニアのお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」までお気軽にご相談ください。 PLDDの後遺症に関するよくある質問 PLDDの術後に悪化するケースはありますか? PLDDは低侵襲な治療法ですが、術後に新たな腰痛やしびれ、太ももの筋肉の張りなどを感じるケースがあります。 術中の熱刺激や炎症反応によって周囲組織が過敏になったり、神経への一時的な負担が生じたりするのが主な原因です。 多くは一過性の症状で、時間の経過とともに軽快する傾向がありますが、症状が強い場合は早期に医師に相談しましょう。 ヘルニアの治療でPLDDが失敗するケースはある? PLDDは比較的安全な治療法ですが、効果が十分に得られない・後遺症が残る・再発するといった結果により、患者が「失敗した」と感じるケースがあります。 なかでも、脱出型ヘルニアや変性が進んだ椎間板、複数部位の神経圧迫では効果が限定される可能性があるのです。 適応症の見極めや術者の技量、術後の管理が失敗を防ぐ上で重要となります。 以下の記事では、PLDD治療前のチェックポイントを解説しているので参考にしてみてください。 PLDDは先進医療として厚生労働省に指定されていますか? PLDDは、かつて厚生労働省の先進医療に指定されていましたが、2012年に先進医療の対象から除外されています。 現在は公的医療保険の対象外であり、自由診療として各医療機関が独自に提供しているのが現状です。 治療を受ける際は費用や提供体制について、事前にしっかりと確認しておきましょう。 参考文献 (文献1) 腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン改訂第2版|日本内科学会雑誌(J-STAGE)
2024.03.08 -
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PLDD治療と費用、再生医療の可能性について解説します 椎間板ヘルニアは多くの人々が抱える健康問題であり、その治療法は常に進化を続けています。そこで近年、注目を集めているの先進医療をご紹介いたします。それが「PLDD(Percutaneous Laser Disc Decompression )」といわれるもので日本語に直すと「経皮的レーザー椎間板減圧術」といわれるものです。 この治療法は、レーザーを用いて椎間板の圧力を軽減し、痛みを和らげるもので、従来の手術に比べて身体への負担が少ないことが特徴というものです。 本記事では、PLDDについてと、その治療メカニズムと併せて気になる健康保険の適用や医療費控除の適用、費用に関する解説をします。 また後遺症の治療における再生医療の可能性について詳しく解説します。 PLDDとは PLDDは、1980年代初頭に開発されたレーザーを用いた最新の治療法です。主に頚椎や腰椎の椎間板ヘルニアに対して行われます。 治療は局所麻酔のもと、針を椎間板に挿入し、レーザーを照射して椎間板内の圧力を低下させ、ヘルニアを小さく縮ませることで神経の圧迫を押さえて痛みを軽減させるものです。 この方法の大きな利点は、局所麻酔下で行うことができるので入院の必要がなく、日帰りで行えるため、患者の負担が少ないことです。従来の外科手術に比べて侵襲が少なく、術後の回復も早いという利点もあります。また針を刺して行うため傷口が大きくならない点も利点です。 手術もレーザー用の注射痕程度になるため、感染による合併症の心配も少ないと言えます。 PLDDが最も適応するのは、「膨隆型(ぼうりゅうがた:椎間板が膨らんだような形になり、神経を少し圧迫しているタイプのヘルニア)」とされています。 ただし、椎間板の変性が進んでしまったケースでは、PLDDを行っても椎間板ヘルニアの症状が改善しないことがあるようです。 PLDDの利点 治療:レーザーによる手術 入院:不要(日帰りで可能) 手術痕:レーザーを照射するための針穴のみ 手術:局所麻酔 手術:合併症(細菌感染等)の可能性が低い レーザー治療の仕組み PLDD治療は、局所麻酔のもとで行われます。まず、針を椎間板に挿入し、その後レーザーをファイバーを通して照射します。レーザー光によって椎間板内の水分が蒸発し、ヘルニアが縮小するため、神経への圧力が減少します。これにより、神経根への圧迫が緩和され、痛みが軽減されるという仕組みです。 治療時間は約30分程度で、多くの場合は日帰りでの治療が可能です。 PLDDの費用と保険適用の現状 PLDDの費用は、クリニックによって異なりますが一般的には30万円から50万円程度が相場とされています。現在、PLDDは日本では健康保険の適用外となっています。そのため、治療費は全額自己負担となりますが、医療費控除の対象となる可能性があります。 