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「視界にギザギザやチカチカしたものが見える」 「網膜や脳の疾患ではないかと心配」 視界に異常が現れる閃輝暗点は、片頭痛の前兆として生じることが多い一方で、眼科的疾患や脳の疾患に伴って現れる場合もあります。放置すると重大な疾患の発見が遅れ、深刻な症状を招く恐れがあるため、速やかな受診が必要です。 本記事では、閃輝暗点の見え方や片目だけに現れる症状について現役医師が詳しく解説します。 閃輝暗点の原因が脳疾患で、その症状によっては、再生医療も治療の選択肢のひとつです。 閃輝暗点の症状に関するお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 閃輝暗点の見え方 見え方 詳細 ギザギザ・光の波動(点やジグザグ模様) 稲妻状やジグザグ模様がキラキラ輝きながら広がる視覚変化 モヤ・暗点(スコトーマ) 視野の一部がかすみ、文字や物の一部が欠けて見える状態 動き・揺れ・揺らぎ 光や模様が波打つように動き、視界全体に広がる現象 形やサイズの異常(歪み) 物の輪郭や文字が波打ち形や大きさが不自然に変わる視界異常 閃輝暗点では、視界にギザギザや光の波動、モヤや暗点、像の揺れ、形の歪みなどが現れることがあります。これらは片頭痛の前兆としてよくみられますが、眼や脳の疾患に伴う場合もあります。 症状は数分から30分程度で自然に消えることが多いものの、繰り返す場合や初めて起こった場合は、早めに眼科や神経内科を受診することが大切です。 ギザギザ・光の波動(点やジグザグ模様) 閃輝暗点でよくみられる典型的な症状は、視界の片隅に現れるギザギザした光の線や、チカチカと輝くジグザグ模様です。 白や銀色、虹色に見えることもあり、万華鏡のような複雑な模様を描きながら数分かけてゆっくりと広がり、やがて自然に消失します。脳の視覚野の神経細胞が一時的に過剰興奮することが原因と考えられています。 モヤ・暗点(スコトーマ) モヤ・暗点(スコトーマ)は、脳の視覚中枢である後頭葉(視覚野)の一部に一時的な血流低下が起こり、その領域の神経活動が低下することで生じます。これにより視野の一部がぼやける、または暗く欠けて見える状態になります。 原因は眼の異常ではなく脳の血流変化です。多くは数分かけて光の模様から暗点へ移行し、その後自然に回復します。ただし、症状が1時間以上続く場合、片目のみに生じる場合、強い頭痛、手足のしびれ、言語の障害、意識の低下を伴う場合は、脳梗塞や一過性脳虚血発作、網膜疾患などの可能性があり、速やかな受診が必要です。 動き・揺れ・揺らぎ 閃輝暗点でみられる動き・揺れ・揺らぎは、脳の後頭葉(視覚野)における神経活動が、血流の変動に伴って波のように広がる皮質拡散抑制により生じます。神経の興奮と抑制がゆっくりと伝わることで、視界の光や模様が揺れたり、動いたりして見えます。 血管の収縮と拡張により視覚情報が乱れ、波打つ感覚が生じます。初発時は軽症であっても、脳や眼科的疾患を除外するための受診が必要です。発症時の時間、片目のみか両目か、頭痛やしびれの有無などを記録しておくと診断に役立ちます。 形やサイズの異常(歪み) 閃輝暗点による形やサイズの異常(歪み)は、後頭葉の視覚野での一時的な血流低下が形や大きさの認識を乱すことで生じます。まっすぐな線が波打って見える、人の顔が変形して見えるといった現象も報告されています。 多くは10〜30分で自然に回復しますが、初発や強い症状、長引く場合、頭痛や手足のしびれを伴う場合は眼科または神経内科を受診し、他の脳や眼疾患の可能性にも注意が必要です。 片目だけに現れる閃輝暗点は危険? 状況 詳細 片目だけに症状が出る場合 網膜剥離、眼底出血、硝子体剥離、眼圧異常など眼科疾患の可能性 放置した場合のリスク 視力低下や失明に至る危険 通常の閃輝暗点の作用部位 脳の視覚野の血流変動による両目同時の視覚異常 受診の目安 片目だけの症状は速やかな眼科受診 神経症状を伴う場合 脳梗塞や一過性脳虚血発作など脳血管障害の可能性 緊急時対応 直ちに救急車を要請し、救急医療機関を受診 閃輝暗点は通常、脳の視覚野の血流変動により両目に同じ像が見えますが、片目だけの場合は網膜剥離や眼底出血などの眼科疾患が疑われます。 