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脳幹出血の原因は何? 脳幹出血にならないための予防策はある? この記事を読んでいるあなたは、脳幹出血という病気に対して不安を抱いてるのではないでしょうか。 「今からできる予防法を知りたい」と思っている人もいるかもしれません。 結論、脳幹出血は動脈硬化が原因で起こるケースが多く、再発もしやすい病気です。しかし原因を知れば、適切な予防法を取れます。 本記事では、脳幹出血の原因や予防法について、詳しく解説します。記事を最後まで読めば、脳幹出血にならない方法がわかり、病気のリスクを軽減できるでしょう。 脳幹出血とは「脳幹(小脳・橋・延髄)で起こる出血」のこと 「脳幹」は、小脳・橋(きょう)・延髄という脳の部分を合わせた部位です。「呼吸」「体温調節」「ホルモン分泌」など、人間が生きるために重要な働きをしています。 脳幹出血によってそれらの機能が損なわれると命に関わることもあるため、あらかじめ原因や予防法に関する知識をつけておくことが大切です。 本章では、脳幹の働きや脳幹出血について説明します。脳幹出血の治療や生存率については、以下の記事も参考にしてください。 脳幹は生命の維持に不可欠な働きをしている 「脳幹出血」とは、脳出血の一種です。具体的には、脳のうち「脳幹」という部位の血管が破れて出血することを指します。 脳幹は、「小脳」「橋(きょう)」「延髄」からできており、心臓や呼吸などの生命維持に大きく関わります。各部位の働きは以下のとおりです。 部位 働き 小脳 ・筋肉の緊張や姿勢をコントロールする ・注意・言語・感情などの精神機能をコントロールする 橋(きょう) ・中脳や大脳、延髄などをつないでいる ・呼吸調節に関係する 延髄 ・呼吸や心臓の動きをコントロールする ・咳、くしゃみ、発生、発汗などにも関係する 脳内で出血すると血管からの酸素や栄養が供給されなくなり、脳はダメージを受けます。 また、脳内に血液があふれることで周りの脳細胞が圧迫される、出血により脳内の圧力が高まるなども、脳がダメージを受ける原因です。 出血により脳幹がダメージを受けると、意識不明の重体や寝たきり、ひどい場合は死に至るケースも珍しくありません。 脳幹出血は再発しやすい 脳幹出血を含む「脳出血」は、再発しやすい病気です。 具体的には、脳出血を10年以内に繰り返す確率(10年再発率)は55.6%というデータがあります。つまり、2人に1人の割合で、10年以内に脳出血の再発が起きています。(文献1) 出血によってダメージを受けた脳は、通常の医療技術による回復・修復は困難です。 また、脳出血を再発すると、初回はダメージを受けなかった部分もダメージを受けます。よって再出血時はさらに広い範囲の脳がダメージを受け、重い後遺症が出るケースもあります。 脳幹出血の主な原因は「高血圧による動脈硬化」 脳幹出血の主な原因は、「高血圧による動脈硬化」です。ただし、血圧に問題の無い人の場合、血管の奇形が原因のケースもあります。 本章の内容をもとに、脳幹出血の正しい基礎知識を身につけておきましょう。 脳幹出血後の回復については、以下の記事を参考にしてください。 動脈硬化は高血圧が原因で起こることが多い 脳幹出血を起こす「動脈硬化」は、主に高血圧によって起こると考えられています。 高血圧が動脈硬化を起こして脳幹出血に至る流れは以下のとおりです。 高血圧によって脳の血管に圧力がかかり続ける 動脈硬化が進み、血管がもろくなる 脳の血管が破れて出血が起こる 高血圧は「塩分の取りすぎ」「食生活の乱れ」「ストレス」「喫煙習慣」など、複数の要因が重なって起きるといわれています。(文献2) 「血圧が高くても体調は問題ない」と放置すると、脳出血につながる恐れもあるため、高血圧と診断された場合は医師の指導のもと早めに治療しましょう。 血管奇形が原因のケースもある 脳出血は、「脳動静脈奇形」という脳の血管奇形によって起こるケースもあります。脳動静脈奇形とは、脳の動脈と静脈をつなげる部分が「ナイダス」と呼ばれるとぐろを巻いたような固まり(奇形)になっている病気です。 奇形の部分は正常な血管よりも壁が薄いため破れやすく、20〜40代の若い人が脳出血になる原因の一つといわれています。 なお、奇形自体が痛みなどの症状を起こすことは、ほとんどありません。「脳出血」「頭痛」「てんかん発作」などの病気が出て見つかる、偶然受けた脳の検査で見つかるなどのケースが一般的です。 【今すぐできる】脳幹出血を予防する4つの方法 今すぐできる脳幹出血の予防方法は、以下の4つです。 減塩する 大量飲酒・喫煙を控える 肥満を解消する ストレスを溜めない 本章の内容をもとに脳幹出血の原因となる「高血圧」「動脈硬化」などのリスクを減らし、脳幹出血を予防しましょう。 減塩する 脳幹出血の大きな原因である「高血圧」の予防には「減塩」が有効です。 食塩摂取量の目標は、「健康日本21(第三次)」の目標値では7.0g未満、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の目標量では、成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満とされています。(文献3)(文献4) 日本人は、食生活のなかで食塩の量が多くなりがちです。 以下に、厚生労働省が発信している減塩のコツを紹介します。ぜひ参考にして、毎日の食生活を見直してみてください。 1.漬物は控える 自家製浅漬けにして少量に 2.麺類の汁は残す 全部残せば2~3gの減塩になる 3.新鮮な食材を用いる 食材の持ち味で薄味の調理 4.具だくさんの味噌汁にする 同じ味付けで薄味の調理 5.むやみに調味料を使わない 味付けを確かめて使う 6.低ナトリウムの調味料を使う 酢、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシングを上手に使う 7.香辛料、香味野菜や果物の酸味を利用する こしょう、七味、ショウガ、柑橘類の酸味を組み合わせる 8.外食や加工食品を控える 目に見えない食塩が多く含まれている。塩干物にも注意する 引用: e-ヘルスネット(厚生労働省) 大量飲酒・喫煙を控える 大量の飲酒は、脳出血はもちろんのこと、脳梗塞やくも膜下出血のリスクも上昇させます。お酒の飲みすぎは避けましょう。 1日あたりの飲酒量の目安を、以下に紹介します。 ビール:中瓶1本500ml 清酒:1合180ml ウイスキー・ブランデー:ダブル60ml また、たばこの煙に含まれる有害物質は動脈硬化を起こし、脳出血をはじめとする脳の病気のリスクを高めます。(文献5) たとえば、たばこを吸う人は吸わない人に比べ、男性で1.3倍、女性で2.0倍脳卒中(脳出血・クモ膜下出血・脳梗塞)になりやすいというデータもあります。 お酒の飲みすぎとたばこは、どちらも控えるようにしましょう。 肥満を解消する 肥満の解消も、高血圧に伴なう動脈硬化や脳出血のリスク軽減に役立ちます。 具体的には以下の内容を試してみてください。 週に2~3回、20~30分程度の運動を行う(ウォーキング・息が上がらない程度のジョギング・サイクリング・水泳など) バランスの良い食生活を心がけ、高脂肪、高炭水化物の食事は避ける ストレスを溜めない 過剰なストレスは血管の収縮を引き起こし、血圧を上昇させるため、脳出血の原因となります。 また、ストレスを溜めると、高血圧の原因になる暴飲暴食や過剰な飲酒、喫煙などにつながり、脳出血の間接的な原因になりかねません。(文献6) ストレスを溜めないよう「生活習慣を整える」「困ったことがあれば誰かに相談する」などを、心がけてみてください。 脳出血とストレスの関係については、以下の記事も参考にしてください。 まとめ|生活習慣を見直して脳幹出血を未然に防ごう 本記事では、脳幹出血の概要や主な原因、予防策などを詳しく解説しました。 「脳幹出血」は脳出血の一種で、呼吸や言語機能に関連する「脳幹」から出血する病気です。最大のリスクは高血圧による動脈硬化ですが、血管の奇形によって起こる人もいます。 脳幹出血を防ぐには、高血圧にならないことが重要です。日頃から食生活や運動などに気を配ると良いでしょう。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療(幹細胞治療)による脳卒中の再生医療を実施しています。通常の保険診療では難しい壊れた脳細胞の再生も、再生医療なら可能です。 当院ではメール相談やオンラインカウンセリングも実施していますので、お気軽にお問い合わせください。 この記事が脳幹出血の基本的な知識を知るのに役立ち、効果的に予防できるきっかけになれば嬉しく思います。 脳幹出血についてよくある質問 脳幹出血を起こしても助かりますか。 少しでも早く治療を受けることが大切です。脳幹出血は、その部位の役割や特徴から、生命に直結する危険性もある病気です。ただ、早く治療を開始できれば、命が助かる可能性ももちろんあります。 日頃から、高血圧予防などの生活習慣改善に努め、健康診断などを受けて体調管理をしておくことがおすすめです。 脳幹出血は再発するとどうなりますか。 脳幹出血が再発すると、さらに重い後遺症が出ると考えられます。今までダメージが最小限に抑えられていた部分もダメージを受けると、より言語や呼吸の機能が低下するからです。場合によっては、命に関わるケースもあります。 再発を防ぐために、脳幹出血になったことのある人は、医師の指示にしたがってしっかりと血圧のコントロールを行いましょう。 参考文献一覧 文献1 Ten year recurrence after first ever stroke in a Japanese community: the Hisayama study J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2005 Mar;76(3):368-72. doi: 10.1136/jnnp.2004.038166. 文献2 e-ヘルスネット(厚生労働省) 文献3 健康日本 21(第三次)推進のための説明資料 厚生労働省 文献4 日本人の食事摂取基準(2020 年版)厚生労働省 文献5 男女別、喫煙と脳卒中病型別発症との関係について 国立がん研究センター 文献6 舛形尚 ほか.高血圧外来患者の精神的ストレスと血圧コントロールの関係.日本病院総合診療医学会雑誌 2017:12(2)p13-17
2023.06.29 -
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脳出血が起きたら予後は良くないの? 脳出血で後遺症が残らない確率はどのくらい? 脳出血になったら余命は短いの? 脳出血が起きたら予後が悪いと聞いて、心配になっていませんか? 本人はもちろん、ご家族にとっても余命がどのくらいで、退院後の生活がどうなるのか想像できないと不安ですよね。 結論、脳出血は予後が悪い病気ですが、早期に適切な治療をすれば改善することもあります。 実際に重度の後遺症なしで退院後に自宅で過ごせる確率は約26%と報告されています。 脳出血が起きたあとの経過について正しく理解し、治療やリハビリ・予防を続けることが大切です。 本記事では脳出血後の予後や余命を解説します。 回復過程についても説明していますので、最後まで読んで退院後の過ごし方の参考にしてください。 参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」 脳出血の予後を予測する上で知っておきたい2つのこと 脳出血の予後を決めるのは、以下の2つです。 脳出血のタイプ 発症時の意識レベル 2022年の脳卒中データバンクによると、脳出血の割合は脳卒中全体の18.0%と高くないものの、入院中に13.8%が亡くなると報告されてます。 脳梗塞と比較すると予後が悪く、後遺症に悩む人も少なくありません。 脳出血の予後について正しく理解し、治療の見通しを立てましょう。 参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」 脳出血の後遺症でお悩みの方はお気軽にご相談ください お電話でのお問い合わせ 0120-706-313(受付時間:09:00〜18:00) メール相談 メール相談はこちらから(無料) 来院予約 来院予約はこちらから 脳出血の発症で死亡してしまう方に多いタイプ 脳出血で死亡してしまう方が多いタイプは以下の通りです。 血腫の量が多い 混合型の出血 脳幹の出血 急性閉塞性水頭症の合併 特に血腫量が多い場合や水頭症を合併している場合は手術が適応になることがあります。 2022年のデータでは急性期に手術した割合は12.6%と報告されており、 重症例と考えられるでしょう。 時間の経過とともに症状が進行するので、予後を悪化させないためには急性期の治療が重要です。 参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」 ▼脳出血の中でも生存率の低い脳幹出血について知りたい人は以下の記事もご覧ください。 脳出血の予後は発症したときの意識レベルで変わる 脳出血の予後や死亡率は発症時の意識レベルに大きく影響を受けます。一般的に発症時に意識状態が悪いほど、後遺症も重くなり、死亡率が高くなるからです。 実際に2022年のデータでは、19.6%の方は脳出血を発症し、来院した時には昏睡状態(Japan Coma Scale 100以上)だったと示されています。 まずは脳出血を発症させないよう日々の血圧管理が必要ですが、発症したらすぐに受診することも予後をよくするためには重要です。 参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」 脳出血の回復過程は3段階【適切なリハビリが必要】 脳出血を起こした後の回復過程には、以下の3段階があります。 急性期【発症~2週間】 回復期【急性期後~6カ月】 生活期【6カ月以降】 2022年の脳卒中データバンクによると、脳出血後のリハビリとして86.4%の人が理学療法を、84.4%の人が作業療法を、74.3%の人が言語聴覚療法を受けています。 