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突然の肩こりや、中々治らない肩こりに悩まされていませんか。 原因が思い当たらない肩こりが数日間続いたり、急に症状があらわれたりすると「ただの肩こりじゃなかったらどうしよう」「脳梗塞の前兆かもしれない」と不安になる方もいるでしょう。 突然の激しい肩こりが、実は脳梗塞の前兆である場合があります。「ただの肩こりだから」と軽視して放置すると病状が悪化する恐れもあるため、早期に医療機関を受診し、原因を的確に見極めることが大切です。 本記事では、肩こりが脳梗塞の前兆になる理由や、その他気を付けるべき症状について詳しく解説します。 最後まで読むことで肩こりから脳梗塞を早期に見つけられる方法がわかり、悪化を防げる可能性が高まるでしょう。 ぜひ本記事を参考に、今の肩こりが脳梗塞の前兆であるかどうかをチェックしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」では、幹細胞を用いて脳梗塞の後遺症改善や再発予防を目指した治療を行っています。メール相談またはオンラインカウンセリングにて無料相談を受け付けておりますので、気になる症状がある方はぜひ当院までご相談ください。 「突然の」肩こりは放置厳禁!脳梗塞のリスクもあり 多くの人が肩こりを放置しがちですが「突然の」肩こりは、脳梗塞の前兆の疑いがあるため、注意が必要です。 脳梗塞から起こる肩こりは、首周辺の血流の滞りや神経の麻痺によって引き起こされます。その影響で筋肉が凝り固まり、肩周りの神経の動きが低下するため、肩こりがあらわれる可能性があります。 とくに以下の症状を伴う突然の肩こりの場合は、脳梗塞の前兆であるため注意が必要です。 片側だけ鋭い痛みを感じる 短時間で急速に痛みや肩こりが悪化する 目がかすんだり、見える範囲が狭くなったりする ほとんどの肩こりの場合は単なる筋肉のコリや重労働が原因であり、脳梗塞である可能性は非常に稀です。 しかし、デスクワークのしすぎや重たい荷物を持つといった原因が思い当たらないのに、突然原因不明の肩こりがする場合は注意が必要です。 軽視せずに他の症状が出ていないかを確認し、異変を感じたら自己判断で放置せず早めに医療機関を受診しましょう。 「首の後ろの痛み」も脳梗塞の前兆の可能性あり 肩こりと同様に、突然あらわれる「首の後ろの痛み」も脳梗塞の前兆である疑いがあります。 その理由の一つが、首の後ろを通る血管が損傷する「椎骨(ついこつ)動脈解離」です。 椎骨動脈解離が起こると、頭の後ろから首の付け根にかけて激しい痛みが生じ、めまいや吐き気を伴うことがあります。この状態が進行すると脳梗塞やくも膜下出血へ発展する可能性があります。(文献1) 脳梗塞や椎骨動脈解離はMRIやCTなどの検査でわかる場合が多いため、首の後ろの痛みがあれば早めに受診しましょう。 また、首の後ろの痛みは「くも膜下出血」の疑いもあります。くも膜下出血からくる首の後ろの痛みについて詳しく知りたい方は以下のコラムも参考にしてください。 【要チェック】肩こり以外脳梗塞の前兆4つ 肩こり以外の脳梗塞の代表的な前兆には、以下の症状があります。 痙攣・麻痺 言語障害 視覚障害 歩行困難 違和感のある肩こりがある方は、本章で解説している症状も一緒に出ていないかどうか確認してみてください。 1.痙攣・麻痺 脳梗塞の代表的な前兆として痙攣や麻痺があげられます。 脳梗塞が起こることで血管が詰まり、血流が遮断され、神経の働きが阻害されます。その結果、痙攣や麻痺といった症状が現れるのです。 痙攣や麻痺が脳梗塞によるものかどうかは「突然発症したものか」「片側だけに生じているか」がポイントです。 早期に治療を行うと後遺症が軽くなる可能性が高まります。片側のみや突然の痙攣・麻痺がみられる場合は、迅速に医療機関を受診しましょう。 2.言語障害 脳梗塞の初期症状で知られているのが「ろれつが回らない」「言葉を発するときに言葉が出てこない」といった言語障害です。 言語障害は、会話や言葉を理解する能力に関わる「前頭葉」や「側頭葉」などの脳部分が脳梗塞により損傷を受けることで生じます。(文献2) また「簡単な文章を書けない」「滑舌が突然悪くなった」といった症状も多く見られます。 このような言語障害が「突然」あらわれた場合は脳梗塞の可能性があるため、注意が必要です。 3.視覚障害 「視覚障害」も脳梗塞の初期症状としてあらわれる可能性があります。 脳梗塞で脳の血液の流れが滞り、視覚に関わる脳の部位が損傷すると視覚障害が起こるため、注意が必要です。 脳梗塞による視覚障害として、以下のような症状があげられます。 視野欠損(片側だけ欠けて見える) 複視(物が二重に見える) 突然の視力低下 見え方に突然違和感をもった場合は、早めに脳神経外科へ受診しましょう。 4.歩行困難 筋肉の麻痺による歩行困難があらわれるのも脳梗塞の前兆のひとつです。 脳梗塞により筋肉が無意識に収縮して硬直し、スムーズに体を動かせなくなります。このため、いつも通り歩くのが難しくなり、独特な歩き方となります。(文献3) 脳梗塞による歩行困難として、以下のような兆候が知られています。 歩行困難の種類 特徴 内反尖足(ないはんせんそく) つま先が下を向いたり、足首・足裏が内側に向いたりする 膝関節伸展 膝関節をまっすぐに伸ばして歩く 股関節屈曲 股関節が曲げられなくなる 脳梗塞の前兆のチェック項目については以下の記事で詳しく解説しております。気になる方は、合わせて参考にしてください。 肩こり含む脳梗塞の前兆が治っても油断は禁物!早急の受診が大切 前兆が治まった場合でも、再発リスクは否定できません。「脳梗塞の前兆かもしれない」と感じた症状が軽くなっても、その後すぐに受診しましょう。 症状が消失した場合「一過性脳虚血性発作(TIA)」の可能性があります。TIAは一時的に脳への血流が滞り、短時間のみ脳梗塞の症状があらわれるものの、24時間以内に回復する状態です。 TIAは脳梗塞の前触れ症状ともいわれています。TIAが消失したとしても、その後脳梗塞に発展するリスクが高いため、早急の処置が必要です。 脳梗塞の前兆が治っても放置せず、速やかに受診して専門医の治療を受けましょう。 また、脳梗塞を含む脳卒中のセルフチェックについては以下の記事で詳しく解説しています。気になる方は合わせてご確認ください。 【今すぐできる】脳梗塞の予防方法3選 突然の肩こりを引き起こす脳梗塞は、日常生活でできる対策をすると未然に発症リスクを下げられます。 本章で紹介する方法を実践し、脳梗塞のリスクを減らしましょう。 1.減塩食を心がける 脳梗塞の予防には「減塩食」が欠かせません。 脳梗塞の大きな要因のひとつは「高血圧」です。塩分を摂りすぎると体内の水分のバランスや血管の負担が増えてしまい、血圧が上がり脳梗塞に発展するリスクがあります。そのため、日頃から塩分を控える食事を心がけることが大切です。 今すぐできる減塩食の対策には、以下の方法があります。 いつもの調味料を減塩タイプに切り替える 加工食品(ハムやソーセージなど)を避ける 揚げ物から蒸し料理・焼き料理へ調理方法を変更する また、厚生労働省は「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」において、高血圧の重症化予防のために成人の塩分摂取量を、男女ともに1日6g未満に抑えることを推奨しています。(文献4) 減塩を心がけ、脳梗塞の予防に努めましょう。 2.積極的に魚を取り入れる 脳梗塞を予防するもう一つの食事のコツは、積極的に「魚」を取り入れることです。 魚に含まれるEPAやDHAは、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らして血液をサラサラにする効果があります。そのため血栓がつくられるのを抑えるため、脳梗塞の予防につながるでしょう。 とくに以下のような「青魚」は魚類の中でもEPAやDHAを多く含むためおすすめです。 サバ サンマ イワシ 食生活に乱れがあった人は、魚を日々の食事に取り入れてみてください。 また、脳梗塞予防に避けるべき食品については、以下のコラムで詳しく解説しています。詳しく知りたい方は、あわせて参考にしてください。 3.筋トレと有酸素運動を定期的に行う 運動面で脳梗塞予防に効果的なのが、定期的に筋トレと有酸素運動を両方行うことです。 運動を定期的に取り入れることで、高血圧が改善したり血行が良くなったりします。そのため、脳梗塞予防にも効果的です。 また、筋トレと有酸素運動は以下のように得られる効果が異なります。両方取り入れるとより健康により効果をもたらすでしょう。 運動の種類 効果 運動例 筋トレ 基礎代謝量を増やして体脂肪を減らす スクワット 腕立て伏せ 懸垂 有酸素運動 心肺機能を向上させ血の巡りを改善する ジョギング 水泳 ウォーキング 脳梗塞のリスクを下げるためにも生活習慣に合った運動を無理のない範囲で取り入れてみてください。 まとめ|突然の肩こりは脳梗塞の前兆の可能性あり!放置せず早めに受診しよう 何気ない「突然の肩こり」は、脳梗塞の前兆である可能性が否定できません。軽視せずにいつもの肩こりと違いがないか観察して適切な対策をとることが大切です。 とくに麻痺や言語障害など脳梗塞の代表的な症状と一緒にあわらわれた場合は、早急に医療機関を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による脳梗塞の後遺症改善・再発予防治療を行っています。 メール相談またはオンラインカウンセリングにて無料相談を受け付けておりますので、気になる症状が出ている方や脳梗塞の後遺症にお悩みの方はぜひ当院までご相談ください。 脳梗塞の前兆についてよくある質問 肩こりはくも膜下出血の前兆ですか? 突然の肩こりは、くも膜下出血の前兆の可能性もあります。 突然の肩こりや首の後ろの痛みを伴う場合は、血管が破裂しかけている可能性も否定できないため注意が必要です。違和感を感じた場合は、迅速に受診しましょう。 くも膜下出血の原因と症状についてより詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にしてください。 軽い脳梗塞の前兆はどのような症状ですか? 軽い脳梗塞の前兆の一例は、以下のとおりです。 片側の手足に力が入らない 言葉がスラスラと出てこない 視界の一部が見えにくい 脳梗塞の前兆が軽度だったり一時的なものであると見過ごされるケースもありますが、のちに脳梗塞を発症するリスクが高まります。 予後が大きく変わるため放置せず、早めに受診して適切な治療を受けましょう。 参考文献 (文献1) 弘中 康雄,西村 文彦 ほか「椎骨動脈解離に対する外科治療 ─再出血予防と穿通枝温存を目指した microneurosurgery─」脳卒中の外科(44)」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/scs/44/1/44_31/_pdf (文献2) MSDマニュアル「脳の機能障害の概要」 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/09-%E8%84%B3-%E8%84%8A%E9%AB%84-%E6%9C%AB%E6%A2%A2%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E8%84%B3%E3%81%AE%E6%A9%9F%E8%83%BD%E9%9A%9C%E5%AE%B3/%E8%84%B3%E3%81%AE%E6%A9%9F%E8%83%BD%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81 (文献3) 川手信行,中島卓也「脳卒中歩行障害の総論|日本義肢装具学会誌 2022(38,3)」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspo/38/3/38_190/_pdf/-char/ja (文献4) 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
2025.02.07 -
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健康のために振動(ブルブル)マシンを使用してみたいものの、脳に良くないとの情報を耳にして不安になる方も多いでしょう。過去に脳梗塞になったことがあり、後遺症がなく過ごせている方も心配かもしれません。 体のために運動をしたいと思いつつも、振動(ブルブル)マシンで脳梗塞を再発させてしまったら本末転倒ですよね。 振動(ブルブル)マシンは脳に直接悪影響を与えるわけではないため、脳梗塞後の方も使用可能です。ただし、血行改善により血の塊が脳血管に詰まる恐れがあるため、一度医師に相談してから使用を開始しましょう。 本記事では、脳梗塞になったことのある方へ向けて、振動(ブルブル)マシンを使用する場合の注意点を中心に解説します。記事の内容を参考に、振動マシンを安全に活用し、健康的な体を目指してください。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による脳梗塞の再発予防の治療を行っております。 「メール相談」または「オンラインカウンセリング」にて無料カウンセリングを受付中です。気になる方はぜひ当院までご連絡ください。 振動(ブルブル)マシンが脳梗塞に与える直接的なリスクは少ない 振動(ブルブル)マシンは、脳に直接的な悪影響は及ぼしません。運動したときと同様に血流を改善する作用が期待できるため、健康に良い効果をもたらすでしょう。 ただしすでに血栓ができている状態で振動(ブルブル)マシンを使用すると、血栓が脳まで流れ、脳梗塞を引き起こすリスクがあるため注意が必要です。 また、以下のような初期症状が出た場合はすぐに使用を中止し、医師に相談してください。 片側の手足の麻痺 ろれつが回らない 歩けない 強いめまい また、振動(ブルブル)マシンを使ってみたいものの、脳梗塞の再発に不安がある場合は医師に相談したうえで適切に使いましょう。 振動(ブルブル)マシンの使用を注意すべき人 脳梗塞後の方に使用はできるものの、以下に該当する人は振動(ブルブル)マシンを使用する際に注意が必要です。 骨の病気の人 高血圧の人 乗り物酔いをしやすい人 本章を参考に、ご自身が当てはまっていないか確認してからマシンを使用しましょう。 1.骨の病気の人 骨の病気を治療している人は、専門医に相談のうえで使用しましょう。 とくに骨粗鬆症の方は、健常人より骨が脆くなっている状態です。振動マシンが骨密度に良い効果をもたらしたとの報告があるものの、振動の強度が大きすぎると骨折リスクが高まるため、注意が必要です。(文献1) 最初から高振動で使用せず、低振動かつ短時間でマシンを使って様子を見ましょう。 また、骨粗しょう症の治療や予防については下記のコラムにて詳しく解説しています。気になる方はあわせて参考にしてください。 2.血圧が高い人 血圧が高いと指摘された方、あるいは高血圧の治療中の方も注意が必要です。 振動(ブルブル)マシンを使用すると、振動による筋肉への刺激で血流が促進されます。これにより、通常よりも血流が速くなる可能性があります。 健康に良い効果をもたらす一方で、突然血圧が上がることもあるため注意が必要です。 ただし、適切な振動(ブルブル)マシンの使用や運動が高血圧を急激に悪化させるわけではありません。適度な使用であれば血圧への影響が小さいため、正しい頻度と時間を守ることが大切です。 高血圧の予防や改善に効果的な食事・運動については以下のコラムにて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。 3.乗り物酔いをしやすい人 普段から乗り物酔いをしやすい人も、振動(ブルブル)マシンの連用に注意が必要です。 人は耳にある三半規管により振動をキャッチし、平衡感覚を保つ役割があります。しかし、過剰に揺れを感じると脳へ渡す情報量が過多になり、乗り物酔いの症状があらわれます。 以下のような乗り物酔いの症状があらわれたら、振動(ブルブル)マシンの使用を控えゆっくり休みましょう。(文献2) めまい 嘔吐(吐き気) 蒼白 自動車や船などと同じように、振動(ブルブル)マシンでも乗り物酔いの症状があらわれる可能性があります。自覚のある方は慎重に使用を検討しましょう。 振動(ブルブル)マシンを安全に使用するための注意点 振動(ブルブル)マシンを使用する際の注意点は、以下の3つです。 振動が弱いモードから使用する 長時間の使用は避ける 説明書を確認してから使用する 本章を参考に、適切に振動(ブルブル)マシンを使用して思わぬ事故を防ぎましょう。 1.振動が弱いモードから使用する 初めて振動(ブルブル)マシンを使用する際は、低振動のモードから始め、徐々に負荷を上げていきましょう。 使い始めは弱い振動でも、強く感じる場合があります。突然強い振動で機械を使用すると思わぬけがや体調悪化につながるため、注意が必要です。 転倒が不安な場合は手すりを掴むか、誰かのサポートを受けると安心でしょう。 2.長くても1日1時間までの使用にする 振動(ブルブル)マシンの長時間にわたる使用は、体調不良や血栓リスクを高めます。1日の合計使用時間は1時間以内に控え、短時間ずつ分けて利用しましょう。 過度な長時間の使用で消費カロリーは多くても、乗り物酔いや転倒のリスクが考えられます。 機械の使用で症状が出ないか不安な方は、最初は1日10〜20分程度にとどめておくと安心です。 3.説明書を確認してから使用する 機種によって使用方法や振動の強度、推奨される使用時間が異なる場合があります。説明書をよく確認してから振動(ブルブル)マシンを使用しましょう。 妊婦や高齢者一人きりでの使用など使用が推奨されない機種もあります。誤って使用すると思わぬ体調不良を招く危険性があるため注意が必要です。 説明書はインターネットでも閲覧できる可能性があります。自分が使用できるか不安な方は、購入の前に調べてから検討すると良いでしょう。 まとめ|脳梗塞と振動(ブルブル)マシンの関係性 今回は、振動(ブルブル)マシンと脳梗塞のリスクについて解説しました。振動により脳に直接的なダメージはないものの、血流の変化により血栓が脳血管まで運ばれるリスクがあります。 また、誤った使用は体調悪化や事故の危険性を高めるため、適正使用を心がけましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、人体にある幹細胞を利用し、脳梗塞の再発予防や後遺症の治療を行っております。 無料で「メール相談」または「オンラインカウンセリング」も受付中です。気になる方はぜひ当院までご相談ください。 脳梗塞の振動(ブルブル)マシンについてよくある質問 振動マシーンは血栓予防に効果的ですか? 振動マシーンで血流を改善するため、血栓予防に効果的です。しかし、既に形成された血の塊がある場合、脳血管に届き血流が滞るリスクもあります。 過去に脳梗塞のような血栓が関連する病気にかかったことのある方は、使用する前に医師に相談してください。 脳梗塞になりやすい人の特徴と予防について詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にしてください。 振動(ブルブル)マシンは危険ですか? 適切に使用すると、マシンが体に悪影響を及ぼす可能性は少ないです。危険性が高くないとはいえ、個人の体質によっては体調不良を招くため注意が必要です。 乗り物酔いの症状が出る場合や、血行促進により血圧が一時的に上がるリスクが考えられます。 使用前に自身の持病や体調をチェックし、問題ないことを確認してから使用しましょう。 参考文献 (文献1) Abeer M ElDeeb,Amr A Abdel-Aziem「Effect of Whole-Body Vibration Exercise on Power Profile and Bone Mineral Density in Postmenopausal Women With Osteoporosis|A Randomized Controlled Trial,43(4)」 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32868028/ (文献2) MSDマニュアル プロフェッショナル版.「動揺病」 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/22-%E5%A4%96%E5%82%B7%E3%81%A8%E4%B8%AD%E6%AF%92/%E5%8B%95%E6%8F%BA%E7%97%85/%E5%8B%95%E6%8F%BA%E7%97%85
