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【医師監修】脳梗塞の前兆とは|テスト方法や予防法を詳しく解説

脳梗塞 前兆
公開日: 2022.10.31 更新日: 2026.06.30

「片方の手足がしびれる」

「ろれつが回らない、片目が見えにくい」

これらの症状が突然現れた場合、脳梗塞の前兆として注意が必要です。

脳梗塞は発症から4.5時間以内に治療を開始できるかどうかで、その後の回復に大きな差が生じます。少しでも異変を感じたら、ためらわずに医療機関を受診する必要があります。

本記事では、現役医師が脳梗塞の前兆についてわかりやすく解説します。脳梗塞の前兆が疑われる症状を一覧で紹介し、前兆を確認するテスト(FASTチェック法)についても合わせて紹介します。

記事の後半には、脳梗塞の前兆に関するよくある質問についてまとめていますので、自分が「脳梗塞かもしれない」と感じる方は、ぜひ最後までご覧ください。

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脳梗塞の前兆が疑われる症状一覧

脳梗塞が疑われるサインは突然現れることがあります。

次の項目にひとつでも当てはまる場合は、速やかに医療機関を受診してください。

【重要】脳梗塞の前兆を逃さないための症状チェック

※ 一つでも当てはまるようなら、すぐに医療機関を受診してください

【運動障害】

☐ 片半身が動かしにくくなる

☐ 片側の顔に力が入らない

☐ 箸や鉛筆が持てない

☐ 片足を引きずってしまう

【言語障害】

☐ ろれつが回らない

☐ 言葉が出てこない

☐ 言葉の意味がわからない

☐ 相手に話が伝わらない

【感覚障害】

☐ 片半身がしびれる

☐ 触られてもわからない

【視覚障害】

☐ものが二重に見える

☐ 視野が狭くなる

☐ 目の前が真っ暗になる

【平衡感覚障害】

☐ 体が傾く

☐ まっすぐ歩けない

【運動機能】片側の手足に力が入らない・足がもつれる

「片側の手足に力が入らない」「足がもつれる」といった運動機能の変化は、脳梗塞の前兆としてみられる代表的な神経症状です。

症状 特徴
片方の手足に力が入らない 左右どちらか一方のみの脱力
箸やペンを持てない 細かい動作の困難
物を持ったまま落とす 握力や運動機能の低下
足を引きずる 歩行時の左右差
まっすぐ歩けない バランス機能の低下
立ち上がりにくい 下肢の筋力低下や麻痺

これらの症状は突然始まり、多くの場合、片側だけに現れる点が特徴です。脳梗塞では、運動を司る脳の部位で血流が途絶えることで神経への伝達が妨げられ、手足の動きに異常が生じます。症状が短時間で消えた場合も、一過性脳虚血発作(TIA)の可能性があるため、軽症と判断して放置することは避けてください。

【感覚障害】片側の手足がしびれる・感覚が鈍い

「片側の手足がしびれる」「感覚が鈍くなる」といった症状は、脳梗塞の前兆として現れることがある症状です。

症状 特徴
顔の片側のしびれ 左右どちらか一方に生じる違和感
手足の片側のしびれ 片側のみ感覚が低下
感覚が鈍い 触れてもわかりにくい状態
皮膚が厚くなった感覚 一枚膜が張ったような違和感
足裏が地面に接していないような感覚 地面を踏んでいる感覚の低下

これらの症状は突然起こり、顔や手足の片側だけに現れます。脳梗塞では、感覚を司る脳の部位で血流が途絶えることでしびれや感覚の鈍さが生じます。

数分から数十分で症状が消えることもありますが、それは一過性脳虚血発作(TIA)の可能性があり、症状が治まっても脳梗塞のリスクは続いています。異変を感じたら、症状の有無にかかわらず医療機関を受診してください。

【言語障害】言葉が出てこない・ろれつが回らない

「言葉が出てこない」「ろれつが回らない」といった言語障害は、脳梗塞の前兆としてみられる代表的な症状のひとつです。

症状 特徴
言葉が出てこない 話したい内容を言葉にできない
簡単な受け答えができない 質問に適切に返答できない
会話が成立しない 話の内容がかみ合わない
相手の話は理解できるが、うまく話せない 理解はできても発語が困難
ろれつが回らない 発音が不明瞭になる

