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- 腱板損傷・断裂
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肩が痛い時、ほとんどの人は四十肩や五十肩かな?と思われるでしょう。確かに、肩が痛い場合四十肩や五十肩と診断される方は多くおられますが、実はその肩の痛みは肩腱板断裂(損傷)であったということはよくあります。 四十肩・五十肩はリハビリなどの保存療法でも治療はできます。しかし、肩腱板断裂は放置していて痛みが取れたとしても、断裂したところが自然に治っているわけではありません。一度切れた腱板は元に戻ることはないので注意が必要です。 この記事を読むとわかること ・四十肩、五十肩と肩伴板断裂(損傷)の違い ・腱板断裂は放置していいのか? ・治療や予防方法 肩腱板断裂とは 肩腱板とは、4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)のことを言います。これはインナーマッスルで肩の関節の安定を保つ役割があります。肩の表面にある三角筋はアウターマッスルで、腕を動かすための強い力を発揮します。 4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)が切れることを肩腱板断裂といいます。インナーマッスルである腱板が切れることで痛みが出たり、腕が上がらなかったりする症状が現れるのです。 肩腱板断裂の症状 四十肩・五十肩の痛みの場合、徐々に痛みが出てくることが多く、症状が進むと腕(手)を動かす時や腕をあげるときに動かしにくいなどが特徴です。しかし、肩腱板断裂の場合は、腕の上げ下げの時に引っかかり、音が鳴る感じがして痛みが出る、夜間寝ていてもズキズキ痛む、片方の腕で支えないと怪我した方の腕が上がらないことが特徴となります。では、どうしてそのような症状の違いがあるのでしょうか。その鍵は次の原因にあります。 肩腱板断裂の原因 四十肩・五十肩との違い(比較) まず四十肩・五十肩の原因ですが、肩関節は肩の周りの筋肉によって支えられており、その筋肉のバランスが崩れることによって徐々に炎症を起こし痛みが出ます。その筋肉のバランスが崩れる大半の年代が40~50代です。筋肉のバランスが崩れてきて関節に炎症を起こし、痛みが出て動かさなくなる。その結果、関節が固くなると『拘縮(文献①)』になります。機械を使わなくなると鉄が錆びて動きにくくなるのとよく似ています。 一方、肩腱板断裂は、腱板の断裂によって痛みが出ます。腱板が切れる原因には、怪我やスポーツなどによる外傷性のものと、加齢とともに弱くなって断裂する非外傷性(変性断裂)によるものがあります。腱板という筋肉が断裂してしまうので比較的急な痛みが出ることが多くみられます。 ただし、肩腱板断裂をそのまま放置していると、痛みのため関節を動かさなくなることで拘縮を起こすと、四十肩・五十肩とよく似た症状も重なります。 症状の違い(比較) 四十肩・五十肩と肩腱板断裂との痛みの比較ですが、よく似た症状もありますが主に次のような違いがあります。 肩腱板断裂 ・転倒して手をついたら肩に激痛が走る ・荷物を持つときに音が鳴って痛みが出る ・腕を上げるときに肩にゴリゴリ感や引っかかり感がある ・ズキズキと夜間痛がある。特に痛い方の肩を下にしたときに痛みが強くなる ・腕が自力で上がらない。痛くない方の腕で支えると痛い方の腕は上がる 四十肩・五十肩 ・手を背中に回したり、後ろに回すと痛い ・腕の動きが悪い ・肩から腕にかけて痛みや痺れがある ・夜間痛がある 具体的に肩のどこが痛くなるの? 腕を上げるとき、写真の赤いところがよく痛く感じます。 そのほか、寝ているときに肩から腕にかけて痛みが広がることもよくあります。 外来診察していると『他の病院で四十肩・五十肩と診断されて治療していたが一向に痛みが治らない。そこで他の病院でMRI検査をしてみると、肩腱板断裂と診断された』とよく聞く機会があります。なぜそのようなことが多く起こるのか、理由は次のようになります。 加齢による非外傷性(変性断裂)では、少しずつ時間をかけて腱板が切れた場合は痛みが出にくくなり、腱板断裂していても気づかないことがよくあります。実際、痛みのない健常者の肩のMRIを撮影したところ約60%の方に腱板断裂が見られたという論文発表もされています。(文献②) つまり、痛みのない非外傷性(変性断裂)の方が、気づかないうちに徐々に肩の炎症を起こします。そして四十肩・五十肩のような拘縮の症状が出てきて、病院でMRIの検査をしてみると怪我した覚えがないのに肩腱板断裂と診断されたということになるのです。 肩腱板断裂は放置してていいの? 痛みがなかったり、軽い痛みはあるが日常生活に問題がない場合 一度切れた腱板は自然に元には戻ることはありません。ただ、切れていても痛みがなかったり、注射や薬、リハビリで痛みが治ることもよくあります。痛みがなく日常生活に支障がなければ手術をしないのが一般的な治療方針です。しかし、先ほども言ったように痛みがなくても治っているわけではありません。それどころか、年数が経つにつれて断裂部が拡大していきます。断裂部が拡大するにつれて手術の成績も悪くなっていきます。 ではどうして腱板断裂の手術はしないのでしょうか。それは、手術の成功率があまり高くないところにあります。日常生活に問題のない患者様を手術することにしたものの、術後の後遺症で痛みに悩んでしまうことになる可能性があるのです。 では、術後の後遺症とはどのようなものがあるのでしょうか。 術後の関節拘縮 体にメスを入れて関節の手術をするということは、術後の関節部の癒着が起こります。この癒着は術後のリハビリで対応しますが、完全に癒着が取れずに関節の可動域が悪くなりそれに伴い痛みが出ることが多々あるのです。痛みは、四十肩・五十肩に似ています。 腱板の再断裂 腱板の手術の難しいところは、腱板を糸で結ぶとその糸により腱板が裂かれてしまい再断裂を起こすところです。再断裂の確率は20〜30%、大きな断裂では40〜60%と言われています。(文献③)そのほかにも、骨にアンカーという釘を打ち込むのですが、それによって骨折が生じたりアンカーが外れてしまうこともあります。もちろん、神経障害や感染症の可能性も考えなければいけません。 このような術後の後遺症や合併症があることで、医師としても痛みのない腱板断裂に対しては積極的には手術はお勧めしていないのが現状です。 それに代わる新しい治療の選択肢として肩腱板断裂に対しての幹細胞治療が今注目を集めています。詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。 ▶手術をすすめられていましたが、幹細胞治療で完治した実際の症例 痛みが強くて日常生活が辛い方、早くスポーツ復帰したい方 一般的に手術適応となります。しかし、術後の再断裂などの後遺症を考えて新しい幹細胞という再生医療も選択肢の一つとなります。 肩腱板断裂になりやすい人 中高年以上の人 加齢によって腱板が変性していき少しの外力で切れてしまいます。草抜きや荷物の上げ下げやちょっとした転倒で手をついても断裂しやすくなります。 スポーツする人 野球やテニス、ゴルフなど、腕を上げる動作を繰り返すことによって断裂します。 現場作業員の方 壁の塗装や壁紙はり、荷物の上げ下ろしなど繰り返す動作の継続により断裂を起こします。 肩腱板断裂の痛みを和らげる方法 肩甲骨・胸郭のリハビリトレーニング 肩を動かすときには、肩甲骨の動きや胸郭の動きが連動しています。肩甲骨や胸郭の動きが柔軟になることで、肩腱板への負担が軽くなります。 肩関節の可動域リハビリトレーニング 肩関節周りの筋肉をストレッチすることで関節の可動域を増やします。 肩腱板断裂の時の寝方の注意点 痛い方の肩を下にすると痛みが増しますので、できれば仰向きに寝て写真①のように肩の位置より肘が下がらないように肩甲骨や腕の下にタオルを引きます。また、写真②のように枕やタオルを抱いて肩関節を安定させると痛みが和らぎます。 腱板損傷の4つの検査方法 診察をする上で、腱板が損傷しているかどうか、また損傷している場合はどの程度の損傷かを調べなければなりません。 ドロップアームテスト(Drop Arm Test) 例えばどのような動きで痛みが出るのか、どの程度の痛みが出るのか、筋力はどうかなどをチェックします。また腱板損傷を疑う場合におこなうテスト法として、ドロップアームテストがあります。 ドロップアームテストとは、検査をする人が支えながら90度まで外転(横方向への挙上)させていき、支えを外した状態からゆっくりと腕を下ろしていく。 自力で腕を支えられずに、急に腕が落ちるようであれば腱板の損傷を疑う。 また、小指を上にして斜め方向に腕を上げるときに肩に痛みが出る。 レントゲン検査 肩関節の痛みによる診断では、まず始めにレントゲンを撮られることがあります。 レントゲンは主に骨の状態を確認できる画像診断ですので、骨折の診断にはとても有効です。ところがレントゲンでは腱板が映らないため、損傷の程度を確認できません。 ただし腱板が断裂すると、関節の隙間が狭くなることがあり、また肩関節に骨棘(骨の端がトゲのようにとんがっている状態)が見られると、肩を動かした時に骨棘がある部分で炎症を起こす可能性があります。 このように、レントゲンで腱板自体を把握できませんが、関節の状態から腱板損傷の推察をすることはできます。 超音波検査 超音波検査は、腱板の断裂の程度や炎症の有無、石灰(カルシウムの塊)の沈着などの判断が可能です。超音波検査では、筋肉と筋肉の間にある筋膜や、滑液包に注射ができます。 また関節を動かしながら観察を行うことで筋肉の動きも見ることができ、患者様と一緒にモニターを確認することで、よりわかりやすい説明ができます。 M R I検査 腱板損傷の診断にはMRIでの検査が最も有効です。 MRIではレントゲンでは写らない腱板の描写が可能で、骨や関節包など腱板の周りの組織まで読み取ることができます。腱板損傷が起っている場合は、損傷している部位だけでなく、どれくらいの範囲まで損傷しているかを確認しなければなりません。 腱板損傷の治療法(保存療法、手術療法、再生医療) 腱板断裂の治療法には、手術をしない「保存療法」と、文字通り手術で治療する「手術療法」に分けられます。 腱板の損傷では筋肉と比べて血行が悪く、自然治癒が難しい疾患です。それに加えて、肩を動かす(筋肉が収縮する)と損傷した部分が広がる方向に力が加わり、むしろ断裂部分が広がることも多いです。 このように腱板損傷は保存治療をおこなっても、時間の経過とともに症状が悪化することもあり、保存療法の限界があります。また患者さん自身がどの程度の回復を望んでいるかによっても治療方針がわかれます。 痛みが収まり、しっかりと腕が挙がらなくても日常生活が送れる程度まで回復すれば良い方にとっては保存療法から取り組むと良いでしょうし、スポーツや仕事をしていて復帰のためにしっかりと治したい方は手術や、新しい治療として注目されている再生医療を選択する方が良いでしょう。 腱板損傷の治療:保存療法(リハビリ、痛みを抑える薬物療法) 痛みが強い時期の治療としては、薬物療法などで痛みを抑えることを第一に取り組みます。痛み止めの飲み薬や湿布薬などもありますが、強い痛みに対しては注射による治療が効果的です。 特にステロイドによる注射は高い治療効果をもたらしますが、頻繁にステロイドを投与すると腱が脆くなることがあり、またそれ以外にも様々な副作用があります。 ある程度痛みが軽減してきたら、肩関節が拘縮しないようリハビリに取り組みましょう。ストレッチなどで筋肉をほぐし、血流改善を促します。肩関節は肩甲骨の動きも大きく関わっているため、ストレッチや体操をする際は腕を動かすだけでなく、肩甲骨も意識して動かしてください。 また筋力トレーニングも効果的ですが、方法を誤ると同じ動作でも違った筋肉に刺激を送ることになるので気をつけましょう。最初に説明したように腱板は深層にある筋肉であり、腱板を鍛えるためには強い負荷は必要ありません。 なぜなら強い負荷をかけたトレーニングでは、ターゲットである腱板よりも表層にある三角筋などが優位に働くからです。そのため腱板の筋力トレーニングをするときは、軽めの重りやゴムチューブなどを使い、軽い負荷でたくさんの回数をおこなうように心がけましょう。 腱板損傷の治療:手術療法 腱板損傷の手術では、主に関節鏡視下術がおこなわれます。関節鏡視下術とは、1〜2cmほどの小さな穴から内視鏡と言われるカメラや手術器具を挿入し、断裂した腱板を元の骨の位置に縫い付ける術式です。この関節鏡を使った手術では傷口を大きく開かないため、体への負担が少なく感染率も低いです。 ただし手術を受けたからといって、すぐに元の状態に戻るわけではありません。手術をしても腱板に負荷がかかると再断裂をする恐れがあるので、しばらくは装具や三角巾を使って安静にする必要があります。 そして3週間から6週間が経つと腱板の接合部分が安定してくるので、徐々にリハビリを開始していきます。重症度にもよりますが目安としては、不便なく日常生活が送れるまでに約2〜3ヶ月、スポーツや重労働ができるまでには約6ヶ月かかります。(文献④) 腱板損傷に対する第三の選択肢、手術を避ける再生医療について 腱板の損傷部分に関しては、自然治癒の可能性は低いと言われています。その為、痛みが強く保存療法でのコントロールが効きづらい場合には、一般的に手術を選択される医療機関が多いと思われます。 一旦断裂した腱板を縫い合わせる手術を実施したとしても、腱板が元の正常の状態に戻るわけではありません。そのため、縫い合わせた腱板は時間の経過と共に再度損傷していき、縫合部分が徐々に裂けてしまい、最終的には腱板が再断裂をしてしまうことが少なくありません。 また、手術を受けた際に関節を切開して出来た傷口が癒着し、組織同士がくっついて肩関節の動きを阻害してしまいます。そうなると本来の肩関節の動きを取り戻せず、五十肩(肩関節周囲炎)のような痛みを生じてしまいます。 このような状態を防ぐ為に有用な選択肢であるのが再生医療です。