LINEポップアップ
  • HOME
  • トピックス
  • 太ももの肉離れの症状や原因を医師が解説【症状チェックリストあり】
  • その他、整形外科疾患

太ももの肉離れの症状や原因を医師が解説【症状チェックリストあり】

太もも 肉離れ
公開日: 2025.03.31

太ももに違和感がある

動けなくなるほどの違和感があった

スポーツやトレーニング中に突然、足元に強い違和感はありませんか。

その症状は、肉離れの可能性があります。

肉離れは、スポーツだけでなく、日常生活でも起こりうる症状です。

  • 太ももの肉離れの原因
  • 太ももの肉離れの症状
  • 肉離れの重症度
  • 肉離れのチェックリスト
  • 太ももの肉離れを起こしたときの対処法

肉離れの原因や症状を解説し、発症した場合の対処法も合わせて紹介します。

肉離れは、早期発見で改善できる症状です。ぜひ最後まで読み進めていただければと思います。

太ももの肉離れの原因

原因 説明 チェック項目
急激な動作による筋肉への過度な負荷 ダッシュやジャンプなど、急激な動作で筋肉に大きな力がかかり、筋肉が耐えきれずに損傷してしまう 急なダッシュが多い、ジャンプが多い、急な方向転換が多いなど
筋肉の疲労 運動などで筋肉が疲労している状態で、さらに負荷をかけると、筋肉が損傷しやすくなる 運動する機会が多い、疲労が溜まっていると感じるなど
ウォーミングアップ不足 筋肉が温まっていない状態で運動を始めると、筋肉が伸びにくく、損傷しやすくなる ウォーミングアップ不足だと感じるなど
筋肉の柔軟性不足 筋肉が硬いと、急な動作に対応できず、損傷しやすくなる 身体が硬いと感じる、ストレッチ不足だと感じるなど
筋力低下 筋肉が弱いと、大きな力に耐えられず、損傷しやすくなる 運動不足だと感じる、以前より力が弱くなったと感じるなど

文献1

太ももの肉離れの主な原因は、運動によって引き起こされるものです。

太ももに急激なストレスや、筋肉が硬直した状態での走り込みや、ジャンプが肉離れを引き起こす要因になります。

以下の記事では肉離れの症状について、詳しく解説しています。

急激な動作による筋肉への過度な負荷

原因となる動作 筋肉への負荷 具体例
急なダッシュやストップ 筋肉が急激に伸び縮みし、耐えきれずに損傷する スポーツでの全力疾走、急ブレーキ
ジャンプや踏み込み動作 筋肉が強く縮んだり、急激に引き伸ばされたりする バスケットボールのジャンプ、サッカーの着地
方向転換(急な切り返し) 片足に強い力がかかり、筋肉が急激に引き伸ばされる テニスの方向転換、サッカーのドリブル

急な走り込みや、急ブレーキは太ももの肉離れを誘発します。

筋肉疲労や十分な準備運動ができていない状態で、急激な動作を繰り返すと、筋肉が急な衝撃に適応できません。結果、太ももの筋肉が衝撃に耐えられなくなります。

スポーツを行う以上、ある程度の負荷は避けられません。十分な準備運動やウォーミングアップを行い、筋肉への負担を軽減しましょう。

筋肉の疲労

疲労の種類 筋肉の状態 肉離れのリスク
エネルギー不足 筋肉を動かすエネルギーが足りない 力が入らず、無理に動かすと筋肉が損傷しやすい
疲労物質の蓄積 筋肉に疲労物質がたまり、動きが鈍くなる 筋肉が硬くなり、急な動作に対応できない
血流の低下 筋肉への酸素や栄養が不足する 筋肉の修復力が低下し、柔軟性も失われる

文献2

筋肉に疲労が蓄積した状態は、柔軟性が低下し、筋肉組織の損傷を起こします。

エネルギー不足や、疲労物質の蓄積、血流の低下が筋肉の活動を低下させ、肉離れを引き起こす要因になります。

筋肉疲労を起こさないためには、適度な休息や、運動前後のストレッチ・マッサージ、水分補給・栄養摂取を怠らないことが大切です(文献2

ウォーミングアップ不足

ウォーミングアップの役割 ウォーミングアップが不足した状態 肉離れのリスク
筋肉を温める 筋肉が硬く、伸びにくい状態 急な動きに対応できず、筋肉が損傷しやすい
血流を促進する 筋肉への酸素や栄養が不足した状態 筋肉が固くなり、傷つきやすい
神経と筋肉の連携をスムーズにする 脳と筋肉の連携が乱れた状態 必要以上に筋肉へ負荷がかかり、損傷しやすい

