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神経障害性疼痛薬の一覧|神経痛の第一選択薬と市販薬で治らない理由を解説

神経障害性疼痛薬
公開日: 2025.04.30 更新日: 2026.10.05

「神経障害性疼痛の薬はどのようなものがある?」

「神経痛に有効な市販薬はある?」

つらい神経障害性疼痛の症状をコントロールするための薬について、上記のような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

神経障害性疼痛の治療では、まずプレガバリン、ミロガバリン、デュロキセチン、三環系抗うつ薬のいずれかが第一選択薬として使われます(文献1)。市販の痛み止めや漢方薬は、この第一選択薬の代わりにはなりません。

痛みの原因が神経そのものにあり、炎症を抑えるタイプの市販薬では届きにくいためです。

本記事では、神経障害性疼痛薬について以下を解説します。

\リペアセルクリニック坂本理事長のコメント/

坂本 貞範
坂本 貞範
再生医療は、患者様ご自身の細胞や血液を用いる治療法です。症状や状態によって適応は異なり、効果には個人差があります。適応があるかどうかを含めて、医師とご相談のうえ検討することが大切です。

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目次

神経障害性疼痛とは|神経障害性疼痛薬が必要になる痛み

神経障害性疼痛とは、神経そのものの損傷や機能の異常によって起こる慢性的な痛みです(文献2)。

項目 内容
症状の特徴 焼けるような感覚、刺すような感覚、電気が走るような感覚、触れただけで激しい痛みを感じる(アロディニア)など
原因 脊髄損傷や脳卒中などの中枢神経の障害、糖尿病や帯状疱疹による末梢神経の損傷、手術や外傷による神経損傷など
種類 脳や脊髄などの中枢神経の障害、末梢神経の障害など
薬の考え方 炎症を抑える一般的な痛み止めではなく、神経の興奮や痛みの伝わり方に働く薬を使う

けがや炎症による痛みと違い、神経障害性疼痛では傷が治ったあとも痛みが続くことがあります。原因は糖尿病、帯状疱疹、椎間板ヘルニア、多発性硬化症などさまざまです(文献3)。

灼熱感、刺すような痛み、しびれ、知覚過敏などが現れるため、市販の薬では効果が薄く、治療には専門的な薬の処方が必要です。

神経障害性疼痛の症状は多岐にわたる上に、脳卒中などの重大な病気のサインである可能性も高いため、少しでも異変を覚えたら、早めに医療機関を受診しましょう。

なお、触れただけで痛むアロディニアについては「アロディニアとは」で、しびれを伴う末梢神経障害については「末梢神経障害の症状」で詳しく解説しています。

どの診療科にかかればよいか迷う場合は「神経痛は何科にいけばいい?」もあわせてご覧ください。

神経障害性疼痛薬の一覧|第一選択薬から第三選択薬まで

神経障害性疼痛の薬は、効果と安全性の根拠にもとづいて第一選択薬から第三選択薬まで順位づけされています(文献1)。順位は日本ペインクリニック学会の神経障害性疼痛薬物療法ガイドラインで示されています(文献4)。

項目 薬剤の分類 主な薬剤名
第一選択薬 Caチャネルα2δリガンド プレガバリン(リリカ)、ミロガバリン(タリージェ)
第一選択薬 SNRI デュロキセチン(サインバルタ)
第一選択薬 三環系抗うつ薬 アミトリプチリン(トリプタノール)、ノルトリプチリンなど
第二選択薬 ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液 ノイロトロピン
第二選択薬 弱オピオイド トラマドール(トラマール、トラムセット)
第三選択薬 オピオイド鎮痛薬 フェンタニル、モルヒネなど
特定の病態に使う薬 抗てんかん薬 カルバマゼピン(テグレトール)※三叉神経痛の第一選択薬

順位は「強さ」ではなく、効果と副作用のバランスを踏まえた使う順番です。第一選択薬から始めて、効果が十分でない場合や副作用が出た場合に次の薬へ移ります。

痛み止め全体の強さの目安を知りたい方は「痛み止めの強さ一覧」もあわせてご覧ください。

以下はすべて医療機関で処方される薬剤です。薬剤は医師の指示に従い、服用するようにしましょう。

各薬剤の特徴・効果・副作用について解説します。

プレガバリン(リリカ)