一般的には再生の可能性が低いと言われている腱板に再生医療では幹細胞を投与することで、損傷部位に幹細胞が行き渡り、腱板が再生されていきます。 幹細胞治療で再生された腱板は、縫合術のように糸で縫い合わせているわけではないので、再断裂を起こす確率は極めて低いです。また入院や装具で安静にする必要がないため、拘縮を起こすことなく痛みや可動域制限が解消されます。 さらには手術をされた方にも再生医療は有効とされています。手術を受けた場合の最大のリスクは腱板縫合部分の再断裂です。そこで手術により縫い合わされた腱板に再生医療を併用することで、再断裂のリスクを抑えられるだけでなく、手術を受けた際の傷口の修復や術後に起こり得る疼痛の軽減にも期待されます。 ▶こちらの動画でも詳しく解説しています。是非ご覧ください。 https://youtu.be/bKupVfsXpHM?si=1FgvN_eZLUW2EDC7 まとめ 腱板損傷は明らかな原因が元で発症することもあれば、加齢による変性などで発症することもがあります。特に50歳代以上では発症率が高く、身近に起こり得る疾患と言えます。 しかし、損傷の程度によっては保存療法が功を奏せず、時間の経過とともに断裂が広がり手術となることもある疾患です。手術になるような損傷を起こさないためにも原因を知って、まずは予防に努めましょう! そして、少しでも肩に違和感を感じたら、医療機関を受診するなどして腱板損傷が拡大しないよう早めの治療に取り組みましょう。以上、腱板損傷の症状と治療法、併せてその原因と予防方法ついて、記させて頂きました。 参考にしていただければ幸いです。 監修:院長 坂本貞範 ^①Sasanuma H, Sugimoto H, Iijima Y, Kanaya Y, Saito T, Takeshita K.Blood flow evaluation by dynamic magnetic resonance imaging of symptomatic rotator cuff tears and frozen shoulders. J Shoulder Elbow Surg. 2018 Dec;27(12):e372-e379. doi: 10.1016/j.jse.2018.05.042. Epub 2018 Aug 13. PMID: 30111504. ^②Moosmayer S, Tariq R, Stiris M, Smith HJ. The natural history of asymptomatic rotator cuff tears: a three-year follow-up of fifty cases. J Bone Joint Surg Am. 2013 Jul 7;95(14):1249-55. doi:10.2106/JBJS.L.00185. PMID: 23864172. ^③Saito K, Kenmoku T, Hirota K, Matsui H. Long-term prognoses of patients with and without re-rupture after arthroscopic rotator cuff repair. J Phys Ther Sci. 2021 Jun;33(6):460-465. doi: 10.1589/jpts.33.. Epub 2021 Jun 18. PMID: 34177109; PMCID:PMC8219605. ^④Gallagher BP, Bishop ME, Tjoumakaris FP, Freedman KB. Early versus delayed rehabilitation following arthroscopic rotator cuff repair: A systematic review. Phys Sportsmed. 2015May;43(2):178-87. doi: 10.1080/00913847.2015.1025683. Epub2015 Mar 22. PMID: 25797067. ▼以下の肩腱板損傷の記事も参考にされませんか。
最終更新日:2024.09.03 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
変形性膝関節症|サポーターの注意すべき使用法!正しい選び方と装着方法 変形性膝関節症を発症され、歩行時にぐらついたり、痛みが生じたりする症状で苦労をされていませんか? そんな場合、サポーターを着ける機会も多くなるのではないでしょうか?!そんな場合、以下のようなことを考えられたり思われたことがお有りになるかもしれません。 ・「自分に合わせた専用のサポーターが欲しい」 ・「専用のサポーターってどうなのか?」 ・「自分に合わせてもらえるのか?」 そのサポーターについて以下のように思っていませんか? ✕「ドラックストアで売ってる既製品で良い」 ✕「着けてさえいれば良い」 ✕「オーダーする必要が分からない」 △「オーダーできるとは知らなかった」 まずお伝えしたいのは「変形性膝関節症」の場合、「サポーターを使用することは大変有効である」ということです。そこで今回は、「変形性膝関節症のサポーター」に関して、その選び方と使用法、装着方法について解説いたします。 ご自身の膝の状態、そしてご自身にフィットしたものが良いのは言うまでもなく、サポーターの選び方、更には効果的な装着方法、着け方について具体的にご説明したいと思います。 ご一読いただき通院先や、お近くの医療機関でご相談されることをお勧めします。 変形性膝関節症サポーター|使い方で注意したいこと 変形性膝関節症の対策としてサポーターを使われることは有効です。 しかし、適当にサポーターを選んでつけると、サポーターの効果が十分に発揮されない可能性があることをご理解いただかねばなりません。 せっかく付けるのですから効果的に装着していただきたいものです。 気を付けて頂きたいのは、変形性膝関節症の「進行具合」「炎症の箇所」などによってはサポーターをつけることが逆効果になることもありえるということです。 そのため、サポーターの使用について、まずは主治医にご相談されることをお勧めします。 主治医にご相談いただきサポーターを使用することになった場合は、その指示のもとで選んで頂きたいのですが、ご自身でもポーターの選び方や、つけ方についてご理解いただくことは非常に大切です。 清潔な状態で使用しよう 変形性膝関節症でサポーターを使用するときは、膝もサポーターも清潔な状態で使用するようにしましょう。清潔な状態が保たれていない状態で使用すると皮膚がアレルギー反応を起こしたり、接触性皮膚炎を引き起こす可能性があります。 サポーターはズレてしまうことがあります。汗をかいているときは、汗をしっかり拭きとってからサポーターをつけるましょう。 サポーター装着する注意点 ・清潔な状態を意識する ・膝の汗を拭きとってから使用 長時間の使用は避ける サポーターを正しく装着しても、長時間つけ続けていると患部が圧迫されて血流が悪くなってしまいます。楽だからと、ずっと装着したままでいると膝を支える筋力が低下してしまいかねません。 家にいる場合などは、はずして長時間の使用は控えるべきです。サポーターは外出直前につけ、定期的に外すことで、できるだけ着けている時間を短くする工夫をしましょう。 短い時間であっても安静時には外すなど、こまめに着け外す習慣をつけるようにしましょう。 定期的に交換しましょう サポーターは消耗品という認識を持ってください。 長期間使用していると素材が伸びたりして、劣化します。例え専用にオーダーして、正しいつけ方をしていてもフィット感が乏しくなってくることがあります。 サポーターは正しくフィットすることで効果を発揮するよう設計されているからです。長期間使用したために、伸びたり劣化したりして正しくフィットしなくなってきた場合は積極的に新しいものに交換しましょう。 劣化したサポーターを使って変な負担が掛かることで逆に症状が悪くなる危険性もあります。 変形性膝関節症|サポーターの選び方 変形性膝関節症でサポーターを使用し、効果を十分に得るためには、装着方法だけでなく、どのようなサポーターを使用するのか、選び方も重要です。 現在は、いろいろな種類のサポーターが販売されていますが、どれも大差ないだろうと適当に選んで使用するべきではありません。 適当な選び方をしたサポーターだと、正しいつけ方をしても変形性膝関節症への効果が得られないばかりか、悪影響になってしまうこともあります。 膝のサイズが合ったものを選ぶ 変形性膝関節症でサポーターを使うときは、まず、自分の膝のサイズに合ったものを選ぶことが大切です。 せっかくサポーターをつけてもサイズが合っていないと、膝をしっかり固定することができなくなり、サポーターをつける意味がなくなってしまいかねません。 サポーターを選ぶ場合 ・自分のサイズを知るため事前に測っておきましょう ・測り方は、メジャーで膝の皿の部分から上下10㎝の部分を測ります。 用途に合ったものを選ぶ 自分の用途に合ったものを選ぶことが大切です。 ・スポーツにおすすめのタイプ ・立ち仕事をする場合におすすめのタイプ ・高齢者におすすめのタイプ ・リハビリをおこなう人におすすめのタイプ 変形性膝関節症の対策として選ぶ場合は、症状の度合いや体重、筋力、足の状態(O脚など)によって、どれが合うかは異なってくるので、選び方は判断がすごく難しいです。 主治医に相談して自分の用途に合ったものを見つけましょう。 使用感の良いものを選ぶ 変形性膝関節症のサポーターを選ぶ際は、使用感についても重視すべきです。サイズが自分にピッタリであっても、実際に使用して不快に感じると、長く使用することが難しくなってしまいます。 サポーターは、サンプルを置いているお店もあるので、実際に試して使用感をチェックするのがおすすめです。 変形性膝関節症のサポーター|正しい装着法(つけ方) 変形性膝関節症の人がサポーターを使用する場合、サポーターの選び方だけではなく、正しいつけ方で使用することが大切です。 そこで変形性膝関節症のサポーターのつけ方のコツをご紹介します。 サポーターの装着(つけ方)、手順とコツ ベルトを締めるタイプのサポーターの場合、サポーターは上の方から締めていきます。上のベルトを締めるときは、強く締める必要はなく、フィットしているな!と感じられるくらいで十分です。 上を締めてズレがないかチェックしたら、今度は下のベルトを締めます。 下の方を締めるときは、膝の皿の部分をきちんと補助することができるように下から上に引き上げながら締めるのがポイントです。 下の方は上の方よりも強めに圧がかかるように締めますが、血流を阻害するほど強く締めすぎないように注意しましょう。 立った状態で装着する サポーターをつけるときは、立った状態で装着するのがおすすめです。 立ち姿勢で膝を伸ばした状態でサポーターをつけると、しっかりとサポーターが巻き付いて膝を曲げたときに緩みにくくなります。 ただし、サポーターなしで立つのが難しいという人は座った状態でつけても問題ありません。 座った状態でサポーターをつける場合は、膝を少しだけ曲げた状態でつけるとしっかりと付けることができます。 膝を動かして確認する サポーターをつけ終えたら一度膝を軽く動かしてみて、締め付けが強すぎないかチェックします。ズレがなくきちんとフィットしているかチェックしたりすることが大切です。 少しでも強すぎたり、フィットしていない場合は、面倒でもそのまま使用せず、つけ直しましょう。これが大切です。 まとめ・変形性膝関節症|サポーターの注意すべき使用法!正しい選び方と装着方法 ここでは変形性膝関節症のサポーターの使い方で注意すべきことや、選び方。そして、その着け方、装着方法についてご紹介させていただきました。 変形性膝関節症に悩む方にとって、サポーターは大きな助けとなります。しかし、正しい選び方や装着方法を知らずに使用すると、効果が得られないだけでなく、逆に症状を悪化させる恐れもあります。 まず、サポーターの選び方は自身の膝の状態や用途に合わせて慎重に行うことが重要です。 サポーターの装着方法も正しく行うことで効果的に症状の緩和が期待できます。清潔な状態で使用し、長時間の装着は避けるようにしましょう。 また、サポーターにも寿命があり、フィット感が乏しくなってきたら交換も必要になります。最もお勧めするのは主治医や専門家と相談しながら適切なサポーターを選ぶことです。 正しい装着方法を学び、これらのポイントを押さえて、変形性膝関節症に対するサポーターの効果を最大限に引き出しましょう。 以上、参考にしていただければ幸いです。 No.0012 監修:院長 坂本貞範 ▼ 再生医療で変形性膝関節症を治療する 変形性膝関節症は、再生医療により手術せずに症状を改善することができます ▼こちらも参考にしていただければ幸いです 変形性膝関節症を悪化させないための運動方法と日常の工夫
最終更新日:2024.04.24 -