医療費控除とは、一定期間内に支払った医療費が一定額を超えた場合、その超えた分について所得税から控除される制度です。PLDDの治療費も、他の医療費と合わせて年間10万円を超える場合は医療費控除の対象となる可能性があります。しかしながら、医療費控除を受けるためには確定申告が必要です。 健康保険:適用外 費用感:30万円~50万円 先進医療とPLDD 頚椎椎間板ヘルニアに対するPLDDは、厚生労働省による先進医療の指定を受けていましたが、数年前に取り消されています。 その理由としては、PLDDは日本での普及がまだ進んでいないからといったものです。 しかし、その後もPLDDの効果や安全性については多くの臨床研究によって実証されており、今後は保険適用の対象となることが 期待されています。 PLDDはどんな病院で受けられるのか PLDDを受けられるクリニックは全国にありますが、施設によって技術や設備に差があります。 治療を受ける際には、事前に情報を収集し信頼できる施設 を選ぶことが重要です。また、治療後のフォローアップ体制も確認しておくと安心です。 後遺症の治療と再生医療 PLDD治療は、傷口も少なく身体に与える負担はとても小さい治療です。そのため、PLDDそのものによる後遺症はほとんどないと考えられます。 その一方で、ヘルニアそのものによる症状が残ることもあり、後遺症となってしまう場合があります。このようなヘルニアの後遺症に対しては、脊髄神経の再生を目的とする再生医療 による治療が有効な場合があります。 再生医療では、患者自身の幹細胞を用いて損傷した脊髄神経の再生を目指します。具体的には、患者様ご自分の血液や脂肪を採取し、培養「自己間葉系幹細胞 」として損傷部位に投与するものです。 この自己間葉系幹細胞 には、脊髄神経の再生を促したり 、部分的に再生したりするといった能力があるとされますが、厚生労働省の許認可が無ければできない先端医療です。 脊髄の再生医療では、手術やPLDD治療ではできない、脊髄神経そのももの再生が可能となるのです。 https://www.youtube.com/watch?v=GcUDE6GCblE まとめ・PLDD治療と費用、再生医療の可能性について 今回は、PLDDはどのようなものなのか、費用、保険適用、医療費控除、どのような病院で受けられるのか、そして後遺症の治療における再生医療の可能性について解説しました。 PLDDは、レーザーを活用した医療技術として、椎間板ヘルニア の治療に新たな選択肢を提供しています。費用は自己負担となりますが、医療費控除の対象となる可能性があります。 治療を検討する際には、クリニック選びやフォローアップ体制にも注意が必要です。PLDDは今後、さらなる普及と発展が期待される治療法です。 一方で、PLDDを行っても頚椎あるいは腰椎の椎間板ヘルニアによる後遺症が残ってしまうこともあります。こうした場合には、再生医療による治療も選択肢として上がります。 当院では、脊髄損傷 に対し、自己脂肪由来幹細胞治療という再生医療を行っています。 これは、自分の脂肪組織や血液から幹細胞を抽出、培養し、点滴で静脈注射、 あるいは当院独自技術として脊髄腔内に直接幹細胞を投与することができる、脊髄腔内 ダイレクト注射療法もあります。 再生医療にご興味のある方や、治療を考えたいという方は、 ぜひ一度当院までご相談ください。 参考文献 レーザーによる経皮的椎間板減圧術 (PLDD法) の経験.中四整会誌.1997;10 (2): 229-233. Hellinger J. "Technical aspects of percutaneous laser disc decompression (PLDD)." Lasers in Surgery and Medicine, 1999.Dec;16(6):325-31. 【保険適用外の手術費用の補助】保険適用外の手術(ヘルニアのレーザー手術)を受けたのですが、その費用(約50万円)は高額医療費として一部支給されないのでしょうか?また、支給を受けるためにはどのような手続きが必要になるのでしょうか? | よくある質問 | 日本アイ・ビー・エム健康保険組合 既存の先進医療に関する保険導入等について 平成 22 年1月 20 日 先進医療の各技術の概要|厚生労働省 Mochida J, et al. "Regeneration of intervertebral disc by mesenchymal stem cells: Potentials, limitations, and future direction." European Spine Journal,2006 Aug;15(Suppl 3): 406–413. ▼以下もご参照いただけます ヘルニア治療、PLDDの術後後遺症に対する最新治療とは!?
