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鎖骨の骨折は外見から判断可能?その症状と治療法、後遺症について

鎖骨に痛み、骨折?その外見とは?症状と治療法、後遺症について医師が解説

「事故のあと鎖骨が盛り上がっている気がする」

「転んだあと鎖骨が痛む」

このような場合、もしかすると鎖骨骨折かもしれません。

骨折を放置すると、症状が悪化するばかりか、骨折がずれたままくっついてしまう可能性もあります。

今回は鎖骨骨折について、骨折時の外見や症状、治療法、後遺症について詳しく解説します。

鎖骨骨折の症状

鎖骨骨折の症状は?外見でわかる場合も

鎖骨骨折は全ての骨折のうち約10%を占める比較的頻度の多い骨折です。

交通事故やスポーツなどで腕を後ろにそらしたり、肩を下にしたりして転ぶと、地面についた衝撃が鎖骨に伝わって骨折してしまいます。

また、鎖骨に直接強い衝撃が加わって骨折する場合もあります。体の表面にあり確認しやすい骨なので、外見にもわかりやすい症状がみられる骨折です。

どのような症状があるのか、具体的に紹介します。

皮膚が盛り上がったような外見

鎖骨はS字にカーブした長細い骨で、筋肉など厚みのある組織に覆われていないため、骨折時に外見でわかることも少なくありません。

鎖骨の中央1/3の部分で骨折することが多く、鎖骨の外側は腕の重さなどで下にずれやすく、内側は首の筋肉の力で上にずれやすいという特徴があります。

そのため、骨折により骨がずれてしまうと、鎖骨の内側の部分が飛び出し、皮膚が上に盛り上がったような外見になるのが特徴です。

また鎖骨が浮き上がらないように支えている烏口鎖骨靭帯(うこうさこつじんたい)が損傷した場合も鎖骨をおさえる機能が低下して、鎖骨が浮き上がりやすくなります。

骨がずれて重なってしまうことで、折れた方の肩幅が狭くなったように見える場合もあります。

鎖骨や肩の痛み

鎖骨は胸の中央にある骨(胸骨)や肩甲骨と合わせて関節を作っています。

肩甲骨は腕を上げたりおろしたりといった運動に関わり、肩甲骨と鎖骨でできる関節(肩鎖関節:けんさかんせつ)も、腕の運動に重要な役割を持っています。

そのため、鎖骨の骨折をすると肩を動かす場合に鎖骨に負担がかかり、痛みが生じることがあります。

肩の動きが制限される

前述のように鎖骨は肩の動きと関係するため、鎖骨を骨折すると腕を上げにくかったり、広げにくかったりといった制限がみられます。

腫れやアザができる

骨折による炎症症状で患部が腫れたり熱をもったりします。また、骨折による出血のため、アザがみられることがあります。

血流の障害や痺れ

さらに、鎖骨は首の近くにある血管や神経を守る役割も担っています。

事故などで鎖骨に強い衝撃が加わったときに、周辺にある血管や神経も一緒に損傷される場合があります。その場合、血の流れが悪くなる血行障害や神経損傷による手の痺れや痛みといった症状がみられます。

スポーツ医療の治療

鎖骨骨折の治療法

治療は手術をしない保存療法が基本ですが、骨が大きくずれてしまっている場合は手術を選択することがあります。

それぞれの治療方法について解説します。

手術しない保存療法

第一に選択されるのが、三角巾や鎖骨バンド(クラビクルバンド)と呼ばれる装具をつけて、骨折部が動かないように固定する治療です。

胸を張り、両肩を強く後ろに引いた状態で固定することで、鎖骨の変形を矯正して、骨を正しい位置でくっつけることになります。

入浴時以外はバンドをつけて生活して、入浴の際は骨折している方の手で体を支えない、90°以上の高さに腕を上げないという注意点があります。

固定の期間は4〜6週間が目安ですが、年齢が若いほど骨がくっつくのが早いため、固定期間が短くなりやすいです。

固定により腕を上げる制限がみられた場合は、リハビリで改善を図る場合があります。

骨のずれがひどい場合は手術

骨のずれが大きい場合や骨が砕けてしまうような骨折の場合は、手術が選択されます。

また仕事の都合できるだけ早く社会復帰を希望して、手術を選ぶ場合も少なくありません。手術療法だと、手術した後すぐにリハビリで腕を動かすことができるので、動作が改善しやすいというメットがあります。

手術は針金のようなワイヤーを鎖骨に通したり、プレートで支えたりして体の内側から鎖骨を固定します。

入院期間は手術の方法により異なり、必要に応じてリハビリを行います。

鎖骨骨折の後遺症

骨折した部分のずれがひどいと、元の位置に戻そうとしても十分な位置に戻らず、ずれたまま変形して骨がくっつく場合があります(変形治癒)。

また、鎖骨の外側は平らな形をしており、折れた場合にくっつきにくいという特徴があります。

くっつかずにそのままにしておくと、そこが別々の骨に分離した状態になり、まるで関節ができたようになります(偽関節:ぎかんせつ)。

いずれにしても、このような後遺症があると、痛みが出たり、肩の動きが制限されたりします。そのため、後遺症ができるだけ残らないように、状態に応じた適切な治療の選択が重要になるのです。

まとめ・鎖骨骨折はすぐ受診!適切な治療で後遺症を防ぐ

鎖骨骨折は、外見の特徴もあり痛みも強くなりやすいため、症状がわかりやすい骨折です。

そのため、紹介したような症状がみられた場合は、できるだけ早めに整形外科を受診しましょう。治療をせず放置すると、変形治癒や偽関節になったりといった後遺症が生じる危険性があります。

早めの受診で、適切な診断や正しい治療を受けて、後遺症を防ぐようにしましょう。

この記事がご参考になれば幸いです。

 

No.099

監修:医師 坂本貞範

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