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ヘルニアでもゴルフはできる?復帰目安や悪化させない方法を現役医師が解説

ヘルニアゴルフ
公開日: 2026.05.31

ヘルニアと診断された、もしくは疑いがあった場合にゴルフができるか不安を感じる方もいるでしょう。ヘルニアでも、ゴルフができる場合があります。

ただし、ゴルフの継続については自己判断せず、医療機関を受診して医師に判断してもらうことが重要です。

本記事では、ヘルニアでもゴルフができるのか判断基準を解説します。治療後の復帰目安やヘルニアを悪化させない方法もまとめているので、ゴルフをしてよいのか不安を感じている方は参考にしてください。

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ヘルニアだからといって必ずゴルフが禁止ではない

ヘルニアと診断された場合でも、症状の程度や部位によっては、医師の判断のもとゴルフができるケースもあります。症状が軽度で日常生活に支障が少ない場合、フォームを工夫するといった対策によりゴルフを継続可能なケースも珍しくありません。

ただし、ゴルフでは次の動作により、ヘルニアの悪化を招く可能性があります。

  • 前傾姿勢でのひねり
  • 無理なスイングフォーム
  • 繰り返しの動作

無理をしたまま続けると、症状が悪化してゴルフが禁止になってしまう可能性があります。適切な治療を受けることで、徐々にゴルフを再開できる程度まで症状の改善が期待できます。ゴルフを長く続けるためにも、まずは医療機関で症状に応じた判断を仰ぐことが重要です。

【ヘルニアの部位別】ゴルフができるか判断するポイント

ヘルニアには種類があり、部位によってゴルフができるかどうかの判断基準は異なります。

ここからは、ヘルニアの部位別にゴルフができるか判断するポイントを解説します。ヘルニアでもゴルフができるか知りたい方は、参考にしてください。

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアとは、背骨の各骨と骨の間に存在する椎間板が外へ飛び出して神経を圧迫し、痛みや痺れを引き起こす疾患です。ゴルフは、前傾姿勢やスイング時の回旋動作によって腰へ大きな負荷がかかります。

そのため、腰椎椎間板ヘルニアの疑いがある場合や診断直後は、無理にプレーを続けないよう注意しましょう。とくに症状が強い時期に無理をすると、痛みや痺れが悪化し、歩行や座位など日常生活に支障をきたす可能性があります。まずは医療機関で状態を確認し、症状に応じて復帰時期を判断することが大切です。

頚椎椎間板ヘルニア

頚椎椎間板ヘルニアとは、首の骨となる頸椎の椎体間に位置する椎間板が外へ飛び出し、神経を圧迫して首の痛みや腕の痺れを引き起こす疾患です。ゴルフではスイング時に首へ負担がかかるものの、姿勢や体のゆがみを整え、首に負担の少ないフォームを意識することでプレーを継続できる場合もあります。

ただし、首の痛みや腕の痺れが強い状態で無理をすると、症状が悪化する可能性があるため注意が必要です。違和感が続く場合は自己判断せず、医師へ相談した上でプレー可否を判断しましょう。

鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニアとは、腸の一部が鼠径部の筋肉の隙間から皮膚の下に飛び出してしまう疾患で、脱腸とも呼ばれています。椎間板ヘルニアとは異なり、鼠径ヘルニアはお腹の疾患です。お腹が引っ張られるような痛みや下腹部が膨らむといった症状が特徴で、日常的に痛みを伴うことは少ない傾向にあります。

しかし、ゴルフではスイング時に腹圧が高まり、踏ん張ったり体をひねったりする動作によって、症状が悪化するケースも少なくありません。とくに、痛みが強い、もしくは膨らみが大きい状態で無理にプレーを続けると日常生活に支障をきたす可能性があります。

鼠径ヘルニアの疑いがある場合は、自己判断せず医療機関で診断を受けた上でゴルフの継続可否を判断しましょう。

ヘルニア治療後にゴルフへ復帰できる時期の目安

椎間板ヘルニア治療後にゴルフへ復帰できる時期の目安は、保存療法で4〜5カ月ほど、手術療法で5〜6カ月ほどです。ただし、痛みや症状が悪化していないことが前提条件です。

治療法によって回復期間は異なるものの、椎間板ヘルニアと診断された場合でも、適切な治療を受けることでゴルフの復帰が見込めます。安静期間を経たあとは軽い運動からはじめ、徐々に可動域を広げていくといったように、段階的なリハビリが必要です。

治療したからといってすぐゴルフを再開すると、再発する可能性があるため、医師の許可を得てから実戦復帰を目指します。

ゴルフでヘルニアを悪化させない方法

ゴルフの動作は、ヘルニアの症状を悪化させる可能性があります。症状を悪化させないためにも、ポイントを押さえてゴルフを行うことが重要です。

ゴルフでヘルニアを悪化させない方法を5つまとめたので、詳しく見ていきましょう。

ゴルフを始める前にストレッチを行う

いきなり体を動かすとヘルニアを悪化させる可能性があるため、スイング練習やラウンド前にストレッチを行うことが重要です。とくに、以下の部位の柔軟性を高めるストレッチを取り入れると、スイングでヘルニアの症状悪化・再発防止につながります。

  • 股関節のストレッチ
  • ハムストリングスのストレッチ
  • 背骨を反らすストレッチ
  • 背骨をひねるストレッチ
  • 胸椎のストレッチ
  • ヒップストレッチ

股関節や背骨全体の柔軟性を高めることで、腰椎への負担を軽減できます。また、ゴルフ後も筋肉の疲労回復にストレッチを行いましょう。

徐々に可動域を広げていく

ゴルフでヘルニアを悪化させないためにも、徐々に体を慣らしていくことが重要です。まずは小さな振り幅の素振りやアプローチ練習からはじめ、痛みや痺れがないか確認しましょう。