段階に応じた治療・リハビリが必要ですので、概要を確認しておきましょう。 参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」 ▼脳出血の後遺症やリハビリについて詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。 急性期【発症~2週間】 急性期は発症直後から2週間程度です。 出血が広がらないように血圧を下げる治療や呼吸・循環を補助する治療や場合によって手術が行われます。急性期のリハビリは筋肉が衰えたり、関節が固くなったりしないよう無理のない範囲で行います。 回復期【急性期後~6カ月】 回復期は、急性期の終了後から6カ月までの期間です。 麻痺や動作の障害には理学療法や作業療法、しゃべり辛さや飲み込みの障害には言語聴覚療法を行います。 生活期【6カ月以降】 生活期には軽めの運動を取り入れながら、生活の範囲を広げ、動作に慣れるリハビリを行っていきます。 脳出血を発症した際の余命や後遺症なしの確率【平均余命12年】 発表済みのデータによると、脳出血を発症した際の平均余命は約12年、重大な後遺症なく退院して自宅で過ごせる方は約26%です。 脳出血は脳の血管が破れて出血する病態なので、出血が脳の重大な機能を司る箇所に影響を与える可能性があります。回復できるかどうかは出血の程度や治療の速さにかかっており、発症時に早期に治療へ結びつけることが大切です。 脳出血の1年以内の再発率は25%、5年以内の再発率は50%との報告もあります。余命を延長し後遺症が残る確率を減らすなら、脳出血を起こさないよう、また起きた後も再発しないよう血圧コントロールを継続しましょう。 参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」 まとめ|脳出血を起こしたらすぐに病院へ受診を 脳出血の予後を良くするためには、発症してからできるだけ早く治療を始める必要があります。 脳出血が起きた箇所やタイプにもよりますが、発症から時間が経つほど症状は悪化し、意識レベルが低くなってしまいます。 意識レベルが低いほど後遺症の残る確率が上がるので、発症したらすぐに救急車を呼んで治療を受けるようにしましょう。 万が一、後遺症が残ってしまい痺れや麻痺でお困りの場合は、リペアセルクリニックへご相談ください。 ▼脳出血の再生医療について詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。 脳出血の後遺症でお悩みの方はお気軽にご相談ください お電話でのお問い合わせ 0120-706-313(受付時間:09:00〜18:00) メール相談 メール相談はこちらから(無料) 来院予約 来院予約はこちらから 脳出血を発症した場合についてよくある質問 Q.脳出血は治りますか。 A.完治することはありませんが、適切に治療をすれば残っている機能を回復させることができます。特に問題になる後遺症は、軽度であればリハビリを通して回復が期待できます。重度の場合は難しいケースもありますが、再生医療が役に立つ可能性がありますので、一度リペアセルクリニックへご相談ください。 Q.脳出血を発症したあとに後遺症なしの確率はどのくらいですか。 A.2022年の脳卒中データバンクによると、退院時に自宅に戻れた人は約26%です。 一方、リハビリ目的の施設へ退院した人が約68%なので、生活機能が低下して自宅で過ごせないほどの後遺症が残ってしまうケースが多いことが分かります。 参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」 Q.脳出血の予防方法はありますか。 A.血圧をコントロールすることです。脳出血の原因は、高血圧性脳出血が約8割と最も多いです。 高血圧は基本的には無症状ですが、動脈硬化による脳梗塞や脳出血の原因になってしまいます。異常値を指摘されている方は、早めに医療機関を受診して治療を始めましょう。 ▼脳出血の予防方法や原因について詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。 Q.意識障害はよくなりますか。 A.出血した場所、出血の量によって異なりますが、適切な治療で改善するケースがあります。 意識障害を起こしている場合は、脳幹という神経が集まっている部位の出血や、出血の量が多く脳が浮腫を起こしている可能性があります。そのため、血圧を下げる、浮腫を和らげる、呼吸を補助するといった治療が必要です。 ただし、損傷した神経自体を回復させる治療はまだないため、重度の意識障害では症状が残る可能性が高くなります。 脳出血を発症しないように、血圧管理を含めて日常的な生活習慣に気をつけることが重要です。 Q.脳出血はどこまで回復しますか。 A.脳出血による後遺症が回復するかどうかは、発症時の症状とその後リハビリにより大きく異なります。 発症した時に意識障害がある場合や高度の麻痺がある場合には、一般的に後遺症が残ってしまいます。また、発症後6ヶ月までは回復する見込みがあるので、集中してリハビリを行うことが勧められます。 ご自身の想定される回復の程度やリハビリが必要な期間については、担当の医師とよく相談するようにしましょう。 ▼脳出血の後遺症・リハビリについて詳しく知りたい人は以下もご覧ください。
2023.04.05 -
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「ストレスが脳出血の原因になるって本当?」と不安に感じていませんか? 過度なストレスが続くと、高血圧や血管へのダメージが引き金となり脳出血のリスクが高まります。 しかし、適切なストレス管理で脳出血のリスクを大幅に減らせるのも事実です。 本記事では、ストレスと脳出血の関係性をわかりやすく解説し、血圧管理や食生活の改善といった具体的な対策をお伝えします。 今すぐできる予防法で、健康な毎日を手に入れたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。 また、当院「リペアセルクリニック」では手術や入院を必要としない「再生医療」を提供しています。 脳出血や脳卒中の後遺症でお悩みの方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 脳出血とストレスの関係性とは? 脳出血は脳卒中の一種で、脳内の血管が破れて出血する病気です。 出血によって脳内に血液が溢れ、血腫(血のかたまり)を形成し、周囲の脳神経を圧迫することでさまざまな症状が現れます。 本章では、脳出血を引き起こす原因にストレスがどのような関係があるのか、以下3つのリスクに分けて解説します。 睡眠不足による動脈硬化リスク 暴飲暴食による高血圧リスク 喫煙による動脈硬化リスク それぞれ詳しく紹介するので参考にしてください。 睡眠不足による動脈硬化リスク 睡眠不足により血圧が上昇すると、動脈硬化が進みやすくなり、脳出血のリスクが高くなります。睡眠中は血圧が自然に下がり、身体がリラックスできる大切な時間です。 しかし、睡眠不足が続くと血管への負担が大きくなり、脳出血のリスクが上昇します。 脳出血のリスクを未然に防ぐためにも1日6〜8時間の質の良い睡眠を確保するように心がけましょう。 暴飲暴食による高血圧リスク 暴飲暴食が習慣化すると、高血圧を引き起こしやすくなり、脳出血のリスクが高まります。 とくに塩分や糖分のとりすぎは血圧の上昇を招き、脳出血のリスクを高める原因になります。 ファストフードやスナック菓子、アルコールなど、血管の負担が増えやすいものは過剰な摂取を避けましょう。 減塩食や栄養バランスの取れた食事を意識し、血圧を安定させて健康な生活を維持することが大切です。 喫煙による動脈硬化リスク 喫煙は、動脈硬化を悪化させ、脳出血のリスクを著しく高めます。 タバコに含まれる有害物質は、血管を収縮させ血圧を上昇させるためです。 さらに、喫煙によって血管の内壁が損傷すると、動脈硬化が進行する原因にもなります。 血管が硬くなると弾力性を失い、破れやすくなるため脳出血のリスクも高まります。 喫煙習慣がある方は早めに禁煙に取り組み、健康な血管を取り戻しましょう。 また、脳出血の原因と症状については以下の記事でも詳しく解説していますので参考にしてください。 脳出血の種類 脳出血にはいくつかの種類があり、以下のように原因や特徴が異なります。 脳出血の種類 特徴 高血圧性脳出血 高血圧による血管の破裂が原因 血管腫 異常な血管の塊が破れて出血する 動静脈奇形 動脈と静脈の異常なつながりが破裂する 硬膜動静脈瘻 硬膜の血管異常で血流が増え、破れやすくなる 脳腫瘍(悪性) 腫瘍が血管を圧迫し、出血を引き起こす 脳アミロイド血管症 高齢者に多く、血管がもろくなり出血しやすい 以下では、代表的な脳出血の種類である高血圧性脳出血や血管腫、動静脈奇形などについて、それぞれ詳しく解説します。 高血圧性脳出血 高血圧性脳出血は、高血圧が長期間続くことで血管に強い圧がかかり、破れて出血する病気です。 高血圧性脳出血は、とくに高齢者や慢性的に血圧が高い方に多く見られます。日頃から定期的に血圧を測定し、適切な治療や生活習慣の見直しを心がけましょう。(文献1) 血管腫 血管腫は血管の異常なかたまりが脳内にできる病気で、出血を引き起こす場合があります。 血管腫は生まれつき存在する場合が多く、通常は無症状です。しかし血管が破れやすい状態のため、強い衝撃や血圧の上昇で出血することがあります。 血管腫による脳出血はまれですが、万が一出血した場合は緊急の対応が必要です。 定期的に健康診断を受け、血管腫を早期発見できるようにしましょう。 動静脈奇形 動静脈奇形は、動脈と静脈が異常につながり、正常な血流が保たれない状態を指します。 この異常が進行すると、血管が膨らんで破裂し、脳出血の原因となります。 動静脈奇形は先天性の疾患であり、無症状のまま気づかないケースも少なくありません。 しかし出血を起こすと強い頭痛や神経症状が現れます。 早期発見が重要なため、MRIやCT検査での定期的なチェックを受けることをおすすめします。 硬膜動静脈瘻(こうまくどうじょうみゃくろう) 硬膜動静脈瘻は、脳を包む硬膜に異常な血管のつながりができる疾患です。 血流が異常に増加し、血管に強い圧力がかかることで破裂しやすくなります。 症状としては、耳鳴りや頭痛が代表的ですが、破裂すると脳出血を引き起こす危険性があります。 主に外傷や血管の老化が原因とされており、早期発見が重要です。 症状が気になる場合は、速やかに病院を受診し、専門的な検査を受けてみましょう。 脳腫瘍(悪性) 悪性の脳腫瘍は、血管を圧迫したり腫瘍内の血管が破れることで出血するケースもあります。 とくに悪性の場合は血管の構造が弱く不安定なため、出血のリスクが高いのが特徴です。 脳腫瘍による出血は急激に症状が現れ、命に関わることも少なくありません。頭痛やしびれなど気になる症状があれば、すぐに医療機関を受診しましょう。 脳アミロイド血管症 脳アミロイド血管症は、脳の血管にアミロイドという異常なタンパク質が沈着し、血管をもろくする病気です。 とくに高齢者に多く、軽微な刺激でも血管が破れ脳出血を引き起こすことがあります。繰り返し出血するリスクも高いのが特徴です。 脳アミロイド血管症は、現時点で根本的な治療法は確立されていません。 血圧管理や定期的な検査を受け、予防に努めましょう。 また、脳出血や脳梗塞の原因や症状について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。 【自分でできる】脳出血の予防法5選 脳出血は、高血圧や血管の異常(動静脈奇形・硬膜動静脈瘻など)によって発症します。 とくに高血圧は、ストレスや生活習慣病が原因で引き起こされるケースが多いため、血圧の管理が脳出血のリスクを減らす重要なポイントです。 本章では、脳出血を予防する5つの方法を紹介いたします。 血圧管理で脳出血を予防 食生活の改善で血圧を下げる 適度な運動で血圧をコントロール 禁煙で脳出血リスクを減らす 節酒で脳出血のリスクを下げる 上記のポイントを意識しつつ、日頃から血管の健康を意識した生活を心がけましょう。 血圧管理で脳出血を予防 脳出血の原因の多くは高血圧であるため、日頃から自分自身の血圧を把握し適切な数値に保つことが重要です。 家庭用血圧計を使って毎日血圧を測定し、記録をつける習慣をつけましょう。 もし高い数値が続く場合は、医師に相談するようにしてください。 食生活の改善で血圧を下げる 食生活の見直しは、脳出血の予防に欠かせません。 塩分を控え、カリウムを多く含む野菜や果物を積極的に摂ることで、血圧をコントロールできます。 たとえば、減塩食品や和食中心のバランスの良い食事が効果的です。 また、加工食品や外食の頻度を減らすこともおすすめです。 健康的な食生活を心がけて、血管への負担と脳出血のリスクを下げましょう。(文献2) 適度な運動で血圧をコントロール 適度な運動は、血圧を下げる効果が期待できます。 ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を、毎日30分程度行うのがおすすめです。 運動習慣がない方は、まずは10分程度の散歩から始めてみましょう。 無理のない範囲で運動を継続するのが大切です。 また、高血圧の予防と改善については以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。 禁煙で脳出血リスクを減らす 喫煙は動脈硬化を促進し、脳出血のリスクを高めます。 タバコに含まれる有害物質は、血管を収縮させるため血圧が上昇してしまいます。 また、禁煙は脳出血の予防だけでなく、健康全般にとっても非常に重要です。 なかなか辞められない方は、禁煙外来なども活用して禁煙を成功させましょう。 節酒で脳出血のリスクを下げる 適度な飲酒は問題ありませんが、過度な飲酒は脳出血の原因になります。アルコールは血圧を上昇させるため、飲みすぎには注意してください。 男性では1日に日本酒2合程度以上、女性では日本酒1合程度以上の飲酒で、リスクが高くなることを示す研究があります。(文献3) よって、男性は1日2合以内、女性は1合以内の適量を守ることが理想です。 