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膝へのヒアルロン酸注射が効かなくなった!その原因と対策

膝へのヒアルロン酸注射が効かない!その原因と対策

はじめに

膝のご病気をかかえている方で、定期的に膝にヒアルロン酸の注射を行っている方は非常に多いです。その中で、『最初は注射すると膝の痛みがひいたのに、最近は効かなくなってきた』『注射しても効かないどころか、余計にひどくなった気がする』という経験をしている方も少なくないと思います。

膝のヒアルロン酸注射が効かなくなる原因と、効果が乏しいときの対処法について紹介していきます。

ヒアルロン酸注射

膝のヒアルロン酸注射について

『ヒアルロン酸』とは、水分をたくさん含む物質で、我々の身体の色々な場所で様々は役割を担当している物質です。目や皮膚に対しては潤いを保つように働きかけています。関節の中では動きをよくする潤滑油のような役割を担っています。

ヒアルロン酸を治療のために使用する場面はたくさんあります。眼の乾燥にもヒアルロン酸の目薬を行いますし、最近では美容目的に皮膚にヒアルロン酸の注射を行うこともあります。

たくさんの用途に用いられるヒアルロン酸ですが、膝にヒアルロン酸の注射を行う必要がある病気もたくさんあります。その中で、変形性膝関節症などの病気が代表的で、膝にヒアルロン酸注射を行うことの一番の目的は、膝の関節の動きを滑らかにすることです。

もともと、膝の関節の中はヒアルロン酸をたくさん含んでいる滑液という物質で満たされています。この滑液という液体が膝の滑らかな動きを保つのに重要な役割を担っています。

しかし、年齢を重ねることや、外傷や他の疾患などの影響で、滑液の中のヒアルロン酸の量が減ることがあります。ヒアルロン酸の量が減ってくると、膝を滑らかに動かすことが難しくなってしまいます。すると、膝にある骨や軟骨がこすれて、次第に膝に痛みが出現するようになります。

そのような際に、ヒアルロン酸注射を膝に行うことで、膝の動きが滑らかになり、痛みも軽減するのです。

 

ヒアルロン酸注射が効かなくなる原因

変形性関節症の初期ではヒアルロン酸注射を行うと動きも滑らかになり痛みも速やかに改善することが多いです。

しかし、病気が進行し、膝の変形が重度になってくると、ヒアルロン酸注射をしても効果が得られなくなります。もともと年齢を重ねると進行してくる病気なので、誰でも変形が強くなることは起こりますが、体重が重かったり、もともと運動習慣がなかったりすることも、変形が進行する原因になると言われています。

また、膝自体に炎症があるときはヒアルロン酸の注射は効かないことが多いです。さらに膝に感染があるときは、ヒアルロン酸注射をすること自体が余計に症状を悪化させてしまうこともあります。

膝の変形性関節症の重症度や膝の組織を評価するために、病院では、レントゲン検査やM R I検査などの画像検査が行われます。

M R I検査では、膝の軟骨や靭帯、半月板という組織が傷ついていないかも診ることもできるため治療方法の選択をするためにも非常に重要な検査です。

 

膝へのヒアルロン酸注射が効かないなら

ヒアルロン酸注射は徐々に効かなくなるときがあります。そのためまず、ヒアルロン酸注射以外の治療法を併用していくことも大事です。まず、膝変形性関節症には、病院に受診しなくても自分自身で行える治療がたくさんあります。体重が重い方については、体重を減量することも治療のために非常に重要です。

その他には運動療法を実施することも非常に大事であると言われており、規則正しい有酸素運動や筋力トレーニング、関節可動域運動を実施して継続していくことが大事です。膝をサポーターで保護することや、テーピングを実施することも推奨されていますので実施していくのがよいでしょう。

また、超音波を用いて行う超音波療法や、温める温泉療法なども推奨されています。

膝に炎症があるときは、ヒアルロン酸の注射ではなく、ステロイドという薬を膝に注射する必要があることもあります。また炎症を抑える薬を飲む必要があることもあります。

重症になってしまい、注射が効かない状態になると手術が必要になります。手術では人工関節と言い関節の代用となる部品を、実際の関節の変わりに埋め込むという治療が行われます。そのため、皮膚を切って開く必要があるため、全身麻酔で手術が行われます。

全身麻酔とは寝た状態で手術を行う麻酔の方法なので、患者さんの目が覚めた時には手術は終わっています。手術は、傷口が感染しないか、麻酔によるアレルギーなどがないかを診るためにも入院で行われます。

入院自体は数日〜数週間の期間のことが多いですが、もともとの歩行状態に戻るためには膝のリハビリが必要で、数ヶ月程度のリハビリが必要になります。最近では手術の代わりにPRP療法という新しい治療が行われることもあります。

これは、患者さんの血液から抽出した『多血小板血漿(P R P)』を傷んでいるところに注射する「再生医療」です。

PRP療法は副作用もほとんどなく、手術を行う必要もないので、非常に安全に行え、傷も残りにくく、入院の必要もないので患者さんの負担は非常に少ない治療法です。

 

まとめ・膝へのヒアルロン酸注射が効かない!その原因と対策

膝へのヒアルロン酸注射は膝の動きを滑らかにするために非常に有用な治療法です。

しかし、患者さんによって効果が得られない状態かもしれないので、効果が乏しいのに漫然と注射を行うのは良くないでしょう。ヒアルロン酸の注射以外の治療が必要な時もあります。

ヒアルロン酸の注射の効果が減ってきなと、感じている人は、漫然と治療を継続するのではなく、医療機関をはじめ、かかりつけ医など、専門家の評価を受けて、適切な治療に切り替えを検討してはいかがでしょうか。

以上、膝へのヒアルロン酸注射が効かない!その原因と対策について記させて頂きました。参考になれば幸いです。

 

No.073

監修:医師 坂本貞範

 

 

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