2024.03.07 -
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腰椎椎間板ヘルニアの治療でPLDDを検討している方の中には、「本当に効果があるのか」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。 PLDDは体への負担が少ない低侵襲の治療として注目されていますが、選択する際には医学的な根拠に基づいた理解が欠かせません。 本記事では、PLDDにどのような効果があるのか、信頼性の高い論文データに基づいて解説していきます。 また、合併症のリスクも解説するので、PLDDで治療すべきか迷っている方は参考にしてみてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」では、PLDD後の後遺症に対する治療として再生医療を導入しており、公式LINEにて情報提供および簡易オンライン診断を行っております。 PLDDの術後後遺症に不安をお持ちの方は、ぜひご登録ください。 PLDDの効果【データを基に解説】 PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)は、腰椎椎間板ヘルニアに対する治療法のひとつですが、その効果に関しては信頼できるデータに基づいた理解が重要です。 ここでは、医学論文に記載された統計データをもとに、PLDDの有効性と安全性について詳しく解説します。 保存療法と比較して約7倍の疼痛改善効果 PLDDの疼痛軽減効果は、従来の保存療法と比較して大幅に優れていることが示されています。 医学論文によれば、薬物療法や理学療法などの保存的治療を受けた患者群では、6カ月後の痛みの程度を示すスコア(VASスコア:視覚的アナログスケール)が平均4.1%しか減少しなかったのに対し、PLDDを受けた群では同期間で平均30%もの有意な減少が確認されました。(文献1) さらに、機能評価のひとつである「Macnab基準」においても、PLDDを受けた患者の約39.8%が「優良」または「良好」と評価され、生活の質の改善が裏付けられています。 この報告から、PLDDは保存療法と比べて、約7倍の疼痛軽減効果を示す治療法といえます。 成功率70〜89%|合併症率は0.3〜1.0% PLDDの有効性は、長期的かつ国際的なデータでも明らかにされています。 オーストリアのグラーツ大学脳神経外科によると、1986〜2009年にかけての23年間の集計で、PLDDの成功率は70〜89%という高水準で推移していたと報告しています。(文献2) 一方で、合併症発生率は0.3〜1.0%と非常に低く、主な合併症は椎間板炎に限られていました。また、再発率も4~5%に抑えられており、長期的な予後も比較的安定しています。 これらの結果から、PLDDは高い成功率と低い合併症率を兼ね備えた、安全性と有効性の両面で信頼性のある治療法といえます。 3年後も効果が持続|年齢に関わらず有効 PLDDの治療効果は一時的なものではなく、長期的に維持されることが示されています。 42名を対象とした3年間の追跡研究では、治療後3カ月で臨床症状が有意に改善し、その効果が3年間にわたり持続していました。(文献3) また、年齢別の効果比較においても、45歳以下および45歳超の両グループで同様に良好な治療成績が確認されています。 年齢によって治療効果に差は見られず、PLDDは幅広い年代の患者にとって有効な選択肢のひとつです。 手術後の日常生活への復帰は平均1週間 PLDDのメリットのひとつが、術後の回復が早い点です。 複数の研究によれば、PLDDの治療が成功した患者は、平均して1週間以内に通常の日常生活に復帰していました。(文献2) 外来で実施できるため全身麻酔を必要とせず、身体への負担が少ないという特徴が背景にあります。 また、手術後のリハビリテーションが短期間ですむことも、早期回復に寄与しています。 結果として、仕事や家庭生活への影響を最小限に抑え、早期の社会復帰を可能にしています。 