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変形性膝関節症で必須なサポーターのメリットと選択時の注意点 変形性膝関節症に悩まされている高齢者のなかには「膝が痛いのでサポーターをつけた方が楽になるかも?」「変形性膝関節症と言われたのでサポーターを着けるべきか?」などとお考えではないでしょうか。 今回は、「1.変形性や、デメリット」、「変形性膝関節症でサポーターをつけるメリット」、「3.サポーターの使用時に注意すべきこと」の3点についてご紹介します。 1.変形性膝関節症でサポーターをする方が良い理由 まず結論から述べると、変形性膝関節症では高齢者に限らず、若い方であっても「膝にはサポーターをしたほうが良い!」と言えます。そこで、その理由についてお話します。 変形性膝関節症の高齢者にはサポーターを積極的におすすめしています 変形性膝関節症の場合、高齢者はもちろん、それ以外の方にとっても「サポーター」は、単なるグッズではなく、"おすすめ"のアイテムです。変形性膝関節症になると、軟骨の擦り減りによって膝が不安定になったり、痛みが生じたりして歩行が困難になります。 しかし、サポーターの効果としては、膝を支えて固定することで、膝が安定し、痛みを和らげることができるので、歩行や動きが楽になります。また、サポーターによって膝が温められ、冷えによる痛みを和らげることでも人気があります。 症状:軟骨のすり減り → 膝が不安定、膝の痛み → 歩行や動くことにが困難に ・サポーターを着ける:膝を支え(固定) → 膝が安定(痛みが和らぐ)>歩行が楽に! ・サポーターを着ける:膝を温め(冷えを防ぐ)→ 痛みの軽減 >歩行が楽に! このように変形性膝関節症の方にとってサポーターの使用は、とても有効でオススメです。ただし、使い方には注意点があります。そんなサポーターに関する情報を記していきましょう。 変形性膝関節症でサポーターをつけるときの注意点 変形性膝関節症の場合、高齢者に限ったことではありませんが、サポーターで膝を安定さることができれば「歩行がしやすくなった!」「膝の痛みが軽減された!」という効果を感じることができます。 まさにサポーターを着けるだけの手軽さで可能になります。ただし、サポータを装着して良い効果を得るためには正しい使い方をすることが大切になります。 〇こちらも併せてご覧ください → 変形性膝関節症の装具両方の種類と注意点について サポーターの種類は千差万別、選択には注意が必要 変形性膝関節症の方にサポーターは、積極的におすすめできるアイテムです。しかし、ご注意いただきたいのは炎症の箇所や症状の度合いによってはサポーターを使用すると、余計に痛みが生じてしまうことがある点です。 また、慢性皮膚炎の人や、膝の周辺に傷や湿疹がある人などが使用すると皮膚の症状が悪化する可能性があります。化学繊維にアレルギーがある人はサポーターでアレルギー症状が出る可能性もあるので気をつけましょう。 サポーターには、単なるグッズから医療用のもの、また対策できる部位やサイズが違っているもの、保温性を加味したもの、メンズ・レディース・共用など性別を含めて色々なタイプや種類があります。 これらは通院されている整形外科をはじめ、手軽にドラッグストアや、ネット通販でも簡単に購入ができます。選び方としては通販サイトのランキング情報や、口コミを参考に選ぶこともできます。 サポーターを選択する際には医療用から選べば大きな間違いは無いと思われますが、大切なのは、膝をしっかり固定できて、支えてくれるもの、しっかり動きをサポートしてくるものを基本に、サイズが合ったものをお選びください。 このようにサポーターも多種多様にあるため、何の目的で、どんな対策で付けるのかなど、目的を明確にして選びたいものです。一番のオススメは試着できることです。 最も良いのは、主治医にご相談されることです。試着できることが多く、最適なサポーターを医者の目線で選んでもれえることが可能になります。ご自身に合ったものをで選んでもらえるので安心です。 サポーターの装着で注意すべきこと ・炎症が起こっている箇所、症状の度合いの判断が必要 ・慢性皮膚炎 ・膝の周辺に傷や湿疹 ・アレルギー(化学繊維) サポーター選びで大切なこと ・膝を支えて固定できるもの ・サイズがあったも ・保温性にも対応しているもの ・主治医がおられるなら相談をしてアドバイスを受ける 2.変形性膝関節症でサポーターをつけるメリット ①サポーターを着けるメリット:安心感が増し、歩行がしやすく、楽になる 変形性膝関節症の人は、膝を動かすと、その痛みによって歩くのが困難になってしまいます。さらに高齢者の場合は、膝を支える筋肉量そのものが低下してしまっているため、余計に歩行が辛く、困難になってしまう傾向があります。 このように歩行が不安定な状態が続くと歩くことに対して怖かったり、不安な気持ちになり、歩くことを躊躇するようになる人も少なくありません。 そのためにも膝を支えて、固定してくれるサポーターを使用されることを、おすすめします。サポーターは、膝を固定する効果があり、膝の安定感が増して「歩行時のふらつきを予防し」、「膝を安定させます」。「膝が固定されてぐらつかなくなる」ことで歩行するときの安心感を得ることができます。 ②サポーターを着けるメリット:痛みを感じにくくなる サポーターをつけることで痛みを軽減させ、感じにくくなるのも大きなメリットです。なぜサポーターをすると痛みを感じにくくなるかというと、サポーターをつけて膝を圧迫すると「触圧覚が刺激される」からです。 「触圧覚」とは、何かに触れたときに感じるもので、痛みを感じたときに痛みを脳に伝達する痛覚よりも早く、何かに触れたことを脳へ伝達します。サポーターで圧をかけ、触圧覚を刺激していると痛覚の反応が鈍くなるため、痛みを感じにくくなるのです。 ③サポーターを着けるメリット:膝の冷えを防止する サポーターは膝を安定させたり、痛みを感じにくくしたりする効果だけでなく、「冷えを予防する効果」も期待できます。膝が冷えてしまうと血管が収縮して血液の流れが悪くなり「筋肉が硬く」なってしまいます。 そして、膝の筋肉が硬くなったまま動かそうとすると筋肉への大きな負担がかかるため、痛みを感じやすくなります。そのため、変形性膝関節症の高齢者が寒い日に外出するときや、エアコンが効いている部屋にいるときなどは、サポーターをすることで「冷えを防止」することができます。 このように変形性膝関節症の高齢者を含め困っている方は「サポーターをつけることで多くのメリット」があります。 ④サポーターを着けるメリット:変形性膝関節症の悪循環をストップできる 変形性膝関節症が進行すると膝の安定性が低下したり、痛みが生じたりするため、安静にしようと思ったり、動かすのが億劫になったりして、できるだけ動かないようにしようとする人が多いでしょう。 しかし、ご注意頂きたいのは体を動かさないでいると軟骨の周囲を支えている筋力が低下します。すると、軟骨がさらに擦り減りやすくなるなど、悪循環を招いてしまいます。ですから悪循環をストップさせるためにサポーターを適切に使用しましょう。足を動かす機会が増えれば、軟骨の周囲を支える筋力が戻り、軟骨が保護されて、痛みにくくなります。 特に高齢者の場合、「年だから・・・」と諦めずにサポーターを使用することで無理のない運動に努めましょう。サポーターで膝を補助してあげることで動くことをためらったり、諦めたりする必要を減らすことができる点、大きなメリットと言えるでしょう。 ▼悪循環になりがち ・変形性膝関節症:膝の安定性が低下し痛みが生じる → 動かすのが億劫になる ・変形性膝関節症の悪循環:動かない → 筋力低下 → 膝の周りの筋力低下 → 膝軟骨のすり減り ・悪循環を断ち切る:動きをサポートし、痛みを低減するサポーターを有効活用すべき! ▼ 変形性膝関節症を再生医療で治療する 再生医療をご存知ですか?変形性膝関節症は、入院や手術を行うことなく症状を改善することができます 3.変形性膝関節症の高齢者がサポーターを使用する際に気をつけること? 変形性膝関節症で高齢者がサポーターを使用する場合、外出やリハビリに取り組む場合に多くのメリットがありますが、サポーターを効果的に使用するには、注意すべきことがいくつかあります。 汗を拭いて使用する 歩行時にサポーターがずれると歩行しにくくなります。 そのままでは、他の筋肉や部位に負担をかけることとなり、膝や腰などに痛みが出る可能性があります。このように膝に汗をかいた状態でサポーターをつけると、サポーターがずれやすくなり、膝を支えるという目的を果たせなくなります。 外出やリハビリに使用する場合は、サポーターをつける前に汗をかいていれば拭くようにしましょう。また汗をかいたら面倒でも、小まめに拭いてやり、快適な装着を心がけましょう。 正しく装着する サポーターは正しく装着することで効果を発揮します。 上下左右の方向や位置を間違って装着すると、サポーターの役割をじゅうぶんに果たすことができませんし、血行不良になることもあります。種類によっては上下や左右など分かりにくいものもあり、何か不自然、違うな・・・感じたら、最初から装着をやり直しましょう。おかしいと思いながら付け続けるのはお避け下さい。 安静時はサポーターを外す サポーターを長時間使用していると、うっ血や圧迫痛を引き起こしてしまう可能性がありますので、使用するのは運動時や歩行時だけにして、安静時はサポーターを外すようにしてください。 まとめ・変形性膝関節症で必須なサポーターのメリットと選択時の注意点 高齢者をはじめ多くの変形性膝関節症の方々にとってサポーターは”おすすめ”なのかどうか、また、使用する場合の注意点などについて記させていただきました。 サポーターを装着すれば、膝周りを支えて歩行時の安心感はもちろん、痛みを緩和してくれる有効なアイテムとしてご推薦できます。デメリットは特に無いのですが、注意点はあります。 それは、ご自身の症状にあったサポーターをお選びいただく必要がある点、装着方法に注意をはらう、サイズが合ったサポーターをしていただくということになります。 また、サポーター選びは医師へご相談された上、その指示やアドバイスに従い正しく使用することができればベストです。 No.0011 監修:院長 坂本貞範 ▼ 再生医療の幹細胞治療が変形性膝関節症の治療を変える! 変形性膝関節症の新たな選択肢、再生医療なら、すり減った軟骨の再生を目指せる ▼サポーターの使い方をこちらで更に詳しくご説明 【変形性膝関節症用のサポーター】正しい使用法と選び方!
最終更新日:2024.02.20 -
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変形性股関節症を農業で発症!予防と悪化を防ぐには 農業をやっていて、不安定な姿勢で長時間作業を繰り返していくうちに変形性股関節症になってしまい、痛みがつらいという人もいるかもしれません。変形性股関節症は、関節の痛みと機能障害が起こりますが進行すると持続痛となり取れなくなる恐れもあります。 そのため、「変形性股関節症になってしまったら、農業はやめるべきなのか?」「股関節に関節症を発症したら農業は、してはいけない仕事なのか?」「そもそも立ち仕事は避けるべきなのか?」など、不安に感じるられているのではないでしょうか。 そこで今回は、変形性股関節症になったら農業をやめるべきなのか、という疑問について、やめるわけにはいかない場合の予防法と治療について解説します。 結論から言いますと、もし変形性股関節症になってしまった場合でも、「農業をやめるべきである」「してはいけない」とは一概に言いきれません。ただし、変形性股関節症になった状態で通常どおりに農業をおこなうというのは危険です。 変形性関節症になっても農業を続けるには? 変形性関節症になったとしても農業を続けたい場合は、痛みのコントロールや症状の進行を抑えるための治療をおこなうことが大切です。痛みの緩和や症状の進行を抑えていく必要があります。 股関節に負担がかからないように生活する 変形性股関節症は、股関節に負担がかかることにより痛みが生じ、症状が進行します。股関節には、農業以外にも、立ち仕事はもちろん、日常生活の中でも無意識のうちに大きな負担がかかる動作や仕事があります。 例えば、歩くだけでも負担がかかりますし、トイレが和式であったり、いつも履いている靴の質が悪いなどということが股関節への大きな負担になることもあります。 そのため、なるべく股関節に負担がかからないよう生活スタイルを変えることや、クッション性に優れ、弾力があって股関節への衝撃を和らげることができる靴を選ぶなど、身近なところから股関節への負担を軽減するように変えていくことが必要です。 変形性股関節症の治療法を検討する 変形性股関節症には、いくつか治療法が存在します。変形性股関節症の場合、股関節に負担のかからないエクササイズや、水中運動などの運動療法が有効です。 このした治療法は、股関節周辺の筋力をつけていくことで、痛みを緩和させる効果が期待できるからです。そのほかには、薬物による治療方法や、症状が進んでしまった場合には人工関節置換手術などがあります。 長期的かつ健康的な視野で見れば、軽度の変形性股関節症は、運動による治療も可能ですが、日常に支障をきたすレベルで関節が痛むなどの場合は、薬物や手術などによる治療を検討されたほうが良いでしょう。 主治医に相談をする 変形性股関節症では、進行の程度や症状によって治療法が異なります。股関節に違和感がある、痛みがあるという場合は、まずは、整形外科をはじめとした専門の医療機関を受診し、診断をしてもらいましょう。 その上で、これまで通りに農作業をおこなっても良いのか、股関節への負担を軽くするために、農業のやり方を変えていくほうがいいのかなどについて主治医に相談してみてください。 農業をしていると変形性股関節症になりやすいの? 農業をしていると変形性股関節症になりやすいという声もありますが、実際のところはどうなのでしょうか。 結論から述べますと、一概に農業をしていると必ず変形性股関節症になるというわけではありません。しかし、農業と変形性股関節症にはいくつかの関係性があります。 農業は変形性股関節症の原因となる姿勢や動作が多い 農業は長時間の立ち仕事であることはもちろんのこと、重たいものを運ぶ、不安定な体勢で作業をするなど、変形性股関節症の原因となる動作が多いです。 変形性股関節症は、股関節への過度な負荷によって引き起こされるため、そういう意味でも農業は多かれ少なかれ変形性股関節症のリスクがあると言えるでしょう。 農業でかかる関節への負担は股関節だけではない 農業は、不安定な姿勢が多いため股関節に負担がかかると言われますが、そのほかの関節にも負担がかかり、膝や腰を痛める人もいます。また、股関節に痛みが生じ、その痛みをかばいながら作業をすると、今度は腰や膝などほかの関節の痛みも併発する可能性もあります。 つまり農業は、股関節だけでなく全身の関節との付き合い方がとても大切になってくる職業であると言えます。 変形性股関節症|予防と悪化させないために 農業だけが変形性股関節症になるリスクがあるというわけではありません。 しかし、農業には変形性股関節症になるリスクが大きな動作が多いことは間違いありません。