膝の皿が痛い原因は?今すぐできる対処法や受診の目安も紹介
公開日: 2023.09.14更新日: 2024.11.06
急に膝の皿が痛むのはなぜ?
膝の皿が痛いとき、自宅でできる対処法はある?
この記事を読んでいるあなたは、心当たりがないのに膝の皿が痛み、原因を調べているのではないでしょうか。
結論、膝の皿が痛むときは、変形性膝関節症などの疾患の可能性も考えられます。
ストレッチやトレーニング、テーピングをしても痛みが引かない場合は、整形外科での受診がおすすめです。
本記事では膝の皿が痛いときの原因や今すぐできる対処法を解説します。
記事を最後まで読めば、膝の皿の痛みの原因を正しく理解し、病院に行くべきか適切な判断ができるでしょう。
目次
膝の皿が痛い3つの原因
膝の皿が痛いときは、主に以下3つの原因が考えられます。
- 膝蓋大腿関節症
- 変形性膝関節症
- 膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
膝の皿の痛みに悩んでいる方は、本章で紹介する病気に当てはまるかどうかチェックしてみてください。
原因1. 膝蓋大腿関節症(しつがいだいたいかんせつしょう)
加齢などによって膝蓋大腿関節にズレや炎症が起きると、軟骨がすり減って痛みが生じやすくなります。この状態を「膝蓋大腿関節症」と呼びます。
膝の皿の骨である膝蓋骨と大腿骨との間で障害が起こる病気で、膝を伸ばすときに痛みを感じやすいのが特徴です。膝の皿だけでなく、膝の皿の横や皿の周りが痛むケースもあります。
整形外科での診察・検査後、「保存療法」もしくは「手術療法」による治療をおこなうのが一般的です。
膝蓋大腿関節症は、とくに中高年の女性に多く見られます。女性で膝の皿の痛みに悩んでいる方は、一度整形外科を受診してみましょう。
原因2. 変形性膝関節症
変形性膝関節症とは、関節の軟骨が老化し、変形してしまう病気です。
主な原因は以下が挙げられます。
- 加齢
- 肥満
- 遺伝
- 骨折などの外傷 など
変形性膝関節症では、膝の皿に痛みを感じる、水が溜まるなどの症状がみられます。
発症初期は動作の開始時に痛むことが多く、治療せず放置すると安静時にも痛むようになったり、膝を伸ばせなくなったりすることもあります。
変形性膝関節症の治療は、以下のような方法が一般的です。
- 湿布や痛み止めの処方
- ヒアルロン酸注射
- リハビリテーション
- 装具の装着
- 人工関節術 など
また、変形性膝関節症の治療には再生医療(幹細胞治療・PRP療法)も効果的であることがわかっています。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
原因3. 膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
膝蓋腱炎(ジャンパー膝)とは、膝の皿の下部にある「膝蓋腱」に繰り返し負担がかかることで損傷し、痛みを起こす病気です。
発症時は動作の始めや運動時に膝の皿の違和感を感じることが多く、症状が悪化すると日常生活でも痛むようになります。
膝蓋腱は、ジャンプ・着地などの跳躍動作やランニング時など、膝関節を屈伸したときに引っ張られる部位です。そのため、膝蓋腱に負担のかかる動作が多いスポーツ(サッカーやバレーボールなど)をしている人が発症しやすい病気です。
膝蓋腱炎(ジャンパー膝)の治療では、痛み止めの内服やヒアルロン酸、PRPなどの注射、ストレッチを行います。
重症の場合は「難治性膝蓋腱炎」の可能性があり、手術を検討するケースもあります。
日常的に跳躍動作の多いスポーツをしていて、膝の皿の痛みに悩んでいる方は、整形外科などの受診がおすすめです。
膝蓋腱炎(ジャンパー膝)については、以下の記事も参考にしていただけますと幸いです。
【今すぐできる】膝の皿が痛いときの2つの対処法
