-
- 頭部
- 糖尿病
- 脳卒中
- 脊椎
- 足部、その他疾患
- 手根管症候群
- 内科疾患
- 手部、その他疾患
- 内科疾患、その他
- 脊柱管狭窄症
- 手部
- 足部
「寝起きに手足がしびれ原因は?」 「しびれの原因が病気ではないか不安」 寝て起きただけなのに手足のしびれを感じたことがある方には、上記のような疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 寝起きの一時的な手足のしびれは、寝ている時の姿勢によるものがほとんどですが、まれに神経系疾患や脳血管疾患の前兆である可能性があります。 とくに脳血管疾患だった場合は、早期回復や重症化を防ぐために初期対応が重要なので、初期症状が見られた時点で医療機関への相談が推奨されます。 「ただの手足のしびれ」と放置されてしまいがちですが、少しでも不安な方はまずは医療機関へ相談してみましょう。 当院リペアセルクリニックでは、寝起きの手足のしびれの原因となっている「神経系疾患」「脳血管疾患」の改善が期待できる再生医療をご提供しています。 「手足のしびれが病気ではないか不安」「病気だった場合にすぐ治療したい」という方は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。 \無料相談はこちらから/ 0120-706-313 (受付時間:9:00〜18:00) 寝起きに手足がしびれる原因 寝起きに手足がしびれる原因としてあげられるのは、主に以下の5つです。 寝ているときの姿勢 神経系疾患 糖尿病による神経障害 脳血管疾患 その他の疾患 寝ているときの姿勢 寝起きに手足がしびれる原因の1つが、寝ているときの姿勢です。 腕に頭をのせて寝た 腕を頭より上にして寝た 狭い場所で寝たために寝返りを打てなかった このような体勢が長時間続くと、手足の神経が圧迫されてしまい、しびれを引き起こします。 枕が合わないこともしびれの一因です。枕が高すぎると、あごを強く引いた体勢になります。その結果生じるのが、肩や肩甲骨周辺の筋緊張です。筋肉の緊張が血行不良を引き起こし、しびれにつながります。 神経系疾患 変形性頚椎症や脊柱管狭窄症、手根管症候群、椎間板ヘルニアなどの疾患により、神経が圧迫されて、手足のしびれが生じるケースもあります。 神経系疾患と手足のしびれの関係については、以下の記事でも解説していますのであわせてご覧ください。 糖尿病による神経障害 糖尿病の三大合併症の1つが神経障害です。手足のしびれは、感覚神経の障害に分類されます。 高血糖が続くと神経に栄養を与える血管に傷がつきます。その結果血流が悪くなり、神経の働きが障害されるのです。 糖尿病による神経障害では、手足のしびれのほか、感覚の低下や筋力の低下などの症状も現れます。(文献1) 糖尿病の合併症については以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。 脳血管疾患 脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳血管疾患でも、手足のしびれが起こります。 手足のしびれ以外に、手足の麻痺や激しい頭痛、視野の異常などの症状が現れたら、速やかに脳神経外科を受診しましょう。 チェックポイントは「ACT-FAST」です。(文献2) Face:顔の片方がゆがむ Arm:片方の腕に力が入らない Speech:いつもどおり話せない Time:時間を空けずに ACT:救急車を呼ぼう 脳血管疾患は命に関わるものなので、迅速な行動が大切です。 その他の疾患 過換気症候群や更年期障害などでも、手足のしびれが起こる場合があります。 過換気症候群とは、強い不安や緊張などが原因で、何度も激しく息を吸ったり吐いたりする状態です。 二酸化炭素が過剰に吐き出されることで血中の二酸化炭素濃度が低くなり、血液がアルカリ性に傾きます。血液がアルカリ性に傾くと、血管が収縮されてしまい、手足のしびれが生じるのです。 更年期障害の場合、女性ホルモンの低下が手足のしびれに関係しているとされています。 寝起きに手足がしびれるときの対処法(セルフケア) 寝起きに手足がしびれるときに自分でおこなえる主な対処法(セルフケア)は、以下の3つです。 寝る姿勢や枕を調整する 身体を温める 身体を適度に動かす 寝る姿勢や枕を調整する 寝る姿勢や枕の調整に関してのポイントを、表に示しました。 ポイント 調整方法 寝る姿勢 横向きで寝るときは、しびれやすい方を上にする あおむけで寝るときは、膝の下にクッションを入れるか腕の位置を少し高くする 枕選び 横幅50㎝以上、奥行き35㎝以上 中央が低く両サイドが高めの立体的な形 自然に立った姿勢をそのままキープできる高さが望ましい 1日の約3分の1は、睡眠時間です。筋肉の緊張や神経の圧迫がない自然な姿勢が、手足のしびれ予防のポイントといえるでしょう。 身体を温める しびれる部分を温めたり、揉んだりすると血流が改善されて、しびれがやわらぐこともあります。具体的な方法は、ゆっくりお風呂につかる、やさしくマッサージするなどです。 ただし、神経障害の方は皮膚の感覚が鈍くなることがあるため、やけどに注意する必要があります。寒いときも、長時間ストーブの前に座らないように心がけましょう。カイロで温めるときは肌に直接当てず、決められた時間を守ってご使用ください。 身体を適度に動かす ウォーキングやストレッチなどの適度な運動を行うことで、血流改善によるしびれの緩和が期待できます。 手を握ったり開いたりする、手首や足首をゆっくり曲げ伸ばしするなどもストレッチの一種です。 ただし、症状が強いときには無理に動かさず、安静にしましょう。 下記の記事では、手根管症候群による手のしびれを自分で治すためのストレッチが紹介されています。あわせてご覧ください。 まとめ|セルフケアを行っても寝起きに手足がしびれるときは医療機関を受診しよう 寝起きに手足がしびれる原因は、寝るときの姿勢から脳血管疾患までさまざまです。 自分でできるセルフケアもありますが、ケアを続けても手足のしびれが改善されない場合は、放置せず医療機関を受診しましょう。 とくに、手足が動かない、ろれつが回らないなどの症状を伴う場合は、脳血管疾患の可能性があります。命に関わることもあるので、ためらわず救急車を呼びましょう。 糖尿病を治療している中で、徐々に手足のしびれが出てきた方は、神経障害の可能性があります。早めに主治医へ相談しましょう。 手足がしびれ解消のためには、セルフケアや治療が大切です。 当院「リペアセルクリニック」では、しびれの原因となる脳卒中や椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、糖尿病などの疾患に対して再生医療を提供しています。 手足のしびれでお悩みの方は、当院へお気軽にご相談ください。 \無料相談はこちらから/ 0120-706-313 (受付時間:9:00〜18:00) 寝起きに手足がしびれることに関するよくある質問 ここでは、寝起きに手足がしびれることに関するよくある質問を2つ紹介します。 手足がしびれるときは何科に行くと良いでしょうか? 手足がしびれるときの受診先としてあげられるのは、整形外科や神経内科、脳神経外科などです。 しびれが急に出てきて、手足の麻痺があるときは早急に脳神経外科を受診しましょう。 脳血管疾患の可能性が高く、初期症状が見られた時点で医療機関への相談が推奨されます。 「ただの手足のしびれ」と放置されてしまいがちですが、少しでも不安な方はまずは医療機関へ相談してみましょう。 当院リペアセルクリニックでは、寝起きの手足のしびれの原因となっている「神経系疾患」「脳血管疾患」の改善が期待できる再生医療をご提供しています。 「手足のしびれが病気ではないか不安」「病気だった場合にすぐ治療したい」という方は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。 ▼まずは無料で電話相談 >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 更年期になると朝起きたら手がしびれるのはなぜですか? 原因として考えられるものが、女性ホルモンの1つ、エストロゲンの減少です。エストロゲンの減少は、自律神経の乱れにも関係しています。自律神経の乱れが、血流の悪化、ひいては手のしびれにつながっています。 エストロゲン減少の影響としてもう1つあげられるのが、皮膚の乾燥です。乾燥した皮膚は敏感であるため、しびれを感じやすくなるといわれてます。 参考文献 (文献1) 出口尚寿,西尾善彦.「糖尿病性末梢神経障害」『日本内科学会雑誌』108(8), pp.1538-1544, 2019 https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/108/8/108_1538/_pdf (最終アクセス:2025年3月20日) (文献2) 厚生労働省「みんなで知ろう! からだのこと」厚生労働省ホームページ https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/202410_006.html (最終アクセス:2025年3月20日)
2025.03.31 -
- 頭部
- 糖尿病
- 脳卒中
- 脊椎
- 足部、その他疾患
- 頚椎椎間板ヘルニア
- 手根管症候群
- 内科疾患
- 脊柱管狭窄症
- 足部
「手や足のしびれが続いて困っている......何かの病気だろうか?」 このようにお悩みの方も多くいらっしゃることでしょう。 手足のしびれを引き起こす病気はさまざまであり、なかには原因がわからない疾患もあります。 本記事では、手足のしびれを引き起こす病気について、痛みや症状について解説します。 しびれが続くときの受診先や病気の予防法、前兆をチェックする方法なども解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、しびれの原因となる脳卒中やヘルニア、糖尿病などの治療に用いられている再生医療に関する情報をお届けしています。簡易オンライン診断を実施しておりますので、ぜひご登録ください。 手足のしびれが出る病気には早期対応が重要なものがあります 手足のしびれは一時的な体調変化によることもありますが、脳梗塞や脳出血、ギラン・バレー症候群、脊髄・脊椎の病気などが原因となっている場合もあります。 これらの中には、発症からの時間が治療や予後に影響する病気もあるため注意が必要です。 次のような症状があれば、早急に受診を検討してください。 突然、手足や顔のしびれが現れた 片側の手足だけにしびれや力の入りにくさがある しびれに加えて言葉が出にくい、ろれつが回らない 足先のしびれがどんどん悪化している、歩きにくくなってきた しびれに加えて、飲み込みにくさや顔の動かしにくさがある ただし、これらはあくまでも受診の目安であり、自己判断のためではありません。 手足のしびれに不安がある場合は、症状が軽く感じられても医療機関に相談することが大切です。 手足のしびれの原因となる病気|痛みや症状 以下は、しびれの出方から考えられる原因の目安です。自己判断せず、気になる症状があれば医療機関を受診してください。 病気の系統 該当しやすいしびれ・症状の特徴 脳神経系の病気 突然のしびれ/片側の手足や顔に出る/言葉が出にくい、ろれつが回らない 脊髄(脊椎)神経系の病気 両手・両足にしびれが出る/首や背中の痛みを伴う/歩きにくい 末梢神経系の病気 指先や足先のしびれ/左右対称に出る/特定の動作で悪化 内科系の病気 徐々に進行するしびれ/長期間続く/左右対称で慢性的 その他の原因 姿勢やストレスで変化/一時的/休むと軽減する 脳神経系の病気 ここでは、手足のしびれを引き起こす脳神経系の病気について解説します。 脳梗塞 脳梗塞とは、脳内の血管が詰まることによって血液の流れが止まり、酸素や栄養が脳細胞に届かなくなる結果、脳の組織が壊死してしまう病気です。 代表的な初期症状として、手足のしびれが挙げられます。 そのほかにも、手足の麻痺によって動かなくなる、言葉がうまく話せずろれつが回らない、突然意識を失うなどの症状が現れる場合があります。 脳梗塞の症状に関しては、以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。 脳出血 脳出血とは、脳内の血管が破れて出血し、脳細胞が損傷を受ける病気です。 出血によって脳の圧迫や腫れが生じるため、神経機能に深刻な障害が現れることがあります。 手足のしびれや麻痺、言葉がうまく話せないなどが主な症状です。 加えて、突然の激しい頭痛や吐き気、意識障害など、出血による特徴的な症状が見られる場合も少なくありません。 脳出血の症状に関しては、以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。 くも膜下出血 くも膜下出血は脳卒中の一種で、脳を覆う膜(くも膜)の下に出血する病気です。 今まで経験したことのない激しい頭痛が特徴で、意識障害や手足の麻痺を伴う場合もあります。 一方、片側の手足のしびれや脱力が急に出現する症状は脳梗塞で典型的にみられますが、くも膜下出血でも合併症として起こることがあります。 普段と違う強い頭痛に手足のしびれが伴う際は、迷わず119番で救急車を呼びましょう。 一過性脳虚血発作(TIA) 一過性脳虚血発作は、脳への血流が一時的に低下して酸素や栄養の供給が不足し、一時的な神経障害が生じる病気です。 具体的な症状には、手足のしびれ、麻痺、感覚の鈍さなどがあり、通常これらの症状は数分から1時間程度で自然に消失し、多くは24時間以内に回復します。(文献1) ただし、症状が一時的であっても安心はできません。 一過性脳虚血発作は、脳梗塞や脳出血の前兆として現れるケースがあるため、症状がすぐに消えた場合でも決して放置せず、速やかに医療機関を受診することが大切です。 脳腫瘍 脳腫瘍とは、脳に発生する腫瘍の総称です。 発生の仕方によって「原発性脳腫瘍」と「転移性脳腫瘍」に分類されます。 原発性脳腫瘍は脳そのものから発生する腫瘍であり、転移性脳腫瘍は肺や乳腺など他の臓器にできたがんが脳へ転移してできる腫瘍です。 主な症状には手足のしびれや麻痺、頭痛、吐き気などがあり、腫瘍の部位によっては視野の欠損や視力の低下といった、眼に関する症状が現れる場合もあります。 脊髄(脊椎)神経系の病気 ここでは、手足のしびれを引き起こす脊髄(脊椎)神経系の病気について解説します。 脊髄損傷・脊髄圧迫 手足のしびれを引き起こす大きな原因の一つが、脊髄損傷や脊髄・神経根の圧迫です。 脊髄や神経根は、手足に分布する末梢神経の幹にあたる部位であるため、異常が生じると影響が四肢に現れます。 具体的には、以下のような疾患が原因です。 椎間板ヘルニア 脊髄損傷 頚椎症 後縦靭帯骨化症 脊髄腫瘍 これらの病気では、椎間板の突出や骨のとげ(骨棘)、靭帯の骨化が脊髄または神経根を圧迫します。 手足が重く感じる、動かしにくい、力が入りにくいといったしびれや脱力が持続するのが特徴です。 進行すると、物を落としやすくなる、まっすぐ歩けないといった日常生活に支障をきたす症状が現れることもあります。 変形性頚椎症 変形性頚椎症は、首の骨(頚椎)に加齢などの影響で変性が起こる疾患です。 椎間板の高さが低下したり、椎骨に骨棘(こつきょく)と呼ばれる骨のとげが形成されたりすることで、頚椎の構造が変化します。 首や肩の痛みが生じるほか、頚椎を通る神経が圧迫されることで、手のしびれや細かい動作のしづらさなどの神経症状が現れる場合があります。 頚椎椎間板ヘルニア 頚椎椎間板ヘルニアは、頚椎の間にある椎間板が加齢や外力により変形し、一部が飛び出して脊髄や神経根を圧迫する病気です。 圧迫によって神経の働きが妨げられ、さまざまな症状が引き起こされます。 手や腕、首、肩にかけてのしびれや痛みが主な症状です。 また、足のもつれや歩行障害など、下肢にまで影響が及ぶ場合もあります。 さらに、首を動かすと症状が悪化するケースが多く、動作時の痛みが顕著になるのが特徴です。 以下の記事では、頚椎椎間板ヘルニアに対して幹細胞を使用した再生医療の症例をご紹介しています。 脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう) 脊柱管狭窄症は、腰椎(腰の背骨)の変形によって神経が通る脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されて発症します。 加齢とともに進行するため、50代から80代にかけて多く見られるのが特徴です。 手足のしびれのほかに、一定距離を歩くと足がしびれたり痛んだりして歩けなくなり、休むとまた歩けるようになる「間欠性跛行」や、膀胱や直腸の働きに異常をきたす「膀胱直腸障害」などが現れることがあります。 間欠性跛行や膀胱直腸障害については、以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。 後縦靱帯骨化症(こうじゅうじんたいこっかしょう) 後縦靭帯骨化症は、頚椎の後方に位置する背骨の靱帯(後縦靭帯)が骨のように硬化し、脊髄を圧迫して神経症状を引き起こす疾患です。 厚生労働省により指定難病として認定されており、進行性の神経障害を伴う場合もあります。 肩こりや手のしびれ、こわばり、痛みなどが初期症状です。 病気が進行すると、箸を使って食事をするのが難しくなったり、文字を書く動作がしにくくなったりするなど、日常生活に支障をきたす細かい動作障害も目立ってきます。 末梢神経系の病気 ここでは、手足のしびれを引き起こす末梢神経系の病気について解説します。 ギラン・バレー症候群 ギラン・バレー症候群は、末梢神経が障害されることで、手足のしびれと筋力低下を生じる病気です。 風邪や下痢のような症状が現れた後、数日から数週間後に発症します。 手足のしびれや感覚の違和感が左右対称に現れ、続いて下肢から上肢へ広がる進行性の筋力低下や歩きにくさが出現するのが特徴です。 免疫システムの異常によって自己の末梢神経を攻撃する「自己免疫反応」が要因と考えられています。 手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん) 手根管症候群は、手首にある「手根管」と呼ばれるトンネル状の空間で、正中神経が圧迫されて手指にしびれや痛みが生じる病気です。 とくに、40代以降の中高年女性に多く見られる疾患であり、初期には人差し指や中指を中心としたしびれが現れます。 症状が進行すると親指の付け根の筋肉が萎縮し、物をうまくつかめない、細かい作業がしにくいといった運動障害が目立ってくるのが特徴です。 足根管症候群 足根管症候群は、内くるぶし付近にある「足根管」と呼ばれるトンネル状の部分で、脛骨神経が圧迫または損傷されて発症する病気です。 神経への障害によって、足裏や足首にしびれや痛みが現れます。 痛みは、ピリピリと刺すような感覚が特徴です。 立位や歩行時、または特定の靴を履いたときに強くなる傾向があります。 さらに、足の冷えや感覚の異常を伴う場合もあり、症状が悪化すると日常生活に支障をきたすケースがあります。 内科系の病気 ここでは、手足のしびれが生じる内科系の病気について解説します。 糖尿病性神経障害 糖尿病の三大合併症の一つ「糖尿病性神経障害」は、手足のしびれを引き起こす原因となります。 高血糖状態の持続によって血管が損傷し、血流が悪化することで発症します。 手足の末端にまで酸素や栄養を含んだ血液が十分に行き届かなくなり、末梢神経が障害を受けてしびれや感覚異常が現れるのが特徴です。 閉塞性動脈硬化症 閉塞性動脈硬化症は、動脈硬化によって血管が狭くなったり詰まったりして血流が低下し、手足にさまざまな症状を引き起こす病気です。 手足の血管が障害されると、しびれや冷感、血行不良による皮膚の色調変化などが見られる場合があります。 進行すると歩行中に足に痛みやしびれが生じ、一時的に休むと症状が軽快し、再び歩けるようになる「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」と呼ばれる特徴的な症状が現れます。 更年期やストレスなどその他の原因 更年期のホルモン変動や精神的なストレスが、手足のしびれや痛みの一因となる場合があります。 詳細な検査を行っても原因が明確にならない一部のしびれや痛みについては、以下のような要素が関与しているケースがあるのです。 ウイルス感染 更年期障害 うつ病 ストレス ビタミン欠乏 検査で明らかな異常が見つからない場合でも、更年期症状や精神的負担などを内科医に具体的に伝えることで、原因の見当や今後の対処方針の検討が可能になります。 手足がしびれる病気の前兆をチェックする方法 手足のしびれは、さまざまな病気の前兆として現れることがあります。 しびれの特徴から、どのような疾患の可能性があるのかをチェックしておきましょう。 疾患名 しびれの特徴 脳血管疾患 (脳梗塞や脳出血) ・片方の手足だけがしびれる ・手足が麻痺する ・ろれつが回らない ・意識障害がある 変形性頚椎症 ・全体的に手がしびれる ・首の後ろを動かすと手のしびれが悪化する 頚椎椎間板ヘルニア ・手足のしびれに痛みを伴うことがある 手根管症候群 ・手の親指や人差し指、中指がしびれる ・手首を酷使したあとにしびれが生じる 手足のしびれと病気の前兆について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。 手足がしびれるときは何科を受診すべきか 手足のしびれで病院を受診する際は、しびれ以外の症状や、現在かかっている病気などから受診する科を決めましょう。 ここでは、手足のしびれで受診すべき3つの診療科について解説します。 