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脳内出血に前兆はある?初期症状と今すぐできるセルフチェック【医師監修】
脳内出血(脳出血)は、多くの場合、予兆なく突然発症する危険な疾患です。
症状が出てからの初期対応が生死を分けるケースも少なくありません。
後遺症を残さないためには、早期に気づけるよう初期症状を把握しておくことが重要です。
そこで本記事では、脳内出血の前兆ともいうべき症状のセルフチェック方法や部位別の症状、予防法を解説します。万が一の事態に備えて、正しい知識を身につけておきましょう。
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目次
脳内出血に前兆はない!初期症状を知っておくことが大切
脳内出血に、前触れとなる前兆はありません。
しかし、発症後すぐの治療が生死や後遺症の程度を左右します。そのため、初期症状を理解して、すぐ気づけるように備えておくことが大切です。
以下では、脳内出血の緊急判断や初期症状に気づくのに役立つチェック方法をご紹介します。
【まずはこれだけ】FASTチェックで緊急判断
脳卒中や脳内出血が疑われる場面では、「FASTチェック」を使うと自宅や職場でも短時間で緊急性を判断できます。
FASTの頭文字から、次の4項目を順番に確認します。
- F(Face:顔):笑顔を作ってもらい、顔の片側だけ下がっていないか確認します。
- A(Arm:腕):両腕を同時に前へ上げ、どちらか一方だけが下がってこないかを見ます。
- S(Speech:言葉):短い文章を話してもらい、ろれつが回らない、言葉がはっきりしない様子がないか確かめます。
- T(Time:時間):いずれかの異常に気づいた時刻を意識し、少しでも当てはまれば一刻も早く119番に通報しましょう。
FASTの4項目のうち一つでも異常があれば、様子を見ずに迷わず救急車を呼びましょう。
脳内出血の初期症状チェックリスト
以下は、脳出血の初期症状を判別するためのチェックリストです。
ひとつであっても当てはまるものがあれば、早急に医療機関を受診してください。
※ 一つでも当てはまるようなら、すぐに病院にご相談ください。
【いずれの部位の脳出血でも認める症状】
- ◻︎頭痛
- ◻︎嘔吐
【重篤な状態を示唆する症状】
- ◻︎意識障害
- ◻︎昏睡
【運動障害】
- ◻︎手足の麻痺、動かしにくさがある
- ◻︎片側の顔の麻痺、動かしにくさがある
- ◻︎表情に左右差がある
- ◻︎歩きにくくなる、足がもつれる
- ◻︎ごはんが食べにくくなる、飲み込みづらくなる
【感覚障害】
- ◻︎片方の手足が痺れる
- ◻︎左右どちらかの顔面が痺れる
- ◻︎半身の痛みが突然生じる
【言語障害】
- ◻︎舌がうまく回らず上手に話せない
- ◻︎話したい言葉が出てこない
- ◻︎言葉が理解できない
【視覚障害】
- ◻︎突然視野が狭くなる
- ◻︎左右どちらかの視野が障害される
- ◻︎物が二重に見える
- ◻︎瞳孔の大きさが左右で違う・やけに小さい
【平衡感覚障害】
- ◻︎めまい
- ◻︎ふらつき
- ◻︎まっすぐ歩けない
脳内出血の好発部位と症状の特徴
脳出血は、出血する部位によって頻度や症状が異なります。
脳出血が起こりやすいとされる好発部位は大きく分けて5つあり、それぞれの特徴は以下のとおりです。
①被殻(ひかく)出血
脳出血の中で、一番頻度が高いのが「被殻出血」です。
まず頭痛や嘔吐から始まり、片側の手足の麻痺や感覚の異常、うまく言葉が話せない構音障害などの症状が現れます。
また、どちらか一方に目が寄る「共同偏視」が生じる場合もあります。
②視床出血
視床出血は、被殻出血の次に多く見られる脳出血です。
視床は、感覚を伝達する神経が多く走っている部位であり、視床出血では感覚障害や半身のみに痛みが生じる「視床痛」が現れます。
また、視床出血は脳脊髄液が循環している脳室と近い位置にあるため、出血が脳室まで及ぶと水頭症になり意識障害を起こします。
視床出血が起きると、両目が内下方(鼻側の下方向)を向くのが特徴です。
水頭症については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
③小脳出血
小脳は、平衡感覚をつかさどる部位です。
小脳に出血が起こると、頭痛と嘔吐、めまい、歩行障害が起こります。
出血が広がって脳幹まで圧迫されると、呼吸が止まり致命的な状態になる恐れがあります。
なお、小脳出血のみの場合には、麻痺は起こりません。
④橋出血
中脳と延髄の間に位置する「橋(きょう)」は、脳幹の一部で呼吸や全身の運動などをつかさどっている部位です。
橋に出血が起こると、意識障害や全身の麻痺が起こります。
さらに出血が広がった場合、呼吸ができなくなり重篤な状態になるケースもあります。橋出血が起こると、左右両方の目の瞳孔が小さくなるのが特徴です。
⑤皮質下出血
皮質下出血とは、脳の比較的表層の部分に出血が起こる状態です。