文献2

ウォーミングアップは筋肉を温め、血流を促進する効果があります。

また、ウォーミングアップを行うことで、筋肉の硬直状態が解消され、運動で発生する太ももの負荷にも対応できます。

しかし、ウォーミングアップが不十分な状態での運動は、筋肉の収縮や脳と筋肉の連携が乱れてしまい、肉離れを引き起こすリスクが高いです。

運動前に軽いジョギングや、屈伸運動で身体を温めると、筋肉の柔軟性が向上し、肉離れを起こすリスクを減らせます。

筋肉の柔軟性不足

柔軟性 筋肉の状態 肉離れのリスク
柔軟性がある 筋肉が柔らかく、伸びやすい 急な動きにも対応しやすい
柔軟性がない 筋肉が硬く、伸びにくい 急な動きに対応できず、筋肉が損傷しやすい

筋肉の柔軟性が不足すると、急な動きや衝撃に太ももが耐えきれず、肉離れを引き起こす原因になります。(文献3

筋肉の柔軟性不足は主に、準備運動不足や加齢、筋肉疲労の蓄積によって引き起こされます。

柔軟性不足を解消するために、日頃からストレッチや適度な運動を行い、運動後はマッサージや温浴で、筋肉をケアする習慣を取り入れましょう。

筋力低下

筋力低下の状態 筋肉への影響 肉離れのリスク
筋肉が支えきれない 急な動きや負荷に耐えられず、筋肉が損傷しやすい ダッシュやジャンプで、ピリッとした違和感が発生する
疲れやすい フォームが崩れ、無理な動きをしてしまう 長時間運動で足がもつれ、肉離れを起こしやすい
柔軟性も低下 筋肉が硬くなり、伸びにくくなる 急な動きに対応できず、筋肉が断裂しやすい

文献4

筋力が低下すると、筋肉が運動時の負荷や、不意に足がもつれてしまった際に、肉離れを引き起こす可能性があります。

筋力低下は、太もも周囲を支える力が失われている状態であり、柔軟性も低い状態です。

筋力低下を防ぐには、日頃から準備運動やクールダウンを怠らないことが大切です。

太ももの肉離れの症状

症状 状態 具体例
激しい違和感に襲われる 突如、太ももに鋭い違和感や衝撃が走る 筋肉が引き裂かれるような感覚
患部の腫れ・内出血 太ももが著しく腫れ上がり、皮膚の下に青黒い変色がある 患部が大きく膨らみ、内側から変色している状態
筋肉が痙攣する 太ももの筋肉が、自らの意志とは無関係に収縮と弛緩を繰り返す 筋肉が断続的に強く握り締められるような状態
患部に熱が籠る 太ももの患部が、周囲の皮膚よりも明らかに高温になる 患部が内部から発熱しているような状態

太ももにいつもと違う違和感があれば、それは肉離れのサインかもしれません。早期発見が、症状の悪化を防ぎます。

太ももの肉離れを発症した時に現れる症状について解説します。

激しい違和感に襲われる

肉離れは、筋肉が切れたり裂けたりし、炎症や内出血で起こる症状です。

断裂の多くは、部分的に起こりますが、まれに筋肉が完全に断裂してしまうケースもあります。

とくに、太ももからブチッと音が聞こえ、違和感で立ち上がれない場合は、肉離れの可能性が高いです。

激しい違和感に襲われ、立てない状態の場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

患部の腫れ・内出血

肉離れは、患部の腫れや内出血を引き起こします。

筋肉が急激な力で引き伸ばされたり、断裂したりすると、その部分の毛細血管が損傷し、内出血が起こります。

腫れの程度は損傷の大きさや、出血量によりますが、重度の場合だと広範囲にわたって腫れ上がり、内出血の症状も顕著です。

ブチッと異音を耳にし、上記の症状が現れた際は、炎症の進行を防ぎます。

炎症や腫れに対し、応急処置を行ったうえで医療機関を受診しましょう。

筋肉が痙攣する

原因 メカニズム 状態をたとえるなら
損傷部位の保護反応 損傷した筋肉を保護するため、周囲の筋肉が反射的に収縮する 筋肉が、これ以上動かないで!と叫んでいる状態
神経系の影響 筋肉の損傷が周囲の神経を刺激し、異常な信号が送られる 神経が、筋肉を動かせ!と誤った指令を出している状態
電解質バランスの乱れ 激しい運動や発汗により、筋肉の興奮性が高まる 筋肉が過剰反応してしまっている状態