飲みすぎを防ぐために、ノンアルコール飲料を活用するのも良い方法です。節酒を意識することで、脳出血のリスクを減らして健康的な生活を送りましょう。 脳出血にならないための予防法については、以下の記事でも紹介していますので、参考にしていただけると幸いです。 脳出血の前兆かも?注意したい3つの症状 脳出血は突然発症するケースが多いですが、前兆となる症状が現れる場合もあります。 注意したい3つの症状は以下のとおりです。 頭痛やめまい 言葉のもつれ 手足のしびれ 早期に気づくことで、重症化を防ぐ可能性が高まります。 ここでは、脳出血の前兆として注意すべき症状をそれぞれ解説いたします。 また、脳出血の気になる前兆や初期症状をセルフチェックしたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。 頭痛やめまい 強い頭痛や突然のめまいは脳出血の前兆かもしれません。 普段経験しないような激しい頭痛や、姿勢を変えただけで感じるめまいは要注意です。 放置すると症状が悪化し、意識障害や吐き気を伴うこともあります。 そのため、頭痛やめまいが続く場合は、すぐに医療機関を受診し適切な検査を受けましょう。 言葉のもつれ 突然、話し方がぎこちなくなる場合も脳出血のサインです。 話している途中で「言葉が出にくい・会話がスムーズに進まない」といった症状が現れることがあります。 脳内の出血によって、言語を司る部分に影響を与えた可能性が考えられますが、症状が進行すると重度の言語障害を引き起こす恐れもあります。 異変を感じたら、周囲の人に助けを求めるなどして、早急に病院での診察を受けましょう。 手足のしびれ 手足のしびれや感覚の鈍さも、脳出血の前兆のひとつです。 一時的に起こる場合もありますが、左右どちらかに偏るしびれは、とくに注意が必要です。 脳内の出血が神経に影響を及ぼしている可能性があるため、そのまま放置すると麻痺や運動障害に進行する危険性があります。 突然、手足のしびれ症状が見られた場合は、ただちに医療機関を訪れましょう。 脳出血の生じやすい部位と症状 脳出血は脳の特定の部位で起こることが多く、それぞれ特徴的な症状があります。 部位 主な症状 被殻出血 片側の手足の麻痺、感覚障害、言葉が出にくい 視床出血 識障害、片側の感覚異常、視野が欠ける 小脳出血 激しいめまい、ふらつき、歩行困難 橋(脳幹)出血 意識障害、呼吸困難、四肢の麻痺 皮質下出血 片側の運動麻痺、感覚障害、言語障害 本章では、上記の表にまとめた各部位の特徴と症状を解説します。 被殻出血 被殻出血(ひかくしゅっけつ)は、高血圧で起こることが多い脳出血です。 この部位で出血すると片側の手足の麻痺や感覚異常、言葉が出にくい症状が現れます。 被殻は運動機能を司る部分であり、とくに運動麻痺が顕著に現れるため早期発見が後遺症を防ぐポイントです。 視床出血 視床(ししょう)で出血が起こると、意識障害や片側の感覚異常が見られます。 この部位は感覚を統合する役割を担っているため、出血が感覚神経に大きな影響を与えます。 さらに、視野が欠ける場合もあるため、視覚の変化にも注意しましょう。 視床出血については以下の記事でも詳しく解説しています。 特徴的な症状があるため、気になる方はぜひ参考にしてください。 小脳出血 小脳出血は、平衡感覚や運動の調整が影響を受けるタイプです。 激しいめまいやふらつき、歩行困難などが特徴です。 また、出血が重症化すると呼吸困難に至るケースもあるため、めまいが強い場合は早急に治療を受けましょう。 橋(脳幹)出血 橋での出血は、生命維持に関わる重要な神経を含むため重篤な症状です。 意識障害、呼吸困難、四肢の麻痺が急激に現れることがあります。 橋は脳幹の一部であり、この部位での出血は迅速な対応が求められます。 橋出血(脳幹出血)の原因や予防策については、以下の記事でも詳しく解説しています。 皮質下出血 皮質下出血では、片側の運動麻痺や感覚異常が起こるケースが多いです。 これは大脳皮質の直下での出血が原因であり、運動や感覚に大きな影響を及ぼします。 また、場合によっては言語障害が現れることもあるので注意が必要です。 脳出血の治療方法についてはこちらの記事も参考にご覧ください。 まとめ|ストレスを溜めずに脳出血の予防法を実践しよう! ストレスが脳出血のリスクを高めることは避けられません。 しかし、日常の習慣を見直し適切な予防策によってリスクは大幅に減らせます。 血圧管理や生活習慣の改善を意識し、健康的な生活を目指しましょう。 安定した日々を過ごせるよう、ぜひ今回紹介した予防法を活用してみてください。 また、当院「リペアセルクリニック」では脳卒中や頚椎ヘルニアによる症状にお悩みの方へ、手術や入院の必要がない「再生医療」を提供しています。 まずはお気軽に「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 脳出血とストレスに関するよくある質問 脳内出血の前兆や初期症状はどんなものですか? 脳内出血の前兆には「強い頭痛・めまい・手足のしびれ・言葉のもつれ」などがあります。 これらは血管の圧迫で神経が正常に働かなくなることで起こります。 とくに突然の症状や普段と違う感覚が現れた場合は要注意ですので、不安を感じたらすぐに医療機関を受診しましょう。 脳出血の前兆や初期症状については、以下の記事も参考にご覧ください。 ストレスで脳血管が切れる原因は何ですか? ストレスを感じると交感神経が活発になり、血管が収縮して血圧が上昇するため負担がかかりやすくなります。 また、ストレスは睡眠不足や暴飲暴食、喫煙などの悪習慣を招きやすく、結果的に脳出血を引き起こすリスクが高まると言えるでしょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では脳卒中やヘルニアの後遺症に対し、手術を伴わない「再生医療」をご提案しています。 後遺症に関して不安がある方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 参考文献一覧 文献1 医学出版_高血圧性 脳出血 の治療 文献2 公益社団法人 日本栄養士会_高血圧と、上手に付き合っていきましょう。 文献3 鳥取県・とりネット_第3章 健康づくり文化創造プラン(第四次)で定める健康づくりの目標
2023.03.27 -
- 脳卒中
- 脳出血
- 頭部
手足の麻痺や呂律の障害といった脳出血による後遺症は日常生活に大きな影響を与えます。後遺症への不安から「これからの生活はどうなるのか」と心配される方も少なくありません。 後遺症の程度は、脳のどの部分で出血が起きたか、また症状がどれだけ重いかで変わってきます。後遺症の完全回復は容易ではありません。しかし、早期からのリハビリで症状が改善する可能性があります。 本記事では、脳出血の後遺症の種類や回復へのリハビリについて詳しく解説します。後遺症の改善を目指す方はぜひ参考にしてみてください。 脳内出血で後遺症が出る原因や程度 脳出血を発症すれば、頭痛や吐き気、手足の麻痺といった後遺症が出る可能性があります。 そもそも、脳出血とは脳に張り巡らされている血管の一部が破れて出血を起こす病気です。漏れ出た血液が脳の細胞を圧迫し、さまざまな後遺症を引き起こします。 脳は部位によって機能がわかれているため、出血した部位に応じて後遺症の種類も異なります。 たとえば、脳の各部位の出血では、以下のような後遺症が特徴的です。 前頭葉(脳の前部分)で発症した場合:意欲の低下が起こりやすくなる 側頭葉(脳の側面部分)で発症した場合:言語障害や記憶障害になりやすくなる 後遺症の程度は、出血量が症状に大きく影響します。出血量が多ければ多いほど、脳が圧迫される範囲が広がるためです。 脳出血による後遺症は、早期からのリハビリで機能が改善する可能性があります。リハビリの方法や期間については後述しているので、このまま読み進めてみてください。 またリハビリ以外の有効な治療法に「再生医療」があります。再生医療は人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術で、身体機能(後遺症)の回復や脳卒中における再発予防の効果が期待できます。 脳内出血における後遺症6種類 脳出血による主な後遺症は以下のような種類があります。 ・運動麻痺 ・感覚障害 ・言語障害 ・目の障害 ・嚥下障害 ・高次脳機能障害 具体的にどのような症状が現れるのか、順番に見ていきましょう。 なお、後遺症の治療には人間の自然治癒力を活用した「再生医療」が効果的です。再生医療により身体の機能(後遺症)が回復した症例は数多く報告されています。具体的な症例が知りたい方は再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 運動麻痺 運動麻痺は、脳出血後に多く見られる後遺症です。体の片側(左右どちらか一方)の手足に力が入らなくなったり、思うように動かせなくなったりします。 麻痺の出る場所は、脳のどの部分で出血が起きたかによって変わります。 感覚麻痺 感覚障害には2つの異なる症状があります。1つは触覚や痛みを感じにくくなる鈍麻で、もう1つは刺激に敏感になり、しびれを感じやすくなる過敏です。 感覚麻痺も脳出血後に多く見られる後遺症で、体の片側だけに症状が現れやすい特徴をもっています。 言語障害 脳出血後の言語障害は2種類にわかれます。 「失語症」は言葉が出にくくなり、読み書きも困難になる症状です。一方「構音障害」は口や舌の動きが悪くなり、発音がはっきりしなくなる症状です。 目の障害 脳出血後の目の障害では、目の見える範囲が狭くなったり、物が二重に映ったりします。 左右どちらかの視野だけが見えにくくなる「半盲」も起こりうる症状です。視野の問題は長期的な経過をたどり、改善に時間がかかる場合があります。 嚥下障害 嚥下障害では、のどの筋肉の動きが悪くなり、食事や水分が飲み込みにくくなる場合があります。食べ物が間違って気管に入ると「誤嚥性肺炎」(食べ物が肺に入ることで起こる肺炎)を引き起こす危険があります。 高齢者は誤嚥性肺炎で重症化しやすいため、食事の際はとくに慎重な対応が必要です。 高次脳機能障害 高次脳機能障害は、脳の細胞がダメージを受けて起こる症状の総称です。 たとえば、症状の1つである「記憶障害」は、過去の出来事を覚えていられなくなる状態です。また、注意力が散漫になって作業に集中できなくなる「注意障害」も見られます。 「感情障害」も引き起こし、感情の起伏が激しくなったり、何事にもやる気が出なったりする症状が現れるケースもあります。 脳内出血の後遺症を軽減を目指すリハビリとは 脳出血の後遺症は、適切なリハビリで軽減できる可能性があります。日常生活への復帰を目指し、発症直後からリハビリを始めていくのが大切です。 初期段階では、廃用症候群の予防を目的としたリハビリがよくおこなわれます。廃用症候群とは、病気の治療のために安静にしすぎた結果、筋力が衰え身体機能が低下してしまう状態です。 廃用症候群になってしまうと、身体機能の低下だけでなく、骨粗鬆症や心臓・肺機能の低下なども起こります。そのため、病状が安定したら、手足の運動や体位の変更といった軽めのリハビリをしていくと良いでしょう。 発症から2〜6か月の回復期では、日常生活への復帰に向けた本格的なリハビリをおこないます。医師、看護師、理学療法士など、多くの専門家のサポートのもとで段階的に機能回復を目指します。 脳出血の後遺症でリハビリ以外に効果が期待できる治療方法 脳出血の後遺症でリハビリ以外に効果が期待できる治療方法の1つに「再生医療」があります。 再生医療とは、修復力のある幹細胞の働きを利用して、弱ったり、傷ついたりした神経細胞を修復する新しい治療法です。 再生医療では、麻痺や痺れといった脳溢血の後遺症の回復を早めたり、脳卒中の再発を予防したりする効果が期待されています。 以下の記事では、再生医療による脳出血の治療効果を具体的に 解説しています。動画や実際の症例を 交えながら説明しているので、 再生医療の治療に関心がある方は参考にしてみてください。 再生医療で脳溢血の治療を進めたい方は、弊社『リペアセルクリニック』にご相談ください。再生医療の症例数10,000例以上の経験を活かし、患者さま一人ひとりに合った治療プランをご提案いたします。 \まずは当院にお問い合わせください/ まとめ|脳内出血における後遺症の種類とリハビリの効果を把握して治療に役立てよう 脳出血を発症すると運動麻痺や感覚障害といった後遺症が出る可能性があります。 早期にリハビリを始めれば症状を軽減できたり、回復を早めたりできる場合もあるので、専門家と相談しながら適切なリハビリを進めていきましょう。 近年では、脳出血における後遺症の治療法として「再生医療」が注目されています。 再生医療は人間の自然治癒力を活用した最先端の医療技術です。幹細胞の修復力を利用して、脳細胞の機能回復を促進します。 「再生医療に興味があるけど具体的なイメージがつかめなくて不安…」という方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 脳出血の後遺症に関するよくある質問 最後に脳出血の後遺症に関するよくある質問と回答をまとめます。 脳出血による後遺症のリハビリはどこで受けられますか? 医師の指示があれば、以下の場所でリハビリが受けられます。 ・自宅での訪問リハビリ ・病院や診療所での通院リハビリ ・デイケアセンターでの通所リハビリ 医療保険では、発症から最大150日間(脳の高次機能障害がある場合は180日間)のリハビリが利用できます。保険期間終了後は、民間施設での自費リハビリも選択肢の1つです。 費用や内容は施設ごとにさまざまなプランが用意されており、状態や目的に合わせて選べます。 脳出血で後遺症なしの確率はどれくらいですか? 脳出血で後遺症なしの確率を示す公的なデータは見つかりませんでした。 しかし、厚生労働省が実施した脳卒中患者(18-65歳)の予後調査によると、1,584例中、後遺症がまったく残らなかったのは344例でした。 つまり、脳卒中を発症した患者の約2割が後遺症なく回復し、約8割の患者には脳卒中によるなんらかの影響が残る結果となったのです。 以下の記事では、脳出血で後遺症が残らない確率について詳しく解説しています。脳卒中に関する調査結果を複数紹介しているので、理解を深めたい方はぜひあわせてご覧ください。 脳出血の後遺症は治るケースもありますか? 脳出血の後遺症は完全に治すのは難しいといわれています。しかし、適切なリハビリや治療をおこなえば、症状を最小限に抑えたり、残っている機能を回復させたりすることが可能です。 脳出血の有効な治療法の1つに「再生医療」があります。 これまで一度死んだ脳細胞は戻らないとされてきました。しかし、再生医療は脳細胞を復活させ、脳出血を含む脳卒中の後遺症を改善できることがわかってきたのです。 詳しい治療法や効果が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。