そのため、農業で変形性股関節症にならないように意識し、悪化させないようにするための予防が必要です。 椅子に座って農業をする 長時間の立ち仕事による農業は股関節に負担をかけるため、変形性股関節症になるリスクがあります。ですから、立ち仕事の時間を減らせるように工夫しましょう。最近は、座ったまま移動ができるキャスター付の農業作業用の椅子などが広く出回っています。そういったアイテムの使用もおススメです。 休憩をこまめにとる 農業で変形性股関節症にならないようにするには、小まめに休憩をとるようにしましょう。 一般のサラリーマンに比べ、農業は明確な就業時間や休憩時間が決まっていないことが多いと思います。そのため、農業を営む人の中には、定期的な休憩を取らずに働いてしまう人もいるようです。 しかし、休憩を取らずに、働き続けることは良くありません。例えば一時間ごとに10分などと決めておくと休憩を意識しやすくなります。どうしても休憩が取りづらい状況であるならば、立ち仕事を減らす工夫や、少しでも関節への負担をかけない工夫をしましょう。 疲労がたまったらストレッチをする 農業をしていて股関節が痛く感じることがあれば、疲労がたまっている証拠です。もしも痛みを感じたら、少し休み、股関節周辺のストレッチをしましょう。 また、お風呂上がりや寝る前などにも、太ももの筋肉やお尻の後ろにある大殿筋などをほぐすようにストレッチするのも効果的です。農業による筋肉の疲労を放置せず、日々しっかりとストレッチをすることで、変形性股関節症の予防につながります。 変形性股関節症でも農業を続けられる関節の痛みの緩和法とは 変形性股関節症になった状態で農業を続けることは大変です。しかし、医師の判断にもよりますし、個人差もありますが、痛みのコントロールをすることができれば、ある程度は農業を続けることが可能でしょう。 変形性股関節症の痛みの緩和方法を紹介します。 関節を温める 関節を温めることによって痛みを緩和できます。ホットタオルや使い捨てカイロなどで関節を温めましょう。股関節を温めることで血行が良くなり、体の修復機能が向上するので、「痛みの緩和」が期待できます。 半身浴をする 関節を温め、血行を良くするという観点から、半身浴もおススメです。お湯の温度を38度から40度ぐらいに設定して半身浴をしてみてください。ホットタオルなどで部分的に温めるよりも、半身浴は股関節全体を温めて、より血行を良くする効果が期待できます。 また半身浴は変形性股関節症の痛みをやわらげるだけでなく、血行が良くなることで体の新陳代謝機能が上がるため、健康そのものにも効果的です。毎日の疲れをとるためにも、ゆっくり半身浴をするという習慣を取り入れてみるのも良いでしょう。 農業を続けたい!変形性股関節症には再生医療という治療方法もある! 変形性股関節症になり、痛みが生じるようになると、農業を続けることが大変になってきますが、それでも農業を続けたい!そもそも農業が生業でやめるわけにはいかない!という場合は、短い治療期間で済み、副作用のリスクも少ない最先端の治療法「再生医療」という選択肢もあります。 再生医療で痛みの改善が可能になれば、生活の質が上がりますし、人工関節に置換えるなどの外科的手術も不要になる可能性が高まります。変形性股関節症の痛みで農作業に支障があると悩まれているのであれば、検討される価値のある治療法です。 https://youtu.be/isSkwxfHrbI?si=xBpcu7q-w5wcdT8Y ▶こちらの動画では、変形性股関節症に効果的な再生医療について解説しています。是非ご覧ください。 まとめ・変形性股関節症を農業で発症!予防と悪化を防ぐには 農業をしていると必ず変形性股関節症になるというわけではありません。しかし、ほかの仕事に比べて股関節への負担がかかりやすい農業は、股関節に対する関節症、特に変形性股関節症のリスクがあるのは確かです。 現在、農業に携わっていて変形性股関節症に悩まされている人や、痛みが強くなったら農業ができなくなるのではないかと不安に感じている人は、今回ご紹介した予防や痛みを緩和する方法を試されてはいかがでしょうか。 また、変形性股関節症は専門医による治療が必要です。せっかく診断を受けても軽度ならと仕事を優先し、つい無理な作業や立ち仕事を続けられてしまう方もおられます。 ご注意頂きたいのは放置して自然治癒することはありません。変形性股関節症は放置すると症状が進行する病気です。早めに専門医の指導の下、適切な治療を受けましょう。 以上、変変形性股関節症は農業で起こりやすいのか?その予防と治療法について、という視点でからご説明させていただきました。変形性股関節症と正しく向き合い、毎日元気に農業を続けていきたいものです。 No.0010 監修:院長 坂本貞範 ▼ 再生医療で変形性股関節症を治療する 変形性股関節症は、再生医療により手術せずに症状を改善することができます ▼以下もぜひご覧ください 変形性股関節症を悪化させないために気をつけたいこと
最終更新日:2024.08.30 -
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変形性股関節症で歩行の負担を和らげる頼りになる杖の選び方を解説 変形性股関節症の方が歩行するのに頼りになるのが「杖」です。そこで「正しい杖の選び方、使い方」をお話ししてまいります。 変形性股関節症と診断された人にとって「歩くのが辛い」、「歩行するのが不安」などといったことで悩まれている方はいませんか?すでに「杖」を使用されていたり、これから購入をお考えの方もおられることでしょう。 杖は、不安定になりがちな足元を支えて歩行を助けてくれる第三の足ともいえるものです。そのためにも杖の正しい使い方を理解して、少しでも不自由なく股関節に負担ない、自分に合った杖を選ぶことが大切になります。 杖の使用は、変形性股関節症の人にとって股関節の負担を和らげるだけでなく、歩行時の転倒防止などに対して大きなメリットがあります。股関節に痛みのある状態で生活を送っていると、痛みをかばうために膝や腰にも負担がかかり、結果として膝痛や腰痛を招いてしまうため、注意しなければなりません。 そのため、杖の使用が推奨されます。 杖を使えば股関節への負担だけではなく、膝や腰への負担の改善も期待できます。 しかし、ひとくちに杖と言っても、一本足タイプの杖や、複数足タイプの杖、木製のものや金属製のものなど、さまざまな種類があります。それらを使って正しい杖の使い方をしなければ、痛みの緩和や歩行のサポートとしての役割を発揮することができません。 歩行を補助するために安全で体に負担をかけることのない正しい杖の使い方をするためにも、まずは杖の選び方にこだわりましょう。自分に合った杖を選ぶことが大切です。 自分に合った正しい杖の選び方、気をつけたいポイント せっかく杖を買っても、その杖が自分に合っていないと、歩行のたびに股関節へ余計な負担がかかってしまう危険性があります。そこで杖について大切なことを以下に記しました。 1)杖の選び方・杖の重さ 杖に重さがあると安定感があり、杖自体も頑丈で歩行にも安心感を感じるかもしれません。しかし、重すぎると疲れやすくなり、慣れるまで時間がかかり、時間とともに使いづらく感じてしまう場合もあります。 一般的には強度と軽さを兼ね備えたアルミ製のものが多く販売されていますが、最近ではより軽いカーボン製の杖も販売されています。いずれも軽量でありながら強度が高いところが特徴です。 杖の重さ メリット デメリット 重い 頑丈、安心感 使用で疲れ、使いずらくなる 軽い 軽量で強度が高く使いやすい - 2)杖の選び方・握りやすさ 杖の持ち手にもコダワリが必要です。自分に合った握りやすく、太すぎず、細すぎず違和感のなく握れることができる杖であることが選ぶポイントです。 滑りにくく掴みやすい、自分の手にあった握りやすい杖を選ぶことで握力がなくても疲れにくくなるでしょう。購入前に、実際に握ってみて、ぜひ少しでも歩く練習をしてみてくださいね。 3)杖の選び方・長さ 杖の長さの目安は身長の半分+2~3cmが適切といわれています。 杖の長さが短いと、前傾姿勢になり、股関節へ負担が大きくなります。これでは、せっかく杖を使っても症状が悪化する原因となってしまいかねません。 逆に、杖が長すぎると扱いずらく歩きにくい、操作が難しくなります。長時間の使用や長距離の歩行の場合、疲れやすくなります。 正しい姿勢で歩行ができるように、自分にあった適切な長さの杖を選びましょう。長さを調整できる伸縮するタイプの杖もあり、これを選ぶと、細かく長さを調整することができます。 適切な長さポイント ・身長の半分プラスして2~3cm ・正しい姿勢で歩行できるよう調整する → 短い杖:前に姿勢が倒れるため、股関節への負担が大きい → 長い杖:扱いずらく、歩きにくい、疲れやすくなる 4)杖の形 杖の形も歩きやすさに影響を与えます。 デザインなどで選ぶことなく、杖としての基本的な性能を比べてご自身に合った形を探しましょう。 ・T字杖 一本杖に握り手がついた一番多くられる一般的な杖のひとつです。このタイプは、使用する人を選ばず、比較的、誰にでも簡単に使用することが可能です。 しかし、多脚杖ほどの安定感はないため、高齢の人や、症状が進み自分での歩行に難がある人に安定性の面からあまり向いていません。 ・ロフストランド杖 一本杖のひとつですが、上部に腕を通す輪があり、下部にも握り手がついていて、T字杖よりも安定感があります。 手が変形している人や、筋力が足りずにT字杖では、歩行の折に体重を支え切れない場合などで選択される杖です。 ・多脚杖 T字杖は一本杖なので地面と接している部分が一か所のみですが、多脚杖は3点あるいは4点が地面と接します。支える部分が多いため、力が分散され、T字杖よりも安定性が高い杖です。そのため、T字杖のような一本杖では安定しない、筋力が低下しているという人におすすめです。 多脚杖は安定感があるため、変形性股関節症の痛みがひどい人が杖に体重をかけても転倒しづらいですが、一本杖よりも重くなってしまうというデメリットもあります。 変形性股関節症における杖の選び方 変形性股関節症の人が杖を買うときには、実際に自分の手で持ってみる、少しでも歩いてみるなどして選ぶことも大切ですが、やはり専門家の意見を取り入れたほうが良いでしょう。理学療法士や専門の医師に相談しながら、自分に合った杖を見つけましょう。 そして、杖の長さは、重心をかける位置などにも関わってきます。立ったままでなく、直接手に取って、持って、歩いて、相談しながら長さの調節をすると良いでしょう。歩行時の安定感が大切です。 杖の正しい使い方について専門家の指導を受けよう 変形性股関節症の人が杖を購入したら、その杖の効果を最大限に発揮できるよう杖の使い方の指導を受けるようにしましょう。正しく杖を使うことで、痛みが改善されるほか、歩行が楽に感じられるようになると行動範囲も広がります。 変形性股関節症の人は、運動療法もおこなって筋力をつける必要があります。痛みの改善や行動範囲の拡大は、運動療法もやりやすくする効果があるため、正しい杖の使い方を習得して、少しずつウォーキングのような運動もするようにしましょう。 杖を正しく使うことによるメリット 変形性股関節症で歩行がつらくなっていても、正しい杖の使い方をすることで痛みの改善ができると、行動範囲も広くなります。 痛みが強いとトイレに行く、お風呂に入るといった日常動作が億劫になり、筋力が落ちてさらに痛みが増してしまうという悪循環に陥る人もいますし、さらに症状が進むと寝たきりになってしまう可能性もあります。 正しく杖を使って歩行できれば行動範囲を広げることになり、何より変形性股関節症の方でも気持ちを明るくすることができます。このように杖ひとつで前向きな気持ちになれるきっかけになれば何よりです。 まとめ・変形性股関節症|歩行の負担を和らげる頼りになる杖の選び方とは 変形性股関節症で杖を使う場合は、杖を使った正しい歩行方法を知ることが大切です。今回は、正しい杖の使い方をするための第一歩、杖の選び方についてご紹介しました。 自分にピッタリな杖を正しい使い方で使ってこそ、杖を役立てることができます。変形性股関節症の人で杖の使い方や選び方に悩んでいる人は、実際に店舗や病院に行って理学療法士や専門の医師のアドバイスを受けながら杖を選ぶようにすると良いでしょう。 以上、変形性股関節症で歩行する際に知っておきたい正しい杖の使い方と、杖の選び方について記しました。 No.0009 監修:院長 坂本貞範 ▼ 再生医療が変形性股関節症の治療を変える 変形性股関節症の新たな選択肢、再生医療の幹細胞治療で入院や手術せずに症状を改善できます 変形性膝関節症についてはこちらも参照ください ▼こちらも参考にされませんか? 変形性股関節症のリハビリ|運動療法!避けたい運動と行うべき運動
最終更新日:2024.07.09 -
