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【医師監修】エパデールとロトリガの違い|共通の注意点も合わせて解説

エパデール ロトリガ 違い
公開日: 2026.06.30

健康診断で中性脂肪(トリグリセライド:TG)の数値を指摘され、医療機関でエパデールまたはロトリガを処方された方、あるいは薬を切り替えられた方の中で「この2つ、どう違うの?」と疑問を持つ方は少なくないでしょう。

本記事では、現役医師がエパデールとロトリガの違いについて詳しく解説します。

最後まで読み進めることで2つの薬の違いが明確になり、自分の病態や生活スタイルに合った選択を医師と一緒に考えられるようになります。また、記事の後半にはよくある質問をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

慢性的でつらい脂質異常症(高中性脂肪血症)に対しては、再生医療という治療の選択肢もあります。

再生医療とは、患者さまご自身の血液や細胞が持つ自然治癒力を活用し、損傷した周囲組織の修復を促す治療法です。

【こんな方は再生医療をご検討ください】

  • 脂質異常症(高中性脂肪血症)が長期間続いている
  • 保存療法(薬・注射・リハビリ)では改善がみられない
  • 手術はできるだけ避けたいと考えている
  • 手術を受けたが、痛みが残っている、あるいは再発してしまった

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【一覧比較】エパデールとロトリガの違いをまとめて確認

2つの薬の主な相違点を一覧表で整理します。

比較項目 エパデール ロトリガ
薬の特徴 EPA(青魚に多く含まれるオメガ-3脂肪酸)を主成分とする薬 EPA(中性脂肪や血液の流れに関わる青魚由来のオメガ-3脂肪酸)とDHA(脳や目の健康に関わる青魚由来のオメガ-3脂肪酸)を含む薬
主な目的 中性脂肪を下げる目的で使われる 中性脂肪を下げる目的で使われる
成分の違い EPAのみを含む EPAに加えてDHAも含む
服用回数 種類によって異なる。従来のエパデールは1日2〜3回、エパデールEMは1日1回が基本 通常1日1回。必要に応じて1日2回に増量されることがある
飲むタイミング 食直後に服用する 食直後に服用する
LDLコレステロール(LDL-C)への影響 大きな上昇は比較的目立ちにくい LDLコレステロール(LDL-C)が上がることがあるため、定期的な検査が大切
心血管病へのエビデンス EPA単剤として、心血管イベント抑制効果を示した研究がある 中性脂肪を下げる薬として使われるが、心血管イベント予防の根拠はEPA単剤ほど明確ではない
閉塞性動脈硬化症への適応 エパデールS・カプセルには適応がある 適応はない
治療で選択されるケース EPA単剤で治療したい方、閉塞性動脈硬化症に伴う症状がある方 EPAとDHAをあわせて補いたい方、中性脂肪をしっかり下げたい方
注意点 出血傾向がある方や手術予定がある方は医師への相談が必要 LDLコレステロール(LDL-C)値の変化や肝機能などを定期的に確認する必要がある

文献1)(文献2

エパデールとロトリガは、どちらも血液中の中性脂肪を下げる目的で処方される薬です。ただし、含まれる成分と適応範囲に明確な違いがあります。

エパデールの主成分はEPAで、製剤の種類によっては閉塞性動脈硬化症の治療にも用いられます。一方、ロトリガはEPAとDHAの両方を含んでおり、主に高中性脂肪血症の改善を目的として使用される薬です。

服用方法や期待できる効果、使用時の注意点はそれぞれ異なるため、脂質の検査値や既往症、ほかに服用している薬の内容をもとに、医師が適切な薬剤を選択します。

エパデール(イコサペント酸エチル)の特徴

特徴 内容
主成分 高純度EPA(イコサペント酸エチル)のみを配合した薬
主な働き 中性脂肪を下げる作用に加え、血液の流れや血管の健康維持への作用
飲みやすさ エパデールEMは1日1回の服用で治療を継続しやすい製剤
適応疾患 高脂血症に加え、エパデールS・カプセルは閉塞性動脈硬化症にも適応
強み 長年の使用実績があり、心血管疾患の予防効果に関するエビデンスが豊富

