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【医師監修】大腸がんとは?|症状・原因・検査について詳しく解説
「便に血が混じる」
「お腹の調子が悪い日が続いている」
「検診で要精密検査と言われた」
このような症状や検査結果に、不安を感じていませんか。
大腸がんは、日本人でもっとも罹患数が多いがんですが、早期に発見できれば治癒率が高いことが知られています。一方で、初期には自覚症状がほとんどなく、気づかないまま進行してしまうケースも少なくありません。
この記事では、大腸がんの主な症状や原因、検査方法、治療について解説します。
病院を受診すべきか迷っている方や検診結果を正しく理解したい方は、ぜひ参考にしてください。
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大腸がんについて気になることがある方は、お気軽にご登録ください。
目次
大腸がんとは
大腸がんは、大腸の粘膜から発生するがんの総称です。(文献1)
大腸の壁は、内側から「粘膜」、「粘膜下層」、「固有筋層」、「漿膜(しょうまく)下層」、「漿膜」の5つの層でできており、がんは粘膜から発生して次第に深い層へと侵入していくのが特徴です。(文献1)
がんの中でも新たに診断される頻度が高く、推計では全がんの中でもっとも罹患数が多い部位として大腸がんは報告されています。(文献2)
ここでは、大腸がんの発生部位とその分類、進行度合によって判別されるステージ分類について解説します。
主な原因は食文化の変化です。昔に比べてファーストフードなど欧米式の食文化が主流となりつつあることと、カップ麺など加工食品の摂取も影響していると考えられます。
大腸がんの発生部位と分類
大腸は、長さ約1.5〜2mの臓器で「結腸」と「直腸」に分けられ、結腸はさらに盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に細かく分かれます。(文献1)
発生した部位によってがんの呼び名は変わり、日本人の大腸がんの多くは「直腸がん」と「S状結腸がん」です。(文献1)
大腸がんは、その広がり方(深達度)によって「早期がん」と「進行がん」に分類されます。(文献3)
- 早期がん:がんが粘膜または粘膜下層にとどまっている状態
- 進行がん:がんが固有筋層に達している状態
また、顕微鏡で見たがん細胞の様子によっても細かく分けられ、その多くは「腺がん」と呼ばれる種類です。(文献1)
大腸がんのステージ(病期)分類
大腸がんの治療方針を決める上で、がんがどのくらい進行しているかを示す「ステージ(病期)」分類は重要な指標です。
ステージは、以下の3つの要素を組み合わせて総合的に判断されます。(文献4)
- T因子:がんの深さ(壁への広がり、深達度)
- N因子:リンパ節への転移の有無
- M因子:他の臓器やがんができた場所から離れたリンパ節への転移(遠隔転移)の有無
これらをもとにステージ0からステージIVまでの5段階に分類されます。(文献4)
|
ステージ |
T因子(がんの深さ) |
N因子(リンパ節転移) |
M因子(遠隔転移) |
がんの状態 |
|---|---|---|---|---|
|
0 |
Tis(粘膜内) |
なし |
なし |
粘膜の一番浅い層にとどまっている |
|
Ⅰ |
T1、T2(粘膜下層~固有筋層) |
なし |
なし |
粘膜下層または固有筋層まで達しているが、リンパ節転移はない |
|
Ⅱ |
T3、T4(漿膜下層~他臓器へ浸潤) |
なし |
なし |
大腸の壁の外まで広がっている可能性があるが、リンパ節転移はない |
|
Ⅲ |
T1~T4(深さは問わない) |
あり |
なし |
がんの深さに関わらず、リンパ節への転移が認められる |
|
Ⅳ |
T1~T4(深さは問わない) |
N因子の有無は問わない |
あり |
肝臓や肺など、大腸から離れた他の臓器への転移(遠隔転移)が認められる |
ステージによってがんの状態や適した治療は異なるため、正確な治療にはステージ診断が欠かせません。
大腸がんの症状
大腸がんの早期にはほとんど症状が出ない一方、進行すると血便や腹痛など、日常生活に影響する症状があらわれます。
とくに血便は大腸がんで頻度の高い症状でありながらも、痔などがん以外の疾患でも起こるため、「一時的なもの」と放置する方も少なくありません。(文献1)