これらの症状は突然起こり、本人が気づく前に家族や周囲の人が異変を察知するケースも少なくありません。脳梗塞では、言語機能や発声に関わる神経経路の血流が途絶えることで言語障害が生じます。

症状が短時間で治まっても一過性脳虚血発作(TIA)の可能性があるため、普段と異なる話し方や会話の違和感に気づいた場合、すぐに医療機関を受診してください。

【視覚障害】片目が見えにくい・視野の半分が欠ける

「片目が見えにくい」「視野の一部が欠ける」といった症状は、脳梗塞の前兆として現れることがあります。

症状 特徴
片目が見えにくい 突然の視力低下
視野の半分が欠ける 左右どちらかが見えにくい状態
視界の一部が暗くなる 一部分だけ見えにくくなる変化
物にぶつかりやすくなる 視野障害による周囲の見落とし
片側の物が見えにくい 特定方向の視認性の低下

これらの症状は、脳や網膜へ血液を送る血管の血流が低下または途絶えることで生じます。

「片目だけが突然見えなくなる」「視野の片側が欠ける」といった変化が現れた場合は、目の疾患と決めつけず速やかに医療機関を受診してください。

症状が短時間で回復しても、一過性脳虚血発作(TIA)や脳梗塞の前兆として見逃せないサインです。

【平衡感覚】突然のめまい・ふらつき

突然のめまいやふらつきは、脳梗塞の前兆として現れることがある症状です。とくに歩行や姿勢の維持が難しくなる場合は注意が必要です。

平衡感覚の異常 特徴
強いめまい 突然生じる回転感や浮遊感
ふらついて歩けない 歩行が不安定になる状態
まっすぐ歩けない 左右どちらかへ偏る歩行
立ち上がれない バランス保持の困難
身体が傾く 姿勢を維持できない状態

これらの症状は、脳幹や小脳への血流が途絶えることで平衡感覚が乱れて生じます。

耳の疾患でもめまいは起こりますが「ろれつが回らない」「手足に力が入らない」「物が二重に見える」といった神経症状を伴う場合は脳梗塞を疑う必要があります。症状が突然現れたときは、速やかに医療機関を受診してください。

【頭痛】経験したことのない激しい頭痛

これまで経験したことのない激しい頭痛が突然現れた場合は、脳卒中の可能性を念頭に置く必要があります。

痛みが数秒〜数分でピークに達する「吐き気や嘔吐を伴う」「手足のしびれや脱力」「ろれつ障害が同時に現れる」といった場合はとくに危険なサインです。

このような頭痛はくも膜下出血や脳出血で多くみられますが、家庭で原因を判別することは困難です。頭痛薬で様子を見たり自力で移動したりせず、すぐに救急車を呼んでください。

【意識】急な混乱・意識がぼんやりする

急な混乱や意識がぼんやりする状態は、脳梗塞や脳卒中でみられる重要なサインです。

意識の変化 特徴
人の言葉を理解できない 呼びかけや会話への反応の低下
意識がぼんやりする 受け答えが遅い、不自然な状態
急に混乱する 時間や場所、人の認識の乱れ
意識が低下する 強く呼びかけても反応が乏しい状態
意識を失う・失神する 一時的または持続的な意識消失

こうした症状は、意識や理解を担う脳の部位への血流が途絶えることで現れます。高齢者では疲労や認知機能の低下と見過ごされやすいですが、突然の変化であれば脳梗塞や脳出血を疑う必要があります。

「呼びかけへの反応が薄い」「会話が成立しない」「意識を失う」といった状態が見られたら、自力で受診せず直ちに救急車を呼んでください。

脳梗塞の前兆を確認するテスト【FASTチェック法】

脳梗塞の前兆を自宅で素早く確認する方法として「FASTチェック」が役立ちます。

脳梗塞のサインを見逃すと治療が遅れ、後遺症が出るリスクが高まります。以下の手順でチェックしてください。

手順 確認する項目 確認方法 異常のサイン
1 Face(顔) 笑顔を作ってもらう 片側の口角が下がる・顔がゆがむ
2 Arm(腕) 両腕を前に上げたまま保つ 片腕が下がる・上げられない
3 Speech(言葉) 簡単な文章を話してもらう ろれつが回らない・言葉が出ない
4 Time(時間) 症状が現れた時刻を確認する 1つでも異常があれば、すぐに救急車を要請