片側の手足が動かないようなら「脳神経外科」 手足のしびれ以外に片側の手足が動かない、ろれつが回らない、言葉が出てこないなどの症状がある場合は脳梗塞や脳出血の可能性があるため、脳神経外科を受診しましょう。 脳梗塞や脳出血の場合は一刻も早い治療が必要なので、躊躇せずに救急車を呼んでください。 腰や手足の痛みがあれば「整形外科」 手足のしびれ以外に腰や手足の痛み、間欠性跛行などの症状がある場合は、整形外科が適しています。 受診時には、医師が状況を把握しやすいように、症状がある部位や出現時期などを伝えると良いでしょう。 手足のしびれ以外に症状がなければ「内科」 糖尿病や高血圧、高脂血症といった内科疾患があり、しびれ以外に症状がない場合は内科(かかりつけ医)を受診しましょう。 とくに、糖尿病治療中に手足のしびれが生じている場合は、神経障害を起こしている可能性が高いため、早めに受診してください。 手足がしびれる病気の予防法 手足がしびれる病気の種類はさまざまです。ここでは、3種類の病気について予防法を解説します。 脳神経系の病気 末梢神経系の病気 内科系の病気 脳神経系の病気の予防法 脳梗塞や脳出血といった脳卒中を防ぐには、高血圧を予防・改善しましょう。 高血圧の予防・改善には、日常的な減塩が必要です。 また、糖尿病や高脂血症といった生活習慣病のほか、喫煙、過度な飲酒なども脳血管を痛めます。 バランスの良い食事や適度な運動を心がけるなど、生活習慣を見直しましょう。 なお、脳卒中は再発予防も大切です。 当院「リペアセルクリニック」では、脳卒中の後遺症治療・再発予防として再生医療(幹細胞治療)を行っております。 再生医療について詳しくは、以下のページをご覧ください。 末梢神経系の病気の予防法 末梢神経系の代表的な疾患である手根管症候群の予防は、手首への過度な負担を避けることが重要です。 とくに、手首を繰り返し曲げる動作は神経の通り道である手根管を狭め、正中神経を圧迫するリスクを高めます。 日常的にパソコン作業を行う方や、ドライバーなどの工具を頻繁に使用する方は、作業の合間に手首を休ませる時間を意識的に確保しましょう。 また、糖尿病や甲状腺機能低下症を抱える方は、手根管症候群を発症しやすい傾向があります。 定期的に血液検査を受けるなど、基礎疾患の管理を徹底してください。 内科系の病気の予防法 内科系の病気の中でも、糖尿病は生活習慣の改善で予防できます。 糖尿病予防の主なポイントは次の通りです。 栄養バランスの良い食事や腹八分目を心がける ウォーキングやサイクリングといった適度な運動を続ける 適正体重を保つ 毎年健康診断を受ける 喫煙者は禁煙を検討する アルコールは適量を守る 放置せずに治療を継続する なお、糖尿病の治療では、再生医療が選択肢のひとつになっています。 以下のページで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。 まとめ|手足のしびれの病気が疑われる際は早めに病院へ 手足のしびれを引き起こす病気は数多くありますが、原因がわからないケースも少なくありません。 脳血管疾患のように、命に関わる病気が原因の可能性もあります。 手足のしびれが続くときは放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、しびれの原因となる脳卒中やヘルニア、糖尿病などに対して再生医療を行っています。 公式LINEでは、再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施しておりますので、手足のしびれでお悩みの方はお気軽にご相談ください。 手足のしびれの病気に関するよくある質問 手足のしびれと皮膚の表面がピリピリする感覚の関係は? 皮膚の表面がピリピリする感覚の主な原因は、痛みを伝える神経が損傷されるために起こる神経障害性疼痛や帯状疱疹などです。 神経障害性疼痛の場合は、痛み止めやブロック注射などの治療方法があります。 帯状疱疹の治療は抗ウイルス薬の内服、もしくは点滴です。 手足のしびれの治し方は? 手足のしびれの原因になっている病気があれば治療し、同時にしびれを抑える治療も行います。 しびれの主な治療法は消炎鎮痛剤やビタミン剤の内服ですが、病気によっては手術が必要です。 しびれに加えて足のむくみがある病気は? 足のむくみとしびれが同時に出る場合、下肢静脈瘤の初期症状の可能性があります。 下肢静脈瘤の初期は足のむくみやしびれが見られるため、明らかな理由がないのに症状が続く場合は注意が必要です。 手足のしびれと同時にめまいも生じる病気は? 手足のしびれとめまいが同時に始まった場合、脳梗塞や脳出血など危険な脳の病気の可能性があるため要注意です。 脳幹や小脳に梗塞や出血が生じると、しびれやめまいのほか、腕や脚の麻痺・歩行困難・嘔吐・頭痛などを伴うケースもあります。 手足のしびれに頭痛を伴う病気は? 手足のしびれに頭痛が加わる場合、脳梗塞や脳出血など脳血管障害の可能性があります。 突然体の片側だけにしびれや脱力症状が現れ、頭痛・めまい・吐き気・嘔吐を伴うときは脳梗塞や脳出血などが疑われます。 手足のしびれが片側だけの病気は? 体の左右片側の手や足がしびれる、だるいといった場合には、高血圧症や脊椎・脊髄疾患、脳腫瘍、脳出血などの重大な病気が疑われます。 このような症状が続くときは、早めに医療機関で相談しましょう。 若い女性が手足がしびれる病気は? 若い女性の場合、手根管症候群やモートン病、胸郭出口症候群などが手足のしびれの原因になる場合があります。 手根管症候群では、手首の正中神経が圧迫され、親指から薬指にかけてしびれが出現します。 モートン病はハイヒールなどで足の神経が圧迫されて起こり、胸郭出口症候群は上肢や肩甲骨周囲にしびれが生じるのが特徴です。 参考文献 (文献1) 一過性脳虚血発作は、早期に完成型脳梗塞を発症する可能性が高い|国立研究開発法人 国立循環器病研究センター
2025.03.30 -
- 脳卒中
- 頭部
- 脊椎
- 手根管症候群
- 手部
手のしびれは一時的なものと思われがちですが、実は重大な病気の前兆の可能性もあります。 とくに、片側だけのしびれや、痛み、脱力感を伴う場合は注意が必要です。 本記事では、手がしびれる原因となる病気の特徴やセルフチェックの方法、医師が推奨する治療・予防法について詳しく解説します。 理解を深めて日常の違和感に気付けるようになって、早めの対処につなげましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、手のしびれの治療にも用いられている再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施しているので、ぜひご登録ください。 手がしびれる病気の前兆とセルフチェック方法 手のしびれは、誰しも一度は経験する身近な症状ですが、実は重大な病気のサインである可能性も潜んでいます。 手がしびれる病気の前兆に気づいて早期治療するためにも、ご自身のしびれをよく観察し、セルフチェックしましょう。 以下では、チェックする場所や範囲、時間帯などさまざまな面からセルフチェックする方法を解説します。 しびれの場所 手のしびれを感じたとき、まず確認すべきなのは「しびれが出ている部位」です。 たとえば、親指・人差し指・中指にしびれが出ている場合、手首の中を通る神経が圧迫されて起こる「手根管症候群」が疑われます。 手根管症候群は、手首のトンネル(手根管)がなんらかの原因で狭くなり、その中を通る正中神経が圧迫されることで、しびれや痛みを生じる病気です。 Point! 薬指の内側(中指側)と外側(小指側)を、指でなぞってみてください。もし中指側だけがしびれているなら、高い確率で手根管症候群が疑われます。 両手の母指球筋を比べ、平らになって筋肉が痩せているなら、進行した手根管症候群になります。 しびれが弱くても母指球筋が小さくなっていたら、今以上に悪くならないように手術した方が良いでしょう。 進行すると、服のボタンが付けにくくなったり、お箸が持ちにくくなったりするなど、手術しても後遺症として残ってしまうケースもあります。 一方、小指や薬指にしびれがある場合は、「肘部管(ちゅうぶかん)症候群」の可能性も考えられます。 肘部管症候群は、肘の神経の通り道が狭くなって起こるしびれです。たとえば、椅子などに肘の内側をぶつけると指までしびれる場合がありますが、肘部管症候群の原因である尺骨神経によるものです。 また、手の甲側がしびれる場合は、「橈骨(とうこつ)神経麻痺」の疑いもあります。 橈骨神経麻痺は、腕の外側から手の甲にかけて走る神経が圧迫されることで起こるのが特徴です。 たとえば、腕枕をして寝てしまった後に手がしびれるのは、橈骨神経圧迫による一時的な麻痺による可能性を否定できません。 ひどい場合は手のひらがだらんと垂れて動かなくなる場合もありますが、2〜3カ月ほどリハビリを行って様子を見れば、改善するケースもあります。 しびれの範囲 しびれが出ている範囲も、原因を見極める上で重要な手がかりです。 たとえば、しびれが手全体に広がっている場合は、首や肩まわりの神経が圧迫される「頚椎症」や「胸郭出口(きょうかくでぐち)症候群」が疑われます。 首の骨の変形や筋肉による圧迫が原因で、手先まで神経の信号がうまく伝わらなくなる状態です。 一方で、手根管症候群は手首より先(手のひらや指)に限ってしびれ、肘や腕まで広がるケースはほとんどありません。 また、片側の手だけが急にしびれた場合は、脳の血管が詰まったり破れたりする「脳卒中」の可能性もあります。 脳卒中を発症すると手足の麻痺、ろれつの回らなさ、意識障害などが一緒に現れる場合があり、早急な対応が必要です。 ただし、頚椎症でも片方だけにしびれが出るケースはあります。 症状の出方は人によって異なるため、気になる変化があれば早めに医療機関で診察を受けましょう。 しびれの時間帯 しびれの原因を考えるときは、「いつ強く出るか」という時間帯にも注目です。 一日中続くのか、特定の時間だけなのか、ある姿勢をとったときだけなのかなどの情報は、診断の重要な手がかりになります。 たとえば、手根管症候群は夜間から明け方にかけてしびれや痛みが強くなり、目が覚めたときに親指〜中指あたりがビリビリする、手を振ると少し楽になるといった特徴があります。 「いつ・どのくらい続くしびれなのか」をメモしておくと、医療機関で原因を絞り込む際に役立つでしょう。 動作との関連性(特定の姿勢、動作で悪化など) 手のしびれを感じたときは、以下のように「どんな姿勢や動作で症状が変化するか」もあわせてチェックしてみましょう。 姿勢・動作 考えられる原因 パソコン作業やスマホ操作の後にしびれが強くなる 手根管症候群 首を後ろに反らすとしびれが悪化する 頚椎症 腕を頭の上に上げるとしびれが軽くなる 胸郭出口症候群 日常生活の中で、しびれが「いつ強くなるのか」「どうすれば楽になるのか」を意識すると、医師への相談時にも的確な情報を伝えやすくなります。 随伴症状(痛み、感覚異常、脱力など) 手のしびれに加えて、他の症状が同時に現れることがあります。 以下のような「随伴症状」は、原因を特定する上で重要な手がかりです。 しびれ以外の症状 考えられる原因や疾患 鋭い痛みがある 神経腫瘍 脱力感・感覚の鈍さを伴う 神経の損傷や圧迫が深刻な可能性 手のむくみや冷感がある 血流障害や神経圧迫による症状 たとえば、指の神経にできる「叢状シュワン腫(良性腫瘍)」では、しびれと同時に鋭い痛みを感じるケースもあります。 また、筋力が低下したり、触った感覚が鈍くなったりする場合は、神経の損傷が進行しているサインかもしれません。 こうした症状がある場合は早めに医療機関を受診し、詳細な検査を受けることが大切です。 過去の病歴 手のしびれの原因を正確に判断するためには、「過去の病歴」も大きな手がかりになります。 以下のような既往歴がある場合は、しびれの背景に何らかの疾患が関係している可能性があります。 関連する病歴 しびれとの関係性 糖尿病 末梢神経障害を起こし、手足のしびれの原因になることがある 高血圧 血流障害により、神経に影響が及ぶ可能性がある 神経系の既往症 再発や別の神経疾患の可能性がある 健康診断の結果やこれまでにかかった病気・治療内容も含めて、医師にできるだけ詳しく伝えると、的確な診断と治療につながります。 危険信号(麻痺の進行、意識障害など) 手のしびれに加えて、以下のような症状が現れた場合は脳卒中の可能性が高いため、迅速な対応が求められます。 症状 考えられる状態 麻痺の進行 脳の損傷による運動障害の悪化 意識障害 脳全体への影響が進行している可能性 ろれつが回らない・言葉が出ない 言語中枢へのダメージが疑われる 激しい頭痛 出血性の脳卒中(くも膜下出血など)の可能性 片側の手足や顔のしびれ 脳の片側への血流障害のサイン このような症状が少しでも見られたら、ためらわずに救急車を呼ぶ、もしくは速やかに医療機関に連絡することが大切です。 時間が経つほど、後遺症のリスクが高まります。 手がしびれる「脳卒中」の特徴・前兆チェックリスト 脳梗塞・脳出血などの脳卒中では、「手のしびれ」が前兆として現れる場合があります。 とくに、片側だけのしびれや急に力が入りにくくなる症状には要注意です。 次のチェック項目に当てはまるものがある場合は、早急な受診が必要になる可能性があります。 チェック項目 該当 片側の手だけ、または片側の手足に突然しびれが出た □ 顔の片側のゆがみ(口角が下がるなど)に気づいた □ ろれつが回らない、言葉がうまく出てこない、言葉が聞き取りにくい □ 片方の目が見えにくい、物が二重に見えるなど急な見え方の異常がある □ 原因不明のふらつきや、真っ直ぐ歩けない感じが突然あらわれた □ これらの症状が、数分〜数十分でいったん治まったことがある(TIAの可能性) □ これらの症状は、一時的におさまっても「一過性脳虚血発作(TIA)」など、将来の脳梗塞につながる重要なサインの可能性があります。 顔・腕・言葉に異変を感じたら、「そのうち治るだろう」と様子を見ず、至急救急外来や脳神経外科・脳神経内科の受診を検討してください。 手がしびれる病気|主な原因と発症メカニズム 軽いしびれであっても、放っておくと後々治療しにくくなるケースがあります。神経は一度傷ついてしまうと、一生後遺症として残る恐れがあるのです。 ここでは、手がしびれる病気の主な原因と発症メカニズムについて解説します。 首近くの神経が圧迫されて手がしびれる「頚椎症」 手のしびれの原因として、首の骨(頚椎)の異常が関係しているケースがあります。 とくに多いのが「頚椎症」で、加齢とともに首の骨が変形したり、骨のとげ(骨棘)ができたりにより、神経が圧迫されて起こります。 たとえるなら、長年使い続けた家の柱や梁が少しずつ歪んだり、ひびが入ったりするようなものです。 長時間のパソコン作業やスマートフォン操作で猫背になっている人は、頚椎に負担がかかりやすくなっているので注意しましょう。 手と足がしびれる可能性がある「椎間板ヘルニア」 椎間板ヘルニアとは、背骨の間でクッションの役割をする「椎間板」が飛び出し、近くの神経を圧迫してしまう病気です。 まるで饅頭の中身が押し出されるように椎間板の一部が突出し、神経を強く刺激する場合があります。 若い人でも、重いものを急に持ち上げたときなどに発症することがあり、ぎっくり腰のように突然の激しい痛みやしびれに襲われるケースもあるため注意が必要です。 首のあたりで起こる「頚椎ヘルニア」では、手や足の両方にしびれが出る可能性があります。 一方、腰で起こる「腰椎ヘルニア」は手にしびれは出ず、主に足に症状が現れるのが特徴です。 手のしびれ・痛み・だるさを引き起こす「胸郭出口症候群」 胸郭出口症候群は、首から腕、指先へと伸びる神経や血管が通る「胸郭出口」と呼ばれる狭い通路が、何らかの原因により圧迫されて起こります。 圧迫により、手のしびれや痛み、腕のだるさ、冷感などの症状を引き起こすのが特徴です。 胸郭出口は鎖骨と肋骨の間に位置するため、なで肩の人や重い荷物をよく持つ人だとスペースが狭まりやすく、症状が出やすくなります。 整形外科の外来では比較的まれなケースとされており、診断までに時間がかかる場合も少なくありません。 診断された場合は、まずリハビリや筋力トレーニングによる治療が基本です。 指にしびれや痛みが生じる「手根管症候群」 手首にある「手根管」というトンネル状の部分で正中神経が圧迫されると、「手根管症候群」が起こります。 正中神経は、親指・人差し指・中指・薬指の半分に感覚を伝えているため、圧迫されると指先のしびれや痛み、腫れぼったさなどの症状が現れるのです。 とくに、妊娠中や更年期の女性に多く見られ、ホルモンバランスの変化で手根管周辺が腫れやすくなるのが一因とされています。 また、手をよく使う作業や趣味がある方にも発症しやすい傾向があります。 両手がしびれることもある「末梢神経障害」 末梢神経は、脳や脊髄から体の各部へ信号を送る神経のネットワークです。 障害が起きると手足のしびれや痛み、感覚の異常が現れます。 糖尿病やビタミン不足などが主な原因で、とくに両手や両足にしびれが出やすいのが特徴です。 手のしびれが片側だけに現れたら要注意「脳卒中」 手のしびれでもっとも注意したいのが、脳卒中です。 脳の血管が詰まったり、破れたりすることで脳の機能が障害を受けます。 手のしびれだけでなく、片側の手足の麻痺、ろれつが回らない、意識がもうろうとするなど、重い症状が突然現れるケースも少なくありません。 とくに、しびれが片側だけに出ている場合や他の神経症状を伴う際は、早急に医療機関を受診する必要があります。 進行すると手全体がしびれる「糖尿病」 糖尿病が長期間続くと合併症として「糖尿病性神経障害」が起こり、手足のしびれや痛みが出る場合があります。 高血糖状態が続くと末梢神経の細胞内にソルビトールなどの物質が溜まり、神経が傷つくのが主な原因です。また、血流障害なども原因になります。 初期には足や手の指先の軽いしびれや違和感から始まり、進行すると手足全体へ広がり、感覚低下や触覚の低下、痛みを伴うケースもあります。 手のしびれが続く場合、「歳のせい」や「疲れ」と決めつけず、糖尿病の有無や血糖コントロールの状況も含めて医師に相談しましょう。 手がしびれる病気の治し方と予防法 手がしびれる病気にはさまざまな原因が潜んでおり、放置すると深刻な事態を招くため注意が必要です。 ここでは、手のしびれの主な治療法と、日常生活での予防ケアについて解説します。 薬物療法 手のしびれに対しては、原因や症状の程度に応じて以下のような薬が用いられます。 神経の炎症や痛みを抑える薬:炎症性のしびれ。重症の場合は、ステロイド薬も使用 血行を改善する薬:血流不足が原因のしびれ ビタミン剤(とくにビタミンB群):神経の働きを助ける作用 糖尿病に伴うしびれ:血糖コントロールを改善するための薬 ただし、しびれは薬だけで完全に治すのが難しい症状でもあります。また、治療の効果には個人差があるため、焦らず根気強く取り組むことが大切です。 理学療法・作業療法 薬物療法だけでなく、理学療法や作業療法も手のしびれに対する治療で重要な役割を担っています。 <理学療法(フィジカルセラピー)> ストレッチやマッサージ、温熱療法などで筋肉や関節の柔軟性を高めて血行を促進することで、しびれの軽減を目指します。 胸郭出口症候群では、両腕の重みを支える筋肉の強化が有効です。 <作業療法(オキュペーショナルセラピー)> 日常生活の中で支障が出ないように、動作の練習や自助具の活用を通じて生活の質をサポートします。 たとえば、手根管症候群では手首に負担をかけない使い方の練習や、専用の装具による安静保持の指導が行われます。 装具療法 手首・指を固定するサポーターや頚椎を支えるコルセットなどの装具は、患部を安静に保つことで神経への負担を軽減し、しびれの緩和に役立ちます。 とくに、手根管症候群や腱鞘炎など、手首の使い過ぎが原因となるケースで有効です。 たとえば、就寝中に手首をサポーターで固定すると、夜間のしびれを軽くできる場合があります。 ただし、装具にはさまざまな種類があるため、医師や理学療法士の指導のもと、自分に合ったものを選んで正しく使うことが重要です。 手術療法 手のしびれは、薬物療法・理学療法・装具療法などの保存療法で改善が期待できますが、神経の圧迫が強い場合や保存療法で効果がみられない場合には、手術が検討されます。 たとえば、手根管症候群で母指球筋がやせる、細かい動作が難しくなる(巧緻障害:こうちしょうがい)といった症状が出た場合、圧迫している靭帯を切開して神経を解放する手術が必要です。 また、頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアが原因の場合には、首の骨に対する手術が行われるケースもあります。 一般的に、筋力低下や排尿・排便障害が出ている場合は手術の対象となるほか、しびれが我慢できないほど強い場合も手術が選択肢になります。 再生医療 手のしびれには、再生医療という選択肢もあります。 再生医療とは、本来の機能を失った組織や細胞に対して、自分自身の幹細胞や血液を用いる治療法です。 当院「リペアセルクリニック」では、幹細胞がさまざまな種類の細胞に変化する「分化能」という能力を活かし、患者様自身から採取した幹細胞を培養・増殖させて用いる再生医療の「幹細胞治療」を実施しています。 入院や手術を必要とせず、日帰りでの施術が可能です。 以下の記事では、15年以上にわたって四肢のしびれや筋力低下に悩まされていた70代女性の症例をご紹介しているので、参考までにご覧ください。 日常生活での注意点と予防法 手のしびれを防ぐには、日常の習慣を見直すことも大切です。 長時間同じ姿勢を続けたり、手首や指に負担をかける作業を繰り返したりは避けてください。 パソコンやスマートフォンの使用中はこまめに休憩を取り、ストレッチをするようにしましょう。 デスクワークでは、椅子や机の高さを調整して正しい姿勢を保つと、首や肩への負担軽減につながります。 また、バランスの取れた食事・適度な運動・十分な睡眠も大切です。 なお、しびれを感じたら「そのうち治る」と自己判断せず、早めに医療機関を受診してください。重症化の予防と改善のためには、早期治療が重要です。 まとめ|手がしびれる病気の前兆をチェックしよう 手のしびれには、神経の圧迫や血流障害、代謝異常などさまざまな原因が隠れています。 放置すると後遺症が残る病気もあるため、しびれが続いている、もしくは悪化している場合は注意が必要です。 セルフチェックで症状の変化に気づき、理学療法や薬物療法など適切な治療を受けることで、改善も期待できます。 今回の内容を参考に、手のしびれから疑われる病気の前兆をチェックし、早めに医療機関を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、手のしびれに対する治療選択肢の一つ、再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施しています。ぜひ一度ご利用ください。