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変形性股関節症の治療|ステロイド薬の必要性と副作用を解説します 変形性股関節症の保存療法の一環としてよく使われるステロイドという薬、痛みに効く薬として、その必要性は理解できるけど、副作用が気になる!?という方が多いのではないでしょうか。 そこで今回は、変形性股関節症に対するステロイド薬を用いた治療についてご説明しましょう。 変形性股関節症でステロイドを使った治療は、保存療法で使われることが多いのですが効果的なのでしょうか。 ステロイド薬と聞くと、とにかく副作用が気になる!本当に効果が期待できるのか?、本当に使用しなければならないのか?など、多くの不安を感じる方が多くおられるようです。 変形性股関節症におけるステロイド薬の使用目的とは? ステロイド薬を使用する目的は、痛みに効く、痛みを止める薬として、痛みの緩和に対して効果を示すからです。つまり、変形性股関節症におけるステロイド薬を用いる目的は股関節の痛みに対処するためです。 保存療法は、変形性股関節症の初期におこなわれる治療法の一つです。 変形性股関節症を発症したということは、何らかの自覚症状があるということで、それは多くの場合、痛みです。手術を回避するために初期のころ行う保存療法においては、この痛みを緩和させる必要があります。 これは手術をしないで痛みを止め、運動療法による効果を高めるための目的ですが、痛みがあると、どうしてもその部位を守ろうと他の筋肉や組織に力が入ったりして、意識、無意識にかかわらず負担を掛けてしまうことを避ける狙いもあります。 このように保存療法を有効に進めるためには、ある程度、痛みを和らげることも大切です。 ステロイド薬には抗炎症作用と鎮痛作用がある ステロイド薬の効果としては、痛に効く、痛みを抑える薬としてだけではなく、痛みの原因となる炎症そのものを抑える効果があります。痛みの原因物質の産生を抑えることで強い抗炎症作用や、鎮痛(痛みを止める)作用を示すという訳です。 そのため、変形性股関節症でステロイドを使用すると、炎症を防いで、痛みを止めるなどの改善効果が期待できるのです。ただし、ステロイド薬は、副作用が起こる可能性もあります。 ステロイド薬の副作用とは ステロイド薬の副作用のひとつに、骨が脆くなるというものがあります。そのため、事前の骨の検査や年齢によっては、ステロイド治療をおこなうことができない場合もあります。 医師とよく相談して、納得したうえで使用しなければなりません。 ▼ 再生医療で「変形性股関節症」を治療する 変形性股関節症は、再生医療により手術せずに症状を改善できます 変形性股関節症にステロイド薬を使用するデメリットは? ステロイド薬が変形性股関節症の痛みに効果を発揮し、改善できるとしても使用することによるデメリットはないのか?ということが心配になりますよね。そこで、ステロイド薬を使用することによって考えられるデメリットについてご紹介しましょう。 1.長期間の使用は避けたい ステロイドの鎮痛効果は強力です!変形性股関節症の痛みでつらい人に痛みを止めるという意味では、高い鎮痛効果が期待できます。 しかし、長期間の使用はおすすめできません。それは、ステロイドには副作用があるためです。 2.ステロイド薬を使うと骨が脆くなる可能性がある 長期的なステロイドの注射は、「大腿骨骨頭壊死」というさらに困難な症状を招く可能性があります。 変形性股関節症の人の股関節はすでに軟骨のすり減りや骨の変形が進んでいるため、より負荷がかかりやすい状態にあります。 そして、長期間のステロイド薬の投与は骨の代謝やホルモンの産生に影響を与え、骨を脆くしてしまうことがあり、長期的にステロイドを使うことで、大腿骨の骨頭と呼ばれる部分が壊死する大腿骨骨頭壊死を招くのです。 3.ステロイド薬を使うと感染症になりやすくなる 頻度は決して高くないものの、ステロイドは免疫を抑制するため、長期間の関節内投与により化膿性関節炎になる可能性があります。もし関節炎になってしまった場合は、抗生物質の内服薬で治療をします。重症化してしまった場合は、関節内の洗浄をおこないます。 4.長い期間の使用で骨粗しょう症のリスクがある ステロイドは長期間の使用により、骨の代謝やホルモンの代謝にも影響を与え、骨粗しょう症を引き起こす場合があります。 5.ステロイド薬は、変形性股関節症を根本的に治すものではない ステロイド治療は、痛みの改善には効果が期待できますが、損傷した関節を修復する効果はありません。 そのため、痛みの緩和をさせながら様子見をすることはできても、軟骨のすり減りや骨の変形の進行自体を止めるなど、変形性股関節症の根本的な治療をすることはできません。 また、変形性股関節症は進行する病気です。つまり、変形性股関節症の人がステロイド治療をおこなったとしても、最終的には手術を行う必要が出てくる可能性があります。 ▼ 変形性股関節症は再生医療で治療する 再生医療により「変形性股関節症」は、手術せずに症状を改善することが可能です 変形性股関節症のステロイド薬での治療はどのように行うのか? 変形性股関節症の人のステロイド治療は内服薬と注射があり、内服薬で痛み対する効果が感じづらくなってきた場合に関節内にステロイドを直接注射します。 ステロイドの注射薬を、直接損傷した股関節に注射することにより、ステロイド薬の強力な抗炎症作用が効果を発揮し、痛みを改善することができます。 しかし、長期的な使用は副作用のリスクがありますし、徐々に変形性股関節症の症状が進行するとステロイド注射の薬効が薄れ、効き目が感じられなくなることもあります。このように薬効がなくなると外科的治療である手術を検討しなければなりません。 痛みの緩和ということでは再生医療という分野が発達してまいりました。PRP療法は自己の血液から抽出した成分で痛みのある部分に投入することで痛みを緩和させる効果を狙うことが可能です。更に幹細胞治療という方法なら、すり減ってしまった軟骨そのものを回復させる効果を期待することが可能です。 今後、治療の選択肢に入って来るでしょう。 まとめ・変形性股関節症の治療|ステロイド薬の必要性と副作用について 変形性股関節症の治療で使用されるステロイド薬についてご紹介しました。ステロイド薬には強い抗炎症作用と痛みに効果がある、鎮痛作用があって、内服薬や関節内に直接注入することで、痛みの止めたり、緩和することを期待することができます。 しかし、ステロイドには骨を脆くするなどの薬としての副作用があり、長期的なステロイド治療はおすすめできません。また根本的な変形性股関節症の治療に効果を発揮するわけでもありませんので、ステロイドの特性を知った上での服用が大切になります。 また、痛みに対して再生医療という方法でのアプローチも進化してきています。いずれにしましても専門医とご相談の上、無理のないより良い治療法を探し、痛みと向き合っていただくことをお勧めします。 No.0008 監修:院長 坂本貞範 ▼以下もご参考になさって下さい 変形性股関節症、杖の正しい使い方と選び方
最終更新日:2024.09.04 -
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変形性股関節症と臼蓋形成不全の関係性や治療法について医師が解説します 病気の中には、ある疾患が起こると、別の疾患の発症原因になることがあります。それらの多くは疾患同士が密接に関係しているためです。 その意味で股関節の病!「変形性股関節症」と「臼蓋形成不全」という病気も密接にかかわっています。 この関係性を知ることで、この病気の進行は大きなリスクがあること、それを知ることで予防や治療にも役立つため、以下を参考にしていただければと思います。 変形性股関節症と臼蓋形成不全という股関節の病気について治療方法や手術などを解説します。まずは、変形性股関節症と臼蓋形成不全が、それぞれどのような病気なのかについて解説し、その関係性と治療方法について記してまいります。 変形性股関節症とは? 「変形性股関節症」とは、股関節の軟骨がすり減ってしまうことで、骨盤の受け皿の部分(臼蓋)と大腿骨の先端部分(骨頭)が変形する病気です。 股関節の軟骨は、股関節のクッションのような役割を担っており、軟骨がすり減ることで骨盤と大腿骨の変形をもたらし、股関節の痛みや、機能障害などを引き起こします。重度の場合、両足の長さに違いが生じるケースもある病気です。 正常な状態であれば、骨盤軟骨がクッションの役割を果たすことで衝撃を和らげるのですが、加齢などを原因として骨盤の軟骨がすり減ってしまうと徐々に骨が変形を起こし、そこで炎症が起きてしまいます。 初期の段階では、歩き初めや起き上がりの際に少しの違和感を覚えたり、痛みを感じる程度です。 しかし、症状が進行すると徐々に痛みが明確になり、安静時や就寝時に痛みを生じるケースや、歩行などに差し支えるほどの痛みが生じ、日常生活に大きな悪影響を及ぼすようになってきます。 検査・診断・治療は、問診および股関節の可動域の確認に合わせて、MRI検査や、X線検査を用いた画像による診断を行います。 初期の段階であれば軟骨のすり減りによる股関節の隙間の異変に留まりますが、症状が進行するにつれて軟骨が薄くなって股関節の隙間がさらに狭くなり、さらに進行すると関節の周辺に空洞や棘のようなものが発生します。 臼蓋形成不全とは? 「臼蓋形成不全(臼蓋形成不全症)」とは、臼蓋が小さい状態のことです。 前述の通り臼蓋は骨盤における大腿骨の受け皿のことであり、大腿骨頭の大きさの80~90%程度であることが、良いバランスとされていますが、臼蓋形成不全ではそれよりも臼蓋が小さく、50%程度の大きさしかない症例もあります。 臼蓋形成不全であると診断された場合においても、若い患者さんは軟骨の厚みが保たれていることによって症状はほとんどありません。ただ原因が不明な場合が多く、有効な予防法も確立していないのが実情です。しかし、乳児期の臼蓋形成不全は成長に伴って自然に改善されることも多いです。 臼蓋形成不全と変形性股関節症の関係性 以下に変形性股関節症と臼蓋形成不全に、どのような関係があるのかについて解説します。 ※臼蓋形成不全は、変形性股関節症の発症リスクが高い※ 実は、臼蓋形成不全が、変形性股関節症の発症原因になる可能性があります。若いころに発症した臼蓋形成不全を気が付かづ、そのまま放置してしまった結果、変形性股関節症へと進行してしまうケースは珍しくありません。 一般的に変形性股関節症の主な発症原因は「加齢」とされており、中高年の女性に起こりやすい病気なのですが、臼蓋形成不全などで股関節が生まれつき傷みやすい人の場合、若年でも変形性股関節症を発症する可能性があります。 つまり、子どもの頃にかかった臼蓋形成不全の後遺症が原因となって変形性股関節症を発症する可能性があるということです。 臼蓋形成不全の治療法 そこで臼蓋形成不全の治療について、臼蓋形成不全は、成長に伴って自然に改善されるケースも多いですが、重度の場合は自然治癒することなく進行し、変形性股関節症などの股関節の病気に発展する可能性があります。 治療においては「ひも型装具」を装着するという方法がありますが、一部からは、この治療方法について「行う必要はない」という意見もあります。臼蓋形成不全の治療目的は、「変形性股関節症へ進行を防止すること」です。 臼蓋形成不全では、股関節が不安定になりやすいため、これを補うために軽度の臼蓋形成不全の場合は、股関節周囲の筋力トレーニングを保存療法として治療に取り組むこともあります。股関節周りの筋肉に股関節を支える力を与えるためです。 一方で、重度の臼蓋形成不全の場合は、変形性股関節症に進行するリスクが高まっているため、臼蓋を大きくするための手術を行うと判断される場合もあります。 変形性股関節症の治療法 変形性股関節症の治療法は、大きく分けて「保存療法」と「手術」の2つがあります。 保存療法は、初期の変形性股関節症の治療において選択されることの多い治療法であり、基本的な治療方針は変形性股関節症による痛みを薬物療法や物理療法によって軽減し、運動療法によって症状の進行を防ぐというものです。 保存療法の目的は「変形性股関節症が進行しにくいようにする」ことであり、「変形性股関節症を根本的に治す」というものではありません。そのため、保存療法で治療を継続していても変形性股関節症は徐々に進行し、次第に痛み止めなどが効きにくくなってしまいます。 手術は重度の変形性股関節症の治療法として選択されることが多く、人工股関節への置き換えや骨切り術などの手術法があります。 手術を受けると症状の根源が取り除かれるため、症状の改善効果は高いのですが、体への負担や副作用・後遺症などのリスクを考慮しなければなりません。 まとめ・変形性股関節症と臼蓋形成不全の関係性と治療法について 臼蓋形成不全は、変形性股関節症の原因になり得る病気です。つまり、この二つの病には嬉しくない密接な関係性があるということです。 臼蓋形成不全そのものは危険な病気ではないケースが多くても、「変形性股関節症へ進行するリスクがある」ことを考えると、放置することは危険、問題になる可能性があります。 股関節に「何かおかしい?違和感がある!」などといった感覚を覚えたら、早めに病院等、医療機関で専門医の診断を仰がれることをお勧めします。 何もなければ安心ですし、万一異常があっても早期なら、進行を遅らせることができたり、悪化してから治療を受けるより回復の目途がつけやすくなります。 また、変形性股関節症は重度の場合に手術を選択しますが、副作用のリスクや体への負担に対する考慮が必要です。上記と同様に早期発見、早期治療こそが股関節の病で非常に大切なことです。 以上、変形性股関節症と臼蓋形成不全の関係性、その治療について記しました。お役に立てれば幸いです。 No.0007 監修:医師 坂本貞範 ▼ 再生医療で変形性股関節症を治療する 変形性股関節症は、再生医療により手術せずに症状を改善することができます ▼以下の記事もご覧いただけます 股関節の病気の種類と治療法・人工股関節を手術した場合のリハビリと注意事項
最終更新日:2024.07.18 -