大腸がんをできる限り早期に発見するためにも、気になる症状があれば早めの受診が推奨されます。本章では、初期症状の特徴と、進行に伴ってあらわれるサインを詳しく解説します。
自覚症状が少ない初期症状の特徴
粘膜内にとどまる0期のがんや、粘膜下層までの早期大腸がんの多くは無症状です。「症状がない自分が大腸がんになることはない」と考えて何も対策しないと、もしがんができていた際に発見が遅れる恐れがあります。
無症状のうちにがんを見つける唯一の方法は、市区町村や健康保険組合などでおこなわれる「がん検診」です。
検診でおこなわれる便潜血検査は、目には見えない微量の血液を検出でき、大腸がんの死亡率を減少させるといわれています。
日本では40歳以上の方に、症状がなくても1年に1回検診を受けることが推奨されています。(文献5)
進行に伴ってあらわれる症状
大腸がんが進行すると、出血や腸の通過障害によってさまざまな症状があらわれます。
自覚症状のなかで高頻度で現れるものが、血便や下血(肛門から血液が排出されること)です。(文献1)出血が慢性的に続くと貧血を起こし、めまいやふらつきなどを自覚する場合もあります。
また、がんが大きくなることで腸の内側の通り道(内腔)が狭くなると、便の通過が妨げられ、次のような症状がみられるようになります。(文献1)
- 便秘や下痢が続く
- 便が細くなる
- 便が残る感じがある
- おなかが張る
さらに進行して腸が塞がると「腸閉塞」を起こし、便が出なくなったり、強い腹痛や嘔吐が出現したりすることもあります。このような症状があらわれた際は、早急な受診が必要です。(文献1)
「痔だろう」と自己判断し、受診をためらっている間にも大腸がんは進行していきます。
大腸がんの原因
大腸がんの発生には、遺伝的要因と環境的要因、その他の要因が関与しています。(文献6)(文献7)
|
大腸がんの要因 |
具体例 |
|---|---|
|
環境的要因 |
・肥満 ・加齢 ・過度の飲酒 ・喫煙 ・運動不足 ・高身長 ・赤肉(牛・豚・羊など)の過剰摂取 ・加工肉(ハム・ソーセージなど)の過剰摂取 |
|
遺伝的要因 |
・家族性大腸腺腫症 ・リンチ症候群 |
|
その他の要因 |
・炎症性腸疾患 |
大腸がんは誰にでも起こりうる疾患です。しかし、生活習慣の改善によってリスクを下げたり検診によって早期発見できたりもします。ご自身に当てはまる要因がないかを確かめ、必要に応じて医療機関で相談しましょう。
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大腸がんの検査と診断
大腸がんが疑われる場合におこなう検査の種類と目的は、以下のとおりです。(文献8)
|
検査の種類 |
目的 |
|---|---|
|
直腸指診 |
直腸内のしこりや異常の有無を確認する |
|
注腸造影検査 |
がんの位置や大きさ、形、腸の狭さを調べる |
|
大腸内視鏡検査・生検 |
大腸全体を詳しく観察し、組織を採取して確定診断する |
|
CT検査・MRI検査・腹部超音波検査 |
周囲臓器への広がりや転移の有無を調べる |
|
PET検査 |
がんの活動性を調べる (他の検査で転移や再発が確定できないケースでおこなう) |
|
がん遺伝子検査 |
薬物療法の選択に役立てる |
|
腫瘍マーカー検査 |
経過観察や治療効果の判定に用いる |
大腸がんの診断は、大腸内視鏡検査で病変を確認し、生検(病理検査)で確定する流れが一般的です。(文献8)
がんと確定したあとにCT検査やMRI検査などで、がんの広がりや転移の有無を調べ、治療方針を決めます。
大腸がんの治療に関しては以下の記事でも解説していますので、参考にしてください。
大腸がんの治療法
大腸がんの治療には、内視鏡治療や外科治療(手術)、薬物療法、放射線治療など、さまざまな選択肢があります。(文献9)
|
治療の種類 |
適応・目的 |
|---|---|
|
内視鏡治療 |
がんが粘膜下層の浅部にとどまり(浸潤が1mm未満)、リンパ節転移の可能性が低い場合 |
|
外科治療(開腹・腹腔鏡・ロボット手術) |
内視鏡治療が難しい場合に、がんとリンパ節を切除 |
|
薬物療法 |
薬を使用して手術後の再発予防や進行がんの治療をおこなう場合 |
|
免疫療法 |
