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トリガーポイント注射とは?効果が出るまでの期間や注意点を解説【医師監修】
「肩や腰の痛みが続いている」「トリガーポイント注射を勧められたものの、副作用や効果が出るまでの期間が気になる」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
トリガーポイント注射は、筋肉内に生じた硬いしこりへ局所麻酔薬などを注入し、筋肉の緊張や痛みを和らげる治療です。
本記事では、トリガーポイント注射の仕組みや治療の流れ、使用される薬剤、効果が出るまでの期間、副作用や注意点を解説します。治療を受けるかどうか迷っている方は、ぜひ最後まで目を通し、判断材料の一つとしてお役立てください。
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目次
トリガーポイント注射とは
トリガーポイント注射とは、筋肉内にある強い圧痛や関連痛を引き起こす部位に、局所麻酔薬などを注入する治療です。痛みを軽減し、筋肉のこわばりを和らげる目的で行われます。
トリガーポイントは、指で押したときに強い痛みや違和感が現れる圧痛点です。
押した場所だけが痛むとは限らず、肩のトリガーポイントから腕にかけて痛みを感じるなど、離れた部位へ痛みが広がる「関連痛」を伴う場合もあります。
治療では、診察によって痛みが再現される位置や筋肉の硬さを確認した上で、トリガーポイントへ薬剤を注入します。
以下の記事では、鵞足炎の治療法の一つとしてトリガーポイント注射について解説しているので、ご覧ください。
トリガーポイント注射を受ける流れ
トリガーポイント注射は、次の流れで行います。
1.注射する位置を確認する:医師が痛む部位の周囲を指で押し、筋肉の硬い部分や強い圧痛がある場所、普段の痛みや関連痛が再現される位置を探します。
2.姿勢を整えて皮膚を消毒する:注射する場所が決まったら、座るか横になり、処置する部位の皮膚を消毒します。
3.薬剤を注入する:針を対象となる部位まで進め、血管内に入っていないことを確認した上で、局所麻酔薬などを注入します。
4.必要に応じて超音波画像を使用する:症状や注射部位によっては、超音波画像で針先の位置を確認しながら処置します。
5.注射後の体調を確認する:処置後は、めまいや気分不良などがないかを確認します。
トリガーポイント注射が適応となる主な病名
トリガーポイント注射は、以下のような筋肉の過度な緊張や筋膜の異常が関わる症状に対して検討されます。
| 病名 | 主な特徴 |
|---|---|
| 筋膜性疼痛症候群 | 筋肉や筋膜にトリガーポイントが生じ、首・肩・背中・腰などに痛みが現れる |
| 緊張型頭痛 | 首や肩、頭部の筋肉の緊張が関係する頭痛 |
| 顎関節症 | 咬筋や側頭筋など、顎の周囲にある筋肉の緊張によって症状が出る場合がある |
| 腰部筋筋膜症 | 腰の筋肉にトリガーポイントが形成され、腰周辺に痛みや違和感が生じる |
ただし、適応の可否は病名だけで決まるものではありません。
痛みの部位や筋肉の状態を診察し、筋肉由来の症状かどうかを確認した上で判断されます。
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トリガーポイント注射と他の注射治療との違い
トリガーポイント注射は、神経や関節、腱などを対象とする注射とは処置する部位や目的が異なります。
| 注射治療 | 主な作用部位 | 目的・特徴 |
|---|---|---|
| トリガーポイント注射 | 筋肉 | トリガーポイントへ薬剤を注入し、筋肉の緊張を和らげる |
| 神経ブロック注射 | 神経・神経周囲 | 痛みを伝える神経の働きを一時的に抑える |
| ハイドロリリース注射 | 筋膜・神経周囲 | 筋膜間などへ薬液を注入し、周囲組織へ働きかける |
| 神経幹内注射 | 神経幹 | 神経の炎症や刺激の軽減を目的とする |
| ステロイド注射 | 関節・腱周囲 | 炎症反応を抑える |
| ボトックス注射 | 筋肉 | 筋肉の過度な収縮を抑える |
適した注射治療は、痛みの原因や症状が現れている組織によって変わります。診察や検査を受け、医師と相談しながら選択します。
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【効かない?】ブロック注射の効果とは?持続期間や副作用のリスクを医師が解説
