首こりから解放されるための全て!頭痛やめまいを含む関連症状も解決
日常生活の中で、首こりを感じることはありますか?
「首まわりが張っている」
「首の辺りが重く疲労感がある」
このような感覚は、首こりの症状の可能性が高いです。
首こりは、頭痛やめまいを引き起こす原因となり、ひどくなると日常生活に影響をおよぼします。
今回の記事では、首こりの解消や予防、首こりに関連する症状を解決するための方法を詳しく解説します。
首こりに悩んでいる方や、すでに日常生活に影響が出ている方は、ぜひ最後までお読みください。
首こりに正しく対処し、上手に解消しましょう。
目次
首こりの原因
首こりは、首まわりの頭を支える筋肉に、過度な緊張や負担がかかった場合に生じます。
首こりの原因は、日常生活のなかにあり、考えられる要因としておもに以下の3つがあります。
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首こりに悩む方で、思い当たる方もいるでしょう。
では、この3つがなぜ首こりの原因になるのか、それぞれ解説します。
不適切な姿勢
長時間の不適切な姿勢は、首周囲の筋肉に負荷がかかります。たとえば、日常生活の中でスマートフォンやタブレットを操作する場合、少しうつむくような姿勢で操作していませんか?成人の頭の重さは約 4〜6kgあります。
首周囲の筋肉や骨でその重さを支えていますが、頭が前に傾けば傾くほど、首にかかる負担は大きくなるのです。たとえば、スマートフォンを操作するために首を約30度前に傾けたとします。その場合、約18㎏の負荷が首にかかるとされています。
18㎏は5歳くらいの子どもの体重とほぼ同じです。その重さを支えるのは、かなりの負担が首にかかっている状態といえます。
もともと人間の首は、重い頭を支えるためにゆるやかなカーブをしており、その姿勢が首に負担が少ない姿勢です。
しかし、頭が前に傾いた姿勢が長く続くと、「ストレートネック」と呼ばれる状態を引き起こします。「ストレートネック」とは、うつむいた姿勢を続けることで首のカーブが直線に近く、伸びてしまった状態です。スマートフォンやタブレットを操作している姿勢は、このような姿勢になる場合が多いです。
そのため、「スマホ首」とも呼ばれています。
日常生活でスマートフォンの操作時間が長い方や、うつむいた姿勢で長時間作業する職業の方は、首こりになりやすいでしょう。
不適切な姿勢になりやすいのはそれだけではありません。身体に合わない寝具も影響します。
特に、合わない枕は寝ている間に知らず知らず首に負荷がかかっている可能性があります。枕は、高さや柔らかさなど、自分の身体に合ったものを選びましょう。
ストレスと筋肉の緊張
現代は、ストレス社会と呼ばれるほど、何かしらのストレスを感じながら生活している方が多いでしょう。
しかし、過剰なストレスは、心だけでなく身体にも緊張を与えます。
ストレス状態が続くと、自律神経が乱れ、筋肉の緊張を引き起こします。自律神経とは、血圧や呼吸数などを調整し、自律的に身体の中のバランスを整える役割です。その自律神経が乱れると身体のなかのバランスが崩れ、全体的に血行が悪くなります。
首周囲の血行も悪くなるため、首こりの症状を引き起こします。ストレスはため込むまえに、上手く解消しましょう。
長時間のパソコン作業
長時間のパソコン作業は、以下のことが影響し、首こりの原因となります。
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新型コロナウイルスの拡大で、テレワークの活用が進みました。そのため、今までオフィスで仕事をしていた方も、自宅で仕事をする機会が増えたでしょう。
しかし、自宅でのテレワークは、パソコン作業に向かない机やイスを使っておこなっている方も多く、整った環境ではない可能性が高いです。
パソコン作業に向かない机やイスは、姿勢が悪くなり、気づかないうちに身体に負担がかかっています。また、長時間のパソコン作業は、同じ姿勢で座っている時間が長くなるため、首周囲だけでなく、肩や腰の筋肉も凝り固まるでしょう。長時間ディスプレイを見続けると、目の筋肉が疲れるために、眼精疲労を引き起こします。見えづらさを感じると、姿勢が悪くなりがちなため、首こりの原因となります。
効果的な解消法
日常生活のなかで、首こりを感じている方は、適宜解消していきましょう。
「時間がなくてなかなか運動の時間が確保できない」
