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頭痛と吐き気が同時に起こる原因は?救急車を呼ぶべき危険なサインと受診すべき診療科

頭痛と吐き気の原因
公開日: 2023.04.10 更新日: 2026.09.29

「頭痛だけでなく、吐き気も出るようになってつらい」

「薬を飲んでいるけれど、最近効きが悪い気がする」

突然の激しい頭痛、手足のしびれ、ろれつが回らないといった症状がある場合は、記事を読み進めるより先に、すぐ119番に連絡してください。

頭痛と吐き気が同時に起こる場合、多くは片頭痛などの「一次性頭痛」です。一方で、一部には脳卒中や髄膜炎など、命に関わる病気が隠れていることがあります。

吐き気を伴う頭痛で、仕事や家事が思うように進まずお悩みの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、危険なサインの見分け方、症状から考えられる原因の目安、受診する診療科、自宅でできる対処法について解説します。

吐き気を伴う頭痛にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

頭痛と吐き気で救急車・受診が必要なサイン

頭痛と吐き気が同時に起きたときは、症状に応じて行動を3段階で考えることが大切です。

主な目安は以下のとおりです。

  • すぐに救急車(119番)を呼ぶべき症状
  • 当日〜数日以内に受診したい症状
  • 様子を見てよいケースと、その間にすること

いずれも、病気が原因で起こる頭痛を見逃さないための目安です。それぞれ詳しく解説します。

すぐに救急車(119番)を呼ぶべき症状

次のような症状がある場合は、迷わず救急車(119番)を呼んでください。

  • 突然始まった、今までで最悪の激しい頭痛(バットで殴られたような痛み)
  • 手足や顔の麻痺・しびれ
  • ろれつが回らない、言葉が出てこない
  • 意識がぼんやりする、けいれんが起きる
  • 物が二重に見える

これらは、脳卒中など命に関わる病気を疑うサインです。(文献1)

脳卒中などの可能性があるため、一刻も早い対応が必要です。ご自身で車を運転して病院へ向かうのは避けましょう。

発熱があって首の後ろが硬い場合や、目の強い痛み・充血・見えにくさを伴う場合も、治療を急ぐ病気の可能性があります。夜間や休日であっても、すぐに医療機関(救急外来)を受診してください。

当日〜数日以内に受診したい症状

救急車を呼ぶほどではなくても、以下の症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。

  • 日ごとに痛みが強くなっている
  • 朝起きたときに頭痛と吐き気が強い
  • 50歳を過ぎてから初めて起きた頭痛
  • いつもの頭痛と痛み方やパターンが変わった
  • がんの治療歴や、免疫の働きが弱まる病気がある
  • 妊娠中または産後に起きた頭痛
  • 頭をぶつけた後に起きた頭痛
  • 市販薬が効かない、鎮痛薬を飲む日が増えている

これらは、病気が原因で起こる頭痛を疑うサインとされています。当てはまる場合は、自己判断で様子を見ずに受診してください。

様子を見てよいケースと、その間にすること

様子を見てよいのは、すでに片頭痛と診断されていて、いつもと同じ痛み方・強さの場合です。上で紹介した危険なサインがないことも条件です。

様子を見る間は、以下を心がけましょう。

  • 暗く静かな場所で横になって休む
  • 痛みが強くなる前に、早めに薬を飲む
  • 症状や薬を飲んだ日を記録する

様子を見ている途中で危険なサインが現れた場合は、すぐに受診してください。発作を繰り返す場合は、頭痛外来で発作を減らす予防治療について相談できます。

頭痛と吐き気が同時に起こる原因は大きく2つ

頭痛は、国際的な分類(国際頭痛分類第3版)にもとづき、「一次性頭痛」と「二次性頭痛」の2つに大きく分けられます。(文献1)

