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膝の手術に必要な入院期間|術式別の違いと退院までの経過を医師が解説
膝の手術の入院期間は、日帰りや数日で済むものから、1カ月以上かかるものまで、術式によって大きく異なります。まずは、ご自身が検討している手術の入院期間を大まかにつかむことが大切です。
本記事では、変形性膝関節症に対する3つの術式を中心に、術後のリハビリの流れや費用の目安、仕事への復帰時期、そして手術を伴わない選択肢までを、医師の視点でわかりやすく解説します。
なお、ここで紹介する日数はあくまで一般的な目安です。実際の入院期間は、医療機関の方針や患者様の年齢・全身状態、リハビリの進み方などによって変わります。必要以上に不安を感じず、参考の一つとしてご覧ください。
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目次
【変形性膝関節症】膝の手術3種類と入院期間の目安
変形性膝関節症の代表的な手術は、関節鏡視下手術、高位脛骨骨切り術(こういけいこつこつきりじゅつ)、人工膝関節置換術の3種類です。
入院期間や手術時間、特徴を以下の表にまとめました。
| 手術名 | 入院期間の目安 | 手術時間の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 関節鏡視下手術 | 2〜3日程度 | 約1時間 | ・小さな穴から関節内を確認して処置する ・負担が比較的小さいが、進行例では適応が限られる |
| 高位脛骨骨切り術 | 4〜6週間程度 | 約90分 | ・骨を切って荷重の偏りを調整する ・自身の関節を残しやすいが、骨の癒合に時間がかかる |
| 人工膝関節置換術 | 2週間〜1カ月程度 | 約2時間 | ・傷んだ関節面を人工物に置き換える ・痛みの軽減が期待できるが手術規模が大きい |
なお、手術時間は、麻酔や準備を含むかどうかで示される数字が変わるため、あくまで概算です。入院期間も同様に、施設や膝の状態によって前後します。
また、手術を検討するタイミングの目安は、運動療法や薬、注射などの保存療法を続けても痛みが十分に改善せず、歩行や家事などの日常生活に支障が出ている場合です。
それぞれの手術の長所と短所をより詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
関節鏡視下手術の入院期間は2日〜3日
関節鏡視下手術は、膝に小さな穴を数カ所開け、関節鏡(かんせつきょう:先端にカメラのついた細い器具)で内部を確認しながら、傷んだ半月板や軟骨の破片などを処置する方法です。傷が小さく、体への負担が比較的小さいのが特徴です。ただし、変形が進んだ場合には適応が限られることがあります。
入院期間は、2〜3日程度が一つの目安です。日帰りで手術を行う施設もあれば、状態に応じてもう少し長く入院する施設もあり、日数には施設ごと・個人差があります。
なお、関節鏡視下手術で必ず症状がよくなるとは限りません。病状によっては十分な改善が得られない場合や、あとから別の治療が必要になる場合もあります。手術後の経過については、担当医とよく相談しましょう。
関節鏡視下手術の術後のリハビリと退院までの経過
手術後は、膝の状態を確認しながら、段階的にリハビリを進めます。
おおまかな流れは以下のとおりです。
| 時期 | 主な内容・目安 |
|---|---|
| 手術当日 | ベッド上で安静にし、アイシングで炎症を抑える |
| 翌日 | 歩行練習を開始する |
| 2〜3日 | 退院の目安 |
| 2〜3週間 | 【退院後】手術前と同程度の生活へ戻る目安 |
| 3〜6カ月 | 【退院後】痛みや違和感が落ち着いてくる目安 |
3〜6カ月というのは、あくまで落ち着いてくる時期の目安です。回復には個人差があり、痛みや違和感が残る場合もあります。腫れや痛みが強い、症状がなかなか改善しないといったときは、我慢せず早めに医療機関を受診してください。
なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供や簡易オンライン診断を行っています。手術後の経過や手術以外の選択肢が気になる方は、公式LINEからお気軽にご相談ください。
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高位脛骨骨切り術の入院期間は4〜6週間
高位脛骨骨切り術は、すねの骨(脛骨)を切って角度を調整し、膝の一部に偏っていた荷重を分散させる手術です。自身の関節を温存しやすいため、活動性を保ちたい比較的若い方に検討されることがあります。
また、入院期間の目安は4〜6週間程度です。ただし、「2〜3週間程度」や「14〜21日程度で退院」とする施設もあり、「すべての施設で4〜6週間」というわけではありません。
高位脛骨骨切り術は、本記事で紹介する3つの術式のなかでも、入院期間が長くなりやすい手術です。なぜなら、切った骨がくっつく(癒合する)具合を確認しながら、少しずつ荷重と歩行の訓練を進めていく必要があるためです。骨の状態を見極めながら段階的に進めるため、どうしても時間がかかります。