FASTチェック法は、脳梗塞が疑われる症状を短時間で確認する方法です。「顔のゆがみ」「腕の麻痺」「ろれつ障害」のいずれかが当てはまれば、症状が軽くても放置せず速やかに医療機関を受診してください。一時的に症状が治まった場合も、受診を先送りにしてはいけません。

顔のゆがみ(Face)を確認する

FASTチェック法の「Face」は、顔のゆがみや顔面麻痺の有無を確認するための項目です。

確認方法 チェックポイント
笑顔を作る 口角が左右同じように上がるか
「イー」と発声する 頬や口元に左右差がないか
口元を確認する 片方の口角が下がっていないか
顔の感覚を確認する しびれや感覚低下がないか
飲食時の様子を確認する 飲み物や食べ物をこぼしていないか
家族にも確認してもらう 顔の左右差や違和感の有無

文献1

脳梗塞では、顔の筋肉を動かす神経が障害されることで顔の片側が動きにくくなります。

笑顔を作ると「口角が片側だけ下がる」「表情が左右で異なる」「飲食物をこぼしやすくなる」といった変化が現れます。本人が気づきにくいケースも多いため、家族や周囲の人が顔の左右差を確認しましょう。

こうした症状が現れたら、改善した後でも早めに医療機関を受診してください。

腕の麻痺(Arm)を確認する

FASTチェック法の「Arm」は、腕や手の麻痺、筋力低下の有無を確認するための項目です。

確認方法 チェックポイント
両腕を肩の高さまで上げる 左右同じ高さまで上げられるか
10秒程度維持する 片方の腕だけ下がらないか
手を握る・開く 左右で動かしやすさに差がないか
箸やコップを持つ 物を持ちにくくなっていないか
腕や手を触る しびれや感覚低下がないか
家族にも確認してもらう 左右差や動きの異常の有無

文献1

脳梗塞では、運動を司る脳の部位への血流が途絶えることで腕や手に麻痺や筋力低下が生じます。「片側だけ力が入りにくい」「腕を上げ続けられない」「物を落としやすい」といった症状はその代表例です。

しびれや感覚の鈍さを伴う場合もあるため、症状が軽くても左右差や違和感を感じたら早めに医療機関を受診してください。

ろれつ障害(Speech)を確認する

FASTチェック法の「Speech」は、ろれつ障害や言語障害の有無を確認するための項目です。

確認方法 チェックポイント
自分の名前をはっきりいう 普段どおり発音できるか
短い文章を読む ろれつの乱れや言葉のもつれの有無
家族と会話する 会話が成立するか
質問に答える 言葉が出にくくなっていないか
相手の話を聞く 内容を理解できるか
家族にも確認してもらう 話し方の変化や異常の有無

文献1

脳梗塞では、言語機能や発声に関わる神経経路の血流が途絶えることで、ろれつ障害や言語障害が生じます。

「言葉が出にくい」「発音が不明瞭になる」「会話がかみ合わない」といった症状が代表例です。本人が気づきにくいため家族や周囲の人による確認が欠かせません。

症状があれば速やかに受診する(Time)

FASTチェック法の「Time」は、症状が現れた時刻を確認し、速やかに受診につなげるための項目です。

確認方法 チェックポイント
発症時刻を確認する 最後に普段どおりだった時間の把握
FASTチェックを行う 顔・腕・言葉の異常の有無
症状を記録する 現れた症状の内容や経過
症状が軽くても様子見しない 早期対応の重要性
症状が消えても受診する 一過性脳虚血発作(TIA)の可能性
自力で運転しない 症状の悪化への備え
家族へ共有する 発症時刻や症状の伝達