2023.03.15 -
- 脳卒中
- 頭部
- 脳出血
脳溢血を発症すると、運動麻痺や感覚障害などの後遺症が出る可能性があります。しかし、リハビリや適切な治療を継続的におこなえば、機能の回復や症状の改善が期待できます。 リハビリをおこなう際は、焦りは禁物です。負担のかかる無理な運動をすると、症状の悪化や再出血のリスクが高まります。医師や専門スタッフの指導のもとで自分の症状や回復段階に合ったリハビリを進めていきましょう。 本記事では、脳溢血による後遺症の種類や回復過程について解説します。リハビリ以外の療法や治療法も紹介しているので、後遺症の改善を目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。 脳溢血(のういっけつ)で後遺症が出るリスク 脳溢血は発症後に治療しても後遺症が出るケースが少なくありません。脳の細胞がダメージを受けて、体の麻痺や感覚の障害などが残る可能性もあります。 そもそも脳溢血とは、脳の血管が破れて血液が流出してしまう病気です。現在は脳出血と呼ばれることが多くなりました。 脳溢血の後遺症によっては、治療後も日常生活に影響が出る場合があるので、症状だけでなく後遺症の理解も深めておきましょう。 脳溢血の有効な治療法の1つに「再生医療」があります。 これまで一度死んだ脳細胞は戻らないとされてきました。しかし、再生医療は脳細胞を復活させ、脳溢血を含む脳卒中の後遺症を改善できることがわかってきたのです。 詳しい治療法や効果が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 脳溢血で残りうる後遺症の種類7選 脳溢血で残りうる7種類の後遺症を解説します。 後遺症 症状 運動麻痺 ・運動麻痺は脳溢血の代表的な後遺症 ・手足に力が入らなくなったり、動かしづらくなったりする ・左右どちらかの半身にのみ症状が出るのが特徴 感覚障害 ・感覚障害も脳溢血の代表的な後遺症 ・触った感覚や痛みの感じ方が鈍くなったり、逆に過敏になってしびれを感じたりする ・この障害も体の片側に起こる場合がほとんど 言語障害 言語障害は主に以下の2種類 ・失語症:言葉が出にくくなったり、読み書きが難しくなったりする ・構音障害:口や舌がうまく動かせず、言葉をはっきり話せない 視野障害 ・目の見える範囲が狭くなったり、物が二重に見えたりする ・また片方の目の視野が見えにくくなる「半盲」の症状が出る場合もある ・視野障害は長期間改善しない場合もある 嚥下障害 ・のどの筋肉の動きが悪くなり、食事や水分を飲み込みにくくなる ・食べ物が誤って気管に入ると「誤嚥性肺炎」を引き起こすリスクがある ・誤嚥性肺炎は高齢者の死亡原因となる場合も多いため、高齢者はとくに注意が必要 高次脳機能障害 高次脳機能障害とは、脳の細胞がダメージを受けて脳機能が低下した状態。下記のように複数の症状が現れる。 ・記憶障害:数分前の出来事を忘れる ・注意障害:注意散漫でひとつの作業に集中できない ・遂行機能障害:自分で計画を立てて実行するのが難しい ・半側空間無視:外界の半分を認識できなくなる 感情障害 ・常にイライラしたり、感情の起伏が激しくなったりする ・意欲が沸かず、うつ病のような症状が見られる 脳溢血による後遺症は運動機能から精神面まで多岐にわたります。症状に応じた適切な治療法を選択し、確実な回復を目指していく姿勢が大切です。 脳溢血による後遺症の軽減が期待できるリハビリの進め方 早期からのリハビリ開始で、脳溢血による後遺症は大きく改善する可能性があります。発症からの時期に応じて、3段階のリハビリプログラムを進めていきます。 ・急性期 ・回復期 ・維持期 リハビリの内容を順番に見ていきましょう。 急性期 脳溢血の発症から約2週間は「急性期」と呼ばれ、命を守る治療が最優先となります。体の状態が不安定なため、急な運動は血圧上昇や再出血を招く危険があるため焦ってのリハビリは禁物です。 しかし、ずっとベッドで安静にしていると「廃用症候群」(寝たきりによって筋肉の衰えや関節の硬化が起こる症状)を引き起こす恐れがあります。廃用症候群になると、床ずれや感染症のリスクも高まります。 そのため、急性期のメインとなるリハビリは、手足のストレッチや体位の交換といったベットの上でできる軽い運動です。 回復期 急性期を乗り越えて、体の状態が安定し、本格的にリハビリが始まる時期を「回復期」と呼びます。この時期には、日常生活に戻ることを意識しながらリハビリを進めていきます。 【主なリハビリ内容】 ・ベッドサイドでの運動 ・杖や歩行器を使った歩行練習 ・言葉や飲み込みの機能回復練習 ・記憶力や注意力などの脳機能向上訓練 ・食事、トイレ、入浴などの生活動作訓練 医師や専門スタッフの指導のもと、段階的に運動量を増やしながら機能回復を目指します。 維持期 回復期のリハビリで日常動作ができるようになり、自宅での生活が始まる時期を「維持期」と呼びます。 病院で回復した体の機能を保つため、定期的に外来リハビリに通ったり、日常生活で体を動かしたりする習慣が大切です。 脳溢血の後遺症に有効な4つの治療方法 麻痺の治療については近年研究が進んでおり、リハビリ以外にもさまざまな方法があります。ここでは、リハビリ以外の有効な治療法を4つ紹介します。 ・CI療法(Constraint-induced movement therapy) ・促通反復療法 ・電気刺激療法・磁気刺激療法 ・再生医療 治療方法を選択する際の参考にしてみてください。 CI療法(Constraint-induced movement therapy) CI療法は、麻痺した手が少しでも動かせる人を対象におこなう機能回復トレーニングです。 麻痺していない手を動かせないように固定し、麻痺した手を日常生活で多く使うよう促すことで麻痺した手の機能回復を目指します。 1回あたり6時間以上の訓練が必要になるため負担は大きいですが、実際に手の動きが良くなったという報告もあります。 促通反復療法 促通反復療法は、同じ運動を繰り返しおこない、脳の損傷した神経回路を修復・強化するリハビリ方法です。手足の麻痺が改善したという報告が多く寄せられています。 電気刺激療法・磁気刺激療法 麻痺した手足の筋肉に弱い電流を流したり、頭部に磁気を与えたりすることで、衰えた筋肉の働きを活性化します。主に歩行機能の回復が期待できる療法です。 促通反復療法と一緒におこなうと、より高い効果が期待できます。 再生医療 再生医療とは、修復力のある幹細胞の働きを利用して、弱ったり、傷ついたりした神経細胞を修復する新しい治療法です。 再生医療では、麻痺や痺れといった脳溢血の後遺症の回復を早めたり、脳卒中の再発を予防したりする効果が期待されています。 再生医療で脳溢血の治療を進めたい方は、弊社『リペアセルクリニック』にご相談ください。再生医療の症例数10,000例以上の経験を活かし、患者さま一人ひとりに合った治療プランをご提案いたします。 \まずは当院にお問い合わせください/ まとめ|脳溢血の後遺症に有効はリハビリと治療法を知って症状の軽減を目指そう 脳溢血は運動麻痺や感覚障害といった後遺症が出る可能性のある病気です。 安静による筋力低下を防ぎ、後遺症からの機能回復を図るためにはリハビリが欠かせません。回復過程に合わせた無理のないリハビリを進めて、着実な改善を目指しましょう。 近年では、脳溢血における後遺症の治療法として「再生医療」が注目されています。 再生医療は人間の自然治癒力を活用した最先端の医療技術です。幹細胞の修復力を利用して、脳細胞の機能回復を促進します。 「再生医療に興味があるけど具体的なイメージがつかめなくて不安…」という方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 脳溢血の後遺症に関するよくある質問 最後に脳溢血の後遺症に関するよくある質問と回答をまとめます。 脳梗塞と脳溢血(脳出血)における後遺症の違いはなんですか? 脳梗塞は、脳の血管が詰まることで脳細胞が死滅し、正常な機能が失われる病気です。一方、脳出血は血管が破裂して出血する病気です。 両者とも脳で起こる病気のため、後遺症の種類は似ています。 【脳梗塞と脳溢血の両方に見られる後遺症の例】 ・手足の麻痺 ・感覚の障害 ・記憶力や注意力の低下 発症する部分や重症度によって、後遺症の種類や症状の程度が異なります。 以下の記事では、脳梗塞の後遺症や治療方法について解説しています。脳梗塞の理解を深めたい方はぜひ合わせてご覧ください。 脳溢血(脳出血)で後遺症なしの確率はどれくらいですか? 脳溢血で後遺症なしの確率を証明する公的なデータは見つかりませんでした。 しかし、厚生労働省が実施した脳卒中患者(18-65歳)の予後調査によると、1,584例中、後遺症がまったく残らなかったのは344例でした。 つまり、脳出血を発症した患者の約2割が完全回復し、約8割の患者には脳卒中による何らかの影響が残る結果となりました。 以下の記事では、脳出血で後遺症なしになる確率について解説しているので詳細が気になる方はぜひあわせてご覧ください。
2023.03.03 -
- 脳卒中
- 脳出血
- 頭部
「脳出血の再発率って高いの?」「また再発するのが怖い」と不安に感じる方は多いのではないでしょうか。 実際、脳出血は再発リスクが高い病気であり、再発すると前回よりも重い後遺症が出る可能性もあります。 本記事では、脳出血の再発率の実態やリスクを高める生活習慣、予防のための具体的な行動を詳しく紹介します。 最後までご覧いただくことで、脳出血の再発を防ぐポイントを理解し、安心して暮らせる方法を見つけましょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では脳卒中の後遺症が気になる方へ、手術や入院の必要がない「再生医療」を提供しています。 まずはお気軽に「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。 脳出血の再発率は高い 脳出血は一度発症すると再発リスクが高い病気です。 とくに50代以降では再発率が上昇し、健康管理や生活習慣の見直しが欠かせません。 本章では、脳出血の再発率について、データをもとに解説します。 1年以内で約12.8%、10年以内では約51.3% 脳出血の再発率は1年以内で約12.8%、10年以内では約51.3%とされています。(文献1) とくに血圧の管理が不十分な方や生活習慣が整っていない場合に、再発リスクが高まる傾向があります。 そのため、再発を防ぐためには血圧を安定させることが最も重要です。 日々の血圧測定を習慣にし、医師の指導を受けながら塩分を控えた食事や適度な運動を取り入れると効果的です。 適切な健康管理を行い、安心できる生活を目指しましょう。 50代以降から再発率も高め 脳出血の再発率は50代以降から顕著に高まります。(文献2) 年齢を重ねると血管の弾力性が低下し、血圧のコントロールが難しくなるためです。 また、運動不足や不健康な食生活が続くと、さらにリスクが高まります。 この年代では、定期的な健康診断を受け、自分の健康状態をしっかり把握していくのが重要です。 さらに、ストレスをため込まない生活を心がけるのも再発予防につながります。 健康的な生活習慣を維持していけば、脳出血の再発を防ぎ安心した日常を送れるでしょう。 【要チェック】脳出血の再発時に見られる前兆 脳出血が再発したらどんな症状が出るのか不安に感じる方も多いはずです。 再発時に現れる前兆は、以下のように複数あります。 前兆の種類 具体的な症状 対処法 激しい頭痛 突然、今までに経験したことのないような激しい頭痛が起こる すぐに救急車を呼ぶ 手足のしびれや麻痺 手足にしびれや麻痺が生じ、力が入らなくなる すぐに安静にし、症状が進行する前に医療機関へ連絡する。 ろれつが回らない 言葉がうまく話せなくなる、話す速度が極端に遅くなる 無理に話そうとせず、周囲の人に異変を伝え、速やかに救急車を呼ぶ。 めまい 突然、激しいめまいに襲われ立ち上がるのが困難になる 転倒を防ぐため、座るか横になり、周囲に助けを求める。 意識障害 意識がもうろうとし、反応が鈍くなる 速やかに救急車を呼び、安静を保つ。 視野障害 視野が狭くなる、物が二重に見える 車の運転や移動を避け、医療機関で検査を受ける。 早期に察知し、迅速な対応をとることによって命を守る可能性も高められます。 また、以下の記事では脳出血の前兆を症状で判別するチェックリストを紹介しています。 不安に感じる方はぜひご覧ください。 脳出血の再発防止につながる3つの行動 脳出血は再発率の高い病気ですが、適切な予防対策によって再発リスクを減らすことができます。 血圧を毎日管理する 定期的な検査を受ける 医師の指示に従って薬を服用する 本章では、脳出血の再発防止に効果的な3つの行動を紹介します。 血圧を毎日管理する 高血圧は、脳出血の再発リスクを高める要因の1つです。 毎日血圧を測定し、適切な血圧管理を行うのは再発予防に非常に重要です。 家庭用血圧計を使用して、朝と晩に血圧を測り記録をつけましょう。 目標とする血圧値は、一般的に130/80mmHg未満(家庭血圧125/75未満)です。(文献3) もし、血圧が高い場合は医師に相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。 再発を防ぐための血圧の管理方法については、こちらの記事でも詳しく解説しております。 