文献1

太ももの肉離れが発症すると、筋肉の痙攣が起こります。

筋肉が痙攣する主な理由は、損傷した筋肉が神経系の異常な興奮を引き起こすためです。

筋肉の神経系が興奮すると、異常な信号が神経に伝達され、無意識に痙攣を起こします。

痙攣が頻繁に起こる場合は、運動を中止し、医療機関を受診しましょう。

患部に熱が籠る

肉離れによる炎症の影響で、部分的に温まると、患部に熱が籠った状態になります。

また、損傷した筋繊維や血管から漏れ出した血液が組織内に溜まることで、熱感を引き起こします。

重度の場合、自力での歩行が困難になるため、医療機関の受診が必要です。

肉離れの重症度

重症度 症状 具体例
Ⅰ型(軽症) 軽い違和感、腫れ、内出血 階段の昇り降りで多少、違和感がある程度
Ⅱ型(中等症) 強い違和感、腫れ、内出血、歩行困難 普段の歩行が困難になり、足を引きずった状態になる
Ⅲ型(重症) 激しい違和感、広範囲の腫れ・内出血、歩行不能、筋肉の断裂 足に体重をかけられない

太ももの肉離れには、Ⅰ型(軽症)〜Ⅲ型(重症)の段階があります。

Ⅰ型(軽症)であれば、日常生活への大きな支障はありません。ですが、Ⅲ型(重症)になると、手術が必要になるケースもあります。

太ももの肉離れの重症度について、解説します。

Ⅰ型(軽症)

項目 状態 具体例
違和感 軽度の違和感 階段の昇り降りで多少の違和感が程度、日常生活での動作に支障は少ない
腫れ わずかな腫れ 患部を触ると、少し腫れているのがわかる程度
内出血 軽度の内出血 患部に薄い青あざが見られる程度
筋肉の状態 筋肉の損傷は軽微 筋肉の機能はほぼ正常、軽いストレッチで違和感がある
日常生活への影響 ほとんどなし 日常生活に支障はないが、運動は制限される
治療 安静、冷却、圧迫 数日から一週間程度の安静で回復が見込まれる

Ⅰ型(軽症)の段階では、日常生活に大きな支障はないものの、運動の制限が必要です。

症状としては、患部に軽い違和感や、わずかな腫れがあります。

内出血も軽度であり、安静や冷却を適切に行えば、一週間程度で回復が見込めます。

以下の記事では、肉離れが軽度の場合について詳しく解説しています。

Ⅱ型(中等症)

項目 状態 具体例
違和感 強いの違和感 歩行時に強い違和感があり、足を引きずる必要がある
腫れ 明らかな腫れ 患部が大きく腫れ上がり、触ると熱を持っている
内出血 広範囲の内出血 患部に広範囲にわたって青黒い変色が見られる
筋肉の状態 筋肉の損傷が広範囲に及ぶ 筋肉の機能が低下し、力を入れることが困難
日常生活への影響 日常生活に支障が出る 普段の動作が制限され、安静が必要
治療 安静、冷却、圧迫、医療機関での治療 一週間以上の安静と、医療機関でのリハビリが必要になる場合がある

Ⅱ型(中等症)では、筋繊維の部分的な断裂を伴い、日常生活にも支障をきたします。目立つ腫れが現れ、内出血も広範囲です。

Ⅱ型(中等症)の段階では、筋肉を伸ばしたり縮めたりする運動を行うと、強い違和感があります。

そのため、一週間以上の安静と、医師の指示に従ったリハビリテーションが必要です。

また、Ⅱ型(中等症)は適切な治療を行わないと後遺症が出る可能性があるので、医療機関を受診しましょう。

Ⅲ型(重症)