PLDDは効果が期待できても合併症のリスクがある PLDDは、椎間板ヘルニアに対する低侵襲な治療法として注目されています。 成功率が高く回復も早い一方で、一定の合併症リスクが存在します。 ここでは、PLDDの主な合併症リスクについて解説します。 神経障害 PLDDでは、レーザーの熱によって神経根に障害が及ぶリスクがあります。 主に照射範囲の誤りや過剰な出力が原因で、まれに術後のしびれや感覚異常、疼痛の悪化が現れることがあります。術者の技術と経験が重要な治療法です。 とくに、術中に使用する針の挿入角度やレーザーのパルス設定が適切でないと、周辺神経への熱損傷を引き起こす可能性があります。 また、術後の神経学的評価も欠かせません。 炎症 PLDDの治療では、椎間板内での熱反応や物理的刺激により、非感染性の炎症(無菌性椎間板炎)が生じるケースがあります。 炎症によって術後一時的に疼痛が強くなる場合もありますが、通常は消炎鎮痛薬で管理可能です。 エネルギー設定と照射時間の適切な管理が重要であり、実績がある医療機関で施術してもらう必要があります。 また、治療後数日以内に発熱や局所の痛みが増した場合は、感染症との鑑別が重要となるため、医師の診察を早期に受けましょう。 ヘルニアの再発 PLDDの術後も、椎間板にかかる力や加齢による変性によって再発が生じる場合があります。 蒸散量が不十分な場合や、術後の生活管理が不適切な場合に再発リスクが高まるのです。 報告によると、PLDDの再発率は約4~5%とされています。(文献2) ただし、肥満や重労働など椎間板に過度な負担がかかる状況では再発率が上昇する可能性があるため、医師による生活指導とフォローアップが極めて重要です。 椎間板損傷 レーザー照射による過熱や針の位置が不適切な場合、椎間板の線維輪に損傷を与えることがあります。 損傷が進行すると椎間板の変性や再突出の原因となるため、術者による照射出力の調整と正確な針の操作が重要です。 また、椎間板損傷は術中には見逃されやすいため、術後の画像検査や定期的なモニタリングによって早期に変性の兆候を見つける体制が望まれます。 感染症 PLDDは皮膚から椎間板にアプローチするため、無菌操作が不十分な場合には感染症のリスクがあります。 とくに、椎間板炎は重大な合併症であり、予防のためには抗生物質の使用や術中の滅菌管理が不可欠です。 早期の症状把握と治療介入が重症化を防ぐ鍵となります。 感染予防としては、術直前の抗菌薬投与やディスポーザブル機器の使用、清潔操作の徹底が基本です。 術後は倦怠感や発熱、患部の疼痛増強がないか、注意深く観察する必要があります。 PLDDを避けたい方へ|再生医療という治療選択肢 手術を伴う治療に不安を感じる方には、再生医療という選択肢もあります。 再生医療とは、本来の機能を失った組織や細胞に対して、自分自身の幹細胞や血液を用いる治療法です。 幹細胞は、細胞環境に応じて異なる細胞に変化する能力を持ち、PRP(多血小板血漿)に含まれる成長因子には、炎症を抑える働きがあります。 体への負担を抑えた治療を検討している方にとって、手術を伴わない選択肢になっています。 当院「リペアセルクリニック」では、脂肪由来の幹細胞を用いた治療や、PRP療法を実施しています。 いずれの治療法も入院や手術は不要で、日帰りでの対応が可能です。 当院のヘルニアに対する再生医療について、詳しくは以下をご覧ください。 まとめ|PLDDの効果と合併症リスクを見極めよう PLDDは体への負担が少なく、日常生活への早期復帰を希望する方にとって検討しやすい治療法のひとつです。 一方で、神経障害などの合併症リスクもあるため、慎重な検討が求められます。 とくに、保存療法や他の選択肢と比較検討する際には、医師による十分な説明と理解が不可欠です。 当院「リペアセルクリニック」では、椎間板ヘルニアの術後の後遺症や神経に関する悩みに対して、再生医療の「自己脂肪由来の幹細胞治療」を提供しています。 幹細胞の投与方法として、静脈点滴に加え、脊髄腔内への直接投与も行っており、損傷部位への到達経路の工夫に取り組んでいます。 公式LINEでは、再生医療に関する情報発信や簡易オンライン診断を行っています。 