治療の回数と間隔の目安
トリガーポイント注射の回数や間隔は、症状の程度や続いている期間、注射後の変化によって異なります。
一般的には、週1回程度のペースで行われることが多く、痛みが強い場合は週2回程度まで間隔を詰めて行うケースもあります。
数回(3〜5回程度)を目安に注射を行い、症状の変化をみながら間隔を空けたり、治療を終了したりする場合もあります。
ただし、これらはあくまで一般的な傾向であり、すべての患者様に共通する標準的な回数が決まっているわけではありません。注射後の状態を確認しながら、医師が次回の治療時期や継続の必要性を判断します。
トリガーポイント注射で使用される薬剤
トリガーポイント注射では、リドカインなどの局所麻酔薬を主成分とする薬剤が使われます。
日本の保険診療では、局所麻酔薬または局所麻酔薬を主剤とする薬剤を使用する決まりです。
| 薬剤 | 主な特徴 |
|---|---|
| 局所麻酔薬 | リドカインなど。痛みを伝える神経の働きを一時的に抑える |
| ネオビタカイン | 局所麻酔成分に、炎症や痛みに関わる成分を配合 |
| ステロイドなど | 局所麻酔薬と混ぜて使用される場合がある |
トリガーポイント注射の効果
トリガーポイント注射は、硬くなった筋肉へ薬剤を注入し、痛みや筋肉の緊張を和らげることが目的です。
緊張が軽くなることで、筋肉を動かしやすくなる場合もあります。
トリガーポイント注射に期待される主な作用は、以下の3つです。
ここからは、それぞれの作用について詳しく解説します。
筋肉の過度な緊張を和らげる
トリガーポイント注射は、筋肉内の硬いしこりへ薬剤を注入し、過度な緊張を和らげる治療です。
| 作用 | 詳細 |
|---|---|
| トリガーポイントへの処置 | 圧痛や硬さが確認された部分へ薬剤を注入する |
| 局所麻酔薬の作用 | 痛みを伝える神経の働きを一時的に抑える |
| 針による刺激 | トリガーポイントへの刺激が作用に関係すると考えられている |
| 筋肉の緊張への作用 | 筋肉のこわばりが和らぐ場合がある |
(文献1)
トリガーポイント注射の作用には、薬剤の成分だけでなく、針を刺す刺激や注入する液量も関係します。
硬結部への処置によって筋肉の緊張が和らぎ、痛みと緊張が繰り返される状態に変化が生じる可能性があります。
筋肉の血流改善につながることがある
トリガーポイント注射によって硬結部の緊張が和らぐと、以下のような変化が生じる場合があります。
| 考えられる変化 | 詳細 |
|---|---|
| 筋肉の緊張が和らぐ | 硬くなった筋肉が動かしやすくなる場合がある |
| 局所の血流が変化する | 筋肉の緊張が和らぐことで、血流に変化が生じる可能性がある |
ただし、注射後の血流や代謝の変化については、十分に解明されていない部分もあります。
痛みや重だるさの変化には個人差があり、すべての症状で同様の反応が現れるわけではありません。
筋肉の動作改善が期待できる
トリガーポイントは、筋肉の一部が持続的に収縮した状態で形成され、首・肩・腰などの動きや関節の可動域を狭める原因の一つです。
このしこりになった部分へ薬剤を注入して収縮が和らぐと、筋肉本来の動きを取り戻しやすくなり、ストレッチや運動療法にも取り組みやすくなります。
ただし、注射後に一時的に動かしやすくなっても、長時間の同じ姿勢や筋肉への負担が続けば、痛みが戻る場合があります。
症状が落ち着いたら姿勢を見直し、無理のない範囲でストレッチを続けて、再発予防につなげましょう。
トリガーポイント注射の効果が出るまでの期間
| 注射後の経過時間 | 感じられる効果の変化 |
|---|---|
| 注射直後 | 局所麻酔薬により、一時的に感覚や痛みが変化する場合がある |
| 注射後24〜72時間 | 痛みの軽減を感じ始めることが多いとされる |
| 上記以降 | 現れ方や程度には個人差がある |
(文献2)
処置を受けた直後に、痛みや違和感が一時的に現れる場合もあります。
数時間から数日で落ち着くことが多いものの、痛みが強いときや長引くときは、注射を受けた医療機関へ相談してください。
トリガーポイント注射が効かない場合
トリガーポイント注射は、痛みの原因が神経や脊椎にある場合、十分な効果が得られないことがあります。
| 効かない主な理由 | 内容 |
|---|---|
| 症状の原因が筋肉ではない | 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、神経・脊椎に由来する症状 |