2025.02.07 -
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BAD(脳梗塞)ってなんだろう? 一般的な脳梗塞と何が違うのかな? この記事を読んでいるあなたは、BAD(脳梗塞)という耳慣れない病気を聞き、とまどっているのではないでしょうか。 「今後どうなるのか知りたい」と思っているかもしれません。 BAD(脳梗塞)はラクナ梗塞の特徴を持ちながら、アテローム性病変が原因で起こる、近年注目されているタイプの脳梗塞です。 本記事では、BAD(脳梗塞)の症状やラクナ梗塞との違い、予後について詳しく説明します。記事を最後まで読めば、病気について一通りの知識が得られ、今度の見通しを立てやすくなるでしょう。 BADとは「脳の細い血管の分岐部が詰まり進行しやすい脳梗塞」 BADとは、「Branch atheromatous disease」の頭文字を取ったもので、脳梗塞の一種です。コレステロールや脂などが溜まってできた「アテロームプラーク」と呼ばれるこぶが、脳の血管が詰まるために起こります。(文献1) BAD(脳梗塞)がよく起こる場所は、脳の主幹動脈からの穿通枝分岐部(太い血管から小さな枝状の血管がわかれる部分)です。英語をそのまま日本語に直すと「分岐アテローム性疾患」となりますが、日本語での病名が付けられていないため「ビーエーディー」と呼ばれています。 また、BAD(脳梗塞)は、脳梗塞を含む「急性虚血性脳卒中」全体の約10〜15%を占めるという報告があります。(文献2) 当院「リペアセルクリニック」では、BAD(脳梗塞)後の治療として再生医療(幹細胞治療)をおこなっています。壊れた脳細胞を幹細胞治療で修復し、後遺症の回復やリハビリ効果の向上が期待できます。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」から気軽にお問い合わせください。 BAD(脳梗塞)の症状 BADであらわれる症状の多くは、脳の細い血管が詰まって起こる「ラクナ梗塞」と同じです。代表的な症状を、以下に紹介します。(文献3) 構音障害:ことばの障害 感覚障害:感覚の鈍さやしびれ 運動片麻痺:片方の手足に力が入らなくなる しかし、BAD(脳梗塞)の最大の特徴は、運動片麻痺が進行性に悪化しやすいことです。数日間は、脳梗塞が拡大したり麻痺が進行したりしやすく、後遺症が出やすい傾向もあります。 また、初期症状としてTIA(一過性脳虚血発作)が起こるケースもあります。 BAD(脳梗塞)の原因 BAD(脳梗塞)の原因は、動脈硬化の過程で血管内にできた「アテロームプラーク」です。 アテロームプラークとは、血管の膜に血液中の悪玉コレステロールが入り込んでできたものです。血管を細くして脳への酸素供給を妨げたり、破裂して血小板による血栓生成を引き起こし、脳の血管を詰まらせたりします。 アテロームプラークの危険因子は、以下のとおりです。(文献1) 年齢 性別 喫煙 高血圧 糖尿病 脂質異常症 これらの危険因子を減らすためには、生活習慣の改善が重要です。 具体的には、塩分を控える、運動や食事に気を付けて肥満を防ぐなどが有効です。アテロームプラークを作りにくい生活を心がけ、BAD(脳梗塞)の予防につとめましょう。 脳梗塞の原因については、以下の記事で詳しく説明しています。 BAD(脳梗塞)とラクナ梗塞との違い BAD(脳梗塞)とラクナ梗塞は症状が似ているものの、梗塞する場所や原因が異なります。おもな違いは、以下のとおりです。(文献3)(文献4) BAD(脳梗塞) ラクナ梗塞 梗塞する場所 穿通枝の根元 1本の穿通枝 梗塞の範囲 やや広い 狭い おもな梗塞の原因 アテロームプラーク(動脈硬化も原因) 高血圧による動脈硬化 梗塞の大きさ 15mm以上 15mm未満 特徴 進行しやすいが、比較的再発は少ない 比較的再発しやすい 血管が詰まり脳細胞の機能が失われることは共通しますが、細かな内容が違うといえるでしょう。 BAD(脳梗塞)の診断基準 BAD(脳梗塞)かどうかは、MRIの画像で診断します。(文献5) 細かな基準は梗塞した部分によって異なり、以下とされています。 中大脳動脈(MCA)穿通枝:拡散強調画像で3または4以上の横断面を含む直径15 mm以上の梗塞があること 椎骨脳底動脈穿通枝:脳橋腹面に達し、分枝動脈の主幹動脈の狭窄や閉塞がないこと しかし、「病因不明」と分類されたり、状況によってはラクナ梗塞と診断されたりするケースもあります。 BAD(脳梗塞)の治療 BAD(脳梗塞)は、一般的な脳梗塞の治療法であるt-PA療法の効果が得にくいケースが多く、抗血小板薬がよく使用されます。また、複数の治療薬を併用するケースもあります。 治療効果があらわれにくいケースもあり、BAD(脳梗塞)へ有効性の高い治療法は、今後の研究が待たれる内容です。 一般的な脳梗塞の治療法については、以下の記事で詳しく紹介しています。 BAD(脳梗塞)の予後やリハビリ BAD(脳梗塞)は命を失うケースが少ない反面、運動機能に麻痺が残りやすい特徴があります。 また、病変部位別に神経症状が悪化する確率は以下であったという報告もされています。(文献6) 橋傍正中動脈領域:43.6% レンズ核線条体動脈領域: 30.1% 「運動機能に関する予後は、脳卒中患者における機能障害につかわれる評価(FMA)で予測できる」「高血圧の合併があると神経症状が悪化しやすい」などの報告もあります。 BAD(脳梗塞)は麻痺が残りやすいため、多くの場合で継続的なリハビリが必要となります。 後遺症の改善のために、リハビリを継続的におこないましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、BAD(脳梗塞)の予後改善やリハビリの効果アップに効果が期待できる再生医療(幹細胞治療)をおこなっています。 理学療法士、柔道整復師、鍼灸師、トレーナーによるチーム体制を取っており、再生医療と並行したリハビリも可能です。ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」から気軽にお問い合わせください。 まとめ|BAD(脳梗塞)を疑われる場合は受診しよう 本記事では、BAD(脳梗塞)の症状や予後・ラクナ梗塞との違いについて詳しく説明しました。 BAD(脳梗塞)は、ラクナ梗塞に似た症状を示す脳梗塞の一種です。梗塞の部位や大きさはラクナ梗塞と異なり、進行性に症状が悪化しやすい傾向があります。 後遺症が出た場合は、退院後も症状に応じたリハビリをおこないましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、BAD(脳梗塞)をはじめとする脳梗塞に対して再生医療(幹細胞治療)を提供しています。 再生医療(幹細胞治療)は、失われた脳細胞を修復し、後遺症の改善やリハビリ効果の向上が期待できる治療法です。 早くから治療を始めた方が効果を得やすいため、気になる場合は気軽にご相談ください。ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けております。 BAD(脳梗塞)に関するよくある質問 BAD(脳梗塞)の読み方は? BADは「ビーエーディー」と読むのが一般的です。悪いという英語の「Bad」ではないため、「バッド」という読みではありません。 BAD(脳梗塞)にならないためにできることは何? BAD(脳梗塞)を防ぐには、動脈硬化の原因となる以下の病気の予防・治療につとめることが大切です。 高血圧 糖尿病 脂質異常症 喫煙や肥満、塩分の摂りすぎや運動不足も動脈硬化のリスク因子です。毎日の生活のなかで、できることから少しずつ気を付けてみましょう。 脳梗塞を防ぐ方法については、以下の記事もぜひ参考にしてください。 参考文献 (文献1) 北川一夫,Branch Atheromatous Disease の病態と治療,脳卒中 31:550–553,2009https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke/31/6/31_6_550/_pdf (文献2) Duan H, Yun HJ, Geng X, Ding Y. Branch atheromatous disease and treatment. Brain Circ. 2022 Dec 6;8(4):169-171. doi: 10.4103/bc.bc_56_22. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10167853/ (文献3) 山本康正,Branch atheromatous disease の概念・病態・治療,臨床神経 2014;54:289-297https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/054040289.pdf (文献4) 星野晴彦ら,Branch atheromatous disease における進行性脳梗塞の頻度と急性期転帰,脳卒中 33:37–44,2011https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke/33/1/33_1_37/_pdf (文献5) Deguchi I, Takahashi S. Pathophysiology and Optimal Treatment of Intracranial Branch Atheromatous Disease. J Atheroscler Thromb. 2023 Jul 1;30(7):701-709. doi: 10.5551/jat.RV22003. Epub 2023 May 13.https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10322737/ (文献6) 徳田和宏ら,Branch Atheromatous Disease の急性期運動機能予後に関連する要因の検討,理学療法学 第 47 巻第 2 号https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/47/2/47_11643/_pdf
2025.02.07 -
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突然の頭痛、生理痛、歯痛…痛みは日常生活を大きく阻害する悩みの種です。 ドラッグストアには様々な痛み止めが並び、どれを選べば良いか迷う方も多いのではないでしょうか? この記事では、ロキソニン、ボルタレン、トラムセット、カロナールなど、代表的な痛み止め薬の種類と効果を分かりやすく解説します。 それぞれの薬の特徴、副作用、そしてNSAIDsやステロイド、オピオイドといった分類についても詳しく医師が解説します、 さらに、市販の痛み止め「ロキソニン」と「カロナール」の徹底比較を説明し、それぞれの特徴、効果的な症状、価格、そして副作用のリスクまで、幅広くお伝えします。 例えば、ロキソニンは、筋肉の痛みや生理痛に対してとても有効ですが、胃腸への負担が懸念されます。 一方、カロナールはロキソニンに比べて副作用は弱いが、その分、効き目も弱くなります。 さらに、最新の研究結果に基づいた、2歳未満の乳幼児への服用に関する情報や、妊娠中・授乳中の方への注意点も詳しく解説。薬剤師への相談の重要性も改めて強調します。 この記事を読むことで、痛みから解放されるための知識が得られます。 さあ、痛みと賢く付き合う方法を学びましょう。 痛み止めの種類とその効果、副作用 皆さんは、急な頭痛や発熱時、どの市販薬を選べば良いか迷ったことはありませんか? この章では、市販薬の選び方のポイントを、医師の視点から分かりやすく解説します。 ロキソニン ロキソニンは「ロキソプロフェンナトリウム水和物」という成分の鎮痛剤で、炎症を抑える作用が強い非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一種です。 頭痛、歯痛、生理痛、腰痛、筋肉痛、関節痛、手術後や外傷後の痛みなど、様々な痛みに効果を発揮します。 炎症とは、体を守るための反応で、発赤、腫れ、熱感、痛みなどの症状を伴います。 ロキソニンは、この炎症を引き起こす物質の生成を抑えることで、痛みを和らげるのです。 即効性があり、効果も比較的長く持続するのが特徴です。 市販薬としても入手できますが、胃への負担があるため、空腹時の服用は避け、食後に服用することが推奨されます。 また、胃腸の弱い方や、過去に胃腸障害を起こしたことがある方は、特に注意が必要です。 ボルタレン ボルタレンは「ジクロフェナクナトリウム」という成分のNSAIDsで、ロキソニンと同様に炎症を抑える作用が強い痛み止めです。 ロキソニンと同じく、様々な種類の痛みに効果があり、坐薬、テープ剤、ゲル剤など、様々な形態で利用できるのが特徴です。 例えば、炎症を起こしている関節にボルタレンのテープ剤を貼ることで、その部分に直接薬剤が浸透し、効果的に痛みや炎症を抑えることができます。 また、坐薬は、飲み薬を服用できない場合や、吐き気がある場合などに有効です。 トラムセット トラムセットは「トラマドール塩酸塩」と「アセトアミノフェン」という2種類の成分を配合した痛み止めです。 トラマドールは、オピオイド系鎮痛薬に分類され、脳内の痛みの伝達を抑制する作用があります。 アセトアミノフェンは、解熱鎮痛作用を持つ成分で、2つの成分の相乗効果により、中等度から高度の痛みに効果を発揮します。 カロナール カロナールは「アセトアミノフェン」を主成分とする痛み止め、解熱剤です。比較的穏やかな効き目があり、子供から高齢者まで幅広く使用できます。 副作用が少ないため、安全性が高いとされています。市販薬としても入手しやすく、風邪による発熱や頭痛、生理痛などの痛みによく使われています。 セレコックス セレコックスは「セレコキシブ」という成分のNSAIDsの一種です。他のNSAIDsと比べて、胃腸への負担が少ないという特徴があります。 そのため、胃腸の弱い方や、他のNSAIDsで胃腸障害を起こしやすい方に向いています。 リリカ リリカは「プレガバリン」という成分の薬で、神経障害性疼痛という、神経の損傷によって起こる痛みやしびれに効果があります。 帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害、線維筋痛症などの治療に使用されます。 ステロイド ステロイドは、副腎皮質ホルモン剤と呼ばれる薬で、強力な抗炎症作用と免疫抑制作用があります。 様々な炎症性疾患やアレルギー疾患、自己免疫疾患の治療に使用されます。 オピオイド オピオイドは、モルヒネなどの麻薬性鎮痛薬の総称です。 非常に強い鎮痛作用があり、がんなどの強い痛みをコントロールするために使用されます。 注意すべき副作用:アスピリン喘息について アスピリン喘息は、アスピリンやNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を服用することで喘息発作が誘発される特殊な病態です。 この疾患は成人の喘息患者の約10%に見られ、通常は成人期に発症します。 特徴的なのは、アスピリンだけでなく、ロキソニンやボルタレンなどの一般的な痛み止めでも発作が引き起こされることです。 これらの薬を服用すると、重度の喘息発作や呼吸困難に加えて、鼻水、くしゃみ、鼻づまりといった症状が現れます。 また、多くの患者さんが慢性的な副鼻腔炎や鼻ポリープを合併しています。 この病気の患者さんが痛み止めを使用する必要がある場合、アセトアミノフェン(カロナール、タイレノールなど)が比較的安全とされています。 ただし、初めて使用する際は少量から開始し、医師に相談しながら使用することが推奨されます。 成分から分類した痛み止めの種類 NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬) 作用:炎症、痛み、発熱を抑制 メカニズム:プロスタグランジン生成を抑制(COX阻害) - ロキソニン(ロキソプロフェン) - ボルタレン(ジクロフェナク) - モートリン(イブプロフェン) - バファリン(アスピリン) アセトアミノフェン - 作用:主に痛みと発熱を抑制(抗炎症作用は弱い) - メカニズム:中枢神経系に作用 - 胃への負担が少なく、妊婦や小児にも使用可能 - 代表的な製品: - カロナール - タイレノール - ピリナジン イブプロフェン(NSAIDsの一種) - 作用:炎症、痛み、発熱を抑制 - メカニズム:他のNSAIDsと同様(COX阻害) - 代表的な製品: - EVE(イブ) - バファリンEX - ブルーレット ・モートリン(イブプロフェン) 主な使い分け: - 炎症を伴う痛み → NSAIDs - 発熱や軽い痛み → アセトアミノフェン - 胃が弱い人 → アセトアミノフェン - 生理痛 → イブプロフェンまたは他のNSAIDs 痛み止めランキング 数ある市販薬の中でも、ロキソニンとカロナールは特に知名度が高く、多くの方に利用されています。 ここでは、痛み止めランキング上位にある、ロキソニンとカロナールの違いについて比較します。 ロキソニンとカロナールの違い ロキソニンは頭痛、歯痛、生理痛、腰痛、筋肉痛などによく服用されます。 患部で炎症を引き起こす物質であるプロスタグランジンの生成を抑える効果があります。 一方、カロナール(一般名:アセトアミノフェン)は、解熱鎮痛薬として広く使用されており、脳神経に直接働きかけて炎症を止めます。 ロキソニンと比較すると作用は穏やかで、小児や高齢者、妊娠中・授乳中の方にも使用できる場合があります。 2歳未満の乳幼児における発熱や疼痛の治療において、アセトアミノフェンとイブプロフェンはどちらも広く処方されていますが、最新の研究では、イブプロフェンの方が24時間以内の体温低下と疼痛軽減効果が高いという結果が出ています。 ただし、安全性は両剤とも同等とされています。 薬剤名 主な作用 適した症状 注意点 ロキソニン 炎症を抑える、痛みを抑える 頭痛、生理痛、歯痛、腰痛、筋肉痛など 胃腸障害に注意、空腹時の服用は避ける カロナール 熱を下げる、痛みを抑える 熱、頭痛、歯痛など 肝臓に負担があるため、過剰摂取に注意する 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「再生医療」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 値段比較とコストパフォーマンス ロキソニンとカロナールの価格を比較すると、一般的にロキソニンの方がややコストがかかります。 