再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひご登録ください。 PLDDの効果に関するよくある質問 PLDDの費用は? PLDDは公的健康保険の対象外であるため、治療にかかるすべての費用が自己負担です。 手術そのものの費用にとどまらず、適応の判断に必要な診察や検査、治療後の薬剤処方なども含まれます。 医療機関によって金額は異なりますが、数十万円程度の費用がかかるケースが一般的です。 PLDDの費用感については、以下の記事でも詳しく解説しています。 PLDDの手術中や手術後の痛みはどのくらい? PLDDは、皮膚に小さな針を刺すだけの低侵襲な治療法であり、一般的な手術に比べて術中や術後の痛みが少ない点が特徴です。 施術ではまず局所麻酔を行い、針を刺したときの痛みを感じにくくする工夫がされています。 また、メスで皮膚を切開する必要がないため、術後に傷口の痛みで悩まされることもありません。 PLDDは身体への負担が少なく、手術に伴う痛みを抑えやすい治療法といえるでしょう。 PLDDに治療のデメリットはある? PLDDは体への負担が少ない治療法とされていますが、いくつかの注意点もあります。 たとえば、術後に新たな腰痛やしびれ、筋肉の張りを感じるなど、今までになかった症状が現れるケースがあるのです。 術前より悪化するとは限りませんが、まれに数週間続く場合もあります。 また、神経根炎や椎間板炎、感染症などの合併症が起こる恐れもあり、適応を誤ると十分な改善が得られません。 PLDDを選択する際には、リスクも含めて事前に十分な説明を受けた上で慎重に検討しましょう。 PLDDに後遺症はある? PLDDは、術後に後遺症が残る可能性も完全には否定できません。 後遺症には、次のような症状があります。 神経障害:術後に新たなしびれや感覚異常が残る 慢性的な痛み:炎症が長引き、椎間板や隣接組織の変性により疼痛が継続する 椎間板の変性・損傷進行:照射による熱刺激が線維輪や隣接構造に影響を与える 再発性ヘルニア:時間の経過とともに症状が再燃する 頻度として高くはないものの、術前適応の判断や術中操作、術後管理を慎重に行わなければリスクが高まる点に留意しておきましょう。 PLDDは厚生労働省に認可されている先進医療? かつては、厚生労働省が定める「先進医療」として認められていた時期があり、手術費用のみが自費扱いで、診察や検査などは保険適用が可能でした。 しかしながら、平成24年に「有効性や効率性が十分に示されていない」として、先進医療の対象から除外されています。 したがって、現在ではすべてが自由診療として取り扱われており、治療を検討する際には事前に費用の確認が重要です。 ヘルニアの治療でPLDDに失敗はある? PLDDは低侵襲で体への負担が少ない治療法とされていますが、効果が得られず失敗と感じるケースもあります。 治療の適応が不十分だった場合や、椎間板の変性が進行していた場合などは、症状が改善しないことがあるのです。 また、再発や別の治療を検討せざるを得ないケースもあるため、PLDDを検討する際は、事前に治療の限界や再施術の可能性についても確認しておきましょう。 PLDD手術で失敗があるかに関しては、以下の記事もご覧ください。 参考文献 (文献1) Comparative Efficacy of Percutaneous Laser Disc Decompression (PLDD) and Conservative Therapy for Lumbar Disc Herniation: A Retrospective, Observational, Single-Center Study|PubMed (文献2) 23rd Anniversary of Percutaneous Laser Disc Decompression (PLDD)|PubMed (文献3) Efficacy evaluation of percutaneous laser disc decompression in the treatment of lumbar disc herniation|PubMed