項目 状態 具体例
違和感 激しい違和感 患部に触れることすら困難なほどの激しい違和感
腫れ 広範囲の著しい腫れ 患部全体が大きく腫れ上がり、変形しているように見える
内出血 広範囲の著しい内出血 患部全体が青黒く変色し、皮下出血が広範囲に及ぶ
筋肉の状態 筋肉の完全断裂 筋肉に明らかなへこみや断裂が見られ、力を入れることが不可能
日常生活への影響 歩行不能 足に体重をかけられず、自力での歩行が不可能
治療 手術の検討が必要 手術による筋肉の修復が必要な場合や、長期のリハビリが必要

Ⅲ型(重症)まで進行すると、激しい違和感や著しい腫れ、内出血を引き起こし、私生活にも大きな支障をきたします。

医療機関の受診だけでなく、症状の進行によっては手術の検討が必要です。また、手術後は医師の指導のもと、長期のリハビリが必要になります。

【チェックリスト】1つでも当てはまったら太ももの肉離れを疑おう!

項目
運動中または運動後に太ももに急激な違和感を感じる ダッシュ中に「ピキッ」と音がした、運動後に太ももに急な違和感が走る
太ももの特定の部分を押すと違和感を感じる 太ももの裏側を押すと、ズキッとした違和感がある
太ももに腫れや熱感がある 太ももがいつもより太く感じる、触ると熱がある
「ブチッ」や「バチッ」のような断裂音や感覚があった 運動中に太ももで音がした、何か切れたような感覚があった
太ももに内出血(青あざ)がある 太ももの裏側に青黒いあざができている
太ももの筋肉にへこみや硬い部分がある 太ももの筋肉にへこんだ部分がある、触ると硬いしこりのようなものがある
股関節を伸ばすと違和感を感じる 太ももの前側を伸ばすと、太ももの裏側に違和感がある
歩行や階段の昇り降りがいつも以上に辛い 階段を一段上がるのも辛い、歩くのが困難
安静にしていても、太ももに違和感を感じる 寝ていても太ももがズキズキ痛む
過去に同じ部位で肉離れを起こしたことがある 以前肉離れしたところが、再発した

これから紹介する肉離れのチェックリストに1つでも当てはまった場合、太ももの肉離れを疑いましょう。肉離れの早期回復は早期発見が大切です。

太ももの肉離れの症状がわかるチェックリストを紹介します。

運動中または運動後に太ももに急激な違和感を感じる

肉離れは筋肉にストレスや負担がかかることで、違和感を引き起こします。

運動中または、運動後に太ももに普段は感じない、急激な違和感を覚えた場合は肉離れの症状を疑いましょう。

太ももの特定の部分を押すと違和感を感じる

肉離れを起こした筋肉は、炎症を引き起こします。

炎症や断裂、腫れなどが発症し、その部分を押すと違和感があります。

太ももを押したときの違和感は、肉離れを疑いましょう。

太ももに腫れや熱感がある

太ももに腫れや熱感が現れるのも、肉離れの特徴です。肉離れは、筋肉の繊維が部分的または完全に断裂し、発症します。

断裂を引き起こすと、身体は自然治癒を促すために炎症反応を起こし、皮膚に熱感が現れます。

違和感のある箇所だけが、熱感を持つ場合、肉離れの症状を疑いましょう。

「ブチッ」や「バチッ」のような断裂音や感覚があった

肉離れを起こすと、普段耳にしない「ブチッ」や「バチッ」のような異音がします。必ず音が鳴るわけではありませんが、この断裂音は筋膜や筋線維が損傷、断裂した際に起こる音であり、強い違和感に襲われます。