文献1

脳梗塞は、治療開始までの時間がその後の経過を大きく左右します。症状が始まった時刻、もしくは最後に普段どおりだった時刻を把握した上で、FASTチェック法のいずれかに当てはまれば症状の程度にかかわらず速やかに医療機関を受診してください。

脳梗塞の前兆と似た症状を伴う疾患

熱中症や低血糖、片頭痛でも、めまいやしびれ、意識状態の変化などが現れることがあります。脳梗塞との主な違いは以下のとおりです。

疾患・状態 脳梗塞と似る症状 見極めるための手がかり 必要な対応
一過性脳虚血発作(TIA) しびれや脱力、めまい、言葉や視覚の異常 突然の発症や、顔や手足の片側の異常、FASTの異常 症状の消失を問わない119番通報
低血糖 めまいや脱力、視覚異常、混乱、ろれつ障害 糖尿病薬やインスリンの使用。冷や汗や手の震え、動悸、強い空腹感 血糖値の確認。意識障害では飲食させず119番通報
片頭痛の前兆 視野の異常や片側のしびれ、言葉の出にくさ 光や模様が見える症状、5分以上かけた症状の広がり、吐き気や光への過敏 初めての症状。突然の発症、普段と異なる症状では早急な受診
内耳の疾患 回転性のめまいやふらつき、吐き気 頭を動かした際の誘発や耳鳴りや難聴、片側麻痺、言語障害の欠如 神経症状を伴う場合の救急受診
てんかん発作後 意識の混乱や言葉の異常、一時的な片側の麻痺 けいれんや意識消失後の発症、発作後の眠気や反応低下 初回発作や意識が戻らない場合の119番通報
末梢性顔面神経麻痺 顔の片側のゆがみ 額から口元までの顔半分の麻痺や閉眼の困難。手足の麻痺や言葉の異常の欠如 早期受診、手足や言葉にも異常がある場合の119番通報
脳出血・くも膜下出血 麻痺やろれつ障害、意識障害 突然の激しい頭痛や嘔吐、急速な意識低下 直ちに119番通報

症状だけで脳梗塞と他の疾患を見分けることは困難です。とくに脳幹や小脳の脳梗塞は、めまいやふらつきが主な症状となるため、熱中症や内耳疾患と混同されやすいです。

顔のゆがみや片側の麻痺、しびれ、言葉や視覚の異常がひとつでも突然現れたら、暑い場所にいた場合でも熱中症と決めつけず119番に通報してください。

症状が治まっても一過性脳虚血発作の可能性があるため、自己判断で様子を見ることは避けてください。

以下の記事では、脳梗塞の前兆と似た症状について詳しく解説しています。

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脳梗塞の前兆が出る前にできる予防法

予防法 詳細
高血圧や生活習慣病を管理する 血圧・血糖値・コレステロール値の適切な管理による動脈硬化の進行予防
食事や運動など生活習慣を見直す 減塩や栄養バランスを意識した食事。適度な運動習慣による血管機能の維持
禁煙に取り組む 血管への負担軽減。動脈硬化や血栓形成リスクの低減

脳梗塞は、高血圧や糖尿病、脂質異常症などによる動脈硬化が主な原因のひとつです。定期的な受診と治療を継続し、血圧や血糖値を適切に管理することが発症予防の基本となります。

減塩を意識した食事や適度な運動は血管への負担を軽減し、喫煙は動脈硬化や血栓形成のリスクを高めるため禁煙も欠かせません。日頃から生活習慣を整えることが、脳梗塞の予防につながります。