2024.03.05 -
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「椎間板ヘルニア手術を受ける予定だけど、手術後の生活のイメージが掴めない」「仕事復帰できるのはいつ頃から?」このような不安や疑問を抱えていませんか? 本記事では、椎間板ヘルニア手術後のリハビリや仕事の再開時期を解説します。 手術後の生活で気をつけることや注意点も紹介しているので、参考にしてみてください。 痛みやしびれの回復具合に合わせてリハビリを続け、医師の指示を受けながら徐々に日常生活へと戻していきましょう。 \椎間板ヘルニアの根本改善を目指す「再生医療」/ 椎間板ヘルニアの手術後、一般的にリハビリや保存療法が続けられますが、十分な改善が得られないケースや術後の再発・後遺症に悩む方も多いのではないでしょうか。 そのような場合には、神経や損傷組織へのアプローチを図る治療として、再生医療という選択肢もあります。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 手術後も腰や足の痛み・しびれが続いている 再発を繰り返している 長期間リハビリを続けているが十分な改善がみられない 痛み止めや神経ブロック注射に頼り続けることに不安がある 将来的な後遺症や日常生活への影響が心配 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する https://youtu.be/5JqLxbYwLJ4 当院(リペアセルクリニック)では、椎間板ヘルニアに対する再生医療について無料カウンセリングを実施しています。 「手術前に他の選択肢を知りたい」「手術後も症状が残っている」という段階でも、お気軽にご相談ください。 椎間板ヘルニア手術後の生活|仕事復帰までのステップ 椎間板ヘルニア手術後の生活はどのように変化するのでしょうか。 ここでは、リハビリや仕事復帰、運転などの再開までの流れや期間を解説します。 痛み・しびれ リハビリ期間 仕事復帰 運転 性行為 手術後の生活プランを立てる際の参考にしてみてください。 痛み・しびれは手術後1カ月ほど続く 手術後は、神経の修復に時間がかかるため、痛みやしびれが1カ月ほど続く可能性があります。 痛みやしびれが出ているときは、神経が敏感な状態にあるため、生活のなかで不便さを感じる場面があるでしょう。 そこで、無理に体を動かすと、症状を悪化させたり、再発につなげたりしかねません。 症状が落ち着くまでは安静に過ごす意識をもつようにしてください。 リハビリを始めるのは手術後1カ月ほど リハビリは、手術後1カ月ほどから開始します。 リハビリは手術後すぐに取り組むものというイメージがあるかもしれませんが、実際には手術後すぐにリハビリに取り組む必要性は認められていません。(文献1) 椎間板ヘルニア手術後におけるリハビリの目的は、腰回りの筋肉を強化して再発を防ぎ、日常生活への円滑な復帰を促すことです。 以下に効果的なリハビリの運動例を紹介します。 【お腹を鍛える運動】 お腹を意識しながら腹式呼吸 仰向けになって膝を立て、首を軽く起こしてお腹をのぞき込む腹筋運動 など 【お尻を鍛える運動】 仰向けになって膝を立て、お尻をゆっくり持ち上げるブリッジに似た運動 うつ伏せになり曲げた片足をゆっくり上げ下げする運動 など 動作中に強い痛みがあるときは、回数や力の入れ方を調整しましょう。 仕事復帰できるのは手術後から1.5カ月ほど 手術後、仕事復帰までの期間は、受けた手術の種類や仕事内容によって異なりますが、平均すると1.5カ月程度です。 背中の患部付近を切開する従来の手術法の場合、傷口の完全な回復を待つ必要があるため、復帰までの期間が長くなる傾向にあります。一方で、小さな切開で済む内視鏡手術法の場合は、手術の回復が比較的早く、仕事復帰までの期間が短縮しやすいです。 仕事内容においては、腰を使う重労働業務の場合は、復帰までに時間がかかるケースがあります。 ある調査では、重労働業務における復職までの平均期間は44日ほどと報告されています。