販売店や容量によって異なりますが、ロキソニンは1箱12錠入りで約1,000円前後、カロナールは1箱12錠入りで約800円前後が相場です。 薬剤名 1箱(12錠)あたりの価格 コストパフォーマンス ロキソニン 約1,000円 やや低い カロナール 約800円 やや高い しかし、価格だけで判断せず、症状や体質、そして副作用のリスクも考慮して選ぶことが重要です。 ロキソニンは胃腸障害のリスクがあるため、胃腸の弱い方はカロナールを選ぶ方が良い場合もあります。 薬局で購入する際のポイント 市販薬を購入する際は、自己判断せず、薬剤師に相談することを強くお勧めします。 薬剤師は、あなたの症状や体質、他の薬との飲み合わせなどを考慮し、適切な薬を提案してくれます。 薬の効果や副作用、服用方法など、疑問があればどんな些細なことでも相談しましょう。 特に、妊娠中・授乳中の方、持病のある方、高齢の方は、注意が必要です。 急性痛の治療には、NSAIDs(ロキソニンなど)、アセトアミノフェン(カロナールなど)、メタミゾール、コルチコステロイドなど、様々な薬剤が使用されます。 これらの薬剤はそれぞれ異なる作用機序と臨床応用を持ち、最新の科学的エビデンスに基づいて使用されるべきです。 例えば、グラピプラントという生薬も抗炎症作用を持つことが報告されており、NSAIDsのような副作用が少ないとされています。 薬剤師や医師と相談し、ご自身の症状に最適な薬剤を選択することが重要です。 症状別のロキソニンとカロナールの効果比較 痛みは、私たちにとって非常に不快な感覚であり、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。 上手に痛み止めを選び、痛みをコントロールし、より快適な生活を送ることが可能になります。 ここでは市販薬として購入できるロキソニンとカロナールについて、どちらが効果的なのか、医師の視点から分かりやすく解説します。 頭痛に対する効果の違い ズキズキ、ガンガン、締めつけられるような…頭痛の症状は実に様々です。 片頭痛のように血管が拡張することで起こる頭痛、緊張型頭痛のように筋肉の緊張が原因となる頭痛など、その種類は多岐に渡ります。 ロキソニンは、炎症を伴う頭痛、例えば風邪に伴う頭痛や副鼻腔炎による頭痛などに高い効果があります。 一方、カロナールは、解熱鎮痛薬であり、緊張型頭痛や片頭痛など、炎症を伴わない頭痛に適しています。 筋肉痛に対する効能 筋肉痛は、身体活動後に筋肉に微細な損傷が生じることで起こります。 損傷した筋肉は炎症を起こし、発痛物質が放出されることで痛みを感じます。 ロキソニンは、こういう筋肉痛にはよく効きます。 一方、カロナールは筋肉痛への効果は限定的です。 腰痛や関節痛への効果 腰痛や関節痛の原因は多様であり、加齢による変形性関節症や、急に発症するぎっくり腰、スポーツによる外傷など、様々な要因が考えられます。 これらの痛みの原因や病態に応じて薬を選定しましょう。 ロキソニンの抗炎症作用は強く、炎症を伴う腰痛や関節痛、例えばぎっくり腰や変形性関節症などに効果があります。 変形性関節症では関節軟骨がすり減り、炎症が生じることで痛みが発生します。この時はロキソニンがよく効きます。 一方、カロナールですが、近年、変形性関節症の疼痛と機能改善において、アセトアミノフェン(カロナール)は、従来考えられていたほど効果的ではない可能性が示唆されています。 痛みが軽い場合や、ロキソニンを服用できない場合に代替薬として処方されることもありますが、ロキソニンと比較すると効果は劣る可能性があります。 ▼関節症の痛み止め「ステロイド」の使用について、併せてお読みください。 ロキソニンとカロナールの副作用と注意点 痛みや熱が出た時、身近な薬として頼りになるロキソニンとカロナール。ドラッグストアで手軽に手に入りますが、その効果の違いや副作用について正しく理解しているでしょうか? 適切な薬を選ぶことは、症状の改善を早めるだけでなく、副作用のリスクを減らすことにも繋がります。 この章では、ロキソニンとカロナールの副作用と注意点について、医師の視点から詳しく解説します。 一般的な副作用とその対処法 ロキソニン(ロキソプロフェン)は、抗炎症作用は強いのですが、副作用として腎障害に注意する必要があります。 吐き気、胃痛、胸やけといった症状が現れる可能性があり、特に空腹時に服用すると副作用が出やすいため、食後や胃を保護する薬と一緒に服用することが推奨されます。 稀に、ですが、肝機能障害や腎機能障害といった副作用を認めることがあります。 早期に分かれば、内服するのを中止すると大抵は正常に戻ります。 カロナール(アセトアミノフェン)は、解熱鎮痛薬として広く使用されており、比較的副作用が少ない薬です。 主な副作用としては、発疹やかゆみなどのアレルギー症状が挙げられます。 稀ではありますが、重症の皮膚障害である中毒性表皮壊死症やスティーブンス・ジョンソン症候群など重篤な副作用が発生する可能性も否定できません。 服用後に皮膚に異常を感じた場合は、直ちに中止してかかりつけ医に受診しましょう。 薬の種類 主な副作用 対処法 ロキソニン 吐き気、胃痛、胸やけ、肝機能障害、腎機能障害 食後に服用、胃薬と併用、症状が続く場合は医師に相談 カロナール 発疹、かゆみ、重症の皮膚障害 服用を中止し医師に相談 また、2歳未満の乳幼児における発熱や疼痛に対する使用については、イブプロフェン(ロキソニンの成分)の方がアセトアミノフェン(カロナールの成分)よりも効果が高いという研究結果も出ています。 24時間以内の体温低下と疼痛軽減効果において、イブプロフェンの優位性が示されています。 ただし、重篤な副作用はどちらの薬も稀であり、安全性は同等と考えられています。 妊娠中・授乳中の服用に関する注意事項 妊娠中や授乳中の薬の服用は、胎児や乳児への影響を考慮する必要があります。 ロキソニンは、妊娠後期に服用すると、胎児の動脈管収縮や陣痛抑制といった影響を及ぼす可能性があるため、服用は避けるべきです。 特に妊娠32週以降は、早産や胎児への影響のリスクが高まるため、ロキソニンを含むNSAIDsの使用は禁忌とされています。 カロナールは、妊娠中や授乳中に服用しても比較的安全とされています。 ただし、あくまで「比較的」安全であるというだけで、全く影響がないわけではありません。 他の薬との飲み合わせについて ロキソニンやカロナールは、他の薬と一緒に飲むことで、抗炎症作用の効果が落ちたり、副作用が強くなることがあります。 特に、ワーファリンなどの血液をサラサラにする薬や、喘息治療薬、一部の抗うつ薬などとの飲み合わせには注意が必要です。 ▼薬とフルーツの飲み合わせについて、併せてお読みください。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「再生医療」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 参考文献 Tan E, Braithwaite I, McKinlay CJD, Dalziel SR. "Comparison of Acetaminophen (Paracetamol) With Ibuprofen for Treatment of Fever or Pain in Children Younger Than 2 Years: A Systematic Review and Meta-analysis." JAMA network open 3, no. 10 (2020): e2022398. Richard MJ, Driban JB, McAlindon TE. "Pharmaceutical treatment of osteoarthritis." Osteoarthritis and cartilage 31, no. 4 (2023): 458-466. Antiinflammatory Drugs.
2025.02.01 -
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- 頭部
症状はないのに 健康診断で「軽い脳梗塞の症状がある」と言われて不安になっていませんか。 自覚症状がなくピンとこないかもしれませんが、無症状性脳梗塞とも呼ばれ、将来的に重篤な脳梗塞を引き起こすリスクもあります。 早急に大きな治療の必要はありませんが、放置すると重い脳梗塞や認知症のリスクを高める可能性があります。 今は大丈夫でも将来どうなるのだろうか不安だったり、急に倒れたり麻痺が出たりしないか心配な方に知っていただきたいのが、再生医療という最先端の医療です。 当院「リペアセルクリニック」は、脳梗塞の後遺症改善や再発予防として再生医療を提供しており、患者さまの将来の健康を守るためのサポートに力を入れています。 \リペアセルクリニック坂本理事長のコメント/ 再生医療は軽微な脳卒中に効果が期待できますが、一定期間が経過している場合も同様です。 脳梗塞の症状に関する再生医療についてよく聞かれるのが、発症してすぐに治療しないと効かないでしょう?というものです。 その答えとして、もちろん早期の方が効果は高いですが、10年以上経過した方でも驚くべき改善を認める例はたくさんあります。 「今はまだ大丈夫」ではなく、今からの予防や対策将来の健康につながります。 現在リペアセルクリニックでは、再生医療や脳卒中の症例について詳しく解説しているガイドブックをLINEにて配布していますので、もしもの時に備えてご活用ください。 ▼再生医療による脳梗塞の改善事例を無料で公開中! 症状が軽い脳梗塞は「無症候性脳梗塞」と呼ばれる 脳梗塞の中でも、比較的症状が軽い場合は「無症候性脳梗塞」に分類されます。 無症候性脳梗塞は、症状があらわれないまたは非常に軽微なものにとどまることが特徴です。 そのため患者自身が脳梗塞に気づかず、健康診断やCT・MRIなどの検査で偶然発見されることも多いです。 無症候性脳梗塞は早急な手術は必須ではないものの、将来的に重篤な脳梗塞を引き起こすリスクが高まります。早期の発見と治療により、悪化のリスクを大幅に低減できるでしょう。 無症候性脳梗塞の多くは「ラクナ梗塞」 脳梗塞は、主に以下の3種類に分類されます。この中でも、無症候性脳梗塞の主な原因となるのが「ラクナ梗塞」です。 脳梗塞の種類 特徴 原因 ラクナ梗塞 小さな血管が詰まる 高血圧・動脈硬化 心原性脳梗塞 心臓から血栓が飛び血管が詰まる 心房細動・心疾患 アテローム血栓性脳梗塞 コレステロールが沈着し大きな血管が詰まる 高脂血症・動脈硬化 無症候性脳梗塞の大部分を占めるラクナ梗塞は、比較的軽度な症状が特徴です。 ただし、放置すると脳梗塞の再発や悪化のリスクがあります。診断を受けた際は早期に適切な治療を受けましょう。 脳梗塞の原因と種類について詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にしていただければ幸いです。 また、 ラクナ梗塞と診断された方、脳梗塞の再発や悪化が心配な方は当院の公式LINEにご登録ください。 脳梗塞の種類や治療法、予防策など、役立つ情報をLINE限定で配信しています。 ▼脳梗塞に効果が期待できる再生医療のガイドブックを配信中 >>【無料】公式LINEはこちら ほとんどは「検査」によって見つかる 無症候性脳梗塞は、自覚症状がほとんどなく、検査によって発見されることが一般的です。 そのため、定期的な健康診断やMR・CTなどの画像検査を受けることが早期発見のポイントとなります。 無症候性脳梗塞は、発見が遅れるほど治療が難しくなる可能性があります。 定期的な検査を行い、早期発見を心がけましょう。 無症候性脳梗塞は「早期発見」で治る 無症候性脳梗塞は、速やかに適切な治療を受けることが大切です。 血流が途絶えていた部分が回復して脳機能が正常に戻り、後遺症を残さずに治癒できる可能性があります。 また、無症候性脳梗塞のような軽症の場合、入院期間は約1カ月前後であることが多いです。 脳梗塞の範囲が狭く、早期に発見された場合は、さらに短期間での改善が見込まれます。 ただし、治療には悪化防止のため定期的な通院が必要です。こまめの受診を怠らないようにしましょう。 軽い脳梗塞の3つの前兆・前触れ 脳梗塞の初期症状は、軽度であっても見逃がさないことが早期発見のポイントとなります。 以下の3つの症状は、脳梗塞の前兆としてあらわれることが多い症状です。 脳梗塞の前兆 症状例 備考 言語障害 上手に会話できない 他の人の話が理解できない 繰り返される場合は注意が必要である 顔面麻痺 片側の顔が垂れさがる 笑うと左右が不自然に非対称になる 突然症状があらわれた場合は脳梗塞の疑いがある 腕の麻痺 片方の腕や手が突然力を失う しびれを感じる 一時的な症状でも脳梗塞の前兆である可能性が高い これらの症状があらわれたら、自覚症状が軽い場合でも速やかに受診しましょう。 症状軽い脳梗塞が起こる4つの原因 症状が軽い脳梗塞の原因として、以下の4つがあげられます。(文献1) 高血圧症 コレステロール症 糖尿病 心房細動 上記の疾患の治療を医師の指示どおり受けることで、無症候性脳梗塞の予防につながります。該当する方は、まずは持病の改善に努めましょう。 1.高血圧症 高血圧症は、脳梗塞の比較的多い原因のひとつです。 血圧が高い状態が続くと、脳の血管が収縮して血流が滞ります。 この状態が続くと血栓が発生しやすくなり、脳梗塞を引き起こす可能性が高まります。 そのため、治療により血圧を正常値までコントロールすることが大切です。 高血圧を予防または治療するためには、減塩や運動習慣の改善、病院での適切な治療が必要です。 2.コレステロール症 コレステロール値が高い状態が続くと、血管が硬くなる「動脈硬化」を進行させて脳梗塞のリスクが高まります。(文献2) とくに悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が高い場合、血管内に脂肪の塊が形成されやすくなります。 血管が詰まり脳梗塞の原因となるため、コレステロールを減らす治療が必要です。 脂肪分の高い食生活の改善や定期的な運動、必要に応じて薬物治療を受けることで、脳梗塞の予防につながります。 3.糖尿病 血糖値が高い状態が長期間続くと血管にダメージを与え、血液がドロドロになりやすくなります。 高血糖状態が血栓形成のリスクを高め、脳梗塞を引き起こす原因となります。 そのため、糖尿病の治療を確実に行うことが脳梗塞の予防につながるのです。 糖尿病をコントロールするには、食事療法や運動、血糖値を安定させるための薬物治療に専念しましょう。 4.心房細動 心房細動は、心臓のリズムが乱れることで心房が不規則に収縮する病気です。 心房細動により血液が滞ることで、血栓が形成されやすくなります。 形成された血栓が脳に到達すると、脳梗塞になる可能性も考えられるでしょう。 心房細動をはじめとする心臓の病気からくる脳梗塞は「心原性脳梗塞」と呼ばれています。 専門医の指導のもと心房細動を治療することが、心原性脳梗塞の予防につながります。 症状軽い脳梗塞こそ早めの治療が大切!3つの予防・対策法 軽度の脳梗塞のうちにできる予防策は、以下の3つです。 食事や運動の改善 禁煙 抗凝固薬の使用 専門医の指示のもとで、適切な治療を受けて悪化を防ぎましょう。 1.食事・運動の改善 不健康な食生活や運動習慣がないことは、高血圧や高コレステロール血症の原因となり、脳梗塞の発症リスクを上げる可能性があります。 そのため、食事や運動の改善は脳梗塞の予防に効果的と言えるでしょう。 以下のような工夫をして、生活習慣の改善を心がけてみてください。 野菜を中心とした食事を意識する ウォーキングやストレッチを日常生活に取り入れる 脳梗塞の予防に大切な食事のポイントについて詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にしていただければ幸いです。 2.禁煙 タバコは脳の病気に限らず、全身に悪影響を及ぼします。 喫煙は脳梗塞のリスクを著しく高める要因のひとつです。タバコの煙が血管を収縮させ、脳梗塞のリスクを高めます。 そのため、禁煙は脳梗塞の予防に効果的です。 自力での禁煙が難しい方は、禁煙外来のような専門機関を活用する方法もあります。 脳梗塞を防ぐためにも、タバコを止めるようにしましょう。 3.抗凝固薬の使用 医師の判断によっては、脳梗塞の再発防止の目的で抗凝固薬が使用される場合があります。 抗凝固薬は血液をサラサラにし、血栓による血管の狭窄を予防できます。 そのため抗凝固薬が処方された方は、医師の指示に従い正しく服用することが大切です。 なお、副作用や個人の体調に応じて使用方法が異なります。 抗凝固薬で副作用があらわれた場合は必ず医師に相談しましょう。 ▼LINEでしか見られない情報を配信中 >>公式LINE限定で脳卒中の症例や再生医療の情報を配信中! すぐに受診すべき脳梗塞の症状は「FAST」 脳梗塞の初期症状は「FAST」で覚えましょう。 「FAST」は、以下の4つの要素です。 F(Face: 顔) 顔面麻痺 A(Arm: 腕) 腕の麻痺 S(Speech: 言葉) 言語障害 T(Time: 時間) 発症時刻 脳梗塞の治療は「時間」が重要です。迅速な処置でその後の経過を大きく左右します。 FASTの症状があらわれたら、すぐに受診しましょう。 脳梗塞の前兆について詳しく知りたい方は、下記のコラムを参考にしていただけますと幸いです。 まとめ|脳梗塞は症状軽いうちに適切な検査・治療をしましょう 無症候性脳梗塞のような軽い脳梗塞は、無症状であったとしても後々悪化するリスクがあります。 早めの段階で適切な検査や治療を受けることで、脳梗塞のリスクが低減できるでしょう。 症状が軽いからと侮らずに、定期的な検査や受診を行うようにしてください。 当院「リペアセルクリニック」では、脳梗塞の後遺症改善や再発予防として再生医療を行っています。 最先端医療として効果が期待できる再生医療について、今ならLINE限定で無料のガイドブックを提供していますので、この機会により脳梗塞について詳しく知りましょう。 ▼LINE限定のガイドブックを無料でプレゼント! >>【無料】公式LINE限定の再生医療ガイドブックはこちら 症状軽い脳梗塞についてよくある質問 症状軽い脳梗塞は入院になりますか? 医師の判断により、発症の程度や合併症の有無を加味して入院を促される場合もあります。 とくに心房細動のような脳梗塞の引き金となる病気を持つ方の場合、予防もかねて入院が推奨されるケースがあるでしょう。 一方、症状が非常に軽い場合や基礎疾患がない場合は、通院による治療が選ばれる場合があります。 いずれにしても、医師の判断に従いましょう。 脳梗塞の治療法について詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にしていただけますと幸いです。 症状軽い脳梗塞を放置するとどうなりますか? 緊急の手術や治療は必須ではないものの、軽い脳梗塞の放置で、将来的に脳血管障害の進行や脳梗塞の再発、さらには認知症になるリスクが高まります。 そのため、脳梗塞が軽度の段階で早期発見と生活習慣の改善が大切です。 日常の習慣を見直し、医師の指導のもとで定期的な治療・検査を受けましょう。 参考文献一覧 (文献1) 四條克倫.脳卒中ガイドライン 2021(改訂 2023). 日大医誌 82 (6): 325–332 (2023) ,p325-33 (文献2) 有屋田 健一. 動脈硬化(どうみゃくこうか). e-ヘルスネット(厚生労働省)2024.7.18. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-082.html,2024.12.26.