文献1

エパデールは、高純度のEPA(イコサペント酸エチル)のみを有効成分とする治療薬です。中性脂肪を低下させる作用に加え、血流の維持や血管への好影響も期待されています。

心血管イベントの予防効果については複数の臨床試験で報告されており、薬剤としての根拠が蓄積されている点も評価されています。

また、製剤の種類も複数あり、エパデールEMは1日1回の服用が可能なため、継続しやすいのが利点です。

ロトリガ(オメガ-3脂肪酸エチル)の特徴

特徴 内容
主成分 EPAとDHAを含むオメガ-3脂肪酸製剤
主な目的 中性脂肪を下げるための治療
服用回数 通常1日1回、必要に応じて1日2回まで増量
飲むタイミング 食直後の服用
治療上の特徴 中性脂肪が高い方に対する選択肢
注意点 LDLコレステロール(LDL-C)値や肝機能などの定期的な確認
服用時の注意 噛まずに服用

文献2

ロトリガは、EPAとDHAを含むオメガ-3脂肪酸製剤で、高中性脂肪血症の治療に用いられます。用法は原則1日1回、食直後の服用です。

中性脂肪の値が十分に改善しない場合は、医師の判断により1日2回に増量されることがあります。治療中は脂質への効果を確認するため、定期的な血液検査が必要です。

慢性的でつらい脂質異常症(高中性脂肪血症)に対しては、再生医療という治療の選択肢もあります。

再生医療とは、患者さまご自身の血液や細胞が持つ自然治癒力を活用し、損傷した組織の修復を促す治療法です。

再生医療についてご興味がある方は「LINE」や「メール」「オンラインカウンセリング」でご相談を受け付けております。お気軽に当院へお問い合わせください。

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【判断基準】エパデール・ロトリガどちらが向いているか

治療薬 詳細
エパデール 中性脂肪を下げたい方。心血管疾患のリスクが高い方。エパデールS・カプセルでは、閉塞性動脈硬化症を合併している方
ロトリガ 中性脂肪が高い方。EPAとDHAの両方を含む薬で治療したい方。通常は1日1回から服用したい方

エパデールとロトリガは、どちらも高中性脂肪血症の治療に用いられますが、成分と適応範囲に違いがあります。エパデールはEPAのみを有効成分とし、心血管イベント予防に関する臨床的根拠が蓄積されているほか、エパデールSおよびカプセル製剤は閉塞性動脈硬化症にも適応が認められています。

一方、ロトリガはEPAとDHAの両方を含むオメガ-3脂肪酸製剤です。原則1日1回から治療を開始します。いずれが適切かは、中性脂肪の検査値や合併症の有無、治療の目的をもとに医師が判断します。

エパデールを選ぶべき患者像

エパデールは、以下のような特徴や治療目的がある場合に選択肢となることがあります。

  • 虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)の既往があり、心血管イベントの二次予防が最優先の場合
  • LDLコレステロール(LDL-C)も高く、薬を増量するとLDL-Cが上昇してしまうリスクを避けたい場合(エパデールはLDL-C低下作用あり)
  • 閉塞性動脈硬化症(ASO)が合併しており、下肢の血流改善も同時に期待したい場合
  • 1日1回で安定した血中濃度を維持したい場合(エパデールEM選択)

エパデールは、虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)の既往があり、心血管イベントの再発予防を重視する方に選択されることがあります。また、LDLコレステロール(LDL-C)値も高く、LDL-Cの上昇をできるだけ避けたい場合や、閉塞性動脈硬化症(ASO)を合併している場合にも使用が検討されます。

