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変形性股関節症の保存療法|手術を避けて症状改善を目指す治療法

変形性股関節症保存療法
公開日: 2022.04.07 更新日: 2025.09.10

「最近、股関節の痛みが気になる…でも、手術はまだ考えたくない」

「この先も自分の足で元気に歩き続けるために、今からできることはないだろうか?」

変形性股関節症と診断され、そのようなお悩みや疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

手術を回避し、痛みをコントロールしながら日常生活を送るためには、保存療法について正しく理解し、実践することが非常に重要です。

本記事では、変形性股関節症の保存療法の基本となる4つの柱(運動・生活指導・薬物・物理療法)から、治療を続ける期間の目安までを詳しく解説します。

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変形性股関節症の保存療法とは|手術に頼らない治療の基本

変形性股関節症の治療は、「保存療法」と「手術療法」の二つに大別されます。

このうち保存療法とは、その名の通り手術をせずに股関節の機能を温存し、痛みなどの症状をコントロールしていく治療法の総称を指します。

その目的は、痛みや炎症を和らげ、症状の進行を緩やかにし、日常生活の質を最大限に維持・向上させることにあります。

病状が初期から進行期にある多くの患者様にとって、まず取り組むべき治療の第一選択肢となるのが、この保存療法です。

治療プロセスは、専門医による正確な診断から始まります。

レントゲンやMRIといった画像検査、丁寧な問診、身体診察を通じて股関節の状態を多角的に評価します。

そして患者様一人ひとりの年齢、活動量、生活背景などを総合的に考慮し、オーダーメイドの治療計画が立てられます。

この医師との二人三脚のプロセスが、治療成功の第一歩と言えるでしょう。

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変形性股関節症の保存療法|4つの治療法と効果的な組み合わせ

保存療法は、単一の治療だけで効果を出すのは難しい場合があります。より高い治療効果を得るためには、複数のアプローチを戦略的に組み合わせることが不可欠です。

中心となるのは、以下の4つの柱です。

  • 運動療法・リハビリ:関節を支える筋力を強化し、安定性を高める
  • 生活指導:日常動作や体重を見直し、股関節への負担を根本から減らす
  • 薬物療法:薬の力で、つらい痛みや炎症を効果的にコントロールする
  • 物理療法:温熱効果や装具を利用し、痛みを和らげる

これらは互いに補完し合う関係にあり、どれか一つだけを頑張るのではなく、バランス良く取り組むことが症状改善への近道となります。専門医や理学療法士と相談しながら、ご自身に最適な治療の組み合わせを見つけていきましょう。

1.運動療法・リハビリ|筋力強化と可動域改善

運動療法では、まずストレッチやマッサージをおこない、筋肉をほぐします。

股関節周囲の筋肉の柔軟性は、痛みの改善だけでなく、関節の動く範囲の改善にもつながります。

しかし、運動療法をするときに、早く筋肉をつけようとして無理に運動しないように注意しなければなりません。

また、ジョギングやサッカーのような激しい運動も股関節に負担をかけ、変形性股関節症を進行させてしまいます。

ゆっくりと歩くウォーキングや、負担の少ない水泳などをおこなうようにしましょう。

ウォーキング

関節への負担が少ない運動の代表格がウォーキングです。

とくに水中でのウォーキングは、浮力によって体重負荷が大幅に軽減されるため、痛みが強い方でも取り組みやすいでしょう。

陸上を歩く際は、衝撃吸収性に優れたクッション性の高い靴を選び、まずは平坦な道を1日20〜30分程度から始めてみるのがおすすめです。

筋力トレーニング

股関節の安定性に直接寄与するのが、お尻の筋肉(中殿筋)や太ももの筋肉(大腿四頭筋)です。

これらの筋肉を重点的に鍛えることで、歩行時のふらつきを防ぎ、関節をしっかりと支えることができます。

横向きに寝て脚をゆっくりと持ち上げる運動や、仰向けで膝を曲げた状態からお尻を浮かせる運動など、自宅でも安全に行えるトレーニングが数多く存在します。

変形性股関節症のリハビリについては、以下の記事にて詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。

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2.生活指導|日常動作の工夫と体重管理

日々の何気ない動作や生活習慣が、知らないうちに股関節へ大きな負担をかけていることがあります。

この負担を意識的に減らす生活指導も、運動療法と並行して行うべき重要なアプローチです。

中でも最も重要なのが体重管理です。体重が1kg増えるだけで、歩行時には股関節に約3〜4kgもの負荷がかかるとされています。

つまり、体重をコントロールすること自体が、効果的な治療法なのです。

その他、以下のような生活上の工夫を取り入れることで、股関節への負担は大きく変わってきます。

  • 洋式の生活:正座やあぐら、低い椅子からの立ち座りは股関節に大きな負担をかけます。可能な限り、椅子やテーブル、ベッドを中心とした生活スタイルに切り替えましょう。
  • 動作の工夫:床の物を拾う際は、膝を曲げて腰を落とすように意識する、重い荷物はカートを利用するなど、一つ一つの動作を見直すことが大切です。
  • 靴の選択:歩行時の地面からの衝撃は、股関節痛の大きな要因です。クッション性が高く、かかとが安定した靴を選びましょう。