特定の遺伝子検査で適応となった場合は、免疫チェックポイント阻害薬を使用 |
|
放射線治療 |
局所の進行抑制や痛み・嘔吐などのコントロール、直腸がんの術前治療 |
どの治療が推奨されるかは、がんの深さ(深達度)、転移や浸潤の有無、腹膜播種の有無などから総合的に判断して決定します。本章で、大腸がんの治療法について詳しくみていきましょう。
内視鏡治療
内視鏡治療は、がんが大腸の粘膜内や浅い層にとどまっている早期の場合におこなわれる治療法です。(文献9)
高周波メスや「スネア」と呼ばれる細いワイヤとカメラが一体となった大腸内視鏡を使って、大腸の内側から病変部を切除し、腹部を切らずに治療できる点が特徴です。
病理検査の結果、がんの広がりが浅くリンパ節転移のリスクが低いと判断された場合は、内視鏡治療のみで治療が完結するケースもあります。
一方で、切除後の結果によっては、追加の外科治療が必要になる場合もあります。(文献9)
外科治療(開腹・腹腔鏡下手術・ロボット支援下手術)
外科治療は大腸がん治療の中心となる治療法で、がんを含む腸管と周囲のリンパ節を切除するいわゆる「手術」です。(文献9)
手術方法には、開腹手術や腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術があり、がんの進行度や患者の状態に応じて選択されます。
また、直腸がんの外科治療では、一時的もしくは永久的な「人工肛門(ストーマ)」を造るケースもあります。(文献9)
薬物療法
大腸がんの薬物療法は、手術後の再発予防や、大腸がんの進行・再発治療としておこなわれます。(文献9)
主に使用される薬は、以下のとおりです。(文献9)
|
種類 |
作用 |
|---|---|
|
細胞障害性抗がん薬 |
細胞が増える仕組みの一部を阻害して、がんを攻撃する薬 |
|
分子標的薬 |
がん細胞の増殖にかかわるタンパク質や特徴的な分子を狙って作用する薬 |
|
免疫チェックポイント阻害薬 |
免疫のブレーキを解除し、からだの免疫力でがんを攻撃しやすくする薬 |
薬物療法の内容は、がんの進行度や遺伝子検査の結果、全身状態などを考慮して決定されます。副作用の種類や程度には個人差があるため、体調の変化を医師に相談しながら治療を進めます。
免疫療法
免疫療法とは、患者自身の免疫機能を活性化してがん細胞を攻撃する治療法です。大腸がん治療における免疫療法は、先述の「免疫チェックポイント阻害薬」が用いられるため、薬物療法の一種ともいえます。(文献9)
免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞が免疫のブレーキをかける仕組みを解除し、免疫細胞が腫瘍を認識・攻撃しやすくする薬です。すべての大腸がん患者に適応されるわけではなく、がんの遺伝子検査の結果をもとに適応が判断されます。
例えば、DNAミスマッチ修復機能欠損(dMMR)や高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)といった分子的特徴があるタイプの大腸がんでは、一部の従来の標準的な薬物療法では十分な効果が得られにくいことがあります。このようなケースでは、免疫チェックポイント阻害薬が有効です。(文献9)(文献10)
また、細胞培養技術を活用し、ご自身の免疫作用に着目した取り組み(再生医療)をおこなう場合もあります。大腸がんの治療として直接結びつくものは2025年12月時点で多くありませんが、再生医療は標準治療の代替ではなく、治療を受ける過程での体調管理や治療を助ける選択肢の一つとして検討されるものです。
再発率が高いことが懸念されるため、治療終了後に再生医療を行うことがベストです。その後に免疫力を高める観点から再生医療をご検討ください。
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放射線治療
放射線治療は、主に直腸がんで用いられる治療法です。(文献9)手術前におこなってがんを小さくする目的や、手術後の再発予防、症状を和らげる目的でおこなわれることがあります。
また、肝臓や肺、脳などへ転移したがんによる症状にも効果が期待できます。
放射線治療は、大腸がん全体では適応が限られますが、がんの位置や進行度によっては重要な選択肢です。放射線治療をおこなうかどうかは、手術や薬物療法との組み合わせを含めて総合的に判断されます。