問題なければ、バックスイングやフォロースルーの可動域を広げていきます。距離を出そうとクラブを強く振ると、首や腰に負担がかかる可能性があります。様子を見ながら、徐々に可動域とスイングスピードを上げていくことがヘルニアを悪化させない方法です。

負担のかからないスイングを身に付ける

腰や首へ負担がかかりにくいスイングを身に付けることで、ヘルニアの悪化防止につながります。腰だけを使って強くひねるスイングは、椎間板への負担がかかりやすいため注意が必要です。

スイングの際は脊柱と骨盤を連動させ、体全体を使って回転することがポイントです。また、自分の可動域に合ったフォームでスイングすることも、体への負担軽減に役立ちます。

スイングでは、以下のポイントを意識しましょう。

  • 骨盤を立てて腰が反らないようにする
  • 膝を曲げてお尻を軽く後ろに引く
  • 胸まわりと股関節を使って回転する
  • 体に余計な力を入れずリラックスする
  • アドレスからトップまでは右足内側に体重を乗せる

腰や首に負担のかからないスイングやフォームがわからない場合は、専門家へ相談するのも有効な手段です。

体幹や股関節周辺の筋肉を強化する

腰椎の負担軽減には、腹筋や臀筋、股関節周辺の筋肉強化が有効です。ゴルフでは、体幹を使って回転することで腰だけに負担が集中しないスイングができます。

また、筋力を強化すると椎間板への負担が軽減され、ヘルニアの症状緩和に繋がる場合があります。腰に負担をかけず体幹や筋肉を鍛えるトレーニングは、以下の通りです。

  • ドローイン
  • プランク
  • バードドッグ

ただし、過度な負荷は症状を悪化させる可能性もあるため注意が必要です。とくに、誤ったフォームでのトレーニングは椎間板に余計な圧力をかける場合があります。正しいやり方を身に付け、無理のない範囲で取り入れ、筋力を高めていきましょう。

適切な機器の使用やサポーターを活用する

ゴルフでヘルニアを悪化させないためには、適切な機器の使用やサポーターの活用が効果的です。腰部コルセットや骨盤ベルトは腰椎前弯をサポートし、椎間板への圧力を分散させる効果が期待できます。

また、重量のあるクラブはスイング時の負担が大きくなりやすいため、軽量タイプを選ぶのも手段の一つです。ただし、サポーターへの依存や長時間の着用は、筋力低下につながり、ヘルニアの悪化を招く可能性があります。

ヘルニア対策としてゴルフでサポーターを使用する際は、使用時間や頻度に注意しましょう。

ゴルフを禁止して医療機関を受診すべきヘルニアの症状

ヘルニアの疑いがあり、以下の症状が見られた場合はゴルフを中止して医療機関を受診しましょう。

  • 腰から脚にかけて鋭い痛みを感じる
  • 歩行や立ち上がりが困難になる
  • 痺れや筋力の低下が現れる
  • 強い痛みや感覚の喪失に加え、排尿や排便のコントロールができなくなる

重度のヘルニアの場合、「馬尾症候群」と呼ばれる緊急事態に至り、速やかな手術が必要となるケースもあります。気になる症状がある場合は、必ず医療機関を受診してください。

なお、症状の程度によっては、手術以外の選択肢として再生医療を検討できる場合もあります。

再生医療は、椎間板ヘルニアなどが原因のつらい症状に対する治療の選択肢の一つで、身体が持つ自然治癒力を利用して症状の緩和を目指す治療法です。

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ヘルニアは適切な治療を受けることでゴルフに復帰できる

ヘルニアと診断された場合でも、ゴルフを諦める必要はありません。適切な治療や段階的なリハビリを行うことで、ゴルフへの復帰が目指せます。

ただし、ゴルフでヘルニアを悪化させないためには、負担のかからないスイングや体幹・筋肉強化などが必要です。また、痺れや痛みが生じた場合は無理せず中断して、医療機関の受診が重要です。適切なヘルニア治療を受けて、早期にゴルフ復帰を目指しましょう。

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ヘルニアとゴルフに関するよくある質問

ゴルフによる腰痛が自然に治ったケースはありますか?

ゴルフに限りませんが、軽度の筋肉疲労や炎症が原因であれば、安静やセルフケアによって改善するケースもあります。軽度の場合、症状が落ち着くまでの期間は約3カ月といわれています。(文献1

ただし、ヘルニアが原因の場合は自然に改善するケースもある一方で、症状が長引いたり悪化したりする場合も少なくありません。軽度だからと無理をせず、気になる症状が見られた場合は速やかに医療機関を受診しましょう。

ゴルフで椎間板ヘルニアが悪化する原因は何ですか?

ゴルフで椎間板ヘルニアが悪化する主な原因は、以下の通りです。

  • 重い荷物の持ち上げ
  • 前屈作業
  • 同じ姿勢の持続
  • フォーム不良による過度な捻り

いずれの動作も痛みや痺れが悪化する可能性があるため、ヘルニアの疑いがある場合はゴルフの継続について医療機関に相談しましょう。

ヘルニアにストレッチは逆効果ですか?

ヘルニアの場合、適切なストレッチが推奨されています。ただし、無理な可動域まで伸ばすストレッチは逆効果となるため注意が必要です。

また、痛みが強い時期に腰を大きく反らすストレッチを行うと、ヘルニアを悪化させる可能性があります。とくに痛みが強い急性期にストレッチするのは避け、痛みのない範囲で行いましょう。

参考文献

(文献1)

腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021改訂第3版|日本整形外科学会・日本脊椎脊髄病学会