一次性頭痛は、頭痛そのものが病気であるタイプです。二次性頭痛は、脳などの別の病気が原因で起こるタイプを指します。

頭痛に吐き気が伴う理由は、原因によって異なります。片頭痛では、脳の神経や自律神経(体の働きを自動で調整する神経)の反応で吐き気が起こると考えられています。

脳の病気では頭の中の圧力が高まること、髄膜炎では炎症が吐き気の原因になります。ここでは、それぞれの特徴を解説します。

【一次性頭痛】頭痛そのものが病気のタイプ

一次性頭痛とは、MRIやCTで脳を調べても、はっきりした異常が見つからない頭痛です。いわゆる「頭痛持ち」の多くがこのタイプで、片頭痛や緊張型頭痛が代表的です。

とくに片頭痛では、日常のさまざまなことが発作のきっかけ(誘因)になります。主な誘因は以下のとおりです。(文献2)

  • ストレスや精神的な緊張
  • 疲れ
  • 睡眠不足や寝すぎ
  • 月経周期
  • 天候の変化
  • 温度差
  • アルコール

命に関わる頭痛ではありませんが、放置すると生活の質を下げる原因になります。自分の誘因を知ることが、頭痛の予防に役立ちます。

【二次性頭痛】脳などの病気が原因のタイプ

二次性頭痛は、別の病気が原因で起こる頭痛です。原因は脳卒中や髄膜炎、脳腫瘍などの脳の病気が中心です。

ただし、原因は脳だけではありません。目の病気(急性緑内障)や、全身の感染症が原因になる場合もあります。

突然の激しい痛み、日ごとに強まる痛み、頭痛以外の症状がある場合は、二次性頭痛を疑います。具体的なサインは「頭痛と吐き気で救急車・受診が必要なサイン」で確認してください。

吐き気の出方と一緒に出る症状で見分ける原因の目安

頭痛の原因を考えるうえで、吐き気の強さと一緒に出る症状は大切な手がかりです。

たとえば緊張型頭痛は、頭痛が起きる日が月14日以下のタイプであれば、吐き気や嘔吐を伴いません。頻繁に続く慢性のタイプでも、軽い吐き気がある程度です。(文献3)

そのため、締め付けられるような頭痛なのに吐き気が強い場合は、片頭痛が重なっている可能性や、別の原因を考える必要があります。

症状の組み合わせから考えられる原因と、行動の目安は以下のとおりです。(文献4)(文献5)

症状の組み合わせ 考えられる原因 行動の目安
ズキズキと脈打つ頭痛が、発作のようにくり返す+吐き気+光や音がつらい 片頭痛 ・危険なサインがなければ様子を見る
・繰り返すなら頭痛外来へ
締め付けられるような頭痛で、吐き気はない 緊張型頭痛 ・様子を見る
・長引くなら受診
朝や横になったときに強く、日ごとに悪化して嘔吐を伴う 脳腫瘍など、頭の中の圧力が上がる病気 早めに受診(当日〜数日以内)
発熱+首の後ろが硬い 髄膜炎 ・すぐに受診(夜間・休日は救急外来へ)
・意識がぼんやりする、けいれんがあればすぐに救急車(119番)
目の強い痛み・充血・見えにくさ 急性緑内障 すぐに眼科を受診(夜間・休日は救急外来へ)
突然の今までで最悪の激痛、麻痺やろれつが回らない くも膜下出血・脳出血などの脳卒中 すぐに救急車(119番)

この表は、ご自身で病気を判断するためのものではありません。受診時に医師へ症状を伝える際のポイントとして活用してください。

命に関わらない頭痛「一次性頭痛」の種類と吐き気の出やすさ

一次性頭痛のなかで、代表的なものは片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛の3つです。

日本での有病率(その病気を持つ人の割合)は、片頭痛が8.4%、緊張型頭痛が22.3%(疑い例を含む)とされています。(文献1)

群発頭痛はまれな頭痛で、人口10万人あたり56〜401人程度とされています。(文献6)

