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ヘバーデン結節とはどんな病気

ヘバーデン結節はどんな病気なのか

  • ・ヘバーデン結節の原因について
  • ・ヘバーデン結節の症状について
  • ・へバーデン結節の診断について
  • ・ヘバーデン結節の治療法について

ヘバーデン結節

はじめに

へバーデン結節とは、手指部における第1関節に位置するDIP関節が変形して曲がってしまうという、いまだ原因不詳の疾患とされています。関節リウマチなどの膠原病とは異なる病態と考えられています。

この疾患においては、第1関節のうしろ(手背)側の中央付近に2つのコブのような結節所見を認めるのが特徴的と言われており、現在ではこの指のふくらみは年齢に伴う変形性関節症であると判明しています。

病名に関しては、本疾患の報告をした「ヘバーデン博士」の名にちなんでヘバーデン結節と呼称されています。

へバーデン結節は、関節組織の加齢による変化を基盤として発症する変形性関節症においても手指部に認められる病変であり、いろいろな変形所見が見られます。

一般的には、第1関節の変形や疼痛があって、X線レントゲン写真にて関節の隙間が狭い、関節が壊れている、骨棘と呼ばれる骨のとげ所見などがあれば、「へバーデン結節」ではないかと疑います。

そこで今回、へバーデン結節とは一体どのような病気なのかを詳しく解説していきましょう。

 

【第1章】へバーデン結節の原因について

へバーデン結節は、これまでの医学的研究でもいまだに明確な原因は不明なのですが、普段から手や手指を頻繁に使用する方が発症しやすい傾向があると言われています。

へバーデン結節は、疫学的に40歳代以降の中高年齢層の女性に多く発症することから、本疾患の背景には女性ホルモンの変調、ストレス要素が多く振りかかる外的な環境、およびストレスを過度に受けやすい体質や性格なども関与している可能性も検討されています。

過去の調査では確固たる遺伝性要因の影響は証明されておりませんが、傾向的に母娘間、あるいは姉妹間で高率な頻度で発症すると言われています。

したがって、例えば自分の母親や祖母の家系がヘバーデン結節に発症した経験を有する場合には、予防として普段から指先や手の部分に過剰な負担をかけないよう意識して注意すべきでしょう。

【第2章】へバーデン結節の症状について

典型的な症状としては、手指の中でも母指(親指)、あるいは示指(人差し指)から小指にかけて第1関節が赤く腫れあがり、屈曲して疼痛症状があります。

へバーデン結節に罹患すると、時には安静時にも痛み症状があるため、強く手を握ることが困難になりますし、指のこわばりを感じて十分に手指を動かせなかったりもします。

指の変形が進むにつれて痛み症状そのものは落ち着いてくることが多いのですが、その分、手指の動きがさらに悪化して日常生活に支障をきたすことも考えられます。

補足ですがこの症状のうち、第1関節のうしろ側に水ぶくれのような所見を認めることもあり、この水ぶくれをガングリオンや粘液嚢腫などと呼称されています。

【第3章】へバーデン結節の診断について

へバーデン結節を診断する際には、診察上の視診や触診などの理学的所見を基本としてエックス線による画像検査が実施されます。

第1関節の腫れや熱感、変形、運動障害、疼痛症状の有無などを診察によって確認して、レントゲン検査で関節間の隙間が狭い、又は骨棘と呼ばれる骨のとげが突出しているなど変形性関節症所見を認める際には、典型的な「へバーデン結節」と診断されることになります。

症状が類似しており本疾患と鑑別を要する疾患として最も重要なのは関節リウマチです。

一般的には、関節リウマチにおける症状は、関節痛、自己免疫に関連した炎症による体の倦怠感、朝のこわばりなどが典型的です。

ところが、関節リウマチでは手指における好発部位(病変が起こりやすい部位)としてはPIP関節(指先から2番目の関節)、MP関節(指先から3番目)のことが多く、へバーデン結節のようにDIP関節(第1関節)に現れることは、ほとんど無いと言われています。

同様に、画像検査上でも両疾患には異なる所見を認めることが知られており、関節リウマチの場合には骨が炎症によって溶解する(溶けてゆく)のに対して、へバーデン結節では骨が逆に増殖していくことになり、その点が大きく違うため、両者を鑑別することが出来ると考えられます。

 

【第4章】へバーデン結節の治療法について

へバーデン結節における治療策としては、普段から指先に過度な負担が生じることを避ける、指の腫れや熱感があるときには患部を積極的に冷却する、軽くマッサージを実践する、あるいは装具などにより関節部の安静を保つことで痛み症状を軽快にすることが期待できます。

へバーデン結節における手指関節の保護には、一般的にはテーピングや金属製リングなどを治療策として使用されることが多いです。

どうしても疼痛症状が強い場合は、漢方や消炎鎮痛剤を服用する、湿布や塗り薬などの外用薬を積極的に使用する、あるいは少量の関節内ステロイド注射なども有効に働きます。

へバーデン結節は、多少の個人差はありますが概ね数か月から年単位で痛みの症状そのものが落ち着いていくため、手術の必要性に迫られる、あるいは何が何でも手術を希望されるという患者さんはそれ程多くないのが実情です。

それでも、保存的な治療で症状が改善しない場合、または手指部の変形がひどくなり日常生活に機能的に支障をきたすケースでは、手術療法を検討することになります。

具体的な手術法としては、コブになっている結節部を切除するパターンや関節を固定してしまう方法が取り入れられています。

もう少し詳しく概説すると、でっぱった骨(結節部、骨棘)や水ぶくれ(嚢胞)を切除する関節形成術や、傷んだDIP関節(1番指先の関節)のグラつき(不安定性)を改善させる関節固定術が一般的に行われています。

関節形成術に関しては外観上の所見が改善する長所がありますし、関節固定術は最も機能的に良好で使いやすい位置で関節を固定して術後に痛みも無くなる利点が挙げられます。

ヘバーデン結節はどんな病気なのか/まとめ

いわゆる「へバーデン結節」と呼ばれる病気では、親指や人差し指から小指にかけて、第1関節が赤く腫れあがり、変形して曲がってしまう症状を呈します。

また、第1関節の手のうしろ側(背側)に関節を挟んでふたつのコブ(結節性病変)ができるという特徴があります。

へバーデン結節は、いまだ原因不明の疾患であり中高年齢の女性に比較的頻度が多く認められる病気とされており、手指部の症状のために日常生活に支障をきたすことがあります。

痛みや症状がひどくなって心配して医療機関を訪れる患者さんが多いようです。

指が痛むという症状を我慢しておられる方がおられるようですが、少しでも心配であれば整形外科などのクリニックや病院を受診して相談してみられてはいかがでしょうか。

専門医による診察や画像検査、血液検査などを実施することで、関節リウマチなど他の類似疾患との鑑別を行うこともできますし、本疾患の治療はもちろん、症状の解消法などのアドバイスを期待できるでしょう。

今回の記事の情報が少しでも参考になれば幸いです。

 

No.S030

監修:医師 加藤 秀一

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