2025.01.24 -
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「陳旧性脳梗塞(ちんきゅうせいのうこうそく)と言われたけど、手術や治療は必要ないの?」「後遺症が出ないか心配......。」 陳旧性脳梗塞という病名が聞き慣れず、治療の必要性や再発リスクについて不安になる方も多いのではないでしょうか。 陳旧性脳梗塞とは「脳梗塞の痕」です。くも膜下出血や急性の脳梗塞のように早急の治療を行うことは少ないものの、再発するリスクが高いため、定期通院が必要となる場合もあります。 本記事では、陳旧性脳梗塞について詳しく解説します。本記事を参考に、陳旧性脳梗塞の診断後も再発予防に努めて健康寿命を延ばしましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、脳梗塞の後遺症改善や再発予防として再生医療を行っています。 気になる方は、当院の「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 陳旧性脳梗塞とは「脳梗塞になった痕」 陳旧性脳梗塞とは、いわゆる「脳梗塞」が起こった痕跡が脳内にある状態です。 脳梗塞が起こった部位の血管が詰まると、血流が止まります。その結果、脳細胞がダメージを受けて意識障害や麻痺など重篤な症状があらわれるのです。 適切な治療や時間の経過によって血流は回復する可能性もありますが、ダメージを受けた部分は脳内に痕跡として残ります。この状態が画像検査によって確認されるものが「陳旧性脳梗塞」です。 陳旧性脳梗塞は無症状のまま気づかれないケースもあり、健康診断や別の病気の検査中に偶然発見される場合があります。無症状であっても脳梗塞の再発リスクがあるため、注意が必要です。 定期的な検査や予防に努めることで、再発のリスクを低減できるでしょう。 陳旧性脳梗塞はCTとMRIでわかる 陳旧性脳梗塞は、画像診断技術で過去に脳梗塞を発症した痕跡を確認できます。とくにCTやMRIといった画像検査では、陳旧性脳梗塞の有無や程度が把握できるため、定期的な検査が大切です。 どちらにも特徴があり、両方の画像検査を受けることで正確に陳旧性脳梗塞があるかどうかがわかります。 本章で違いを把握し、定期的な検査を受けるようにしましょう。 MRI MRI(磁気共鳴画像)では、磁場と電波を利用して撮影します。脳内の詳細な構造がわかり、CTでは見逃されやすい小さな病変も検出可能です。 とくに、陳旧性脳梗塞による脳の損傷やその周辺の変化を高解像度で観察できる点が特徴です。MRIは、陳旧性脳梗塞の診断には欠かせないツールと言えるでしょう。 ただし、MRI検査ができる方には制限があります。 体内に金属が埋め込まれている 閉所恐怖症である 上記に該当する方はMRI診断を受けられないため、必ず医師に申し出ましょう。 CT CT(コンピュータ断層撮影)は、主にX線を使用して脳の断面を撮影する検査方法です。検査時間が10〜30分前後と比較的短く、高齢者や緊急性の高い状況ではすぐに診断できる手段として活用されています。 陳旧性脳梗塞の痕跡がCT画像に写ることがあるものの、新しい脳梗塞や小さな病変はCTで見つけにくい場合があります。そのため、MRIと併用で使用される場合が多いです。 陳旧性脳梗塞の主な原因は生活習慣病!今からできる予防法3選 陳旧性脳梗塞の主な原因は生活習慣病です。 基礎疾患の治療はもちろんのこと、以下3つの方法で生活習慣病や脳梗塞の予防ができます。 禁煙 減塩食や低脂質食 こまめの水分補給 上記を参考にして、今から陳旧性脳梗塞の予防を心がけましょう。 禁煙する 喫煙は脳梗塞の大きなリスク要因のひとつであるため、禁煙してリスクを低減することが大切です。 タバコの煙に含まれる有害物質には血管を傷つけ、血管が硬くなる「動脈硬化」の悪化や血管を狭める作用があります。また、喫煙は血の塊を作りやすい作用があるため、脳梗塞のリスクを高めるのです。 自力での禁煙が難しい方は、専門医に相談の上で禁煙外来の受診を考えましょう。 減塩食・低脂質食を心がける 塩分の過剰摂取は血圧を上昇させ、高血圧や脳梗塞のリスクを高めます。また、高脂質の食事は血中のコレステロール値を上げ、血管内に脂の塊を作る要因です。 脂質の高い食事を繰り返すことで、動脈硬化を進行させ脳梗塞のリスクが高まります。脳梗塞を予防するためには、減塩を意識した食事や脂質を控えた食事を心がけることが大切です。 今から予防できる食生活の改善方法の一例として、以下のような方法があります。 カリウムが豊富な食材(バナナやホウレン草など)を取り入れる 減塩タイプの調味料に切り替える 蒸す・ゆでるなど油の使わない方法で調理する 脂質の少ない食材(鶏ささみや白身魚など)を取り入れる 食事の改善が脳梗塞の予防につながります。今から食生活を見直してみてください。 こまめに水分補給をする 脱水症状は血液を濃縮させ、血栓ができやすい状態を作ります。そのため、こまめな水分補給を行うことで、血液の循環を促進して血栓の予防につながります。 とくに高齢者や糖尿病の方は脱水になりやすいため、意識的に水分を摂りましょう。 水分補給のポイントは、一日を通して少量ずつ水を飲むことです。飲み物としては水や無糖のお茶を選ぶようにしましょう。 陳旧性脳梗塞における病院での治療法 陳旧性脳梗塞の診断を受けた後は、以下のような脳梗塞の再発予防のための治療を行う場合があります。 定期的な検査 抗凝固薬の使用 リハビリ 専門医の指導のもと、適切な治療を受けて脳梗塞の再発予防に努めましょう。 1. 定期的な検査 陳旧性脳梗塞は、無症状であっても新たな脳梗塞や脳出血を引き起こすリスクを伴います。そのため、定期的な検査を受けて脳の状態を確認することが予防のポイントです。 継続して再発がないか定期的に検査することで、新しい症状やリスク因子を早期に発見・治療を行えます。 医師の指示があった際は、定期的な検査を怠らないように注意が必要です。 2. 抗凝固薬の使用 血管が再び詰まるのを防ぐために、必要に応じて抗凝固薬が処方されることがあります。 抗凝固薬は血液を固まりにくくして血栓の形成を防ぎ、脳梗塞の再発リスクを低減する効果が期待できます。 ただし、抗凝固薬の使用により副作用が出るリスクも否定できません。そのため、治療は医師の指示に基づいて行われ、副作用の有無を確認しながら調整される場合が多いです。 抗凝固薬が処方された際は用法を守って服用し、副作用があらわれたら早めに医師へ相談するようにしましょう。 3. リハビリ 陳旧性脳梗塞の後遺症が残っている場合、以下のようなリハビリが必要となります。 リハビリの方法 内容 運動療法 麻痺した部分を動かせるようになるための訓練 言語療法 発症前のように会話ができるようになるための訓練 作業療法 日常生活で必要な行動をひとりで行えるようになるための訓練 リハビリをつづけることで、後遺症を最小限に抑えられることが期待されます。 脳梗塞の後遺症を改善するリハビリについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしていただければ幸いです。 まとめ|陳旧性脳梗塞後は病院の治療や検査で再発予防しましょう 陳旧性脳梗塞は過去に発症した脳梗塞の痕跡であることを解説しました。 無症状であっても脳梗塞の再発は伴うため、予防に努めることが大切です。 専門医の指導のもと、定期的な検査や適切な治療・生活習慣の見直しで脳梗塞の再発を予防しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、脳梗塞の後遺症改善や再発予防として再生医療を行っています。 気になる方は、当院の「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 メール相談 オンラインカウンセリング 陳旧性脳梗塞についてよくある質問 脳梗塞でも長生きできますか? 脳梗塞を経験しても、適切な治療と予防を行うことで、健康寿命を延ばすことが期待できます。 とくに早期の治療や定期的なリハビリの継続により、症状が改善するケースが多いです。 脳梗塞の診断を受けた後は定期的な通院とリハビリを欠かせないようにしましょう。 また、脳梗塞と似ている脳の病気として、くも膜下出血が知られています。 くも膜下出血の10年後の生存率について詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にしていただければ幸いです。 再検査や大きな治療は必要ですか? 陳旧性脳梗塞そのものに対して手術などの大きな治療が行われることは少ないものの、再発予防のために定期的な通院が大切です。 脳の状態を継続的に確認することで、新たにできた脳梗塞を早めに発見・治療ができます。 また、生活習慣病の治療も脳梗塞の再発防止に重要です。 生活習慣病を患っている方は、持病の治療に専念して脳梗塞の予防に努めましょう。
2025.01.24 -
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- 頭部
目の奥の痛みを感じてインターネットで検索すると「脳梗塞の前兆で目の奥が痛むことがある」という情報を見かけることもあるかもしれません。 一般的な眼精疲労の症状なのか、重大な病気の前兆なのか見分けがつかず、不安になる人もいるでしょう。 結論からいえば、ごく稀に脳梗塞をはじめとする脳の病気の初期症状として目の奥の痛みが出る場合があります。 ただし、ほとんどの場合は目の病気が原因です。目を休めて痛みが緩和される場合は、眼精疲労やドライアイなどの目の病気の可能性が高いと考えられるでしょう。 本記事では、脳梗塞からくる目の症状や、目の病気との見分け方について解説します。 本記事を参考に、目の奥の痛みの原因から適切な対処をとれるようになりましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、人体にもともとある「幹細胞」を利用した再生医療により、脳梗塞の治療が可能です。 メールやオンラインでの無料カウンセリングも実施しているので、気になる方はぜひ当院までご連絡ください。 「我慢できないほど目の奥が痛い」ときは脳梗塞の疑いもある 目の奥が痛む原因の多くは目の病気からくるものですが、我慢できないほどの痛みの場合は脳梗塞の疑いも否定できません。 本章では、一過性脳虚血発作(TIA)と脳梗塞の初期症状としてあらわれる目の症状について解説します。 目の奥の痛みは脳梗塞の「一過性脳虚血発作(TIA)」の可能性 目の奥の痛みが脳梗塞の初期症状としてあらわれる場合、一過性脳虚血発作(TIA)の可能性があります。 一過性脳虚血発作(TIA)とは、脳の血流が一時的に止まる状態です。一定時間脳梗塞のような手足のしびれやろれつが回らないなどの症状が続いたあと、多くは24時間以内に回復することが特徴です。(文献1) TIAは「脳梗塞の前兆」とも言われており、症状が回復しても早期に脳梗塞に移行するリスクが高いといわれています。 目の奥の痛みとともに手足のしびれや見えにくさも同時にある場合、一時的なものであっても脳神経外科や眼科での検査をおすすめします。 脳梗塞の原因と種類を詳しく知りたい方は、以下のコラムも参考にしてください。 脳梗塞が疑われる目の症状 脳梗塞が疑われる目の症状は、目の奥の痛みだけではありません。以下のような目の症状も、脳梗塞の初期症状としてあらわれる可能性があります。 症状 特徴 複視 物が二重に見える 視野欠損症 視界の一部が見えなくなる状態。 飛蚊症と間違われやすい 眼瞼下垂 瞼が垂れ下がってくる 視力障害 視界が白くぼやける 脳梗塞の前兆を詳しく知りたい方は、以下のコラムも参考にしてください。 脳梗塞と眼の病気の見分け方は「しびれ・麻痺があるか」 目の奥の痛みが脳梗塞によるものか、目の病気によるものかを判断するには「しびれや麻痺などの症状の有無」の確認が大切です。 脳梗塞の初期症状として、麻痺やろれつが回らないなどが脳梗塞の初期症状としてあげられます。一方で症状が軽度かつ痛みが目のみである場合は、眼精疲労やドライアイなど眼科の病気である可能性が高いです。 麻痺や言語障害がある場合は早急に救急車を呼び、軽い目の痛みのみの場合は眼科を受診しましょう。 目の奥が痛いのは「眼の病気」が多い! 目の奥が痛む原因は、脳梗塞より目の病気による場合が多いです。 代表的な目の病気として以下3つがあげられます。 眼精疲労 ドライアイ 視神経炎 特徴を詳しく知り、症状がつらい場合は眼科の受診も検討しましょう。 1:眼精疲労 眼精疲労は、目を酷使することで痛みやかすみなどを感じる症状です。眼精疲労でも目の奥が痛くなる可能性があります。 主に長時間のパソコンやスマートフォンの長時間使用が原因であるとされています。コンピュータを使用する50%以上が眼精疲労になる報告もあり、近年増えている病気です。(文献2) 眼精疲労かもしれないと感じた方は、こまめに画面から目を離して休めるようにしましょう。 2:ドライアイ ドライアイは涙の分泌不足や涙の質が原因で、目の表面が乾き痛みや不快感を伴う病気です。 原因はさまざまですが、以下がドライアイになる一因としてあげられます。 部屋の湿度が低い エアコンやストーブの使用 パソコンやスマートフォンの長時間使用 とくにパソコンやスマートフォンの使用によりまばたきの回数が減り、ドライアイになるリスクがあります。 ドライアイが疑われる場合は、意識的にまばたきの回数を増やす、加湿するなど対策を行って目の乾燥を防ぎましょう。 セルフケアにて症状が改善しない場合は、眼科を受診してみてください。 3:視神経炎 視神経炎は、目の神経の炎症により目の奥に痛みや視覚の異常があらわれる病気です。 自己免疫疾患の症状のひとつとしてあらわれる場合が多く、目を動かしたときに強い痛みを感じる場合もあります。(文献2) 視神経炎はセルフケアでは治りにくく、病院での治療が必要です。視神経炎が疑われる場合は、早期に眼科で検査を受けるようにしましょう。 目の奥が痛いときに効果的な対処法3選 目の奥が痛いときに効果的な対処法として、以下の3つがあります。 目を閉じて休める 目を温める 症状に合った目薬を使用する 「麻痺」や「言語障害」など、脳梗塞の症状がない目の奥の痛みの場合は、本章で紹介する方法を試してみてください。 1:目を閉じて休める 目の使いすぎによる眼精疲労やドライアイが原因である場合は、目を閉じて休めると、痛みの軽減が期待できるでしょう。 仕事などでどうしても画面を長時間見なければならない方は、1時間ごとに数分間目を閉じてこまめに休めると効果的です。 とくに長時間パソコンを使うデスクワーカーや普段スマホを使用する方は、意識してこまめに目を閉じて休めましょう。 目を閉じて休めても改善が見られない場合は、眼科の受診を検討してください。 2:目を温める 眼精疲労やドライアイが原因で目の痛みが表れている場合は、以下のような方法で目を温めてみてください。 蒸しタオルを目元にのせる ホットアイマスクを使用する 入浴時に温かいシャワーを目元に優しく当てる 目を温めると血行が促進され、目の筋肉が緩むため目の痛みの緩和が期待できるためおすすめです。 ただし、目が充血している場合は炎症が起こっている可能性があります。温めると悪化するリスクがあるため、充血時は冷やして様子を見ましょう。 3:症状に合った目薬を使用する 目の奥の痛みの原因がわかっている場合は、症状に合った目薬を使用してみても良いかもしれません。 たとえば、眼精疲労が原因であれば疲れ目に効果のある成分が含まれた目薬を、ドライアイの場合は潤い成分が含まれた目薬が効果的です。市販の目薬もあるため、ドラッグストアで探してみてください。 ただし、症状に適した目薬がわからなかったり、市販の目薬を数日使用しても改善されなかったりする場合は、眼科を受診するようにしてください。 まとめ|目の奥が痛い症状から脳梗塞を早期発見しましょう 目の奥の痛みが激しい、手足の麻痺やろれつが回らないなどいつもと違う症状があると脳梗塞の疑いがあります。目の奥の痛み以外の症状に目を向けて、脳梗塞の疑いがある場合は早めに受診するようにしましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、人体にもともとある「幹細胞」を利用した再生医療により、脳梗塞の後遺症や再発予防に効果が期待できる治療を行っています。 メールやオンラインでの無料カウンセリングも実施しているので、気になる方はぜひ当院までご連絡ください。 目の奥が痛い症状についてよくある質問 頭痛でも目の奥が痛くなりますか? 以下の頭痛により目の奥が痛くなる可能性があります。 片頭痛 緊張型頭痛 群発頭痛 上記は、目の周囲の神経に異常をきたして頭や目の痛みが生じている可能性があります。頭痛と目の奥の痛みが頻繁に続く場合は一度頭痛専門外来に相談してみると良いでしょう。 頭が痛いときの対処法について詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にしてください。 目の奥が痛い症状が出る危険な病気はありますか? 脳梗塞以外にも、以下のような重篤な病気の前兆として目の奥が痛い症状があらわれる可能性があります。 くも膜下出血 脳出血 急性閉塞性緑内障 脳腫瘍 など 脳梗塞と同様、上記の病気は目の奥の痛みに加えて視力低下や意識障害などの症状を伴う場合が多いです。 激しい目の奥の痛みが続いたり、他の症状も伴う場合は医療機関で検査を受けるようにしましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による脳梗塞の治療を行っています。詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。 参考文献一覧 文献1 Levy, D. E. (1988). How transient are transient ischemic attacks? Neurology, 38(5), 674. 文献2 Sheppard, A.L., & Wolffsohn, J.S. (2018). Digital eye strain: prevalence, measurement and amelioration. BMJ Open Ophthalmology, 3.