| 症状に複数の原因が関係している | 筋肉だけでなく、神経、関節、心理社会的要因などが関与していることがある |
| 筋肉への負担が続いている | 長時間の同じ姿勢や筋肉の使いすぎが続く |
| 効果に個人差がある | 体質や痛みの原因、筋肉の状態によって変化の程度が異なる |
注射を続けても変化が乏しい場合は、原因を改めて評価し、運動療法や生活習慣の見直しを含めて治療方針を相談しましょう。
トリガーポイント注射の効果の持続時間
| 注射後の経過時間 | 効果の持続状況 |
|---|---|
| 注射直後〜数時間 | 局所麻酔薬を使用した場合、痛みが一時的に和らぐことがある |
| 数日〜数週間程度 | 筋肉のこわばりが緩み、症状の軽減が続く場合がある |
| 約1カ月程度 | 痛みの軽減が続く期間の一般的な目安。ただし個人差がある |
注射直後から数時間は、局所麻酔薬の作用によって筋肉の緊張が和らいだ状態が続きます。
痛みの軽減が続く期間には個人差がありますが、一般的な目安として約1カ月と報告されています。(文献2)
トリガーポイント注射の副作用
トリガーポイント注射は針を刺して薬剤を注入するため、一般的な注射と同じように副作用が生じる可能性があります。
主にみられるのは、注射部位の腫れや内出血、めまい、気分不良などです。
頻度は低いものの、感染をはじめとする合併症が起こる場合もあります。
| 副作用 | 主な症状 |
|---|---|
| 注射部位の腫れや内出血 | 針による皮下組織や血管への刺激で、腫れや皮下出血が生じる |
| めまい・気分不良 | 注射の刺激や局所麻酔薬の影響により、一時的な体調変化が現れる |
| 感染などの合併症 | 注射部位に細菌が入り、発赤・腫れ・熱感などが出ることがある |
軽い症状は時間の経過とともに落ち着く場合があるものの、強い腫れや痛み、発熱などが続くときは医療機関へ相談しましょう。
注射部位の腫れや内出血
トリガーポイント注射では、針が皮膚や皮下組織を通る際に周囲の血管へ刺激が加わり、注射部位に腫れや内出血が生じることがあります。
また、針の刺激や薬剤の注入によって局所の組織が一時的に反応し、軽い痛みや違和感が現れる場合も珍しくありません。
多くは一時的な症状で、数日ほどで落ち着くとされています。
めまい・気分不良などの体調変化
トリガーポイント注射では、処置への緊張や針の刺激をきっかけに自律神経が反応し、めまい・吐き気・気分不良などが現れることがあります。
血圧や心拍数が一時的に変化する「迷走神経反射」が関係する場合もあるのです。
局所麻酔薬の影響で、ふらつきやぼんやりした感覚が出るケースもありますが、多くは横になって安静にすることで落ち着きます。
まれに感染などの合併症
注射後には、針や薬剤の刺激によって一時的な赤みや腫れが生じることがあるほか、頻度は低いものの、注射部位から細菌が入って感染を起こすおそれもあります。
首・肩・背中など胸郭に近い部位への注射では、針が胸膜や肺に達すると、まれに気胸が起こる可能性があります。
処置後に突然の息苦しさや胸痛が現れた場合は、速やかに医療機関へ連絡してください。
トリガーポイント注射を受ける際の注意点
トリガーポイント注射を受ける前には、持病や服用中の薬、当日の体調を医師へ正確に伝える必要があります。主な注意点は、以下の3つです。
ここでは、治療前後に確認したいポイントを詳しく解説します。
基礎疾患や服用中の薬を事前に医師へ伝える
トリガーポイント注射を受ける前は、持病や服用中の薬について医師に伝えてください。
局所麻酔薬やステロイドなどを使用する場合があり、体質や治療中の病気によって適した薬剤や量が変わります。
とくに、抗凝固薬・抗血小板薬を服用している方は、注射後に出血や内出血が起こりやすくなる可能性があるため注意しましょう。
薬剤アレルギーや感染症の有無も、治療方針を決める際の判断材料です。自己判断で薬を中止せず、受診時にお薬手帳や服用中の薬がわかる資料を持参すると、医師が服薬状況を正確に確認できます。
体調がすぐれない場合は無理に治療を受けない
発熱や感染症の症状がある場合は、事前に医療機関へ連絡し、注射を受けられるか確認してください。
体調が不安定な状態では、もともとの症状と注射後の変化を区別しにくくなる場合があります。
当日に強いだるさや吐き気があるときも、無理に受ける必要はありません。
