- 変形性膝関節症
- ひざ関節
膝手術のデメリットは?メリットや後悔しないための治療法も紹介

膝関節の痛みや機能障害が日常生活に支障をきたす場合、保存療法やリハビリでの改善が難しいケースでは手術が検討されます。
膝手術を行うと、痛みを軽減できたり歩きやすくなったりするなどのメリットが得られます。しかし、デメリットについても理解したうえで、手術を受けるか検討するのが大切です。
本記事では、膝手術のデメリットをまとめました。メリットや膝手術以外の治療法も紹介するので、治療法に悩みを抱えている方は、参考にしてください。
膝手術のデメリット
膝手術を受けるにあたって、デメリットを理解しておくのが重要です。ここでは、膝手術のデメリットを紹介します。
- 一定期間入院する
- 術後すぐにリハビリがはじまる
- 感染症や合併症を引き起こす可能性がある
- 一定期間経過した場合は再手術を受ける必要がある
- 膝手術後の生活には一定の制限が設けられる
以下で詳しく解説するので、膝手術のデメリットが知りたい方は参考にしてください。
一定期間入院する
膝手術を行った場合、2日〜1ヶ月ほど入院が必要になります。入院期間に幅が生じる理由は、手術の種類や個人の症状、経過によって日数が異なるためです。
代表的な膝手術と入院期間の目安は、以下の通りです。
代表的な膝手術 |
入院期間の目安 |
---|---|
関節鏡視下手術 |
約2〜3日 |
高位脛骨骨切り術 |
約5〜6週間 |
人工関節置換 |
約1カ月 |
また、手術後、日常生活への復帰までには一定期間要します。膝手術を受ける場合、入院が一定期間必要になる点と、元の生活に戻るまでに時間を要する点を事前に理解しておきましょう。
術後すぐにリハビリがはじまる
リハビリは、早い人で手術当日からスタートします。一般的に、手術してすぐは安静にした方が良いと考えがちです。
しかし、膝手術の場合、リハビリが身体機能や痛みの回復を促す効果が期待されています。膝を動かさない状態が続くと、筋肉がくっついて曲がらないまま固まってしまう可能性があるため、できる限り早く膝を動かす練習が重要です。
手術当日は、ベッドの上で上体を起こしたり膝を動かしたりするなどのリハビリからはじめます。術後の状態を見ながらベッドサイドやリハビリ室での訓練といったように、膝関節可動域を向上させるリハビリを実施します。
このような早期からの積極的なリハビリは効果的である反面、筋力や体力が十分でない方にとっては身体的・精神的な負担となることがあります。これが膝手術の大きなデメリットの一つと言えるでしょう。
感染症や合併症を引き起こす可能性がある
膝手術により人工関節にすると、細菌に対する抵抗力が低くなり、感染症や合併症を引き起こす可能性があります。人工関節は手術の傷口や風邪、虫歯などの菌が血流に乗って運ばれてくるケースがあるためです。
感染症に感染した場合、人工関節を入れ替える再手術を行う必要があるため、退院後も日頃から体調管理や虫歯に気をつけて生活しなければなりません。
また、術後は血液が固まりやすい状態になり、血栓のリスクが生じます。感染症や合併症を引き起こす可能性もゼロではないため、膝手術後は日頃から予防策をとる必要があります。
一定期間経過した場合は再手術を受ける必要がある
膝手術から一定期間経過すると、人工関節を取り換えるための再手術を受ける必要があります。一般的に、人工関節の耐用年数は15年~20年ほどが目安です。
人工関節で長期間生活を送っていると、本人が気づかぬうちにゆるみや摩擦が生じる可能性もあります。特に、膝関節に負担がかかりやすい作業や運動をしている場合は、ゆるみや摩擦が生じる原因になります。
ゆるみや摩擦の状態によっては、人工関節を入れ直す再手術が必要です。膝手術をして終わりではなく、人工関節に異常がないか定期的に検査する必要があります。
膝手術後の生活には一定の制限が設けられる
手術後は膝の曲げ伸ばしがしにくくなるため、生活に一定の制限が設けられるデメリットが生じます。主な制限は、以下の通りです。
- 正座やあぐらをかくのは避ける
- 重い荷物を持つのを控える
- 良い姿勢を意識して生活する
- 適切な体重を維持する
- ジョギングやテニスなど激しい運動は避ける
膝に負担をかけると、人工関節のゆるみや摩擦が生じる要因になります。激しい運動は控えるのが無難ですが、運動不足は体重増加につながります。
体重増加も膝への負担がかかる原因になるため、運動する際は散歩や水泳など関節への負担がかかりにくいものを選びましょう。トラブルを防ぐためにも、膝に負担がかからない生活を意識するのが大切です。
膝手術のメリット
デメリットがあるものの、膝手術により膝関節に関する悩みを解消できます。ここでは、膝手術のメリットを紹介します。
- 痛みが軽減される
- 歩きやすくなる
- 姿勢が良くなる
- 活動範囲が広がる
以下で詳しく解説するので、膝手術によりもたらされるメリットを知りたい方は参考にしてください。
痛みが軽減される
膝手術のメリットは、膝の痛み軽減が期待できる点です。手術で痛みの原因となる損傷した関節組織を取り除けるため、痛み緩和につながります。
膝の痛みが軽減できると、無意識にかばっていた腰や足首などほかの関節への負担緩和も期待できます。すなわち、膝手術は足腰の痛みを軽減できる点がメリットです。
なお、痛みは軽減されますが、患者によっては術後しばらく疼痛が続く可能性があることも認識しておきましょう。
歩きやすくなる
膝手術には、歩行に関するストレスが緩和されるメリットがあります。人工関節により関節が安定するため、歩きやすくなります。