高位脛骨骨切り術のメリット・デメリットや症例を詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
高位脛骨骨切り術の術後のリハビリと退院までの経過
高位脛骨骨切り術の術後は、骨の癒合を確かめながら、荷重を少しずつ増やしていきます。
一例として、次のような流れで進みます。
| 時期 | 主な内容・目安 |
|---|---|
| 手術当日 | 安静にし、血栓予防のためフットポンプを使用する |
| 2日目 | フットポンプを外し、車椅子へ移動する |
| 1週目 | CPM(持続的関節他動訓練器)で膝の屈伸運動を行い、部分荷重を始める |
| 3週目 | 松葉杖で歩き始める。荷重はおおむね体重の2分の1程度 |
| 5週目 | 全体重をかけた歩行訓練を行う |
| 退院の目安 | 松葉杖なしで階段の昇り降りができる |
上記のスケジュールはあくまで一例です。骨を切る方法や骨の癒合の進み具合、年齢や骨の状態、施設の方針によって、進み方は変わります。焦らず、担当のリハビリ専門職の指示に沿って進めましょう。
人工膝関節置換術の入院期間は2週間〜1カ月
人工膝関節置換術は、すり減った関節面を人工の関節に置き換える手術です。膝全体を置き換えるTKA(人工膝関節全置換術)と、傷んだ一部だけを置き換えるUKA(人工膝関節単顆置換術)があります。
人工膝関節置換術は、痛みの軽減や歩行機能の改善が期待できる一方で、感染や血栓、人工関節のゆるみ・摩耗、将来的な再置換の可能性といった注意点もあります。入院期間の短さだけで選ぶのではなく、こうしたリスクも含めて検討しましょう。
入院期間の目安は、2週間〜1カ月程度です。ただし、施設や年齢、手術前の歩行能力、リハビリの進み具合、片膝か両膝かによって変わります。
なお、人工関節の耐用年数は一律ではありません。年齢や活動量、骨の状態などによって異なり、すり減りや感染、ゆるみなどが生じると、将来的に再置換が必要になる可能性があります。
長く付き合っていく治療であることを理解しておきましょう。
人工膝関節置換術の術後のリハビリと退院までの経過
人工膝関節置換術の術後は、腫れや血栓を予防しながら、段階的に動く範囲を広げていきます。
おおまかな流れは以下のとおりです。
| 時期 | 主な内容・目安 |
|---|---|
| 手術当日 | 弾性ストッキングを着用し、足関節の運動を行う |
| 翌日 | 車椅子へ移動する |
| 5日目以降 | 歩行器や松葉杖を使って歩行練習を行う |
| 10日目 | 膝を90度曲げられることを目指す |
| 退院の目安 | 1本杖での歩行、階段昇降、床からの立ち上がりができる |
| 日常生活への復帰 | 術後1カ月程度が一つの目安 |
上記の日程や退院の条件は、施設や膝の状態によって異なります。決まった標準スケジュールがあるわけではありません。
また、術後1カ月ですべてが元どおりになるわけではなく、あくまで基本的な日常生活へ戻る目安として捉えてください。
半月板損傷・前十字靭帯損傷など、その他の膝の手術の入院期間
変形性膝関節症以外にも、膝の手術にはいくつかの種類があります。
代表的なものの入院期間の目安を、以下にまとめました。
| 手術名 | 入院期間の目安 |
|---|---|
| 半月板部分切除術(関節鏡) | 日帰り〜数日程度 |
| 半月板縫合術(関節鏡) | 数日〜2週間程度 |
| 前十字靭帯再建術 | 1〜3週間程度(2週間前後が多いが、7日以下の施設もある) |
なお、上記の入院期間も、損傷の状態や同時に行う処置、術後の荷重制限、施設の方針によって変わります。
それぞれの術式やリハビリの詳細は、以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
【関連記事】
前十字靭帯断裂の全治までの期間は?歩けるまでの期間や入院・リハビリ期間も医師が解説
【医師監修】半月板損傷の手術とは|メリット・デメリットを詳しく解説
膝の手術にかかる入院費用の目安
膝の手術の費用は、公的医療保険が適用されます。以下は、3割負担の場合の自己負担の概算です。
| 手術名 | 自己負担の概算(3割負担) |
|---|---|
| 関節鏡視下手術 | 約5万円 |
| 高位脛骨骨切り術 | 約10万〜12万円 |
| 人工膝関節置換術 | 約24万円 |
なお、上記の金額は、医療機関や入院日数、検査、手術内容、自己負担割合などによって変わります。また、食事代や差額ベッド代など、保険の対象外となる費用が別途必要になる場合もあります。
さらに、1カ月の医療費の自己負担が高額になったときには、高額療養費制度を利用できます。保険診療の自己負担が、年齢や所得の区分などに応じて定められた上限を超えた場合に、超えた分が支給・調整される制度です。ただし、上限額は年齢や所得によって異なり、制度の内容は改定されることもあります。