大腸がんの早期発見には検診が必須
大腸がんは早期のうちに自覚症状がほぼないため、検診によって早期発見できるかが治療や予後に影響します。(文献5)
日本では40歳以上を対象に、便潜血検査と問診による大腸がん検診が市区町村単位で実施されています。
便潜血検査は目には見えない微量の血液を検出できる検査です。(文献5)検査は食事制限の必要もなく、2日間に分けて便を採取するだけで済み、からだへの負担がありません。
結果が「要精密検査」となった場合は必ず消化器内科を受診し、大腸内視鏡検査を受けましょう。1回の検診ではがんが見つからないこともあるため、症状がなくても毎年検診を受けることが推奨されます。
実際には痔や良性ポリープで大腸である確率は2〜3割程度です。基本的には良性の結果であること大半ですが、検査はしっかり受けてください。
大腸がんの予防法
大腸がんの予防には、がんのリスクを上げる日常生活における要因(環境的要因)の改善が重要です。(文献7)
- 禁煙する
- 過度な飲酒をひかえる
- バランスの良い食事をとる
- 適度に運動する
- 肥満を防ぐ
- 感染を予防する
とくに運動は、大腸がんの予防に効果的です。食事では食物繊維やカルシウムの摂取を心がけ、赤肉や加工肉を過剰にとらないよう意識しましょう。(文献7)
大腸がんで気になる症状があれば消化器内科を受診しよう
大腸がんは、早期には自覚症状がほとんどなく、検診や検査によって初めて見つかることが多い病気です。
一方で、早期に発見できれば治療の選択肢が広がり、からだへの負担を抑えた治療が可能になる場合もあります。
血便や便通の変化、おなかの張りなど、これまでと違う症状に気づいた場合は、自己判断せず消化器内科を受診しましょう。また、症状がなくても40歳を過ぎたら、定期的に大腸がん検診を受けることが早期発見につながります。
治療を検討する過程では、標準治療を理解した上で、自分に合った選択肢を知ることも大切です。
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大腸がんに関するよくある質問
大腸がんの余命(生存率)はどのくらいですか?
大腸がんの予後は、発見時のステージによって異なります。大腸がんのステージごとの5年生存率(ネット・サバイバル:がんのみが死因となる状況)は、以下のとおりです。(文献11)
|
ステージ |
ネット・サバイバル |
|---|---|
|
Ⅰ期 |
92.3% |
|
Ⅱ期 |
85.5% |
|
Ⅲ期 |
75.5% |
|
Ⅳ期 |
18.3% |
ステージⅠの大腸がんにおける5年後の生存率は90%以上であり、早期発見ができれば、治癒率も高い傾向といえるでしょう。
ただし、これらの数値はあくまで統計的なデータであり、実際の余命は個々の状態や治療への反応によって異なります。
大腸がんに気づいたきっかけは何が多いですか?
大腸がんに気づくきっかけは、早期がんと進行がんで異なります。早期がんは自覚症状がほとんどないため、検診でおこなう便潜血検査で発見されるケースが多く見られます。
一方、進行がんでは、以下のような症状などがきっかけで受診し、発見されることもあります。(文献1)
- 血便
- 下血
- 便の変化や残便感
- おなかの張り
- 原因不明の貧血やめまい
ただし、大腸がんに症状としてよく見られる「血便」は、痔をはじめとする良性の病気でも起こるため、受診して出血の原因を明らかにすることが重要です。気になる症状がある場合は自己判断で放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。
大腸がんの初期症状でおならに変化はありますか?
大腸がんの初期は、多くの場合で自覚症状がありません。初期のうちはおならに変化がないケースもあります。
ただし、がんが進行すると腸の内腔が狭くなってガスの通りが悪くなり、おならの回数や量が変化したり、おなかの張りを感じたりするケースもみられます。
おなかの張りや排便習慣の変化、血便などの症状が気になる場合は、自己判断せずに消化器内科を受診してください。
参考文献
早期大腸がんの低侵襲な内視鏡治療 | 国立がん研究センター 中央病院
大腸がんのステージ(病期)について | 国立がん研究センター 中央病院

