定期的な検査を受ける 脳出血の再発を防ぐためには、定期的な検査も重要です。 検査によって、脳の状態や血管の状態を把握できるためです。 また、潜在的なリスク要因を早期に発見し、適切な対策にもつながります。 具体的には「血液検査・尿検査・脳ドック」などがありますので、医師の指示に従い適切な頻度で検査を受けましょう。 医師の指示に従って薬を服用する 医師から薬が処方される薬は、血圧を下げたり、血液をサラサラにしたりする効果があり、再発のリスクを抑制するのに役立ちます。 脳出血の再発を防ぐためにも、処方された薬は医師の指示に従ってきちんと服用することが重要です。 自己判断で服用を中止したり、量を変更したりするのは避けましょう。 また、薬の効果や副作用について気になる点があれば、医師に相談してください。 脳出血の再発を防ぐ生活習慣で見直すべきポイント 脳出血の再発を防ぐには、日々の生活習慣の見直しも大切です。 ここでは、食事、運動、睡眠など、具体的な以下のポイントに分けて紹介します。 塩分を控えたバランスの取れた食事 適度な運動を習慣化する 十分な睡眠時間を確保する 禁煙する 過度な飲酒は避ける ストレスをため込まない できることから少しずつ改善し、健康的な生活を送りましょう。 塩分を控えたバランスの取れた食事 塩分の摂りすぎは高血圧の原因となり、脳出血の再発リスクを高めます。 とくにインスタント食品や加工食品は、塩分が多いので注意が必要です。 また、野菜や果物を積極的に摂取し、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。 さらに、カリウムを多く含む食品は、体内の塩分を排出する効果があるのでおすすめです。 適度な運動を習慣化する 適度な運動は、血圧を下げてストレスを解消する効果も期待できます。 脳出血の再発予防にも効果的ですので、ウォーキングや軽いジョギングなど無理のない運動を習慣化しましょう。 運動が苦手な方は、家の中でできるストレッチやヨガもおすすめです。 毎日少しでも体を動かす心がけが大切です。 血圧を下げるための食事や、運動でコントロールする方法については以下の記事を参考にしてください。 十分な睡眠時間を確保する 睡眠不足は、血圧を上昇させストレスを増加させる原因となります。 夜更かしを避け、毎日同じ時間に就寝する習慣をつけると良いでしょう。 また、寝る前のスマートフォンや飲酒を控えると質の良い睡眠が得られます。 寝室の環境を整え、リラックスできる空間作りも大切です。 禁煙する 喫煙は、血管を収縮させ血圧を上昇させるため、脳出血の再発リスクを高めます。 一方、禁煙すれば脳出血だけでなく、さまざまな病気のリスクを減らす効果も期待できます。 禁煙は難しいと感じる方もいるかもしれませんが、禁煙外来などを利用して、専門家のサポートを受けるのもおすすめです。 過度な飲酒は避ける アルコールの過剰摂取は血圧を不安定にするため、脳出血の再発リスクを高めます。 適量の飲酒は許容される場合もありますが、控えることが望ましいでしょう。 飲酒は適量を守り、飲みすぎないように注意してください。 ストレスをため込まない ストレスは、血圧を上昇させて脳出血の再発リスクを高める要因となります。 そのため、ストレスをため込まないよう、自分なりの解消法を見つけてみましょう。 趣味やリフレッシュできる活動を楽しんだり、友人や家族と過ごしたりするほか、十分な睡眠も効果的です。 また、悩みや不安を抱えている方は、一人で抱え込まず信頼できる人に相談したり、専門家のサポートを受けるのも有効です。 こちらの記事では、高血圧とストレスの関係性について紹介しています。 詳細が気になる方はぜひご覧ください。 まとめ|脳出血は再発しやすい病気なので予防対策を取っておこう! 脳出血は再発率の高い病気ですが、生活習慣の改善や定期的な検査など、予防対策によって再発リスクを減らせます。 ご自身やご家族のために、今日からできることを実践し、健康的な毎日を送るようにしましょう。 また、脳出血の前兆や再発時の症状を把握しておくのも重要です。 万が一、再発の疑いがある場合は、すぐに医療機関を受診してください。 また、当院「リペアセルクリニック」では脳卒中の再生医療(脳梗塞・脳出血)・幹細胞治療をご提案しています。 再発に関して不安がある方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 脳出血の再発に関するよくある質問 脳出血が再発したらどうなる? 脳出血が再発すると、初回よりも症状が悪化する可能性があります。 麻痺や言語障害などの後遺症が重くなる場合や、意識障害や呼吸障害といった命に関わるような状態になる可能性もあるでしょう。 再発を防ぐためには、血圧管理や生活習慣の改善など、日々の予防対策が重要になります。 また、前兆を早期に認識し、迅速に医療機関を受診することも大切です。 脳出血は同じ場所で再発するのですか? 脳出血は、同じ場所で再発するケースもありますが、別の血管で出血が起きるケースも少なくありません。 同じ場所での再発は、血管のダメージが完全に回復しないまま血圧が上がると起こりやすいです。 一方、別の場所での出血は、動脈硬化や高血圧による血管の弱化が原因とされています。 いずれの場合も、血圧管理や定期検査によって再発リスクを軽減できるため、日々のケアが重要です。 また、当院「リペアセルクリニック」では手術や入院を必要としない「再生医療」を提供しています。 脳出血の再発や後遺症が気になる方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 参考文献 文献1 J Hata,Y Tanizaki, et al.Ten year recurrence after first ever stroke in a Japanese community: the Hisayama study.J Neurol Neurosurg Psychiatry.2005 Mar;76(3)p368-372. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15716529/ 文献2 栃木県公式ホームページ「脳卒中発症登録集計結果 - 栃木県」 https://www.pref.tochigi.lg.jp/e04/welfare/kenkoudukuri/kenkoudukuri/documents/nou26.pdf 文献3 Novartis「高血圧治療」 https://www.novartis.com/jp-ja/sites/novartis_jp/files/naruhodo-nattoku_202208.pdf
2023.02.20 -
- 脳卒中
- 脳出血
- 頭部
視床出血は脳出血の一種で、脳の深部にある「視床」という重要な部位に出血が起こる疾患です。 高血圧などが原因で発症し、身体の片側の麻痺や感覚障害など、後遺症が出ることも少なくありません。 そんな視床出血後の回復には、適切なリハビリが欠かせません。 この記事では、視床出血の後遺症の特徴と、リハビリを通じた回復までの過程、さらに看護のポイントについて医師が詳しく解説します。 ぜひ参考にしてください。 そもそも視床とは? そもそも視床とは、脳の中心部に位置し、感覚情報を大脳皮質に伝達する重要な役割を担っている脳の一部です。 視床は視覚や聴覚、触覚など、さまざまな感覚情報を統合し、体の各部分から送られてくる情報を適切に処理する、など私たちの行動や認識に関与しています。 また、視床は運動機能にも関わりがあり、感覚と運動を調整する重要な役割があります。 本記事のテーマである「視床出血」とは、脳の一部である「視床」に出血が起こった状態を指します。 視床出血は、脳出血全体の2〜3割程度を占めるとされており、その多くが高血圧を原因としています。 次の章からは、そんな脳出血の中でも頻度が高い視床出血における後遺症や、それに対するリハビリ・看護に関して解説します。 視床出血の症状と後遺症 視床は、主に感覚をつかさどっています。 そのため視床出血が起こると、痺れなどの感覚障害を認めます。 また、視床の周囲には運動神経が走っているため、出血が拡大すると運動麻痺が生じます。 さらに出血が拡大するとその分脳の神経細胞が圧迫されるため、圧迫された部位に応じた症状が現れます。 視床は脳の深い場所に位置するため、原則手術は行わず、出血の拡大防止のために血圧を下げるなどの内科的な治療を主に行うことになります。 そのため視床出血は、症状が消失せず後遺症となってしまうことが多くあります。 視床出血で多く見られる後遺症は、視床痛と呼ばれる手足の強い痛みや痺れ、感覚障害を伴った半身麻痺です。 視床痛はジンジン・ピリピリというような痛み(痺れ)を認め、鎮痛薬は効果がないことがほとんどです。 また、麻痺も感覚障害を伴わない麻痺と比べて、手先の感覚や、立ったり歩いたりするときの位置感覚がわかりづらくなります。 そのため日常生活に支障をきたしてしまうことが多いです。 右視床出血と左視床出血の違いは? 脳は左右にわかれた大脳半球から構成されており、各半球は身体の反対側を制御しています。 視床出血は主に高血圧などの原因で生じ、出血の部位によって異なる症状が現れます。 右側の視床で出血が起こると左半身に麻痺が生じ、左側の視床での出血は右半身に麻痺を引き起こします。 さらに、視床出血は視床痛や視床性の運動障害といった二次的な症状をもたらすこともあり、患者の生活に大きな影響を与えることがあります。 参考:J-STAGE|視床出血における左右半球の違いは歩行に影響を与えるのか? 視床出血後遺症のリハビリ 半身麻痺が残り体の運動機能が低下した場合、運動機能障害に対するリハビリとして理学療法と作業療法を行います。 それぞれ解説していきます。 理学療法 理学療法は平行棒や歩行器を使用した歩行の練習や姿勢を保持する練習、体力・筋力の維持や向上など日常生活を送る上で必要な動作の練習を行います。 前述したように視床出血の半身麻痺は感覚障害を伴っていることが多いです。 そのため歩行の練習では免荷式(めんかしき)トレッドミルという機械を用います。 免荷式トレッドミル・・・体を上から吊るし、ハーネスで体を支えることで、足にかかる体重を調整できるためバランス感覚を鍛えます。これによって体重のかかり方を意識した歩行の練習を行えます。 作業療法 作業療法は、お箸の使い方など、日常生活を送るために必要な作業の訓練を行います。 麻痺側の手を積極的に使うことで、作業の質の向上をはかるCI療法がガイドラインなどでも推奨されています。 1日6時間以上麻痺した手を使用することで、手の機能が改善した報告もあります。 また、このCI療法を行うことで指先などの動きだけでなく、高次機能も回復した報告もされています。 視床出血で嚥下機能が低下した場合、言語聴覚士による嚥下の訓練を行います。 口周りや顔の筋肉の運動やゼリーなどを用いた飲み込む練習を行うことで、発症前のように口から食事が取れるようにリハビリを行います。 脳出血後のリハビリは毎日、長期間継続が重要です。 途中で中断してしまうと一度は回復した身体機能が再度低下してしまう可能性もあります。 長い道のりにはなりますが、回復を信じて、モチベーションを保ちつつリハビリを継続しましょう。 視床出血の看護 視床出血を含む脳出血の看護は、急性期と慢性期で大きく異なります。 急性期は再出血や血腫の増大、脳浮腫などが起こる可能性があり、そうなった際は早期発見と早期治療が回復の大きな鍵となります。 そのため、急性期の看護では全身状態をしっかり観察することが重要です。 以下のことに注意を向けて観察しながら看護しましょう。 意識や瞳孔の確認 血圧コントロール 褥瘡(じょくそう)予防の適切なポジショニング 一人ひとりの後遺症に沿った看護 それぞれ解説します。 意識や瞳孔の確認 視床出血の患者さんの中には自発運動ができない方や発語がない方も多くいらっしゃいます。 そのため、こまめにバイタルサインをはかり、意識や瞳孔の変化などに注意しましょう。 血圧コントロール 脳出血にとって血圧コントロールは再出血予防のために最も重要です。 決められた範囲内で血圧が維持できているかどうかを、きちんと確認しましょう。 褥瘡(じょくそう)予防の適切なポジショニング 再出血などを予防するために、急性期は安静を保たなければなりません。 ベッド上での安静保持は、関節の拘縮や褥瘡のリスクとなります。 褥瘡の好発部位の皮膚観察や、こまめな体位変換、拘縮予防するための適切なポジショニングを意識しましょう。 一人ひとりの後遺症に沿った看護 急性期を過ぎて回復期や慢性期に入った患者さんには、再発防止のための内科的治療と、後遺症へのリハビリが中心となります。 各患者さんの後遺症に応じた看護を行いましょう。 また、褥瘡を予防するための皮膚観察や関節拘縮を防ぐための体位調整に加え、栄養状態、運動機能、精神状態にも注意が必要です。 嚥下機能が低下した場合、誤嚥性肺炎のリスクがあるため、食事時の姿勢と口腔ケアを徹底しましょう。 また、感覚麻痺や視床痛が残る患者さんには心のケアも重要です。 感覚が鈍くなっていることを意識し、体に触れる際には声をかけるなどの気遣いを忘れないようにしましょう。 まとめ・視床出血における後遺症は、一人ひとりの後遺症に沿った看護とリハビリが大切 視床出血のリハビリと看護に関して紹介しました。 患者さんが1日でも早く、発症前のような生活に戻れるように看護ケアやリハビリを行いましょう。 また、脳梗塞による障害で精神的な苦痛を感じてしまう方も多くいらっしゃいます。 そういった精神的苦痛にも寄り添ったケアを行ってください。 この記事がご参考になれば幸いです。 >脳卒中の再生医療について詳しく確認する方はこちら< \まずは当院にお問い合わせください/
2023.01.30 -