プレガバリンは、神経の過剰な興奮を抑えて痛みを和らげる第一選択薬です。厚生労働省の慢性疼痛治療ガイドラインでは、神経障害性疼痛全般に対して「使用することを強く推奨する」と位置づけられています(文献1)。

項目 内容
薬剤の特徴 神経の過剰な興奮を抑制
効果 持続する神経の痛みの軽減、睡眠の質の改善
副作用 眠気、めまい、ふらつき、体重増加など
服用時の注意点 医師の指示に従って適切に服用し、自己判断による中止や用量変更は行わない

主に糖尿病性神経障害や帯状疱疹後神経痛の治療に使用されます。副作用としては眠気やめまい、ふらつきが起こる可能性があるため、医師の指示に従い適切に服用しましょう。

プレガバリンの詳しい内容は「リリカ(プレガバリン)とは」で解説しています。

ミロガバリン(タリージェ)

ミロガバリンは、プレガバリンと同じ仕組みで働く比較的新しい第一選択薬です。電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニットに結合し、痛みの信号が過剰に伝わるのを抑えます(文献5)。

項目 内容
薬剤の特徴 カルシウムチャネルのα2δサブユニットに結合し、神経の過剰な興奮を抑制
効果 神経障害性疼痛の軽減
副作用 眠気、めまい、体重増加、浮腫など
服用時の注意点 少量から始めて段階的に増やす。自己判断での中止や用量変更は行わない

日本では当初、末梢性神経障害性疼痛を適応症として承認されました(文献5)。現在は、中枢性を含む神経障害性疼痛全般が承認された効能・効果になっています(文献11)。

プレガバリンとの違いや、副作用が心配な方向けの解説は以下の記事にまとめています。

デュロキセチン(サインバルタ)

デュロキセチンは、脳から脊髄へ向かう痛みを抑える仕組みを働かせる第一選択薬です。セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)と呼ばれる抗うつ薬の一種で、気分の調整だけでなく痛みにも用いられます。

項目 内容
薬剤の特徴 セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)に分類される抗うつ薬
効果 痛みの伝達を抑える下行性疼痛抑制系を活性化し、神経の過敏な状態を和らげる
副作用 吐き気、口の渇き、眠気、めまい、便秘、食欲低下など。服用初期に副作用が現れやすいため注意が必要
服用時の注意点 抗うつ薬としての作用もあるため、急な中止は避ける。医師の指示に従って、用量を段階的に調整する

国内で承認されている痛みに関する効能・効果は、糖尿病性神経障害に伴う疼痛、線維筋痛症に伴う疼痛、慢性腰痛症に伴う疼痛、変形性関節症に伴う疼痛です(文献10)。学会のガイドラインで第一選択薬とされている範囲と、承認されている範囲は必ずしも一致しません(文献1)。

服用初期に副作用(吐き気や口の渇き、眠気など)が現れる可能性があるため、医師の指示に従い用量を段階的に調整しながら服用しましょう。

デュロキセチンの詳しい内容は「サインバルタ(デュロキセチン)とは」で解説しています。

三環系抗うつ薬(アミトリプチリンなど)

三環系抗うつ薬は、古くから神経障害性疼痛に使われてきた第一選択薬です。デュロキセチンと同じく、痛みを抑える神経の働きを強めます。

項目 内容
薬剤の特徴 セロトニンおよびノルアドレナリンの再取り込みを阻害する
効果 下行性疼痛抑制系を活性化し、痛みの伝達を抑える
副作用 眠気、口渇、便秘、排尿困難、起立性低血圧、体重増加など
服用時の注意点 眠気などの副作用が出やすいため、少量から使用し、医師の指導のもとで用量調整を行うこと

主にうつ病の治療薬として用いられますが、神経の痛みを和らげる目的でも処方されます。

眠気などの副作用が出やすいため、医師の指導のもと少量から使用し、自己判断での用量調整は行わないようにしましょう。

ノイロトロピン

ノイロトロピンは、第二選択薬に位置づけられている薬です。厚生労働省の慢性疼痛治療ガイドラインでは、日本ペインクリニック学会のガイドラインにおいて第二選択薬とされていることが示されています(文献1)。

項目 内容
薬剤の特徴 ワクシニアウイルスを接種した家兎の炎症皮膚から抽出した成分を用いた薬剤
効果 痛みを抑える神経の働きに作用し、帯状疱疹後神経痛などの痛みを和らげる
副作用 発疹、かゆみ、吐き気、眠気など。比較的少ないとされる
服用時の注意点 効果の現れ方には個人差があるため、一定期間続けたうえで医師と継続を相談する