立ち上がったり歩いたりする際の痛みが軽減され、手術前と比べて早く歩けるようになる可能性も期待できるのが、膝手術を受ける利点です。
膝関節の痛みにより、歩くのが億劫と感じている場合は、安定した足取りで歩けるようになる膝手術を検討しましょう。
姿勢が良くなる
膝手術を受けると、歪みによる身体の負担を軽減するため姿勢が良くなります。術後は、脚が真っすぐ伸びた状態になるためです。
たとえば、O脚(膝の間に隙間がある状態)の方には大きな変化が期待できます。不安定な姿勢が真っすぐ伸びるため、関節や筋肉の負担を軽減し、身体の痛みや不調のリスク低減につながります。
また、膝をかばう姿勢は頭の位置が前下がりになり、暗い印象を与えるケースも少なくありません。膝手術により姿勢が良くなるため、見た目の印象アップ効果も期待できる点がメリットです。
活動範囲が広がる
膝手術は活動の幅を広げられるため、寝たきりや引きこもり防止のメリットがあります。膝関節に痛みがあると外出を億劫に感じやすく、家の中に閉じこもってしまう方も少なくありません。
手術によって痛みが軽減し歩行が楽になることで、外出への抵抗感が減少します。これは単なる移動の改善だけでなく、社会参加の機会を増やし、精神的な健康にも良い影響を与えます。
無理のない範囲で旅行やスポーツが楽しめるようになるため、生活の質向上につながる点が膝手術のメリットです。
家の中に閉じこもりがちな現状を変えたい場合、膝手術を検討してみましょう。
膝手術の選択肢となる再生医療とは
痛みの軽減や生活の質向上といったメリットがある一方で、膝手術には入院や感染症などのデメリットが生じます。手術を避けたい、あるいは踏み切れない場合は再生医療における治療法の「幹細胞治療」を検討するのも選択肢の一つです。
再生医療とは、組織や細胞などを元通りに戻すために、人間が持つ再生力を用いた治療法です。幹細胞治療では、膝関節に幹細胞を注入し、すり減った軟骨を再生させて立ち上がりや歩行時の痛みを軽減します。
手術を必要としないだけでなく、入院が不要な点も再生医療の特徴です。
当院「リペアルセルクリニック」では、膝の痛みや変形性膝関節症の再生医療・幹細胞治療を実施しています。
メール相談やオンラインカウンセリングも提供していますので、お気軽にご相談ください。
\まずは当院にお問い合わせください/
まとめ・後悔しないために膝手術のデメリットを理解した上で治療を検討しよう
膝手術を受けると一定期間入院が必要になったり、日常生活に制限が設けられたりするなどのデメリットが生じます。手術を受けてから、元の生活に戻るまでには時間を要するため、術後すぐに症状回復が期待できるわけではない点に注意が必要です。
デメリットがある一方、膝手術を受けると痛みの軽減や生活の質向上といったメリットを得られます。
デメリットとメリット、どちらも理解したうえで、自分にとって最良な治療プランを検討しましょう。
なお、膝の痛みに対する治療法としては、再生医療もあります。膝手術のデメリットにお悩みの方は、再生医療もご検討ください。
膝手術に関するよくある質問
Q.膝手術に後遺症は残りますか
膝の曲げ伸ばしがしづらくなる可能性があります。そのため、以下の行動に不自由を感じる場合が考えられます。
- 正座やあぐらがかきにくい
- 靴下を履きにくい
- 和室トイレが使いにくい
- 下に落ちたものを拾いにくい
無理に関節を曲げようとすると、脱臼する可能性も少なくありません。脱臼を防ぐためには、生活で一定の制限が必要です。
また、治療後には痛みが残る場合がある点についても理解しておきましょう。
Q.膝の人工関節手術に年齢制限はありますか
膝の人工関節手術に年齢制限は明確に定められておらず、幅広い年齢層が受けています。従来、人工関節手術の負担を考慮して、60歳〜65歳以上の手術が対象となっていました。
日本人の平均余命は約80歳のため、人工関節の耐用年数が15年ほどと考えた際、60歳~65歳以上だと再手術を受ける可能性が低くなります。(文献1)
しかし、再手術の可能性を踏まえたうえで手術を希望した場合、年齢制限を設けず手術を実施する施設も増えているのが現状です。
なお、膝の人工関節手術に年齢制限はないため、健康上の問題が無ければ90歳以上の方でも受けられます。
Q.膝手術の費用はどのくらいかかりますか
膝手術の費用は、術式によって異なります。代表的な手術と費用例は、以下の通りです。
手術の種類 |
手術費用(自己負担額) |
---|---|
関節鏡視下手術 |
2.5万円〜7.5万円 |
高位脛骨骨切り術 |
14.6万円〜43.8万円 |
人工関節置換術 |
18.6万円〜55万円 |
手術費用以外にも差額ベッド代や食事代など、保険適用されない費用が発生する点にも注意が必要です。
膝手術費用の負担を軽減する方法には、「限度額適用認定証」や「高額療養費制度」の2つがあります。膝手術を検討する際は、制度を活用して手術費用の負担をできる限り抑えましょう。
(文献1)
厚生労働省「令和4年簡易生命表の概要」2022年
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life22/dl/life22-15.pdf(最終アクセス:2025年2月20日)
監修者

坂本 貞範 (医療法人美喜有会 理事長)
Sadanori Sakamoto
再生医療抗加齢学会 理事
再生医療の可能性に確信をもって治療をおこなう。
「できなくなったことを、再びできるように」を信条に
患者の笑顔を守り続ける。