そんな方のために、ここでは簡単で効果的なストレッチやマッサージの方法を紹介します。
ストレッチで筋肉をリラックス
血行不良を解消するため、ストレッチで筋肉をほぐしてみましょう。ストレッチは、身体をリラックス状態にし、血行改善効果があります。血行が良くなれば、首周りの筋肉もほぐれ、首こりによる症状が緩和するでしょう。
<肩のストレッチ>
- 背筋をのばしてイスに座る
- 腕の力は抜く
- 息を吸いながら両肩を持ち上げる
- 息を吐きながらストンと肩をおろす
- 2~3回繰り返す
<首のストレッチ>
- 背筋をのばし肩の力を抜く
- 首を前に倒しゆっくり右にまわす
- ぐるっと一周まわしたら今度は左にまわす
- 左右10回程度おこなう
<肩甲骨のストレッチ>
- 両肘を曲げて肩より上に肘をあげる
- 両手は軽くにぎり鎖骨のあたりにもってくる
- 両肘を下げないようにしながらゆっくり後ろへ引く
- 肩甲骨をギュッと寄せように意識する
- そのまま両肘を下げ力を抜く
- 5回程度繰り返す
これらのストレッチは、座ったままでもできる簡単なストレッチです。作業の合間や首こりや肩こりを感じたときなどにやってみましょう。また、隙間時間を利用し、一日のなかで定期的におこなえば、凝り固まる前に解消できるでしょう。
ただし、体調や自分の首や肩の動かせる範囲内で無理せずおこなうことが大切です。無理をすると、筋肉や関節を傷めてしまう可能性があります。ゆっくりと無理をせず、気持ちいいと思える力加減でおこなうのがポイントです。
マッサージ技術の活用
マッサージをすると、凝り固まった筋肉をほぐし血行が良くなるため、首こりの解消に良いでしょう。首こりで悩む方の中には、マッサージや整体院、鍼灸院に行きたいと考えている人も多いです。しかし、時間がなくてなかなかそのような場所へ行けない場合、自宅で簡単なマッサージをするのがおすすめです。
<胸鎖乳突筋マッサージ>
胸鎖乳突筋とは、首の横に耳の後ろ辺りから鎖骨辺りまで繋がっている筋肉です。
場所が分からない場合、顔を横に向けると浮き出てくるためわかりやすいでしょう。
- 耳の後ろ側に人差し指・中指・薬指を縦方向に押し当てる
- 首を横に傾けながら20秒程上下にさする
- 揉みほぐすイメージで指で胸鎖乳突筋をつまむ
- つまむ位置を徐々に下へ移動する
- 反対側も同様におこなう
胸鎖乳突筋の近くには、頸動脈もあるためマッサージをおこなう際には注意しましょう。痛みや苦しさを感じた場合は、すぐにマッサージを中止してください。
<頸椎マッサージ>
頸椎周囲には、肩や背中につながる筋肉があります。この筋肉が凝り固まると、首こりだけでなく、肩こりや背中の痛みにもつながります。
無理をせず、気持ちいいと感じる程度の力加減でおこないましょう。
日常の運動と活動
ストレッチやマッサージをするだけでなく、首こりを感じたら適宜運動も取り入れてみましょう。日常的に運動をしていると首こりが生じる前に解消でき、また、予防にもつながります。
以下のような全身運動は、身体の筋肉を動かすため血流がよくなり、首こりの解消や予防におすすめです。
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縄跳びは縄を準備するだけで、手軽に始められます。水泳は、腕を大きく動かす動作があるため首こりには効果的です。しかし、プールがある施設を利用しなければ水泳はできないため、時間がない方には向かないでしょう。
ヨガは、スタジオに通う場合と自宅内でオンラインでおこなう場合と、ライフスタイルにより選べます。お金をかけたくない場合は、自宅で動画サイトを見ながらヨガをするのも良いでしょう。適度な運動習慣は、首こりの解消だけでなく、健康の維持増進にもつながります。
適度に身体を動かす習慣があると、脳の活性化や疲労回復の効果もあり、仕事の効率アップも期待できます。また、運動にはストレスホルモンを下げる働きがあるとされています。イライラしやすかったり寝つきが悪かったり、ストレスがうまく発散出来ていない方は、運動で発散してみるのもいいでしょう。
ストレスが溜まった状態は首こりの原因になるため、適度に運動し首こりの解消や予防に役立てましょう。
首こりに関連する症状
首こりは、めまいや吐き気、腕の重だるさ、やる気が出ないなど、心身にさまざまな症状があらわれます。
以下の症状は、首こりがひどくなるとあらわれる主な症状です。