眠気やめまいが出にくい点から、第一選択薬の副作用が強く出た方や、高齢の方に選ばれることがあります。

詳しい内容と、リリカとの違いは以下の記事にまとめています。

トラマドール(トラマール・トラムセット)

トラマドールは、第二選択薬に位置づけられる弱オピオイド鎮痛薬です。第一選択薬で痛みが十分に和らがない場合に検討されます。

項目 内容
薬剤の特徴 オピオイド系鎮痛薬の一種であり、中枢神経に作用する
効果 μオピオイド受容体への結合による鎮痛作用と、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害による痛みの抑制
副作用 吐き気、便秘、眠気、めまい、発汗、依存性のリスクなど。高用量や長期使用では注意が必要
服用時の注意点 オピオイドとしての特性を持つため、依存や副作用への十分な注意が必要

トラマドールは、オピオイド受容体への作用とセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害作用という2つの仕組みで痛みを和らげます(文献6)。

吐き気や依存性のリスクがあるため、医師の診断のもと服薬するのが基本です。

トラマール・トラムセットの詳しい内容と、リリカとの併用については以下の記事で解説しています。

カルバマゼピン(テグレトール)

カルバマゼピンは、三叉神経痛の第一選択薬とされている抗てんかん薬です(文献7)。他の神経障害性疼痛に広く使われる薬ではなく、発作のように走る痛みに対して用いられます。

項目 内容
薬剤の特徴 主に三叉神経痛などの発作性神経痛に用いる
効果 発作性の激しい神経の痛み(とくに三叉神経痛)の抑制
副作用 眠気、めまい、ふらつき、吐き気、肝機能障害、低ナトリウム血症、皮疹など
服用時の注意点 効果と副作用のバランスに注意。とくに高用量時や併用薬がある場合は、医師の指導のもと慎重な管理が求められる

カルバマゼピンは、神経細胞のナトリウムチャネル(細胞膜に存在する膜タンパク質)を遮断し、神経の過剰な興奮を抑制します。

三叉神経痛のような発作性の激しい痛みに用いられるのは、このナトリウムチャネル遮断作用が異常な神経の興奮を鎮めるためです。

カルバマゼピンの服用には、医師の指導のもと慎重な管理が求められます。

詳しい内容は以下の記事で解説しています。

神経障害性疼痛薬の飲み方と効き始めるまでの目安

神経障害性疼痛薬は、飲んですぐに痛みが消える薬ではありません。少量から始めて、効果と副作用を確かめながら段階的に量を調整していきます(文献6)。

項目 考え方
飲み始め 少量から開始する。眠気やめまいが出やすいため、いきなり多い量は使わない
量の調整 効果と副作用をみながら段階的に増やす。自己判断で増減しない
効果の判定 一定期間続けたうえで、痛みと生活への支障の変化を医師と確認する
効かないとき 別の薬に変える、併用する、薬以外の治療を組み合わせるなどを検討する
やめるとき 自己判断で急にやめない。とくに抗うつ薬は医師の指示に従って減らす

治療の目標は、痛みをゼロにすることではなく、痛みで妨げられていた睡眠や生活動作を取り戻すことに置かれます。痛みが完全に消えないからといって、その薬が効いていないとは限りません。

眠気やめまいが出ることがあるため、車の運転や高所での作業については、飲み始めの時期に医師へ確認しておくと安心です。

薬を飲み続ける期間の考え方

神経障害性疼痛薬を飲む期間は、原因や症状の経過によって異なります。痛みが落ち着けば減らしていくこともあれば、長く続けることもあります(文献8)。

大切なのは、漫然と飲み続けないことと、自己判断で急にやめないことです。定期的に受診し、今の量が適切かどうかを医師と確認しましょう。

とくに三環系抗うつ薬やデュロキセチンは、急に中止すると体調を崩すことがあるため、減らし方も医師の指示に従ってください。

神経障害性疼痛薬の代わりに市販薬や漢方薬は使えない

市販の鎮痛薬や漢方薬は、神経障害性疼痛薬の代わりにはなりません。神経そのものの損傷や機能異常が原因のため、炎症を抑えるタイプの薬では届きにくいからです。

市販の鎮痛薬(NSAIDsなど)は、一時的な症状緩和に役立つ場合もありますが、効果は限定的です。

厚生労働省の慢性疼痛治療ガイドラインでは、慢性疼痛には薬物療法だけでなく、心理的アプローチやリハビリテーションなどの治療法を組み合わせることの重要性が述べられています(文献1)。

