- その他、整形外科疾患
サルコペニアは若年層でもかかる可能性あり!原因と対策を医師が解説
「若くてもサルコペニアになるって本当?」と疑問をお持ちではないでしょうか。
サルコペニアは高齢者に多い疾患であり、若年層で発症するイメージが湧かない方も多いかもしれません。
しかし、サルコペニアは20〜30代の若年層でも発症リスクがあります。
サルコペニアの進行を防ぐには、早めに気づき、定期的な運動や食事の見直しなどの対策を続けることが大切です。
本記事では、若年層のサルコペニアにおける原因やチェック方法、予防策までをわかりやすく解説します。
「サルコペニアかもしれない」と気になる方は、本記事を参考に症状をチェックしてみてください。
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目次
若年層のサルコペニアの原因は「疾患」や「生活習慣」にある
前提として、若年層がサルコペニアを発症する背景には、日々の生活習慣や持病の影響が関わっているとされています。
サルコペニアは、加齢が主な原因となる「一次性」と、疾患や不活動など加齢以外の要因が関わる「二次性」の2つに分類されます。このうち二次性は年齢を問わず発症するため、若年層でも注意が必要です。
実際、10〜40代の男女773名を対象とした研究では、100名にサルコペニアの該当が認められました。(文献1)
なお、若年層でとくに気をつけたい代表的な原因は以下の3つです。
それぞれ詳しく解説します。
原因1. 疾患や長期安静による筋力低下
若年層であっても、疾患やケガによる長期安静は筋力低下を招き、二次性サルコペニアのリスクを高めます。とくに、ベッド上での安静が続くと、わずか1週間程度でも下肢を中心に筋肉量が減少すると報告されています。
若年層で注意したい主な要因は、以下のとおりです。
| 主な要因 | 具体例 |
|---|---|
| 長期の安静・不活動 | 骨折、手術後の入院、ギプス固定など |
| 慢性疾患 | 糖尿病、甲状腺機能障害、慢性炎症性疾患など |
| 低栄養 | 食欲不振、消化器疾患による吸収障害など |
病気や手術後の回復期には、医師や理学療法士の指導のもとで早期からリハビリに取り組むことが、筋力低下の予防に役立ちます。持病のある方は主治医と相談しながら、無理のない範囲で体を動かす習慣を意識してみてください。
原因2. 運動不足による筋力低下
日常的に体を動かす機会が少ないと、筋肉量は徐々に減り、サルコペニアのリスクが高まります。とくに、日頃から運動習慣がない人は注意が必要です。
以下のような生活に心当たりがある方は、日常に運動を取り入れてみてください。
- 休日は家でゆっくり過ごすことが多い
- 階段よりもエレベーターやエスカレーターを使いがち
- デスクワーク中心の仕事をしている
サルコペニアの進行による歩行困難や寝たきりを防ぐためにも、まずは「体を動かす意識」から始めることが大切です。階段を使う、少し早歩きするなど、日常の中に取り入れやすい行動から始めてみてください。
原因3. 筋肉をつくる栄養の不足
日々の偏食により栄養が不足すると、筋力の低下が進みサルコペニアのリスクが高まります。
なかでも、筋肉の材料となるたんぱく質や、筋肉の合成を助けるビタミン類が不足すると、筋力維持が難しくなります。
筋力を維持するのに必要な栄養素と、それを多く含む食品類の一例は以下のとおりです。
| 栄養素 | 豊富に含まれる食品類の例 |
|---|---|
| たんぱく質 | 卵類 肉類 豆類 |
| ビタミンD | 魚類 キノコ類 |
| ビタミンB6 | 肉類 くだもの類 |
偏食や欠食が続いているのであれば、まずはこれらの食品を1日に1食以上取り入れることから始めましょう。
若年層でもサルコペニアになりやすい人の特徴
若年層であっても、以下のような特徴がある人はサルコペニアになりやすい傾向があります。
思い当たる項目があれば、本章を参考に生活習慣を見直してみましょう。
過度な食事制限をしている人
過度な食事制限による無理なダイエットは、脂肪と同時に筋肉も減らしてしまうおそれがあります。栄養不足により筋肉の合成も滞るため、若年層であってもサルコペニアの発症リスクが高まります。
とくに若年女性のあいだでは、痩せ願望からたんぱく質やエネルギーの摂取量が不足しがちで、筋肉量が少ない傾向にあります。
なお、避けたほうがよいダイエット法の代表例は、以下のとおりです。
- 単品ダイエット
- 自己流の極端な糖質制限
- 絶食ダイエット
- 野菜や果物のみの食生活
ダイエットは栄養バランスを意識し、無理のない方法で行いましょう。ダイエット法に不安がある場合は、管理栄養士などの専門家と相談しながら自分に合ったプランを立ててみてください。
座りっぱなしの生活をしている人
長時間座りっぱなしでいると、下半身の筋肉が使われず、気づかないうちに筋力が低下してしまうことがあります。
デスクワーク中心の方や、長時間車の運転をする仕事に従事している方などはとくに注意が必要です。体を動かさない時間が長くなると筋力が衰えやすくなり、歩行困難や寝たきりの原因にもなりかねません。
こうしたリスクを防ぐためにも、長時間座り続けないようこまめに体を動かすことが大切です。「1時間に1回は立ち上がる」「階段を使用する」「短時間の散歩をする」など、日常の中で無理なくできる工夫を取り入れてみてください。
筋肉の少ない痩せ型の人
細身でも筋肉が少なく脂肪が多い「痩せ型」の人は、サルコペニア肥満のリスクがあるため注意が必要です。
「サルコペニア肥満」とは、BMIが標準または低体重でありながら体脂肪率が高い状態を指し、見た目では判断が困難です。(文献5)
