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骨粗鬆症の検査方法を医師が解説|やり方や費用もあわせて紹介

骨粗鬆症 の検査
公開日: 2025.05.30 更新日: 2025.06.06

「同年代の人が骨粗鬆症で骨折して大変そう。自分は大丈夫かな?」

「骨粗鬆症の検査を受けたことがないから、何をするのかわからない」

このような不安を抱えている方もいらっしゃるでしょう。

骨粗鬆症は自覚症状がないまま進行し、気づいたときには骨が折れやすい状態になっていることもあります。

知らずにそのまま放置してしまうリスクはさらに高まり、実際に骨折して日常生活に影響を及ぼすかもしれません。

だからこそ骨粗鬆症の検査は、自身の骨の状態を知り、早めに適切な対策を始めるための一歩となります。

本記事では、骨粗鬆症の4つの検査方法や検査を受けるべき人の特徴、検査が可能な場所を解説します。

骨の健康について考えるきっかけとなれたら幸いです。

骨粗鬆症の検査方法

骨粗鬆症のおもな検査は、以下のとおりです。

  • 骨密度検査(骨量測定)
  • 血液検査・尿検査(骨代謝マーカーの検査)
  • レントゲン検査
  • 身長測定

これらの検査の結果から、骨粗鬆症の診断や治療方針の決定に必要な情報が得られます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

骨密度検査(骨量測定)

骨密度検査は、骨の中にどのくらいのミネラル成分が含まれているかを調べる検査です。

一般的に、ミネラル成分が少ないほど骨密度が低いとされ、骨がもろく骨折しやすい状態だと考えられています。

骨密度のおもな測定方法は、以下のとおりです。

骨量の測定方法

説明

使用する機械

DXA(デキサ)法

・脚の付け根と腰の骨密度を測定する

・精度が高い分、時間がかかる

レントゲン(X線)

MD法

・手の骨密度を測る

・簡単だが、精度が下がる

QUS法

・かかとの骨密度を測る

・被ばくせず簡便だが、精度の誤差が大きい

超音波

自身の希望や、医療機関によって検査方法は異なります。

たとえば「少し時間がかかってもしっかりとした検査を受けたい」といった方にはDXA法がおすすめです。一方、「まずは手軽に検査してみたい」と考える方にはQUS法が適しています。

まずは、近くの医療機関にどんな検査があるか問い合わせてみるのが良いでしょう。

血液検査・尿検査(骨代謝マーカーの検査)

血液検査や尿検査では「骨代謝マーカー」とよばれる項目を調べます。

ヒトの骨は、新しい骨が作られ、古い骨が壊されて吸収される「骨代謝」のサイクルを常にくり返しています。(文献1

骨代謝マーカーは骨の代謝の過程で出てくる物質のことで、これらの数値を調べることで骨の「壊れるスピード」と「作られるスピード」のバランスがどうなっているのかがわかるのです。

おもに以下の項目をチェックします。

骨代謝マーカーの種類

検査項目

説明

骨吸収マーカー

・TRAPC5b(酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ)

・DPD(デオキシピリジノリン)

・NTX(Ⅰ型コラーゲン架橋N-テロペプチド)

・CTX(Ⅰ型コラーゲン架橋C-テロペプチド)

・1CTP(Ⅰ型コラーゲンC末端テロペプチド)

<高い場合>

骨吸収(骨の破壊)が進んで骨密度の低下を招くリスクがある

<低い場合>

骨の代謝が低下している可能性がある

骨形成マーカー

・BAP(骨型アルカリフォスファターゼ)

・OC(オステオカルシン)

・ucOC(低カルボキシル化オステオカルシン)

・P1NP(Ⅰ型コラーゲンN-プロペプチド)

・P1CP(Ⅰ型コラーゲンC-プロペプチド)

骨吸収が起こってはじめて骨形成がはじまるため、単独で高くなることは少ない

参考:骨代謝とは|日本骨代謝学会(文献1

たとえば、骨吸収マーカーが高く、骨形成マーカーが正常である場合「骨が壊れるスピードは速くなっているのに、新しく骨が作られるスピードは普段どおり」といった状態を示しています。