2025.02.15 -
- 頭部
- 脳出血
俳優の下條アトムさんの訃報で注目された「急性硬膜下血腫」。 脳を覆う膜の下に出血し、血腫ができるこの病気は、実は誰にでも起こりうる身近な危険をはらんでいます。日常生活での転倒や交通事故など、一見軽微な外傷でも発症する可能性があり、特に高齢者は注意が必要です。頭痛や吐き気といった初期症状は他の病気と見分けにくいため、早期発見が困難なケースも少なくありません。 この記事では、急性硬膜下血腫の原因、症状、診断方法、そして治療法や予後まで、詳しく解説していきます。ご自身やご家族の健康を守るためにも、ぜひ一度、急性硬膜下血腫について理解を深めてみませんか? 急性硬膜下血腫とは?原因・症状・診断 突然ですが、皆さんは「急性硬膜下血腫」という病気を聞いたことがありますか? これは、脳を覆う膜の一つである硬膜の下に出血が起こり、血腫(血の塊)ができてしまう病気です。実は、俳優の下條アトムさんもこの病気で亡くなられました。 「脳の病気」と聞くと、どこか遠い世界の話のように感じてしまうかもしれません。しかし、日常生活での転倒や交通事故など、誰にでも起こりうる原因で発症する可能性がある病気なのです。 今回は、急性硬膜下血腫について、原因や症状、診断方法などを分かりやすく解説していきます。 急性硬膜下血腫のメカニズム 私たちの脳は、まるで3層構造のヘルメットのように、「硬膜」「くも膜」「軟膜」という3つの膜で守られています。急性硬膜下血腫は、このうち硬膜とくも膜の間に血が溜まってしまう状態です。 頭の外傷によって、脳の表面にある血管、特に「架橋静脈」と呼ばれる脆い血管が損傷し、出血が起こります。この出血が硬膜とくも膜の間に広がり、三日月のような形をした血腫を形成するのです。 この血腫が脳を圧迫することで、様々な神経症状が現れます。さらに、血腫が大きくなると、脳への圧迫が強まり、生命に関わる危険な状態に陥ることもあります。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「脳卒中」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 主な原因:頭部外傷(転倒、交通事故など) 急性硬膜下血腫の主な原因は、頭部外傷です。交通事故やスポーツ中の衝突など、強い衝撃が加わることで発症することが多いです。 高齢者の場合、骨が脆くなっていたり、バランス感覚が低下していたりするため、軽い転倒でも急性硬膜下血腫を発症するリスクがあります。若い世代に比べて、高齢者の硬膜下腔は広く、架橋静脈も伸びやすくなっているため、比較的軽い外傷でも架橋静脈が損傷しやすく、急性硬膜下血腫を発症しやすいのです。 また、一度の強い衝撃だけでなく、繰り返し頭部に軽い外傷を受けることでも発症する可能性があります。例えば、ラグビーやアメリカンフットボールなどのコンタクトスポーツで、何度も頭部に衝撃を受けていると、気づかないうちに急性硬膜下血腫を発症しているケースもあるのです。 気づきにくい症状:頭痛、吐き気、意識障害など 急性硬膜下血腫の初期症状は、頭痛、吐き気、嘔吐など、風邪や他の病気と間違えやすい症状であることが多く、見逃してしまう可能性があります。 また、症状の現れ方には個人差があり、軽微な場合や、数時間から数日経ってから現れる場合もあります。特に高齢者の場合、症状をうまく伝えられないケースもあるため、周囲の人が注意深く観察することが重要です。 意識障害は、初期には軽度で、時間経過とともに悪化していくこともあります。「いつもよりぼんやりしている」「反応が鈍い」などの変化に気づいたら、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。急性硬膜下血腫は、初期の段階では症状が軽微であるため、発見が遅れてしまうことが少なくありません。しかし、適切な治療を行わないと、意識障害が進行し、最悪の場合、死に至る可能性もあります。 下條アトムさんの事例 俳優の下條アトムさんは、自宅で転倒し、頭を強打したことが原因で急性硬膜下血腫を発症し、亡くなりました。下條さんの事例は、高齢者にとって転倒がいかに危険であるかを改めて私たちに教えてくれました。 高齢者の場合、若い人に比べて骨が脆くなっていたり、バランスを崩しやすくなっていたりするため、転倒のリスクが高くなります。自宅での転倒予防対策を徹底的に行うことが重要です。具体的には、家の中の段差をなくしたり、手すりを設置したり、滑りにくい床材を使用したりするなど、転倒のリスクを減らす工夫をしましょう。 診断方法:CT検査、MRI検査 急性硬膜下血腫の診断には、CT検査とMRI検査が用いられます。CT検査では、硬膜とくも膜の間に三日月型の血腫が確認できます。MRI検査は、CT検査よりも詳細な画像を得ることができ、脳の状態をより詳しく把握するのに役立ちます。 急性硬膜下血腫は一刻を争う病気です。迅速な診断と適切な治療開始のために、これらの検査は非常に重要です。 慢性硬膜下血腫、くも膜下出血、脳内出血との違い 急性硬膜下血腫と似たような病気に、慢性硬膜下血腫、くも膜下出血、脳内出血などがあります。これらの病気は、出血の場所や症状、治療法が異なります。 慢性硬膜下血腫:急性と異なり出血がゆっくり進むため、症状が現れるまでに数週間から数ヶ月かかる場合があります。 くも膜下出血:くも膜と軟膜の間に出血が起こる病気です。バットで殴られたような激しい頭痛が特徴です。 脳内出血:脳の実質内に出血が起こる病気です。高血圧が主な原因となります。 それぞれの病気の特徴を理解しておくことが大切です。 急性硬膜下血腫の治療法と予後 下條アトムさんの訃報は、急性硬膜下血腫という病気を多くの方に知らしめるきっかけとなりました。この病気は、頭部外傷により脳を覆う硬膜の下に出血が起こり、血腫(血の塊)ができてしまう深刻な疾患です。 「血腫」と聞くと、すぐに手術が必要なのでは?と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。そこで、今回は急性硬膜下血腫の治療法と予後について、患者さんの不安を少しでも和らげられるよう、詳しく解説します。 外科的治療:開頭血腫除去術、穿頭血腫ドレナージ術 急性硬膜下血腫の治療は、大きく分けて外科的治療と保存的治療の2種類があります。外科的治療は、文字通り手術によって血腫を取り除く方法です。 主な手術方法には、「開頭血腫除去術」と「穿頭血腫ドレナージ術」があります。 開頭血腫除去術は、頭蓋骨の一部を切開し、直接血腫を取り除く方法です。血腫が大きく、脳への圧迫が強い場合に有効です。より確実な血腫除去が可能ですが、身体への負担は大きくなります。 一方、穿頭血腫ドレナージ術は、ドリルで頭蓋骨に小さな穴を開け、そこから細い管を入れて血腫を吸引する方法です。開頭血腫除去術に比べて身体への負担が少ないため、高齢者や全身状態が良くない方にも行われます。しかし、血腫が硬かったり、複雑な形状をしている場合は、完全に取り除くことが難しい場合もあります。 どちらの手術方法が適切かは、患者さんの年齢、全身状態、血腫の大きさや位置などを総合的に判断して決定されます。例えば、意識レベルが著しく低下している重症患者さんでは、開頭血腫除去術が選択されることが多いです。これは、開頭することで損傷した脳組織の状態も直接確認できるため、より迅速で適切な処置が可能になるからです。GCSスコアが9未満の昏睡状態の患者さんでは、開頭術が選択されることが多いという研究結果もあります。 保存的治療:経過観察、薬物療法 血腫が小さく、症状が軽い場合は、保存的治療が選択されることもあります。保存的治療は、手術を行わずに、安静、薬物療法、経過観察などによって病状の改善を図る方法です。定期的なCT検査で血腫の大きさや症状の変化を注意深く観察しながら、脳圧を下げる薬や合併症を予防する薬などを用います。 保存的治療は身体への負担が少ないというメリットがありますが、血腫が自然に吸収されるのを待つため、外科的治療に比べて治療期間が長くなる傾向があります。また、症状が急変する可能性もあるため、慎重な経過観察が必要です。 手術のリスクと合併症 どんな手術にもリスクはつきものです。急性硬膜下血腫の手術も例外ではありません。考えられるリスクや合併症には、感染症、出血、脳腫脹、麻酔による合併症などがあります。 高齢者や持病のある方は、これらのリスクが高まる可能性があります。手術を受けるかどうかは、担当医と十分に話し合い、メリットとデメリットを理解した上で、最終的に患者さん自身が決めることが重要です。 治療期間と入院期間 治療期間と入院期間は、患者さんの状態や治療方法によって大きく異なります。軽症の場合は数週間で退院できる場合もありますが、重症の場合は数ヶ月かかることもあります。また、後遺症が残った場合は、リハビリテーションが必要となり、さらに長期間の入院が必要になる場合もあります。 後遺症(麻痺、言語障害、認知機能障害など) 急性硬膜下血腫では、麻痺、言語障害、認知機能障害などの後遺症が残る可能性があります。後遺症の重症度は、血腫の大きさや脳へのダメージの程度、治療のタイミングなどによって大きく左右されます。 日常生活に支障が出るほどの後遺症が残ってしまう場合もあります。そのため、後遺症を最小限に抑えるためには、早期発見・早期治療が何よりも重要です。 ▼脳梗塞の後遺症について、併せてお読みください。 予後(社会復帰、生活への影響) 急性硬膜下血腫の予後は、意識障害の程度と深く関係しています。意識障害が重症の場合、残念ながら死亡率が高く、社会復帰が困難になることもあります。軽症の場合でも、後遺症が残る可能性があり、日常生活や社会生活への影響は避けられません。 ある研究では、急性硬膜下血腫の死亡率は65%にも達すると報告されています。また、社会復帰できる割合は18%程度と低いという結果も出ています。高齢者や手術前に抗凝固薬や抗血小板薬を服用していた患者さんでは、特に予後が悪化する傾向があります。 急性硬膜下血腫の死亡率 急性硬膜下血腫は、迅速な診断と適切な治療が求められる深刻な病気です。死亡率は高く、早期に適切な治療を行わなければ、命に関わる危険性があります。 特に高齢者では、頭部外傷による急性硬膜下血腫のリスクが高いため、転倒などの事故には十分に注意する必要があります。 少しでも異変を感じたら、すぐに医療機関を受診することが大切です。早期発見・早期治療が、予後を改善し、社会復帰の可能性を高めることに繋がります。 まとめ 急性硬膜下血腫は、頭部外傷による脳への出血で、深刻な症状を引き起こす可能性があります。特に高齢者は転倒などで発症しやすく、下條アトムさんの事例からもわかるように、命に関わる危険な病気です。 頭痛や吐き気など、初期症状は分かりにくいため、少しでも異変を感じたらすぐに医療機関を受診することが大切です。CTやMRI検査で診断し、血腫の大きさや症状に応じて手術や保存的治療を行います。後遺症が残る可能性もあり、早期発見・早期治療が予後を大きく左右します。日常生活での転倒予防など、意識して対策を行いましょう。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「脳卒中」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 参考文献 Vega RA, Valadka AB. "Natural History of Acute Subdural Hematoma." Neurosurgery clinics of North America 28, no. 2 (2017): 247-255. Karibe H, Hayashi T, Hirano T, Kameyama M, Nakagawa A, Tominaga T. "Surgical management of traumatic acute subdural hematoma in adults: a review." Neurologia medico-chirurgica 54, no. 11 (2014): 887-94. Bullock MR, Chesnut R, Ghajar J, Gordon D, Hartl R, Newell DW, Servadei F, Walters BC, Wilberger JE and Surgical Management of Traumatic Brain Injury Author Group. "Surgical management of acute subdural hematomas." Neurosurgery 58, no. 3 Suppl (2006): S16-24; discussion Si-iv.
2025.02.13 -
- 頭部
- 頭部、その他疾患
「頭痛と吐き気が同時に現れてつらい」「医療機関を受診すべきか悩む」 繰り返す吐き気を伴うつらい頭痛に対して、治し方がわからず悩んでいる方もいるでしょう。 吐き気を伴う頭痛は風邪やストレスだけが原因ではなく、脳卒中や脳腫瘍など、命に関わる疾患が潜んでいる可能性も少なくありません。 本記事では、吐き気を伴う頭痛が起きた際の治し方を頭痛のタイプ別に詳しく解説します。医療機関を受診すべき目安と予防法も紹介するので、参考にしてください。 また、当院リペアセルクリニックでは、無料の電話相談もご利用いただけます。 【タイプ別】吐き気を伴う頭痛 吐き気を伴う頭痛は、原因によって「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分類されます。各頭痛の原因や詳細は、以下のとおりです。 タイプ 原因 詳細 一次性頭痛 ・ストレス ・生活習慣 ・片頭痛(文献1) ・緊張型頭痛(文献2) ・群発(ぐんぱつ)頭痛 二次性頭痛(文献3) ・疾患 ・脳卒中 ・脳腫瘍 ・髄膜炎など 一次性頭痛とは、CTやMRI検査で脳に異常が見つからない頭痛で、ストレスや生活習慣が引き金となり、慢性的に痛みを繰り返す特徴があります。 一方、二次性頭痛はなんらかの疾患が背景にあって起こる頭痛を指します。脳卒中や脳腫瘍といった、命に関わる疾患のサインである可能性も否定できません。「いつもの頭痛と違う」と感じたら、医療機関への相談をおすすめします。 当院(リペアセルクリニック)では、無料の電話相談を実施しておりますので、自身の症状に不安を感じた場合はすぐにご相談ください。 その他の対処法については、こちらの記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。 リペアセルクリニックは「脳卒中」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 【タイプ別】自宅でできる頭痛と吐き気の治し方 頭痛と吐き気は、原因となる頭痛のタイプによって対処法が異なります。自分の症状に合わない方法を選ぶと、かえって痛みを悪化させてしまう可能性も少なくありません。 ここでは、自宅でも実践できる具体的な治し方を解説します。まずは自分の頭痛タイプに合ったケアを取り入れ、つらい症状を和らげましょう。 ただし、これらの方法を試しても症状が改善しない、あるいは悪化する場合は、自己判断せずに医療機関を受診してください。 【緊張型頭痛】温かいタオルで首や肩を温める 肩や首の筋肉の緊張が原因で起こる緊張型頭痛の場合、温かいタオルで首や肩を温めるのが効果的です。温められると血行が促進され、筋肉の緊張が和らぐため、痛みの軽減が期待できます。 吐き気も、同様の原因で起こる場合があるため、温めると症状が改善される可能性があります。 首や肩を温めるには、以下の方法がおすすめです。 蒸しタオルを使用する 40~42度くらいのぬるめのお湯に15~20分程度浸かる 入浴して全身を温めるのもおすすめですが、時間がない場合は蒸しタオルが便利です。濡らしたタオルを電子レンジで1分ほど温めた蒸しタオルを数分当てるだけでも効果がみられます。 【緊張型頭痛】カフェインを控える カフェインは過剰に摂取すると自律神経が刺激され、筋肉の緊張を招いて頭痛を悪化させるケースがあります。 また、カフェインには利尿作用があるため、体内の水分が失われ脱水症状を引き起こす可能性があるのも事実です。 仕事中の眠気覚ましにコーヒーやエナジードリンクを飲んでいる方は、摂取量を見直してみましょう。とくに、夕方以降のカフェイン摂取は睡眠の質を低下させ、翌日の疲労や頭痛につながるため注意が必要です。 デカフェやハーブティーなど、体に優しい飲み物へ切り替えるようにし、日常的な摂取を控えるだけで、慢性的な不調が改善するケースも少なくありません。 【片頭痛】冷却シートで頭を冷やす ズキズキと脈打つ片頭痛は、脳の血管が急激に拡張して炎症が起きている状態であるため、患部を冷却シートで冷やすのが効果的です。 冷却シートや氷枕、保冷剤をタオルで巻き、こめかみや首筋に当ててください。冷気によって拡張した血管が収縮し、炎症の広がりを抑えられます。 ただし、冷やしすぎは逆効果になる場合もあるため、15〜20分を目安に使用しましょう。入浴やマッサージは血流を促進し、痛みを増幅させるので避けてください。 【片頭痛】水分を十分に摂る 片頭痛と吐き気は、軽度の脱水が引き金となるケースもあります。脱水状態は血液の循環を悪くし、頭痛を誘発・悪化させる要因となります。 とくに、吐き気がある際は水分が失われやすいため、常温の水や経口補水液を少しずつ飲みましょう。一度に大量に飲むと胃を刺激してしまうため、一口ずつゆっくり含むのがポイントです。 カフェインを含まない麦茶や白湯も体に優しく、水分不足による不調を防ぐ助けになります。冷たい飲み物は、胃腸を刺激し、吐き気を悪化させる可能性がありますので、避けてください。 【群発頭痛】刺激物を避ける 「群発頭痛」は、ある期間に集中して激しい痛みが起こるのが特徴です。この時期は、強い光や音、においなどの刺激が発作の引き金となるため避けるようにしてください。 たとえば、以下のような工夫が効果的です。 明るい場所にいる際は、暗い場所に移動したり、目を閉じたりする 大きな音がする場所にいる際は、耳栓や静かな場所に移動する 香辛料の効いた食べ物やアルコールなどは避ける 香りの強い香水や柔軟剤の使用を避ける 発作が起こりやすい時期は、普段の何気ない行動が頭痛の引き金になるため、注意しましょう。 【共通】市販薬(鎮痛薬)を服用する 頭痛と吐き気がつらい場合、市販の鎮痛薬を使用する方法も効果的です。アセトアミノフェンやイブプロフェンなど自分の体質に合う市販薬を常備しておくと良いでしょう。 痛みがピークに達してからでは、薬の効果が十分に発揮されないケースがあります。「痛くなりそう」と感じた段階で鎮痛薬を服用するのが、つらい時間を短くするポイントです。 鎮痛薬を服用する際には、用法・用量の厳守が重要です。用量や用法を守らない使用は、薬物乱用頭痛を招く恐れがあります。 頻繁に服用している場合や効き目を感じない場合は、自己判断を続けず医療機関への相談が必要です。 また、持病がある方や他の薬を服用している方は、医師や薬剤師に相談の上、市販薬との飲み合わせを確認しましょう。 【共通】静かな場所で休息する 頭痛や吐き気がある場合は、光や音、匂いといった外部からの刺激が脳への大きな負担となります。無理をして活動を続けず、できるだけ静かで薄暗い部屋へ移動して休息をとりましょう。 横になれる環境であれば、ベルトや衣服など体を締め付けるものを緩め、リラックスできる姿勢を保ちます。そのまま短時間の睡眠をとるか、目を閉じて休むだけでも症状の緩和に効果的です。 また、脳を休ませると過敏になった神経が鎮まり、症状の回復が早まります。パソコンやスマートフォンの使用を控え、目を閉じて安静に過ごしてください。 吐き気が伴う頭痛で受診すべき目安 吐き気を伴う頭痛は、よくある不調に見えても重大な病気が隠れている場合があります。自己判断で様子を見るか迷った際は「緊急性が高い症状」と「受診を検討すべき目安」を知っておくことが重要です。 早期に医療機関を受診できれば、重症化の回避が期待できます。ここでは、受診の判断に役立つポイントを整理するので、参考にしてください。 緊急度の高い症状 突然経験したことのない激しい頭痛が起き、吐き気や嘔吐を伴う場合は注意が必要です。以下の症状が現れた場合は、重大な病気が関与している可能性もあるため、ためらわず救急車を呼ぶか、すぐに病院へ向かってください。 意識障害:呼びかけに反応が鈍い、意識がもうろうとする 呂律が回らない、言葉が出てこない 手足のしびれや麻痺 激しい嘔吐 高熱 けいれん 首の痛みやこわばり 突発的な激しい頭痛(今まで経験したことのないような痛み) 「バットで殴られたような」突然の強い頭痛や、手足のしびれ、呂律が回らないなどの症状は、くも膜下出血や脳卒中の代表的なサインです。 