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脳溢血(のういっけつ)とは脳の血管が破れ、脳内に血が溢れる病気です。脳卒中の種類のひとつで「脳出血」とも呼ばれています。 脳溢血は、ある日突然発症します。出血量や出血場所によっては、運動麻痺や感覚障害といった後遺症を引き起こします。最悪の場合、命を落とす恐ろしい病気です。 本記事では、脳溢血の症状や原因、前兆のサインを解説します。予防法や治療法も紹介しているので、脳溢血について詳しく知りたい方は記事を読んで理解を深めましょう。 脳溢血でダメージを受けた脳は、もう元には戻らないと言われてきました。しかし「再生医療」によって脳機能が復活するとわかったのです。再生医療なら症例実績が豊富な『リペアセルクリニック』にお任せください。無料のメール相談、オンラインカウンセリングも実施中です。 脳溢血(脳出血)とは脳に血が溢れる状態のこと 脳溢血(のういっけつ)とは、文字通り脳に血が溢れる状態を指した病名です。脳の中の細い血管が破れて血液が溜まることにより周囲の神経細胞が圧迫されます。神経細胞が圧迫されると働きが障害されてしまうため、さまざまな症状が出現します。 この脳溢血は脳出血とも呼ばれ、同じ意味で用います。 脳卒中・脳梗塞との違い 脳溢血は、脳卒中や脳梗塞と混同される傾向にあります。しかし、これらの意味や症状はまったく異なります。下記に、それぞれの定義をまとめました。 脳卒中 脳の血管が破れたり、詰まったりすることで発症する脳の病気。「脳溢血(脳出血)」「脳梗塞」「くも膜下出血」の総称。 脳溢血 脳卒中の一種。脳の血管が破れ、脳内に血が溢れる病気。 脳梗塞 脳卒中の一種。血管の細化や血栓の形成により脳の血管が詰まる病気。 つまり、脳卒中の種類のなかに「脳溢血」と「脳梗塞」が含まれます。 脳溢血の前兆【いびきとの関係性】 基本的に脳溢血の前兆はありません。何の前触れもなく突然症状が現れるケースがほとんどです。 しかし、寝ているときに突然大きないびきをかき始めたときは、脳溢血や脳梗塞の可能性を視野に入れましょう。 脳卒中で意識障害を引き起こすと、舌根が落ちて気道がふさがり、いびきをかく場合があります。 脳溢血の原因 脳溢血の原因の多くは高血圧です。血管内の圧が上がり、その圧に血管壁が耐えられなくなるため出血が起こります 高血圧は、塩分の多い食事や過度なストレス、喫煙などが原因とされているので、健康的な生活を心がけましょう。また、高血圧は動脈硬化のリスクもあります。動脈硬化が起こると血管壁が弱くなるため、さらに血管が破れやすくなるのです。 脳溢血の症状は出血が起こった場所によって異なる 脳溢血の症状は、出血が起こった場所によって異なります。主な出血箇所は、下記5つです。 被殻出血 視床出血 橋出血(脳幹出血) 小脳出血 大脳皮質下出血 それぞれの特徴を見ていきましょう。 被殻出血 被殻出血は脳溢血全体の50%程度を占めています。被殻出血の特徴的な症状は片側の手足の麻痺や片側の顔の動かしにくさです。さらに進行すると感覚障害や意識障害に至ることもあります。重症度や血腫の圧迫の程度によって、症状が変わる場合もあります。 視床出血 視床は人の感覚を司っています。そのため視床出血では片側の感覚障害を認めます。また、視床出血を発症した際に目が中央によって寄り目をしているように見えることが特徴です。視床の周りには運動神経が走行しているため進行すると運動麻痺も生じます。また「視床痛」といって腕や脇、脚などに激しい痛みをともなうケースもあります。 橋出血(脳幹出血) 橋出血(脳幹出血)は、脳幹の一部である橋で出血が起こる脳溢血です。橋は全身の運動や意識状態、呼吸をつかさどっています。そのため橋に出血が起こると、たとえ出血した血液量が少量であったとしても意識障害や両側の四肢麻痺などが生じます。また、自分で呼吸ができなくなってすぐ死に至ってしまうこともあります。 小脳出血 小脳には体の平衡感覚を保つ働きがあります。そのため小脳出血では強いめまいや吐き気を訴える方が非常に多いです。めまいが強くまっすぐ歩くことができなくなったり、立てなくなってしまいます。 小脳は大脳の後ろに位置しているため、出血が起こった際に頭の後ろの部分に頭痛を認めます。 大脳皮質下出血 大脳皮質とは大脳の表層に位置する部分のことを指します。つまり、大脳皮質下出血とはその大脳皮質から出血が起こったもののことを呼びます。大脳皮質は部位によって働きが異なるため、出血した部位に応じた症状が出現します。運動麻痺や感覚麻痺、言葉の出づらさなどから人格の変化、視力障害が起こることもあります。 これまで、一度機能を失った脳細胞は、元には戻らないと言われてきました。しかし、再生医療により脳機能が回復するとわかったのです。 再生医療とは、修復力のある幹細胞の働きを利用して、弱ったり、傷ついたりした細胞を再生する医療技術です。 再生医療では、麻痺や痺れといった脳溢血の後遺症の回復を早めたり、脳卒中の再発を予防したりする効果が期待されています。 発熱の症状 これ以外に、脳溢血によって発熱が生じる場合があります。 視床や被殻などが存在する大脳基底核や、大脳皮質下出血が起こった場合、体温調節中枢である視床下部が圧迫されてしまうことがあるため、発熱をきたしやすくなります。 脳溢血が起こると、出血が起こった部分から徐々に脳に浮腫が起こりはじめ、その結果、頭蓋内の圧が上がる頭蓋内圧亢進の状態になるのです。これにより視床下部が刺激を受けると、体温が上昇し発熱します。 頭蓋内圧が亢進し、進行すると圧に耐えられなくなり浮腫んだ脳がさまざまな方向にはみ出てしまいます。この状態が「脳ヘルニア」です。 脳がはみ出る部位によって出現する症状は異なりますが、大後頭孔と呼ばれる隙間から脳がはみ出した大後頭孔ヘルニアが生じると、大脳により呼吸・循環を維持する働きをもつ脳幹が圧迫されるため急激に状態が悪くなり、突然死となってしまうことがあります。 これらの脳溢血が原因の発熱を「中枢性発熱」と呼び、中枢性発熱を認めた場合は予後が悪くなると言われています。そのため、少しでも予後をよくするためにこの中枢性発熱になるべく早く気づく必要があるでしょう。 脳出血の予防方法 先述のとおり、脳溢血の原因の多くは高血圧です。つまり、血圧が上がらないような生活習慣を身につけると、脳溢血の予防につながります。 下記は、血圧を上げないための予防法です。 禁煙する 適度に運動不足する ストレスをためない 塩分を控えた食事をとる 適度にアルコールを摂取する 自分の血圧状態をしっかり把握するためにも、健康診断を定期的に受診しましょう。 下記の記事では、脳溢血(脳出血)の予防法や再発を防ぐ方法を解説しています。予防の知識を深めたい方は、参考にしてみてください。 脳溢血の治療方法 脳溢血は、出血した場所によって後遺症の症状や程度が異なります。脳溢血の治療方法は、後遺症の状態に応じたリハビリを進めるケースが多くなります。 下記は脳溢血でよく見られる後遺症と、一般的におこなわれるリハビリです。 後遺症 リハビリ 運動麻痺 ・電気刺激 ・装具療法 感覚障害 ・電気刺激 ・さまざまな形や素材を触る触覚トレーニング 言語障害 ・音読訓練 ・口腔の体操 これらのリハビリは、医師やリハビリテーションの専門家の指導のもと、無理のない範囲で実施されます。 脳溢血は再生医療でも治療できます。 人間の自然治癒力を活かした最先端治療に興味がある方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にご相談ください。実際の治療例をお見せしながら再生医療の仕組みをわかりやすくお伝えいたします。 まとめ|脳溢血の理解を深めて適切な予防や対処をしよう! 脳溢血は前兆もなく突然起こる病気です。しかし少しでも早く症状に気づけば、生命を危険に晒すことなく元の生活に戻れることもあります。日頃から予防することを心がけて、少しでも怪しい症状を認めた場合は病院を受診しましょう。 現在、脳溢血の治療法のひとつとして「再生医療」が注目されています。 再生医療は人間の自然治癒力を活用した最先端の医療技術です。 幹細胞の修復力を利用して、脳細胞の機能回復を促進します。 「再生医療に興味があるけど具体的なイメージがつかめなくて不安…」という方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。
2023.01.25 -
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家族が倒れて視床出血と言われたけれど、どんな病気なのだろう。 これからどうなるか心配。 この記事を読んでいるあなたは、「視床出血」という病気を初めて聞き、不安を抱いているのではないでしょうか。「今後、どうなるのだろう」と心配しているかもしれません。 結論、視床出血は脳の奥にある「視床」という部位からの出血で、脳内出血のうち2番目に多い症状です。経過によっては、麻痺やしびれなどの後遺症が出るケースも珍しくありません。 本記事では、視床出血の症状や原因、治療法について、詳しく解説します。記事を最後まで読めば、視床出血に関する基本的な内容がわかり、今後の見通しもたてやすくなるでしょう。 視床出血の主な症状は「感覚障害や麻痺」 視床は、脳の奥に位置する器官です。主に、痛覚、視覚、聴覚、味覚など、嗅覚以外のあらゆる感覚情報や運動機能の調節情報を大脳に伝達する「中継所」の役割を果たします。(文献1) そのため、出血によって機能が失われると脳内の神経伝達がうまくできなくなり、さまざまな症状が起こります。 視床出血の代表的な症状は、以下のとおりです。 意識障害:意識を失ったり刺激に対して反応しなくなったりする 眼球障害:両眼が内下方を向き、鼻先を見つめるようになる 感覚障害:痺れやピリピリしたような感覚が出る 運動障害:手足が思い通りに動かしにくくなる 失語:言葉が出てこなくなり会話がしにくくなる 視床痛:出血した脳と反対側の手や足に強い痛みが出る 出血の範囲や程度によっては、複数の症状が同時にあらわれるケースも珍しくありません。 また、視床出血には、ほかの脳出血と比べて以下の特徴があります。(文献2) 約25%のケースが片側の顔面や手のひらの痺れが起こる「感覚障害」から始まる 眼球障害が起こりやすい 感覚障害から始まった視床出血の症状は、その後「焼き付くような」「剣山を押し付けられたような」などと表現される痛みへ移行します。 さらに、脳組織のむくみや髄液という水分の循環が悪くなって起こる「水頭症」なども起こると、症状や予後の悪化につながります。 脳出血や脳梗塞において、麻痺が出るのは「機能が失われた脳の反対側」です。 そのため、右視床出血の場合は左側の麻痺症状、左視床出血の場合は右側に麻痺症状が出るケースが多くみられます。 なお、視床痛は発症後数カ月~数年後にあらわれるケースもあります。 視床出血については、以下の記事でも詳しく説明しています。 また、当院リペアセルクリニックでは、脳梗塞や脳出血といった「脳卒中」の治療法の1つとして再生医療を提供しています。「メール」や「オンラインカウンセリング」によるご相談も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 視床出血の原因やメカニズムは?高血圧による動脈硬化 視床出血の主な原因は、「高血圧による動脈硬化」です。 高血圧が動脈硬化を起こし、視床出血にいたるメカニズムは以下のとおりです。 高血圧により血管の内側が傷つき動脈硬化が起こる 動脈硬化によって血管がもろくなる 高血圧によって血管に高い圧力がかかる 血管がやぶれて出血する 多くの場合、出血の原因となるのは「穿通枝(せんつうし)」と呼ばれる非常に細い血管です。 視床出血を含む「脳出血」の前兆は、以下の記事で詳しく説明しています。 視床出血の診断は「頭部CT検査」にておこなう 視床出血の診断は、ほかの脳出血と同様に「頭部CT検査」によっておこなわれます。 CTでは出血部位が白く写るため、視床の部分が白く写れば「視床出血」となるのです。 また、白く写った範囲の広さや場所から「出血の程度」「視床からの出血が脳室まで達しているか」などの重症度を判断し、治療方法や予後を検討します。 なお、MRIでも出血の判定は可能ですが、検査に20〜30分ほど時間がかかるケースもあるため、速やかな診断が必要な脳出血にはあまり適しません。そのため、機械によっては3分程度で検査が終了するCT検査が一般的に用いられます。 視床出血の治療法は2つ 基本的に、視床出血では出血量が多くても血腫(出血による血の塊)を除去する手術はおこないません。 血腫を除去する手術をおこなわない理由は、以下のとおりです。 視床は脳の奥深くにあるため、手術が難しいから 重要な神経が多く集まるため、手術によって脳がさらなるダメージを受ける可能性が高いから ただし、以下のような場合は手術をおこなうケースがあります。 出血の範囲が非常に大きく、合併症を最小限に食い止めるための手術が必要 水頭症による命のリスクがある 本章では、視床出血の基本的な治療である「薬物療法」と、水頭症におこなわれる手術「シャント術」について解説します。 なお、視床出血を含む「脳出血」の入院日数や費用は、以下の記事で解説しています。 薬物療法|血圧コントロール 薬剤による血圧コントロールは、視床出血の重要な治療法です。 視床出血は高血圧が原因となるケースが多く、とくに発症時(急性期)には収縮期血圧が200 mmHg以上となる人も珍しくありません。発症から 6 時間以内は再出血が起こりやすいため、急性期の治療では出血範囲の拡大や再出血の予防を目的に、血圧を安定させる降圧剤の点滴や内服などが使われます。 血圧は収縮期血圧140mmHgを目安に下げるのが一般的ですが、急激に血圧を下げると急性腎障害が増加したという報告もあります。そのため、状況を見ながらの適切な血圧コントロールが大切です。(文献3) また、慢性期にも生じる可能性がある視床痛は、一般的な鎮痛剤の効かない人が多く、有効な治療法は確立されていません。塩酸マプロチリン、アミトリプチリンなどの抗うつ薬、カルバマゼピンなどの抗けいれん薬を処方して様子を見ますが、効果がない場合はガンマ線を用いた定位放射線手術をするケースもあります。(文献4) 手術療法|シャント術 シャント術とは、脳内に溜まる髄液(硬膜と脳・脊髄の間を満たす液体)を体内の他の場所へ流す通り道を作る手術で、水頭症の治療法です。 髄液は誰にでも存在し、通常は脳内の狭い道を通って血管に吸収されています。しかし、視床出血が起こると通常のように吸収されず、溜まった髄液は脳内を圧迫し始めます。