つまり、骨の破壊に形成が追いつかず、骨の量が減少しやすい状況です。

骨代謝マーカーの検査は、骨の代謝のどの部分に異常があるのかを明らかにします。

それによって、将来的に骨密度がどのくらい減少しやすいのか、骨折のリスクが高いのかを評価できるのです。

レントゲン検査

レントゲン検査は、骨折や骨の変形の有無、骨の密度を確認するためにおこないます。(文献2

骨粗鬆症が進行している場合、次のような変化が画像に現れることがあります。(文献3

  • 背骨が変形している
  • 骨の中の網目模様がはっきり見えない
  • 背骨全体がいつもより黒っぽく見える

また、気づかないうちに起きている背骨の小さな骨折を発見するのにも、レントゲン検査は有効です。

たとえば高齢者では、骨粗鬆症によって軽い衝撃で背骨が折れてしまうケースが少なくありません。(文献4

こうした骨折を早期に発見し、治療や予防につなげる役割を果たすのが、レントゲン検査です。

なお、レントゲンによる被ばく線量は少なく、健康への影響もほとんどないと言われているため、過度に心配せず検査を受けてみましょう。

身長測定

身長の測定は、骨粗鬆症による背骨の圧迫骨折や変形を早期発見する手がかりになります。

とくに背骨がつぶれるように変形すると、数センチ単位で身長が縮むことも少なくありません。

いくつかの海外研究では、若いころと比較して身長の低下がある場合、背骨の骨折のリスクが高まると報告しています。(文献2

25歳頃の身長と比較してどの程度縮んでいるかの確認が、骨粗鬆症の診断に役立ちます。

【検査推奨】骨粗鬆症になりやすい人の特徴

骨粗鬆症は、以下にあてはまる方に起こりやすいと言われています。(文献5

  • 閉経後の女性
  • 高齢
  • やせ型
  • 運動不足
  • 喫煙、飲酒
  • 骨折既往歴
  • ステロイド服用歴
  • 遺伝(家族に骨粗鬆症の人がいる)

これらの項目にあてはまるようでしたら、一度、骨の健康状態について検査を受けることをおすすめします。

「自分はどうなのだろう」と少しでも不安に感じたら、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。

メール相談オンラインカウンセリングに対応しているため、来院する手間もかかりません。ぜひご活用ください。

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骨粗鬆症の検査は「整形外科」で受けるのが一般的

骨粗鬆症の検査は、整形外科で受けるのが一般的です。

整形外科は「骨の専門家」であり、検査から診断、治療までスムーズに進められるメリットがあります。

整形外科に限らず、内科や婦人科でも検査に対応している場合があります。

とくに女性ホルモンの影響が気になる方は、婦人科で相談するのも選択肢の一つです。

また、自治体によっては健康診断の一環として骨密度検診を実施していることもあり、多くは指定された医療機関や検診センターで検査を受けます。

どこで検査を受けるか迷ったら、まずはかかりつけ医に相談したり、近くの整形外科のホームページで検査の実施状況を確認してみてはいかがでしょうか。

骨粗鬆症の検査にかかる費用

骨粗鬆症の検査を医療機関で受けた場合にかかる費用の目安は、以下のとおりです。

検査の種類

費用相場

骨密度検査(DXA法)

