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脳出血の入院期間はどのくらい?治療方法や費用についても医師が徹底解説!
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「脳出血ってどれくらい入院するの?」「入院の費用はどれくらいかかるの?」
そんな疑問をお持ちではないでしょうか?
脳出血の入院期間は重症度や年齢によって大きく変わりますが、平均日数や費用の目安を知ることは大切です。
この記事では、脳出血の入院期間や費用、治療法について医師がわかりやすく解説します。ぜひ参考にして、今後の治療に役立てていただければ幸いです。
また、当院「リペアセルクリニック」では脳卒中の再生医療も行っております。
症状に不安がある方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。
目次
脳出血の入院期間は?年齢を考慮した平均値を公開
脳出血の入院期間は重症度や年齢によって大きく異なりますが、厚生労働省のデータによると平均で77. 4日間です。
ただし退院後もリハビリで通院しなければならない可能性があります。
本章を参考に、脳梗塞の入院期間やリハビリ期間がどのくらいになるのか知っておきましょう。
脳出血の平均入院期間は77.4日
脳出血の入院期間は、厚生労働省のデータによれば平均77.4日とされています。
年齢別平均在院日数を以下の表にまとめました。(文献1)(文献2)
年齢層 | 平均入院期間(脳血管疾患) |
---|---|
0~14歳 | 31.3日 |
15~34歳 | 61.7日 |
35~64歳 | 51.8日 |
65歳以上 | 83.6日 |
70歳以上 | 86.9日 |
75歳以上 | 93.2日 |
高齢になるほど入院期間が長くなり、75歳以上では約93.2日に及ぶケースもあります。
上記のデータは全国の退院患者を対象としたもので、多くの方の治療過程を反映しています。
ただし、個人の状況によって日数は変動するため、軽症であれば数週間での退院も可能といえるでしょう。
重症度によって入院期間は変わる
脳出血の入院期間は、重症度によって大きく変わります。
軽症であれば1~2週間で退院可能な場合もありますが、重症では2~3か月以上の入院が必要です。
たとえば、広範囲の出血や血腫除去が必要な場合、術後の経過観察や集中治療が必要となります。
また、治療方法によっても大きく異なるため、医師との相談が重要と言えるでしょう。
リハビリ期間も考慮する必要あり
退院後のリハビリも、脳出血の治療には欠かせない大切な期間です。
リハビリには数週間から半年以上かかる場合もあり、日常生活を改善するために計画的な取り組みが必要です。
リハビリでは理学療法や作業療法を通じて、普段の生活に戻ることを目指します。
脳出血の治療期間は、入院だけでなくリハビリ期間も想定しておきましょう。
脳出血の入院費用は「日数や入院先の施設による」
脳出血で入院した場合、入院期間だけでなく費用も気になるポイントです。
入院費用は、入院日数や入院する医療機関によって異なりますが、全国平均では70万円前後です。
しかし、高額療養費制度によって費用が軽減される可能性もあります。
ここでは、脳出血の入院費用について詳しく紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。
入院費用の目安は平均70万円前後
脳出血による入院費用の平均は、3割負担の場合でおよそ70万円です。
ただし入院期間が長引いたり、手術や特別な治療が必要になったりした場合は、費用はさらに高額になるでしょう。
たとえば、血腫除去術にかかる一般的な手術費用は、診療報酬点数で47,020点と設定されています。1点=10円で計算すると、3割負担では約14万円となります。
また、入院する病院によっても費用は異なるため、事前に確認しておきましょう。
高額療養費制度で軽減される可能性も
高額療養費制度とは、一定額を超える医療費を補助する制度を指します。所得に応じて自己負担額が異なり、低所得者層の場合はさらに負担が軽減される仕組みです。
この制度を活用することで、入院費用の負担を大幅に軽減できる可能性があります。申請方法や条件については事前に確認しておくと安心です。(文献3)
脳出血の検査方法
脳出血の診断には、「CTスキャン・MRI・血液検査」の3つが主に使われます。それぞれの目的や特徴を以下に簡潔にまとめました。
検査方法 | 目的 | 特徴 |
---|---|---|
CTスキャン | 出血部位や範囲の確認 | 短時間で結果が得られる迅速な検査 |
MRI | 微細な損傷や慢性的な異常の確認 | 詳細な画像が取得可能だが時間がかかる |
