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【医師監修】サルコペニアの予防に効果的な筋力トレーニング一覧|やり方や注意点を解説

「最近つまずきやすくなった」「階段の上り下りがつらい」といった症状で悩んでいませんか。
それは、加齢による筋力の低下からくる「サルコペニア」の初期サインかもしれません。進行すると筋肉がさらに衰え、歩行や立ち上がりなど日常生活に支障をきたすこともあります。
サルコペニアを防ぐには、筋力トレーニングが効果的です。筋肉を定期的に動かすことで進行を抑えられ、結果として健康寿命を延ばすことにもつながります。
近年は2025年に改訂された国際的な診断基準「AWGS 2025」でも、50代からの早期予防が重要と位置付けられました。
この記事では、サルコペニア予防におすすめの筋力トレーニングや注意点、日常生活でできる工夫について解説します。
今日から筋力トレーニングを始め、サルコペニア予防に取り組んでみてください。
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目次
サルコペニアの予防に効果的な筋力トレーニング4選
サルコペニアの予防に効果的な筋力トレーニングを4つご紹介します。
- 椅子スクワット
- つま先立ち運動
- 膝の曲げ伸ばし運動
- 背筋トレーニング
本章を参考に、無理のない範囲で今日からチャレンジしてみてください。
椅子スクワット
椅子スクワットは、下半身を鍛えたいものの、転倒に不安のある方におすすめのトレーニングです。
以下の方法を参考に実践してみましょう。
- 足を肩幅に開いて立ち、椅子の背もたれを両手でつかむ
- ゆっくりと膝を落とし、しゃがむ
- 数秒キープしたら、元の立位の姿勢に戻る
- 数回繰り返す
目安は10回を1セットとして、週2〜3日行うと下肢の筋力低下を効果的に予防できます。膝がつま先より前に出ないように意識すると、膝関節への負担を抑えられます。
下半身の筋力低下が気になる方は、ぜひ取り入れてみてください。
つま先立ち運動
つま先立ち運動(ヒールレイズ)は、ふくらはぎの筋肉を鍛えるのに効果的なトレーニングです。
以下のステップで行ってみてください。
- 足を肩幅に開いて立つ
- 立った状態でかかとを上げる
- かかとをゆっくりと床に降ろす
- 1〜3の動作を10回程度繰り返す
10回を1セットとし、1日2〜3セットが目安です。
慣れてきたら、片足で行うとさらに効果的です。転倒が心配な方は、壁や椅子の背もたれ、手すりなどに手を添えて行いましょう。
膝の曲げ伸ばし
椅子に座ったまま行える膝の曲げ伸ばし運動です。
下半身の筋力を鍛え、膝関節の柔軟性を保つのに効果的です。
以下のステップで行ってみましょう。
- 背筋を伸ばした状態で、椅子に浅く座る
- 片足の膝をゆっくりと伸ばし、足を前方に上げる
- 膝が伸びた状態で数秒キープする
- ゆっくりと膝を曲げながら足を床に降ろす
- 反対側の足も同様に、左右交互に10回ずつ行う
左右10回ずつを1セットとして、1日2〜3セット行うと大腿四頭筋の維持に有効です。
長時間のデスクワークの合間や、自宅でテレビを見ているときなど、スキマ時間に始められます。こまめに続けることでより効果が期待できるため、ぜひ今日から取り入れてみてください。
背筋トレーニング
サルコペニアを予防するには、背筋を鍛えることも大切です。
タオルを使って自宅で手軽に行える背筋トレーニングをご紹介します。以下の手順で、背筋トレーニングを行ってみましょう。
- タオルの両端を持ち、ピンと張る
- 腕を肩より少し高く上げ、タオルを外側に引っ張るように力を入れる
- 肘を曲げながら、肩甲骨を寄せるように意識して、腕をゆっくり下ろす
- 肘を伸ばして再び腕を上げ、②の姿勢に戻る
- ②〜④を10回程度行う
背中の筋肉が衰えてしまうと、姿勢が崩れ、サルコペニアの悪化にもつながってしまいます。(文献1)
正しい姿勢を維持するためにも、背筋のトレーニングを日常的に取り入れていきましょう。
【余裕がある方向け】上半身と体幹の補助種目
上記の4種目に慣れてきた方や、もう少し追い込みたい方には、上半身と体幹をカバーする以下の補助種目もおすすめです。
- クランチ(へそ覗き腹筋):仰向けで両膝を立て、おへそを覗き込むように上体をゆっくり起こす。10回×1〜2セット。腹圧を高め、立ち上がり動作が楽になります。
- 片脚立ち:椅子や壁に手を添えて、片足を数センチ持ち上げて20〜30秒キープ。左右交互に行うことで、バランス能力と転倒予防に直結します。
どちらも器具は不要です。無理のない範囲で、まずは1日1セットから始めてみてください。
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サルコペニアに筋力トレーニングが効果的な理由
サルコペニアとは、加齢や生活習慣の影響で体を動かす筋肉量や力が減少する状態です。進行すると筋力の低下により、歩行困難や寝たきりになるリスクも高まります。