また、高熱を伴う場合や、意識が朦朧(もうろう)としたり、激しい嘔吐を繰り返したりする際も同様です。 「大げさかもしれない」とためらわず、すぐに救急外来への受診や救急要請を行ってください。迅速な行動が、あなた自身の命と予後を守ることにつながります。 受診の目安 緊急性の高い症状がなくても、以下の項目に当てはまる場合は、医療機関への受診がおすすめです。 頭痛が慢性的に続いている 吐き気が慢性的に続いている 市販薬を服用しても症状が改善しない 日常生活に支障が出ている 不安が強い 緊急性が低く見えても、頭痛と吐き気が1週間以上続いたり、頻度が増えたりしている場合は医療機関へ相談しましょう。 市販薬が効かない、以前より痛みが強くなった、生理周期や気圧変化と無関係に起こるといった変化も受診のサインです。日常生活に支障が出ている場合は、早めに受診してください。 受診する診療科 頭痛と吐き気が主症状の場合、まずは「脳神経外科」や「脳神経内科」を受診するのが一般的です。原因がはっきりしない場合でも、MRIやCTなどの画像検査を行い、脳に異常がないかを詳しく調べられます。 また、目の奥が痛むなら眼科、鼻詰まりを感じるなら耳鼻咽喉科など、併発している症状に合わせた診療科の受診が必要なケースもあります。 近くに専門科がない場合は、まず内科を受診しても問題ありません。症状に応じて適切な診療科を紹介してもらえる点も内科のメリットです。 診察時の注意事項 限られた診察時間で医師に正確な情報を伝えるには、事前の準備が重要です。以下の情報を整理して、伝えられるようにしておきましょう。 症状が始まった時期 痛みの種類(ズキズキする、締め付けられるなど) 痛みの強さ(軽い、中等度、激しい) 痛む場所 吐き気の程度 その他の症状の有無(発熱、めまい、視覚異常など) 現在服用している薬 過去の病気 生活習慣(食事、睡眠、運動、喫煙、飲酒など) 「いつから」「どのくらいの頻度で」「どんな痛みか」を具体的にメモしておくことが重要です。痛みの強さを10段階で表し、吐き気以外の症状があれば説明すると診断がスムーズです。 また、現在服用している薬やサプリメント、生理周期との関連性も重要な判断材料になります。可能であれば頭痛が起きる状況を記録し、持参するとより的確な治療方針が見つかりやすくなります。 頭痛と吐き気を予防するための生活習慣改善 繰り返す頭痛と吐き気を予防するためにも、以下の生活習慣を見直しましょう。 十分な睡眠と規則正しい生活を心がける ストレスを減らす リラックスする手段を考える 適度に運動する アルコールや喫煙の回数を減らす 頭痛と吐き気の予防に重要なのは睡眠の質です。就寝前のスマートフォン操作を控え、就寝時間を一定に保つだけでも自律神経の安定につながります。 また、ストレスを溜め込まない工夫も重要です。深呼吸や軽い運動を取り入れると、心身の緊張が和らぎ、頭痛と吐き気の予防につながります。 食事面では、欠食を避け、アルコールの摂取量や喫煙回数を調整してください。群発頭痛の発症には、飲酒や喫煙が影響するといわれています。頭痛を繰り返す方で、飲酒や喫煙の習慣がある方は、見直すと良いでしょう。 吐き気を伴う頭痛は命に関わる疾患のサインの可能性も!早期に医療機関を受診しよう 吐き気を伴う頭痛の多くは片頭痛や緊張型頭痛などの慢性的な頭痛ですが、なかには脳卒中のような命に関わる疾患が潜んでいる場合もあります。 「いつもの症状だから」と自己判断で放置するのは危険です。とくに、経験したことのない激しい痛みや、手足のしびれ、嘔吐がなかなか改善しない場合は、ためらわずに脳神経外科などの専門機関を受診してください。 忙しいとつい自分の体調を後回しにしがちですが、脳疾患が原因の場合、早期発見が未来のあなたを守ります。少しでも不安な症状があるなら、医師の診断を受けましょう。 自身の症状が病院を受診すべき状態か不安な方は、当院(リペアセルクリニック)でも無料の電話相談を行っておりますので、ご相談ください。 吐き気を伴う頭痛に関するよくある質問 女性で頭痛と嘔吐が起きる原因は? 女性で頭痛と嘔吐が起きる原因は、以下のとおりです。 片頭痛 緊張型頭痛 群発頭痛 月経前症候群(PMS)など 女性特有の原因として多いのが、ホルモンバランスの変動による「片頭痛」です。生理前や生理中は女性ホルモンが急激に減少し、脳内の血管が拡張しやすく、ズキズキする痛みや吐き気を引き起こす直接的な要因となります。 月経周期だけでなく、更年期に差しかかると自律神経の乱れも影響し、症状が強く出やすくなります。自分の生理周期と頭痛のタイミングを記録しておくと、予防や対策が立てやすくなるでしょう。 頭痛や嘔吐が頻繁に起こる場合は、早めに医療機関を受診するのが重要ですが、病院に行く時間がない・まずは話だけでも聞きたい方は、以下から無料相談をご利用ください。 頭痛と吐き気はあるけれど熱なしの場合の対処法は? 頭痛と吐き気があり熱がない場合は、部屋を薄暗くして安静にし、光や音の刺激を遮断してください。 脈打つような頭痛なら患部を冷やし、締め付けられるような重い痛みなら首筋を温めるのが基本の対処法です。無理に食事を摂る必要はありませんが、脱水を防ぐために少量の水分は補給しましょう。 市販の鎮痛剤を使用するのも有効ですが、他にも内服薬がある方は飲み合わせに注意してください。 それでも症状が改善されない、あるいは意識がぼんやりする場合は、熱がなくても脳疾患が原因であるケースも少なくありません。早急に医療機関を受診してください。 頭痛と吐き気はツボ押しで対処できますか? 頭痛と吐き気がある場合、以下のツボを刺激すると、症状の緩和が期待できます。 名称 部位 内関(ないかん) 手首のしわから指3本分下がった中央 崑崙(こんろん) 外側のくるぶしとアキレス腱の間にあるくぼみ 内関は手首のしわから指3本分下がった位置にあり、自律神経の乱れや吐き気の緩和に役立つとされています。反対の手の親指で、痛気持ち良い強さで数秒押し、ゆっくり離す動作を繰り返しましょう。 崑崙は外側のくるぶしとアキレス腱の間にあり、頭痛や首肩の緊張に関係するツボです。座った状態で無理のない姿勢を保ち、深呼吸しながら刺激するとリラックス効果も期待できます。 ただし、ツボ押しはあくまで補助的な対処法です。症状が強い場合や繰り返す場合は、休息や医療機関の受診を優先してください。 参考文献 (文献1) 国際頭痛分類第3版 片頭痛|一般社団法人 日本頭痛学会 (文献2) 国際頭痛分類第3版 緊張型頭痛|一般社団法人 日本頭痛学会 (文献3) 国際頭痛分類第3版 頭頸部血管障害による頭痛|一般社団法人 日本頭痛学会
2025.02.10 -
- 頭部
- 頭部、その他疾患
- 手部、その他疾患
- 脊椎、その他疾患
ある日突然、手足のしびれや筋力低下を感じたことはありませんか?もしかしたら、それはギラン・バレー症候群の初期症状かもしれません。 聞き慣れない病名かもしれませんが、年間10万人あたり1〜2人が発症する病気で、2021年のLancet誌では世界で最も一般的な急性弛緩性麻痺の原因と報告されています。 免疫システムが誤って自分の神経を攻撃してしまうこの病気、実は風邪や下痢といった感染症がきっかけで発症することも。 重症化すると呼吸困難に至るケースもありますが、迅速な診断と治療の開始により、後遺症のリスクを減らすことが可能です。 この記事では、ギラン・バレー症候群の症状、原因や治療法、その後の経過について、わかりやすく説明します。正しく理解し、もしもの時に備えましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 ギラン・バレー症候群の後遺症にお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 ギラン・バレー症候群(GBS)とは?発症するメカニズムを解説 引用:日本神経学会「ギラン・バレー症候群」 ギラン・バレー症候群とは、免疫システムが誤って自分自身の末梢神経を標的にしてしまう自己免疫疾患です。本来は細菌やウイルスと戦うはずの免疫が暴走し、神経のはたらきを損なうことが特徴とされています。 神経への攻撃が続くことで電気信号の伝達が乱れ、手足のしびれや筋力低下を引き起こします。さらに、炎症物質が長く神経周囲にとどまると髄鞘(神経線維を覆っている膜)の損傷が進み、信号伝達の効率が一層低下します。 免疫異常と神経損傷が並行して起こるメカニズムにより、症状が急速に拡大する点がこの疾患の特徴です。 ギラン・バレー症候群の原因 ギラン・バレー症候群の明確な原因は、現段階ではまだ解明されていません。現時点で、もっとも関係が深いとされているのが、感染症の後に起こる免疫反応の異常です。 風邪や胃腸炎などの感染をきっかけに、免疫機能が誤って自分の末梢神経を攻撃対象としてしまい、その結果しびれや筋力低下を引き起こすことが明らかになっています。 この免疫の誤認は、病原体と神経細胞の一部が似ているために起こると考えられており、研究によって関連性が徐々に明らかになりつつあります。しかし、どの感染症が強く影響するのか、誰が発症しやすいのかといった詳細は、まだ特定されていません。 ギラン・バレー症候群の種類 ギラン・バレー症候群には、主に3つのタイプがあります。 タイプ 詳細 脱髄が優勢である 神経線維を覆うミエリン鞘が障害され、神経伝達が阻害される。代表例は急性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(AIDP)で、最も一般的。 軸索が侵される 神経線維自体が損傷されることで情報伝達が低下。急性運動軸索神経障害(AMAN)が代表例 フィッシャー症候群 眼球運動障害や運動失調、腱反射の消失が特徴で、手足の筋力低下は目立たない。 ギラン・バレー症候群は神経のどの部分が障害されるかによって症状や経過が異なるため、診断や治療方針を決める際にはタイプの特定が重要です。 ギラン・バレー症候群の主な症状 ギラン・バレー症候群の初期には他の疾患と共通する症状が多く見られ、診断の判断が難しいケースもあります。 風邪のような軽い症状だと安易に考えて放置すると、後遺症が残る可能性もあるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。ここからは、ギラン・バレー症候群の主な症状を解説します。 初期症状 ギラン・バレー症候群では、発症初期に体の異変を感じることが多く、以下の症状が現れます。 手足のしびれ 筋力の低下 疲労感 これらの症状は数日以内に進行することがあり、手足の動きや日常生活に影響を及ぼす場合があります。症状が現れたら早めに医療機関での受診を検討しましょう。 手足のしびれ ギラン・バレー症候群では、発症初期に両側の手足の指先や足首にしびれ、あるいはチクチクとした異常感覚が生じることがあります。左右対称に症状が出る点が特徴です。 患者様の中には「最初は足が少しジンジンするだけだったのに、数日で両足全体にしびれが広がり、歩行が困難になった」と訴える方もいます。 筋力の低下 初期段階で筋力が弱まり、しびれと併発して手足の細かい動作が困難になります。具体的には、以下のような症状が現れます。 ボタンをかける、箸を持つといった、指先を使う動作が困難になる ペットボトルの蓋を開けられない 文字を書くのが困難になる 歩行がふらつく 階段の上り下りが難しくなる これらは筋力の低下による初期症状の特徴で、日常生活に影響を及ぼす場合があります。 疲労感 疲れやすさや体のだるさも、ギラン・バレー症候群の初期症状としてよく見られます。患者様の中には「少し歩いただけで体が重く感じる」「朝起きても疲れがとれない」と訴える方もいます。 これらの疲労感は風邪や過労と誤認されやすいものの、実際には症状が急速に進行する場合があるため注意が必要です。 とくに手足のしびれや筋力低下を伴う場合は、症状が進む前に医療機関での診断を受けることが回復の鍵となります。 進行期の症状 ギラン・バレー症候群が進行すると、症状はより顕著になります。とくに以下の症状が現れます。 手足の麻痺 歩行困難 呼吸困難 各症状は急速に悪化することがあるため、進行のスピードが速い場合はギラン・バレー症候群の可能性を疑い、早めに医療機関を受診することが大切です。 手足の麻痺 発症から数日~数週間が経過すると、筋力低下が一層強まり、手足に麻痺が生じます。 患者様の中には、指先や足先の細かい動きが困難になり、日常動作が制限されるケースも少なくありません。 衣服の着脱や食事、洗面、トイレなど、一人では行いにくくなる場合もあります。症状は左右対称に出ることが多く、進行の速さが特徴です。 歩行困難 足の筋力低下が進むと歩行が困難になります。初めは軽いしびれ程度でも、数日で杖や補助具が必要になる場合もあります。 症状が進行すると歩行だけでなく、日常生活の動作全般に支障が出ることがあり、移動や立位の安定性が著しく低下するでしょう。 呼吸困難 呼吸困難は、呼吸に必要な筋肉や嚥下に関わる筋肉の麻痺により起こります。 症状が進むと自力での呼吸や食事が困難になり、人工呼吸器や経管栄養が必要となるケースもあります。呼吸困難は全身症状の中でもとくに重篤で、生命の危険に直結する症状です。 ギラン・バレー症候群の診断方法 ギラン・バレー症候群の診断方法は主に、以下の2つです。 神経伝導検査 髄液検査 神経伝導検査 神経伝導検査は、ギラン・バレー症候群を診断する上で有用な検査です。神経に微弱な電気刺激を与え、その伝わる速度や反応を詳細に測定します。 神経線維を覆うミエリン鞘が損傷していたり、神経線維自体に障害があったりする場合、伝導速度の低下や反応の減弱が確認できます。 神経伝導検査は、症状の原因や病型を客観的に判断でき、治療方針の検討にも役立つ検査です。 髄液検査 髄液検査では、腰椎穿刺によって採取した髄液を分析し、ギラン・バレー症候群に特徴的な所見である「蛋白細胞解離」を確認します。 これは、髄液中のタンパク質が増加している一方で細胞数は正常という状態を指し、神経の炎症が進行していることを示唆します。 初期段階の診断補助として非常に有用で、症状の程度や病型の判断にも役立つ検査です。 ギラン・バレー症候群と類似する疾患との鑑別に注意! ギラン・バレー症候群は、他の神経疾患と症状が似ていて、鑑別が難しいケースがあります。とくに四肢の筋力低下やしびれ、感覚異常が共通して現れる疾患では、診断に慎重さが求められます。 症状の持続時間や左右対称性、感覚異常の有無、自律神経症状の有無などの総合的な判断が重要です。 鑑別が難しい主な疾患は以下です。 疾患名 特徴 重症筋無力症 日内変動する筋力低下、眼瞼下垂や複視などの眼症状が特徴 ボツリヌス症 眼球運動障害、嚥下障害、構音障害が目立ち、四肢の筋力低下は対称性に起こりにくい ポリオ 急性期に四肢麻痺が現れることがある ダニ麻痺症 末梢神経麻痺を引き起こす場合がある ウエストナイルウイルス感染症 神経系への影響で筋力低下やしびれが見られる場合がある 医師はこれらの特徴を確認し、各疾患の特有の症状や経過を把握した上で、正しい診断と適切な治療方針を決定します。(文献1) ギラン・バレー症候群の治療法 ギラン・バレー症候群の治療では、症状の改善と回復を目指し、以下の薬物療法や交換療法、運動療法などが組み合わされます。 免疫グロブリン療法 血漿交換 リハビリテーション 最新の治療法と研究 免疫グロブリン療法 免疫グロブリン療法は、ギラン・バレー症候群の症状改善に有効な治療法です。健康な人の血液から抽出した免疫グロブリンを点滴投与することで、誤って神経を攻撃する免疫反応を鎮めます。 治療は入院して行われることが多く、まれに頭痛や発熱、吐き気、血管痛などの副作用が現れる場合があります。 副作用は多くの場合短期間で治まりますが、体調に変化があれば早めに医師の診察を受けることが重要です。 血漿交換 血漿交換は、血液中の液体成分である血漿を専用の機器で取り出し、神経を攻撃する抗体を含む成分を除去してから、新しい血漿やアルブミン製剤で補充する治療法です。 この手法により、免疫の異常反応を抑え、神経へのダメージを軽減します。治療は入院で行われることが多く、副作用として血圧低下、アレルギー反応、出血や血栓、低カルシウム血症などがまれに起こる場合があります。 リハビリテーション ギラン・バレー症候群の回復には、リハビリテーションが欠かせません。症状の重い初期段階では、関節の拘縮を防ぎ、寝たきりを避けるために関節可動域訓練や体位変換を中心に行います。 症状が軽くなると、筋力強化や歩行訓練、日常生活動作訓練などが追加され、段階的に身体機能の回復を目指します。 専門職のスタッフと連携し、個々の体力や合併症に合わせた無理のないリハビリテーションが重要です。 最新の治療法と研究 ギラン・バレー症候群の治療は、現在も研究開発が進められています。 新しい治療薬の開発や既存療法の改良が行われており、補体阻害剤などの新薬の臨床試験も進行中です。これらの薬剤は神経へのダメージをより効果的に抑えることが期待されています。 加えて、国際共同研究も活発で、病態の解明や新たな治療法の確立に向けた取り組みが続けられています。 ギラン・バレー症候群の予後|後遺症や再発の可能性 ギラン・バレー症候群の回復は多くの場合順調で、発症から数カ月から1年程度で改善が期待できます。 しかし、患者様によっては筋力低下やしびれ、倦怠感などが後遺症として出るケースがあります。とくに重症例や高齢者では、後遺症が出る可能性が高まる傾向です。 また、再発はまれですが2~5%程度報告されており、再発時も初回と同様の治療が行われます。(文献2) 予後は、治療への反応や基礎疾患の有無など、個々の状況によって左右される点にも注意が必要です。 ギラン・バレー症候群の日常生活上の注意点 ギラン・バレー症候群を発症した場合、日常生活での安全対策が重要です。症状が落ち着くまでは無理をせず安静を心がけましょう。 日常生活では以下のような工夫が必要になります。 転倒防止のため、手すりや杖を活用する 入浴時には滑り止めマットやシャワーチェアを使用する トイレや衣服は安全性や着脱のしやすさを考慮する 食事は介助が必要な場合、家族の協力を得る また、精神的なサポートも重要です。不安や恐怖、焦りを感じやすいため、家族や医療従事者と積極的にコミュニケーションをとるようにしましょう。 ギラン・バレー症候群は早期発見・早期治療が大切 ギラン・バレー症候群は、手足のしびれや筋力低下などの症状から始まり、進行すると歩行困難や呼吸麻痺など日常生活に深刻な影響を及ぼす可能性がある疾患です。 治療には免疫グロブリン療法や血漿交換などがあり、適切な治療の早期開始により回復の可能性が高まります。 後遺症の軽減や再発防止の観点からも、症状を感じたら速やかに医療機関での診断を受けることが重要です。 さらに、治療後に残る筋力低下やしびれなどの後遺症については、当院「リペアセルクリニック」で再生医療を用いたサポートが可能な場合があります。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供や簡易オンライン診断を行っております。気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 参考文献 (文献1) ギラン・バレー症候群,フィッシャー症候群診療ガイドライン2024|日本神経学会 (文献2) Guillain-Barré 症候群および Fisher 症候群の 再発に関する臨床分析 |日本神経学会
2025.02.10 -
- 幹細胞治療
- 脳梗塞
- 頭部
- 再生治療