主な一次性頭痛は以下のとおりです。

  • 片頭痛
  • 緊張型頭痛
  • 群発頭痛

それぞれ詳しく解説します。

片頭痛|吐き気・嘔吐を伴いやすい代表的な頭痛

片頭痛は、吐き気や嘔吐を伴いやすい代表的な頭痛です。主な特徴は以下のとおりです。(文献4)

  • 頭の片側、または両側がズキズキと脈打つように痛む
  • 発作は4〜72時間続く
  • 歩く、階段を上るなどの日常の動作で痛みが強まる
  • 吐き気や嘔吐がある、または光と音の両方がつらく感じる

頭痛の前に、視界にギザギザした光が現れ、見えにくい部分が徐々に広がる「閃輝暗点(せんきあんてん)」という前兆が現れる方もいます。

日本の片頭痛の方の74%が、日常生活に支障があると答えた調査もあります。(文献1)つらい発作を繰り返す場合は、我慢せず医療機関に相談しましょう。

緊張型頭痛|基本的に吐き気は伴わない

緊張型頭痛は、頭を締め付けられるような痛みが特徴で、基本的に吐き気は伴いません。主な特徴は以下のとおりです。

  • 頭の両側が痛む
  • 締め付けられる、圧迫されるような痛みが続く
  • 歩く、階段を上るなどの動作で痛みが強まらない

頭痛が起きる日が月14日以下のタイプでは、吐き気や嘔吐はありません。月15日以上続く慢性のタイプでも、軽い吐き気がある程度です。(文献3)

締め付けられるような頭痛で吐き気が強い場合は、片頭痛が重なっているか、別の原因が隠れている可能性があります。

群発頭痛|目の奥の激痛に涙や鼻水を伴う

群発(ぐんぱつ)頭痛は、片側の目の奥がえぐられるように激しく痛む頭痛です。痛みと同じ側に、以下の症状が現れます。

  • 目の充血
  • 涙
  • 鼻水や鼻づまり
  • まぶたが下がる

1〜2カ月ほどの「群発期」に発作が集中し、夜間などほぼ同じ時間帯に起こるのが特徴です。吐き気を伴うこともありますが、目立つのは目や鼻の症状です。

群発期には、飲酒が発作の引き金になることがあるため注意しましょう。

吐き気を伴う命に関わる頭痛「二次性頭痛」

二次性頭痛は、放置すると命に関わるおそれがあります。「突然始まる」「だんだん悪化する」「頭痛以外の症状がある」の3つが共通のサインです。

主な二次性頭痛は以下のとおりです。

  • 脳卒中(くも膜下出血・脳出血・脳梗塞)
  • 髄膜炎
  • 脳腫瘍
  • 急性緑内障

それぞれ詳しく解説します。

脳卒中(くも膜下出血・脳出血・脳梗塞)

脳卒中は、脳の血管が破れたり詰まったりして起こる病気の総称です。主な種類と頭痛の特徴は以下のとおりです。

種類 頭痛と主な症状の特徴
くも膜下出血 突然、今までに経験したことのない激しい頭痛が起こる
脳出血 頭痛に加えて、手足の麻痺や意識がもうろうとする症状を伴うことが多い
脳梗塞 頭痛は目立たず、手足の麻痺や言葉の障害が中心になることもある

頭痛は、脳梗塞よりも血管が破れるタイプ(くも膜下出血・脳出血)で起こりやすく、痛みも強い傾向があります。脳梗塞で頭痛がみられるのは、最大で3人に1人程度です。(文献7)

脳卒中の前兆や治療について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

【関連記事】
【医師監修】脳卒中の前兆となる6つのサインを紹介|チェックリストや対処法あり
脳卒中の再生医療(脳梗塞・脳出血)・幹細胞治療

くも膜下出血は「いつもの片頭痛」と間違われやすい

くも膜下出血は、最初の受診で4人に1人から2人に1人が見逃されているとされています。最も多い間違いが片頭痛です。(文献7)