サルコペニアの予防には、骨格筋、とくに「抗重力筋」と呼ばれる太もも・お尻・背中の大きな筋肉を鍛えることが効果的です。
抗重力筋は重力に抗して姿勢を保つ筋肉で、加齢によって速筋線維(瞬発力を担う筋肉)から先に細くなっていく特徴があります。この速筋を刺激できるのがレジスタンス運動(いわゆる筋トレ)です。
筋力トレーニングは特別な器具がなくても自宅で行えるものが多く、誰でも今日から始められます。
継続すると、健康寿命を延ばすことにもつながるため、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。
さらに筋トレは、サルコペニアだけではなく、将来的なフレイルやロコモティブシンドロームの予防にも有効です。これらの違いや特徴について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
最新診断基準「AWGS 2025」で押さえたい3つのポイント
2025年11月、アジアサルコペニアワーキンググループ(AWGS)が診断基準を改訂し、「AWGS 2025」として発表しました。従来(2019年版)から大きく変わった点のうち、予防に取り組む方が押さえておきたい3つのポイントを紹介します。(文献2)
対象年齢が50〜64歳まで拡大された
これまでサルコペニアの診断は65歳以上の高齢者が中心でした。しかしAWGS 2025では、50〜64歳の中年層にも独自のカットオフ値(基準値)が設けられ、早い段階からの予防・介入が推奨される形になっています。
背景には「マッスルヘルス(Muscle Health)」という考え方があり、将来の寝たきりや要介護状態を防ぐには、40代・50代からの筋力維持が重要とされています。
BMI補正値が新たに加わった
従来は身長で補正した筋肉量だけを見ていましたが、BMIが高めの方(24〜25以上)では実際は筋肉量が不足しているのに見落とされるケースがありました。AWGS 2025では、BMIで補正した新しい基準値が追加され、いわゆる「サルコペニア肥満」を高精度で見つけられるようになっています。
体重は変わらないのに筋肉が落ちているのが心配な方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
「指輪っかテスト」が正式なスクリーニングに位置付けられた
道具もお金もかからない「指輪っかテスト」が、AWGS 2025では下腿周囲長(ふくらはぎの太さ)測定や質問票(SARC-Fなど)と並んで、家庭でできる正式なスクリーニング法として位置付けられました。
サルコペニア予防で筋トレをするときの注意点
筋トレをする際には、以下の4つの点に注意が必要です。
- こまめに休憩をはさむ
- 呼吸を止めない
- 週2〜3回ほど定期的に行う
- 次の症状が出たらすぐ中止して医師に相談する
トレーニングを始める前に本章の注意点を意識し、無理のない範囲で運動を続けましょう。
こまめに休憩をはさむ
長時間連続で筋力トレーニングをせず、途中でこまめに休憩をはさむことが大切です。
疲労や関節への負担を防ぐためにも、体調に合わせてペースを調整しながら取り組みましょう。
たとえば、「20分運動して5分休む」といったリズムがひとつの例です。
運動の強度やその日の体調に応じて、無理のない範囲で柔軟に休憩を取り入れてみてください。
呼吸を止めない
筋トレ中は力む際に息を止めがちですが、常に自然なリズムで呼吸するように意識しましょう。
呼吸を止めて力んでしまうと酸素が不足し、血圧の急上昇や頭痛・吐き気など体調不良を引き起こすおそれがあります。(文献3)
これは「バルサルバ効果」と呼ばれる現象です。息をこらえて強く力むと胸腔内の圧力が急激に高まり、一時的に血圧が下がった直後に反動で急上昇します。この血圧変動が頭痛やめまいの原因となり、高血圧や動脈硬化のある方ではとくに注意が必要とされています。
筋トレ中の正しい呼吸法は以下のとおりです。
| 項目 | 呼吸 |
|---|---|
| 力を入れるとき | 息を吐く |
| 力を抜くとき | 息を吸う |
このリズムを意識すると、筋トレ中の体への負担を軽減できます。
「息を細く長く吐きながら動く」を合言葉にすると、自然と呼吸が止まらなくなります。
なお、「筋トレ頭痛」の対策方法については、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方は、あわせてご覧ください。
週2〜3回ほど定期的に行う
サルコペニアを予防するには、週に2〜3回のペースで筋トレを継続することが効果的です。
筋肉は一度きりの運動では鍛えられません。こまめに運動を重ねることで筋肉に刺激を与えられます。
また、厚労省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人・高齢者のどちらにも週2〜3回の筋トレを推奨しています。(文献4)
定期的な筋トレは、サルコペニアに加え、座りっぱなしによる代謝低下や筋力低下、糖尿病や高血圧などの合併予防にも効果的です。
忙しい方も1日15〜20分のスキマ時間から始めて、生活の一部に筋トレを取り入れてみてください。