脳梗塞を発症した後に残る後遺症は、運動麻痺や言語障害、感覚異常など多岐にわたります。 見た目ではわかりにくい症状も多く、本人や家族の生活に大きな影響を及ぼすケースも少なくありません。 本記事では、脳梗塞による主な後遺症の種類や原因、それぞれの特徴、対処法について解説します。 リハビリテーションや再発予防を効果的に進めるためにも、後遺症について正しい理解を深めていきましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、脳梗塞の後遺症治療にも用いられている再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施しています。ぜひご登録ください。 脳梗塞の後遺症とは?代表的な6つの症状 脳梗塞後遺症の種類と症状は以下の通りです。 運動麻痺(片麻痺、対麻痺) 感覚障害(しびれ、痛み) 言語障害(失語症) 高次脳機能障害(記憶障害、注意障害) 嚥下障害 排尿障害・排便障害 脳梗塞は、脳の血管が詰まって脳細胞に酸素や栄養が届かなくなり、脳の機能が損なわれる病気です。 一命を取り留めたとしても後遺症が残る可能性があるため、一刻も早い治療開始が重要です。 脳梗塞の後遺症について、以下でさらに詳しく解説します。 運動麻痺(片麻痺、対麻痺) 脳梗塞の後遺症で最も典型的なのが「運動麻痺」です。 脳梗塞で運動機能を司る脳の領域が損なわれると、筋肉へ「動け」という指令が正しく伝わらず、手足が思いどおりに動かせなくなります。 運動麻痺には主に次のような種類があります。 片麻痺:体の片側だけに麻痺が出る 対麻痺:両下肢に麻痺が出る 脳から出た神経線維は途中で交差しているため、脳梗塞では右脳に梗塞が起きると左半身に、左脳に起きると右半身に麻痺が出るのが一般的です。 麻痺の程度は、人によって異なります。動かしにくさや力が入りにくい程度の軽い症状から、腕や足をまったく動かせない重度の症状までさまざまです。 長期間麻痺が続くと、筋肉や関節が硬くなる「関節拘縮(かんせつこうしゅく)」が起きやすくなり、以下のような二次的な合併症による日常生活への影響が大きくなります。 箸を使う、ボタンを留めるなどの手先の細かい動作が難しくなる 歩行が不安定になり転倒しやすくなる 寝返りや体位変換が自力で難しくなり、床ずれのリスクが高まる 血流やリンパの流れが滞ってむくみが出やすくなる また、運動麻痺に加えて、筋肉の緊張が異常に高まる「痙縮(けいしゅく)」が起こる場合もあります。 痙縮は、筋肉が常にこわばった状態になって関節の動きが制限されたり、異常な姿勢や痛みを引き起こしたりする状態です。 発症直後に麻痺が重い人ほど将来的に痙縮を合併しやすい傾向があり、痙縮や拘縮が進行すると着替え・移乗・歩行などの動作がさらに困難になり、生活の質(QOL)にも大きな影響を及ぼします。 脳梗塞の合併症については、以下の記事もご覧ください。 感覚障害(しびれ、痛み) 脳梗塞によって皮膚の感覚を司る脳の領域が損傷を受けると、触覚・温度覚・痛覚などの感じ方が変化し、「感じにくくなる」「逆に過敏になる」などの症状が現れます。 なかでも典型的なのは、しびれて感覚が鈍くなる症状です。 手足の先端に起こりやすく、手袋や靴下をはいているような違和感を感じる場合があります。 脳梗塞による感覚障害では、片側だけにしびれや鈍さ、温度・痛覚の異常がみられるのが特徴です。 また、損傷した神経の情報処理が乱れ、刺激に対して過剰に反応して痛みを感じるケースもあります。 痛みの感じ方には個人差があり、ピリピリ・ズキズキ・焼けるような熱さなどさまざまです。 ごく軽い触れただけで強い痛みや不快感が生じる「知覚過敏」や、何も触れていないのにビリビリする「異常感覚」が続く場合もあり、日常生活の負担になりやすいとされています。 感覚障害は安全面にも影響します。たとえば、温度感覚が鈍いと熱いものに触れても気づきにくく、やけどやけがの発見が遅れる恐れがあるのです。 また、触覚が低下すると物を持つときの力加減がつかみにくく、物を落としたり強く握りすぎたりする場合もあります。 さらに、足裏やかかとの感覚が鈍いと、靴ずれや小さな傷に気づかず、床ずれや感染など別のトラブルにつながる危険性もあるため注意が必要です。 言語障害(失語症) 脳梗塞で言語をつかさどる脳の部位(言語中枢)が損傷されると、失語症と呼ばれる言葉の障害が起こるケースがあります。 単に話しにくくなるだけでなく、聞く・話す・読む・書くといった言語全体の働きに影響する可能性があり、日常のコミュニケーションに大きな困難をもたらすのが特徴です。 失語症には、以下のようにいくつかのタイプがあります。 タイプ 特徴 表出性失語 ・自分の考えはあっても、それをうまく言葉にできない ・言葉が出てこない、違う言葉になる、話が途切れ途切れになる 受容性失語 ・相手の話す内容は聞こえていても、その意味が理解しにくい ・質問に対し、的外れな返答になる 混合性失語 ・表出性と受容性の両方に障害が出る ・話す、聞き取るが困難になる 失語症があると、家族や周囲とのやりとりがうまくいかず、買い物や電話といった日常の行動にも支障が出ます。 伝えたい気持ちがあるのに言葉にできないもどかしさから、精神的なストレスを抱える人も多く、周囲の理解とサポートが欠かせません。 高次脳機能障害(記憶障害、注意障害) 高次脳機能障害とは、記憶や注意、思考、判断など日常生活を支える「認知機能」に支障が出る後遺症です。 身体の麻痺とは異なり、外見からはわかりにくいものの、以下のように社会生活や対人関係に影響が出やすい特徴があります。 症状名 主な特徴 記憶障害 ・新しいことを覚えられない ・直前の出来事をすぐ忘れる ・同じ質問を繰り返す ・過去の記憶が曖昧になる 注意障害 ・集中力が続かない ・物音に気を取られやすい ・テレビと会話など複数の刺激に同時対応できない 実行機能障害 ・計画を立てる・順序立てて行動するのが困難になる ・家事の手順を忘れる ・途中で目的を見失う 半側空間無視 ・視覚や意識が片側に偏る ・片側の食事を残す ・壁や障害物に一方の体をぶつける 失行 ・道具の使い方を知っていても実行できない ・服の着方・歯磨きなどの日常動作がうまくできない 失認 ・見えていても物や人を認識できない ・身近な人や物を見分けられない これらの症状は複数が同時に現れることが多く、外見では分かりにくいです。そのため、本人の悩み・苦労が周囲からは理解されないことも少なくありません。 「怠けている」「性格が変わった」と誤解されやすいため、家族や周囲が障害の特性を正しく理解し、リハビリテーションや生活支援を通じた適切なサポートが大切です。 嚥下障害 嚥下障害とは、食べ物や飲み物を口から胃までスムーズに送り込めなくなる症状です。 以下のように、飲み込みに関わる神経や筋肉の協調が崩れ、発生しやすくなります。 問題点 内容 むせやすくなる 飲み込みの反射が遅れて気管に入りやすくなる 飲み込み残り 食物や水分が口やのどに残りやすくなる 誤嚥(ごえん) 食べ物・飲み物・唾液が気管に入ってしまう 不顕性誤嚥 むせずに誤嚥が起こり、気づかないまま肺炎になるケースがある 誤嚥性肺炎 誤嚥をきっかけに肺に炎症が起き、重症化のリスクもある 誤嚥性肺炎は命に関わるリスクがあるため、次のような対応が重要です。 食事の姿勢(背筋を伸ばし、顎を引いた姿勢) 一口の量を少なめにする とろみや軟らかさなど食事形態の工夫 嚥下機能に合わせた食事指導やリハビリテーション 嚥下訓練や必要に応じて経管栄養の検討 飲み込みに不安がある場合は、医師・言語聴覚士(ST)などに相談しましょう。 排尿障害・排便障害 脳梗塞によって、排尿や排便をコントロールする神経の通り道や中枢が損傷すると、排尿障害や排便障害が起こります。 尿意や便意を感じにくくなったり、逆に頻繁に感じたり、トイレまで我慢できずに失禁してしまったりするケースがあるのです。 また、尿や便が出にくくなり、いきんでも少ししか出ない、残っている感じが続くといった症状が見られる場合もあります。 これらの症状は、外出や仕事、睡眠など日常生活のあらゆる場面に影響し、生活の質を大きく低下させる可能性があります。 失禁への不安から人前に出ることを控えたり、トイレの場所が気になって行動範囲が狭くなったりすることも少なくありません。 排尿・排便障害は、適切な薬物治療やリハビリテーション、生活上の工夫によって軽減が期待できる場合もあるため、恥ずかしさから抱え込まず、主治医や専門スタッフに相談しましょう。 脳梗塞の症状や原因、早めの発見方法については、以下の記事もあわせてお読みください。 脳梗塞で後遺症が残る原因 脳梗塞によって壊れた脳の神経細胞は再生しにくいため、後遺症が残る場合があります。 血流が途絶えた部位の細胞が壊死すると、そこが担っていた運動や言語などの機能が失われ、麻痺やしびれなどの後遺症につながるのです。 一方で、生き残った細胞が代わりに機能を補う「神経可塑性(しんけいかそせい)」により、ある程度の回復は期待できます。 ただし、完全に元の状態に戻るとは限りません。回復の程度は、損傷の範囲やリハビリテーションの内容によって大きく左右されます。 脳梗塞の後遺症はダメージを受けた部位で異なる 脳梗塞でどのような後遺症が残るかは、「どの部位がダメージを受けたか」によって大きく変わります。 以下のように、脳にはそれぞれ役割をもつ領域があり、損傷部位によって現れやすい症状が異なるのです。 脳の部位 主な役割・症状の例 前頭葉 ・行動・感情・人格などを司る ・感情のコントロールが難しくなる、集中力の低下、計画的な行動が困難になるなど 頭頂葉 ・知覚に関わる ・知覚障害、失行症、失認症、ゲルストマン症候群など 側頭葉 ・聴覚・嗅覚・記憶の中枢 ・左側で失語症、右側で失見当識、聴覚性言語障害など 視床 ・感覚の中継点 ・反対側の感覚障害(しびれ、感覚低下)、異常感覚、視床痛、意識レベルの低下 など 視床下部 ・自律神経・ホルモンのコントロール ・ホルモン分泌異常、体温調節異常、睡眠障害など 大脳基底核系 ・姿勢保持や運動の調節 ・不随意運動、筋緊張の変化など 大脳辺縁 ・情動・記憶に関わる ・てんかん発作、コルサコフ症候群、見当識障害など 小脳 ・平衡・協調運動を司る ・平衡障害、運動失調、測定障害、企図振戦など このように、同じ脳梗塞でも障害される領域によって、感情の変化から歩行障害まで症状の出方は大きく異なります。 どの部位にダメージがあるかを理解することが、適切なリハビリテーションにつなげる上で重要です。 脳梗塞の後遺症は治るのか|治療とリハビリテーション 脳梗塞の後遺症を完治させるのは難しいですが、症状の軽減は可能です。 脳梗塞後遺症の治療とリハビリテーションには、以下のような方法があります。 薬物療法 リハビリテーション(理学療法、作業療法、言語療法) 再発予防(生活習慣改善、服薬管理) 再生医療 脳梗塞の後遺症は、患者様一人ひとりの生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。 後遺症によるさまざまな困難を少しでも軽減し、より良い生活を送るためには、適切な治療と地道なリハビリテーションが欠かせません。 以下で、それぞれの治療やリハビリテーションについて詳しく解説します。 薬物療法 脳梗塞の薬物療法は、再発の予防と後遺症の進行防止を目的に行われます。 脳梗塞は再発しやすいため、退院後も長期的な薬の服用が重要です。 以下のような薬の種類から、脳梗塞のタイプや発症時期、合併症の有無などを総合的に判断します。 薬の種類 主な役割・特徴 使用時期の例 血栓溶解薬 血管をふさいでいる血栓を溶かして再開通させる 発症から早期(数時間以内) 抗血小板薬 血小板の凝集を抑え、血栓ができるのを防ぐ 急性期〜退院後の再発予防 抗凝固薬 血液の凝固を抑制し、血栓ができにくい状態にする 心房細動などの合併症がある場合 リハビリテーション(理学療法、作業療法、言語療法) 脳梗塞後のリハビリテーションは、後遺症として現れる運動麻痺、感覚障害、言語障害、高次脳機能障害などをできる限り改善し、日常生活の自立度を高めることを目的としています。 脳梗塞の後遺症は個人差が大きいため、画一的な内容ではなく、一人ひとりの状態に応じたオーダーメイドのリハビリテーションプログラムが重要です。 リハビリテーションは、以下のように分けて行われます。 リハビリテーションの種類 目的・内容 理学療法(PT) ・体の動きや基本機能の回復を目指す ・筋力トレーニング、関節可動域訓練、座る・立つ・歩くなどの練習を行い、移動や歩行の再獲得を支援 作業療法(OT) ・日常生活動作(ADL)や生活の質向上を目的とする ・食事・着替え・トイレ・入浴の練習、家事や趣味の再開支援、自宅環境に合わせた調整など 言語療法(ST) ・言語機能や嚥下機能の回復を目指す ・発声・発音の訓練、言葉の理解・表現の練習、嚥下の評価と訓練も行う リハビリテーションは発症後できるだけ早く始め、急性期・回復期・生活期を通じた継続が望まれます。 リハビリテーションの継続は症状の改善だけでなく、福祉用具や住環境の調整を含めた「その人らしい生活」の再構築のためにも欠かせません。 再発予防(生活習慣改善、服薬管理) 脳梗塞の再発を防ぐためには、生活習慣の見直しと処方された薬を正しく続けることが重要です。 脳梗塞は一度起こると再発リスクが高く、退院後の過ごし方がその後の経過に大きく影響します。 なかでも、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病は、脳梗塞の代表的な危険因子です。 生活習慣を改善しないと、再び血管が詰まりやすい状態になってしまうため、以下のように適切に管理しましょう。 食生活の改善:塩分・糖分・脂肪分を控え、野菜・果物・魚を中心にバランスよくとる 運動する習慣:医師の指示に従い、ウォーキングなどの有酸素運動を取り入れる 禁煙:血管の老化・動脈硬化を防ぐため、可能な限り早期の禁煙を目指す 飲酒の節制:飲酒は控えめにし、節度ある範囲にとどめる さらに、医師から処方された薬は、指示どおりに継続して服用する必要があります。 自己判断で服薬を中断したり、量を減らしたりすると、脳梗塞を含む脳・心血管イベントの再発リスクが高まる恐れがあるため注意してください。 気になる症状が出た場合には、必ず主治医に相談しましょう。 再生医療 脳梗塞を発症するとさまざまな障害が残る場合があり、リハビリテーションだけでは回復に限界があるケースも少なくありません。 そこで近年、脳梗塞後遺症に対する新たな治療の選択肢となっているのが「再生医療」です。 人の体には本来、損傷した組織を修復しようとする力が備わっています。その一部を担っているのが「幹細胞」です。 当院「リペアセルクリニック」では、幹細胞がさまざまな種類の細胞に変化する「分化能」という能力を活かし、患者様自身から採取した幹細胞を培養・増殖させて用いる再生医療の「幹細胞治療」を実施しています。 幹細胞はさまざまな細胞に分化する能力と、傷ついた組織の修復をサポートする働きを持つ細胞として知られています。 以下の記事では、脳梗塞の後遺症を幹細胞で治療した症例をご紹介しているので、ぜひご覧ください。 まとめ|脳梗塞の後遺症を理解してリハビリ・再発防止に活かそう 脳梗塞の後遺症には、運動麻痺・感覚障害・言語障害・高次脳機能障害・嚥下障害・排泄障害などさまざまなタイプがあります。 また、個人によって症状や重篤度合いが異なるほか、見た目ではわかりにくいケースも少なくありません。 後遺症に対しては、薬物療法や適切なリハビリテーション、生活環境の見直しによって改善や生活の質向上を目指せます。 後遺症を正しく理解し、焦らず継続的に取り組んでいきましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、脳梗塞の後遺症に対する治療選択肢の一つ、再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施しています。ぜひ一度ご利用ください。 脳梗塞の後遺症に関するよくある質問 脳梗塞の後遺症で寝てばかりになるのは何故? 脳梗塞後に「日中寝てばかりいる」状態は怠けではなく、以下のような複数の要因が重なって起こる場合があります。 脳の回復に必要なエネルギー消費 体力・筋力の低下 心理的ストレス 薬の副作用 睡眠リズムの乱れ 脳が損傷すると、機能回復のために大きなエネルギーを使うため、強い疲労感や眠気が生じやすくなるのです。 脳梗塞で後遺症なしの確率は? 脳梗塞後に、後遺症がまったく残らない人は決して多くはありません。 日本脳卒中データバンクによれば、退院時に「後遺症なし」と判定されたのは全体の13.2%にとどまっていました。(文献1) ただし、急性期時点での評価であり、リハビリテーションによって機能が改善する人もいます。 後遺症の程度や回復の可能性は個人差が大きく、一律には語れない点に留意しておきましょう。 脳梗塞の後遺症なしの確率については、以下の記事でも詳しく解説しています。 脳梗塞の後遺症でふらつきが起きる理由は? 脳梗塞の後遺症でふらつきが出るのは、バランスを調整する小脳や脳幹が障害され、姿勢を保つ力が弱くなっているのが一因です。 さらに、視覚や体の感覚情報を脳がうまく統合できず、体の位置感覚がずれてしまう状況も影響します。 下肢の麻痺や体幹筋力の低下、足裏の感覚低下が重なると、歩行が不安定になって転びやすくなるため注意が必要です。 脳梗塞の退院後に気をつけることは? 退院後は、再発を防ぐための生活習慣が大切です。 塩分が多く脂っこい食事を控え、高血圧や動脈硬化の悪化を防ぎましょう。 また、飲酒や喫煙はできるだけ控え、脱水や血栓のリスクを下げる習慣も重要です。 さらに、体力・筋力向上のために、無理のない範囲での運動も欠かせません。 軽い脳梗塞にも後遺症はある? 軽い脳梗塞では治療によって症状が消え、日常生活に支障がない状態まで回復し「治った」と感じる場合があります。 ただし、脳のダメージが完全に元通りになるわけではなく、そのまま放置すると再発や認知機能低下につながる恐れがあるため注意しなければなりません。 軽症であっても、早期受診と再発予防のための服薬、生活習慣の見直し、必要に応じたリハビリテーションの継続が重要です。 参考文献 (文献1) 脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握」報告書 2022 年|日本脳卒中データバンク
2025.02.10 -
- 頭部
- 頭部、その他疾患
高次脳機能障害によって、「急に怒りやすくなった」「感情の起伏が激しくて対応に困っている」といったご家族さまも少なくありません。 脳血管障害によって脳細胞が損傷すると、感情を適切にコントロールする機能が低下し、怒りやすくなる症状(社会的行動障害)がみられます。 本記事では、高次脳機能障害によって怒りやすい患者様への対応や、治療法について解説します。 また、高次脳機能障害の根本治療につながる再生医療も紹介しているので、患者様との接し方にお困りの方は、ぜひ参考にしてください。 \根本治療につながる再生医療とは/ 再生医療とは、機能障害や機能不全になった脳細胞に対して、体が持つ再生能力を利用して損なわれた機能を再生させる医療技術のことです。 怒りやすくなる症状をはじめとした高次脳機能障害の治療には、先端医療である再生医療をご検討ください。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 高次脳機能障害の症状を治療したい 現在受けている治療やリハビリで期待した効果が得られていない 患者本人が治療やリハビリに積極的になれない 再生医療では、損傷した脳細胞に対してアプローチできる治療法で、従来の治療では元に戻らないとされている脳細胞の改善が期待できます。 「現在の治療で期待した効果がでていない」「患者様が治療やリハビリに積極的になれない」という方は、ぜひ再生医療を検討してみましょう。 詳しい治療法については、再生医療を専門とする当院「リペアセルクリニック」にお問い合わせください。 高次脳機能障害の影響で怒りやすい性格になる人は多い 高次脳機能障害の影響で怒りやすい性格になる人は少なくありません。高次脳機能障害にはさまざまな症状がありますが、そのうちの一つが社会的行動障害です。 社会的行動障害とは、状況に応じた感情や言動のコントロールが難しくなる障害です。 厚生労働省の調査によると、社会的行動障害の具体的な症状として最も多いのが「感情コントロールの障害・易怒性」で、対象者の85%に現れているという結果でした。(文献1) なお、本人が社会的行動障害に対する家族の不安や負担を理解していないケースも多く、対応の難しさを感じる方も少なくありません。 まずは怒りやすさが高次脳機能障害による影響であると理解し、対応を工夫しましょう。 高次脳機能障害の種類や原因など、包括的な解説を見たい方は「【医師監修】高次脳機能障害とは|種類・原因・治療法を解説」をご覧ください。 高次脳機能障害の症状について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。 【症状別】高次脳機能障害で怒りやすい人への対応例 怒りやすいと一言でいっても、怒りの原因や具体的な症状はさまざまです。 以下で、高次脳機能障害の影響で怒りやすい人への対応例を症状別に解説します。 怒りが爆発する場合 高次脳機能障害の影響によって、患者が怒りを爆発させることがあります。高次脳機能障害患者の怒りが爆発した場面では、以下のポイントを押さえて対応しましょう。 イライラしてきたと感じたら一時的に本人を一人にさせる その場で本人の行動に介入しない 本人の怒りにさらされる疲労やストレスを抱え込まない どのような場面で怒りが爆発したかを記録する 爆発した怒りにさらされることで、周囲は疲労や負担を感じます。怒りやすい人の対応においては、特定の人にこうしたストレスを集中させないための工夫も必要です。 ▼再生医療に関する無料相談はこちらから >>(こちらをクリックして)今すぐ電話で相談してみる 感情のコントロールが難しい場合 高次脳機能障害患者が怒りやすいのは、感情のコントロールが難しいためです。感情のコントロールが難しい人に対しては、以下のような対応を心がけましょう。 本人をイライラの原因から離す 気分を切り替えるためのきっかけを決めておく 感情を表に出しすぎるデメリットを冷静に伝える どのような態度が望ましいか、落ち着いているときに一緒に考える 感情のコントロールが難しくて怒りやすい場合は、本人の気持ちが落ち着いているタイミングで一緒に対応の仕方を考えておくことがポイントです。 周囲の刺激にすぐ反応してしまう場合 高次脳機能障害の影響で怒りやすい人のなかには、周囲の刺激にすぐ反応してしまうケースがあります。周囲からの刺激を減らすためには、具体的に以下のような対応が効果的です。 行動する前に一呼吸を置くよう伝える イライラしたら深呼吸をするよう伝える 聴覚過敏の場合は耳栓やノイズキャンセラーを使用する トラブルの原因になる場所や人との接点を減らす また、本人が集中しているときは、できるだけ刺激しないよう無理のない範囲で配慮しましょう。 欲求を抑えられない場合 高次脳機能障害の影響で怒りやすい人のなかには、欲求を抑えられなくてイライラするケースもあります。この場合、単に禁止するだけではなく、ルール作りやサポートを重視した対応が効果的です。 本人と相談してルールを決める 特定の行為がなぜ問題となるのかを丁寧に説明する 行動を制限するだけではなく対策もあわせて伝える 視覚的にわかりやすいようメモや写真に残す 本人が制限されていると感じるのではなく、自己管理のための協力だと納得できるよう支援することが大切です。 高次脳機能障害患者が怒りやすい場合の4つの基本対応 高次脳機能障害患者が怒りやすい場合は、本人への接し方だけではなく、生活環境を整えたり、支援者間で情報を共有したりすることも大切です。 以下で、高次脳機能障害患者が怒りやすい場合の基本対応について解説します。 ▼ 高次脳機能障害への対応の仕方について詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。 1.