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偽痛風の原因は食事と関係ない?発症リスクと予防法を解説

偽痛風の原因と食事の関係
公開日: 2026.06.27

「偽痛風は食生活が直接的な原因になる?」
「予防する方法はある?」

痛風とは異なり、偽痛風の発症に食事が直接関係することはほとんどありません。ただし、低マグネシウム血症(血液中のマグネシウムが不足した状態)や鉄過剰症(体内に鉄が蓄積しすぎた状態)などの改善により発症・再発のリスクを下げることはできます。

本記事では、偽痛風と食事の関係性や具体的な発症の原因、治療すべき基礎疾患、予防につながる対策を解説します。発症・再発を予防するために本記事を参考にしてください。

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偽痛風の発症の原因と食事の関係性

偽痛風の原因と食事の関係は、痛風ほど直接的ではありません。

痛風は、血液内の尿酸が増え尿酸塩結晶が関節や周辺組織に沈着して関節炎を引き起こす病気の総称です。尿酸が増える原因は、プリン体が多く含まれる食品の摂りすぎや過度な飲酒などです。

一方、偽痛風は、ピロリン酸カルシウムが関節や周囲組織に沈着して炎症が起きる病気の総称です。このピロリン酸カルシウムが沈着する原因として食事はほとんど関係ありません。

沈着するメカニズムは現在も明確になっておらず、加齢や基礎疾患、遺伝子の病気などが関係していると考えられています。

偽痛風の発症リスクを高める原因

偽痛風の発症リスクを高める原因として、以下が挙げられます。

それぞれの原因について詳しく解説します。

加齢

偽痛風は高齢者に多い病気です。年齢が上がるほど関節にピロリン酸カルシウム結晶がたまりやすくなることがわかっています。

実際に60歳以上の方では、以下の割合で関節の石灰化(ピロリン酸カルシウムなどが沈着している状態)が確認されています。

年齢 石灰化の割合
60歳 7〜10%
65〜75歳 10〜15%
85歳以上 30〜50%

文献1

一方、55歳以下での石灰化はまれです。この年代で石灰化が見られる場合は、なんらかの病気や遺伝が関係していることが多いです。

基礎疾患

以下のような病気は偽痛風の発症に関連すると考えられています。

基礎疾患 詳細
甲状腺機能低下症 甲状腺ホルモンの分泌が不足する病気
副甲状腺機能亢進症 副甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気

これらの病気はカルシウムなどの代謝を乱すため、ピロリン酸カルシウムの沈着がしやすくなると考えられています。

マグネシウム不足

マグネシウムが不足すると偽痛風の発症リスクが高まると考えられています。ピロリン酸カルシウムの結合前であるピロリン酸の分解が妨げられるためです。

体のマグネシウムが不足する原因として、以下が考えられます。

  • 長期間の下痢
  • 慢性のアルコール中毒
  • 栄養不足
  • 利尿薬の服用
  • 2型糖尿病

低マグネシウム血症の徴候としては、食欲不振や吐き気、嘔吐、だるさなどの症状があります。

鉄分の過剰摂取

鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)とは、体内に鉄分が過剰に蓄積した状態のことで、偽痛風の発症に関連すると考えられています。

鉄過剰症の原因として、以下が挙げられます。

  • 遺伝的要因
  • 長期間の輸血
  • 長期間の鉄剤投与(とくに静脈注射)
  • ウイルス性慢性肝炎・肝硬変
  • アルコール性肝障害

日本において、通常の食生活で鉄分の過剰摂取が生じる可能性は少ないです。

外傷・手術

偽痛風は、外傷や手術をきっかけに炎症が起きて発症することがあります。実際に、偽痛風の患者様50名のうち10名は以下のあとに発作が起きたとの報告があります。文献2

  • 軽度の外傷後
  • 人工膝関節全置換術後
  • 関節内注射後
  • 長距離歩行後

偽痛風は治療後などに発症することがしばしばあります。しかし、その機序は不明な点が多いです。

偽痛風リスクを下げる基礎疾患の治療

偽痛風に関連する基礎疾患を持っている場合は、それぞれに対する治療を受けましょう。

主な治療方針は以下のとおりです。

基礎疾患 主な治療方針
甲状腺機能低下症 体内の甲状腺ホルモンを補う薬を服用する
副甲状腺機能亢進症 原則として大きくなった副甲状腺を摘除する手術を行う
鉄過剰症 血液を体の外に排出する処置を行う