次の症状が出たらすぐ中止して医師に相談
安全に筋トレを続けるために、次のような症状が出たときはすぐに運動を中止し、かかりつけの医師に相談してください。
- 運動中に息切れがひどく、休んでも5分以上呼吸が整わない
- 運動後1時間以上たっても、強い疲労感や関節・筋肉の痛みが残る
- 普段は問題なくできていた運動が、急にきつく感じるようになった
- 運動中や運動後に、胸の痛み・強い頭痛・めまいを感じた
- 高血圧の方で、運動中の血圧が持続的に上がり続けている
とくに心疾患や高血圧、糖尿病などの持病がある方は、事前にかかりつけ医と相談した上で運動を始めると安心です。
【日常的にできる】筋トレ以外のサルコペニア予防法
忙しくて筋トレの時間が取れない人の場合、日常生活の中に「ながら運動」を取り入れましょう。
サルコペニアを予防するには、時間がなくても、普段から少しずつ体を動かすことが大切です。
活動量が増えることで筋肉に刺激を与えられるため、筋力の低下を防ぐ効果が期待できます。
以下を参考に、毎日の生活に取り入れやすい工夫を実践してみましょう。
- エスカレーターやエレベーターではなく、階段を使う
- 通勤や買い物の際に、敢えて遠回りして歩く
- いつもより少し早歩きをする
- 食事のたびに、肉・魚・卵・大豆などのたんぱく質を1品加える
これらを意識するだけでも、筋肉を鍛えられ、サルコペニアの予防につながります。
以下の記事では、サルコペニアの治療法について詳しく解説しています。
サルコペニア予防には筋力トレーニングを取り入れよう
サルコペニアとは、加齢や生活習慣により筋力が低下する状態です。
放置すると、将来的に歩行困難や寝たきりのリスクがあります。
こまめに筋力トレーニングを行うことで筋肉が鍛えられ、サルコペニアの予防につながります。
本記事を参考に、今日からできる運動を実践してみてください。
なお、筋力の衰えが不安な方や、より専門的なケアを希望する方は、専門家に相談するのも一つの選択肢です。
当院「リペアセルクリニック」では、人体に備わる幹細胞を活用した再生医療を提供しています。今なら「メール」または「オンラインカウンセリング」にて無料相談を受け付け中です。
「加齢による体の変化が気になる」「将来に向けて病気予防を始めたい」と感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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サルコペニアと筋トレに関する質問
サルコペニアを防ぐ食事はありますか?
サルコペニア予防には日頃から栄養バランスの良い食事を意識することが大切です。中でも、筋肉の材料となる「たんぱく質」は意識的に摂取するようにしましょう。
たんぱく質を多く含む食品には、次のようなものがあります。
- 豚肉
- 牛乳
- 卵
- 豆類
- さけ・ます類
体重1kgあたり1g/日以上のたんぱく質の摂取が、サルコペニアの予防に効果的であるとされています。
たとえば体重60kgの人の場合、1日あたり約60gのたんぱく質の摂取が必要です。(文献5)
なお、2025年4月には日本サルコペニア・フレイル学会と日本臨床栄養学会の共同編集による「サルコペニア・フレイルに関する栄養管理ガイドライン2025」が刊行されており、最新の栄養エビデンスが継続的に更新されています。(文献6)
まずは、こうした食材を毎食の中に1品でも取り入れることから始めてみましょう。
サルコペニアの判断方法はありますか?
サルコペニアは「指輪っかテスト」でセルフチェックが可能です。
両手の親指と人差し指で輪を作り、ふくらはぎの一番太い部分を囲んでみてください。(文献7)
その際、指の輪とふくらはぎの間に隙間ができる場合は、サルコペニアのおそれがあります。
より詳しく確認したい方は、メジャーでふくらはぎの太さ(下腿周囲長)を測る方法もあります。目安は、男性34cm未満・女性33cm未満で筋肉量低下の疑いあり、とされています。
ただし「指輪っかテスト」はあくまで目安です。セルフチェックで不安がある場合は、医療機関にて詳しい検査を受けましょう。
50代からでも予防に取り組んだ方が良いでしょうか?
50代からの予防がもっとも効果的です。
先に紹介した「AWGS 2025」でも、50〜64歳の中年期からの介入が新しく重要視されています。筋肉量は40歳前後から減り始め、何もしなければ加速度的に落ちていきます。50代のうちから週2〜3回の筋トレを習慣にしておくと、60代・70代の生活の質を大きく左右します。
なお、20〜30代の若い世代でもサルコペニアが起こることがわかっています。若年層の方はこちらの記事もあわせてご覧ください。
参考文献
健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023|令和6年1月健康づくりのための身体活動基準・指針の改訂に関する検討会
サルコペニア診療ガイドライン2017年版|日本サルコペニア・フレイル学会

