2025.01.24 -
- 脳梗塞
- 頭部
こめかみの痛みが続き「脳梗塞だったらどうしよう……」と悩んでいませんか。 こめかみは脳にも近い部位であり、大きな病気なのではないかと不安になりますよね。 結論、こめかみが痛いだけであれば、脳梗塞の可能性は低く、偏頭痛や緊張性頭痛といった「一時性頭痛」である可能性が高いです。 ただし、会話ができない症状や手足のしびれも伴う場合は、脳梗塞の可能性も否定できません。こめかみの痛み以外の症状もみられる場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。 本記事では、こめかみの痛みや原因、脳梗塞の関係性や受診のサインについて詳しく解説します。 記事を参考に、自分のこめかみの痛みが脳梗塞の症状なのかを見極め、受診すべきかどうか検討しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、脳梗塞の後遺症改善や再発予防として再生医療を行っています。可能です。 メール相談またはオンラインカウンセリング にて無料相談を受け付けています。気になる方はお気軽にご相談ください。 こめかみが痛いだけなら脳梗塞の可能性は少ない こめかみが痛む原因の多くは、偏頭痛や緊張型頭痛などの「一次性頭痛」と呼ばれるものです。 脳梗塞による頭痛(二次性頭痛)が発生する場合手足のしびれやろれつが回らないなど他の症状もあらわれることが多くあります。 よって「こめかみが痛い」のみの症状の場合は脳梗塞を強く疑う必要はありません。 ただし症状の程度や頻度によっては注意が必要です。 普段よりも激しい頭痛の場合は、脳梗塞の可能性も否定できないため、すぐに受診するようにしてください。 脳梗塞の前兆について詳しく知りたい方は、以下のコラムも参考にしていただけると幸いです。 こめかみが痛くなる主な原因3つ こめかみが痛くなる主な原因は、以下の3つです。(文献1) 偏頭痛 緊張型頭痛 群発頭痛 頭痛のタイプによって原因が異なるため、それぞれの症状や特徴を知り、自分の頭痛が上記にあてはまるかどうか確認してみてください。 1:ズキズキ痛む「偏頭痛」 偏頭痛の特徴は、頭の片側が脈に合わせて「ズキズキ」と痛む症状です。 偏頭痛の一因として、以下があげられます。 ストレス 睡眠不足 ホルモンバランスの乱れ など 光や音などが刺激となり、脳血管が急激に拡張することで周辺の神経を刺激して痛みが起こります。痛みの悪化により吐き気が伴う場合も考えられるでしょう。 また、偏頭痛が脳血管疾患の中でも頻度の高い症状です(文献2)。 こめかみがズキズキするタイプの方は、まずは安静にして様子を見るようにしましょう。 痛みが強い場合は鎮痛剤の使用で改善も期待できます。 2:ギューッと痛む「緊張型頭痛」 こめかみがギューッと締め付けられるような痛みの場合は「緊張型頭痛」が考えられます。 緊張型頭痛は肩や首の筋肉が凝り固まって血流が悪くなることで引き起こされます。 とくに現代はパソコンやスマートフォンの長時間使用で緊張性頭痛が誘発されるケースが多く見られます。 長時間下を向いたり、パソコン作業をする姿勢が悪かったりすると緊張型頭痛が起こる原因になりかねません。 頭痛と一緒に肩や首のコリも感じる方は、ストレッチやマッサージなどを定期的に行いましょう。 3:激しい痛みが繰り返される「群発頭痛」 こめかみ目の奥に我慢できないほど強い痛みが繰り返される場合は「群発頭痛」の疑いがあります。 群発頭痛は、数週間から数カ月にわたり毎日同じ時間帯に繰り返し生じる特徴的な頭痛です。 また、以下の症状を伴うケースも多く見られます。(文献3 ) 目の充血 鼻づまり 発汗 まぶたの腫れ など 群発頭痛の原因は明確になっていませんが、脳神経や血管の異常が原因との諸説もあります。(文献1) セルフケアのみでの改善は困難なため、群発頭痛の可能性がある場合は、早めに専門医を受診して適切な治療を受けましょう。 こめかみの痛みだけじゃない!脳梗塞の可能性がある症状 こめかみの痛みが脳梗塞のサインである場合、以下のような他の症状を伴うことが多いです。 手足のしびれ ふらつき ろれつが回らない 嘔吐 目が見えにくい 顔の片側が動かしにくい など 偏頭痛のような一次性頭痛は神経や筋肉の異常が原因で起こります。 一方で二次性頭痛は脳梗塞のような他の病気が原因で引き起こされます。 一時性頭痛と二次性頭痛の違いや見分け方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。 【要チェック】脳梗塞になりやすい人の特徴 脳梗塞になりやすい人の特徴として、以下6つがあげられます。 1.血圧高い人 2.血糖値が高い人 3.コレステロール・中性脂肪が高い人 4.心臓の病気を持っている人 5.腎臓の病気を持っている人 6.肥満体質の人 上記が引き金となり、脳梗塞にかかるリスクがあります。 該当する方は、脳梗塞のリスクがあることを理解して、治療に専念しましょう。 1:血圧が高い人 高血圧は脳梗塞を引き起こしやすい要素の1つです。 血圧が高いと血管が傷つき、血のかたまり(血栓)ができやすくなります。 できた血栓が脳血管を詰まらせると、脳梗塞を引き起こすリスクがあります。 血圧の上昇を防ぐためには、以下のような基本的な生活習慣の見直しが大切です。 塩分控えめの食事を摂る 定期的な運動を行う 飲酒や喫煙を控える これらを日常で心がけると、血圧が正常値に近づき、脳梗塞のリスクの低減も期待できます。 高血圧症の治療を行っている場合は、専門医の指示のもとで適切な治療を継続しましょう。 2:血糖値が高い人 生活習慣病のひとつである「糖尿病」も脳梗塞のリスクを高めます。 血糖値が高い状態が続くと、血管が硬くなり(動脈硬化)、血流が妨げられます。 その結果脳梗塞のリスクが上がるため、糖尿病の方は血糖値の改善が大切です。 主に血液検査の項目にある「HbA1c」により治療の可否を判断する場合が多いです。 「HbA1c」の目標値は以下のとおりです。(文献4) HbA1cの目標 HbA1c(%) 血糖値の正常化 6.0未満 合併症予防 7.0未満 治療が困難な場合 8.0未満 血糖値を正常に保つためには生活習慣を整えるほか、専門医の指示に従って治療薬を継続することが大切です。 3:コレステロール・中性脂肪が高い人 悪玉コレステロール(LDLコレステロール)と中性脂肪(TG)の数値が高い人も注意が必要です。 血液中のコレステロールや中性脂肪が増加すると、血管内に脂質が蓄積され、血管が詰まりやすくなります。その結果、脳梗塞になる可能性も否定できません。 とくに以下の脳梗塞がコレステロール・中性脂肪の高値が原因となり、引き起こされます。(文献5) 脳梗塞の種類 詳細 アテローム血栓性脳梗塞 大きな脳血管が詰まる ラクナ梗塞 細い脳血管が詰まる 健康診断でコレステロールの数値を指摘された場合は、食生活の改善や定期的な運動を行いましょう。 4:心臓の病気を持っている人 心房細動や心筋梗塞などの心臓の病気を持っている人も、脳梗塞のリスクが高いといえます。 心臓の病気により、通常は一定のリズムで動いている心臓が不規則になると、血栓ができやすくなります。 この血栓が脳血管に詰まることで脳梗塞を引き起こすのです。 心臓の病気が原因で起こる「心原性脳梗塞」は、脳梗塞の中でも最も重症と言われています。そのため、早期の心臓病の治療や予防が大切です。 専門医により適切な治療を行えば、脳梗塞になるリスクを半数以上減らせることがわかっています。心臓の病気の治療中の方は、定期的な受診と治療を怠らないようにしましょう。 5:腎臓の病気を持っている人 慢性腎臓病(CKD)の人は、脳梗塞のリスクが高くなります。(文献6) 腎臓の機能が低下すると血圧コントロールや老廃物の排出ができなくなり、血管に負担がかかります。そのため、動脈硬化が進行し、脳梗塞のリスクを高めるのです。 腎機能の指標となる数値(糸球体ろ過率:GFR)の低下やタンパク質尿の存在も脳卒中の発症リスクを高める要因です。 腎臓病と診断された方は、専門医の指示で塩分控えめの食事や血圧管理など悪化を防ぎましょう。 6:肥満体質の人 肥満は前述した高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を引き起こす一因です。 生活習慣病のリスクが上がることで、間接的に脳梗塞のリスクを高める可能性があります。 肥満には以下2種類のタイプがあります。(文献7) 肥満のタイプ 詳細 内臓脂肪型肥満(リンゴ型) 腹部に脂肪が蓄積 皮下脂肪型(ナシ型) 体の下半身(お尻や太ももなど)に脂肪が蓄積 とくに内臓脂肪型肥満の方は生活習慣病になりやすいため、注意が必要です。 肥満気味の方は無理のない範囲で食生活や運動の改善を心がけてみてください。 このほか、もやもや病でも脳梗塞のリスクがあります。詳しく知りたい方は、下記のコラムを参照してください。 【脳梗塞以外】こめかみが痛むときに考えられる危険な病気 こめかみの痛みが生じる脳疾患は、脳梗塞だけではありません。以下の脳疾患によりこめかみの痛みが生じる場合もあります。 脳疾患 頭痛の特徴 くも膜下出血 今までに経験したことがないほどの激しい痛み 脳腫瘍 弱い頭痛から激しい頭痛へ移行 側頭動脂炎 こめかみの激しい痛みで、押すと圧痛がある 急性硬膜下出血 何かにぶつかったような激しい痛み 上記の脳疾患も、脳梗塞と同様に意識障害や麻痺など他の症状を伴う場合があります。 「ただの頭痛だから」と侮らずにいつもと違う感じがしたらすぐに受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、脳卒中の後遺症や再発予防として再生医療を提供しています。詳しく知りたい方は、下記のぺージをご覧ください。 こめかみが痛いときにできる5つのセルフケア こめかみが痛い症状を軽減するためには、原因に応じた適切なセルフケアが効果的です。 具体的な方法は以下のとおりです。 頭痛の種類 セルフケア 偏頭痛 1.ズキズキする部分を冷やす 2.暗室で横になって休む 緊張型頭痛 3.首や肩のこりも感じたら温める 4.定期的な運動をする 5.スマホの使用を控える 偏頭痛や緊張型頭痛といった一時性頭痛は、これらのセルフケアによって改善が期待できます。こめかみの痛みで悩んでいる方は、本章で解説している方法を実践してみてください。 1:【偏頭痛】ズキズキする部分を冷やす 偏頭痛の場合は、痛みがあるこめかみの部分を冷やすと改善する可能性があります。そのため、患部を冷やすことで広がった血管が収縮し、頭痛の緩和が期待できます。(文献1) 片頭痛の方は保冷剤や氷をタオルで包み、患部に数分間当ててみてください。 ただし、長時間冷やし続けると凍傷のリスクもあるため注意が必要です。 「冷やし過ぎた」と感じた場合は、一旦保冷剤を皮膚から離して休ませましょう。 2:【偏頭痛】暗室で横になって休む 偏頭痛は、光や音に敏感になっている状態です。そのため、暗室で横になりゆっくり休むようにしましょう。(文献1) 暗室で休むときが難しい場合は、以下の方法で光や音を遮ることもおすすめです。 遮光カーテン アイマスク 耳栓 など スマホやパソコン、テレビなどのブルーライトも偏頭痛を悪化させる一因です。頭痛が治まるまで、スマホの使用も避けるようにしましょう。 3:【緊張型頭痛】首や肩のこりも感じたら温める 首や肩の筋肉が緊張して凝り固まり、血行が悪化すると緊張型頭痛が引き起こされます。 そのため、温めることで筋肉をほぐすと、血行と頭痛の改善が期待できるでしょう。 緊張型頭痛の方の場合は、以下の方法で首や肩を温めると効果的です。 蒸しタオルを凝っている部分にあてる 湯船にゆっくりつかる など 首や肩の凝りとともに頭痛も解消される可能性があるため、ぜひ実践してみてください。 4:【緊張型頭痛】定期的な運動をする 緊張型頭痛になる一因として、運動不足も考えられます。思い当たる方は、日常的に軽い運動を取り入れてみましょう。 体を動かすことで血行が良くなり、頭痛の緩和が期待できます。 また、運動は継続が大切です。1時間ランニングするなどはハードルが高くなり、途中でやめてしまう可能性があります。 ウォーキングやストレッチなど、手軽で始めやすい運動がおすすめです。 無理のない範囲で、運動を習慣化しましょう。 5:【緊張型頭痛】スマホの使用を控える 長時間にわたるスマホの使用は、猫背やうつむき姿勢が続くため肩こりや頭痛の原因になります。 また、ブルーライトを浴びることで目の疲れや頭痛の悪化も考えられます。 こまめに画面から目を離して目を休ませることが大切です。 さらに、猫背の自覚がある方はスマホを使用する際に姿勢を正すように気をつけましょう。 また、頭の痛みはツボ押しでも改善されることが期待できます。詳細を知りたい方は下記のコラムも参考にしてください。 こめかみが痛いとき受診すべきサイン こめかみが痛いときに以下の症状がある場合は、すぐに受診しましょう。 手足のしびれ めまい ろれつが回らない 今までにない激しい頭痛 上記の症状は脳梗塞の初期症状として知られています。 脳梗塞の場合は治療が早いほどその後経過が良好となり、後遺症のリスクも下げられます。 また、群発性頭痛の場合も病院での治療が効果的です。群発頭痛の場合も早めに受診するようにしましょう。 脳梗塞の前兆は以下の記事でも解説しています。こめかみの痛みで脳梗塞かどうか不安な方はあわせてチェックしてみてください。 まとめ|こめかみが痛い症状と不安から解放されましょう こめかみの痛みのみの場合は、脳梗塞であるリスクは低いと考えられます。 しかし、手足のしびれやろれつが回らないなどの症状を伴う場合は、脳梗塞の可能性があるため迷わずすぐ受診するようにしてください。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による脳梗塞の後遺症改善や再発予防治療を行っています。 もしすでに違和感があるなら、悩まず当院のメール相談もしくはオンラインカウンセリング にてお気軽にご相談ください。 こめかみの痛みで脳梗塞を疑うときによくある質問 脳梗塞の前触れ症状は? 脳梗塞の症状は突然あらわれることが多いため、以下のような前兆症状に注意が必要です。(文献8) めまい 激しい頭痛 ろれつが回らない症状 手足のしびれ ふらつき など 脳梗塞の早期発見・早期治療はその後の経過を大きく左右するため、些細な変化も見逃さないようにしてください。 脳梗塞の前兆のチェックリストを詳しく見たい方は、下記のコラムを参考にしてください。 脳梗塞になる前に予防できることは? 脳梗塞の危険因子となる高血圧や糖尿病などを改善・予防するためには、生活習慣の改善が大切です。 以下のように生活習慣を改善すると、脳梗塞の予防につながります。 塩分や糖分を控えめにした食事 禁煙 適度な運動 飲酒 など ひとつでもできそうなことを、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。 脳梗塞の予防について詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にしていただけますと幸いです。 右のこめかみだけが痛むのはなぜですか? 片側のこめかみだけが痛む場合は、片頭痛の可能性が高いと考えられます。 片頭痛は片側のみの頭痛であることが多く、めまいや吐き気を伴うこともしばしばあります。 光や音に過敏に反応して悪化するケースもあるため、片側だけの頭痛の場合は暗室でゆっくり休みましょう。 片頭痛の原因としてはストレスや不眠、ホルモンバランスの乱れなどの生活習慣も考えられます。 片頭痛でお悩みの方は、一度自分の生活習慣を見直してみると良いでしょう。 (参考文献一覧) 文献1 日本脳神経学会 日本頭痛学会 日本神経治療学会 頭痛の診療ガイドライン2021., 医学医院, 2021p473 文献2 竹島多賀夫.片頭痛と睡眠. 神経治療 Vol. 39 No. 4(2022), p564-568 文献3 群発頭痛. 日本頭痛学会. https://www.jhsnet.net/ippan_zutu_kaisetu_04.html, 2024.12.18. 文献4 日本糖尿病学会 糖尿病診療ガイドライン2024,南江堂, 2024.p27-35 文献5 北川 一夫,脂質異常症と脳卒中.慢性腎臓病(CKD)と脳卒中 . 脳卒中36: 144–146, 2014, 文献6 勝又 俊弥.慢性腎臓病(CKD)と脳卒中 . 脳卒中 36 巻 2 号(2014:3), p120-124 文献7 肥満と健康e-ヘルスネット,2019.12.17,https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-001.html.2024.12.18 文献8 脳血管障害・脳卒中,2023.4.26.7,https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-006.html,.2024.12.18