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股関節の人工関節|手術前に高齢者が知っておくべきリスクを解説! 股関節の痛み等の症状は、進行すればするほど、従来の治療法である保存療法をおこなっても奏功しなくなります。高齢者が股関節の痛みを改善するために股関節を人工股関節へ置換える手術は、年齢的な面で大きなリスクを伴うことをご存知でしょうか。 そこで今回は、「高齢者の股関節の痛みや、股関節異常に対する最終的な治療は人工関節置換術しかないのか?」という点から、解説させていただきます。 高齢者に限らず手術には多かれ少なかれリスクは存在します。人工関節の手術にも大きなリスクがあります。 ただし、リスクがあるからと、股関節の痛みを放置し、歩行などの不自由にも目をつぶり、手術を選択しないのは、生活の支障をきたすばかりか、症状の更なる進行という更なるリスク!恐れがあります。 ついては、何らかの治療をしなければなりません。 ではリスクのある手術そのものを避ける方法はあるのでしょうか? 結論から申し上げると進行の度合いによると、前置きをした上で、人工股関節を避ける治療方法は存在します。 それが最近、TVなどでも注目を集め始めた「再生医療」というものです。この治療法が適合するなら人工股関節の手術を避けられるばかりか、入院すら不要、日帰りでの治療が可能です。 いずれにしても、実際の手術にどのようなリスクが存在するか知っておかねばなりません。 以下で説明してまいりましょう 高齢者が股関節を人工股関節にする手術のリスク 股関節の手術は、「人工股関節置換術」や「骨切り術」などがありますが、いずれの手術であっても高齢者の場合はリスクを考慮しなければなりません。 股関節の手術 ・骨切術 ・人工股関節置換術 これら手術における高齢者のリスク 高齢者の手術におけるリスクについて、「人工股関節手術」だけに限ってリスクが発生するわけではありません。まずは、どのような手術をおこなう場合であっても、高齢者の場合は、リスクが高くなります。 その理由としては、以下のようなことが挙げられます。 高齢者の手術のリスク ・合併症を起こす危険性 ・加齢により抵抗力が低下しているため罹患しやすい ・手術によって身体のバランスが崩れてしまう ・手術後リハビリを重ねても年齢的に修復が難しい可能性 ・上記含め、手術に関わる条件の個人差が大きい 問題は、基礎疾患と合併症 一般的に病気というものは年齢が高くなるほど発症リスクが高くなります。高齢者は様々な基礎疾患を有しているケースが見受けられます。 例えば「糖尿病」などの免疫力に関係する疾患を有している場合は、手術によって感染症を発症するリスクを考慮しなければなりません。また、股関節の手術において、その準備段階、検査結果で疾患が見つかるというケースも珍しくありません。 医療技術が進歩したことで年齢によらず手術を実施できるケースが増えてきはしましたが、それでも合併症の存在は、今だに無視できないのが事実です。 そのため、一般的に手術前には詳しい検査をおこなって手術をしても問題がないと判断されない限り手術が選択されることはありません。 ただ安全性を優先する一方で「手術したくても、受けられないケースもある」ことも念頭に置く必要があります。 人工関節置換術の合併症 感染 人工関節置換術の最大の合併症は「感染」です。発症率は0.5〜3.0%とされ、高齢者は10%とも言われます。原因は手術中に細菌が侵入する場合や、手術後に虫歯や皮膚の傷などからも感染する可能性があり、糖尿病や関節リウマチの治療をしている方、ステロイド治療を受けている方は感染リスクが高くなります 血栓症・肺塞栓症 手術中、手術後に深部静脈血栓症として、血栓が発生し、脚のむくみや、痛みを引き起こすことがあります。血栓が肺に移動すると肺塞栓症になり、突然死のリスクが発生します。発症率は0.2%以下とされています注意が必要です 脱臼・骨折 脱臼は人工股関節置換術の術後、転倒や無理な姿勢で発生します。骨折は術後の転倒で発生し、高齢者、骨粗しょう症の女性はリスクが高くなります。 人工関節のゆるみ 人工関節には寿命があります。骨と人工関節の接着面にゆるみが生じて痛みや歩行障害が発生します。 過度な体重増加、重たい荷物を持つ、激しいスポーツなどが主な原因となります。 このように、人工関節置換術にはさまざまな合併症があるため、実施に当たっては事前に、しっかり説明を受け、納得して臨まれるようご注意ください。 人工関節は、その名の通り、人工の造作物であるため、一旦感染が生じると細菌が人工関節にバイオフィルム(細菌が幕を作る)を形成し、抗生物質が効きにくくなる問題があります。このバイオフィルム内で細菌が増殖するため、感染が治りにくくなります。 感染が起き、重症の場合、再手術にて人工関節を除去する必要があります。感染は、手術後の早期に起こるものと、手術後、ある程度経過してから起こるものがありますが、手術後の1~2週間以内に起こる可能性があります。 人工関節の最たるリスクが「脱臼」です。股関節に限りませんが人工股関節の手術後は、脱臼が起こりやすくなっています。 手術後の日数や、経過に伴って徐々に脱臼は起こりにくくなるものの、高齢者の場合は若年層の手術と比較して脱臼リスクが長く続くと考えられています。 高齢者は、老化に伴って股関節を支える筋肉が衰えるため、次第に腰が曲がって姿勢が変わることがあります。こうなると股関節の動きも従来と変わることになります。その結果として、脱臼リスクの高い姿勢になりやすくなります。 そのため、手術後のリハビリについても若年層に比べて慎重におこなう必要があります。 高齢者が人工股関節を回避するための再生医療という選択肢 股関節を人工股関節に置換える手術にはリスクがあり、特に高齢者の場合は、リスクが高くなることをご説明してまいりました。決して脅しではなく、最悪の場合は、手術によって体調を大きく崩す可能性もあります。 その際には命に関わる可能性もあります。 では、高齢者の股関節治療には、リスクが高い「人工股関節を入れる手術」しか方法はないのでしょうか? 従来、選択肢は「保存療法」「手術」の2つしかなかった 股関節の痛みや、異常など関節疾患の多くは「保存療法」か、「人口関節置換術」の二択での治療を選択するケースがほとんどです。 つまり、「手術を受けない」「手術はしたくない!」とした場合、保存療法を継続することになります。保存療法とは、痛みなどの症状を薬物などで抑え、運動療法などリハビリで機能の維持と、症状の進行を防止するものです。 通院や、運動療法を実施するという手間はありますが、手術ほど体へのリスクを考慮する必要はありません。特に変形性股関節症などの初期症状において保存療法は有効で、この治療法を選択することもあります。 それならリスクを避けて保存療法で薬や、リハビリを続けていれば良いのか?・・・というと、そうでもないのです。 問題なのは、この場合、保存療法が病気の根本的な治療法にならない。完全に進行を止めることができないということです。保存療法はあくまでも「痛みなど症状の緩和」と「症状の進行を防止する」というものです。 進行を遅らせる目的で行われるだけで、残念ですが病気は徐々に「進行」します。保存療法は、病気が進行するれば、するほど効果を発揮しなくなる可能性が高いということです。 そのため、従来は保存療法が効かなくなったら、避けたくても結果的に手術を受け入れざるを得ない!ということになります。つまり、保存療法を続けていても → いつかは手術になる。という流れ、治療方針がとられていました。 https://youtu.be/Dlp-ggXtQp0?si=UGv-QLIBiFxGQXKw 第三の選択肢である「再生医療」 本記事の冒頭にも記しましたが再生医療は、これまで再生することが不可能だと思われてきた軟骨に対して、自分の幹細胞を使うことで再生させることが可能になった治療方法です。 幹細胞は、様々な細胞に分かれる、つまりは変身する能力を持っているため、弱った軟骨に変化し、軟骨を再生させる可能性に満ちた治療法です。 方法的にも体への負担が少なく、自らの脂肪をほんの少し採取して、その脂肪から幹細胞を抽出、培養。この幹細胞を数万から、1億以上に増やして患部に注射で投入するだけ。 人工関節置換術といった手術や、長期の入院、長期のリハビリも不要です。そればかりか日帰りで済む治療法です。 つまり、高齢者にとって一考される価値のある方法です。 ▼股関節の手術を避ける治療例(患者様の声) https://fuelcells.org/channel/cate_channel/channel-hipjoint/ まとめ・股関節の人工関節手術|高齢者が手術前に知っておくべきリスクとは? 変形性股関節症など股関節の病気は、年齢を問わず初期であれば保存療法が有効ですが、症状自体を止めることはできません。症状が進行すると、人工股関節を自身の関節と置換える手術を検討しなくてはなりません。 しかし、人工股関節置換術などの手術は、合併症などの問題からリスクの発生を避けて通ることはできません。 ところが、昨今の医療技術の進歩により、従来は手術が難しかったケースでも手術を選択できるようになったり、手術を回避し、切らずに治療する再生医療という分野が大きく進歩してまいりました。 いずれにしてもご自身のお体ですので改善に向けて担当の医師とご年齢や、そのリスクなど納得いくまでよくご相談していただき、より良い治療方針を模索しましょう。 No.0006 監修:院長 坂本貞範 ▼ 再生医療で変形性股関節症を治療する 変形性股関節症は、再生医療により手術せずに症状を改善することができます ▼以下も参考にされませんか 変形性股関節症の手術後の生活で注意したいこと
最終更新日:2024.08.30 -
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変形性股関節症|人工関節の手術のリスクを説明します 変形性股関節症と診断された場合、「薬物療法」や「運動療法(リハビリ)」といった「保存治療」以外に、「手術療法」という選択肢があります。 しかし、変形性股関節症での手術療法は、股関節を人工関節に置換える文字通り「人工股関節置換術」といい、手術としても大掛かりな部類になります。 医療機関で、人工関節を勧められた場合、以下のようなお悩みや、心配をされるのではないでしょうか?! 人工関節にする手術を勧められた場合の心配やお悩み ・今ある自分の関節を人工物に取り換える違和感や恐れ ・摩耗や緩みで数年後に再手術が必要な場合があること ・人工関節にすることで変えなばならない生活スタイル ・一度、人工関節にすると引き返せないこと ・合併症の不安、万一細菌が入ると怖い再手術(3~10%) ・長い手術時間や全身麻酔、輸血の心配 ・接続する脆くなった骨への影響 知れば知るほど不安に思われるのも当たり前だと思います。 そこで今回は、「変形性股関節症の人工関節手術(人工関節置換術)」について、以下のような疑問やお悩みにお答えできればと思います 「どのようなリスクがあるのか?」 「高齢者の場合のリスク?」 「術後に何を、どのように気を付けるべきなのか?」 「それ(手術)以外に方法は無いのか」 変形性股関節症の人工関節手術のリスクについて 変形性股関節症に関わらず手術は、手術であるかぎり、他の病気や、けがの手術と同じように必ずリスクは伴います。逆にリスクが一切ない手術は存在しません。 そのため、「変形性股関節症の手術に限ってリスクはない」ということは言えません。しかも手術を受ける人によってリスクは様々、「高い、或いは低い」「大または小」があります。 そのため、手術を行うためには前もって多くの検査が必要となります。 その結果、リスクが大きいと判断されれば、手術自体を受けることはできません。つまり、手術による治療は、手術をしないよりもリスクがあるともいえるのです。 高齢者の変形性股関節症の人工関節手術のリスク 高齢者の方が変形性股関節症の人工関節手術を行う場合は、リスクが高くなる可能性があります。医療機関での治療過程で「あとは手術しかない」と言われたとしても、医師に納得いくまで説明を受けて、よく検討する必要があります。 「こんなはずでは無かった」とならないように注意しましょう。 高齢者の場合、股関節はもちろんのこと、骨そのものが脆くなっていることがあり、骨ではないチタン合金、クロム合金などといった人工的に作った股関節を今ある自分の股関節に置き換えるため、体内の骨と接合する必要があります。 接合には、骨ではない合金などといった異物を取り付けるために、「セメント(骨セメント)」や、「セメントレス」といった2つの接合方法があり、患者の骨の状態を見て判断されます。 素材や技術は日々、進歩を続けていますが、どうしても一長一短があります。 人工関節、身体(骨)との接合、固定方法上のリスク ・セメント:当初は非常に強固だが経年で緩む危険性がある。 ・セメントレス:緩みにくい反面、安心できる(固定が定まる)まで6か月ほど必要。 しかし、いずれの手術であっても、成功しても、セメントはもちろん、セメントレスであったとしても時間とともに緩む可能性は0ではありません。将来に再手術というリスクという可能性を考えておくべきです。 また、特に女性の場合、事前の検査で骨粗鬆症の罹患率が高く、骨密度が低ければ、人工関節は丈夫でも周囲の骨に対して骨折というリスクがあることを注意しなければなりません。 手術の合併症、手術で感染症が重篤化するリスク 人工関節の可否、骨だけの問題ではなく、身体の免疫機能そのものが低下している場合、変形性股関節症の手術が無事終わったあとでも、その後に感染症を引き起こせば重篤になる可能性があります。 一度感染症を引き起こしてしまうと傷の治りが悪くなるため、結果として再手術が必要となり人工股関節を取り替えなければならないような事態になる恐れもあります。 感染症をおこしてしまう確率を0%にすることはできず大変危険なので、免疫機能についても十分に検査をして、変形性股関節症の手術に適応するかどうかを検討しなければなりません。 それ以外にも全身麻酔のリスク、輸血のリスクなど検討しなければならないことは数多くあります。 これらは、けして大げさに申し上げているのではなく、実際に人工関節手術を受ける前に説明を受ける内容です。 保存療法では人工関節を避けることはできない 保存療法とは、内服薬や外用薬などの薬物を利用する薬物療法や、ウォーキングなどの軽い運動を行い股関節周囲や足の筋力を高めるリハビリテーション、運動療法があるのですが、これら地道な努力を行なっているにもかかわらず痛みが緩和されずに効果を感じられないという人もいます。 また、初期のころは多少でも効果を感じることができたけど、徐々に効果が低くなるという場合もあります。 このように保存療法は、コツコツできる範囲で行っていても効果が感じられず、常に痛みがあり、日常生活に支障をきたすようであれば、手術を受けたほうが良いと判断される場合もあり、保存療法等リハビリを行っているからと人工関節の手術を避けられるものではありません。 人工関節、術後のリスク 変形性股関節症の手術を受けて、めでたく成功した場合でも注意は必要です。 実は、術後の日常生活にこそリスクが潜んでいます。 そこで手術後にどのような生活を心がければ良いのかを事前に知っておきましょう。そうすることで手術を受けた後も、危険を回避しながら安全に過ごすことができます。 