くも膜下出血で亡くなる方は40〜50%にのぼり、診断が遅れると重い結果につながることがあります。

頭痛持ちの方ほど「いつものこと」と考えがちです。突然始まった、今までで最悪の痛みであれば、迷わず救急車を呼んでください。

髄膜炎|発熱と首の硬さを伴う

髄膜炎は、脳や脊髄を包む膜(髄膜)に炎症が起きる病気です。頭痛・吐き気・発熱に加えて、首の後ろが硬くなるのが特徴です。

首を前に曲げにくい、曲げると痛いといった症状がみられます。初めは風邪と区別しにくいため注意が必要です。

髄膜炎は子どもにも起こります。発熱と頭痛、首の硬さがあれば、夜間・休日であってもすぐに受診してください。意識がぼんやりする、けいれんがある場合は救急車を呼びましょう。

脳腫瘍|朝に強い頭痛と嘔吐がだんだん悪化する

脳腫瘍による頭痛は、日を追うごとに少しずつ悪化していくのが特徴です。主な特徴は以下のとおりです。

  • 朝や横になったときに痛みが強まる
  • せきやくしゃみ、排便などでいきんだときに痛みが強まる
  • 吐き気や嘔吐を伴う

頭痛だけが症状の方は2〜16%で、多くはけいれんや手足の麻痺など、ほかの症状を伴います。(文献5)

がんの治療歴がある方は、とくに注意が必要です。頭痛が続き、だんだん悪化する場合は早めに受診しましょう。

急性緑内障|目の痛み・充血・かすみを伴う

頭痛と吐き気が同時に起こる原因は、脳の病気だけではありません。目の病気である急性緑内障も原因の一つです。

急性緑内障は、目の中の圧力(眼圧)が急に高くなる病気です。主な症状は以下のとおりです。

  • 目の強い痛み
  • 目の周りやおでこの頭痛
  • 目の充血
  • 見えにくさやかすみ
  • 吐き気や嘔吐

放置すると失明するおそれがあり、眼科での緊急の治療が必要です。目の症状を伴う頭痛は、すぐに眼科を受診してください。夜間・休日は救急外来を利用しましょう。

頭痛と吐き気で受診するなら何科?検査の流れ

頭痛と吐き気で受診する場合は、脳神経外科・脳神経内科・頭痛外来が基本です。症状によっては、ほかの診療科が適していることもあります。

症状別の主な受診先は以下のとおりです。

症状 受診先
頭痛と吐き気が中心 脳神経外科・脳神経内科・頭痛外来
目の強い痛み・充血・見えにくさがある 眼科(夜間・休日は救急外来)
発熱が目立つ 内科(首の硬さがあれば、夜間・休日でも救急外来)
夜間・休日で危険なサインがある 救急外来(迷わず救急車を呼ぶ)

近くに専門の診療科がない場合は、内科でも相談できます。必要に応じて、適切な診療科を紹介してもらえます。

病院で行う主な検査

医療機関では、まず問診と診察で、頭痛のタイプや危険なサインの有無を確認します。そのうえで、必要に応じて以下の検査を行います。

検査 目的
CT・MRI 脳の出血や梗塞、腫瘍などがないかを調べる
血液検査 発熱がある場合などに、炎症や感染の有無を調べる

一次性頭痛の場合、検査で異常が見つからないことがほとんどです。異常がないと確かめられることも、安心して治療を進めるために大切です。脳の病気が心配な方は、脳ドックを受ける方法もあります。

受診時に医師へ伝えること

診察をスムーズに進めるために、以下の内容をメモして受診することをおすすめします。

  • 痛みが始まった日時と、始まり方(突然か、徐々にか)
  • 痛みの強さと痛む場所
  • 吐き気や嘔吐の有無
  • 頭痛以外の症状(発熱、しびれ、目の症状など)
  • 鎮痛薬を飲んだ日数と薬の名前