以下の記事では痛み止めの強さを一覧で紹介しています。市販の鎮痛薬の効果は一時的なものであることを念頭に入れた上でお読みいただければ幸いです。

神経痛に市販の痛み止めが効かない理由

市販の痛み止めの多くは、炎症によって作られる物質を抑える薬だからです。打撲や捻挫のように炎症が原因の痛みには働きますが、神経そのものが傷ついて起こる神経痛には届きにくくなります。

神経障害性疼痛では、痛みを伝える神経が過敏になっていたり、痛みを抑える仕組みがうまく働かなくなっていたりします。そのため、神経の興奮を抑える薬や、痛みを抑える神経の働きを強める薬が使われます(文献9)。

ドラッグストアで手に入るビタミンB12製剤や漢方薬も、第一選択薬の代わりにはなりません。しびれや神経痛が続く場合は、市販薬で様子を見るより医療機関で原因を調べることが優先されます。

坐骨神経痛や帯状疱疹後神経痛など、痛みの原因がはっきりしている場合は、原因ごとの解説もあわせてご覧ください。

神経障害性疼痛薬を服用するときの注意点

神経障害性疼痛薬を服用するうえで、押さえておきたい注意点は次の4つです。

項目 内容
診察時に症状について正確に伝える 痛みの種類・部位・強さを具体的に伝える
服薬管理と副作用を理解しておく 飲み忘れを防ぐ工夫をし、体調の変化を記録しておく
身体に異常が出た場合は薬の使用を中止する 発疹やめまい、息苦しさなどがあればすぐ医師に相談する
神経障害性疼痛薬だけに頼らない 薬以外の治療も組み合わせて検討する

神経障害性疼痛薬には副作用があるため、これから紹介する注意点を守りながら服用しましょう。

診察時に症状について正確に伝える

神経障害性疼痛の症状を正確に伝えることで、適切な治療を受けやすくなります。医師は伝えられた情報をもとに、原因となる神経の部位を推定し、症状にあった薬剤を選びます。

項目 医師が得られる情報 治療への影響
痛みの種類 痛みの特徴を把握し、原因となる神経の損傷部位を推定 より適切な診断と、原因に応じた治療計画の策定
痛みの部位 痛みの原因となる神経の損傷部位を推定 原因に応じた適切な薬剤の選択
痛みの強さ 治療効果の評価、投与量の調整 治療効果の最大化、副作用の最小化
症状の頻度 治療計画の策定、投与量の調整 患者の生活リズムに合わせた治療計画の策定
症状の変化 治療効果の評価、投与量の調整、生活指導 より効果的な治療の継続、症状の改善
痛みに伴う症状 症状の原因となる神経の損傷部位や程度を把握 原因に応じた適切な治療計画の策定
飲んでいる薬、アレルギー、既往歴 薬剤の選択、副作用のリスク評価 安全な薬剤の選択、副作用の予防
治療への希望や不安 患者の意向を考慮した治療計画の策定、精神的なサポート 患者が納得できる治療の提供

少しでも気になったことは隠さずに伝えましょう。

また薬剤の服用後は、副作用の有無や変化を伝えることで、より効果的な改善が望みやすくなります。適切な治療を受けるためにも、症状を詳しく伝えることを意識しましょう。

服薬管理と副作用を理解しておく

神経障害性疼痛薬の服用では、服薬管理と副作用の理解を深めることが大切です。薬は医師の指示通りに正しく服用し、飲み忘れを防ぐ工夫や服薬の記録をつけましょう。

項目 内容
服薬管理の徹底 薬は医師の指示どおりに正しく服用、飲み忘れ防止の工夫、服薬の記録をつけておく
副作用への対応 副作用(眠気、めまい、ふらつきなど)を事前に確認、体調の変化があればすぐ医師に相談、副作用を記録しておく
医師との情報共有 症状の変化や副作用を正確に伝える、生活習慣も治療に影響するため共有しておく
治療への姿勢 治療目標を医師と共有し前向きに取り組む、セルフケア(ストレッチ、リラックスなど)も積極的に実践