断裂音や違和感が発生した場合は、すぐに運動を中止し、応急処置を行なった後、医療機関を受診しましょう。

太ももに内出血(青あざ)がある

太ももが損傷を起こすと、内出血(青あざ)の症状が現れます。

筋肉が急な力で引き伸ばされ、部分的に断裂すると、筋肉内の毛細血管が損傷します。

症状が軽度であれば、内出血が目立つことはありません。しかし重度の場合、広範囲に渡り、内出血(青あざ)ができます。(文献5

太ももの筋肉にへこみや硬い部分がある

肉離れを起こした箇所の損傷が大きいと、断裂した部分がへこんで見えることがあります。

へこんで見える理由は、筋肉の修復過程で線維化(せんいか)が起こり、結合組織が硬直するためです。

筋肉にへこみがある状態を放置すると、筋肉の柔軟性が低下し、再発する恐れがあります。

股を伸ばすと違和感を感じる

太ももの肉離れが起こると、股を伸ばすと違和感があります。

股関節に違和感が生じるのは、損傷した筋肉が伸張されるためです。

股を伸ばした際に違和感がある場合は、無理に運動やストレッチをせず、安静などの適切な処置を行いましょう。

歩行や階段の昇り降りがいつも以上に辛い

歩行や階段の上り下りは、症状が太ももに顕著に現れます。

肉離れの症状を抱えた状態で、歩行や階段の上り下りを無理して続けることで、筋肉への違和感が増し、重症化する恐れがあります。

歩行や階段で問題なくとも、違和感があれば安静・治療を優先しましょう。

安静にしていても、太ももに違和感を感じる

原因 状態 具体例
瘢痕組織の形成 筋肉の修復過程で、柔軟性の低い瘢痕組織が形成される 長時間座った後に立ち上がると、太ももの裏側がつっぱる、以前のようにスムーズに足が上がらない
神経の過敏化 損傷部位周辺の神経が過敏になり、わずかな刺激でも違和感がある 寝返りを打つときや、太ももに軽く触れただけで、ピリッとした違和感がある
炎症の持続 筋肉の損傷部位で炎症が完全に治まらず、違和感が続く 安静にしていても、太ももの奥の方がズキズキする、患部が熱っぽく感じる

太ももの肉離れは、安静にしていても、違和感が改善されないことがあります。

肉離れで起きた筋肉の損傷や、炎症が治るまでに時間がかかります。

しかし、時間が経過しても違和感が改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。

過去に同じ部位で肉離れを起こしたことがある

原因 状態 対策
筋肉の柔軟性低下 損傷部位の筋繊維が修復されても、元の柔軟性に戻らない 回復後も継続的なストレッチで柔軟性を維持する
筋力の低下 安静期間中に筋肉が弱まり、運動再開時に負荷が集中する リハビリで段階的に筋力を回復させ、運動再開後も筋力トレーニングを継続する
不完全な回復での復帰 違和感が残ったまま運動を再開し、筋肉の耐久力が十分に戻っていない 回復後もリハビリを継続し、筋肉の状態を十分に整えてから運動を再開する

肉離れは再発しやすい症状です。一度肉離れを引き起こすと、筋肉が損傷した部分を補うために瘢痕組織(はんこんそしき)が形成されます。

この組織は元の筋肉組織に比べて、柔軟性が低いため、再び同じ部位に負荷がかかると損傷しやすいのが特徴です。

肉離れ後は、安静期間で筋肉が弱まり、回復後も耐久力が低下するため、再発する恐れがあります。

太ももの肉離れを起こしたときの対処法

対処法 内容 目的
RICE処置 安静(Rest)冷却(Ice)圧迫(Compression)挙上(Elevation) 炎症と腫れを抑え、症状を軽減する
リハビリテーション 専門家(医師や理学療法士)の指導の下、ストレッチや筋力トレーニングを行う 筋肉の柔軟性と筋力を回復させ、再発を予防する
再生医療(PRP療法) 自身の血液から抽出したPRP(多血小板血漿)を患部に注入し、組織の修復を促進する 自然治癒力を高め、回復を早める

太ももの肉離れは、適切な対処を早期に実施しましょう。

肉離れを起こしたときの対処法について解説します。

以下の記事では、肉離れが全治するまでの期間を詳しく解説しています。

RICE処置

項目 内容 理由 具体例
Rest(安静) 太ももを動かさないようにし、安静に保つ 損傷した筋肉の回復を促し、悪化を防ぐ 横になって足を高く上げる、松葉杖を使う
Icing(冷却) 患部を氷や冷却パックで15~20分冷やし、数時間おきに繰り返す 炎症と腫れを抑え、症状を軽減する 冷凍した保冷剤や氷嚢をタオルで包み、患部に当てる
Compression(圧迫) 弾性包帯などで患部を圧迫し、腫れを防ぐ 内出血と腫れを抑制する 太もも全体を覆うように弾性包帯を巻く(締めすぎに注意)
Elevation(挙上) 患部を心臓より高い位置に保ち、腫れを軽減する 重力により腫れや内出血を抑制する クッションや椅子を使って太ももを高く上げる

