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脳出血の治療方法と手術になったときの入院期間や費用について

公開日: 2022.12.23
更新日: 2024.10.07

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脳出血の治療方法と手術になったときの入院期間や費用について

  • 「脳出血と診断された。これからどんな治療をするのだろうか?」
  • 「脳出血になったら、入院期間や費用はどれくらいかかるのだろう?」

脳出血は、早期の診断・治療がとても重要な疾患であり、治療が遅れれば遅れるほど、話しにくさや手足を動かしにくくなるという重篤な後遺症が残る可能性があります。

本記事では、脳出血が疑われる際の検査についてや、治療や手術、入院期間などについて解説してまいります。

脳出血で入院

脳出血の検査について

脳出血とは脳内の血管が破れて出血した状態で、一般的な症状として多くの人に認められるのが、突然の激しい頭痛や手足が動かしにくくなるという麻痺症状です。

出血がひどくなると意識障害などもみられることがあります。

このような脳出血の症状がみられる場合には、まず CT 検査を早急に行い、出血部位(被殻、視床、脳幹、小脳、皮質下)や出血量を確認することで確定診断に至ります。

脳出血は高血圧が原因であることが多いですが、MRIの検査によって脳動脈瘤や脳血管奇形といった脳内の血管自体の異常や損傷範囲などを調べることができます。

脳卒中の治療

脳出血の手術と治療について

脳出血の治療は、内科的治療と外科的治療に分かれます。

それぞれについて、詳しくみていきましょう。

内科的治療法

内科的治療(薬物療法)として、最も重要になるのは、薬剤による血圧コントールです。

脳出血は高血圧が原因で発症することが多く、特に脳出血発症時には収縮期血圧が 200 mmHg以上となってしまうことも珍しくありません。

脳出血の発症から 6 時間以内は再出血が非常に起こりやすいと言われており、再出血を予防するために、血圧を安定させる降圧剤の点滴や内服などが用いられます。

退院後における慢性期においても、高血圧を放置することで脳出血の再発もあり得ますので、定期的な降圧剤の内服が必要なことが多く、血圧を安定させるための治療が行われます。

もう一点、内科治療として、脳出血により脳が浮腫み、腫れてくることがあります。そのまま放置してしまうと、出血していない部位にまで悪影響が出ることがあるため、マンニトールやグリセロールという抗脳浮腫薬の点滴を行うことがあります。

外科的治療法

脳出血の外科的治療法(手術)は、以下のような時に対して行われます。

  • ・出血量が 30 ml以上と多量であり、出血による血の塊(血腫)の圧迫により生命の危機がある場合
  • ・水頭症(髄液の循環不全により、髄液が過剰に溜まった状態)
  • ・意識レベルの低下が疑われる場合

ただし、視床出血や脳幹出血の場合は重要な神経が通っているため手術は困難であり、また深昏睡状態(意識がなく自発呼吸もない状態)の場合も手術による改善が望めないため治療適応外となります。

手術方法としては血腫を除去する血腫除去術と、水頭症に対するシャント術が一般的です。

それぞれの手術法について詳しく見ていきましょう。

◇血腫除去術

開頭血腫除去術

開頭血腫除去術は全身麻酔下で行われる手術で、3 時間程度要します。約 10 ㎝程度の大きさで頭蓋骨を切開し、脳内に溜まった血腫を摘出する手術になります。

内視鏡的血腫除去術

内視鏡的血腫除去術は開頭血腫除去術とは異なり、局所麻酔で行われる手術になります。数㎝程度皮膚を切開し、頭蓋骨に 1.5 ㎝程度の穴をあけて細い筒のようなものを挿入し、血腫の吸引を行っていきます。

開頭手術と比べるとおよそ半分程度の手術時間で完了するため、患者さんの負担も少なく、リハビリを早期から行うことが出来るというメリットがあります。

◇シャント術

シャント手術とは、溜まってしまう髄液を体内の他の場所へ流し込むバイパスを作る手術になります。

主な経路としては、以下のようになります。現在では、脳室―腹腔シャントが最も多く行われています。

  • ①脳室から腹部(脳室―腹腔シャント)
  • ②脳室から心臓(脳室―心房シャント)
  • ③腰から腹部(腰椎―腹腔シャント)

リハビリ

治療・手術後は、社会復帰に向けて必ずリハビリが必要となります。

「急性期」「回復期」「維持期」の回復過程に応じて、適切なリハビリを段階的に行うことになります。

脳出血の入院期間や費用について

入院期間

脳出血の平均入院日数は、およそ 107 日間となっており、下表のように年齢が上がると、日数は増える傾向にあります。

例えば、40~44 歳の方の平均入院日数は 56 .4 日となっていますが、80~84 歳の方の入院日数は約 3 倍の日数の 151 .3 日となっています。

これはご高齢になればなるほど、重症化のリスクやリハビリに要する期間が長くなるためだと思われます。

 40 ~ 44 歳

 56 .4 日

 60 ~ 64 歳               

 81 .1 日

 65 歳~ 69 歳

 104 .8 日

 70 歳~ 74 歳

 96 .9 日

 75 歳~ 79 歳

 99 .1 日

 80 ~ 84 歳

 151 .3 日

入院費用

入院費用の平均は、約 70 万円前後( 3 割負担の場合)となっています。

なお、そのうち血腫除去術の一般的な手術費用は診療報酬点数が 47 ,020 点となっているので、1 点= 10 円とすると約 14 万円( 3 割負担)となります。

高額療養費制度を利用すると、自己負担限度額を超えた部分が払い戻されるので、最終的には更に軽減される可能性があります。

ただし、高額療養費制度の自己負担の上限額は、年齢や所得によって異なり、差額ベッド代や食事代等は制度対象外となります。

以上の入院日数や入院費用はあくまで平均値となっており、年齢や治療内容、症状などの差で変動します。

まとめ・脳出血の治療方法と手術になったときの入院期間や費用について

いかがでしたでしょうか。

本記事では、脳出血の手術と治療、入院期間や入院費用について主に解説しました。

脳出血は早期の治療介入が非常に重要であり、重症度に応じて様々な治療方法が選択されます。発症から時間が経過すればするほど重い後遺症が残ったり、命の危機に晒されることに繋がりますので早期受診が重要です。

この記事がご参考になれば幸いです。

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脳出血、後遺症の種類とリハビリによる改善の可能性

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