部位によって症状はさまざまで、片側の手足の麻痺や構音障害、視界の左右どちらかが見えなくなる半盲などの症状が生じます。
以下の記事では、脳出血の再発率や血圧管理を含む予防法について解説しているので、あわせてご覧ください。
前兆がない脳内出血を防ぐにはリスク管理が重要
脳内出血は明確な前兆がないまま、突然激しい頭痛や麻痺などで発症することが少なくありません。
前兆が乏しい病気である以上、症状が出てから慌てて対応するのではなく、日頃から危険因子をコントロールして発症リスクを下げておく生活習慣が大切です。
ここでは、脳内出血のリスク因子である高血圧と喫煙、飲酒について関連性を解説します。
最大のリスク因子「高血圧」
高血圧は、脳内出血の最大の危険因子です。
血圧の高い状態が長く続いてしまうと、脳内の細い動脈がもろくなり破れやすくなります。
自覚症状が乏しく、診察室では正常でも家庭や仕事中には高くなる「仮面高血圧」にも注意が必要です。
また、精神的なストレスの蓄積も血圧上昇の引き金になる場合があります。
毎日朝晩に血圧を測定し、減塩や運動、十分な睡眠とストレス管理、医師の指示に沿った降圧薬の服用を続けることで、高血圧による脳内出血のリスクを減らしましょう。
血圧を上昇させる原因「喫煙」
喫煙は、脳内出血や脳動脈瘤の重要な危険因子です。
長期間続けるほど血管の壁が傷つき、動脈硬化や血管のもろさが進行します。
喫煙する方は、非喫煙者に比べて男性で1.3倍、女性で2.0倍に脳卒中のリスクを高めるとされています。(文献1)
脳内出血を予防するには、できるだけ早く完全な禁煙に踏み切りましょう。また、必要に応じて禁煙外来の利用も有効です。
過度な「飲酒」
飲酒によって直ちに脳内出血が起きるわけではありませんが、長期の多量飲酒は高血圧や脂質異常症を悪化させ、脳出血や脳動脈瘤破裂の危険性を高めます。
喫煙とともに過度の飲酒も脳内出血の要因であり、とくに中年期以降では注意が必要です。
脳内出血を予防するためにも、適度な飲酒を心がけましょう。
また、アルコールに頼らず、趣味でストレスを発散したり、適度に運動したりで体調を整える習慣を身につけることも大切です。
脳内出血を引き起こす病気
脳内出血は、高血圧や動脈硬化だけでなく、血管の疾患が原因になる場合もあります。
ここでは、脳出血を引き起こす病気について見ていきましょう。
30代に多い「脳動脈解離(のうどうみゃくかいり)」
脳動脈解離は、脳内出血の原因として30代に多い病気です。
血管の内膜の裂け目に入り込んだ血液で血管が膨らみ、破れることで出血を起こします。
特徴的なのは、ヨガやゴルフのスイング、美容院での洗髪など、首に強い力が加わる動作がきっかけになる点です。
若くて健康に見える人でも突然発症し、激しい頭痛や首の痛みが前触れとして現れるため、発症が疑われる場合には早急な受診が必要です。
脳の主要な血管が徐々に狭くなる「モヤモヤ病」
モヤモヤ病は、脳の主要な血管が徐々に狭くなり、代わりに細い血管が網目状に増えることで脳を支えようとする病気です。
新しくできた細い血管は、非常にもろく破れやすいため、脳出血のリスクが高まります。
10代と30〜40代の女性に多く、頭痛やめまい、手足のしびれなどの症状に加えて、成人では脳出血で見つかるケースも少なくありません。
とくに若年成人の脳出血では、背景にモヤモヤ病が隠れていないか専門医で精査することが大切です。
脳内出血の予防法の一つ「再生医療」について
脳内出血を含む脳卒中では、発症後に麻痺や言語障害などの後遺症が残り、再発への不安も続きます。
このような脳卒中後の状態に対しては、「再生医療」が再発予防に用いられています。
再生医療とは、本来の機能を失った組織や細胞に対して、自分自身の幹細胞や血液を用いる治療法です。
再生医療には、他の細胞に変化する能力を持つ幹細胞を患部に投与する「幹細胞治療」と、血液中の血小板に含まれる成長因子の働きを活用する「PRP療法」があります。
いずれも入院や手術は不要で、日帰りでの治療が可能です。
そのため、体への負担を抑えた治療を検討している方にとっても治療の選択肢としてご検討いただけます。
以下の記事では、脳内出血に対する再生医療の症例をご紹介していますので、参考にしてみてください。
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まとめ|脳内出血の初期症状を確認したら早期治療で後遺症を残さないようにしよう
脳出血はある日突然発症し、重篤な後遺症を残す恐れがある緊急性の高い疾患です。
しかし、発症後すぐに医療機関を受診して早期に適切な治療を受ければ、後遺症を軽減できる可能性があります。
今回ご紹介した脳内出血のセルフチェック方法を参考に、わずかでも症状を確認した場合には、速やかに医療機関を受診しましょう。
とくにFASTチェックで異常が見られた場合や、激しい頭痛・意識障害などの症状がある場合は、迷わず119番通報して救急車を呼んでください。
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参考文献