高血圧や生活習慣病を管理する

脳梗塞の予防には、高血圧や糖尿病、脂質異常症の管理が基本です。高血圧は脳梗塞の代表的な危険因子であり、家庭での血圧測定と定期的な受診を習慣にしましょう。

処方された薬は自己判断で中断せず、医師の指示に従って飲み続けることが重要です。糖尿病や脂質異常症の管理は動脈硬化の進行を抑え、脳血管への負担を軽減します。

心房細動などの不整脈は血栓による脳梗塞の原因となるため、指摘された場合は放置せず治療を受けてください。

以下の記事では、高血圧や脂質異常症の改善について詳しく解説しています。

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食事や運動など生活習慣を見直す

食事や運動などの生活習慣を見直すことは、脳梗塞予防の基本です。塩分の摂りすぎは高血圧の原因となるため、減塩を意識した食生活を続けてください。

野菜や魚を積極的に取り入れ、食べすぎを避けて適正体重を維持することで、肥満や糖尿病などの危険因子を抑えられます。

ウォーキングなどの有酸素運動は血圧や脂質の改善に直結し、長時間座りっぱなしの生活も血流を悪化させるため、日常的に体を動かす習慣が重要です。

以下の記事では、食事や運動など生活習慣の改善について詳しく解説しています。

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禁煙に取り組む

喫煙は血管を傷つけて動脈硬化を進行させ、血栓ができやすい状態を招くため、脳梗塞の発症リスクを高めます。本数を減らすだけではリスク低下に不十分で、完全な禁煙が目標です。

自力での禁煙が難しい場合は禁煙外来を活用してください。保険適用で薬物療法を受けられるため、かかりつけ医に相談しましょう。

受動喫煙も血管に悪影響を及ぼすため、家族の協力を得ながら取り組むことが禁煙継続の助けになります。

脳梗塞の前兆を見逃さず早期受診を心がけよう

脳梗塞の前兆は「手足のしびれや麻痺」「ろれつ障害」「視覚異常」など多岐にわたります。症状が一時的に治まっても脳梗塞の前触れの恐れがあるため、異変を感じたら自己判断せず医療機関を受診してください。

脳梗塞でお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、発症後の機能維持や日常生活の質の向上を目指す治療の選択肢として再生医療があります。

再生医療では脂肪由来の幹細胞を用い、神経細胞や血管に関わるさまざまな働きが期待されています。また、リハビリテーションと併用されることもあるため、治療内容や適応について詳しくは当院へお気軽にご相談ください。

ご質問やご相談は、「LINE」や「メール」、「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。

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脳梗塞の前兆に関するよくある質問

脳梗塞の前兆は何日前から現れますか?

前兆が現れる時期は個人差が大きく、一概にはいえません。ある研究では、前兆が出た人の約10%が3カ月以内に脳梗塞を発症し、その約半数が48時間以内に起こったと報告されています。文献2

血流が一時的に回復することで症状が治まることがありますが、放置すると脳梗塞に至る恐れがあります。症状が短時間で消えても、その日のうちに医療機関を受診してください。

以下の記事では、「脳卒中(脳梗塞)の前兆が何日前に現れるか」を詳しく解説しています。

FASTチェック法以外にも脳梗塞を疑う症状はありますか?

FASTチェック法に該当しない症状でも、脳梗塞や脳卒中との関連が疑われる場合があります。

症状 注意したいポイント
【肩や首】肩こり・首の違和感 手足のしびれやろれつ障害を伴う場合の注意
【目の周囲】目の奥が痛い 視野異常や複視、急な視力低下の有無
【側頭部】こめかみの痛み 突然の強い頭痛や神経症状を伴う場合の注意
【視覚異常】閃輝暗点 視野欠損やしびれを伴う場合の注意
【記憶・認知】物忘れや判断力の低下 会話の不成立や理解力低下、急な性格変化の有無

これらの症状だけで脳梗塞と断定することはできません。肩こりや目の奥の違和感は筋肉疲労や眼精疲労、閃輝暗点は片頭痛の前兆としてみられることが多い症状です。

ただし、手足のしびれやろれつ障害、視野異常、判断力低下といった神経症状を伴う場合は、脳梗塞や脳卒中を念頭に置き、症状が突然現れたときや普段と異なる変化があればすぐに医療機関を受診してください。

脳梗塞になりやすい人の特徴はありますか?

