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脳幹出血の前兆|見逃してはいけないサインと症状!

脳幹出血の前兆|見逃してはいけないサインと症状

脳出血は、突然に私たちの日常生活を脅かす深刻な疾患です。

その中でも特に重篤とされる脳幹出血は、生命の維持に重要な脳幹部分が関与するため、突然死のリスクも高いといわれています。

ただし、早期に発見し、治療できれば、元の生活に戻ることが可能な場合も存在します。助かるためには、前兆となるサイン!症状を知っておく必要があります。そこで、今回は脳幹出血について、前兆である身体のサインを見逃さないポイントと、その治療について詳しく解説します。脳幹出血についてその前兆、サインについて理解を深めましょう。

脳幹出血の前兆

脳出血の原因と脳幹の役割

脳出血は、脳内の血管がなんらかの原因で破れることによって起こります。

最も多い原因は高血圧です。高血圧を患っている人は、とても多く、一般的な病気であると思われがちですがきちんとコントロールできていないと脳出血を起こして、命にかかわる可能性があるのです。

脳出血は脳のすべての部位で起こる可能性がありますが、それが脳幹で起こった場合を脳幹出血といいます

脳幹は私たちの生命活動をつかさどる中枢で、呼吸や心拍の制御、視覚や聴覚といった感覚系、ホルモンの分泌などを担当しています。この部位で出血が起こると、これらの生命活動に大きな影響が及びます。脳幹出血は、全ての脳出血の10%程度を占めており、非常に予後が悪いといわれています。

脳幹出血は、出血量が多ければ四肢麻痺や意識障害などで発症し、突然死を起こすこともありますが、出血量が軽度であれば、歩いて帰ることができるほど予後が良好な場合もあります。ただし、出血量を軽度に抑えるためには、早期発見・早期治療が必要です。

ここからは、脳幹出血の前兆やサインについて詳しく見ていきましょう。

脳幹出血の前兆であるサインを見逃さないで!

脳幹出血の前兆の可能性がある症状として注意が必要なのが、「いびき」と「めまい」、そして「視覚障害」です。

突然の「いびき」と「めまい」に注意!

脳幹は呼吸や血圧を調整する中枢であり、その機能に影響があるといびきが大きくなることがあります。また、脳幹は体のバランスを取る役割もあるため、めまいが生じることもあります。

いびきやめまいはほかの原因でも起こるため、必ずしも脳幹出血のサインというわけではありません。

ただし、普段いびきをかかない人が突然大きないびきをかくようになった場合や、いびきの音が異常に大きくなった場合、めまいが頻繁に起こる場合は注意が必要です。これらは体からの警告サインかもしれません。このような症状がある場合は、早期に医療機関に相談し検査をすることをお勧めします。

「視覚障害」目の異常を見逃さない!

脳幹は視覚情報を処理する経路にも関与しています。そのため、脳幹出血が生じると、以下のような視覚に関連する症状を起こすこともあります

  • ・視野が狭くなる
  • ・ものが二重に見える
  • ・光がいつもよりまぶしく見える
  • ・視力の低下

視野が狭くなる、ものが二重に見える、光がいつもよりまぶしく見える、視力が低下するなどの症状が突然起こった際は、注意が必要です。

これらの視覚に関する症状は、特に読書や運転、日常生活の中の細かい作業などで顕著に感じられることがあります。

視覚の症状は、「目」自体に異常があると考える人が多いため、症状を自覚していても脳の病態の発見が遅れがちです。脳出血でも目の症状が起こりうることを覚えておきましょう。

脳幹出血の治療法:なぜ手術をしない?

脳幹出血の治療は、まず血圧を下げて安定させることが重要です。これは、更なる出血を防ぎ、脳組織へのダメージを最小限に抑えるためです。入院で絶対安静とし、点滴で高圧薬を持続的に投与します。

他の部位の脳出血では、血腫除去といって、出血で生じた血腫を外科的に取り除く手術を行うことがありますが、脳幹出血では基本的には行いません。これは脳幹が脳の深部、狭い範囲に呼吸中枢など生命維持を担う部分が存在していることが原因です。手術の刺激によって正常な部位を傷つける可能性があり、手術のリスクが非常に高くなります。

そのため、基本的には血圧コントロールや脳の浮腫み予防の点滴など保存療法が選択されます。

 

脳卒中は手術しなくても治療できる時代です。

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脳幹出血についてよくあるQ&A

Q1 脳幹出血を起こしやすい人はいますか?

A. 脳幹出血は高血圧が一番のリスクとなりますが、血管の疾患や脳血管奇形などを持つ人にも起こる可能性があります。

また、以下のような生活習慣も脳出血のリスクを高める要因となります。

  • ・喫煙
  • ・過度なアルコール
  • ・運動不足
  • ・ストレス
  • ・肥満
  • ・高脂血症

これらの不適切な生活習慣を改めることが、脳出血の予防となります。

Q2 脳幹出血のリハビリテーションにはどんなものがありますか?

A. 脳幹出血のリハビリは、どのような症状が出ているかによって患者さんごとにプランが立てられます。大きくは、理学療法、作業療法、言語療法の3つに分けられます。

理学療法

理学療法では、筋力の強化やバランス能力の改善を目指し、歩行練習を行います。

作業療法

作業療法では、食事、着替え、入浴などの日常生活動作の獲得を目指して、細かな動きの訓練を行います。

言語療法

言語療法では、言語障害や嚥下障害の改善を目指します。

また精神的なサポートや心理療法も重要な要素となります。個々の患者さんの病態にあわせて、いろいろな角度からリハビリを行っていきます。

まとめ・脳幹出血の前兆|見逃してはいけないサインと症状

脳幹出血は怖い病気ですが、どんな予兆があるのかという知識を持つことで助かる可能性は高くなります。

いびきやめまい、視覚障害など初期の兆候がある場合は、それを見逃さないことが重要です。自分や身近な人の体をよく観察し、異常を感じたら早期に適切な医療機関を受診するよう心掛けましょう。

この記事がご参考になれば幸いです。

 

No.139

監修:医師 坂本貞範

 

▼こちらも参考に
脳幹出血の回復の見込みとは?回復プロセスについて解説

脳卒中の治療

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