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アキレス腱炎の原因と治療方法、悪化を防ぐための対策とは?

アキレス腱炎の原因と治療方法、悪化を防ぐための対策とは?

 アキレス腱はふくらはぎの筋肉から踵の骨につながる腱であり、歩行やランニングにおいて重要な役割を果たしています。

 アキレス腱周囲の痛みを起こす病気としてアキレス腱自体に痛みの原因がある「アキレス腱炎」と、腱が踵の骨に付着する部分に痛みの原因がある「アキレス腱付着部症」があります。どちらも慢性的な負荷や急激な運動量の増加によって引き起こされることが多く、ランニングやジャンプ競技を行うスポーツ愛好家に特に多く見られますが、どこにどんな痛みがでるのでしょうか。

 この記事では、アキレス腱炎の原因や症状、治療方法と対策について詳しく解説していきますので、参考にしてみてください。

  • アキレス腱周囲の痛みを起こす病気
  • ・アキレス腱炎
  • ・アキレス腱付着部症
アキレス腱炎に注意
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アキレス腱炎の症状と原因について

 アキレス腱部を押すと痛いというのが主な症状です。安静時の痛みはないことが多く、運動時の痛み、腫れがみられることが多い疾患です。

 痛みの部位はアキレス腱が踵の骨に付着している部分から中枢側2~6cmがほとんどで、足関節を反らした際に腱が伸びることで痛みが増強します。

 主な原因はスポーツ、自転車などでのオーバーユースや不適切なランニングフォームでのランニングなど、誤ったトレーニングによる負担の増加などです。しかし、原因不明の場合や別の病気の可能性もあるので診断のために早めに病院を受診することが大切です。

アキレス腱炎の診断について

 診断のためには整形外科で診察を受けることが必要です。痛みの部位、症状から診断は可能ですが、補助的に画像検査を行うことがあります。

レントゲン・エコー・MRIによる診断

 レントゲン写真ではアキレス腱の内部に石灰化を認めることがあり、エコーではアキレス腱の肥厚と、腱周囲の血流の増加を確認できることがあります。またMRIが診断に有用であり、アキレス腱の肥厚や、腱の炎症を反映して腱の内部や周囲の異常信号を呈する場合があります。

スポーツ医療の治療

アキレス腱炎の治療と期間について

 初期の治療は基本的に保存治療が行われます。悪化しないための対策をご紹介していきます。

保存療法

 軽症の場合は全治3ヶ月程度ですが、回復までの治療期間は症状が続いた期間や病気の重症度によって変わってきます。治療は整形外科で行うことが多く、局所安静やアイシングで患部を冷やすこと、鎮痛薬の服用や局所への注射、理学療法士によるリハビリ・ストレッチングの指導・マッサージなどの方法があります。

 局所の安静についてですが、痛みが強い場合には炎症が強いことが多いので松葉杖を使用するなどして痛い方の足を無理に使わないことが大切です。

 局所への注射は、アキレス腱と周囲の組織の癒着を剥離する筋膜リリースや炎症を抑えるステロイドの投与などが行われます。

 また整骨院の通院についても行なっていただいて構いません。整骨院では電気治療や超音波治療、低周波治療器での治療、温める温熱療法などを行う場合があり、医師の指導のもと治療を受けるようにしてください。

手術療法

 これらの治療を行なっても6ヶ月以上痛みが続き効果がないなど、保存療法での完治が難しい場合には手術治療の方法もあります。

 手術では皮膚を切開して、炎症を起こしている腱の周囲の組織を部分的に切除します。さらに腱自体に異常がある場合には腱の部分切除を行い、腱の切除部分が多くなった場合には他の部位から腱を移植して補強を行います。

 治療内容が病気の重症度によって異なるため治療費も様々です。詳しい治療費の見込みについては担当医師に確認するようにしましょう。

アキレス腱炎についてよくある質問

  • Q:アキレス腱炎で痛くなる場所はどこですか。

A:アキレス腱が踵の骨に付着している部分から中枢側で腱自体に痛みがある病気を、「アキレス腱炎(別名:アキレス腱周囲炎)」と言います。アキレス腱と踵の骨の境界部分の痛みは「アキレス腱付着部症」といい、治療方法が多少変わってきます。

  • Q:アキレス腱炎に対する注射は効果がありますか。

A:炎症を抑える目的で腱内部や周囲にステロイドを注射する方法があります。しかし、腱の脆弱化や断裂を起こす可能性があるので、何度も注射することは勧められません。また、腱の周囲を剥離する目的でヒアルロン酸や生理食塩水などの注射を行う場合もありますが、病気の状態によってはご本人に適していない場合もあることや、行なっていない施設もあるので事前に確認することが望ましいです。

  • Q:アキレス腱炎に効果的なストレッチはどのような方法ですか。

A: 下腿三頭筋や、太ももの裏にあるハムストリングのストレッチは、治療、再発の予防に効果的です。下腿三頭筋のストレッチは階段や足台などの段差があるところに痛い方の足の先をかけ、踵をゆっくりと降ろしていきます。我慢できる程度の痛みの範囲で10〜15秒ほど伸ばすのを3回行い、これを朝・夕の1日2回行います。夜は入浴後など身体が温まっている状態で行うのが効果的です。

まとめ・アキレス腱炎の原因と治療方法、悪化を防ぐための対策とは?

 アキレス腱部の痛みはアキレス腱炎のほかに、アキレス腱付着部症という病気があります。どちらもオーバーユースや急な運動によって起こります。症状、治療方法が多少異なりますので、正確な診断のために整形外科を受診するようにしましょう。

 治療は基本的には保存治療ですが、飲み薬や注射だけではなく、安静やアイシング、ストレッチなどご自身のセルフケアも重要な病気です。アキレス腱炎に悩む方や、スポーツをされる方はぜひ参考にしていただき、健康な身体作りに役立ててください。この記事がご参考になれば幸いです。

No.S126

監修:医師 加藤 秀一

スポーツ外傷は⼿術しなくても治療できる時代です。

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