脳梗塞は誰にでも起こる可能性がありますが、以下のような危険因子を持つ方は発症リスクが高くなることが知られています。

危険因子 主な理由
高血圧がある 血管への負担増加
糖尿病がある 動脈硬化の進行
脂質異常症がある 血管内のプラーク形成
心房細動などの不整脈がある 血栓形成リスクの増加
喫煙習慣がある 血管障害や血栓形成
肥満や運動不足がある 生活習慣病リスクの上昇
脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)の既往がある 再発リスクの上昇
高齢である 血管の老化や動脈硬化

脳梗塞は複数の危険因子が重なることで発症リスクが高まります。とくに高血圧や心房細動は重要な危険因子であり、喫煙や運動不足といった生活習慣も発症に深く関与します。

思い当たる危険因子がある場合は、定期的な健康診断を受け、医療機関での管理を継続してください。

以下の記事では、脳梗塞になりやすい人の特徴を詳しく解説しています。

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20代でも脳梗塞になりますか?

20代でも脳梗塞を発症することがあり、特定の危険因子を持つ場合は注意が必要です。

危険因子 主な内容
心疾患がある 心房細動などによる血栓形成
血液疾患がある 血液が固まりやすい体質
先天的な血管異常がある 血管構造の異常による血流障害
喫煙習慣がある 血管障害や動脈硬化の促進
肥満や運動不足がある 生活習慣病リスクの増加
高血圧や糖尿病がある 若年でも動脈硬化の進行要因
家族に脳梗塞の既往がある 発症リスク上昇の可能性

脳梗塞は高齢者に多い疾患ですが、20代を含む若年者でも発症します。心疾患や血液疾患、先天的な血管異常がある場合はリスクが高く、喫煙や肥満、運動不足といった生活習慣も発症に関与します。

年齢だけで脳梗塞を否定することはできないため、FASTチェック法に該当する症状が現れたら、若い世代でも迷わず医療機関を受診してください。

以下の記事では、若年者でも発症する脳梗塞の症状について詳しく解説しています。

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脳梗塞は合併症になるリスクはありますか?

脳梗塞では、発症後に下記のような合併症が生じる可能性があります。

合併症 主な特徴
肺炎 飲み込み機能低下による誤嚥性肺炎
深部静脈血栓症 長期間の安静による血栓形成
誤嚥 食べ物や飲み物の気道への流入
うつ状態 心理的負担や脳機能変化による気分の落ち込み
認知機能の低下 記憶力や判断力の低下
再発 新たな脳梗塞の発症

脳梗塞では、麻痺やしびれだけでなく、誤嚥性肺炎や深部静脈血栓症、認知機能の低下といった合併症が生じます。飲み込み機能が低下すると誤嚥性肺炎のリスクが高まり、長期間の安静は血栓形成につながります。

脳へのダメージや発症後の心理的負担からうつ状態や認知機能の変化が現れることもあるため、早期治療とリハビリテーションの継続、生活習慣の管理が合併症予防において欠かせません。

以下の記事では、脳梗塞の合併症について詳しく解説しています。

女性特有の脳梗塞のリスクやサインはありますか?

女性は男性と共通する症状に加え、典型的な症状とは異なるサインが現れることがあります。女性特有の脳梗塞リスクとサインを以下にまとめました。

女性特有のリスクとサイン 主な内容
強い倦怠感・脱力感 突然の全身疲労感
吐き気・息切れ・胸の不快感 非典型的な初期症状
更年期 ホルモン変化によるリスク上昇
妊娠・産後 血栓リスクの上昇
経口避妊薬の使用 血栓形成リスクへの影響
前兆(閃輝暗点など)を伴う片頭痛 脳卒中リスクとの関連
心房細動 血栓による脳梗塞リスク

女性の脳梗塞では、顔のゆがみや片麻痺より先に、強い倦怠感や吐き気、息切れといった非典型的な症状が現れることがあります。

更年期障害や体調不良と判断されて受診が遅れるケースも少なくないため、閉経前後のホルモン変化や妊娠・出産、経口避妊薬の使用といった女性特有の危険因子を把握しておきましょう。

普段と異なる強い不調にしびれやろれつ障害が加わった場合は、すぐに医療機関を受診してください。

 

参考文献

(文献1)

脳血管疾患(脳卒中)の兆候(FAST)について|酒田市

(文献2)

Short-term prognosis after emergency department diagnosis of TIA|NIH National Library of Medicine National Center for Biotechnology Information