実際に利用できる金額や手続きは、加入している公的医療保険や、手術を受ける医療機関へ事前に確認しておきましょう。
膝の手術を伴わない治療法「再生医療」
膝の手術は、術式によっては入院期間が数週間〜1カ月以上に及ぶこともあります。
手術や長期の入院にためらいを感じる方にとって、選択肢の一つとなるのが再生医療です。注射や点滴で行う治療のため、手術や入院を必要としません。
再生医療には、主に幹細胞治療とPRP療法の2つの方法があります。幹細胞には、傷ついたり弱くなったりした細胞を修復する働きがあり、PRP療法で用いる血小板の成長因子にも、組織の修復に関わる働きがあります。再生医療はこれらの働きを活かした治療法です。
当院「リペアセルクリニック」では、患者様ご自身の脂肪から採取した幹細胞を用いる自己脂肪由来幹細胞治療と、患者様ご自身の血液から抽出した血小板を用いるPRP療法を、症状に応じて行っています。
ただし、すべての方が対象になるわけではありません。適応があるかどうかは、診察や画像検査の結果を踏まえて医師が判断します。ご自身が対象になるか気になる方は、一度ご相談ください。
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また、以下の記事は、長年の両膝の痛みに悩んでいた60代女性の症例です。実際に当院で行っている再生医療の具体的な治療内容や、その後の経過について知りたい方は参考までにご覧ください。
膝の手術や入院期間に不安がある方は当院へご相談ください
本記事で解説したように、膝の手術の入院期間は、術式によって日帰り〜1カ月以上まで大きく異なり、施設や年齢、全身状態、リハビリの進み方によっても変わります。日数の目安は、あくまで判断材料の一つとしてください。
また、手術を考えるときは、入院期間の長さだけでなく、期待できる効果やリスク、退院後の生活、そしてご本人の希望を、主治医と共有することが大切です。これらを総合的に見て、納得できる方法を選びましょう。
なお、手術を勧められたものの迷っている方や、仕事や介護の事情で長期入院が難しい方は、手術以外の選択肢も含めて相談できます。当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供と無料相談を行っております。気になることがある方は、お気軽にご登録ください。
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膝の手術の入院期間に関するよくある質問
高齢者が膝の手術を受ける場合入院期間は長くなりますか?
高齢の方では、筋力や歩行能力の回復に時間がかかり、入院期間が長くなる場合があります。ただし、必ずしも年齢だけで決まるものではありません。
ある単施設の研究では、人工膝関節全置換術(TKA)を受けた85歳以上の27膝と85歳未満の96膝を比較しています。平均入院日数は85歳以上で40.7日、85歳未満で33.5日と、85歳以上のほうが約7日長い結果でした。一方、自宅へ退院した割合はそれぞれ92.6%と94.8%で、どちらも9割を超えています。(文献1)
高齢でも全身状態が良く、手術の適応が適切に判断され、リハビリが順調なら40日程度で退院できる例は多くあります。
膝の手術後の仕事復帰はいつからできますか?
仕事への復帰時期は、術式と仕事の内容によって異なります。
おおまかな目安は以下のとおりです。
| 術式 | デスクワーク | 立ち仕事・負荷の高い仕事 |
|---|---|---|
| 関節鏡視下手術 | 退院後すぐ〜数週間 | 痛みや状態をみて段階的に |
| 高位脛骨骨切り術 | 退院後から検討可能 | 術後約3カ月を一つの目安に慎重に |
| 人工膝関節置換術 | 術後1〜2カ月程度 | さらに時間を要する場合がある |
高位脛骨骨切り術の資料では、事務職は早期に復帰できる一方、立ち仕事は術後2カ月半〜3カ月程度を目安とする例が示されています。(文献2)実際の復帰時期は、仕事の内容や通勤方法、痛み、歩行能力、主治医の許可によって変わります。
退院してすぐに通常どおり働けるとは限らないため、勤務先と相談しながら、段階的に復帰していきましょう。
膝の手術は日帰りでできますか?
半月板部分切除など、一部の関節鏡手術は日帰りで行う施設があります。ただし、日帰り手術の適応は限られます。麻酔からの回復や歩行の安定、合併症のリスク、ご家族の支援の有無などを医師が確認した上で判断します。
一方、高位脛骨骨切り術と人工膝関節置換術は、原則として入院と術後のリハビリが必要です。骨の癒合や歩行の訓練に時間がかかるため、日帰りでの実施は難しいと考えてください。
手術や入院をできるだけ避けたい場合には、手術を伴わない選択肢として再生医療もあります。ご自身の症状で受けられるか気になる方は、当院のLINE無料相談もご利用ください。
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参考文献
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