日常的に自分の姿勢や動作に注意しなければなりません 変形性股関節症の手術を終えた直後、リハビリをすることで体の調子が徐々に戻ってきます。上手くいけば痛みも改善し、無理をしなければ日常生活を送ることができるようになるでしょう。 しかし、常に気を付けなければいけないことがあります。それは、股関節への配慮です。 ご注意いただきたいのは、股関節を無理に内側にひねるような姿勢は、脱臼を起こしてしまう恐れがあります。また、あぐらや正座、しゃがむ動作などの姿勢は、変形性股関節症の手術の後におこなうと非常に危険です。 つまり、和風の床に直接座るような生活スタイルから、椅子やベットで過ごせる洋風の生活へ意識してチェンジしていく必要があります。この辺りも家族の理解を得ながら進めていきましょう。 もしもの場合、再手術になることもあるので、このあたりは十分に注意しなければなりません。 手術後の細菌による感染に注意(皮膚炎や歯周病も) 変形性股関節症の手術の後に起こるリスクは脱臼などだけではありません。感染症にも十分注意が必要です。 感染は、手術した部位だけの問題ではありません。手術後の感染を防ぐためには「水虫」や、「皮膚炎」などにも注意すべきです。足まわりを清潔に保っておくことが大切です。 また虫歯、歯槽膿漏などの症状によって細菌が入り、感染が起こす可能性もあるため、常に口腔内を清潔にしておくことも重要です。必要であれば手術の前に歯科、口腔外科などに通い、オーラルケアをしておけば更に安心です。 変形性股関節症|人工関節を選択する場合に知っておきたいこと 変形性股関節症の手術は、手術中だけでなく手術後の生活にもリスクが伴います。なるべく危険を避けて手術を受けるようにしましょう。 事前に手術内容を理解しておく(納得する) 変形性股関節症の手術で、自身の股関節を人工の股関節に置き換える手術を行う場合、手術中、術後の感染リスクや、人工股関節が入ることによるリスク。どのような生活が待っているのかなどを十分に説明を受け、理解しておくことが必要です。 事前に手術内容を把握しておくことで、手術をしたその日から危険を回避できるような対策をとれるようにもなります。また、知識を持っていれば手術を受ける前に股関節に負担のかからない生活環境を整えるなどの対応を取ることも可能になります。 いずれにしても変形性股関節症の手術を行うことが自分にとって本当に最善なのか検討し、危険が多いと感じるようであれば、まずは薬物療法や、運動療法で痛みを改善することを優先したほうが良いかもしれません。 これら主治医ともよく話し合って、納得して手術を受けるようにしてくださいね。今の時代、他の医療機関でセカンドオピニオン受けるという手もあります。手術は最終手段です。 信頼できる医療機関を選択する(自身で納得できること) 自分はもとより、家族の同意を得て変形性股関節症の手術を決断したなら、多くの症例を持ち、信頼できる先生がいたり、設備が整った病院である等の基準も大切です。普段から通いなれて気心が知れた医療機関という手段もあります。 選び方としては今やネット社会です。情報は検索することで過剰なほど得られます。 変形性股関節症の手術を行っている医療機関は全国に多くありますがインターネットや、口コミを参考にしながら事前に情報収集しましょう。 手術に関して家族や信頼できる友人などの意見を聞ければ聞き、ご自分でメリットはもちろんですが、リスクもしっかりと理解し、納得した上で手術を受けましょう。後戻りはできないので注意してください。 手術後リハビリをしっかりと行う 変形性股関節症の手術が成功したあと大切なのはリハビリです。 急がず、コツコツ気長に継続して人工股関節を体に慣らしていくことが大切です。手術後の危険のリスクを少なくするためにも前向きに取り組んで回復を目指しましょう。 歩行が問題なくできるようになっても無理は禁物。転倒などの危険性もあります。自信がつくまでは杖を使うなど危険を回避する方法を取り入れることも大切です。 変形性股関節症|人工関節以外の選択肢「再生医療」という先端医療 変形性股関節症の手術は、症例を有した信頼のできる医療機関であれば、基本的に安全に受けることができるます。 しかし、手術である以上、危険が全くないというわけではないため、手術後の生活に不安を感じている人や年齢の問題、骨密度や再手術の可能性、感染のリスク、何より人工のもので置き換える違和感に恐怖を感じておられる方にご紹介したいのが近年注目されている先端治療である「再生医療」という手段です。 手術を決断する前に自分に可能性がないか調べてみてはいかがでしょうか。上手くいけば手術というリスクを回避して改善を目指すことができるかもしれません。 再生医療は、患者自身の細胞を利用するため、拒絶反応やアレルギーなどの副作用が少なく、安全性に優れた治療方法です。また、人工股関節を入れるというような大掛かりな手術ではないので、感染のリスクが少ないのも魅力です。 変形性股関節症で、従来の治療方法ではあまり痛みの改善効果が期待できなかった人や、手術の危険要素がどうしても不安であるという人にとって、再生医療は選択肢の一つになるでしょう。 > 股関節の再生医療について詳細 https://youtu.be/BIzpa2SVAt4?si=D4MITF9M-bqvJbKo まとめ・変形性股関節症|人工関節手術のリスクについて 今回は、変形性股関節症の手術における「リスク」について紹介しました。これは脅しなどではなく、危険性やリスクを知識として知っておき、理解しておくことが自らを守ることに繋がると判断したためです。 医療機関で納得のいく説明を受けるためにも手術の実際とリスクを知っておき、疑問点は臆すること質問できるようになって欲しいと思います。 手術を検討する場合は、手術そのものだけでなく、手術後の生活についても事前にしっかりと理解し、信頼できる医療機関を選ぶこと、自分自身はもちろんのこと、家族も納得してもらった上で手術を受けることが大切です。 また、最後にご紹介した再生医療は、手術を避けることができる危険の少ない最先端の医療として注目を集めています。変形性股関節症の治療においても効果を期待することできます。 いずれにしましても、手術はもちろん、治療にあたってはしっかりとした実績を持った専門医や医療機関にご相談になってください。以上、変形性股関節症の人工関節手術のリスクと術後の注意点について記させて頂きました。 人工関節の話が出たり、人工関節置換術の説明を受けたり、変形性股関節症でお悩みの場合、参考にしていただければ幸いです。 No.0005 監修:院長 坂本貞範 ▼ 再生医療で変形性股関節症を治療する 変形性股関節症は、最新の再生医療なら手術せずに症状の改善を目指せます(詳細) ▼以下もご覧ください 変形性股関節症の保存療法|治療効果を上げるための注意
最終更新日:2024.08.30 -
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変形性股関節症でやってはいけない禁忌肢位について 変形性股関節症には、やってはいけない姿勢、いわゆる「禁忌(きんき)肢位(負担を掛けると危険な姿勢や動作)というものが存在します。 やってはいけない、してはいけない!禁忌肢位を知らずに、日常的にその動作や姿勢を繰り返すと股関節に大きな負担がかかり変形性股関節症の症状を悪化させる恐れがあります。 そこで今回、変形性股関節症の人が気を付けたい「やってはいけない禁忌肢位」について解説します。 変形性股関節症でやってはいけない禁忌肢位とは具体的にどのようなものがあるかについて、そのポイントは、日常生活全般において股関節まわりを動かすような動作や姿勢を控えるようにすることが基本になります。 変形性股関節症でやってはいけない動作や姿勢 股関節を内側にひねる姿勢 ・変形性股関節症では、股関節を曲げて膝を内側に入れる動作は、やってはいけない禁忌肢位になります ・日常生活でやりがちな「正座」や「あぐら」なども股関節に負担がかかり症状が悪化する恐れがあります ・地べたに座る(正座や、あぐら)のではなく、椅子に座ってください ・寝る姿勢も床の布団ではなく、ベッドに変えて起き上がる場合の負担を減らしましょう ・生活が和風なら洋風に変える意識 ・変形性股関節症を悪化させないようにするためにも、このような姿勢はやってはいけません しゃがむ姿勢 ・低い椅子で立ち座りの繰り返し ・和式トイレなどでしゃがむ動作 ・ズボン、靴下などの着替えなども股関節に負担がかかります ・基本的にしゃがむという動作や姿勢は禁忌肢位です。 ・椅子は高いものを使う ・和式トイレは洋式トイレにする ・生活スタイルで変える意識をもつ ・しゃがむ姿勢は、やってはいけない!禁忌肢位だと認識して生活しましょう。 無理な姿勢やストレッチ ・ストレッチや、軽いウォーキングなどの運動は、正しく行う行えば股関節のまわりの筋肉にしなやかさと張りを与え変形性股関節症の痛みの緩和に効果的 ・無理な姿勢でのストレッチは禁忌肢位になるので、控えてください ・強いストレッチも避けましょう ・ストレッチは一気に行うのではなく、徐々にジワーッと負荷をかけるような軽めのストレッチを毎日、継続しましょう ・ストレッチでも例えば、開脚前屈など股関節を広げるような姿勢でのストレッチも疼痛が増強するおそれがあるため、変形性股関節症の禁忌肢位になります ・水中ウォーキングや固定式自転車での運動など、股関節の負担の少ない運動は脚の筋肉を鍛えることに有効です ・無理のない運動、無理のないストレッチを心がけましょう。 ▼変形性股関節症を最新の再生医療で治療する 変形性股関節症は、再生医療なら入院や手術を避けて治療できます やってはいけない禁忌肢位を続けると、どうなる? 初めは症状の軽い変形性股関節症の症状であっても、禁忌肢位をとり続けると股関節などの痛みがどんどん悪化し、日常生活に支障をきたすようになってしまいます。 そのため、変形性股関節症における禁忌肢位というものを知ることは、とても大切なことになります。禁忌肢位を意識することで痛みを出さない、症状を悪化させないことになるからです。 変形性股関節症の人が禁忌肢位をとり続けると、どのようなことが起こるのか、もう少し詳しく、具体的な例をご紹介しましょう。 疼痛が増強する 変形性股関節症の人がしゃがんだり、股関節を内側にねじったり、禁忌肢位を日常的に繰り返すと、脚の骨と骨盤の間にある軟骨がすり減り、症状が悪化し、結果として疼痛が増強してしまいます。 疼痛とは、皮膚や粘膜、内臓の自由神経が刺激されて発生する痛みのことです。 焼けるような感覚、強いしびれなど、人によって感じ方や痛みの程度は異なりますが、禁忌肢位をとり続けることにより変形性股関節症の症状の進行が加速し、痛みもひどくなっていきます。 日常生活を送るのが困難になる 変形性股関節症の人が無理な運動や、禁忌肢位をとり続けていると、症状が進行し、これまでなら、そつなくこなしてきた動作ができなくなる可能性があります。 また禁忌肢位を続けることは、亜脱臼や疼痛を引き起こす原因となり、簡単な外出はもちろん、日常的な家事や着替え、掃除、入浴などの動きで痛みが発生するようになり、最終的に何をするにしても人の介添えが必要となる恐れがあります。 歩行そのものが困難になる 変形性股関節症は、運動療法で筋肉を鍛えるなど改善に向けたリハビリもおこないます。しかし、禁忌肢位を繰り返すと症状が悪化し、歩くことができなくなる可能性があります。そうなると努力して運動したことも無駄になりかねないので注意が必要です。 このように禁忌肢位をとることによって症状が悪化すると「生活の質」が著しく悪くなってしまいかねません。つまりは、少しでも症状の進行を食い止めるための努力が必要になるということです。 禁忌肢位をとらないよう工夫しよう ご注意ください!日常生活の中で、少しでも股関節に違和感を感じたり、疼痛を感じた場合は、体勢を変更し、股関節に負担のかからない姿勢や行動を心がけるようにしてください。 また、変形性股関節症の禁忌肢位は、股関節を内側に「ひねる・しゃがみこむ」といった動作を避けてください。日常生活では良くない姿勢を無意識にやってしまうことが多く、実のところ絶対に禁忌肢位をとらずに生活をするというのは難しいと思います。 とはいえ、諦めては意味がありません。禁忌肢位を繰り返すと変形性股関節症がどんどん進行してしまう可能性があるので、できる限り禁忌肢位をとらない工夫をが必要です。 そのためには、やってはいけない姿勢!してはいけない姿勢!このように姿勢に対する知識と意識が大切です。 禁忌肢位とは何か?を理解したうえで、それを意識して生活するしかありません。この意識するというだけでも症状を悪化させることを防ぐ力があるといえます。 先にも記しましたが「意識するとは」、普段、あぐらや正座をしているなら、椅子やテーブルを用意し、地べたに座らないよう生活様式そのものを変える。同じように布団に寝ているならベッドに変え、トイレは洋式にするといったことを意識的に行ってください。 取り組みたいこと それは家族にも、家族にこそ、理解をしてもらうことの必要性です。変形性股関節症の人が自分一人で今までの生活スタイル、様式を変えるということは難しい。「家族の理解や協力が無ければ成し遂げられません。」 禁忌肢位という一般的になじみのない言葉を含め、これらのことを家族の人に知ってもらう、意識してもらう努力を怠らないでください。そして、積極的にサポートをお願いしてみてください。 家族にも、変形性股関節症における禁忌肢位について十分に知ってもらい、理解してもらえれば、あなた一人の意識だけではなく、家族みんなで意識してもらえれば「しってはいけないよ」、「やってはいけないよ」と禁忌肢位を二重三重に防ぐことが可能になります。 ▼ 再生医療で変形性股関節症を治療する 変形性股関節症は、最新の再生医療で手術不要で症状を改善できます 変形性股関節症に「再生医療」という新たな治療方法! 変形性股関節症は、禁忌肢位に気を付けて生活を送ること、運動療法を適切におこなうことなどで進行を抑えることが可能であることは理解いただけましたでしょうか。そのための意識の持ち方や家族の理解、生活様式の変更などの取組がありました。 