2025.01.24 -
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閃輝暗点から脳梗塞になる確率が知りたい。 閃輝暗点が出たらどうしたら良いのだろう? この記事を読んでいるあなたは、「閃輝暗点」と脳梗塞の関係について、不安に思っているのではないでしょうか。 「受診の目安や受診先を知りたい」と思っているかもしれません。 結論、閃輝暗点が脳梗塞の前兆となる可能性はあります。過度に恐れる必要はありませんが、脳梗塞だった際のリスクを考えて受診をおすすめします。 本記事では、閃輝暗点が脳梗塞の前兆である確率や、脳梗塞だった場合の症状や治療法などを詳しく説明します。記事を最後まで読めば閃輝暗点と脳梗塞の関係がわかり、適切な対処ができるでしょう。 閃輝暗点が脳梗塞の前兆である確率は低い 調査自体が少なく、公的な統計は取られていませんが、閃輝暗点が脳梗塞の前兆である確率は低いでしょう。 しかし、今までの研究から脳梗塞の前兆として閃輝暗点があった人がいたのも事実です。脳梗塞は早めに受診すれば、悪化を防げるケースもあります。不安がある場合は、脳神経外科へ受診しましょう。 脳梗塞の前兆については以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。 【症状例】閃輝暗点から脳梗塞を発症した2つのケース 閃輝暗点から脳梗塞になる際は、片頭痛発作の後になるパターンと頭痛なしで脳梗塞になるパターンが考えられます。 閃輝暗点が脳梗塞の前兆だったケースは以下2つのケースです。 閃輝暗点から片頭痛になり脳梗塞を発症する 頭痛のない閃輝暗点から脳梗塞を発症する 本章を参考に、自分の症状と照らし合わせてみましょう。 ケース1. 閃輝暗点から片頭痛になり脳梗塞を発症する 閃輝暗点とは、片頭痛の前兆の1つです。ギザギザ・ジグザグ状の光が視界にあらわれて見えにくくなり、数十分でおさまるケースが多く見られます。(文献1) 前兆のある片頭痛は、以下のように脳梗塞のリスクを増加させる可能性があるといわれています。(文献2) 45歳未満の前兆のある片頭痛患者(女性)は、脳梗塞の発症リスクが2倍 50歳未満の前兆のある片頭痛患者(女性)は、年12回より多い片頭痛発作があると脳梗塞の発症リスクが2~10倍 また、喫煙する人や経口避妊薬を服用している人は、脳梗塞の発症リスクが7〜9倍になるともいわれています。 もともと、若い人が脳梗塞になる確率は非常に低いのですが、閃輝暗点(前兆)のある片頭痛を持つ人はリスクが2倍以上になるのです。 閃輝暗点が出た後の片頭痛発作の様子や、全体的な体調がいつもと違う場合は、すみやかに受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、片頭痛後に起きた脳梗塞について再生医療(幹細胞治療)をおこなっています。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けています。どうぞ気軽にお問い合わせください。 また、片頭痛を含む頭痛の危険性については、以下の記事も参考にしてください。 ケース2. 頭痛のない閃輝暗点から脳梗塞を発症する 閃輝暗点の原因は、「脳の血流減少が関与する」という説が現在有力とされています。(文献3) そのため、脳の「後頭葉」で脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA:24時間以内に症状はなくなるが、その後脳梗塞になる可能性が高い病気)が起きると、脳の血流が悪くなり閃輝暗点が出る可能性があります。(文献4) 脳の部位「後頭葉」は、目からの情報を処理する部位です。そのため、異常が起こると、「視野が欠ける」「見え方がおかしくなる」などの視覚異常が起こります。(文献5) 頭痛のない閃輝暗点が起きた場合、問題ない症状なのか脳梗塞なのかを自分で判断するのは困難です。脳梗塞であった際のリスクを考え、受診して脳の状態を確かめることをおすすめします。 【脳梗塞?】閃輝暗点が起こったらどうする?受診の目安とその後の流れ 閃輝暗点が起こっても、自分の状態を確認して適切に受診すれば、脳梗塞の重症化をはじめとする健康上のリスクを下げられます。 本章の内容をもとに、閃輝暗点が起きた場合の受診の目安や受診先を理解しておきましょう。 受診の目安は「麻痺や痺れがあるか」 片頭痛の前兆としていつもあらわれる症状と今回の閃輝暗点が同じなら、手持ちの片頭痛治療薬で対応しましょう。 しかし、以下の場合は脳梗塞の可能性があるため、受診をおすすめします。 閃輝暗点がはじめて出た 閃輝暗点の頻度が増えている 閃輝暗点に加えて麻痺や痺れがある 閃輝暗点に加えて目や顔面の痛みがある 症状が急激に悪化したり強く出たりする場合は、脳梗塞がすでに起きている可能性も考えられます。救急車での受診も検討してください。 受診先は眼科ではなく「脳神経外科」 閃輝暗点は、「目」ではなく「脳」が原因で起こる症状です。 そのため閃輝暗点の受診先は、眼科ではなく脳神経外科となります。片頭痛で定期的に通院しているならかかりつけの医療機関、かかっている医療機関がない場合は最寄りの脳神経外科を受診しましょう。 ただし、はじめて閃輝暗点が出た場合は「視野が狭くなった」「目がチカチカする」などと感じて眼科を受診する人もいます。 その場合、眼科では網膜に異常がないかを確かめ、必要に応じて脳神経外科に紹介するケースが一般的です。 CTやMRIで脳梗塞かを判定する 脳神経外科では、閃輝暗点が脳梗塞の前兆なのかを確かめるために、以下のような検査をおこないます。 問診/診察:症状の経過を聞き取り、麻痺やしびれ、しゃべりにくさなどがあるかを確認する 頭部CT:X線を使用した脳の輪切り画像を撮影し、脳内に出血があるかを確認する 頭部MRI:磁力を使って脳の輪切り画像を撮影し、急性期の脳梗塞があるかを詳しく確認する 頭痛やしびれ、麻痺などのない閃輝暗点のみなら、実際は何の問題もないケースが多くを占めます。 しかし、脳梗塞を見逃すと悪化して後遺症につながるケースもあるため、慎重な検査がおこなわれます。 MRI検査の所要時間や検査を受ける際の注意点は、以下の記事で解説しているのでチェックしてみてください 脳梗塞であった場合は「血栓を取り除く治療」をおこなう 検査で脳梗塞が見つかった場合は、すみやかな治療をおこないます。 代表的な脳梗塞の治療法は、以下のとおりです。 血栓溶解療法(t-PA治療) 血管内治療(血栓回収療法) 抗血栓療法(内服治療) とくに血栓溶解療法は、発症後4.5時間以内と早い時期に治療を始める必要があります。 治療が遅れると、脳の血流が長い時間滞り、失われる脳組織も増加します。そのため、早い治療開始が非常に重要です。 脳梗塞の治療については、以下の記事で詳しく解説していますのであわせてご覧いただければ幸いです。 後遺症の治療には「機能回復のリハビリ」が必要 治療をおこなっても後遺症が出た場合、機能が低下した部位のリハビリをおこないます。 時期の目安とよく行われるリハビリ内容は、以下のとおりです。 時期 時期の目安 よくおこなわれるリハビリ内容 急性期 脳梗塞発症~入院中 バランス保持 歩行訓練 飲み込み訓練 回復期 発症後3~6カ月 生活動作の訓練 運動機能の回復訓練 維持期 退院後 生活動作の訓練 運動機能の回復訓練 脳梗塞で失われた機能の程度により、必要なリハビリは異なります。 脳梗塞後のリハビリについては、以下の記事もぜひ参考にしてください。 脳梗塞を予防する2つの対策 普段からできる脳梗塞の予防策としては、以下2つがあげられます。 高血圧を防ぐ 片頭痛をコントロールする 脳梗塞になると、脳の機能低下による麻痺やしびれなどが残りがちです。本章の内容をもとに脳梗塞のリスクを軽減させましょう。 高血圧を防ぐ 脳梗塞の原因疾患でもっとも多いのは、「高血圧」といわれています。 そのため、脳梗塞のリスクを下げるには、適切な血圧の維持が大切です。 高血圧の予防には、以下を心がけると良いでしょう。 塩分を控える 禁煙する ストレスを溜めない 運動して肥満を防ぐ 規則正しい食生活を送る 腹八分目にとどめ、食べすぎによる肥満を防ぐ 脳梗塞の発症予防については、以下の記事も参考にしてください。 片頭痛をコントロールする 閃輝暗点をはじめとする「前兆のある片頭痛発作」がある女性は、脳梗塞のリスクが高いことがわかっています。(文献2) そのため、発作予防薬が処方されている人は正しく服用し、発作を起こさない生活を送るように気をつけましょう。 また、以下のものは片頭痛に関連する可能性があるとされています。(文献6) 空腹 運動 月経周期 天候の変化 光・におい・音・温度差 睡眠の乱れ(寝不足・寝すぎ) 食べ物(チョコレート・ナッツ・ワインなど) ストレス(ストレスを感じる・ストレスから解放される) 個人差がありますが、複数の要因が発作に関わるケースが多く見られます。 閃輝暗点の後に片頭痛発作が出る人は、正しい頭痛コントロールが生活の質の向上につながるでしょう。 まとめ|閃輝暗点から脳梗塞になる確率は低いが念のため受診しよう 閃輝暗点から脳梗塞になる確率は低いのですが、問題ない症状なのかを自分で判断することは困難です。 脳梗塞だった場合、治療が遅れると症状の悪化リスクが高まるため、不安な閃輝暗点があらわれた際は早めに脳神経外科を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、脳梗塞後の治療として再生医療(幹細胞)をおこなっています。再生医療は、脳梗塞によってダメージを受けた脳細胞の修復や麻痺の改善、リハビリ効果の向上などに効果が期待できます。 再生医療へのご質問・ご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けております。気になる点がありましたら、どうぞ気軽にご相談ください。 閃輝暗点と脳梗塞の確率についてよくあるQ&A 閃輝暗点から脳梗塞になる原因はスマホですか? 閃輝暗点は脳の血流低下が原因で起こるため、スマホが直接的に閃輝暗点や脳梗塞を起こす可能性は低いと考えられます。 しかし、以下のようなパターンでは、スマホの使用が閃輝暗点や脳梗塞へ間接的に影響する可能性はあるかもしれません。(文献6) スマホの光から片頭痛発作が起こり、脳梗塞になる 疲れているときにスマホを操作し、片頭痛発作から脳梗塞になる 悪い姿勢でのスマホ操作が続き、脳を含めた全身の血流が低下する 操作姿勢やタイミング、使用時間などを見直し、適切なスマホ使用を心がけましょう。 閃輝暗点を放置するとどうなりますか? 閃輝暗点が片頭痛の前兆だった場合、その後頭痛発作が起きると考えられます。 また、閃輝暗点が脳梗塞の前兆だった場合は、痺れ、言葉が出なくなるなどの症状が出る可能性もあるでしょう。 閃輝暗点が脳梗塞に移行するかどうかを自分で判断するのは困難です。不安を感じる場合は、受診すると良いでしょう。 頭痛がない閃輝暗点は危険ですか? 頭痛がない閃輝暗点が出た場合、危険な状態になりかかっている可能性があります。 頭痛がない閃輝暗点とは、「片頭痛以外の問題が脳内で起きている」という状態のためです。 実際は問題のないケースが多いのですが、閃輝暗点が脳梗塞の前兆である可能性は否定できません。 脳梗塞は早めの処置ができるかにより、予後が大きく変わります。頭痛がない閃輝暗点が出た場合は、脳梗塞の前兆ではないかを確かめるために受診するのが良いでしょう。 参照文献 文献1 片頭痛/片頭痛の治療|日本頭痛学会 文献2 脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023|日本脳卒中学会 文献3 廣瀬真由,大沼学,佐藤恵美,斎藤渉,河西雅之,薄井紀夫,内海通,片頭痛発症中に動的量的視野検査を成功し、一過性暗点を記録できた一例,日本視能訓練士教会誌,第46巻,2017 文献4 Wijman CA, Wolf PA, Kase CS, Kelly-Hayes M, Beiser AS. Migrainous visual accompaniments are not rare in late life: the Framingham Study. Stroke. 1998 Aug;29(8):1539-43. doi: 10.1161/01.str.29.8.1539. PMID: 9707189. 文献5 脳について学ぼう2|環境省国立水俣病総合研究センター 文献6 頭痛の診療ガイドライン2021|日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会
2025.01.24 -
- 頭部
脳挫傷は、脳に外部からの衝撃や圧力が直接的に加わることで起こる疾患です。スポーツ中の衝突や交通事故、転倒などが原因になるケースが多く、軽度から重度まで損傷の程度によって症状はさまざまです。 脳挫傷を負ってから体調が優れない日が続くと、「後遺症が出るのではないか」「症状が進行するのではないか」と不安に感じる方も多いでしょう。 実際に、脳挫傷は以下のような後遺症が残りやすく、日常生活に大きく影響する可能性があります。 そのため、脳挫傷の後遺症が疑われる場合は、早期に医療機関で検査を受けることが大切です。 今回は、脳挫傷の後遺症について現役医師が解説します。 主な症状や注意点をまとめているので、正しい理解を深めるための参考にしてください。 \根本治療につながる再生医療とは/ 再生医療とは、損傷を受けた細胞や組織に対し、体が本来持っている再生能力を活用して機能回復を目指す新しい医療技術です。 従来のリハビリや投薬では難しかった脳挫傷による後遺症の改善にも、近年注目が集まっています。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 脳挫傷の後遺症(記憶障害・注意力の低下・感情のコントロール障害など)に長く悩まされている 現在のリハビリや治療で思うような改善が見られない 手術や長期入院ではなく、体への負担が少ない治療法を探している 「もう元に戻らない」と回復をあきらめかけている 「脳挫傷の後遺症を少しでも改善したい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、再生医療を専門とする当院リペアセルクリニックにお問い合わせください。 脳挫傷による7つの後遺症 脳挫傷とは、脳の一部が損傷している状態のことです。脳は硬膜と呼ばれる膜に包まれており、頭蓋骨の中にあります。 しかし、事故などで頭部に強い衝撃を受けると、脳が頭蓋骨にぶつかって損傷を受ける場合があります。 脳挫傷は外傷性脳損傷の一種で、主な症状は意識障害や記憶障害、頭痛などです。軽度の場合は数日で回復するものの、重度の場合は深刻な後遺症を引き起こす場合があります。 以下で、脳挫傷による主な後遺症を7つ解説するので、ぜひ参考にしてください。 高次脳機能障害 身体性機能障害 遷延性意識障害 平衡機能障害 感覚器等の機能障害 外傷性てんかん 頭痛 1.高次脳機能障害 脳挫傷による後遺症として多いのが、高次脳機能障害です。高次脳機能とは、具体的に以下のような能力を意味します。 認知 思考 判断 記憶 計画 学習 脳挫傷によって高次脳機能を司る部分がダメージを受けると、記憶障害をはじめ、集中力や判断力の低下などの症状が現れます。 高次脳機能障害の主な症状 記憶障害 集中力の低下 判断力や計画力の低下 情緒的な変化 記憶障害が現れると、新しい情報を覚えることが難しくなり、記憶力が低下します。とくに最近の出来事を覚えられなくなる「短期記憶障害」を発症するケースが多いとされています。 高次脳機能障害による症状は、学校生活や職場など、日常生活に支障をきたすため、リハビリテーションによる認知機能の回復に努めることが大切です。 2.身体性機能障害 脳挫傷によって、運動機能を司る部分が損傷すると、身体性機能障害を引き起こします。身体性機能障害とは、脳の損傷によって身体の一部が麻痺したり、身体に痛みやだるさを感じたりする症状が続く状態を意味します。 