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これらの症状は、首こりの関連症状だと考えられます。
首こりに関連する3つの症状を、それぞれ解説していきます。
頭痛との関連
「頭全体が締め付けられる痛みがある」
「頭痛が続いていてつらい」
このような頭痛持ちの方のなかには、首こりが原因の場合があります。首こりが原因で引き起こされている場合、「緊張型頭痛」と呼ばれる頭痛です。首周囲の筋肉や肩、肩甲骨周りの筋肉が緊張するため、血流が悪くなります。
頭に向かう血流にも悪影響をおよぼし、頭痛を引き起こします。
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これらの方法は、首周囲の血流が改善する効果がある方法です。首周囲の筋肉の緊張をほぐし、血流を改善すれば、頭痛がよくなる可能性があります。ただし、「片頭痛」の場合、血流が良くなると痛みが悪化するので注意が必要です。
目の疲れ
パソコンやスマートフォンの操作は、同一の姿勢でおこなう場合が多く、液晶画面を見ている時間が長いと目の疲れも感じるでしょう。目の疲れは「眼精疲労」とも呼ばれ、首こりの原因や自律神経のバランスを崩します。1日6時間以上、ディスプレイを見ている時間がある方は、目の疲れを引き起こし、首こりにつながる可能性があります。
また、ディスプレイを見続けた目の疲れは、VDT症候群(Visual Display Terminals Syndrome)と呼ばれ、目の疲れを取るケアが必要です。
VDT症候群とは、パソコンやタブレットなどディスプレイを見ながら作業をする時間が長くなることで発症しやすくなります。目の疲れを感じたら、以下のような目のケアをおこないましょう。
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これらの方法は、目の疲れを緩和します。
目元をホットパックで温める方法は、ホットアイマスクやお湯で濡らしたタオルを目に2分ほど当てましょう。
目の疲れがとれれば、首こりの軽減につながるでしょう。
自律神経の不調
首こりがひどくなると、自律神経に影響を与え、副交感神経の働きが低下することがわかっています。そもそも、自律神経とは、身体の中のさまざまな働きを自動的に調整しバランスを維持する神経です。
自律神経には、以下の2種類があり、それぞれ違う役割があります。
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首こりによって自律神経が乱れると、以下のような症状があらわれます。
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ひどくなると自律神経失調症を引き起こす可能性があります。首こりは、放っておくとさまざまな関連症状をもたらします。放置せず、できることから取り組み、対処しましょう。
予防と長期管理
首こりは、日常生活の中で少し意識して行動するだけで、予防できます。さまざまな症状があらわれ、不調をきたすまえに、首こりを予防しましょう。首こりの予防は、一度だけではなく、長期的な管理が大切です。毎日過ごす日常生活の中で、自分ができることから取り入れてみましょう。
正しい姿勢の維持
正しい姿勢の維持は、身体全体のバランスが良くなるため、首こりだけでなく肩こりや腰痛の予防にもなります。姿勢が悪い状態とは、多くの方が猫背をイメージするでしょう。
しかし、猫背を直そうと、無理に胸を張ったり背筋を伸ばすようにしたりしていませんか?正しい姿勢ができているかは、以下のような確認方法があります。
- 壁に背中を向け立つ
- かかと・おしり・肩・頭を順番に壁につける
- 腰の辺りと壁の間に手のひらを差し込む
手のひら1枚分が入る隙間があるのが理想ですが、それ以上に隙間が開いている人は「反り腰」という状態です。また、肩が壁につかない方は、巻き肩の状態です。1か所でも壁につけられない部位があれば、姿勢が悪い状態といえます。立ったときに、耳や肩、腰、膝、くるぶしが一直線になる状態が、正しい立ち姿勢です。
座ったときには、イスに深く腰かけて骨盤がまっすぐ立つように座ります。足の裏をしっかり床につけ、膝と股関節が90°になるようにすると、骨盤が立ちやすい座り方です。