(文献2) 運転できるのは手術後2週間ほど 短い距離の運転なら手術後2週間ほどで、運転を再開できます。 ただし、以下のように特殊な状況がある場合は、運転の再開時期が遅れる可能性があります。 旅行や出張など長距離の運転をする場合 バスやタクシーのドライバー 農業や工事現場の重機操縦者 自己判断で運転を再開してしまうと、腰に負担がかかり症状が悪化する恐れがあります。 安全に運転を再開するためにも、医師と相談しながら慎重に復帰の時期を決めましょう。 性行為は手術後2週間ほど控える 性行為は、手術後2週間ほどは控えたほうが安心とされています。 手術後は、傷口の修復や、腰まわりの痛み・しびれが落ち着いていない場合があるためです。 少しでも違和感や痛みがあるうちは、無理をしないことが大切です。腰に負担がかかる動きは、回復を遅らせるほか、再発してしまう恐れもあります。 体の回復を優先し、無理のない範囲で行動を選びましょう。 椎間板ヘルニア手術後の生活でやってはいけないこと・注意点 椎間板ヘルニア手術後の生活でやってはいけないこと・注意点を解説します。 主に以下3つの行動は、回復を遅らせたり、再発リスクを高めたりする可能性があります。 リハビリの中断 腰に負担がかかる運動 腰に負荷がかかる姿勢や動作 順番に見ていきましょう。 リハビリの中断 椎間板ヘルニアの手術後にやってはいけないことは、リハビリの中断です。 手術後は安静にする時間が長くなり、体を支える筋肉が弱まりやすくなります。 続けてきたリハビリを中断してしまうと、再び体に負担がかかりやすくなり、症状の悪化や再発の原因になりかねません。 痛みが和らいだとしても、自分で判断してリハビリを中断せず、医師の指示に従って継続する意識が大切です。 なお「仕事やスポーツでリハビリの時間を確保するのが難しい」という方は、再生医療の治療を検討してみてください。主に注射または点滴を使った治療なので、手術後のリハビリや後遺症の心配はいりません。 腰に負担がかかる運動 手術後3カ月ほどは、腰に強い負担がかかる運動はしばらく控える必要があります。 無理をすると、傷口が開いたり、再発したりする恐れがあるためです。 具体的には以下のような運動は控えましょう。 腰をひねる体操 ダッシュやジャンプなどの衝撃が強い運動 ゴルフやテニスなど腰をひねる動きが多いスポーツ これらは腰部への負担が大きく、早期の復帰はリスクが高いといえます。 ただし、まったく体を動かさないのも良くありません。軽いストレッチや簡単な体操など、筋力を保つ適度な運動は回復に役立つため、医師の指導のもとで取り入れましょう。 腰に負荷がかかる姿勢や動作 椎間板ヘルニアの手術後1週間ほどは、腰に負荷がかかる姿勢や動作は避けるようにしてください。 たとえば、落ちた物を拾うときに腰を曲げてかがむのは負荷のかかる姿勢です。物を拾う際は、膝を曲げてしゃがむようにすれば、腰への負担を減らせます。 また、腰をひねる動きも症状悪化や再発のきっかけになります。 たとえば、後ろに振り向く動作は、腰にねじれの動きが入り負荷がかかります。後ろを振り向きたいときは、足を使って身体ごと向きを変えると腰への負担が少ないです。 日常生活を振り返り、腰に負荷のかかる姿勢や動作があれば、改善していきましょう。 椎間板ヘルニア手術後の生活で脊髄損傷が起こるリスク 椎間板ヘルニア手術後にやってはいけないことや注意点をお話ししてきましたが、手術後早期に腰を曲げたり、腰をひねったりすると、脊椎の中を通る神経の束である脊髄が傷ついてしまい、脊髄損傷を起こしてしまうリスクがあります。 脊髄損傷の主な症状は以下のとおりです。 知覚鈍麻 痛みや痺れ 麻痺脊髄損傷は一度起こってしまうと自然には治りません。手術後に脊髄損傷が疑われる症状が現れたら、すぐに手術をした医療機関に連絡をしましょう。 また、脊髄損傷による後遺症に対しては、従来の治療では改善が見込めないケースもあります。 しかし近年では、損傷した神経の修復・再生を目指す「再生医療」が新たな選択肢として注目されています。 