さらに、エパデールEMは1日1回の服用が可能なため、服薬回数を減らして治療を継続しやすくしたい方にも選択肢となる薬です。

以下の記事では、エパデールが選択肢となり得る疾患について詳しく解説しています。

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ロトリガを選ぶべき患者像

ロトリガは、以下のような特徴や治療目的がある場合に選択肢となることがあります。

  • TGが極めて高く(500mg/dL以上など)急性膵炎リスクがあり、強力なTG低下を優先したい場合(4g/日投与)
  • 食事制限・有酸素運動でもTGが十分下がらず、最大用量での治療が必要な場合
  • 心血管疾患の二次予防よりTGコントロール自体が主目的の場合
  • 1日1回夕食後のシンプルな服薬スケジュールを希望する場合(アドヒアランス重視)

ロトリガは、中性脂肪(TG)が著しく高く、より積極的なTG管理が必要な方に選択されることがあります。食事療法や運動療法を行っても十分な改善が得られない場合には、医師の判断で増量が検討されることもあります。

また、中性脂肪の改善を主な治療目的とする場合に用いられ、原則1日1回の服用で治療を継続できるのが特徴です。

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ロトリガでLDL-Cが上昇することがある理由と対処

ロトリガは中性脂肪を低下させる一方で、一部の方ではLDLコレステロール(LDL-C)が上昇することがあります。これは、中性脂肪が減る過程でVLDL(超低比重リポタンパク)がLDLコレステロール(LDL-C)へ変化しやすくなることなどが関係していると考えられています。

そのため、服用中は定期的な血液検査でLDLコレステロール(LDL-C)の値を確認することが大切です。LDLコレステロール(LDL-C)が上昇した場合でも、自己判断で服用を中止せず、医師へ相談しましょう。必要に応じてスタチンなどの脂質異常症治療薬の追加や調整を行いながら、適切な脂質管理を続けることが重要です。

エパデール・ロトリガの共通注意事項

注意事項 詳細
決められた用法・用量を守って服用する 効果を十分に得るための適切な服用方法の遵守。自己判断での増量・減量・中止の回避
空腹時の服用は控える 食直後の服用による薬の吸収維持。胃腸への負担軽減
抗凝固薬・抗血小板薬との併用に気をつける 出血リスクの上昇への注意。併用時の医師・薬剤師への相談
副作用が疑われる症状があれば早めに受診する 発疹やかゆみ、強い腹痛、出血しやすさなどの症状への早期対応

両薬剤はいずれも魚油由来のオメガ-3脂肪酸製剤であり、共通する安全上の留意点があります。エパデール・ロトリガはいずれも食直後に服用し、指示された用法・用量を守ることが基本です。

抗凝固薬や抗血小板薬を使用中の方は出血リスクが高まる可能性があるため、事前に医師または薬剤師に伝えてください。

服用中に発疹・かゆみ・強い腹痛・出血傾向などの症状が現れた場合は、自己判断で中止せず速やかに医療機関を受診してください。治療中は定期的な診察を継続することが大切です。

エパデール服用中は定期的な肝機能検査が推奨されています。脂肪肝と治療薬との関係については下記の記事もご覧ください。

慢性的でつらい脂質異常症(高中性脂肪血症)に対しては、再生医療という治療の選択肢もあります。

再生医療とは、患者さまご自身の血液や細胞が持つ自然治癒力を活用し、損傷した周囲組織の修復を促す治療法です。

【こんな方は再生医療をご検討ください】

  • 脂質異常症(高中性脂肪血症)が長期間続いている
  • 保存療法(薬・注射・リハビリ)では改善がみられない
  • 手術はできるだけ避けたいと考えている
  • 手術を受けたが、痛みが残っている、あるいは再発してしまった

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決められた用法・用量を守って服用する

エパデール・ロトリガはいずれも、指示された用法・用量を守って服用することが治療効果を得る上で不可欠です。自己判断による増減は効果不足や副作用リスクにつながります。

また、検査値が改善した場合でも服用を勝手に中止すると中性脂肪が再上昇し、動脈硬化や心血管疾患のリスクが高まります。

気になる症状が現れたときは中止せず、医師または薬剤師に相談した上で治療を継続してください。

空腹時の服用は控える

エパデールS・ロトリガの有効成分(EPA-EおよびDHA-E)は水に極めて溶けにくい脂溶性成分です。消化管で吸収されるには、食事後に十分な量の胆汁酸が分泌され、乳化される必要があります。