姿勢が悪い状態は、毎日の生活習慣が影響しているため、すぐに改善することはできません。しかし、正しい姿勢を維持することを意識して生活するだけで、徐々に正しい姿勢が身についてきます。
正しい姿勢は、身体の不調を予防するだけでなく、代謝を上げたりスタイルを良く見せたり、メリットがたくさんあります。正しい姿勢の維持は、毎日の積み重ねが大切です。
日常生活の中で、正しい姿勢を意識するよう心がけてみましょう。
職場の環境設定
オフィスでは、適切な明るさ、適切な机やイス、ディスプレイの適切な位置や明るさなど、職場環境が整えられている場合が多いです。
厚生労働省からガイドラインも出されているため、VDT作業(Visual Display Terminals)のための環境設定は重要といえます。しかし、テレワークや在宅ワークなど、環境が整っていない場所で作業をしている方もいるでしょう。そのような場合、スペースの問題でディスプレイと近くなってしまったり、机やイスが合わず姿勢が悪くなってしまったりします。
<VDT作業のための正しい環境設定>
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300ルクスとは、新聞が読める程度とされており、蛍光灯を使用した少し古い事務所のようなイメージです。ちなみに、デパートの売り場が約500ルクス~700ルクス程度のため、300ルクスは少し暗めの印象でしょう。これらの項目を満たした環境が理想的ですが、自宅では広さや間取りにより限界があります。
しかし、できる範囲で適切な環境設定をすれば、首こりや腰痛などの身体の不調の予防につながります。また、疲れにくくなり作業がしやすくなるため、作業効率も良くなると考えられます。
定期的な運動とストレッチのルーチン
定期的な運動やストレッチは、首こりの予防に効果的です。しかし、「忙しいから時間がとれない」や「毎日疲れて運動なんてできない」と考えている人も多いでしょう。
「毎日ストレッチを頑張ろう」と決意しても、なかなか続けるのは難しいです。
対策としては、定期的な運動スケジュールを立て、ルーティン化することで、長く続けていきやすいでしょう。
<運動に対するモチベーションを維持し継続する方法>
- 無理のない程度に運動をする日を設定
- 設定した日に運動やストレッチができたらカレンダーに印をつける
- 慣れてきたら運動する日を増やしてみる
カレンダーに印をつけることで、「できた」という事実が視覚的にわかります。体調や忙しさによってできない日はありますが、徐々にカレンダーにつく印が増えていくと、頑張っている、取り組めていると実感でき、達成感を味わえるでしょう。
モチベーションが上がらない場合は、「印が何個ついたらご褒美」と設定するのもいいでしょう。まったく運動習慣がなかった方が、急に毎日運動をすることは難しく、身体にも負担がかかります。
そのような方は、散歩や軽いウォーキング、軽いストレッチを週に数回から始めてみましょう。
<忙しい人が運動習慣をつける方法>
忙しくて時間がなく、まとまった運動の時間を確保するのが難しい方もいます。
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そのような時間もとれない方は、日常生活行動の中で「ながら運動」をしてみましょう。
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運動に対して気が進まず、始めるのにハードルが高い方もいるでしょう。しかし、適度な運動習慣がある方は、首こりの解消や予防だけでなく、ストレスの解消や健康的な生活にもつながります。ぜひ適度な運動習慣をつけることをおすすめします。
結論
首こりは、姿勢の悪さやストレス、長時間のデスクワークで生じます。首こりを放置すると、頭痛や目の疲れ、自律神経の乱れを引き起こし、身体全体の不調を感じる原因となります。首こりは、ストレッチや運動で解消できます。首まわりに常に張りや痛みを感じている方は、早めに首こりを解消しましょう。
いくつか試してもなかなか首こりが解消しない場合は、別の疾患も考えられるため、一度受診をしておくと安心です。
首こりの原因によって受診する診療科は異なりますが、まずは整形外科を受診するとよいでしょう。正しい姿勢を心がけ、運動習慣を生活の中に取り入れていけば、首こりの解消や予防だけでなく、肩こりや腰痛の対策にもなります。
まずは、自分が出来そうな運動やストレッチから始めてみましょう。
参考文献 |