見た目は細くても、筋肉量と脂肪量のバランスによっては健康リスクが隠れている場合があります。「痩せているから肥満ではない」と決めつけず、体組成計を用いて筋肉量や脂肪量をチェックし、自分の体の状態を正しく把握するようにしましょう。
サルコペニア肥満については、以下の記事で詳しく紹介しています。
若年層のサルコペニアに見られる初期症状
若年層にも見られるサルコペニアの初期症状として、以下のようなものがあります。
- ペットボトルの蓋が開けにくい
- 転びやすい
- ふくらはぎが細くなったと感じる
- 階段を登るのがつらい
- 手を使わないと立ち上がれない
こうした兆候を見過ごすと、気づいたときにはサルコペニアが進行しているケースもあるため、初期のサインを見逃さないことが大切です。
なお、初期症状を放置したまま進行すると、日常生活に支障をきたし、将来的に介護が必要な状態や寝たきりを招くおそれもあります。
ただし、他の疾患でも同様の症状が現れることがあるため、気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。
サルコペニアの初期症状については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
若年層のサルコペニアのセルフチェック方法
すぐに実践できるサルコペニアのセルフチェック方法には、以下の3つがあります。
「サルコペニアかもしれない」と感じたら、ぜひ試してみてください。
指輪っかテスト
指輪っかテストとは、ふくらはぎの太さから筋肉量を測る方法です。以下の手順で行ってみてください。(文献6)
- 両手親指と人差し指で輪をつくる
- つくった輪で、利き足と反対側のふくらはぎの一番太い部分を囲む
判定の目安は以下のとおりです。
- 指とふくらはぎの間に大きな隙間がある場合:サルコペニアのリスクが高い
- 指が届かない、またはぴったりと囲める場合:リスクは比較的低い
ただし、指輪っかテストは主に高齢者向けの簡易的なセルフチェック方法のため、若年層のサルコペニアリスクを正確に評価できるかは不明確な部分があります。気になる場合は、日頃の食事や運動習慣を見直すとともに、必要に応じて専門医に相談しましょう。
片足立ち
片足立ちできる時間の測定は、下半身の筋力やバランス能力を確認する方法です。サルコペニア専用の評価項目ではありませんが、自宅での簡単なセルフチェックに役立ちます。やり方は以下のとおりです。
- 両手を腰に当てる
- 片足立ちをして立っていられる時間をタイマーで測る
片足立ちが15秒未満しか保てない場合は、バランス能力や筋力の低下が疑われるため注意が必要です。(文献7)
また、片足立ちによるセルフチェックを行う場合は、転倒しないように壁や家具の近くで行うようにしましょう。
歩行速度
筋力が低下すると、普段の歩くスピードにも影響が出ることもあります。サルコペニアの進行により歩行速度が遅くなることは、よくある兆候のひとつです。
日常生活の中で歩行速度を確認する方法として「横断歩道を青信号のうちに渡り切れるか」を目安にするのも一つの手段です。
ただし、実際に試す場合は安全に配慮してください。
若年層のサルコペニアを予防する方法
若年層のサルコペニア予防には、以下の2つの方法が効果的です。
いずれも手軽に始められる方法なので、自分のペースで今日から少しずつ取り組んでみてください。
筋力トレーニングを定期的に行う
運動不足を自覚している場合は、まずは軽い筋力トレーニングから始めて、定期的に続けてみましょう。
若年層が手軽に始められる筋トレの一例は、以下のとおりです。
- スクワット
- プランク
- ウォーキング
- 階段の利用
これらは自宅や日常生活の中で取り入れやすく、続けると筋力維持やサルコペニア予防につながります。運動のハードルを上げすぎず、自分のペースで少しずつ習慣化することを心がけてみてください。
また、サルコペニア予防に効果的な筋力トレーニングは以下の記事にて詳しく解説しています。こちらも併せてご覧ください。
たんぱく質を積極的に摂る
サルコペニアの前兆があり、栄養不足を自覚している方は「たんぱく質」を十分に摂るよう意識しましょう。
いくら運動をしても、筋肉の材料となるたんぱく質が不足すると、筋肉はなかなかつきません。一方で、たんぱく質を十分に摂取できれば筋肉は効率よくつくられ、サルコペニアの予防にもつながります。
手軽に取り入れやすいたんぱく質が豊富な食材には、以下のようなものがあります。
- 豚肉
- 卵
- 鮭
- ほたて貝
また、食事から十分にたんぱく質を摂れない場合、プロテインやサプリメントを活用するのもひとつの方法です。日頃からたんぱく質を取り入れた栄養バランスの良い食事を心がけ、サルコペニアの予防に取り組んでみてください。
若年層のサルコペニアは早めの対策で進行を防ごう
本記事で解説したとおり、サルコペニアは若年層でも起こり得る病気です。とくに運動不足・栄養不足など生活習慣が引き金となりサルコペニアのリスクもあります。
しかし、早期発見と適切な対策により進行を遅らせることが期待できます。本記事を参考にセルフチェックを行い、生活習慣を見直して若年からサルコペニアの予防に取り組んでみてください。
筋力の低下が進むと、膝や腰などの関節に負担がかかりやすくなり、痛みや動きにくさなど別の症状が生じることもあります。
こうした症状がある場合は、早めに専門医へ相談し、適切な処置を受けましょう。
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若年層のサルコペニアに関してよくある質問
サルコペニアは何科を受診すればいいですか?