神経障害性疼痛薬は副作用が出る可能性もあるので、体調の変化に注意し、少しでも気になる症状があればすぐに医師へ相談しましょう。

症状の変化や生活習慣についても医師と共有し、治療目標に向けて前向きに取り組むことで、症状の改善につながります。

身体に異常が出た場合は薬の使用を中止する

神経障害性疼痛の薬を使用した際に、発疹やめまい、息苦しさなど身体に異常を感じた場合は、すぐに医師に相談し、指示に従って服用を中止しましょう。

項目 内容
重大な副作用の回避 異常に気づいたらすぐに医療機関を受診し、医師の指示に従って服用を中止する
副作用に対しての心得 異変があった場合はすぐに医師へ相談し、指示に従って使用を中止する
適切な治療の継続 副作用が出た場合でも、医師に相談し、薬の種類や量の調整を行えば、適切な治療を継続できる可能性がある

まれに重い副作用が出ることがあり、早い段階で異変に気づくことで、重症化を防げます。

自己判断で薬を飲み続けることは危険ではあるものの、逆に勝手に中止するのも症状の悪化につながる可能性があります。異常があれば中止と相談を徹底し、適切な治療を続けることが大切です。

神経障害性疼痛薬だけに頼らない

神経障害性疼痛は神経の損傷や機能異常による複雑な痛みであり、薬だけで痛みが十分に和らがない場合があります。

神経障害性疼痛薬は症状を緩和する役割がある一方、副作用のリスクや効果には個人差があります(文献1)。

心理療法、神経ブロック療法、再生医療など、他の治療法と組み合わせることで、症状の緩和だけでなく、機能回復や生活の質の向上も期待できるでしょう。

このうち再生医療は、患者様ご自身の細胞や血液を用いる治療法です。適応があるかどうかを含めて、医師とご相談のうえ検討することが大切です。

当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療に関する情報をチェックできます。登録後にお届けする「再生医療ガイドブック」で再生医療がどのような治療法かを知ることができ、LINEからのお問い合わせも可能です。

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神経障害性疼痛薬以外の治療法

薬だけで痛みが十分に和らがない場合は、以下の治療法を組み合わせることがあります。

項目 内容 期待できること 注意点
神経ブロック療法 痛みの原因となる神経に局所麻酔薬などを注射し、一時的に症状を和らげる 症状の緩和など 効果が一時的な場合もある
理学療法 専門家の指導のもとでストレッチや運動を行い、身体の機能を改善させる 筋力・柔軟性の回復、こわばりの軽減など 無理に動かすと症状が悪化する可能性があるため、医師の指導に従う
手術療法 圧迫されている神経の解放や、異常な神経の伝達を遮断するための手術 症状の原因への対応 手術後の回復などの兼ね合いから、慎重な判断が必要
再生医療 ご自身の細胞や血液を用いる治療法 適応や効果には個人差がある 取り扱っている医療機関が限られているため、事前に相談する必要がある

それぞれの治療法について解説します。

神経ブロック療法

神経ブロック療法は、痛みを伝える神経に麻酔薬などを注射し、伝達を遮断することで症状を和らげる治療法です。硬膜外ブロックやトリガーポイント注射など、症状や部位によってさまざまな方法があります。

項目 注入部位 適応疾患
硬膜外ブロック 脊髄を覆う硬膜の外側 腰痛、坐骨神経痛、帯状疱疹後神経痛など
神経根ブロック 脊髄から枝分かれした神経根の近く 椎間板ヘルニアによる神経根痛など
末梢神経ブロック 末梢神経 手足の神経痛など
星状神経節ブロック 首の付け根にある星状神経節 顔面痛、肩こり、頭痛など
トリガーポイント注射 筋肉のこりや痛みがあるトリガーポイント 筋筋膜性疼痛症候群など

神経ブロック療法の注意点として、効果は一時的な場合が多く、神経損傷、出血、感染などの合併症や、注射部位の痛み、腫れ、発赤、血圧低下、吐き気などの副作用が起こる可能性もあります(文献6)。