太ももの肉離れの応急処置として、最初に行われるのがRICE処置です。

RICE処置では、Rest(安静)→Icing(冷却)→Compression(圧迫)→Elevation(挙上)の流れで応急処置を進めます。

RICE処置はあくまで、応急処置のため、対応後は早急に医療機関を受診しましょう。

以下の記事では、肉離れの応急処置について詳しく解説しています。

リハビリテーション

目的 内容 期間
筋肉の修復促進 ストレッチ、軽い運動 回復期(受傷後1週間~数週間)
筋力低下の防止・回復 段階的な筋力トレーニング 回復期、スポーツ復帰期
再発予防 正しい体の使い方、運動方法の習得 スポーツ復帰期

肉離れを起こした後は、医師の指導のもと、リハビリを開始します。

リハビリでは、筋力が衰えないようにストレッチや、軽い運動からスタートし、段階的にトレーニングを行います。

リハビリは無理せず、違和感があれば中止し、医師に相談しましょう。

以下の記事では、肉離れのストレッチについて詳しく解説しています。

再生医療(PRP療法)

再生医療(PRP療法)は自身の血液から抽出した、PRP(多血小板血漿)を活用し、太ももの肉離れで発生した組織の損傷に回復を促す治療法です。

PRP(多血小板血漿)に含まれる抗炎症作用は、炎症を抑制し、機能回復の向上を促進させます。

自身の血液を使用するため、アレルギー反応や感染症のリスクが低いのも利点です。

手術や長期リハビリに抵抗がある方には、再生医療(PRP療法)が有効です。

以下の記事では、再生医療(PRP療法)のメリット・デメリットを詳しく解説しています。

\クリック \タップで電話できます/

電話をかける

太ももの肉離れを疑う際は医療機関を受診しよう

太ももの肉離れが疑われる場合は、医療機関を受診しましょう。肉離れは早期発見が大切です。

また、太ももの肉離れをなるべく早く改善したい方は、再生医療を検討いただければと思います。

再生医療であれば、手術を必要とせず、太ももを始めとした肉離れの症状に、患者様自身から採取した血液『多血小板血漿(Platelet-Rich Plasma:PRP)』を抽出し、症状の回復を促します。

太ももの肉離れにお悩みの方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にて、当院へお気軽にご相談にお問い合わせください。

\まずは当院にお問い合わせください/

参考文献

(文献1)

奥脇 透.「肉離れの診断と治療」『第26回 日本臨床スポーツ医学会 学術集会』pp.1-3.2016年

https://www.rinspo.jp/journal/2010/files/24-3/331-333.pdf(最終アクセス:2025年3月17年)

(文献2) 久保田喬之,兵頭甲子太郎「運動後の筋疲労回復処置がストレスマーカーに及ぼす影響」『理学療法―臨床・研究・教育』, pp.1-3, 2014年

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ptcse/21/1/21_56/_pdf/-char/ja(最終アクセス:2025年3月17年)

(文献3)

「5.肉離れ」『スポーツ損傷シリーズ』pp.1-2

https://jsoa.or.jp/content/images/2023/05/s05.pdf最終アクセス:2025年3月17年)

(文献4)

栄養コンサルタント社(NCco.)「炎症について最もわかりやすい解説」日本ビューティーヘルス協会,2022年4月18日

https://eiyo-c.com/ensho/(最終アクセス:2025年3月17年)

(文献5)

公益社団法人日本整形外科学会「症状・病気をしらべる」公益社団法人日本整形外科学会.

https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/pulled_muscle.html(最終アクセス:2025年3月17年)

監修者

坂本 貞範(医療法人美喜有会 理事長)

坂本 貞範 (医療法人美喜有会 理事長)

Sadanori Sakamoto

再生医療抗加齢学会 理事

再生医療の可能性に確信をもって治療をおこなう。

「できなくなったことを、再びできるように」を信条に
患者の笑顔を守り続ける。

イメージ画像トップ