血液検査 | 全身状態の確認(凝固異常や感染症など) | 手術や治療の準備に重要な情報を提供 |
CTスキャンは、出血部位や範囲を短時間で把握でき、急性期の診断で多く利用される検査です。
MRIはCTではわかりにくい微細な損傷や慢性疾患の特定に有効ですが、検査時間が長いため急ぎの診断には向きません。
一方、血液検査は凝固異常や感染症の確認を通じて、手術や治療の準備に役立ちます。
これらの検査を組み合わせることで、正確で迅速な診断が可能になります。
また、脳出血の前兆や初期症状をセルフチェックする方法を以下の記事でまとめています。気になる方はぜひ参考にしてみてください。
脳出血における治療法
症状や重症度によって異なりますが、脳出血の治療法は主に以下3つが挙げられます。
- 内科的治療法
- 外科的治療法
- リハビリ
それぞれの特徴や目的を詳しく解説しますので、事前に確認しておきましょう。
内科的治療法
内科的治療は、薬を使用して脳出血の悪化を防ぐ方法です。軽症の場合や手術が不要なケースに適用されます。
内科的治療に使用される主な薬剤と特徴は次のとおりです。
薬剤の種類 | 特徴 |
---|---|
降圧剤 | 血圧を下げて出血の再発を防ぐ |
血液凝固調整薬 | 血液の凝固を調整し新たな出血を防止 |
血管保護薬 | 血管の修復や保護を促進 |
これらの薬を適切に使用することで、脳出血の進行を抑えるだけでなく身体への負担を軽減できます。医師の指導に従いながら治療を進めていきましょう。
外科的治療法
外科的治療では、出血した血腫を取り除き脳への圧力を軽減します。
主な手術方法には「開頭血腫除去術」や「内視鏡的血腫除去術」があり、広範囲の出血や命に関わる重症例で行われることが多いです。
また、手術後のリスク管理や経過観察が重要で、術後の回復には専門医の指導が欠かせません。
リハビリ
リハビリは、日常生活に戻るために重要なステップですが、個人差が大きいため「個別の計画が必要」です。
理学療法では筋力や運動能力の回復を目指し、作業療法では日常動作の練習を行います。
リハビリ期間は症状の状態により異なり、数週間から半年以上かかる場合があります。計画的にリハビリを進めることで、社会復帰や通常の日常生活に戻れる期待も高まるでしょう。
脳出血のリハビリ方法について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
まとめ|脳出血の入院期間や治療費は事前に把握しておこう
重症度や年齢によって異なりますが、脳出血の入院期間は平均77.4日です。
ただし、退院後も社会復帰を目的としたリハビリ期間が発生するケースがほとんどです。
入院費用は70万円前後が目安ですが、高額療養費制度を活用することで負担を軽減できる可能性があるため、事前に確認しておきましょう。
脳出血は治療期間が長引きやすい疾患ですが、医師の指示に従い、焦らず適切な治療やリハビリを行いながら、日常生活を取り戻すことが大切です。
また、当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による脳出血の後遺症治療も行っております。気になる方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。
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脳出血の入院期間に関するよくある質問
軽度の脳出血の入院期間はどれくらいですか?
軽度の脳出血では、入院期間は1〜2週間程度が一般的です。軽症の場合は、薬による内科的治療が中心となり、手術を行わないケースも多くあります。
ただし、患者の年齢や持病の有無により異なるため、医師の診断に基づいた治療計画が重要です。
手術なしで入院しない脳出血の治療法もありますか?
軽度の脳出血では、入院せずに治療を行うケースもあります。
たとえば、降圧剤を使った血圧の管理や、血液凝固を調整する薬を服用する方法です。しかし、症状が悪化するリスクがあるため、定期的な通院や検査を受ける必要があります。
医師の指導を受けながら適切に治療を進めることが大切です。
また、当院「リペアセルクリニック」では脳卒中の後遺症に効果が期待できる再生医療も行っております。気になる方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。
参考文献一覧 |
監修者
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圓尾 知之 医師 (医療法人美喜有会 脳神経外科 部長)
Tomoyuki Maruo
日本脳神経外科学会 所属
脳神経外科の最先端治療と研究成果を活かし、脳卒中から1日でも早い回復と後遺症の軽減を目指し、患者様の日常生活の質を高められるよう全力を尽くしてまいります。