薬物療法でも痛みを抑えることも可能です。しかし、変形性股関節症は進行する病気なので、色々頑張ったけど徐々に痛みが強くなるなど症状が悪化し、いよいよ歩くことが難しくなるといった可能性がある病気です。 そこで、ご紹介しておきたいの最新の治療法があります。 それが「再生医療」というものです。医療でも最新分野であるため、まだまだ馴染みや知識そのものが乏しい場合もあるはずです。医療にかかわる医師であっても、良く知らない、分からないと言われる方もいるはずです。 変形性股関節症における再生医療のメリット 変形性股関節症の再生医療は、自身の細胞を活用して軟骨の損傷を回復させる!という最新の治療方法です。これによって症状の進行を食い止める効果が期待することが可能になります。 メリットとしては、最終的な「手術を避けることができる」こと。そして、「副作用がほとんどない」ため、「体への負担が非常に少ない」ことがあります。 この最新の医療方法ができたことで症状が進行しても人工関節などの大掛かりな手術を避けられる可能性が高くなっただけでなく、これまで長期的な入院が必要であったことが、その必要さえも無くしました。日帰りで治療できてしまう、これまでと真逆な方法です。 変形性股関節症における再生医療はどんな人におすすめ? 変形性股関節症における再生医療は、人工関節による手術に抵抗のある人や、保存療法、運動療法や薬物療法であまり効果を感じられない、感じられなくなってきた人にオススメします。 そのため仕事や家庭の都合で手術をする時間がないという人にもおすすめだと言えます。 変形性股関節症の再生医療は高齢者でも安全? 変形性股関節症の再生医療は、体への負担が少ないことが特徴です。そのため、高齢者でも安心して治療を受けることができる点もメリットです。 この治療法はアレルギーなどの副作用も少なく、安全性が高いことも特徴です。手術のリスクを避けて治療できるため、高齢者でも安心して受けることできる新しい手法です。 再生医療に興味を持たれた人は、詳細をチェックされることをお勧めします。 https://youtu.be/a6NGuEDLKgQ?si=cWnrtf8p_7pDdcXM まとめ・変形性股関節症でやってはいけないこと 変形性股関節症には、「やってはいけない禁忌肢位」というものがあります。症状の進行を抑えるためにも自分はもとより、家族にも協力を依頼し、禁忌肢位を知り、日常生活で意識して、そのような動作や姿勢をしないように注意、工夫してまいりましょう。 また信頼できる医師のもとで適切な治療を受けてください。治療としては、運動療法や薬物療法に加えて最新の再生医療という選択肢もあることをお知らせいたしました。 No.0003 監修:院長 坂本貞範 再生医療で変形性股関節症を治療するための詳しい説明をしています。クリックしてご覧になれます。 ▼気になる参考情報はこちら 変形性股関節症で使うステロイド薬?その必要性と副作用について
最終更新日:2024.08.30 -
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変形性股関節症のリハビリ|運動療法!避けたい運動と行うべき運動 変形性股関節症の進行を抑える治療法には、生活習慣の改善のほか「薬物療法」や「運動療法(リハビリ)」が推奨されています。 中でも運動療法は、正しく行えば効果的な治療方法です。 ただ、変形性股関節症の治療で運動療法に取り組む場合、たとえ運動療法(リハビリ)であっても、避けておきたい運動があります。 そこで今回は、変形性股関節症における治療としての運動療法、リハビリに取り組む際に避けておきたい、しない方が良い注意すべき動作をご紹介します。 それは「股関節へ負担をかけすぎないこと」に尽きます。 変形性股関節症は、股関節への負担が増えれば当然ながら症状は進行します。股関節は、運動にかかわらず、日常生活において歩くだけでも大きな負荷がかかる部位なので無理は禁物です。 早く効果を求めすぎて、過度な筋力トレーニングを行う等は、リハビリとしても避けるべきです。たとえそれがウォーキングなどの軽度な運動療法であっても、股関節へ過度な負担が掛かるなら、症状を悪化させかねない危険性があります。 いずれにしましても自己判断や、早く治りたいとの思いで無理や、焦りを持った取り組みは禁物です。医療機関を受診し、治療の一環として適切な指導やアドバイスを受け、それを守るようにしましょう。 変形性股関節症のリハビリで避けるべきこと ・股関節に負担をかけすぎない ・リハビリのつもりでも過度なトレーニングは控えること ※医療機関を受診し適切な指導やアドバイスを受けて、それを守ること ※早く治したいとの想いはあっても、焦りは禁物 変形性股関節症で避けておきたい運動とは? 変形性股関節症の運動療法で激しい運動を長時間の行うことは避けてください。 運動療法と申しましても例えば、強めの筋力トレーニングはもちろん、サッカーや、ランニング、軽めのジョギングであっても股関節を大きく使う運動は、股関節への負担がかかりすぎて、軟骨のすり減りに繋がるため、推奨されません。 変形性股関節症で避けるべき運動の一例 ・ハードな筋力トレーニング ・サッカー ・ランニング、マラソン ・テニス ・股関節を大きく使う運動は避ける お勧めの運動は、「軽いウォーキング」や、股関節に負担の少ない「水中でのウォーキング」、「軽めのヨガ(股関節に負担をかけないポーズに限る)」、「軽めの自転車こぎ」等の負担が少ない運動を意識して行うようにしてください。 ただし、ウォーキングが良いからと、歩くスピードが速すぎたり、長距離を歩き過ぎると、筋肉が疲弊し、股関節を支えることができなくなるため、股関節への負担が増えてしまう点に注意が必要です。 症状を悪化させないためにも、ゆっくり歩く、15分程度の軽めのウォーキングにするなど、行う程度や時間を考えて実施しましょう。筋トレではなく、あくまで「リハビリとして」股関節に負担がかからないようにすることです。 また、激しい運動ではないからとヨガを行いたいという人もいます。ヨガ自体は、悪くはないのですが変形性股関節症のリハビリの一貫であるということ。運動療法として行うという意味からは、たとえヨガといえども股関節への負担がかかるような姿勢を行うことは避けねばなりません。 ヨガといえども股関節に負担が掛かりそうなポーズ、痛みが出そうなポーズは行わないでください。 いずれにしましても、長時間の運動や、無理な姿勢での運動は、避けて、運動は股関節に負担がかからないように少しづつでも、毎日継続して行うことが大切です。 変形性股関節症の運動療法でお勧めの運動 ・軽めのウォーキング ・水中を利用したウォーキング ・軽めのヨガ(※股関節に負担がかかる動作や、痛みが出そうなポーズは厳禁) ・軽めの自転車こぎ 変形性股関節症の運動療法で避けたい動きがある理由 変形股関節症は、初期の段階なら痛みを感じない人もいますが、症状が進行すると、安静にしていても痛みを感じるようになります。そうならないためにも、たとえリハビリでも運動療法は股関節に負担をかけて症状を悪化させるような運動は避けるべきです。 更に言えば、変形性股関節症のリハビリであったとしても股関節に負担が掛かるような運動を行うと、股関節以外、ほかの部位に影響が及ぶ場合があります。 運動療法は、無理をすると股関節以外、他の部位に負担が行くことを理解してください。 例えば、無理な肢位や運動を続けていると、意識しなくても体は自然と、股関節を「かばう動作」を行うからです。そのため、股関節以外、足首や膝の関節に負担がかかり、その部位で痛みが発するようになったり、反り腰の姿勢となることで腰痛を招いてしまうこともあります。 運動療法で膝が痛くなったりした場合は、負担が大きすぎると考えてください。姿勢や取り組み方法を見直して症状に合わせた運動療法を行うよう心がけましょう。 その際は、医師やリハビリの専門家に相談し、現在の症状にあった方法になるよう指導を受けてください。 運動療法は、無理や焦りは禁物 ・股関節をかばう動作が起こる ・無理をすると股関節以外の部位に痛みが出る ・地道に無理の無い方法で取り組む 変形性股関節症|避けたい動きがあるのに、なぜ運動療法を行うのか? 変形性股関節症で避けたい運動があるにも関わらず、なぜ運動療法をするのでしょうか。 リハビリとしての運動療法は、大切です。無理にならない程度、動かすことで股関節の固まりや、こわばりを防ぐことができ、股関節周りの筋力を強くして、その力を落とさないためです。 運動療法は、筋力を上げ、股関節の負担を軽減します。無理なく運動療法を行うことで症状の進行を遅らすことができるのです。自身の力で歩くためにも大きな意義があります。 変形性股関節症とは? 変形性股関節症とは、股関節の軟骨や骨が、加齢や日常生活による負担などによって損傷し、痛みを生じてしまう病気です。初期の段階では痛みを感じない人でも進行するにつれて痛みや関節の動かしづらさを感じ始めます。 この症状に関わらず、一度損傷した軟骨や、骨を元通りに改善することは難しいため、症状が進行すると最終的に骨切り術や、人工関節の置換術のような手術が一般的におこなわれます。 そのため、進行を少しでも遅らせるように股関節への負担を減らす必要があります。 変形性股関節症の運動療法の目的とは? 股関節の柔軟性を高めることを目的とし、股関節の可動域が改善し、股関節を正しい位置にすることができます。指導を受けながら軽めの筋力トレーニングを行うことで筋肉をつけたり、血行を良くすることで、痛みの緩和を期待することが可能です。 運動療法を行うことで股関節の負担や痛みを軽減させ、変形性股関節症の進行を遅らせることが狙いです。 変形性股関節症の運動療法で行うべき運動5選とは 変形性股関節症のリハビリテーション、運動療法で避けたい運動があることは述べました。 では、どのような運動を、どう行えば良いのでしょうか。変形性股関節症の運動療法で行っても良い、やるべき運動について具体的に4つご紹介しましょう。 水中ウォーキング プールでのウォーキングは、リハビリとしても非常に有効です。浮力により股関節への負担が軽減されるため、陸上でウォーキングをするよりも効果的です。 ただし、プールで水泳をする際に注意してほしいのは、平泳ぎを避けることです。水泳の中でも「平泳ぎ」は股関節を大きく開くため、関節への負担が大きく、変形性股関節症の運動療法として行うことは避けてください。 ウォーキング ゆっくりとしたスピードで、無理のない距離を歩きましょう。 目安としては、15分程度がおススメです。 ストレッチ 股関節付近を柔らかくすると、柔軟性が高まり股関節の可動域の拡大にもつながります。 運動する前にストレッチをおこない、筋肉をほぐすと良いでしょう。 ただし、変形性股関節症の人がおこなう運動療法におけるストレッチですから、股関節を大きく開いたり、負担のかかりすぎる姿勢は避けましょう。 適切な筋力トレーニング 筋力トレーニングをおこなうときは、徐々に運動強度をあげるようにしましょう。 大きな負荷が掛かるトレーニング避けてください。 変形性股関節症の運動療法・リハビリで無理は禁物 変形性股関節症のリハビリで運動療法をする場合は、負担の少ない運動を毎日継続して行う必要があります。しかし、無理せず休んだほうが良い場合もあります。 痛みがあるときは、無理はしない 股関節に痛みを感じるときは、股関節を休ませてあげましょう。痛みがあるのに無理して我慢してまで運動やトレーニングを行うと、無意識に痛む部分をかばってしまい、ほかの関節にも負担をかけてしまうことが往々にしてあることは前述しました。 そんな場合は、運動は控えたり、あるいは違う運動をするなど、痛みが起こらない動きをしてください。運動療法で膝や腰など別の部位に痛みが出たときは、運動を控えなければなりません。 しかし、だからといってまったく体を動かさない日が何日も続くと、ますます歩行ができなくなる可能性があり、悪循環を招く恐れがあります。痛みがあるときは、原則として運動を休むべきですが、痛くないときは、主治医から指導を受けた運動を行いましょう。 体重管理とダイエット リハビリで運動を行うためには「体重の管理」にも気を使ってください。股関節の痛みや、症状の影響で運動量が落ちるとどうしても体重が増えがちになります。 増えすぎた場合は、ダイエットを意識する必要があります。自分の標準体重を知って、体重管理してください。体重が増えてしまうとせっかく運動療法を行っても関節への負担が増えて悪影響になりかねなりかねません。 意識して体重を管理されることをオススメします。「増えたな」と思ったら食べる量や、間食を減らすなどの簡単でもダイエットする意識を持ってください。 まとめ・変形性股関節症のリハビリ|運動療法!避けたい運動と行うべき運動 今回は、変形性股関節症の人が運動療法をするときに、治したいと思うあまり焦って無理をしないこと、また、やるべき運動と、運動を避けたい状況についても解説しました。 変形性股関節症を発症したら、運動療法に取り組むことは大切ですが、股関節へ負担がかかる動作は避けましょう。ただし、医師から指導を受けたリハビリは、無理のない範囲、痛みが出ない範囲で取り組んでください。 ストレッチは有効です。筋肉をほぐしてから水中ウォーキングや軽めのウォーキング、負担の少ない筋力トレーニングをするようにしましょう。また、痛みがあるときは無理をせず、運動はお休みして主治医に相談しましょう。 リハビリは、焦らず、無理せず、地道でも継続的に取り組みましょう。 変形性股関節症では運動療法も有効ですが、根本的な治療を希望されたい方や、すでに手術を勧められて迷っておられるなら、切らずに改善できる「股関節の再生医療」という手段もあります。 こちらに「股関節の再生医療」について詳しい内容や動画もございますのでご参考になさってください。 https://youtu.be/PVZORiK2WsU?si=jjxFD0Pq_oHSlmwX No.0002 監修:院長 坂本貞範 ▼以下もご参考にされませんか 変形性股関節症|人工関節の手術で起こるリスクとは?
最終更新日:2024.08.30