損傷した神経部位に直接アプローチするため、従来の点滴投与よりも修復効果が期待でき、治療は数分の注射処置で入院の必要もありません。 実際に当院で治療を受けられた方の症例は、以下の動画でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/5ko_0grCYYU 「椎間板ヘルニア手術後の後遺症が改善しない」「他院でこれ以上は難しいと言われた」という方も、まずは一度当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 椎間板ヘルニア・脊髄損傷でお悩みの方へ「再生医療」を紹介 一般的に、損傷した大きな神経は修復することができません。 椎間板ヘルニア手術で脊髄損傷した場合、下肢の麻痺により、歩行困難や車いすでの生活が余儀なくされる可能性もあります。 そんな脊髄損傷の治療法の一つに、幹細胞を用いる「再生医療」があります。 幹細胞とは、体のさまざまな組織に変化できる細胞です。 当院「リペアセルクリニック」では、患者様自身の脂肪を採取・培養した幹細胞を用いる治療を提供しております。 実際に当院で治療を受けられた方の症例は、以下の動画でご確認いただけます。 https://youtu.be/ndLjy0IXzic?si=vB-GvJKpfGEOMRt3 「手術後も症状が残り、今後について不安がある」「他院で難しいと言われたが、諦めきれない」という方は、一度当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ まとめ|椎間板ヘルニア手術後はリハビリを継続して仕事復帰を目指そう 手術後の生活では、リハビリを続けて、日常生活で無理な姿勢や動作をしない意識を持つことが回復への近道です。 腰への負担を避け、正しいリハビリを継続すれば、再発リスクを抑えながら仕事復帰を目指せます。 本記事で紹介した注意点やリハビリ内容を参考に、ご自身のペースで回復に向けた生活習慣を整えていきましょう。 なお、椎間板ヘルニアや手術後の脊髄損傷に対しては「再生医療」という治療法もあります。 再生医療の幹細胞を使った治療では、体のさまざまな組織に変化をする幹細胞を損傷した患部に投与します。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 手術後も腰や足の痛み・しびれが続いている 再発を繰り返している 長期間リハビリを続けているが十分な改善がみられない 痛み止めや神経ブロック注射に頼り続けることに不安がある 将来的な後遺症や日常生活への影響が心配 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 実際の治療法については、以下の動画でも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs?si=5dlz3iMYwr8pynjz 再生医療をご検討、あるいは気になる点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 参考文献 (文献1) 宮本 雅史,中嶋 隆夫.「腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン改訂第2版」日本内科学会雑誌 105 巻 11 号pp1〜5 2016年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/105/11/105_2210/_pdf/-char/ja (最終アクセス:2025年4月16日) (文献2) 廣田 勝也, 島﨑 功一.「腰椎椎間板ヘルニア術後における重労働者のホームエクササイズ実施状況と復職状況との関連因子の検討」日本理学療法士協会 2019年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/46S1/0/46S1_H2-207_2/_article/-char/ja/?utm_source=chatgpt.com (最終アクセス:2025年4月16日)
2024.03.01