そのため、髄液を流す手術が必要になるのです。 シャント手術の主な経路は、以下のとおりです。 脳室から腹部(脳室―腹腔シャント) 脳室から心臓(脳室―心房シャント) 腰から腹部(腰椎―腹腔シャント) 現在は、脳室―腹腔シャントが最も多くおこなわれています。 当院リペアセルクリニックでは、脳梗塞や脳出血を含む「脳卒中」の治療法として、再生医療を行っています。視床出血の治療法について新たな選択肢を知りたい方は、ぜひお気軽にメールにてお問い合わせいただければ幸いです。 視床出血の予後は出血量と範囲で決まる 一般的に、 出血が多くて広範囲なほど視床出血の予後は不良です。 また、出血範囲が生命を維持するために重要な「中脳」にまでが広がると、生命の危機につながる可能性が高いともいわれています。視床出血の死亡率は一般的に 14〜52 %とされていますが、実際は基礎疾患やもともとの健康状態などに大きく左右されます。 水頭症の発症や再出血、さらなる出血範囲の拡大などがあると、予後がさらに悪化するケースも珍しくありません。そのため、厳格な血圧コントロールや、少しでも後遺症を軽減する早期からのリハビリが重要です。 まとめ|視床出血の症状があらわれたらすぐに受診を 本記事では、視床出血の症状、診断、治療法などを詳しく解説しました。 視床出血は脳の深いところにある「視床」からの出血です。視床は視覚や痛覚など多くの感覚情報の伝達に関わるため、出血によって機能が失われると手足の麻痺や痺れなど、さまざまな症状が起こります。 顔の片側や手のひらの痺れ、身体がうまく動かないなど気になる症状が出た場合は、すみやかに受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療(幹細胞治療)による脳卒中の再生医療をおこなっています。再生医療(幹細胞治療)の効果は、脳神経細胞の修復及び再生と、脳の血管を新しく再生させることです。そのため、視床出血の再発予防や、後遺症の軽減、リハビリ効果の向上などに効果が期待できます。 再生医療へのご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」でも可能です。些細なことでも問題ないため、どうぞ気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 視床出血の症状に関するよくある質問 視床出血ではどのようなリハビリをおこないますか? 視床出血でおこなう主なリハビリは、以下のとおりです。 作業療法:麻痺した腕、指先などの使い方や食べ物・飲み物を飲み込む動作を訓練する 理学療法:姿勢を保つ、歩くなどの日常動作を訓練する 視床出血をはじめとする脳出血のリハビリは、毎日の継続が大切です。失われた機能の回復に時間がかかるケースもありますが、根気よくリハビリを続けましょう。 視床出血後のリハビリについては、以下の記事で詳しく説明しています。 右視床出血ではどのような症状が出ますか? 右視床出血によって脳の右側の機能が失われると、身体の左側に麻痺や感覚障害が起こります。 麻痺や感覚障害が起こると身体をうまく動かせなかったり、手足のしびれや痛みが出たりします。 参考文献: 文献1 嘉戸直樹,視床の機能とその臨床応用,関西理学, 6:47ー49,2006 文献2 秋田県立脳血管研究所神経外科 伊藤善太郎 安井信之,視床出血, 第6回日本脳卒中学会総会講演抄録,3:126-129 文献3 脳卒中治療ガイドライン2021[改訂2023]日本脳卒中学会 文献4 Muhammad U. Jahngir; Adnan I. Qureshi.,Dejerine-Roussy Syndrome,StatPearls
2023.01.18 -
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脳卒中の退院後の生活への影響は、症状の程度によって大きく異なります。重度の後遺症が出ると、退院後も寝たきりになってしまう可能性もあります。 寝たきりになるリスクを避け、元の生活に戻るためには、適切なリハビリと生活習慣の改善が欠かせません。 本記事では、脳出血の退院後の生活について詳しく解説します。効果的なリハビリや退院後の生活で気をつけるべきことも紹介しているので、自宅に戻った後の過ごし方を考えたい方はぜひ参考にしてみてください。 脳出血の退院後の生活【後遺症が出て寝たきりになる可能性も!?】 脳出血の後遺症が重症であると、そのまま回復せず寝たきりになってしまう可能性もあります。 後遺症の影響を最小限に抑え、日常生活の質を向上させるためには、入院中だけでなく退院後も継続的なリハビリを続けていく必要があります。 以下の記事では、脳出血で後遺症なしになる確率について解説しているので、後遺症の有無が気になる方はあわせてご覧ください。 そもそも脳出血とは、脳の中の血管が破れて頭の中で出血が起こる病気です。たまった血液が神経細胞を圧迫することで、さまざまな症状を引き起こします。 たとえば、手足が動かない麻痺症状や言葉の出にくさなどの後遺症です。 脳出血の有効な治療法の1つに「再生医療」があります。 これまで一度死んだ脳細胞は戻らないとされてきました。しかし、再生医療は脳細胞を復活させ、脳出血を含む脳卒中の後遺症を改善できることがわかってきたのです。 詳しい治療法や効果が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 脳出血の退院後の生活に欠かせないリハビリとは 脳出血による筋肉低下や後遺症の訓練に欠かせないのがリハビリです。 脳出血後の回復する過程は以下3段階にわかれており、各段階に応じたリハビリをおこなっていきます。 急性期 回復期 維持期 リハビリの内容を順番に見ていきましょう。 急性期|入院中のリハビリ 急性期は、脳出血の発症直後から2週間程度までの期間を指します。急性期は全身の状態がまだ不安定な時期のため、容体が悪化しないよう慎重な経過観察が必要です。 同時にこの時期は、長時間の安静により筋肉や関節の機能が低下する「廃用症候群」を防ぐ必要があります。廃用症候群は床ずれ(褥瘡)や感染症のリスクを高めます。 廃用症候群を予防するためのリハビリには、手足の軽い運動や体位の交換が有効です。 障害を受けた神経細胞は発症後3カ月がもっとも回復が期待できる時期といわれています。早期からリハビリをはじめれば、脳機能の回復や運動機能の改善につながるでしょう。 回復期|退院後の生活を意識したリハビリ 回復期とは、急性期の期間が過ぎたあとの約6カ月間を指します。回復期では、患者の症状に合わせたリハビリがはじまります。 主な目的は、可能な限り発症前の生活に戻れるよう、必要な動作や体の機能を強化することです。 リハビリの内容は患者一人ひとりの生活環境や目標に応じて設定されます。退院後の生活をイメージしながら、個別の訓練プログラムを組んでいきます。 以降では回復期におこなわれる「運動機能のリハビリ」「言語機能・嚥下機能のリハビリ」「高次脳機能障害に対するリハビリ」について詳しく解説します。 運動機能のリハビリ 回復期におこなわれる運動機能の強化を図るリハビリを6つ紹介します。 リハビリ 内容 筋力強化 安静にしていた期間に低下した筋力を回復する目的のリハビリです。自分の体重や軽い重りを利用したトレーニングをおこないます。 持久力強化 体力の向上を目的としたリハビリです。ウォーキングや自転車型の運動器具を使ってトレーニングをおこないます。 協調運動訓練 体の各部位の力加減を調整し、安定した動きができるように訓練するリハビリです。 基本動作訓練 日常生活に戻るために必要な動作の訓練をおこないます。具体的にはベッドからの起き上がりや車椅子の乗り移りなどの動作です。 歩行訓練 歩行機能の向上を図ります。杖や歩行器を活用しながら安定した歩行をおこなうための練習をします。 巧緻(こうち)動作訓練 手指のこまかい動きの回復を目指すリハビリです。具体的には箸を使ったり、ペンで文字を書いたりするなどの動きです。 移動に関する練習は理学療法士が、食事や身の回りの動作は作業療法士が担当します。 なお、脳出血の治療には「再生医療」が効果的です。 再生医療は人間の自然治癒力を活用した最先端の医療技術です。幹細胞の修復力を利用して、損傷した脳細胞の機能回復を促進します。 脳出血の後遺症も治療対象なので、具体的な治療法や効果が知りたい方は再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 言語機能・嚥下機能のリハビリ 言葉がうまく出てこない失語の症状が見られる場合には、話す練習や読み書きを通じてスムーズに言葉を扱えるように訓練をします。 食べ物を安全に胃まで運ぶ働きの「嚥下(えんげ)機能」が低下している場合は、口・喉・舌の筋肉を鍛える運動をおこないます。嚥下の機能低下は、食事が気管に入り込み、肺炎を引き起こす危険があるため、早い段階でのリハビリが必要です。 高次脳機能障害に対するリハビリ 「高次脳機能」は記憶力、注意力、感情のコントロールを担う働きを指します。脳の損傷でこれらの機能が低下した状態を「高次脳機能障害」と呼びます。 高次脳機能障害に対するリハビリでは、以下のように目的に応じた訓練をおこないます。 ・記憶力向上:言葉や絵を使った記憶訓練、メモの活用練習 ・注意力回復:計算問題など集中力を高める訓練 リハビリを続けないと、体や心の機能がさらに低下する恐れがあります。根気よく取り組むことが回復の鍵です。 また、高次脳機能障害のリハビリには、周囲の協力も大切です。たとえば、わかりやすい言葉で話しかけたり、生活環境を整えたりするなどのサポートが求められます。 維持期|退院後のリハビリ 維持期とは急性期と回復期を終えて、症状がある程度安定した時期を指します。維持期のリハビリは、主に自宅や施設でおこなわれます。 維持期のリハビリの目的は、急性期や回復期で回復した機能の維持です。リハビリを中断すると機能が再び低下する可能性があるため、継続が大切です。 また、後遺症が出ると、以前は簡単にできた動作が難しくなり、生活の満足度が下がる場合があります。維持期のリハビリは、生活を少しでも楽にするための訓練も進めていきます。 なお、脳出血を含む脳卒中の治療には「再生医療」が有効です。身体のしびれや麻痺、言語障害といった後遺症も治療対象に含まれます。 期待できる治療効果が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にご相談ください。 脳出血の退院後の生活で気をつけるべき4つの注意点 脳出血の退院後は、再発を防ぐために日常生活で気をつけるべき点があります。とくに以下4つの生活習慣が、再発リスクを高める要因となります。 ストレスをためる 塩分の高い食生活を送る タバコを吸う 過度な飲酒をおこなう 注意点をおさえて、健康的な生活を心がけましょう。 ストレスをためる 脳出血の要因となるのは高血圧です。ストレスがたまると血圧が上がりやすくなるため、同じ状況下で生活を続けていると、脳出血の再発リスクを高めます。 以下はストレス発散に効果的な方法です。 ・趣味の時間を作る ・規則正しい生活リズムを保つ ・無理のない範囲で軽い運動をする ・深呼吸やストレッチで気分転換をおこなう 血圧を安定させ脳出血の再発リスクを軽減させるためにも、自分に合ったストレス解消法を見つけ、ストレスケアをおこなっていきましょう。 以下の記事では脳出血とストレスの関係性を解説しています。ストレスによって生じる脳出血のリスクについて詳しく知りたい方は、ぜひあわせてご覧ください。 塩分の高い食生活を送る 塩分の高い食生活は血圧が上がりやすくなり、脳出血の再発につながる可能性があります。以下のような塩分を減らした食事を心がけましょう。 ・料理の味付けを薄くする ・塩分控えめの商品を購入する ・外食では低塩メニューを選ぶ 塩分の高い食生活で血圧が上がると血管に負担がかかります。脳卒中のリスクを軽減するためにも、日々の食生活の見直しをしていきましょう。 タバコを吸う 喫煙は血管を収縮させ、血圧上昇を招きます。禁煙は脳出血の再発予防にもつながるため、以下のような手段でタバコを吸う機会を減らしてみてください。 禁煙外来の利用 ニコチンガムの活用 ニコチンパッチの使用 禁煙イベントの参加 タバコを吸うと再発リスクが高まるだけでなく、肺がんや心疾患といった別の病気を引き起こす原因になります。健康的な生活を送るためにも、タバコを断つ努力を続けましょう。 過度な飲酒をおこなう 過度な飲酒も血圧を上げ、脳出血を再発させるリスクがあります。 適量を超える飲酒は体にも大きな負担がかかるため、飲酒量を制限し適量を守りましょう。日常的にアルコールを飲む習慣がある場合、週に数日は休肝日を設けるのがおすすめです。 以下の記事では、脳出血の予防や再発防止に効果的な血圧管理方法を解説しています。高血圧の心配がある方は、ぜひ参考にしてみてください。 まとめ|脳出血の退院後の生活は寝てばかりにならないようにリハビリを続けよう 脳出血後のリハビリは、早めに開始して根気強く続ける意識が大切です。動かない時間が増えると、筋力が落ちたり、体の機能が戻りにくくなったりするからです。 家族や周囲の人々のサポートも回復の大きな力となります。生活環境を整え、患者の状態に合わせた適切な援助が必要です。 毎日少しずつ努力を重ねれば、発症前の生活に近づける可能性が高まります。自分のペースで無理なくリハビリを続けていきましょう。 なお、脳出血の治療には「再生医療」が有効です。 再生医療は人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術で、身体機能(後遺症)の回復や脳卒中における再発予防の効果が期待できます。 具体的な治療方法が気になる方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 \まずは当院にお問い合わせください/
2023.01.06 -