受診後に体調が変わった場合は、処置前に医師や看護師へ伝え、予定どおり行うか判断してもらいましょう。
治療後に体調の変化がある場合は医療機関へ相談する
治療後の軽い腫れや違和感は、数日以内に落ち着くことが多いとされています。
ただし、注射部位の強い赤み・腫れ・発熱がみられる場合は、感染などの合併症が疑われるため、早めに医療機関を受診してください。
しびれや筋力低下などの神経症状が続く場合も、医師による評価が必要です。
また、首・肩・背中など胸に近い部位へ注射したあとに、息苦しさや胸の痛みが出たときは、気胸の可能性も否定できません。
症状が強いときは様子を見ず、注射を受けた医療機関へ連絡してください。
トリガーポイント注射で改善しない症状は当院へご相談ください
トリガーポイント注射は、すべての痛みに適応される治療ではありません。
神経の圧迫や関節の変性など、筋肉以外に原因がある場合は、別の治療法を検討する必要があります。
治療を続けても変化が乏しい方や、慢性的な痛みに悩んでいる方は、原因を改めて確認するためにも医療機関へ相談してください。
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トリガーポイント注射に関するよくある質問
トリガーポイント注射は保険適用になりますか?
トリガーポイント注射は、医師が必要と判断し、診療報酬上の要件を満たして実施する場合に健康保険の対象となります。
ただし、治療内容や医療機関によっては保険診療として扱われない場合もあるため、受診先に確認してください。
トリガーポイント注射の値段はどのくらいですか?
3割負担の場合、トリガーポイント注射の手技料は200円台が目安です。
ただし、使用する薬剤の費用に加え、初診料・再診料や検査料などが別途かかるため、窓口での支払額は医療機関や診療内容によって変わります。
トリガーポイント注射は翌日痛いですか?
トリガーポイント注射の翌日に、注射部位の鈍い痛みやだるさが残る場合があります。
針が皮膚や筋肉を通ることによる刺激や、薬剤を注入した部位の一時的な反応などが主な原因です。内出血が生じることもありますが、通常は数日ほどで落ち着きます。
注射当日の入浴や運動については、治療を受けた医療機関の指示に従ってください。
また、まれにしびれや強いだるさが現れるケースもあります。痛みが増していく、数日たっても治まらない、腫れや熱感を伴う場合は医師に相談しましょう。
トリガーポイント注射で症状が悪化することはありますか?
注射後、一時的に患部が突っ張る、腫れたように感じる、痛みが強まるといった反応が出る場合があります。
針による組織への刺激や、薬剤を注入した部位の反応などが主な原因です。多くは時間の経過とともに落ち着くとされています。
ただし、症状が長引く、腫れや熱感が強い、しびれが続くときは、注射を受けた医療機関に相談してください。
トリガーポイント注射を受けないで治療する方法はありますか?
トリガーポイント注射を受けない場合は、ストレッチや運動療法などの理学療法、鎮痛薬・筋弛緩薬を用いる薬物療法などが検討されます。
痛みの原因や筋肉の状態によっては、姿勢の見直しやリハビリを組み合わせることもあります。
また、再生医療も選択肢の一つです。
筋膜性疼痛症候群では、再生医療のPRP(多血小板血漿)注射によって症状や身体機能の改善がみられた報告もあります。(文献3)
ただし、適応は症状や既往歴によって異なるため、まずは専門の医師に相談しましょう。
トリガーポイント注射に依存性はありますか?
トリガーポイント注射で一般的に使用される局所麻酔薬には、通常、薬物依存を引き起こす性質はありません。
ただし、長時間の同じ姿勢や筋肉への負担が続くと、トリガーポイントが再形成され、注射を繰り返す場合があります。
治療回数が増えることと、薬剤への依存は別の問題です。
参考文献
(文献1)
Trigger Point Injection|NCBI Bookshelf
(文献2)
Trigger Point Injections|Cleveland Clinic
(文献3)
Ultrasound-guided injection of platelet-rich plasma alleviated pain and improved function for individuals with myofascial pain syndrome: a retrospective case series study|PubMed




