生活環境を整える 高次脳機能障害患者にとって、生活環境の乱れや不規則な生活リズムは、怒りを引き起こす要因になりかねません。 まずは、どのような状況で怒りやすいのかを観察し、以下のポイントを押さえて少しずつ生活環境を整えましょう。 毎日の生活に規則性を持たせる 静かな環境を確保する リラックスできる場所をつくる など 生活環境を整えて落ち着ける空間をつくることで、本人の心理的な安定を図ります。 2.第三者に相談する 高次脳機能障害患者が怒りやすいと感じるようになったら、早めに第三者に相談しましょう。症状の改善のためには、医師や作業療法士などと連携して、適切な治療とリハビリテーションを受けることが大切です。 とくに怒りのコントロールが難しい場合には、心理的なサポートも不可欠です。心理士やカウンセラーなどは、本人が感じている怒りや不安の根本的な原因を探る手助けをしてくれます。 また、周囲がどのように接したら良いか、適切な対処法についてアドバイスしてもらうことも可能です。 3.障害福祉・介護保険サービスを利用する 高次脳機能障害と診断されたら、症状に応じて、障害福祉サービスや介護保険サービスの利用を検討しましょう。公的制度の利用は、家族の負担を軽減できるだけではなく、本人がより安定した生活を送るための基盤になります。 サービス 対象者 主なサービス内容 障害福祉 サービス 自治体の障害福祉窓口で「障害福祉サービス受給者証」の交付を受けた方 居宅介護(ホームヘルプ) 同行援護 行動援護 短期入所(ショートステイ) 施設入所支援相談支援 自立訓練 就労継続支援 自立生活援助 など 介護保険 サービス 要介護・要支援認定を受けた65歳以上の方 ただし、厚生労働省が指定する16種の特定疾病(高次脳機能障害を含む)に該当する場合は、40歳以上65歳未満の方 訪問介護 訪問看護 訪問リハビリ 定期巡回・随時対応型訪問看護 通所介護(デイサービス) 通所リハビリ(デイケア) 短期入所(ショートステイ) 福祉用具貸与 など 公的制度や各種サービスを利用する際は、自治体の障害福祉窓口や地域包括支援センターに相談してください。 4.支援者間で情報を共有する 高次脳機能障害患者への対応においては、支援者間で情報を共有しておくことが大切です。家族のほか、医師や看護師、理学療法士などが協力して一貫した対応が可能になると、本人の混乱や怒りのきっかけを防ぐことにつながります。 人間関係における心理的な安全は、怒りやすい症状を和らげるために不可欠です。そのため、本人に直接「周囲が協力している」と伝えることも重要です。 支援者間のスムーズな連携が、患者の「自分は周りに支えられている」という気持ちを育むことにつながります。 なお、リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。高次脳機能障害の症状がなかなか改善せずにお悩みの方は、ぜひ気軽にご相談ください。 高次脳機能障害の治療法 ここでは、高次脳機能障害の主な治療法について解説します。 薬物療法 リハビリテーション 再生医療 以下で、それぞれの治療法について解説するので、医師と相談しながら、症状に合わせて適切なアプローチを図ってください。 ▼ 以下の記事では、高次脳機能障害の回復事例を紹介しています。 高次脳機能障害は回復する?事例やリハビリの重要性を現役医師が解説 薬物療法 薬物療法の主な目的は、症状の軽減と生活の質の向上です。 脳の神経伝達物質のバランスを整える作用がある薬のほか、抗精神病薬や認知機能を改善するための薬が用いられます。 たとえば、抗精神病薬は、イライラや興奮を落ち着ける効果が期待されます。薬物療法は、感情の起伏を穏やかにし、高次脳機能障害の影響で怒りやすい人の精神状態を安定させるために効果的です。 ただし、薬物療法はあくまで症状のコントロールを目的としているため、根本的な治療法ではない点を理解しておく必要があります。高次脳機能障害の症状を改善するためには、薬物療法だけではなく、心理的なサポートを含めて多角的にアプローチしましょう。 リハビリテーション リハビリテーションは、高次脳機能障害の回復において重要な役割を果たします。高次脳機能障害のリハビリテーションには、主に以下のような内容が含まれます。 理学療法 作業療法 言語療法 認知行動療法 なかでも、高次脳機能障害の影響で怒りやすい人に対しては、認知行動療法が効果的です。認知行動療法とは、物事の受け取り方や考え方など、認知に働きかけて気持ちを楽にする心理療法の一種です。 認知行動療法を取り入れることで、怒りやストレスなどの感情をコントロールしやすくなる効果が期待できます。 ▼ 高次脳機能障害のリハビリテーションについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 再生医療 再生医療は、高次脳機能障害の治療効果が見込める点で最近注目を集めている治療法です。自然治癒力を最大限に引き出すために用いられる医療技術で、幹細胞や血小板の投与により症状改善の一助となる場合があります。 高次脳機能障害は進行性の障害ではないものの、薬物療法やリハビリテーションで思うような改善が見られないケースも珍しくありません。 近年は再生医療の研究が進み、幹細胞治療によって高次脳機能障害の原因である脳卒中の後遺症が回復した事例も数多く報告されています。 怒りやすくなる症状をはじめとした高次脳機能障害の治療には、先端医療である再生医療をご検討ください。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 高次脳機能障害の症状を治療したい 現在受けている治療やリハビリで期待した効果が得られていない 患者本人が治療やリハビリに積極的になれない 再生医療では、損傷した脳細胞に対してアプローチできる治療法で、従来の治療では元に戻らないとされている脳細胞の改善が期待できます。 当院リペアセルクリニックでは、専門の医師・スタッフによる無料のカウンセリングも実施しており、再生医療による治療内容や注意点について丁寧にご説明いたします。 「高次脳機能障害を根本的に治したい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院までご相談ください。 まとめ・高次脳機能障害患者が怒りやすい場合は第三者に相談して対応しよう 高次脳機能障害患者が怒りやすいのは、社会的行動障害の一種です。脳の損傷によって感情のコントロールが難しくなり、怒りやすくなるケースも珍しくありません。 高次脳機能患者が以前と比べて怒りやすくなったと感じたら、早めに第三者に相談しましょう。 怒りにさらされることは、本人だけではなく、周囲にとって心理的負担が大きいものです。第三者への相談や公的制度の活用を通して、周囲の負担を減らせるほか、本人が生活しやすい環境づくりも可能です。 高次脳機能障害は、適切なアプローチによって症状の改善を目指すことが可能です。怒りやすい症状への対応に悩んでいる場合は、早めに専門家に相談してサポートを受けましょう。 当院リペアセルクリニックでは、専門の医師・スタッフによる無料のカウンセリングを実施しており、再生医療についてわかりやすくご説明いたします。 「高次脳機能障害を根本的に治したい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院までご相談ください。 参考文献 (文献1) 厚生労働省「社会的行動障害への対応と支援」 https://www.rehab.go.jp/application/files/9915/7559/7229/201912_.pdf
2025.02.07 -
- 頭部
- 頭部、その他疾患
高次脳機能障害で悩んでいるうちに、「本当に症状が改善するのか」「回復事例はあるのか」などと疑問を持つ方もいるでしょう。 結論からいうと、高次脳機能障害による症状は、適切な治療やリハビリテーションによって回復が見込めます。 本記事では、実際に回復した事例をご紹介しながら、症状がどう変化したのかを解説します。 回復過程におけるリハビリテーションの重要性や最近注目を集めている再生医療についても解説するので、高次脳機能障害の症状でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。 また当院(リペアセルクリニック)では、自己の幹細胞を活用し、損傷した脳神経細胞の再生を目指す治療を行っています。 従来のリハビリだけでは改善が難しいケースにおいて、脳の回復力そのものを補う新しいアプローチです。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 うまく話せない 痺れや麻痺をなんとかしたい もうこれ以上の機能の回復が見込めないと診断を受けた方 リハビリの効果を高めたい 脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)の再発を予防したい >>高次脳機能障害に対する再生医療の症例はこちら 「すぐに治療に進みたい」「手術は避けたいが、他の選択肢がほしい」そんな方には無料カウンセリングをご用意しておりますので、ぜひ一度ご相談ください。 高次脳機能障害の症状は治療次第で回復する 高次脳機能障害は、適切な治療とリハビリテーションによって、症状の改善が見込まれる場合があります。 ただし、どれほどの回復が見込まれるかは、損傷の程度や治療のタイミングなどによって個人差があります。 高次脳機能障害の種類や原因など、包括的な解説を見たい方は「【医師監修】高次脳機能障害とは|種類・原因・治療法を解説」をご覧ください。 また、高次脳機能障害の治療は、早ければ早いほど効果が期待できます。脳の機能を少しでも回復させられるよう、医師の診断と治療計画に基づき、できるだけ早くリハビリテーションに取り組みましょう。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。高次脳機能障害の症状がなかなか回復せずにお悩みの方は、ぜひ気軽にご相談ください。 【関連記事】 高次脳機能障害は治るのか|対応方法や治療法を解説します! 高次脳機能障害(脳卒中による後遺症)の回復事例 高次脳機能障害の原因の多くは、脳卒中による後遺症です。 当院(リペアセルクリニック)では、高次脳機能障害の原因である脳卒中の再生医療・幹細胞治療を行っています。 以下で、当院における高次脳機能障害の回復事例を3つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。 ふらつきやめまいが改善 スムーズに発語できるまで回復 身体機能の回復を実感 高次脳機能障害の基本治療である薬物療法とリハビリテーションに加えて、近年は再生医療による治療効果が注目を集めています。 事例1.幹細胞治療によってふらつきやめまいが改善 70代の男性は、脳梗塞発症後2カ月のときに当院を受診しました。脳梗塞の後遺症として、主に以下のような症状に悩んでいました。 左口周り・左手にしびれがある 左側の視野がみえにくい 歩行時にふらつく 夜間頻尿がひどい 再生医療を選択したきっかけは、「できるだけ後遺症を残したくない」と考えたことです。再生医療とは、下腹部から採取した脂肪細胞の幹細胞を分離・培養し、ホーミング効果を期待して静脈から点滴する治療法です。 70代の男性は、計3回の点滴で1億個の細胞を投与しました。初回の投与後1週間で、左口周りと左手のしびれが軽くなり、夜間頻尿もなくなりました。 さらに、4カ月後には歩行時のふらつきやめまいがなくなり、小走りができるまで回復した事例です。 ▼ 急性期脳梗塞に対する幹細胞治療の症例について詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。 事例2.幹細胞治療によってスムーズに発語できるまで回復 60代の男性は、脳梗塞発症後2週間のときに当院を受診しました。 心臓や頸動脈にできた血栓が脳の血管に詰まって脳梗塞を発症し、抗凝固薬の内服も開始しています。脳梗塞発症直後は、主に以下の症状に悩んでいました。 不整脈がある 呂律が回らない 発語がスムーズにできない 左手がしびれて力が入らない 60代の男性は、過去に右変性股関節症に対する幹細胞治療を受け、良好な効果を得られたことをきっかけに再生医療を選択しました。 1億個の細胞を3回に分けて投与する計画を立て、まずは幹細胞を採取・培養します。1回目の投与から数週間後には、左手のしびれが完全になくなり、不整脈も収まりました。 また、1回目の投与から1カ月後の診察では、呂律の回りにくさはやや残っているものの、考えていることをスムーズに発語ができるようになっていました。 ▼ 急性期脳梗塞の後遺症が改善した症例について詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。 事例3.幹細胞治療によって身体機能の回復を実感 70代の男性は、3年前の脳梗塞によって以下のような後遺症に悩まされていました。 呂律が回らない 食事がつっかえる 歩行時にふらつく めまいがする 脳梗塞の発症から3年後も週4回のリハビリテーションに取り組んでいるものの、日に日に悪化する症状に不安を抱えていました。 近年は研究が進み、幹細胞を使った再生医療によって脳卒中の後遺症が回復した例が数多く報告されています。 70代の男性は、3回に分けて計3億個の細胞を点滴投与しました。1回目の投与後3カ月で呂律が回るようになり、食事がつっかえる感覚も軽減しました。 また、体幹が安定して歩行時のふらつきが改善され、周囲からも歩くのが早くなったと言われているそうです。 ▼ 小脳出血後のふらつきや呂律が改善した症例について詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。 高次脳機能障害の主な原因 高次脳機能障害は、以下のようにさまざまな原因によって引き起こされます。 脳外傷(頭部外傷) 脳卒中(脳血管障害) とくに脳外傷や脳卒中が主な原因として挙げられますが、その他にも脳炎、脳腫瘍、低酸素脳症などが原因となることもあります。 主な原因について詳しく解説します。 脳外傷(頭部外傷) 脳外傷は、高次脳機能障害を引き起こす原因の一つです。 交通事故やスポーツ事故などで頭部に強い衝撃を受けると、脳の内部が損傷して出血を起こし、結果として高次脳機能障害の症状が現れる場合があります。 脳には、認知機能をつかさどる前頭葉や記憶をつかさどる海馬などがあるため、脳の損傷によって判断力や注意力の低下、記憶障害などの症状を引き起こします。 脳卒中(脳血管障害) 脳卒中は、脳の血流障害によって脳細胞が損傷を受ける病気です。脳卒中には、脳梗塞(血管の詰まりによるもの)と脳出血(血管の破れによるもの)の2つがあります。 いずれも十分な血流が脳細胞に行き渡らなくなることで、脳細胞の働きが低下し、高次脳機能障害の症状を引き起こします。 高次脳機能障害の回復におけるリハビリテーションの重要性 高次脳機能障害の回復過程では、リハビリテーションが非常に重要です。 以下で、リハビリテーションの目的や進め方、具体的な方法を解説します。 なお、高次脳機能障害の治療におけるリハビリテーションは、必ず医療機関と相談の上、進めるようにしてください。 リハビリテーションの目的 高次脳機能障害の治療におけるリハビリテーションの目的は、患者が可能な限り自立した生活を送れるよう支援することです。 具体的には、自立した生活を送るために必要な認知機能の向上と精神の健康を目指します。 認知機能の向上 リハビリテーションによって、記憶力、注意力、問題解決能力などの認知機能を向上を目指す 精神の健康 リハビリテーションによって自信を回復し、抑うつや不安を軽減する また、リハビリテーションを通じて人とのコミュニケーションを増やすことも、社会参加につながる側面が期待できます。 リハビリテーションの進め方と期間 高次脳機能障害のリハビリテーションは、以下の流れで、医師や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが協力して進めることが一般的です。 1.初期評価 2.目標設定 3.治療計画の立案 4.治療計画の実施 5.再評価とデータの収集・解析 リハビリテーションの期間は個人差があるものの、数カ月から1年ほどかかるケースが多いとされています。 なお、高度脳機能障害の治療においては、リハビリテーションの早期開始と継続的な取り組みが回復の可能性を高めます。 リハビリテーションの方法 高次脳機能障害の治療においては、以下の内容を含めたリハビリテーションが中心です。 内容 目的 理学療法(運動療法) 運動機能の向上を目的に、筋力トレーニングや体幹を鍛えるための訓練を行う 作業療法 日常生活で必要となる作業や動作ができるよう、着替えや掃除などの実践的な訓練を行う 言語療法 発語やコミュニケーション能力の改善を目的に、言葉の発音や理解力を高める訓練を行う なお、リハビリテーションの内容は、個別の治療計画に基づいて決まります。 高次脳機能障害のリハビリテーションについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 自宅でリハビリテーションを取り入れるポイント 高次脳機能障害の回復を促進するためには、自宅で工夫してリハビリテーションを取り入れることも大切です。自宅でリハビリテーションを取り入れるポイントは、以下の通りです。 生活リズムを整える: 朝起きる時間や食事のタイミングを決め、規則正しい生活を心がける 座って頭を使う時間をつくる:クロスワードパズルや簡単な計算問題、読書などを行う 軽く体を動かす時間をつくる: 無理のない範囲で軽いストレッチやラジオ体操などを行う 無理のない範囲で家事をする:郵便物の整理や洗濯物をたたむなど、無理のない範囲で家事をする 規則正しい生活と日中活動は、社会活動につながるための重要なポイントです。 また、洗濯や掃除などのそれぞれの家事は、注意力や記憶力、遂行機能など、多様な高次脳機能を必要とします。 自宅で過ごすときは、昼寝をしすぎて昼夜逆転しないように注意しながら、日中の過ごし方を工夫しましょう。 高次脳機能障害の回復過程における再生医療の可能性 再生医療や幹細胞治療は、高次脳機能障害の治療法として近年注目を集めています。 再生医療とは、幹細胞や血小板の投与によって自然治癒力を最大限に引き出すための医療技術です。 薬物療法やリハビリテーションに加えて再生医療を取り入れることで、高次脳機能障害の症状改善の一助となる場合があります。 当院「リペアセルクリニック」では、高次脳機能障害の原因である脳卒中の再生医療・幹細胞治療を行っています。 当院はトップクラスの細胞培養技術を誇る施設と提携しているため、米粒2〜3粒程度の脂肪を採取するだけで1億個以上の細胞を培養できることが特徴です。 採取する細胞が少なくて済むため、身体への負担を抑えられるメリットがあります。 以下の動画では当院で再生医療を受けた方の声を紹介しています。 再生医療について詳しく知りたい方は、無料のメール相談やオンラインカウンセリングでお気軽にご相談ください。 まとめ・高次脳機能障害は回復事例を参考に早めに治療に取り組もう 高次脳機能障害は、適切な治療とリハビリテーションによって、症状の回復が期待できます。 ただし、回復には個人差があり、治療をしたからといって必ずしも症状が改善するわけではありません。 また、高次脳機能障害による症状の回復には、早期の治療が不可欠です。脳の機能を少しでも回復させるためには、医療機関と連携し、適切な治療を受ける必要があります。 加えて、薬物療法やリハビリテーションで効果が得られない場合には、再生医療もご検討ください。
2025.02.07 -
- 頭部
- 頭部、その他疾患