神経ブロック療法は、症状の緩和を目的とした対症療法です。そのため、原因疾患に対する治療も並行して行う必要があります。

治療内容と注意点をしっかり理解した上で、医師とよく相談して受けましょう。

首から上の痛みに用いられる星状神経節ブロックについては「星状神経節ブロックとは」で詳しく解説しています。

理学療法

理学療法では、運動やマッサージ、心理面のケアを取り入れながら、症状の緩和を目指します。

項目 内容 期待できること 注意点
運動療法 ストレッチ、運動 柔軟性向上、血行促進 痛みが出た際は中止する
物理療法 温熱、寒冷、電気刺激 痛みの緩和、炎症抑制 温度や刺激に注意
徒手療法 マッサージ、関節調整 筋肉の緊張緩和 専門技術が必要
感覚再教育 感覚刺激訓練 過敏になった感覚の改善 根気強く継続
心理療法 認知行動療法、瞑想 痛みの捉え方を改善 専門家が必要

理学療法では多様な方法で治療を行うため、患者の状態や環境に合わせて適切な方法を選ぶ必要があります(文献6)。

患者の状態に合わせつつ、個別に組み合わせることで、より高い効果が期待できる治療法です。注意点として、自己判断で行わずに医師の指示に従いながら実践しましょう。

手術療法

手術療法は、薬物療法や神経ブロック療法などで効果が不十分な場合に検討されます。脊髄や末梢神経、脳を電気で刺激するなどの方法があります。

項目 内容 適応疾患
脊髄刺激療法(SCS) 脊髄を電気刺激し、痛みの伝達を抑制 慢性腰痛、CRPS、帯状疱疹後神経痛など
脊髄後根進入部破壊術(DREZ手術) 脊髄後角の神経細胞を破壊し、痛みの伝達を遮断 三叉神経痛、腕神経叢引き抜き損傷後疼痛など
定位脳手術 痛みの伝達に関わる脳の特定部位を刺激または破壊 中枢性疼痛、三叉神経痛など
末梢神経刺激療法(PNS) 末梢神経に電気刺激を与える 特定の末梢神経が原因の神経障害性疼痛
神経剥離術 神経周囲の癒着を剥離し、神経の圧迫を解除 外傷後の神経絞扼障害など

ただし、手術には出血や感染、神経損傷といったリスクが伴う上に、術後に新たな痛みが出てくる可能性もあります(文献6)。

手術の結果には個人差があります。

手術療法を実践する場合は、医師と十分に相談し、リスクと効果を理解した上で慎重に判断しましょう。

再生医療

神経障害性疼痛に対する選択肢の一つとして、再生医療があります。

再生医療とは、患者様ご自身の細胞や血液を用いる治療法です。当院リペアセルクリニック東京院では、幹細胞治療やPRP療法を行っています。

他の治療法との違いは、以下のとおりです。

項目 薬物療法 手術療法 再生医療
身体への負担 副作用の可能性がある 切開を伴う 点滴・注射が中心(投与方法により異なる)
入院 不要 必要な場合が多い 原則不要
費用 保険適用 保険適用 自由診療(全額自己負担)

症状や状態によって適応は異なり、効果には個人差があります。適応があるかどうかを含めて、医師とご相談のうえ検討することが大切です。

【こんな方は再生医療をご検討ください】

  • 薬を続けても痛みやしびれが残っている方
  • 副作用が気になり、薬を増やしたくない方
  • できるだけ手術を避けて治療を進めたい方
  • 薬以外の選択肢も知りたい方

「どの治療が自分に合うのか分からない」という段階でも構いません。

当院リペアセルクリニックではお電話での無料相談を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

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脊髄損傷など神経の症状に対する治療内容は「脊髄損傷の再生医療」で、実際の経過は「症例紹介」でご覧いただけます。

まとめ|神経障害性疼痛薬で改善しない症状は医療機関へ

神経障害性疼痛の薬は、第一選択薬であるプレガバリン、ミロガバリン、デュロキセチン、三環系抗うつ薬から始め、効果と副作用をみながら調整していきます(文献1)。

市販の痛み止めや漢方薬は、これらの代わりにはなりません。神経痛が続く場合は、市販薬で様子を見るより医療機関で原因を調べることが優先されます。

神経障害性疼痛の症状の中には、脳卒中などの中枢神経の障害や糖尿病に起因しているものもあります。

そのため、神経障害性疼痛薬で症状が改善しない場合は、重症化する前に医療機関を受診するのが大切です。

薬物療法で効果を実感できない方には、「再生医療」も選択肢の一つです。

再生医療は、患者様ご自身の細胞や血液を用いる治療法です。症状や状態によって適応は異なり、効果には個人差があります。適応があるかどうかを含めて、医師とご相談のうえ検討することが大切です。

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口コミ
 
手術では、椎間板や黄色靱帯を切り取る、骨を削ることによって、脊髄神経の通り道を広げます。
しかし、神経にアプローチする治療はいまだに幹細胞(再生医療)のみとなります。

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神経障害性疼痛薬に関するよくある質問

神経障害性疼痛の第一選択薬はどれですか?