膝の皿が痛いとき、病院に行く前に自分でできる対処法は以下の2つです。
- ストレッチ・トレーニング
- テーピング
ただし、むやみに自分で対処をすると悪化してしまうケースもあるため、あくまで応急処置に留め、早めに整形外科を受診しましょう。
ストレッチ・トレーニング
膝の皿が痛むときは、膝の上の筋肉である「大腿四頭筋」や、太もも裏の筋肉である「ハムストリングス」のストレッチがおすすめです。また「殿筋」と呼ばれるお尻の筋肉をほぐすのも効果的です。
また膝の皿の痛みは、大腿四頭筋の筋力低下によって起こっているケースもあります。そのため、ストレッチだけでなく適度なトレーニングをおこなうのも良いでしょう。
それぞれの部位ごとのストレッチ・トレーニング方法は以下のとおりです。
ストレッチ(トレーニング)する部位 |
やり方 |
大腿四頭筋 |
<ストレッチ> <トレーニング> |
ハムストリング |
<ストレッチ> |
殿筋 |
<ストレッチ> |
ストレッチは、反動をつけず痛気持ちいい程度で、無理なくおこないましょう。
膝の皿が痛む場合のストレッチやトレーニングについては、以下の記事も参考にしてください。
テーピング
膝の皿の痛みを和らげるには、テーピングも効果的です。膝関節や周辺の筋肉の動きを制限し、運動時の膝の痛みをを緩和しやすくなります。
テーピングをおこなうときは、腱や筋肉を過度に圧迫しないよう注意しながら、シワのないように巻きましょう。
膝をサポートするテーピング方法は以下の記事で紹介しています。気になる方はチェックしてみてください。
膝の皿が痛い!病院を受診する目安
膝の皿の痛みで病院に行くべきか迷った場合は、以下の項目を参考にセルフチェックしてみましょう。
- 動作の始まり(歩き始めや立ち上がり)に膝の皿が痛む
- 起床時に膝の皿がこわばる感じがする
- 階段の上り下りをすると膝の皿が痛む
- 膝蓋腱を指で押すと痛む
- うつ伏せの状態で膝を曲げると床から股関節まわりが浮く
上記の項目に1つでも当てはまる場合、変形性膝関節症などの初期症状である可能性があります。
膝の皿の痛みが続くときは放置せず、早めに整形外科で専門医による診察・検査を受けましょう。
まとめ|膝の皿が痛い原因を知り病院への受診を検討しよう
本記事では、膝の皿が痛いときの原因や今すぐできる対処法を解説しました。
膝の皿が痛む場合、膝蓋大腿関節症などの疾患の可能性も考えられます。ストレッチ・トレーニングやテーピングなどで一時的に対処し、痛みが続くなら早めに整形外科を受診しましょう。
当院「リペアセルクリニック」では、自己の幹細胞を用いた再生医療による治療をおこなっています。
関節部分に幹細胞を投与し、すり減った軟骨を再生させることで、手術なしで症状を改善できる可能性が高くなります。
従来の保存療法や人工関節術を受けることに抵抗がある方は、ぜひ当院の再生医療もご検討ください。
この記事が膝の皿の痛みの原因や自分でできる対処法を知るのに役立ち、最適な治療を受けるきっかけになれば嬉しく思います。
膝の皿が痛いときによくある質問
急に膝の皿が痛くなるのはなぜですか。
急に膝の皿が急に痛む場合、筋力の低下や姿勢の悪さが原因の可能性があります。
大腿四頭筋腱炎など膝の疾患も考えられるため、痛みが続くなら早めに整形外科で診察・検査を受けましょう。
膝の皿が痛む原因については、以下の記事も参考にしていただければ嬉しく思います。
膝の皿が痛い!?考えられる病名とその原因、治療について徹底解説
曲げると膝の皿が痛いときはどうすれば良いですか。
膝を曲げると痛む場合は、できる限り安静にすることが第一です。膝が熱を持っていたり腫れていたりする場合は、炎症が引くまで冷やすのも良いでしょう。
40歳以上の中高年の方の場合は「変形性膝関節症」の可能性もあるため、不安な方は整形外科での受診がおすすめです。