身体性機能障害の主な症状 身体の麻痺 手足の痺れ 歩行障害 バランス感覚の低下 筋力低下 身体性機能障害の症状は、リハビリテーションによって徐々に回復が見込まれるものの、完全な回復には時間がかかるといえるでしょう。 3.遷延性意識障害 遷延性意識障害も、脳挫傷による後遺症の一つです。遷延性意識障害とは、脳挫傷によって意識が完全に回復しない場合や、覚醒状態と昏睡状態を繰り返している状態を意味します。遷延性意識障害はとくに重度の脳挫傷で多く見られる後遺症です。 遷延性意識障害の主な症状 昏睡状態 意識がぼんやりとしている状態 短時間の覚醒 外部からの刺激に対する反応の低下 なお、遷延性意識障害の症状が長期間続く場合は、回復の見込みが低くなり、治療の難易度も高まります。 4.平衡機能障害 脳挫傷による後遺症には、平衡機能障害もあります。脳挫傷によって平衡感覚を司る部位が損傷すると、目が回って立っていられなかったり、歩行時にフラついたりするなどの症状が現れる場合があります。立ち上がり時や歩行時に強いフラつきを感じると、転倒のリスクが高まるため注意が必要です。 平衡機能障害の主な症状 めまいや吐き気 バランス感覚の喪失 歩行や立位の不安定性 平衡機能障害の症状がある場合は、リハビリテーションやバランス訓練などに取り組むことで、回復を目指していきます。 5.感覚器等の機能障害 脳挫傷による後遺症として、視覚や聴覚、嗅覚などの感覚器が影響を受けるケースも珍しくありません。脳挫傷によって感覚器等の機能障害が起こると、視力の低下や聴力障害、嗅覚や味覚の異常などを引き起こします。 感覚器等の機能障害の主な症状 視力の低下 耳鳴りや聞こえにくさ 味覚異常 嗅覚異常 感覚器等の機能障害は、脳の損傷部位や程度によって具体的な症状が異なります。たとえば、脳の後頭葉部分を損傷すると視覚障害が起こりやすいほか、内耳や中枢神経を損傷すると聴覚障害につながる可能性が高いでしょう。 なお、感覚器等の機能障害は生活の質の低下に直結しやすく、患者の精神的な負担も大きいといえます。 6.外傷性てんかん 脳挫傷を原因とする外傷性てんかんも、後遺症の一種です。外傷性てんかんとは、外傷による損傷をきっかけに、脳が異常な信号を発することで引き起こされます。てんかん発作は、意識の喪失や激しいけいれんを伴うほか、突然現れるため周囲の人にとっても対応が困難な状況が考えられます。 外傷性てんかんの主な症状 激しい体のけいれん 意識喪失 認知機能の低下 発作頻度の増加 てんかん発作は繰り返し発生するケースがほとんどで、時間の経過とともに頻度が増えることも珍しくありません。抗てんかん薬や適切な治療によって発作の頻度を減らせるものの、外傷性てんかんは完治が難しいとされています。 7.頭痛 脳挫傷後の頭痛は、回復過程において一般的な症状です。しかし、脳の損傷部位や炎症反応などによっては、後遺症として慢性的な頭痛や偏頭痛が長期間続く場合があります。 脳挫傷による頭痛の主な症状 慢性的な頭痛 偏頭痛 光や音への過敏症状 吐き気 脳挫傷の後遺症として慢性頭痛が現れた場合は、適切な薬物治療や生活習慣の見直しなどによって症状が改善する場合もあります。 脳挫傷の後遺症に関する注意点 脳挫傷の後遺症は、必ずしも脳を損傷後すぐに現れるとは限りません。とくに、軽度の場合は、一見回復しているように見えて、数年後に後遺症が現れたり、当事者が症状を自覚できなかったりする場合もあります。 以下で、脳挫傷の後遺症について理解しておくべき注意点を解説するので、ぜひ参考にしてください。 軽度の脳挫傷でも数年後に後遺症が現れる可能性がある 脳挫傷は頭を強く打った後、脳内で少しずつ損傷部位が拡大する場合があります。実際に、脳を損傷してからしばらくの間は問題なく過ごしていても、数年後に後遺症が現れるケースも珍しくありません。そのため、脳挫傷は初期の治療後も注意深く経過観察を続けることが大切です。 脳を損傷してから数カ月〜数年が経った後でも、記憶力や集中力の低下を感じる場合は、脳挫傷による後遺症を疑ってみてください。 たとえ軽度の脳挫傷であっても、CTスキャンやMRIなどで定期的に脳の状態を確認すると、後遺症を早期に発見できるでしょう。 再生医療に特化したリペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。脳挫傷の後遺症に該当する症状でお悩みの方は、ぜひ気軽にご相談ください。 当事者が症状を自覚できない場合がある 脳挫傷による後遺症は、当事者が症状を自覚しにくい場合があります。とくに、高次脳機能障害や軽度の身体的機能障害がある場合は、違和感があっても脳挫傷の後遺症による症状であると気づかないケースも少なくありません。 また、記憶力や認知機能が低下してしまうと、日常生活の変化や違和感そのものに気づくことが難しくなります。たとえ脳挫傷による影響とは関係がなさそうに感じられても、気になる症状があれば、医師に相談しましょう。 なお、後遺症の症状に気づくためには、周囲の家族や友人のサポートも不可欠です。日常生活での異変を感じたら、適切にアドバイスしたり、医療機関の受診を促したりすると良いでしょう。 交通事故が原因で後遺症が残った場合は慰謝料を請求する 交通事故が原因で脳挫傷を負って後遺症が残った場合は、慰謝料や損害賠償金を請求できます。慰謝料請求の手続きをする際は、医師による診断書や検査結果などが必要になるため、専門家への相談がおすすめです。 交通事故を原因とする脳挫傷で後遺症が残ったら、まずは後遺症の認定手続きをする必要があります。 適切な診断に基づき、後遺症の程度に応じて後遺症等級が認定されると、賠償金を受け取れます。慰謝料や損害賠償金の請求手続きについては、交通事故を専門とする弁護士などに詳細を確認してください。 脳挫傷の疑いがあるときは早めの受診がおすすめ スポーツや交通事故などで頭を強く打った場合には、脳挫傷が疑われます。そのため、頭を強く打ったり衝撃によって意識を失ったりした際は、症状の有無にかかわらず、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。 脳挫傷は、CTスキャンやMRIなどの画像検査による診断が行われ、脳に損傷が認められれば早期に治療を開始できます。また、初期の治療段階で後遺症が予測される場合には、リハビリテーションを実施して機能低下の予防に努めることも可能です。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。脳挫傷による症状や治療法でお悩みの方は、ぜひ気軽にご相談ください。 ▼ 頭やおでこを打ったときに疑われる病気については、以下の記事で詳しく解説しています。 まとめ・脳挫傷の後遺症を見逃さないために医療機関を受診しよう 脳挫傷による後遺症は、発症直後に必ずしも症状が現れるわけではありません。 見た目には元気そうでも、脳内では損傷が徐々に広がっている可能性もあるため、注意が必要です。 また、脳挫傷の後遺症は、当事者が症状を自覚しづらいことも特徴です。後遺症を見逃さないためには、初期の治療後も定期的な受診が不可欠です。 なお、基本的に脳の損傷は完全に修復できません。そのため、脳挫傷の後遺症とは長く付き合っていく必要があります。後遺症のような症状が続く場合には、医療機関で適切な診断と治療を受け、症状の軽減や予防に努めることが大切です。 当院(リペアセルクリニック)では、損傷した脳組織の修復や再発予防が期待できる再生医療を提供しております。 ご自身の幹細胞を使って脳の自然な修復力を引き出す治療法で、薬では改善が難しいケースや、もう回復は難しいと言われた後遺症にも、新たな可能性が広がっています。 まずは一度リペアセルクリニックへご相談ください。無料カウンセリングで、専門医が丁寧にご説明いたします。 \無料相談はこちらから/ 0120-706-313 (受付時間:9:00〜18:00)
2025.01.15 -
- 頭部
高次脳機能障害を抱えている方の日常生活には、さまざまな困難が伴います。「高次脳機能障害によって日常生活に支障がある」「接し方がわからず困っている」など、対応の仕方に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 高次脳機能障害によって集中力や記憶力が低下したり、社会的に適切な行動が取れなくなったりする場合には、人間関係にも影響を及ぼします。そのため、本人だけではなく、周囲の家族や介護者などもストレスを感じやすいといえるでしょう。 今回は、当事者と第三者のそれぞれの立場における高次脳機能障害への対応の仕方を解説します。高次脳機能障害の介護疲れを軽減するためのポイントもまとめているので、ぜひ参考にしてください。 高次脳機能障害とは 高次脳機能障害への対応においては、まずどのような疾患なのかを理解しておくことが大切です。高次脳機能障害とは、脳の損傷や疾患によって引き起こされる障害で、記憶力や注意力などのほか、社会的行動に影響を及ぼします。 以下で、高次脳機能障害の原因や主な治療法について解説するので、ぜひ参考にしてください。 高次脳機能障害の原因 高次脳機能障害の主な原因は、脳へのダメージによるものです。具体的には、以下のような原因が挙げられます。 脳血管障害(脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など) 脳外傷(事故やスポーツによる頭部外傷) 低酸素脳症(酸素不足による脳損傷) 感染症や腫瘍(脳炎や脳腫瘍など) 高次脳機能とは、記憶や思考、判断する能力など、人が社会生活を送る上で重要なものです。しかし、脳内の血管に異常が生じたり、外部からの強い衝撃を受けたりして脳が損傷すると、脳機能に障害が起きてしまいます。 ▼ 頭やおでこを強く打ったときに考えられる疾患については、以下の記事で詳しく解説しています。 高次脳機能障害の治療法 高次脳機能障害の場合、主にリハビリテーションを中心とした治療が一般的です。高次脳機能障害は、脳の損傷部位や程度によって症状が異なるため、個別にプランを立ててリハビリテーションに取り組みます。リハビリテーションの目的は、脳の機能を回復・改善させて生活の質を向上させることです。 高次脳機能障害の症状によっては、薬物療法が用いられるケースもあります。たとえば、脳血管障害に対する血流改善薬や精神的な症状に対する薬などです。 また、最近注目を集めているのが、脳血管障害の再生医療による治療です。再生医療(幹細胞治療)の効果として、脳神経細胞の修復や再生、脳の血管を新しく再生させる作用が期待できます。 リペアセルクリニックでは、脳血管障害の再生医療を行っています。再生治療について詳しく知りたい方は、気軽にメール相談やオンラインカウンセリングをご利用ください。 5つの症状別|高次脳機能障害への対応の仕方 高次脳機能障害の代表的な症状として、次の5つが挙げられます。 注意障害 記憶障害 遂行機能障害 社会的行動障害 失語症 以下で、症状別に高次脳機能障害への対応の仕方を解説します。当事者と第三者のそれぞれの立場における対応の仕方をまとめているので、ぜひ参考にしてください。 1.注意障害 高次脳機能障害による注意障害の主な症状は、以下の通りです。 物事に集中できない 周囲の刺激に反応してしまう 気が散りやすい 注意障害への対応は、環境を整えることが最も重要です。静かな場所で落ち着いて作業をしたり、休憩を挟んだりしながら、できるだけ集中を維持できるよう工夫しましょう。 対応の仕方 当事者 短時間でできる作業に小分けする こまめに休息を取る 第三者 周囲の刺激を減らして静かな環境を整える 一つずつ作業を確認して注意の持続をサポートする 2.記憶障害 高次脳機能障害による記憶障害は、主に以下のような症状が現れます。 生活における出来事を忘れる 自分が言ったことや人に言われたことを忘れる 約束や予定を忘れる 高次脳機能障害による記憶障害では、とくに短期的な記憶に障害が生じるケースが多いとされています。記憶障害への対応には、できるだけ物事を忘れないような工夫が求められます。 対応の仕方 当事者 メモを取る習慣をつける カレンダーに予定や重要事項を書き留める アラーム機能やリマインダーアプリを活用する 第三者 習慣化や環境整備のサポートをする メモ帳やカレンダーを見て一緒に振り返る 3.遂行機能障害 遂行機能障害とは、計画を立てたり、物事を段階的に進めたりすることが難しくなる症状です。遂行機能障害は、ほかにも以下のような症状があります。 優先順位をつけられない 衝動的な行動を取る 主体的に行動できない 遂行機能障害が現れると、計画的な行動ができなくなり、結果的に無関心や無気力に見えるケースも珍しくありません。また、物事を遂行するためには集中力や記憶力も必要です。そのため、注意障害や記憶障害に対するポイントも含めて、対応の仕方を工夫しましょう。 対応の仕方 当事者 時間に余裕を持って計画する 小さな目標を設定する 作業を小さなステップに細分化する 第三者 簡潔にタスクを伝えて一緒に手順を確認する 完了したタスクをチェックリストで確認する 4.社会的行動障害 社会的行動障害は、状況に合わせた行動や言動、感情などのコントロールが難しくなり、社会生活が困難になる状態を意味します。社会的行動障害の症状は、以下のようにさまざまです。 感情をコントロールできずに急に怒ったり泣いたりする 相手と良好な関係を築けない 相手の意見に耳を傾けられない 意欲が低下して引きこもりがちになる 社会的行動障害の症状は多岐にわたるため、ケースバイケースの対応が求められます。社会的行動障害の対応で基本となるのが、生活リズムの確立です。安定した生活リズムで日々を過ごすことで、少しずつ社会に順応していけるようになるでしょう。 対応の仕方 当事者 時間に余裕を持って計画する 小さな目標を設定する 作業を小さなステップに細分化する 第三者 簡潔にタスクを伝えて一緒に手順を確認する 完了したタスクをチェックリストで確認する 5.失語症 言語障害の一種である失語症とは、言葉を理解したり話たりするなどの言語機能が損なわれた状態を意味します。脳の言葉を司る部分がダメージを受けると、以下のような症状が現れます。 言いたいことがあっても言葉にして伝えられない 人が話す内容の理解が難しい 本や新聞から内容を読み取れない 書きたくても文字を思い出せない 具体的な症状は、脳の損傷部位や程度によってさまざまです。そのため、一人ひとりの症状に合わせた対応が必要になります。 対応の仕方 当事者 絵やジェスチャーなどのコミュニケーション方法を試みる 静かな環境で落ち着いて話すことを心がける うまく伝わらないときは時間をおいて別の方法を試みる 第三者 話を聞くときは余裕を持って接する 話すときはゆっくり簡潔に伝える はい・いいえで答えられる質問をする 高次脳機能障害の介護疲れを軽減する3つのポイント 高次脳機能障害の介護は精神的かつ身体的な負担が大きく、介護者はストレスや疲労を溜め込みやすいため注意が必要です。 以下で、高次脳機能障害の介護疲れを軽減するポイントを3つ解説するので、ぜひ参考にしてください。 1.症状を理解する 高次脳機能障害の症状は、一人ひとり異なります。そのため、高次脳機能障害に対応するためには、症状の正しい理解が大切です。たとえば、どのような症状がどのようなときに強く現れるのかを把握しておくと、事前にストレスを回避するための対応ができるでしょう。 高次脳機能障害の症状を理解するためには、専門書やインターネットなどでの情報収集や、かかりつけ医やリハビリテーションの専門家への相談がおすすめです。具体的な対応の仕方を知るためには、日頃から気になる症状を書き留めておくと、相談しやすくなります。 2.医療機関に相談する 高次脳機能障害は長期にわたって支援を必要とするケースがほとんどです。介護疲れを軽減するためには、医療機関やリハビリテーションの専門家と連携しながら、適切な治療やサポートを受けることが大切です。 高次脳機能障害は気づかないうちに進行する可能性もゼロではありません。そのため、医師による定期的な診察を受け、症状の進行や改善についてモニタリングし続ける必要があります。医療機関との連携強化によって、介護の負担を軽減できるだけではなく、より適切なケアが可能になります。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。高次脳機能障害の症状や治療法でお悩みの方は、ぜひ気軽にご相談ください。 3.公的制度やサービスを利用する 高次脳機能障害に伴う介護では、公的制度や福祉サービスを利用できる場合があります。以下をはじめとする制度などを利用すると、より専門的な支援が受けられ、介護者の負担を軽減できるでしょう。 介護保険制度 障害者福祉サービス 医療費助成制度 地域支援ネットワーク たとえば、介護保険制度では、通所介護や通所リハビリテーションの利用によって、日中の介護を専門スタッフに任せられます。地域の福祉専門窓口やケアマネージャーなどに相談しながら、公的制度やサービスをうまく利用しましょう。 まとめ・高次脳機能障害は症状にあわせて対応の仕方を工夫しよう 高次脳機能障害は、一人ひとりの症状や状況に応じて対応の仕方を工夫することが大切です。高次脳機能障害による症状の多くは、日常生活に支障をきたすものです。そのため、本人だけではなく、周囲の第三者にとってもストレスや疲れを感じやすいといえるでしょう。 高次脳機能障害は、症状をよく理解して対応の仕方を工夫すると、身体的かつ精神的な負担を減らせます。また、適切な治療によって、症状の進行を遅らせたり、改善したりする効果も期待できます。本人も第三者も負担が少なくて済むよう、医療機関や専門期間と連携して対応していきましょう。 以下の動画では、高次脳機能障害の後遺症に対して、実際に再生医療を受けた方の声を紹介しています。 脳の損傷・疾患に対しては、早期に治療やリハビリ行うほど予後が良いとされています。治療の選択肢のひとつとして、再生医療をご検討ください。 高次脳機能障害に関するよくある質問 ここでは、高次脳機能障害に関するよくある質問をまとめました。 高次脳機能障害はどのように診断される? 高次脳機能障害は、症状の確認や画像検査(CT・MRI・脳波)によって診断が可能です。 また、高度脳機能障害の診断には除外項目があります。たとえば、脳の損傷前から有する症状や発達障害や認知症などを原因とする症状については、治療や対応が異なるため区別されます。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。高次脳機能障害が疑われる場合は、ぜひ気軽にご相談ください。 高次脳機能障害は回復する? 高次脳機能障害は、症状や障害の程度によって治療方法や得られる効果が異なります。適切なリハビリテーションによって症状の回復が期待できる場合があるものの、すべての方に効果があるとは限りません。 高次脳機能障害による症状を少しでも改善するためには、発症からできるだけ早期のリハビリテーションの開始が望ましいとされています。