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吐き気を伴う頭痛が起きたときの対処法

ここで紹介する対処法は、危険なサインがないことが前提です。突然の激しい痛みや、手足のしびれなどがある場合は、すぐに救急車を呼んでください。

主な対処法は以下のとおりです。

  • 暗く静かな場所で横になって休む
  • 市販の鎮痛薬は早めに飲み、服用日数に注意する
  • 吐いて薬が飲めない・薬が効かないときは受診する
  • 頭痛ダイアリーで誘因とパターンをつかむ

それぞれ詳しく解説します。

以下の記事では、頭痛の原因や治し方について詳しく解説しています。

暗く静かな場所で横になって休む

片頭痛の発作が起きたら、暗く静かな場所で横になって休むのが基本です。片頭痛は光・音・においで悪化し、体を動かすと痛みが強まるためです。

片頭痛のときは、長風呂やマッサージ、飲酒は避けましょう。血流が良くなると、かえって痛みが強まることがあります。

一方、吐き気のない、締め付けられるような緊張型頭痛では、体を温めて首や肩をほぐすと楽になることがあります。頭痛のタイプによって対処が逆になる点に注意が必要です。

市販の鎮痛薬は早めに飲み、服用日数に注意する

市販の鎮痛薬を使う場合は、痛みが強くなる前の早い段階で飲むことが大切です。痛みがピークに達してからでは、薬が効きにくくなります。

ただし、鎮痛薬を飲みすぎると、かえって頭痛が増えることがあります。これを「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」といいます。注意が必要な服用日数の目安は以下のとおりです。

薬の種類 注意が必要な服用日数の目安
1つの成分だけの鎮痛薬 月15日以上
カフェインなどを組み合わせた鎮痛薬 月10日以上
片頭痛専用の治療薬(トリプタン系薬剤) 月10日以上

もともと頭痛がある方で、頭痛のある日が月15日以上あり、上記の服用が3カ月を超えて続く場合は、薬の使いすぎが疑われます。(文献1)用法・用量を守り、服用日数が増えている場合は医療機関に相談しましょう。

鎮痛薬について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

【関連記事】
【医師監修】アセトアミノフェンの効果とは?作用の仕組みや服用方法を解説
【医師監修】イブプロフェンとは何の薬?成分の特徴やアセトアミノフェンとの違いを解説

吐いて薬が飲めない・薬が効かないときは受診する

吐き気が強くて薬が飲めない場合や、市販薬が効かない場合は、我慢せず医療機関を受診しましょう。医療機関では、以下のような治療の選択肢があります。

治療 治療上の特徴
吐き気止め 鎮痛薬と組み合わせて、吐き気を抑える
片頭痛専用の治療薬(トリプタン系薬剤) 片頭痛の発作そのものを抑える目的で使う
予防薬 発作の回数を減らす目的で、継続して使う

発作が増えている方や、市販薬で対処しきれない方は、ご自身に合う治療を医師と相談しましょう。

頭痛ダイアリーで誘因とパターンをつかむ

頭痛ダイアリーとは、頭痛が起きた日時や状況を記録する日記です。頭痛の診断や治療に役立つため、活用が勧められています。(文献1)

記録しておきたい項目は以下のとおりです。

  • 頭痛と吐き気が起きた日時
  • 症状の強さ
  • 症状の持続時間
  • 頭痛のきっかけ
  • 睡眠状態
  • ストレスの有無
  • 生理周期
  • 食事内容
  • 天気・気温
  • 薬を飲んだ日と薬の名前

記録を続けると、自分の誘因や頭痛が起こりやすいタイミングが見えてきます。薬を飲むタイミングがつかみやすくなり、薬の使いすぎの予防にもつながります。

受診時に医師へ見せると、診断の参考になります。少しずつ記録する習慣をつけましょう。

頭痛と吐き気が「いつもと違う」と感じたら迷わず受診を

頭痛と吐き気が同時に起こる場合、多くは片頭痛などの一次性頭痛です。しかし、突然始まる、だんだん悪化する、頭痛以外の症状がある場合は、命に関わる病気が隠れている可能性があります。

突然の激痛や麻痺、ろれつが回らない場合は、すぐに救急車を呼びましょう。発熱と首の硬さ、日ごとに強まる痛みがある場合は、早めに受診してください。いつもと同じ片頭痛で危険なサインがなければ、安静にして様子を見ます。

「いつもと違う」と感じたら、自己判断で我慢せず医療機関に相談することが大切です。

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吐き気を伴う頭痛に関するよくある質問

熱がないのに頭痛と吐き気がするのはなぜですか?