偽痛風の予防につなげる対策

偽痛風の予防につなげる対策として以下が挙げられます。

それぞれの対策について詳しく解説します。

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低マグネシウム血症を改善する

低マグネシウム血症は偽痛風の発症・再発の原因となる場合があります。低マグネシウム血症は血液検査で確認できるため、偽痛風を繰り返す方や基礎疾患がある方は、医師に相談してみてください。

自己判断でマグネシウムのサプリメントを大量に摂取すると、下痢を引き起こすことがあります。マグネシウムの補充が必要かどうかは医師に相談しましょう。

水分不足に注意をする

脱水が偽痛風の発作のきっかけとなったという症例があります。(文献3)高齢者は、口渇中枢の機能が低下して喉の乾きを感じにくくなります。1日の水分補給の目安は1.2Lほどです。とくに夏場は注意をして、1時間ごとにコップ1杯の水分補給を意識しましょう。

鉄分の過剰摂取に注意する

日本において、通常の食生活で鉄分の過剰摂取が生じる可能性は少ないです。サプリメントや鉄強化食品を不適切に摂取すると過剰摂取になる可能性はあります。

  男性 女性
1日の鉄分の最大許容量 50mg(15歳以上) 40mg(15歳以上)
1日に必要な鉄分の量 7.0〜7.5mg(18〜70歳) 6.0〜6.5mg(18〜70歳)

文献4)(文献5

なお、女性は月経の有無によって推奨量が異なります。鉄分のサプリメント等を摂取する場合は、用量・用法を守りましょう。

アルコールの飲みすぎに注意する

アルコールが偽痛風に直接関係するわけではありませんが、過度な飲酒は低マグネシウム血症を引き起こす原因になる可能性があります。1日あたりの純アルコール摂取量は、約20g程度とするのが望ましいとされています。文献6

1日のアルコール摂取量は以下を目安にしましょう。

アルコール飲料 純アルコール20g相当量
ビール(5%) 中瓶1本(500ml)
日本酒 1合(180ml)
ワイン グラス2杯弱(約180ml)
チューハイ(7%) 350ml缶1本
ウイスキー・焼酎 シングル2杯(約60ml)

女性は男性よりも少ないのが適量です。

偽痛風の原因を理解して適切な治療を受けよう

偽痛風の原因と食事の関係は、痛風ほど直接的ではありません。甲状腺機能低下症や副甲状腺機能亢進症などの基礎疾患がある方は、適切な治療を受けることが発症・再発の予防につながります。

また、水分不足や過度な飲酒は、偽痛風のリスクを高める可能性があるため注意が必要です。低マグネシウム血症を指摘されている方は、自己判断でサプリメントなどを補給するのではなく、医師に相談しましょう。

偽痛風を発症した方は、変形性関節症も併発している方が多いです。当院「リペアセルクリニック」では、変形性関節症に対する再生医療のご相談を受け付けております。詳しくはお気軽にお問い合わせください。

偽痛風の原因と食事に関するよくある質問

プリン体やアルコールは関係ありますか?

偽痛風の発症は、プリン体やアルコールが直接的な原因ではありません。ただし、過度な飲酒は低マグネシウム血症のリスクを高めるため注意が必要です。

カルシウムは関係ありますか?

甲状腺機能低下症や副甲状腺機能亢進症は、カルシウムの代謝異常を起こし偽痛風のリスクを高めます。また、ビタミンD製剤を服用している患者様が高カルシウム血症を起こし、偽痛風の原因になったとの報告もあります。(文献7

偽痛風と痛風の違いは何ですか?

偽痛風は、膝などの大きな関節にピロリン酸カルシウム結晶が沈着して炎症を起こす病気です。一方、痛風は、足の親指の付け根などに尿酸塩結晶が沈着して炎症を起こす病気で、食事や飲酒など生活習慣が主な原因です。

参考文献

(文献1)
偽痛風(ピロリン酸カルシウム結晶沈着症;CPPD)の病態と治療|日本痛風・核酸代謝学会

(文献2)
Clinical features of pseudogout attack. A survey of 50 cases|National Library of Medicine

(文献3)
脱水が誘因となったと思われる crowned dens syndrome 2 例の経験―この疾患を認識しておくことの重要性について―|日本ペインクリニック学会誌

(文献4)
(2)微量ミネラル|厚生労働省

(文献5)
鉄の食事摂取基準|厚生労働省

(文献6)
アルコール|厚生労働省

(文献7)
ビタミンD製剤による二次性偽痛風の 1 例|日本内科学会雑誌