全額自己負担:約4,500円

3割負担:約1,350円

1割負担:約450円

血液検査

全額自己負担:約1万円

3割負担:約3,000円

レントゲン検査

全額自己負担:約2,500円

3割負担:約650円

自治体の検診や健康保険組合の補助で検査を受けるときは、自己負担が無料または数百円程度と安くすむことがあります。

骨粗鬆症の検査を受けるタイミング

骨粗鬆症の検査を受けるタイミングは、以下がおすすめです。

  • 市町村の健診時期になったら
  • 40歳を超えたら
  • 関節痛・背が縮んだ感覚など気になる症状が現れたら

自身の状況と照らし合わせて、受けるタイミングを検討する参考にしてください。

市区町村の健診時期になったら

市区町村で実施される特定健診やがん検診の機会に、対象年齢に該当する場合や、追加で申し込むことで、骨粗鬆症の検査を受けられます。

骨粗鬆症の検診は、健康増進法にもとづき40歳〜70歳の女性を対象に5歳刻みの年齢でおこなわれています。文献5

自治体によっては男性も対象にしていたり、対象年齢を拡大したりしている場合もあるため、お住まいの市区町村のホームページで確認し、積極的に活用しましょう。

40歳を超えたら

骨粗鬆症は、閉経後の女性や50歳以上の高齢者に多い病気です。(文献7

「まだ若いから大丈夫」と思いがちですが、実は骨の量は20代〜30代で最大となり、その後は徐々に減少します。そのため、40歳を過ぎたら一度骨の健康状態をチェックしておくことをおすすめします。

また、男性も決して他人事ではありません。

女性と同じく、年齢を重ねるごとに骨密度が低下するリスクは高まるため、少なくとも50歳を過ぎたら一度は検査を受けておきましょう。

関節痛・背が縮んだ感覚など気になる症状が現れたら

突然の背中や腰の違和感、身長が縮んだ感覚、姿勢の変化などがあれば骨折の兆候かもしれません。

骨粗鬆症が進み、気づかぬうちに骨折していることもあるため、気になる症状が現れたら早めに医療機関で検査を受けましょう。

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骨粗鬆症の検査で「要注意」と言われたらすべきこと

骨粗鬆症の検査の結果「骨密度が少し低い」「要注意」などの診断を受けたときにすべきことは、以下のとおりです。

  • 医師の指示をもとに再検査や適切な治療を受ける
  • 骨を強くする栄養を意識した食生活に見直す
  • 運動習慣を取り入れて骨への刺激を増やす
  • 転倒を防ぐ生活環境へ整える

一つずつ見ていきましょう。

医師の指示をもとに再検査や適切な治療を受ける

検査結果について医師から詳しい説明を受け、今後の対応について相談しましょう。

必要に応じて、再検査や生活習慣の改善のアドバイスを受けたり、薬物治療を検討したりします。

「まだ大丈夫だろう」と自己判断で放置してしまうと、骨がもろくなり、骨折のリスクを高めてしまう恐れがあります。

医師の指示を守り、適切な対策を講じることが大切です。

骨を強くする栄養を意識した食生活に見直す

「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」によると、以下の3つの栄養素が骨粗鬆症の治療で重視されています。(文献2