熱がない場合に多い原因は片頭痛です。睡眠不足やストレス、疲れがきっかけで起こることもあります。

ただし、脳出血やくも膜下出血は、熱がなくても起こります。突然の激しい痛みや、手足の麻痺・しびれがある場合は、すぐに救急車を呼んでください。

女性に吐き気を伴う頭痛が多いのはなぜですか?

吐き気を伴いやすい片頭痛は女性に多く、月経周期と関係することがあるためです。

片頭痛のある女性の一部では、大部分の月経周期に合わせて発作が起こります。月経期間中の発作は長引きやすく、吐き気も強い傾向があるとされています。(文献4)

なお、妊娠中や産後の頭痛は、病気が原因の頭痛にも注意が必要な時期です。自己判断で市販薬を飲まず、医師に相談してください。

片頭痛を防ぐために避けたほうがよい食べ物はありますか?

多くの方に共通する誘因はアルコールです。それ以外の食べ物は個人差が大きく、一律に控える必要はありません。(文献2)

赤ワインやチョコレート、チーズなどは、片頭痛の誘因として昔から信じられてきた食品です。ただし、すべての方に当てはまるわけではありません。

自分にとっての誘因は、頭痛ダイアリーで食事と頭痛の関係を記録して確かめましょう。無理な食事制限は避け、バランスのよい食事を心がけることが大切です。

デスクワークが続くと頭痛や吐き気が起きやすいですか?

長時間のデスクワークは、首や肩の筋肉がこわばり、緊張型頭痛の要因になることがあります。ただし、緊張型頭痛は基本的に吐き気を伴いません。(文献3)

デスクワーク中に吐き気を伴う頭痛が起きる場合は、疲れや睡眠不足をきっかけに片頭痛が起きている可能性があります。

予防には、こまめに休憩を取り、首や肩を軽く動かして同じ姿勢を続けないことが大切です。画面を見続けて目が疲れたときも、意識して目を休めましょう。

性行為の後に頭痛がするのは危険ですか?

性行為に伴う頭痛には、命に関わらないタイプと、病気が原因のタイプの両方があります。

初めて起きた場合や突然の激痛の場合は、くも膜下出血や可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)の可能性があります。RCVSは、脳の血管が一時的に縮む病気です。

RCVSでは、性行為や力仕事、入浴などをきっかけに、雷に打たれたような激しい頭痛(雷鳴頭痛)を繰り返すことがあります。(文献7)

初めての場合や突然の激痛がある場合は、必ず医療機関を受診してください。

参考文献

(文献1)

頭痛の診療ガイドライン2021|日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会

(文献2)

片頭痛の誘発因子としてどんなものがあるか|一般社団法人 日本頭痛学会

(文献3)

国際頭痛分類第3版 緊張型頭痛|一般社団法人 日本頭痛学会

(文献4)

国際頭痛分類第3版 片頭痛|一般社団法人 日本頭痛学会

(文献5)

国際頭痛分類第3版 非血管性頭蓋内疾患による頭痛|一般社団法人 日本頭痛学会

(文献6)

どの程度の患者が存在するか。危険因子、増悪因子にはどのようなものが存在し、患者の予後はどうか(群発頭痛)|一般社団法人 日本頭痛学会

(文献7)

国際頭痛分類第3版 頭頸部血管障害による頭痛|一般社団法人 日本頭痛学会