サルコペニアが疑われる場合は、整形外科やリハビリテーション科の受診が一つの目安となります。筋力や歩行機能の評価、運動指導、リハビリなどを総合的に受けられます。
受診先の選び方は、症状や背景によって以下のように検討してみてください。
| 症状・状況 | 受診の目安となる科 |
|---|---|
| 筋力低下や歩行のふらつきが気になる | 整形外科・リハビリテーション科 |
| 持病(糖尿病、甲状腺疾患など)の影響が疑われる | 内科 |
| どこを受診すべきか判断できない | かかりつけ医への相談 |
サルコペニアが疑われる場合は、気になる症状がある段階で早めに医療機関を頼ってみてください。
病院ではどんな治療をしますか?
サルコペニアの治療は、主に「運動療法」と「栄養療法」が有用であるとされており、病院でもこの2つが中心に行われます。(文献5)特効薬は存在しないため、根本的な生活習慣の改善が治療の基本です。
具体的には、専門家のもとで以下のような治療が行われる場合がほとんどです。
| 治療の種類 | 治療内容の例 |
|---|---|
| 運動療法 | 医師が運動の可否を確認したのち、長期間かけて筋力トレーニングを行う |
| 栄養療法 | 管理栄養士が個別に栄養指導を行う |
より詳しい治療については、以下の記事にて解説しています。気になる方は、併せて参考にしてください。
サルコペニアは何歳から進行しますか?
サルコペニアは、30代頃から徐々に進行するリスクがあると言われています。実際に、骨格筋量は30代から毎年1〜2%ずつ減少するとの報告もあるため、若年層でも発症する可能性は否定できません。(文献8)
目立った症状がなくても、日頃から意識的に筋力を維持する食事や運動を心がけ、サルコペニアの予防に取り組んでいきましょう。
サルコペニアは女性に発症しやすいですか?
女性は男性に比べてもともと筋肉量が少なく、若年層であっても過度な食事制限や運動不足が重なるとサルコペニアを発症するリスクがあります。10〜40代の男女を対象とした調査でも、サルコペニア該当群の女性は全年代でBMIや骨格筋量、部位別の筋肉量が有意に低値を示したと報告されています。(文献1)
とくに、以下のような生活習慣をしている女性は注意が必要です。
- 無理なダイエットで食事量を極端に減らしている
- たんぱく質をほとんど摂取していない
- 運動習慣がなく、筋トレやウォーキングを取り入れていない
- 月経不順や貧血など、体調不良を感じている
女性がサルコペニアを予防するためには、必要なエネルギーを確保した上で、たんぱく質・ビタミンD・ビタミンB6を意識した食事を心がけることが大切です。体重を落としたい場合も、筋肉量を維持しながら脂肪を減らす健康的な方法を選ぶようにしましょう。
参考文献
(文献1)
若年者におけるロコモティブシンドロームとサルコペニアの実態調査|J-STAGE
(文献2)
「たんぱく質」e-ヘルスネット|厚生労働省
(文献3)
「ビタミンD」eJIM(イージム)|厚生労働省
(文献4)
「ビタミンB6」eJIM(イージム)|厚生労働省
(文献5)
「サルコペニア診療ガイドライン2017年版」2020年|日本サルコペニア・フレイル学会
(文献6)
「新規考案した3種類の簡易スクリーニング法(指輪っかテスト・ピンチカ・第1-2 指間厚) における筋肉減弱症(サルコペニア)を視野に入れた臨床的有用性の検討 〜継続性の高いコミュニティー健康活動を目指して〜」|厚生労働科学研究費補助金(長寿科学総合研究事業) 分担研究報告書
(文献7)
運動器不安定症|日本整形外科学会
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