空腹時に服用すると胆汁酸の分泌量が少なく、薬が十分に乳化されないまま消化管を通過してしまい血中濃度が著しく低下します。

なお、エパデールEMカプセル2gは自己乳化製剤のため、食事の有無にかかわらず安定した吸収が得られる製剤です。

抗凝固薬・抗血小板薬との併用に気をつける

EPAおよびDHAは血小板凝集抑制作用を持つため、活動性の出血(血友病・活動性消化管潰瘍・尿路出血・喀血など)を有する患者には「禁忌」とされています。

ワーファリン(ワルファリン)などの抗凝固薬やアスピリンなどの抗血小板薬を既に服用している場合、出血傾向がさらに強まる可能性があります。

鼻血・歯肉出血・血尿・皮下出血などの症状が現れた場合は速やかに医師・薬剤師に相談ください。

副作用が疑われる症状があれば早めに受診する

エパデール・ロトリガの服用中に、発疹やかゆみなどのアレルギー症状、強い腹痛や吐き気、出血しやすい・あざができやすいといった変化がみられた場合は、早めに医療機関を受診してください。

これらは副作用の可能性があり、放置すると悪化するおそれがあります。ただし、自己判断で服用を中止せず、まず医師または薬剤師に相談してください。

エパデールとロトリガの違いを理解し適切な治療を講じよう

エパデールとロトリガはどちらも高中性脂肪血症の治療に用いられますが、成分と適応範囲が異なります。エパデールはEPAのみを有効成分とし、心血管疾患の予防に関する臨床的根拠が蓄積されています。

ロトリガはEPAとDHAの両方を含むオメガ-3脂肪酸製剤で、中性脂肪値を積極的に低下させたい場合の選択肢です。どちらが適切かは優劣ではなく、合併症の有無や検査値、服薬回数への希望などをもとに医師が判断します。なお、薬物療法と並行して食事療法や適度な運動を継続することも、中性脂肪の管理や動脈硬化の予防に欠かせない要素です。

エパデールとロトリガで改善しない症状にお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、エパデールやロトリガによる治療で十分な改善が得られない閉塞性動脈硬化症、または心筋梗塞による組織・血管の損傷に対して、脂肪由来幹細胞を用いた再生医療を提供しています。

ご質問やご相談は、「LINE」や「メール」、「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。

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エパデール・ロトリガに関するよくある質問

エパデールとロトリガはどちらが中性脂肪を下げる効果が高いですか?

エパデールとロトリガは、通常の使用量では中性脂肪を下げる効果に大きな差はないとされています。ただし、ロトリガは必要に応じて増量することで、より高い中性脂肪低下効果が期待できる場合があります。

どちらが適しているかは、中性脂肪の値や持病、治療目的などを踏まえて医師が判断します。

エパデールEMカプセルと従来のエパデールSはどう違いますか?

最大の違いは服用方法と吸収安定性です。エパデールS(300mg・600mg・900mg)は胆汁酸による乳化に依存するため毎食直後の服用が必須ですが、エパデールEM(2022年承認)は自己乳化技術により食事の有無にかかわらず安定した吸収が得られ、1日1回の服用で済みます。文献2

服薬スケジュールが大幅に簡略化されるので、アドヒアランス(医師の指示どおりに薬を飲み続けること)の向上が期待できるのも違いのひとつです。

ロトリガを飲んでいたら悪玉コレステロール(LDL)が上がったのはなぜですか?

ロトリガ(とくに高用量4g/日)では、TGの強力な低下に伴いVLDLからLDLコレステロール(LDL-C)への代謝転換が促進されるためLDL-Cが上昇することがあります。文献2

治療中は定期的な血液検査でLDL-Cの推移を確認することが重要です。LDL-Cが上昇した場合は主治医に相談の上、スタチンの追加・増量など対処法を検討してください。

参考文献

(文献1)

医療用医薬品 : エパデール|KEGG

(文献2)

医療用医薬品 : ロトリガ医療用医薬品 : エパデール|KEGG