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「脳出血ってどれくらい入院するの?」「入院の費用はどれくらいかかるの?」 そんな疑問をお持ちではないでしょうか? 脳出血の入院期間は重症度や年齢によって大きく変わりますが、平均日数や費用の目安を知ることは大切です。 この記事では、脳出血の入院期間や費用、治療法について医師がわかりやすく解説します。ぜひ参考にして、今後の治療に役立てていただければ幸いです。 また、当院「リペアセルクリニック」では脳卒中の再生医療も行っております。 症状に不安がある方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 脳出血の入院期間は?年齢を考慮した平均値を公開 脳出血の入院期間は重症度や年齢によって大きく異なりますが、厚生労働省のデータによると平均で77. 4日間です。 ただし退院後もリハビリで通院しなければならない可能性があります。 本章を参考に、脳梗塞の入院期間やリハビリ期間がどのくらいになるのか知っておきましょう。 脳出血の平均入院期間は77.4日 脳出血の入院期間は、厚生労働省のデータによれば平均77.4日とされています。 年齢別平均在院日数を以下の表にまとめました。(文献1)(文献2) 年齢層 平均入院期間(脳血管疾患) 0~14歳 31.3日 15~34歳 61.7日 35~64歳 51.8日 65歳以上 83.6日 70歳以上 86.9日 75歳以上 93.2日 高齢になるほど入院期間が長くなり、75歳以上では約93.2日に及ぶケースもあります。 上記のデータは全国の退院患者を対象としたもので、多くの方の治療過程を反映しています。 ただし、個人の状況によって日数は変動するため、軽症であれば数週間での退院も可能といえるでしょう。 重症度によって入院期間は変わる 脳出血の入院期間は、重症度によって大きく変わります。 軽症であれば1~2週間で退院可能な場合もありますが、重症では2~3か月以上の入院が必要です。 たとえば、広範囲の出血や血腫除去が必要な場合、術後の経過観察や集中治療が必要となります。 また、治療方法によっても大きく異なるため、医師との相談が重要と言えるでしょう。 リハビリ期間も考慮する必要あり 退院後のリハビリも、脳出血の治療には欠かせない大切な期間です。 リハビリには数週間から半年以上かかる場合もあり、日常生活を改善するために計画的な取り組みが必要です。 リハビリでは理学療法や作業療法を通じて、普段の生活に戻ることを目指します。 脳出血の治療期間は、入院だけでなくリハビリ期間も想定しておきましょう。 脳出血の入院費用は「日数や入院先の施設による」 脳出血で入院した場合、入院期間だけでなく費用も気になるポイントです。 入院費用は、入院日数や入院する医療機関によって異なりますが、全国平均では70万円前後です。 しかし、高額療養費制度によって費用が軽減される可能性もあります。 ここでは、脳出血の入院費用について詳しく紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。 入院費用の目安は平均70万円前後 脳出血による入院費用の平均は、3割負担の場合でおよそ70万円です。 ただし入院期間が長引いたり、手術や特別な治療が必要になったりした場合は、費用はさらに高額になるでしょう。 たとえば、血腫除去術にかかる一般的な手術費用は、診療報酬点数で47,020点と設定されています。1点=10円で計算すると、3割負担では約14万円となります。 また、入院する病院によっても費用は異なるため、事前に確認しておきましょう。 高額療養費制度で軽減される可能性も 高額療養費制度とは、一定額を超える医療費を補助する制度を指します。所得に応じて自己負担額が異なり、低所得者層の場合はさらに負担が軽減される仕組みです。 この制度を活用することで、入院費用の負担を大幅に軽減できる可能性があります。申請方法や条件については事前に確認しておくと安心です。(文献3) 脳出血の検査方法 脳出血の診断には、「CTスキャン・MRI・血液検査」の3つが主に使われます。それぞれの目的や特徴を以下に簡潔にまとめました。 検査方法 目的 特徴 CTスキャン 出血部位や範囲の確認 短時間で結果が得られる迅速な検査 MRI 微細な損傷や慢性的な異常の確認 詳細な画像が取得可能だが時間がかかる 血液検査 全身状態の確認(凝固異常や感染症など) 手術や治療の準備に重要な情報を提供 CTスキャンは、出血部位や範囲を短時間で把握でき、急性期の診断で多く利用される検査です。 MRIはCTではわかりにくい微細な損傷や慢性疾患の特定に有効ですが、検査時間が長いため急ぎの診断には向きません。 一方、血液検査は凝固異常や感染症の確認を通じて、手術や治療の準備に役立ちます。 これらの検査を組み合わせることで、正確で迅速な診断が可能になります。 また、脳出血の前兆や初期症状をセルフチェックする方法を以下の記事でまとめています。気になる方はぜひ参考にしてみてください。 脳出血における治療法 症状や重症度によって異なりますが、脳出血の治療法は主に以下3つが挙げられます。 内科的治療法 外科的治療法 リハビリ それぞれの特徴や目的を詳しく解説しますので、事前に確認しておきましょう。 内科的治療法 内科的治療は、薬を使用して脳出血の悪化を防ぐ方法です。軽症の場合や手術が不要なケースに適用されます。 内科的治療に使用される主な薬剤と特徴は次のとおりです。 薬剤の種類 特徴 降圧剤 血圧を下げて出血の再発を防ぐ 血液凝固調整薬 血液の凝固を調整し新たな出血を防止 血管保護薬 血管の修復や保護を促進 これらの薬を適切に使用することで、脳出血の進行を抑えるだけでなく身体への負担を軽減できます。医師の指導に従いながら治療を進めていきましょう。 外科的治療法 外科的治療では、出血した血腫を取り除き脳への圧力を軽減します。 主な手術方法には「開頭血腫除去術」や「内視鏡的血腫除去術」があり、広範囲の出血や命に関わる重症例で行われることが多いです。 また、手術後のリスク管理や経過観察が重要で、術後の回復には専門医の指導が欠かせません。 リハビリ リハビリは、日常生活に戻るために重要なステップですが、個人差が大きいため「個別の計画が必要」です。 理学療法では筋力や運動能力の回復を目指し、作業療法では日常動作の練習を行います。 リハビリ期間は症状の状態により異なり、数週間から半年以上かかる場合があります。計画的にリハビリを進めることで、社会復帰や通常の日常生活に戻れる期待も高まるでしょう。 脳出血のリハビリ方法について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。 まとめ|脳出血の入院期間や治療費は事前に把握しておこう 重症度や年齢によって異なりますが、脳出血の入院期間は平均77.4日です。 ただし、退院後も社会復帰を目的としたリハビリ期間が発生するケースがほとんどです。 入院費用は70万円前後が目安ですが、高額療養費制度を活用することで負担を軽減できる可能性があるため、事前に確認しておきましょう。 脳出血は治療期間が長引きやすい疾患ですが、医師の指示に従い、焦らず適切な治療やリハビリを行いながら、日常生活を取り戻すことが大切です。 また、当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による脳出血の後遺症治療も行っております。気になる方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 脳出血の入院期間に関するよくある質問 軽度の脳出血の入院期間はどれくらいですか? 軽度の脳出血では、入院期間は1〜2週間程度が一般的です。軽症の場合は、薬による内科的治療が中心となり、手術を行わないケースも多くあります。 ただし、患者の年齢や持病の有無により異なるため、医師の診断に基づいた治療計画が重要です。 手術なしで入院しない脳出血の治療法もありますか? 軽度の脳出血では、入院せずに治療を行うケースもあります。 たとえば、降圧剤を使った血圧の管理や、血液凝固を調整する薬を服用する方法です。しかし、症状が悪化するリスクがあるため、定期的な通院や検査を受ける必要があります。 医師の指導を受けながら適切に治療を進めることが大切です。 また、当院「リペアセルクリニック」では脳卒中の後遺症に効果が期待できる再生医療も行っております。気になる方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 参考文献一覧 文献1 厚生労働省_- 12 - 3 退院患者の平均在院日数等 文献2 厚生労働省_令和2年(2020)患者調査の概況 文献3 厚生労働省_高額療養費制度を利用される皆さまへ
2022.12.23 -
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これまでに感じたことのない激しい頭痛や吐き気、嘔吐がある場合は、脳出血を起こしている可能性があります。ただし脳出血には、前兆が基本的にはありません。 一度障害を受けた神経細胞は元に戻ることはないため、脳出血を起こすと、麻痺や感覚障害などの後遺症が残ってしまう可能性があります。 本記事では、脳出血の初期症状をチェックシート(チェックリスト)を公開しています。いつもと違う激しい頭痛や吐き気、嘔吐などに悩まされている方は、本記事のチェックリストを活用し、一つでもあてはまる場合はすぐにでも専門の医療機関を受診しましょう。 脳出血の前兆を今すぐチェック【チェックシート付き】 脳出血は突然発症します。以下は「脳出血の前兆を症状で判別いただくためのチェックリスト」です。ひとつであっても当てはまるものがあれば要注意です。 脳出血の前兆に一つでも当てはまれば早期の受診を! とくに、今まで感じたことのないような激しい頭痛が生じたときは、脳出血が発症した可能性がかなり高いです。頭痛は、血管が破れた際に起こります。 さらに、激しい頭痛だけでなく「激しい吐き気」や「嘔吐」が伴う場合は、脳出血の可能性が高まります。 意識障害や昏睡状態になっている場合は、すでに重篤な状態であり命に危険が及んでるかもしれません。 すみやかに治療を受けることで、その他の症状を発症せずに済む可能性があります。救急車を呼ぶなどして、いち早く専門の医療機関を受診しましょう。 \まずは当院にお問い合わせください/ 脳出血に前兆はない? 脳出血は突然血管が破れて発症するため、前兆は基本的にありません。 ただし、脳出血は朝10時ごろに起こりやすくなっています。これは、血圧が一番高くなる活動的な時間帯であるためです。 そもそも脳出血とは? 脳出血は脳卒中の1つで、脳を走る血管が破れることにより脳の中で出血が起こる病気です。 高齢であったり、高血圧や動脈硬化が強かったりすると血管が弱くなるため、脳出血を引き起こしやすくなる傾向です。 また出血が広がると、血液で脳が圧迫されたり血液が神経細胞に行き渡らず細胞が死んでしまったりします。 一度障害を受けた神経細胞は元に戻ることはないため、麻痺や感覚障害などの後遺症を残します。脳出血の約70%が後遺症を残すと言われており、生活に支障をきたさない程度の後遺症から、 四肢麻痺などの日常生活が以前のように送れなくなるほどの後遺症までさまざまです。 リハビリである程度までの回復が期待できますが、完全に元に戻すことは難しく、何よりかなりの時間を要します。 脳出血で強い後遺症を残さないためにも、発症早期に気づき、周囲の神経細胞に障害が起こる前に治療を受けることが重要です。 脳出血の好発部位と症状の特徴 脳出血は、出血する部位によって頻度や症状が異なります。 脳出血が起こりやすいとされる好発部位は大きく分けて5つあります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。 ①被殻(ひかく)出血 脳出血のなかで一番頻度が高いのが被殻出血です。まず頭痛や嘔吐から始まり、片側の手足の麻痺や感覚の異常、うまく言葉が話せない構音障害などの症状があります。 また、どちらか一方に目が寄る共同偏視が生じることもあります。 ②視床出血 視床出血は、被殻出血の次に多く見られる脳出血です。視床は感覚を伝達する神経が多く走っている部位のため、視床出血では感覚障害や視床痛という半身のみの痛みが生じます。 また、視床出血は脳脊髄液が循環している脳室と近い位置にあるため、出血が脳室まで及ぶと水頭症になり意識障害を起こします。 視床出血が起きると、左右の目が内下方を向くようになることが特徴です。水頭症については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。 ③小脳出血 小脳は平衡感覚をつかさどる部位です。そのため、この小脳に出血が起こると頭痛と嘔吐、めまい、歩行障害が起こります。 小脳出血が広がり脳幹まで圧迫されると呼吸が止まり致命的になる可能性があります。小脳出血のみですと、麻痺は起こりません。 ④橋出血 橋は脳幹の一部で呼吸や全身の運動などをつかさどっている部位です。橋に出血が起こると意識障害や全身の麻痺が起こります。さらに出血が広がると、呼吸ができなくなり重篤な状態になることがあります。 橋出血が起こると左右両方の目の瞳孔が小さくなることが特徴です。 ⑤皮質下出血 皮質下出血とは、脳の比較的表層の部分に出血が起こるものです。 部位によって症状はさまざまで、片側の手足の麻痺や構音障害、視界の左右どちらかが見えなくなる半盲などの症状が生じます。 まとめ|脳出血の初期症状を確認したら早期治療で後遺症を残さないようにしよう 脳出血はある日突然発症し、多くの場合で後遺症が残ってしまう病気です。しかし早期に治療を行うことができれば後遺症を残さないか、残っても軽度で済む可能性が高まります。 さらに、脳出血は画像検査ですぐに診断可能です。 そのため、少しでも疑う場合はすみやかに医療機関を受診することが重要です。脳出血は主に脳神経外科が治療を行うため、脳神経外科の体制が整っている病院を選びましょう。 なお、後遺症については、リハビリ以外にも最先端医療の「再生医療」という新たな手法もあります。万が一後遺症が残った場合は、その存在を知っておくと良いでしょう。 本記事が参考になれば幸いです。 \まずは当院にお問い合わせください/
2022.12.19