栄養素

骨への作用

おもな食材

カルシウム

・骨の主成分となる

・骨密度を維持する

・牛乳

・チーズ

・ヨーグルト

・干しえび

ビタミンD

・カルシウムの吸収を助けて骨に定着させる

・日光を浴びると体内でもつくられる

・鮭

・サンマ

・きくらげ

・干ししいたけ

ビタミンK

・骨にカルシウムを取り込むのを助ける

・納豆

・ブロッコリー

・小松菜

・ほうれん草

参考:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン|日本骨代謝学会文献2

とくにカルシウムはビタミンDと一緒に摂ることで吸収率がアップします。

ヨーグルトにきな粉をかける、鮭ときのこを一緒に調理するのも、手軽に取り入れられるためおすすめです。

これらを取り入れた、バランスの良い食生活を心がけましょう。

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運動習慣を取り入れて骨への刺激を増やす

活発にからだを動かしている方は、骨粗鬆症による骨折が少ないとした研究結果が多く報告されています。(文献2

具体的には、以下の運動が骨密度の上昇をもたらしたとされています。(文献2

  • ウォーキング
  • ジョギング
  • ダンス
  • ジャンプ

まずは、自身に合った無理のない運動を見つけて、習慣にすることから始めてみましょう。

転倒を防ぐ生活環境へ整える

骨粗鬆症の方は骨がもろくなっているため、転倒による骨折のリスクが高まります。

日常生活の中に以下のような工夫を取り入れて、転倒を防ぎましょう。

  • 室内の段差をなくす
  • 滑りにくいマットを使用する
  • 足元が明るいように照明を工夫する
  • 階段や廊下には手すりを設置する

転倒防止が、骨折や寝たきりを防ぐ第一歩になります。

自宅内に危険な場所がないか、改めて確認してみてください。

生活習慣を見直す

喫煙や過度の飲酒は、骨折のリスクを高めることがわかっています。(文献2

ガイドラインでも、以下のように推奨されています。(文献2

  • 喫煙を始めない
  • 喫煙習慣のある方は禁煙する
  • 1日のエタノール量を24g未満とする

また、塩分やカフェインの過剰摂取もカルシウムをからだの外に出しやすくしてしまうことがわかっています。(文献9

骨の健康を守るため、これらの成分の摂りすぎには注意しましょう。

骨粗鬆症の検査で自分の骨の状態を知ろう

骨粗鬆症は静かに進行し、骨折として突然現れることがあります。

だからこそ、骨密度をはじめとする検査で、早期に骨の状態を知ることが大切です。

とくに女性や高齢の方、生活習慣に不安を感じる方には、積極的な検査をおすすめします。

「要注意」と診断された場合も、適切な食事や運動、医師との連携によって、骨の健康を維持できます。

自身の骨の状態と向き合うために、まずは検査を受けるところから始めましょう。

「自分の骨の状態は大丈夫なのかな」と不安を感じたら、当院「リペアセルクリニック」のメール相談またはオンラインカウンセリングまでお気軽にご相談ください。

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骨粗鬆症の検査についてよくある質問

骨密度の検査はどうやってやるのですか?

骨密度の検査は、骨の中にあるカルシウムをはじめとしたミネラルの量を測定し、骨の強さ(密度)を数値化するものです。

もっとも一般的なのはDXA法と呼ばれる検査で、腰の骨や太ももの骨にX線を当てて測定します。

検査時間は、準備や着替えを含めて10〜15分程度です。

ほかにも手首やかかとを使うMD法やQUS法といった簡易検査もありますが、精度はDXA法がもっとも高いと言われています。

骨密度測定は自宅でできますか?

原則として、正確な骨密度測定は医療機関でおこなう必要があります。とくに検査の精度が高いDXA法は、医療機関の専用装置が不可欠です。

家庭用の体組成計で「推定骨量」を計測できるものも存在しますが、骨密度を測定するものではありません。

手首やかかとで骨密度を測れるものも家庭用で作られていないため、自宅で骨密度測定をおこなうのは現実的ではないでしょう。

本格的な診断を希望する場合は、医療機関で検査を受けるのをおすすめします。

参考文献

(文献1)
骨代謝とは|日本骨代謝学会
https://jsbmr.umin.jp/basic/kotutaisha_ma.html

(文献2)

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン|日本骨代謝学会
https://jsbmr.umin.jp/pdf/GL2015.pdf

(文献3)

Q&A Vol.337 【どうやって見ればいい?】骨粗鬆症の画像に関するQ&A | 日本離床学会
https://www.rishou.org/for-memberships/qa/qa-vol-337#/

(文献4)

「脊椎椎体骨折」|日本整形外科学会
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/vertebral_compression_fracture.html

(文献5)

健康増進事業実施要領|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/14.pdf

(文献6)

どんな人がなりやすい|公益社団法人骨粗鬆症財団
https://www.jpof.or.jp/osteoporosis/tabid250.html

(文献7)

International Osteoporosis Foundation. Epidemiology. 
https://www.osteoporosis.foundation/health-professionals/about-osteoporosis/epidemiology

(文献8)

骨そして筋肉の健康における栄養素・非栄養素の役割 骨と栄養素の視点から|田中清ら
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs/76/5/76_283/_pdf

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