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「高次脳機能障害は治るの?」 高次脳機能障害の症状にお悩みの患者様やご家族の中には、ちゃんと治るのか不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 結論、適切な治療やリハビリを継続することで高次脳機能障害は治る可能性があります。 本記事では、高次脳機能障害の治療法や、リハビリテーション方法について詳しく解説します。 また、根本治療につながる再生医療も紹介しているため、高次脳機能障害が治るか不安な方は、ぜひ参考にしてください。 \根本治療につながる再生医療とは/ 再生医療とは、機能障害や機能不全になった脳細胞に対して、体が持つ再生能力を利用して損なわれた機能を再生させる医療技術のことです。 従来の治療では難しかった脳血管障害の後遺症治療にも注目されています。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 高次脳機能障害は治らないと思っている 現在受けている治療やリハビリで期待した効果が得られていない 患者本人が治療やリハビリに積極的になれない 「現在の治療で期待した効果がでていない」「患者様が治療やリハビリに積極的になれない」という方は、ぜひ再生医療を検討してみましょう。 再生医療によって損傷した脳細胞の改善を促し、言語機能や認知機能を改善することで患者さまの生活の質を大きく向上させることが期待できます。 詳しい治療法については、再生医療を専門とする当院「リペアセルクリニック」にお問い合わせください。 【結論】高次脳機能障害は良くなる! 高次脳機能障害は適切な治療とリハビリを通じて、改善が期待できる障害です。 医療機関での診断と治療計画を策定するのが重要であり、症状に応じたアプローチが求められます。 詳しくは後述しますが、薬物療法やリハビリテーション、さらには再生医療の進展により、症状の改善が見込まれるケースも増えているのです。 しかし、高次脳機能障害が治るかどうかは、早期の発見と治療が鍵となります。 患者様自身や家族が障害に対する正しい理解を持ち、共に取り組んでいけば日常生活の質を向上させられるでしょう。 環境を整え専門機関のサポートを受けながら、持続的なリハビリを進めていき、社会復帰や自立生活の実現につなげていきましょう。 以下の記事では、脳梗塞を例に治療法や入院期間を解説しているので、1つの参考にしてください。 そもそも高次脳機能障害とは 高次脳機能障害とは、脳の損傷によって生じる記憶や注意、言語、判断力などに影響を及ぼす障害です。 そもそも高次脳機能とは、人間が複雑な思考や行動を行うために欠かせない機能であり、以下のような重要な役割を担っています。 問題解決能力 計画力 感情のコントロール 他者とのコミュニケーション能力など 高次脳機能障害が発症している方だけでなく、家族や周囲の方にも日常生活で大きな影響を与えるケースがある障害です。 たとえば歩行や排せつなど日常生活上の行動では問題なくても、手続きや遠方への移動を含め、普段行わない行動で影響があります。 外的な損傷がないため、周りから気づかれにくいため、本人や家族が高次脳機能障害の症状を理解できるかも重要です。 高次脳機能障害の症状と発症の原因 高次脳機能障害の症状は、脳の損傷によって引き起こされる認知、行動、感情などの機能障害を指します。 脳卒中や外傷性脳損傷、脳腫瘍などの病気や事故によって発生するケースが大半です。 高次脳機能障害の症状は多岐にわたり、個々の症状や程度によって異なります。 主な症状には、記憶障害、注意障害、判断力の低下、言語障害、感情のコントロールの難しさなどがあります。 なお、高次脳機能障害の症状や発症の原因については、以下の記事で詳しく解説しました。 ここからは、高次脳機能障害は治るのかを解説するために「認知症との違い」と、回復過程について解説します。 認知症との違い 高次脳機能障害は、脳の特定領域が損傷を受け、記憶、注意、言語、計画立案などの高度な脳機能に影響を及ぼす疾患です。 たとえば、短期記憶の低下や集中力の欠如、理解力や判断力の低下が見られます。 上記の症状について、認知症と混合して認識している方もいるでしょう。 認知症は加齢によって徐々に進行する症状で、高次脳機能障害は外的要因によって発症する症状です。 交通事故によって脳へダメージを負った際、高次脳機能障害の症状が見られるケースがあります。 つまり、発症時期が明確なのが高次脳機能障害で、不明確なのが認知症なのです。 年齢を重ねるごとに進行する認知症とは異なり、高次脳機能障害は適切な治療やリハビリを実施すれば、回復の可能性があります。 回復過程 高次脳機能障害は脳の損傷が原因になるケースが多いため、すべての患者様が回復するわけではありません。 しかし、脳卒中のような症状が原因で発症した場合、早期の発見と治療次第では、症状が回復する傾向にあるのです。 そもそも高次脳機能障害が発症する過程は、病変や外傷が脳に影響を与え、神経細胞や神経回路が損傷を受けて発症します。 損傷がどの程度・どの範囲に及ぶか、またどの部位に影響を与えるかによって、具体的な症状や障害の度合いが決まります。 高次脳機能障害の症状は、時間とともに変化するため、初期段階での適切な診断と治療が重要です。 つまり、早期に原因を特定し、適切な治療を行えれば、症状の悪化を防ぎ、回復の可能性を高められるのです。 高次脳機能障害への対応方法 ここからは高次脳機能障害の方が家族にいる方に向け、どうサポートしていけば良いのか解説します。 対応方法を理解し、適切な治療へ進められるよう、ぜひ参考にしてください。 症状の理解 高次脳機能障害への対応方法を考える上で、まずは症状の理解が不可欠です。 高次脳機能障害は、記憶、注意、思考、判断、言語など、脳の高次機能に影響を及ぼし、日常生活においてさまざまな困難をもたらします。 症状は患者様によって異なり、記憶障害、集中力の欠如、意思決定の困難、感情の不安定などが見られます。 症状を理解しておかないと「なぜそのような行動を取るのか」とイライラしてしまう方もいるでしょう。 患者様本人も感情のコントロールが上手くいかない症状もあるため、双方がストレスを感じないためにも、まずは症状を理解しておくのが重要です。 環境の整備 高次脳機能障害に対応するために、環境の整備も重要です。 患者様が安心して生活できるようサポートできれば、症状の悪化を防ぎ、改善を促す可能性を高めてくれます。 具体的には、日常生活の流れを明確かつ簡易化させ、必要な手順や情報を視覚的に整理しておくのが有効です。 また、感覚過敏を持つ方には、過度な刺激を避けるために静かな環境を提供するのが望ましいでしょう。 なお、環境整備については厚生労働科学研究が公開している「高次脳機能障害支援マニュアル」も参考になります。 専門機関の利用 高次脳機能障害の方がいる場合、専門機関の利用も考慮すべきです。 医療機関やリハビリテーション施設など、専門の支援を受けられる環境が整っています。 専門機関を利用すれば、適切な診断と治療が可能になり、回復への道筋が明確になります。 専門家による評価を受け、個々の症状に応じたプログラムを導入すると、効果的なリハビリを取り入れられるのが特徴です。 また、身体障害者手帳を取得すれば、医療費負担の軽減や国税・地方税の控除が可能です。 要介護認定を受け、介護保険を取得している方は、訪問介護による介助も受けられます。 高次脳機能障害の治療法 高次脳機能障害の治療法は、大きく分けて薬物療法とリハビリの2種類があります。 それぞれの治療法について詳しく解説していきます。 薬物療法 薬物療法では、主に症状の軽減や日常生活の質を向上させるのを目的として使用されます。 脳の神経伝達物質のバランスを整えられる薬物が多く、抗うつ薬や抗精神病薬、認知機能を改善するための薬が用いられるのが一般的です。 たとえば、抗うつ薬は気分の安定を図るだけでなく、注意力や集中力の向上にも寄与します。 また、抗精神病薬は、衝動性や攻撃性を抑える効果が期待されます。 また、薬物療法はあくまで症状のコントロールを目的としており、根本的な治療法ではないと、理解しておきましょう。 薬物療法のみでの改善を期待するのではなく、リハビリテーションや心理的サポートと組み合わせた多角的アプローチが求められます。 薬物療法を開始する際には、医師と詳細な相談を行い、副作用や薬の相互作用についても十分に理解しておきましょう。 リハビリ 高次脳機能障害におけるリハビリは、患者様の回復をサポートする重要な手段です。 リハビリでは、患者様の症状や障害の程度に応じて個別に計画され、日常生活での機能回復を目指します。 具体的には、作業療法や理学療法、言語療法などが含まれ、それぞれ異なる目的で実施されます。 リハビリ内容 目的 作業療法 日常生活のスキルを再び習得するのが目的。 料理や掃除などの活動を通じて実践的な訓練を行う。 理学療法 身体の運動機能を向上させるために、筋力トレーニングや姿勢改善のエクササイズが行われる。 言語療法 コミュニケーション能力の回復を目的とし、言葉の発音や理解力を高めるための練習を行う。 リハビリを適切に実施し続けていれば、発症から6カ月で74%、1年で97%の方が一定の症状が改善されたという調査結果も出ています。 障害別でみるリハビリ方法一覧 高次脳機能障害の治療法は、個々の症状や患者の状態に応じて多岐にわたります。 以下で障害別にみるリハビリ方法の一覧をまとめたので、ぜひ参考にしてください。 症状例 リハビリ内容 注意障害 作業を小さなステップに分け、集中しやすい環境を整える 遂行機能障害 タスク管理をサポートするデジタルツールの活用(マニュアルやスケジュール帳の作成など) 半側空間無視 視覚的なリマインダーや特定の視覚訓練(塗り絵や折り紙など) 以下の記事では、脳出血を例に寝たきり生活にならないためにも「何をすべきか」解説しているので、あわせてご覧ください。 自宅でできるリハビリ ここからは専門機関を利用せずとも、自宅で実施できる簡易的なリハビリ方法を紹介します。 1日のスケジュールを作る 家事や散歩などで軽く体を動かす 脳トレを実施する リラックスする 順番に具体的な実施方法を解説していきます。 1日のスケジュールを作る 自宅で高次脳機能障害のリハビリを実施する際、まずは1日のスケジュールをしっかりと組み立てるのがおすすめです。 1日のスケジュールを作るのも、高次脳機能障害の患者様は脳疲労が起きやすい傾向にあるからです。 高次脳機能障害の方が疲れやすいと感じた際、1日のスケジュール表があれば、どのタイミングで疲れやすいのかが振り返れます。 何をしても疲れやすい場合、朝起きたら軽いストレッチや呼吸法で体と心を目覚めさせるのも良いでしょう。 1日のスケジュール通り行動できていれば、自分のペースに合ったリハビリを進めるだけでなく、生活のリズムが整います。 家事や散歩などで軽く体を動かす 高次脳機能障害のリハビリは、日常生活の中で無理なく取り入れられるかどうかが重要です。 たとえば家事や散歩のような軽い運動を日常に取り入れると効果的です。 軽く体を動かすと、身体の機能を維持させるだけでなく、精神的にもリフレッシュできるでしょう。 つまり、日々の小さな積み重ねが、高次脳機能障害の改善につながるのです。 脳トレを実施する 自宅でのリハビリで、脳トレと呼ばれる知的活動を取り入れるのも効果的です。 たとえば、パズルやクロスワード、簡単な計算問題などを日常的に実施してみましょう。 脳の活性化を図り、記憶力や注意力の向上を期待できます。 昨今ではインターネットやスマートフォンで無料公開されている脳トレもあるため、お遊び感覚で実施できるでしょう。 高次脳機能障害の改善に特化させたドリルも販売されているため、書店や通販サイトでチェックしてみるのもおすすめです。 リラックスする リハビリの一環としてリラックスするのは、高次脳機能障害のある方にとって重要なリハビリです。 ストレスや緊張は、脳の回復を妨げる要因となるため、日常生活の中で意識的にリラックスする時間を設けるのが大切です。 リラックスする方法として、深呼吸や瞑想、ヨガなどの軽いエクササイズを取り入れる方法があげられます。 また、音楽を聴いたり、読書をしたりするのも効果的です。 好きな音楽を聴いてリズムに身を委ねていけば、心が落ち着き、気持ちがリフレッシュされるでしょう。 読書は、興味のあるジャンルを選び、集中力を高めつつリラックスするのがおすすめです。 他にもアロマテラピーで好きな香りのエッセンシャルオイルを使って、部屋を心地良い空間にするのも効果的です。 気分が和らぎ、ストレスを軽減する効果が期待できます。 とくにラベンダーやカモミールなどは、リラックス効果の高い香りとして知られており、睡眠の質を向上させるとも言われています。 再生医療なら高次脳機能障害の治療効果に期待できる! 高次脳機能障害の症状を治すのは、早期の発見や治療だけでなく継続的なリハビリによって改善が期待できます。 昨今では医療の進歩により、再生医療を取り入れてさらなる治療効果へアプローチしています。 再生医療において中心的なアプローチ方法が幹細胞治療です。 幹細胞は特定の条件下において細胞を分化させる能力があるため、高次脳機能障害を含めた症状に向けた治療として有効的です。 「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックまでご相談ください。 まとめ・高次脳機能障害は治るのかは早期発見と対応が重要! 高次脳機能障害は治るのかを決めるのは、早期の発見と治療、家族のサポートが重要です。 認知症とは異なり、発症の時期が比較的明確で、治療の実施により改善がみられる障害です。 しかし、外的損傷がないため周囲からの理解が大切になります。 まずは高次脳機能障害の症状を理解し、環境を整えつつ専門機関を利用して、早期改善へつなげていきましょう。 当院では高次脳機能障害でお困りの方に向け、電話相談やオンラインカウンセリングを実施しているので、気軽にお問い合わせください。
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