高次脳機能障害患者への対応において、ストレスを抱える家族は少なくありません。 高次脳機能障害では、感情のコントロールや日常生活の維持が難しくなる場合があります。そのため、高次脳機能障害患者を側で支える家族の負担は大きくなりがちです。 今回は、高次脳機能障害患者の家族が抱えるストレスについて解説します。ストレスの対処法や利用できる支援制度もまとめているので、ぜひ参考にしてください。 高次脳機能障害患者の家族が抱える主なストレス 高次脳機能障害患者の家族は、日常生活や求められる役割の変化などを理由に、ストレスを感じやすくなります。 この章で、高次脳機能障害患者の家族が抱える主なストレスについて詳しく解説します。 高次脳機能障害の種類や原因など、包括的な解説を見たい方は「【医師監修】高次脳機能障害とは|種類・原因・治療法を解説」をご覧ください。 高次脳機能障害の症状について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。 日常生活に対するストレス 高次脳機能障害患者がいる家庭では、日常生活においてさまざまな変化が生じます。たとえば、患者が自立して身の回りのことをできなくなると、家族は常にサポートにまわる必要があります。また、患者が社会生活を維持できなくなるにつれて、家族も外出する機会が限られるでしょう。 高次脳機能障害による日常生活の変化が大きいと、家族は社会からの孤立感を感じるようになり、次第にストレスが増加します。 求められる役割に対するストレス 高次脳機能障害患者の家族は、本人に代わってさまざまな手続きを担います。通院スケジュールの管理や医療費の支払いのほか、各種制度に関する手続きなど、慣れないうちはストレスを感じる場面も多いでしょう。 また、高次脳機能障害患者が高齢の場合や症状が重い場合には、介護も必要です。とくに、介護者にあたる家族が仕事や子育てで忙しいケースでは、求められる役割の多さにストレスを感じやすくなります。 当事者に対するストレス 高次脳機能障害患者の家族が抱えるストレスのなかには、当事者に対する感情もあります。高次脳機能障害の症状の一つに、感情や行動のコントロールが難しくなることが挙げられます。 そのため、患者が感情的になって過剰に反応したり、急に暴力的な行動を取ったりするケースも珍しくありません。 患者の不安定な言動は、家族が精神的な負担を感じるきっかけになります。日常生活において、患者の言動に振り回されていると、気づかないうちにストレスが蓄積されてしまうため注意が必要です。 今後の不安に対するストレス 高次脳機能障害患者の家族に多いのが、今後の不安に対するストレスです。 高次脳機能障害は、治療やリハビリテーションによって症状の改善が期待できます。しかし、必ずしもすべての方に治療の効果があるとは限りません。 そのため、多くの家族が、将来自分が介護できなくなったときのことを考えて不安を感じてしまいます。 高次脳機能障害は進行性の障害ではないものの、根本的な治療が見込めないことに不安を覚える方も少なくありません。障害に対する不安は、患者だけではなく、家族にとって大きなストレスになります。 高次脳機能障害患者の家族が抱えるストレスの対処法 高次脳機能障害患者の家族は、日常生活においてさまざまなストレスを抱えています。ただし、家族の精神的・身体的な負担は、いずれ介護疲れにつながるため注意が必要です。 以下で、高次脳機能障害患者の家族が抱えるストレスの対処法について解説するので、ぜひ参考にしてください。 症状にあわせて対応の仕方を工夫する 高次脳機能患者の家族が抱えるストレスを減らすためには、症状にあわせて対応の仕方を工夫する必要があります。高次脳機能障害は症状が多岐にわたるほか、どのような症状がどの程度現れるかも個人差が大きい障害です。 症状別の対応のポイントは、以下の通りです。 症状 対応のポイント 注意障害 こまめに休息を取るよう促す 周囲の刺激を減らして静かな環境を整える 記憶障害 メモ帳やカレンダーを活用する 習慣化しやすい環境をつくる 遂行機能障害 時間に余裕を持って計画する 作業を小さなステップに細分化する 社会的行動障害 本人と一緒に行動ルールを決める 行動する前に一呼吸を置くよう促す 失語症 ゆっくりと簡潔に話す 時間の余裕を持って話を聞く はい・いいえで答えられる質問をする 症状にあわせて対応の仕方を工夫すると、患者だけではなく、家族のストレス軽減にもつながります。 ▼ 高次脳機能障害への対応の仕方について詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。 第三者の協力を得る 高次脳機能障害患者の家族が抱えるストレスを軽減するためには、専門家や支援機関からの協力が重要です。 患者の家族だけですべてを背負い込むと、精神的にも身体的にも負担が大きくなり、介護を継続することが困難になる場合があります。 高次脳機能障害の治療では、長期にわたって治療やリハビリテーションに取り組む必要があります。そのため、医療機関と連携しながら、適切なサポートを受けることが大切です。定期的に症状の進行や回復をモニタリングしてもらうと、家族の不安を軽減できます。 なお、介護の負担が大きいときは、各自治体に設置されている地域包括支援センターや福祉窓口への相談がおすすめです。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。高次脳機能障害の症状や治療法でお悩みの方は、ぜひ気軽にご相談ください。 家族会に参加する 家族会への参加も、高次脳機能障害患者の家族が抱えるストレスの軽減につながります。 家族会とは、高次脳機能障害患者の家族が集まって悩みを共有したり、情報交換したりできる場です。 家族会は、自治体や国立障害者リハビリテーションセンターなどの支援を受けて各地域で活動しており、高次脳機能障害患者の家族であれば参加できます。 高次脳機能障害患者の家族同士で、日常生活におけるストレスや悩みなどを共有できると、孤独感の軽減につながります。また、交流を通して、対応の仕方を工夫するためのヒントも得られるでしょう。 なかには、専門家による相談会や勉強会を開催している家族会も少なくありません。勉強会は、介護の方法や支援制度の活用法などについて理解を深められる貴重な機会になるため、参加を検討しましょう。 高次脳機能障害患者と家族が利用できる支援制度 高次脳機能障害患者と家族が利用できるサービスとして、以下のような支援制度があります。 障害福祉サービス 介護保険サービス 就労支援サービス 以下で、それぞれの支援制度について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。 障害福祉サービス 高次脳機能障害患者が障害者手帳を取得すると、さまざまな障害福祉支援を受けられます。障害者手帳の申請には、医師の診断書が必要です。 代表的な障害福祉サービスは、以下の通りです。 居宅介護(ホームヘルプ) 居宅訪問による介護を行う 自立生活援助 定期的な訪問や随時の対応による日常生活支援を行う 共同生活援助(グループホーム) 施設で共同生活を送る障がい者を対象に日常生活支援を行う なお、障害福祉サービスの内容は自治体によって異なります。障害福祉サービスの手続きと利用に関しては、自治体の障害福祉担当課に相談してみてください。(文献1) 介護保険サービス 介護保険制度に基づく要介護認定を受けると、高次脳機能障害患者も介護保険サービスを利用できます。 介護保険制度は、65歳以上の方と40歳以上で脳血管疾患による高次脳機能障害と診断された方が、要支援・介護状態になった場合に利用できる制度です。 代表的な介護保険サービスは、以下の通りです。(文献2) 施設サービス 老人ホームや介護施設に入所する人を対象に介護を行う 訪問型サービス 居宅訪問による介護を行う 通所型サービス 老人ホームや介護施設に通所する人を対象に介護や運動機能訓練、日常生活支援を行う なお、各サービスにはそれぞれ利用条件があります。介護保険サービスを利用する際は、地域包括支援センターやケアマネージャーに相談しましょう。 就労支援サービス 高次脳機能障害患者の方は、就労支援の各種制度を利用できます。就労支援サービスを利用するためには、全国に設置されている公共職業安定所(ハローワーク)や自治体の障害福祉担当課へ問い合わせしてみてください。 高次脳機能障害患者が利用できる主な就労支援は、以下の通りです。(文献3) 公共職業安定所(ハローワーク) 障がい者専用の職業窓口を設置し、職業紹介を行う 障害者職業能力開発校 障がい者向けに職業訓練を行う 障害者職業センター 就業や復職に向けた職場順応のための支援を行う 症状に合わせて適切な支援を受けられるよう、まずは相談するところから始めましょう。 高次脳機能障害に対する再生医療の可能性 高次脳機能障害の治療法として、最近では再生医療や幹細胞治療が注目を集めています。再生医療とは、自然治癒力を最大限に引き出すための医療技術で、幹細胞や血小板の投与によって症状改善を目指す治療法の一つです。 再生医療は、従来の薬物療法やリハビリテーションといった治療法で、十分な改善が得られない場合に選択肢となる治療法です。 再生医療を取り入れることで、高次脳機能障害の症状改善の一助となる場合があります。 リペアセルクリニックでは、高次脳機能障害の原因の一つである脳卒中の再生医療・幹細胞治療を行っています。 以下の動画では、当院で再生医療を受けた方の声を紹介しているので、参考までにご覧ください。 当院では、メール相談やオンラインカウンセリングも承っております。 再生医療について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください。 まとめ・高次脳機能障害患者の家族は公的制度を利用してストレスを軽減しよう 高次脳機能障害患者の家族は、日常生活においてさまざまなストレスを抱えています。高次脳機能障害は長期にわたって付き合っていかなければならない障害です。 そのため、ストレスを溜め込みすぎると、当事者と家族が共倒れしてしまう可能性があります。 そのため、家族だけで悩みを抱え込まず、障害福祉サービスや介護保険などの公的制度を活用しましょう。また、医療機関と連携しながら、適切なサポートを受けることも重要です。 支援を上手に利用することで、家族の負担を軽減し、高次脳機能障害と向き合う日々を前向きに過ごせる環境を整えましょう。 参考文献 (文献1) 厚生労働省「障害福祉サービスについて」 (文献2) 厚生労働省「介護保険制度の概要」 (文献3) 厚生労働省「ハローワーク インターネットサービス 障害のある皆様へ」
2025.02.07 -
- 頭部
- 頭部、その他疾患
「高次脳機能障害のリハビリ方法を知りたい」 「高次脳機能障害のリハビリ内容を把握しておきたい」 高次脳機能障害のリハビリがこれから始まるものの、流れやどのくらいの期間行われるのかと疑問を持つ方もいることでしょう。 高次脳機能障害のリハビリ方法や効果を事前に理解しておくことで、今後のリハビリをスムーズに進めることができます。 本記事では、現役医師が高次脳機能障害のリハビリについて詳しく解説します。記事の最後にはリハビリについてよくある質問をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 高次脳機能障害の症状にお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 高次脳機能障害におけるリハビリの目的と効果 目的と効果 詳細 日常生活の自立を促進する 記憶力・注意力・判断力などの改善を通じた、食事や身支度、家事など日常動作の自立支援 社会復帰・職場復帰を支援する 対人関係やコミュニケーション能力の向上、作業遂行力の回復を目的とした社会・職業生活への適応支援 長期的に安定した生活を維持する 感情コントロールやストレス対処能力の向上による、精神的安定と継続的な生活基盤の確立 高次脳機能障害はリハビリにより、症状の改善や進行の遅延が見込めます。 「高次脳機能障害のリハビリテーション」によると、リハビリの実施により家事手伝い・何もしていない人の割合が34.2%から20.7%に減少したという結果が示されています。 また、リハビリは認知機能の改善だけでなく、日常生活の自立の促進や社会復帰、さらには長期的に安定した生活を維持するための精神的自立の支援においても欠かせません。 さらに、社会復帰した人は30.6%から43.7%に増加した結果も報告されています。(文献1) これらの結果から、リハビリによって高次脳機能障害の症状が改善し、社会復帰につながる可能性が示唆されています。 日常生活の自立を促進する 理由 詳細 認知機能の低下により生活動作が難しくなるため 記憶・注意・判断力の低下による、食事や身支度など日常動作の不安定化 家族・介護者の負担軽減につながるため 生活動作の自立による、介護にかかる時間や労力の軽減 本人が主体的に生活できるようになるため 自己管理力・実行力の獲得による、安定した生活の実現 自尊心や意欲の維持につながるため 成功体験の積み重ねによる、自信や前向きな気持ちの回復 長期的な生活の質を高めるため QOL(生活の質)の維持・向上と、安定した生活基盤の確立 (文献2) 高次脳機能障害のリハビリでは、日常生活の自立が重要な目標です。認知機能の低下により、これまで当たり前にできていた動作が難しくなることがあります。 しかし、生活に即した訓練を重ねることで、少しずつ自分で行える範囲を広げることが期待できます。 自立した生活は介護負担の軽減だけでなく、本人の自信や意欲を支え、長期的に安定した生活を送るための基盤といえるでしょう。 社会復帰・職場復帰を支援する 理由 詳細 役割・目的意識の回復 仕事や家事、社会活動を通じた、自分の役割や生きがいの再獲得 認知機能の維持・向上 注意力・判断力・記憶力などの継続的使用による、認知機能の維持と改善 経済的・生活的安定 就労や社会参加による、収入確保と生活リズムの安定 本人・家族の心理的負担軽減 社会とのつながりによる孤立感の軽減と、家族の精神的・経済的負担の緩和 生活の崩れや再発予防 社会活動による生活習慣の安定と、無気力・引きこもりの予防 (文献3) 高次脳機能障害のリハビリにおいて、社会復帰や職場復帰は生活の質を高める大切な目標です。 社会参加を通じて役割や目的意識を取り戻すことは、心の安定や意欲の回復につながります。 また、仕事や社会活動で認知機能を使い続けることは、機能の維持にも有効です。 経済面や生活リズムの安定、家族の負担軽減にも寄与するため、段階的な支援を通じた社会復帰が欠かせません。 長期的に安定した生活を維持する 理由 詳細 長期的な経過をとりやすい疾患特性 症状の慢性化による、生活不安定やトラブル発生リスクへの継続的対応 症状変化に応じた支援調整の必要性 定期的評価と支援内容の見直しによる、生活の混乱や再発の予防 生活習慣の安定による症状管理 食事・睡眠・活動量の調整による、認知機能と精神状態の安定 本人・家族の精神的負担軽減 生活安定による不安や疲弊の軽減と、安心感の確保 社会参加・自立の継続支援 就労や日常生活を続けるための、長期的フォローアップ体制 (文献4) 高次脳機能障害は症状が長く続くことが多く、時間の経過とともに生活上の課題が変化する場合があります。 そのため短期間のリハビリだけでなく、長期的に生活の安定を支える視点が重要です。 生活習慣を整え、必要に応じて支援内容を見直すことで、心身の負担を軽減できます。継続的な見守りと支援は、社会参加や自立した生活を無理なく続けるための基盤となります。 高次脳機能障害におけるリハビリの流れ 高次脳機能障害のリハビリでは治療に加えて、設定した目標の達成に向けた訓練を段階的に進めていきます。 医学的リハビリの流れは、以下の通りです。 1.リハビリ計画を立てる 高次機能障害に関する診断や評価結果に基づいたリハビリ計画を立てる 2.具体的な目標を設定する 当事者がイメージしやすく、かつ短期間で実現可能な目標を決める 3.リハビリを実施する リハビリ計画と目標設定をもとにリハビリを開始。訓練は段階的に進める 4.結果を判定し、目標の修正 リハビリの評価を定期的に繰り返し、プログラムの妥当性や体制を見直 高次脳機能障害のリハビリは漠然と進めていくのではなく、医師の指導のもとで定期的に評価を繰り返しながら、最終的な目標の計画を立てていく流れとなります。 1.リハビリ計画を立てる 項目 内容 認知機能の評価 記憶・注意・判断力・遂行機能など、日常生活に必要な認知能力の把握 日常生活動作の評価 食事・着替え・移動・家事など、生活動作の自立度の確認 行動・情緒面の評価 感情コントロールや対人関係の変化、行動上の課題の把握 家族状況・生活環境の確認 家族の支援負担や生活環境、家庭・職場での困りごとの確認 本人・家族の目標設定 希望する生活の共有と、短期・中期・長期目標の明確化 (文献5) リハビリ計画を立てる段階では、現在の症状や生活状況を評価し、本人に合った支援の方向性を定めます。 認知機能や日常生活動作だけでなく、行動面や家族の状況も含めて確認することで、無理のない計画が立てられます。 本人と家族が目指す生活を共有し、段階的な目標を設定することは、リハビリを継続する上で欠かせません。 2.具体的な目標を設定する ポイント 内容 改善したい症状・動作の具体化 記憶・注意・遂行機能など、向上させたい能力と到達レベルの明確化 日常生活に即した目標設定 家庭生活や社会参加に必要な動作の整理と、自立度の設定 本人の希望・価値観の反映 本人が望む生活や大切にしたいことの尊重 家族・支援者との共有 目標や支援方針の共有による、支援体制と役割分担の調整 短期・長期目標の設定 段階的な達成を目指した短期目標と長期目標の設定 (文献6) リハビリの目標設定は、回復を実感しながら取り組むための重要な工程です。改善したい症状や動作を具体的にすることで、訓練の方向性が明確になります。 また、日常生活に即した目標や本人の希望を反映することは、意欲の維持において欠かせません。 家族や支援者と目標を共有し、短期・長期の目標を段階的に設定することで、無理のないペースでリハビリを継続できます。 3.リハビリを実施する 項目 内容 認知機能への訓練 記憶・注意・判断力・遂行機能の改善を目的とした、課題練習や補助具活用 日常生活動作の練習 食事・着替え・移動・買い物など、生活動作の段階的な練習 行動面・情緒面の支援 感情調整や対人関係への対応力向上を目的とした行動理解とトレーニング 社会生活・就労に向けた訓練 社会参加や復職を見据えた、生活スキルや職場適応力の訓練 家族・支援者との連携 支援方法や役割分担の共有による、生活維持と負担軽減 (文献7) リハビリを実施する段階では、設定した目標に基づき、日常生活に直結する訓練を計画的に行います。認知機能の訓練だけでなく、生活動作や行動面、社会生活への対応力を高めることが重要です。 また、家族や支援者と連携しながら進めることで、家庭での対応が統一され、無理のない生活が実現します。 本人の状態に合わせた段階的なリハビリは、機能改善と生活の安定を支える基盤となります。 4.結果を判定し、目標の修正 項目 内容 達成状況の評価 設定目標に対する達成度と、認知機能・生活動作・行動面の変化の確認 改善要因の分析 効果がみられた訓練や支援内容の整理と有効要因の把握 課題の整理 改善が不十分な機能や動作の原因検討と支援方法の見直し 生活変化の反映 生活環境や家族状況、体調変化を踏まえた支援内容の調整 目標の修正と再設定 現実的で取り組みやすい短期・長期目標の再設定 (文献2) リハビリの結果を判定する段階では、これまでの取り組みが目標達成に寄与しているかを確認します。 高次脳機能障害は経過に個人差があるため、計画を固定せず、状況に応じて柔軟に見直すことが大切です。 達成できた点と課題を整理し、生活環境や体調の変化も反映させながら、次の目標を再設定します。この繰り返しにより、無理のないリハビリ継続と生活の安定が実現します。 高次脳機能障害におけるリハビリ期間 高次脳機能障害のリハビリ期間は、6カ月~1年ほどです。はじめの6カ月間は、症状回復を目的に医学的リハビリを受けます。 6カ月目以降は、必要に応じて生活訓練や機能訓練を実施するのが一般的な流れです。「高次脳機能障害者支援の手引き」によると、リハビリを受けた74%が6カ月、97%が1年でリハビリの成果が得られています。 高次脳機能障害の場合、症状によって異なりますがリハビリ期限となる180日を超えて訓練を受けられるため、訓練期間は6カ月〜1年が目安です。(文献8) 高次脳機能障害におけるリハビリ内容と方法 リハビリ内容と方法 詳細 環境調整 生活環境や作業環境の工夫による、混乱を減らす支援 要素的訓練 記憶・注意・判断力など、認知機能の一部を集中的に高める訓練 代償訓練 メモやスマートフォンなどを活用した、低下した機能を補う方法の習得 行動変容療法 問題行動の理解と望ましい行動への置き換えを目的とした支援 認知行動療法 考え方や受け止め方の調整による、不安や抑うつへの対処支援 社会技能訓練 あいさつや会話、対人関係の練習による社会適応力の向上 調理行動 手順理解や配慮を含めた、調理動作を通じた生活技能の訓練 高次脳機能障害におけるリハビリは、認知機能や生活能力の改善を多面的に支援することが主な目的です。 環境調整では、生活上の混乱を減らす工夫を行い、要素的訓練では記憶や注意力など特定の機能を強化します。 また、代償訓練は外部ツールを活用して日常生活を支え、行動変容療法や認知行動療法では行動や心理面の安定を図ります。 さらに、社会技能訓練や調理行動を通じて、実践的な社会適応力と生活技能の向上を目指します。 環境調整 高次脳機能障害のリハビリでは、治療環境を整えることが大切です。 環境調整により、環境要因による混乱を減らすことができ、当事者が余分な負担やエネルギーを費やさずに取り組めるようになります。 環境調整における症状別の対策は、以下の通りです。 症状例 対策 注意障害 気が散りやすい環境とならないよう配慮する 左半側空間無視 ベッドの左側から降りられないよう壁につける 失算 時計をアナログ時計にする 視空間失認 階段に手すりをつける 症状によって人的環境を整えるのもポイントです。たとえば、注意障害では集中力が持続しにくく、複数の相手との会話が難しい場合があります。 そのためリハビリでは、刺激を減らし、複数人ではなく1対1の会話環境を整えることが望まれます。 また、注意障害では短時間で区切った課題を用い、左半側空間無視では視線誘導を意識した動作練習の継続が欠かせません。(文献9)(文献10) 失算や視空間失認に対しては、実生活に即した反復練習を取り入れ、環境で得た効果を定着させていきます。 要素的訓練 要素的訓練は注意障害や記憶障害など、症状の改善を目的とする訓練です。高次脳機能障害における症状の回復では、症状別に作業を実践する方法が再構築に寄与すると考えられています。 たとえば、相手の話を理解できない失語症では、実物や写真などを提示し、それを基に反応してもらう方法が有効です。 また、集中力が持続しにくい注意障害に対しては、問題集を用いた課題に取り組むことで、注意機能を高める要素的訓練として効果が期待できます。 なお、要素的訓練を実践する際は、当事者の意欲や理解度を踏まえるとともに集中しやすい環境を整え、目的に合った治療方法を選択することが、目標達成において欠かせません。(文献9) 代償訓練 代償訓練とは、症状の対処法を身につけるためのリハビリです。 対処法を身につけることで、自ら障害を補いながら仕事や日常生活の質を維持できるようになります。 たとえば、注意障害には以下の対処法があります。 対処場面 具体的な方法 集中が途切れやすい場合 適宜休憩を挟む 作業に時間がかかる場合 作業時間を長めに設定する 手順がわかりにくい場合 工程表を提示する リハビリを行う際は自己判断に頼らず、医師の指導のもとで無理な負荷を避け、継続的に取り組むことが大切です。 