3.薬物療法|薬物による疼痛・炎症管理

痛みが強く、運動や日常生活に支障が出ている場合、薬物療法を併用して症状をコントロールします。

薬物療法は、痛みによる動作制限の悪循環を断ち切り、運動療法などをよりスムーズに進めるためのサポーターとしての役割を果たします。

投与方法 内容・注意点
内服薬 痛みや炎症を抑える目的で、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などが主に処方されます。胃腸障害などの副作用が出る可能性もあるため、必ず医師の指示通りに服用することが鉄則です。
外用薬 湿布や塗り薬といった外用薬は、内服薬に比べて全身への副作用のリスクが低く、手軽に使える利点があります。
関節内注射 痛みが局所的に強く、内服薬などでは十分にコントロールできない場合、股関節に直接ヒアルロン酸やステロイドを注射する方法があります。

これらの薬は、あくまで痛みを緩和し、生活の質を維持するための手段です。

自己判断で量を増減したり中断したりせず、必ず医師と相談の上で使用してください。

4.物理療法|温熱療法と装具の効果的活用

物理療法は、熱や物理的な補助具を用いて、痛みの緩和や機能の改善を図る治療法です。

薬物療法とは異なるアプローチで、症状の改善をサポートします。温熱療法と装具の2つについて解説します。

温熱療法

股関節周辺を温めることで血行が促進され、筋肉の緊張がほぐれ、痛みが和らぐ効果があります。

温熱療法は、とくに筋肉のこわばりからくる鈍い痛みに対して有効です。ご家庭での入浴やホットパックの利用が手軽ですが、注意点もあります。

痛みが起きた直後の急性期には、温めることでかえって炎症が悪化することがあるため、自己判断で行わず、医師に確認してから実践しましょう。

装具療法

杖やサポーター、インソール(足底板)といった装具を用いて、股関節への力学的な負担を軽減する方法です。

とくに杖は、歩行時の股関節への負荷を最大で60%も軽減できるとされ、非常に有効な手段です。(文献1

杖は、痛い方の脚と反対側の手で持つのが基本です。体を安定させ、効率的に負荷を分散させることができます。

変形性股関節症の保存療法はいつまで続ける?改善効果と期間目安

保存療法の期間は、症状の程度や治療への取り組み方によって個人差があります。そのため、全ての患者様に共通する決まった期間はありません。

一般的には、保存療法の効果は10年程度続くと考えられていますが、あくまで目安です。股関節の状態は日々変化するため、日々の痛みの強さや歩行量、家事のしやすさなどを記録し、専門医と相談しながら治療計画を柔軟に見直すことが重要です。

保存療法は「いつまで」と決めるものではなく、生活の一部として無理なく続けることが基本です。迷ったときは一人で抱え込まず、担当医と一緒にプランを整えていきましょう。

保存療法で避けるべき行動を知っておくと、ご自身の体に合った取り組み方が理解しやすくなります。詳しくは、こちらの記事もご確認ください。

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変形性股関節症に対する保存療法以外の選択肢「再生医療」について

保存療法を継続しても症状の改善が難しい場合や、手術以外の方法を検討したい場合に、選択肢の一つとして再生医療があります。

再生医療は、患者様ご自身の血液や脂肪から特定の成分(血小板や幹細胞など)を抽出し、関節内に投与する方法です。

このアプローチは、ご自身の体にもともと備わっている組織の修復過程や、炎症を抑える働きに着目した治療法です。

ご自身の細胞を用いるため、アレルギー反応などのリスクは低いとされています。

変形性股関節症に対する再生医療について、以下の記事で症例を紹介しています。治療内容の参考にぜひ一度ご覧ください。

再生医療をご検討の際は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。再生医療に精通した医師が、患者様の状態に応じて個別に治療方針をご提案いたします。

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変形性股関節症でお悩みの方へ|専門医と一緒に治療法を見つけましょう

保存療法の目的は、手術以外の方法で痛みを管理し、今ある関節機能を最大限に維持することです。

その成功の鍵は「運動療法」「生活指導」「薬物療法」「物理療法」という4本柱を、専門家のアドバイスのもとでバランス良く組み合わせることにあります。

保存療法は息の長い治療です。焦らず根気強く続けることが何よりも大切ですが、再生医療という選択肢が存在することも、ぜひご認識ください。

ご自身の状態を正しく理解し、専門家と共に粘り強く治療を続けることが、より豊かな日常生活を取り戻すための鍵となります

もし現在の治療に行き詰まりを感じていたり、今後の治療方針に悩んでいるのであれば、一人で抱え込まず気軽にご相談ください。

参考文献

(文献1)
杖を用いた歩行の特性|昭和大学保健医療学部