プレガバリン、ミロガバリン、デュロキセチン、三環系抗うつ薬が第一選択薬とされています(文献1)。

ただし、三叉神経痛の場合はカルバマゼピンが第一選択薬です(文献7)。原因となっている病気や体質、他に飲んでいる薬によって選ばれる薬は変わります。

神経障害性疼痛に効く市販薬はありますか?

第一選択薬の代わりになる市販薬はありません。

市販の痛み止めの多くは炎症を抑える薬で、神経そのものの傷による痛みには届きにくいためです。しびれや神経痛が続く場合は、医療機関で原因を調べることが優先されます。

薬はいつまで飲み続ける必要がありますか?

神経障害性疼痛の症状や進行具合によって異なります。

治療が長期化する症例もあり、薬の服用を1年以上続けなければいけないケースもゼロではありません。

とはいえ、医師は症状に対して治療計画を立てるため、自己判断で薬の量を増やしたり減らしたり途中で服用をやめるのは厳禁です(文献8)。

薬をいつまで飲み続ける必要があるのか不安を抱えている方は、医師に相談しましょう。

薬を続けても痛みが残っている方は、再生医療も選択肢の一つです。

>再生医療について解説している章を見る

薬の服用中に日常生活で注意すべきことはありますか?

日常生活に関しては、医師の指示に従いましょう。服薬管理の徹底や副作用への注意を怠らないことが大切です。

とくに飲み始めは眠気やめまいが出ることがあります。車の運転や機械の操作を伴う仕事をしている方は、事前に医師へ伝えておきましょう。

また、治療は薬だけに頼るのではなく、バランスの良い食事や十分な睡眠なども取り入れるようにしましょう。

神経障害性疼痛の薬が効かない場合はどうすれば良いですか?

医師に相談し、指示に従いましょう。

薬の変更や併用、神経ブロック療法など薬以外の治療を提案される場合があります。処方期間に感じた疑問や悩みを正直に伝えましょう。

神経障害性疼痛は自然に治りますか?

原因によって経過は異なります。

神経の損傷が回復するにつれて痛みが和らぐこともあれば、傷が治ったあとも痛みだけが続くこともあります。痛みが長引くほど治療に時間がかかることがあるため、早めに医療機関を受診してください。

リリカとタリージェはどちらを使いますか?

どちらも第一選択薬で、同じ仕組みで働く薬です(文献1)(文献5)。

効果の現れ方や副作用の出方には個人差があるため、一方で眠気やめまいが強い場合にもう一方へ変更することがあります。詳しい違いは「リリカとタリージェの違い」で解説しています。

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参考文献

(文献1)

慢性疼痛治療ガイドライン|慢性疼痛治療ガイドライン作成ワーキンググループ(厚生労働省)

(文献2)

Ⅱ.神経障害性疼痛の診断と治療|日本ペインクリニック学会

(文献3)

Ⅳ.神経障害性疼痛を呈する疾患|日本ペインクリニック学会

(文献4)

治療指針・ガイドライン・ステートメント|日本ペインクリニック学会

(文献5)

ミロガバリンベシル酸塩(タリージェ®錠)の薬理学的および薬物動態学的特性と臨床試験成績|日本薬理学雑誌(日本薬理学会)

(文献6)

Ⅳ‒B 神経障害性疼痛(ペインクリニック治療指針)|日本ペインクリニック学会

(文献7)

三叉神経痛におけるカルバマゼピン療法の現状|日本ペインクリニック学会誌

(文献8)

その痛み止め,いつまで続けるか?|坪谷綾子(地域医学)

(文献9)

神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン|日本ペインクリニック学会

(文献10)

サインバルタカプセル20mg/サインバルタカプセル30mg 医療用医薬品情報|医薬品医療機器総合機構(PMDA)

(文献11)

タリージェ錠/タリージェOD錠 医療用医薬品情報|医薬品医療機器総合機構(PMDA)