行動変容療法 行動変容療法は、オペラント条件付け理論に基づいたリハビリです。オペラント条件付け理論とは、行動とその結果を結びつけ、望ましい行動が報酬につながると学習させる方法です。 たとえば、突然怒り出す行動を減らすため、感情を抑えられた場面で褒めたり達成感を与えたりします。 一方、怒りが出た場合は過度に反応せず、落ち着いた行動を促します。このように、望ましい行動が評価される経験を積み重ね、怒りの頻度を徐々に減らしていくのが行動変容療法です。 認知行動療法 認知行動療法とは、物事の見方や考え方、行動を調整し、心理的安定を図るリハビリです。 高次脳機能障害における怒りやすい・うつなどの症状は、感情をうまく制御できないことから、怒りや抑うつが生じる場合があります。 認知行動療法では、障害や環境、周囲の対応などに対する否定的かつ誤った解釈を修正していくことが欠かせません。 また、怒りが生じる前に冷静さを保つ訓練を行うため、トラブル回避において重要なリハビリ方法のひとつといえるでしょう。 社会技能訓練 社会技能訓練は、高次脳機能障害の方が社会に復帰できるようにするリハビリです。主なリハビリ内容は、以下の通りです。 主な支援 リハビリ内容 就労支援 職業訓練の場となるハローワークや障がい者職業総合センターなどの就労支援機関と連携して、復職の可能性を検討する。万が一、復職困難と判断された場合、リハビリで職業能力を高めていく 自動車運転支援 自動車運転に際し、視野欠損や半側空間無視、運動操作能力の有無など運動能力評価や診断、指導を実施する また、グループの中で自分の考えや気持ち、相手に対する要求など社会で人と関わりながら生きていくためのスキルを身につける訓練も、社会技能訓練では実施します。(文献9)(文献11) 調理行動 調理行動では、調理に伴う危険性を理解し、自身の能力を把握することを目的とします。 調理は危険を伴う行動となるため、高次脳機能障害の当事者に自身の能力を認識してもらうことが重要です。 「高次脳機能障害者の自立に向けた調理行動振り返り支援システムに基づく認知リハビリテーション」によると、リハビリとして、当事者に自身の調理体験映像を見せ、客観的に自分の行動を振り返る機会を設けました。(文献12) 客観視によりリハビリに対する意欲向上が見込まれた事例であり、調理行動は高次脳機能障害の訓練として有効である可能性が示唆されました。 高次脳機能障害におけるリハビリ以外の治療方法 リハビリ以外の治療方法 詳細 薬物療法 集中力低下・抑うつ・不安・不眠などの症状を和らげるための内服治療 食事療法 脳の回復を支える栄養素を意識した食事内容の調整 再生医療 損傷した脳機能の回復を目的とした先進的医療技術の活用 高次脳機能障害では、リハビリに加えて、注意力低下や気分の落ち込み、不眠などの症状を和らげ、日常生活の安定を図ることを目的とした薬物療法が行われます。食事療法は、脳の働きを支える栄養を意識し、体調管理や回復を内側から支援します。 再生医療は将来的な機能回復を目指す新しい治療として研究・活用が進められていますが、適用できる症状や医療機関が限られているため、医師と相談した上で検討することが大切です。 以下の記事では、高次脳機能障害の回復事例について詳しく解説しています。 薬物療法 薬物療法では、神経伝達物質のバランスを整えることで、注意力や集中力、記憶、情緒の安定を補助し、日常生活やリハビリへの取り組みを支えます。 認知リハビリや環境調整と併用することで効果が引き出されやすく、回復の土台を整える役割を担います。 一方で効果には個人差があり万能ではないため、医師の管理のもと副作用や症状の変化を評価しながら、補助的手段として慎重に用いることが重要です。 食事療法 理由 詳細 脳と身体に必要な栄養の安定供給 神経の修復や機能維持に必要なエネルギー・栄養素の確保 神経機能を支える成分の摂取 オメガ3脂肪酸や抗酸化物質などによる脳機能維持の補助 リハビリ効率の向上 体力・集中力・精神状態の安定による訓練効果の向上 摂食・嚥下障害への対応 食形態調整や環境配慮による適切な経口摂取の維持 生活習慣の改善と健康維持 合併症予防や再発防止につながる食生活の見直し (文献13) 食事療法は、高次脳機能障害の回復を支える重要な基盤のひとつです。脳や身体に必要な栄養を安定して摂取することで、神経機能の維持やリハビリに取り組むための体力・集中力を支えます。 また、摂食・嚥下障害がある場合でも、適切な工夫により安全な食事摂取が期待できます。食事療法は単独で行うものではなく、リハビリや医療的支援と併用し、個々の状態に合わせて取り入れることが大切です。 再生医療 高次脳機能障害におけるリハビリ以外の治療法には、再生医療があります。再生医療とは、けがや病気によって、機能障害に陥った組織や細胞の機能回復を目指す治療法です。 体の自然治癒力を高め、組織や機能などの修復を行うのが再生医療です。再生医療による治療は早いほど、脳機能の回復が期待できる場合があります。また、再生医療では、体内に存在する幹細胞の修復力を活用し、損傷した細胞の補完や機能回復を図ります。 体へ戻す幹細胞は患者自身の細胞を使用するため、拒絶反応やアレルギー反応などが起こりにくい点も再生医療の特徴です。 以下の動画では、当院で再生医療を受けた方の声を紹介しています。 リペアセルクリニックでは、高次脳機能障害の原因の一つとなる脳卒中の再生医療・幹細胞治療を実施しています。 メール相談やオンラインカウンセリングも提供していますので、再生医療について詳しく知りたい方はお気軽にご相談ください。 リハビリで改善しない高次脳機能障害の後遺症は当院へご相談ください 高次脳機能障害は適切なリハビリにより症状の回復効果が期待できます。リハビリでは治療に加え、目標を設定した上で訓練を進め、期間はおおよそ6カ月から1年が目安とされます。 症状に応じて訓練内容は異なるため、定期的な評価を行いながら目標達成を目指すことが大切です。 リハビリで改善しない高次脳機能障害でお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、高次脳機能障害に対して再生医療を用いた治療をご提案しています。 再生医療は、失われた脳機能の回復を目指す新しい治療法として注目されており、主に幹細胞を用いて脳細胞の修復や再生を促し、症状の改善を図ります。従来のリハビリや薬物療法と併用されることが多く、比較的副作用のリスクが低い点も特徴です。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 高次脳機能障害のリハビリに関するよくある質問 高次脳機能障害のリハビリにおいてやってはいけないことはありますか? 高次脳機能障害のリハビリにおいてやってはいけないことは以下です。 やってはいけないこと 詳細 過度な負荷をかける運動や活動 身体・認知機能に無理を強いることによるけがや二次障害のリスク 認知的・感覚的ストレスの過剰付与 強い刺激や情報過多による注意障害や疲労の悪化 補助なしで高い自立を求めること 心理的負担や挫折感によるリハビリ意欲低下の懸念 医師の指示のない治療・訓練 障害特性に合わない対応による回復妨害の可能性 短期間での成果を過度に期待 焦りや失望感による精神的負担の増大 (文献14) 高次脳機能障害のリハビリでは、無理や焦りが回復を妨げることがあります。医師の指導のもと、負担や刺激を調整しながら、段階的に取り組む姿勢が大切です。 高次脳機能障害で利用できる支援制度はありますか? 高次脳機能障害で利用できる支援制度は以下が該当します。 支援制度 内容 障害者総合支援法による福祉サービス 介護給付や訓練等給付による日常生活支援、生活動作訓練、就労支援、相談支援 障害者手帳による支援 手帳交付による公共サービス利用、施設利用料や税金、交通費などの減免 経済的支援制度 障害年金や医療費助成による生活費や医療・リハビリ費用の負担軽減 専門相談窓口・支援拠点 専門職による相談対応、支援制度の案内、家族や支援者への助 就労・復職支援制度 就労移行支援や職業リハビリによる無理のない就労や職場復帰の支援 気になる症状や利用できる支援制度については、主治医や地域の相談窓口に相談し、状況に合った支援を受けましょう。 高次脳機能障害のリハビリにおいて家族が気を付けるべきことはありますか? 高次脳機能障害のリハビリにおいて家族が気を付けるべきことは以下の表にまとめています。 気を付ける点 詳細 以前の姿に無理に戻そうとしない 症状特性の理解と現状に合った関わりの尊重 刺激や変化の多い環境を避ける 注意障害や疲労に配慮した生活環境の調整 できることを少しずつ支援する 小さな成功体験の積み重ねによる意欲維持 家族自身の心身ケア 休息確保と支援サービス活用による負担軽減 専門家・支援制度の活用 医療・福祉との連携による継続的支援 (文献15) 高次脳機能障害のリハビリでは、家族の理解と関わりが重要です。 回復を急がず本人のペースを尊重し、刺激を抑えた環境づくりや小さな成功を認める姿勢が意欲の維持につながります。 以下の記事では、高次脳機能障害への対応の仕方を詳しく解説しています。 高次脳機能障害の家族が抱えるストレスへの対処法を教えてください 高次脳機能障害の家族は、長期的な支援により心身の負担を抱えやすくなります。休息やセルフケアの時間を確保し、外部の福祉サービスや相談窓口を活用することが大切です。 また、同じ立場の家族との交流や正しい知識の共有は、孤立感や不安の軽減につながります。負担が強い場合は、医師への相談も検討しましょう。 以下の記事では、高次脳機能障害の対処法について詳しく解説しています。 【関連記事】 高次脳機能障害患者の家族が抱えるストレスは?対処法や支援制度を現役医師が解説 高次脳機能障害で怒りやすくなる?家族への適切な対応を紹介 参考文献 (文献1) 高次脳機能障害のリハビリテーション (文献2) 高次脳機能障害支援マニュアル|平成30–31年度 厚生労働科学研究 高次脳機能障害の障害特性に応じた 支援マニュアルの開発のための研究班 (文献3) 高次脳機能障害のリハビリテーションと連携|リハビリテーション連携科学 26:1-11 2025 (文献4) 高次脳機能 障がい支援 ハンドブック|大阪府障がい者自立支援協議会 (文献5) 高次脳機能障害者に対する支援プログラム~利用者支援、事業主支援の視点から~|独立行政法人 高齢・障害者雇用支援機構 障害者職業総合センター職業センター (文献6) 高次脳機能障害制度利用マニュアル|茨城県高次脳機能障害支援センター令和6年6月版 (文献7) 高次脳機能障害のリハビリテーション | KOMPAS – 慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト (文献8) 第1章 高次脳機能障害診断基準ガイドライン (文献9) 高次脳機能障害に対するリハビリテーション治療―患者・家族会との連携―|Jpn J Rehabil Med Vol. 58 No. 4 2021 (文献10) 高次脳機能障害と暮らす|香川大学医学部附属病院 リハビリテーション部 作業療法士 津川 亮介 (文献11) 京都府高次脳機能障害者支援プラン (文献12) 高次脳機能障害者の自立に向けた調理行動振り返り支援システムに基づく認知リハビリテーション|J-STAGE (文献13) 高次脳機能障害患者への摂食・嚥下アプローチ (文献14) TBI Recovery: Essential Tips & What to Avoid After a Brain Injury|NeuLife REHABILITATION (文献15) 高次脳機能障害 サポートガイドブック
2025.02.07 -
- 脳卒中
- 頭部
「高次脳機能障害になったら平均余命はどれくらい?」 「余命を伸ばすための治療法はない?」 上記のように、余命や治療法について疑問や不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。 本記事では、高次脳機能障害を発症した方の平均余命や、治療法について詳しく解説します。 高次脳機能障害を根本的に治療できる可能性がある再生医療についても紹介しているので、ぜひ治療の参考にしてみてください。 \根本治療につながる再生医療とは/ 再生医療とは、機能障害や機能不全になった脳細胞に対して、体が持つ再生能力を利用して損なわれた機能を再生させる医療技術のことです。 従来の治療では難しかった脳血管障害の後遺症治療にも注目されています。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 高次脳機能障害は治らないと思っている 現在受けている治療やリハビリで期待した効果が得られていない 大きな手術や長期間の入院をせずに治療する方法を探している 再生医療では、損傷した脳細胞に対してアプローチできる治療法で、従来の治療では元に戻らないとされている脳細胞の改善が期待できます。 高次脳機能障害の治療やリハビリに疲れてしまった方、後遺症の回復を諦めてしまった方の新たな選択肢になる治療法です。 「高次脳機能障害を根本的に治したい」「治療法について詳しく知りたい」という方は、再生医療を専門とする当院リペアセルクリニックにお問い合わせください。 高次脳機能障害の平均余命 高次脳機能障害の平均余命は、健常者の平均余命に比べて短い傾向です。ここでは、高次脳機能障害の平均余命を男女別に紹介します。 なお、高次脳機能障害の平均余命に関しては「脳出血」「脳梗塞」「くも膜下出血」の症状を平均としています。 男性の平均余命 東京福祉局と厚生労働省のデータをもとに比較したところ、高次脳機能障害の男性は健常な男性より平均余命が短くなっています。 高次脳機能障害の男性と健常な男性の平均余命は、以下の通りです。 年齢 ※高次脳機能障害の場合、発症年齢 高次脳機能障害の男性 健常な男性 平均余命の差 20歳 42.61年 61.45年 18.84年 30歳 35.59年 51.72年 16.13年 40歳 28.88年 42.06年 13.18年 50歳 20.16年 32.60年 12.44年 60歳 11.56年 23.68年 12.12年 70歳 5.62年 15.65年 10.03年 80歳 2.47年 8.98年 6.51年 高次脳機能障害の男性と健常な男性における平均余命は、約10年以上の差が生じています。 また、80歳で高次脳機能障害を発症した場合でも、約6年ほど異なります。 データを比べた結果、若いうちに高次脳機能障害を発症するほど平均余命は健常時と比較して短くなってしまう可能性が考えられます。 しかし、近年では高次脳機能障害を根本的に治療できる可能性がある治療法として、先端医療である再生医療が注目されています。 当院リペアセルクリニックでは、無料のカウンセリングも実施しており、再生医療の治療内容についてわかりやすくご説明いたします。 「高次脳機能障害を根本的に治したい」という方は、ぜひ当院までご相談ください。 ▼無料相談はこちらから >>(こちらをクリックして)今すぐ電話で相談してみる 女性の平均余命 東京福祉局と厚生労働省のデータをもとに比較したところ、男性同様、高次脳機能障害の女性は健常な女性より平均余命が短くなっています。 高次脳機能障害の女性と健常な女性の平均余命は、以下の通りです。 年齢 ※高次脳機能障害の場合、発症年齢 高次脳機能障害の女性 健常な女性 平均余命の差 20歳 50.21年 67.48年 17.27歳 30歳 42.58年 57.65年 15.07歳 40歳 35.18年 47.85年 12.67歳 50歳 26.30年 38.23年 11.93歳 60歳 15.84年 28.91年 13.07歳 70歳 7.22年 19.96年 12.74歳 80歳 3.35年 11.81年 8.46歳 高次脳機能障害の女性と健常な女性における平均余命は、約10年以上の差が生じています。また、80歳で高次脳機能障害を発症した場合でも、約8年ほど異なります。(文献1) 高次脳機能障害になった女性の平均余命は男性に比べて長いものの、健常な女性と比較すると短い傾向です。(文献2) 近年では、高次脳機能障害を根本的に治療できる可能性がある治療法として、先端医療である再生医療が注目されています。 当院リペアセルクリニックでは、無料のカウンセリングも実施しており、再生医療の治療内容についてわかりやすくご説明いたします。 「高次脳機能障害を根本的に治したい」という方は、ぜひ当院までご相談ください。 ▼無料相談はこちらから >>(こちらをクリックして)今すぐ電話で相談してみる 高次脳機能障害の主な症状 高次脳機能障害は、脳の損傷によって「考える」「記憶する」「行動する」といった人間の重要な機能に影響を及ぼします。 高次脳機能障害を発症すると、主に以下の症状が見られます。 新しいことを覚えられない・事実と異なる話をするなどの記憶障害 ミスが多い・集中できないなどの注意障害 寝てばかり・暴力的などの社会的行動障害 自分で計画ができない・優先順位が決められないなどの遂行機能障害 うまく話せないなどの症状 高次脳機能障害はさまざまな症状を引き起こすため、自立した生活が困難になります。また、外見だけでは症状がわかりにくいため、仕事や人付き合いなどの社会活動が困難と感じるケースも少なくありません。 一般的には高次脳機能障害の症状が理解されにくい点から、本人や家族が周囲との関係でストレスを感じる場合もあります。 高次脳機能障害の種類や原因など、包括的な解説を見たい方は「【医師監修】高次脳機能障害とは|種類・原因・治療法を解説」をご覧ください。 また、高次脳機能障害の症状について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。 数年後に治った人はいる?高次脳機能障害の回復過程 高次脳機能障害が完治した事例は、2025年1月において確認されていません。高次脳機能障害は、脳の損傷による障害のため、完治するのは難しいとされています。 しかし、リハビリ専門医療機関や地域活動支援センターなどで適切な支援を受けると、症状が回復する可能性があります。また、症状が残っても、支援により日常生活や社会生活を送れるようになるケースが期待できます。 そのため、家族や職場など周囲の方が高次脳機能障害への理解を深め、適切な支援をすることが回復過程においては重要です。 高次脳機能障害は治るのか知りたい方は、あわせて以下の記事をご覧ください。 高次脳機能障害の治療法 高次脳機能障害の治療法は、薬物療法とリハビリの2つに分類されます。各治療法の特徴は、以下の通りです。 治療法 特徴 薬物療法 主に症状の軽減や日常生活における質の向上が目的 症状のコントロールがメインのため、根本的な治療法ではない点に注意 リハビリ 症状の回復をサポートするのが目的 作業療法や理学療法、言語療法を実施 また、高次脳機能障害のリハビリ方法は、症状や患者の状態に応じて異なります。例えば、注意障害がある場合は、集中しやすい環境を整えるリハビリを実施します。 体を動かしたり脳トレを実施したりと、自宅でできるリハビリもあるため、医師に相談の上、無理のない範囲で取り入れてみましょう。 高次脳機能障害の余命に悩む方への選択肢「再生医療」 近年、高次脳機能障害の新たな治療法として再生医療が注目されています。再生医療は人間が持っている再生力を用いた治療法で、失われた組織や機能の修復を行います。 再生医療で期待できる治療効果は、以下の通りです。 壊れた脳細胞を再生医療で修復し、身体の機能回復を目指す 後遺症に対するリハビリ効果を向上させる 傷ついた血管を修復し再発を予防する 高次脳機能障害の症状でお悩みの方は、治療の選択肢の一つとして再生医療を検討してみましょう。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 高次脳機能障害は治らないと思っている 現在受けている治療やリハビリで期待した効果が得られていない 大きな手術や長期間の入院をせずに治療する方法を探している 再生医療では、損傷した脳細胞に対してアプローチできる治療法で、従来の治療では元に戻らないとされている脳細胞の改善が期待できます。 高次脳機能障害にお悩みの方は、ぜひ当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。 まとめ・高次脳機能障害の平均余命を踏まえたうえで適切な治療を受けよう 高次脳機能障害の平均余命は、健常な方と比べて短い傾向です。特に、発症した年齢が若いほど健常な方と比較して、余命は短いと考えられます。 高次脳機能障害を発症すると、記憶障害や注意障害などさまざまな症状が見られます。完治した事例は確認されていませんが、適切な治療法により症状が改善する可能性はあります。 高次脳機能障害の治療法として、薬物療法やリハビリの他に再生医療という選択肢もあります。 再生医療は、人間の体が持つ能力を活かした最新の治療法となるため、高次脳機能障害の症状回復へ向けた一助となる場合があります。 高次脳機能障害に向き合い適切な治療を受け、症状の回復へ向けて行動しましょう。 \こちらを”クリック”して無料相談/ 0120-706-313 (受付時間:9:00〜18:00) 参考文献 (文献1) 東京都福祉保健局「高次脳機能障害者実態調査結果 第3章 高次脳機能障害者数の推計」https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/fukushi/houkoku4 (文献2) 厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life23/dl/life23-15.pdf
2025.02.07