放置すると視力低下や失明の危険があるため、速やかな眼科受診が必要です。視力低下や視野欠損、激しい頭痛、しびれ、言語障害を伴う場合は脳血管障害の可能性があり、直ちに救急要請が必要です。 閃輝暗点が現れる原因 原因 詳細 血管変動・圧の刺激(脳・眼) 脳や眼の血管の一時的な収縮・拡張による血流の変化 神経伝達物質・自律系の反応 セロトニンなど神経伝達物質の急激な増減と自律神経の影響 生活習慣・嗜好品の影響 ストレス、睡眠不足、カフェインやアルコールの摂取、喫煙などの誘因 脳の構造異常・基礎疾患 脳腫瘍、脳梗塞、一過性脳虚血発作などの重大な脳疾患の可能性 閃輝暗点は片頭痛の前兆として知られていますが、原因は複数あります。代表的なのは、脳や眼の血管が一時的に収縮・拡張して血流が変化し、視覚情報を処理する神経の働きに影響を及ぼす場合です。 セロトニンなどの神経伝達物質の急激な増減や自律神経の反応も関与します。さらに、ストレス、睡眠不足、カフェインやアルコールの摂取、喫煙などの生活習慣や嗜好品が誘因となることもあります。まれに脳腫瘍や脳梗塞など重大な疾患が原因となる場合もあり、注意が必要です。 以下の記事では、閃輝暗点の原因を詳しく解説しています。 【関連記事】 更年期と閃輝暗点の関係性|原因・症状・予防法を解説 閃輝暗点を繰り返すのは病気の前兆?頻発する原因と放置するリスクを紹介 血管変動・圧の刺激(脳・眼) 閃輝暗点は、脳の血管が一時的に収縮と拡張を繰り返し、その結果、血流が変化することで起こると考えられています。 とくに視覚情報を処理する後頭葉の血管が影響を受けやすく、収縮により血流が減少すると神経細胞の働きが低下し、続く拡張で血流が急増すると過剰な興奮が生じます。この神経活動の変化が視覚異常として現れます。気圧の変化や疲労、ストレスなどが発症の引き金になる場合もあります。 以下の記事では、閃輝暗点と関係する脳梗塞について詳しく解説しています。 【関連記事】 閃輝暗点が脳梗塞の前兆になる確率は?症状や治療を解説 脳梗塞とは|症状・原因・治療法を現役医師が解説 神経伝達物質・自律系の反応 原因 詳細 神経伝達物質の変動 セロトニンの急激な増減による脳血管の収縮・拡張 自律神経のバランス乱れ ストレスや疲労、睡眠不足が引き起こす自律神経の機能不全と血管反応の過敏化 脳視覚野への影響 血流変化と神経活動変動による視界のキラキラ・揺らぎ、閃輝暗点の出現 生活習慣の影響 体調管理不良が神経伝達物質や自律神経の乱れを悪化させる要因 注意点 健康な人にも起こる生理的反応であり、症状の強さや片目だけの場合に注意が必要 閃輝暗点は、脳内の神経伝達物質の変動が原因のひとつです。とくにセロトニンが急激に増減すると脳血管が一時的に収縮・拡張し、血流変化が視覚野の神経活動に影響して光や模様が見えます。 自律神経もストレスや疲労、睡眠不足でバランスを崩すと血管反応が過敏になり、症状を悪化させます。健康な人にも起こりますが、初発時や片目だけの症状、強い症状時は受診が必要です。また、生活習慣の改善が再発予防に有効とされています。 生活習慣・嗜好品の影響 原因 詳細 睡眠不足・不規則な生活 自律神経の乱れによる脳血管の過剰な収縮・拡張 過度なストレス・疲労 神経や血管反応の不安定化 嗜好品(カフェイン・アルコール) 血管刺激による収縮・拡張の誘発 食品成分(チラミン) 脳血管収縮を促すアミノ酸由来成分の作用 過度なデジタル機器使用 眼精疲労と自律神経負荷による血流変化 予防のための生活習慣 規則正しい生活、十分な睡眠、バランスの取れた食事、水分摂取 閃輝暗点は、睡眠不足や生活リズムの乱れ、ストレスや疲労により自律神経が乱れ、脳や眼の血管反応と視覚野の血流が不安定になることで生じます。 チョコレートやチーズ、赤ワイン、コーヒーなどの成分や長時間のデジタル機器使用は血管や自律神経に影響し、発症を促す可能性があります。そのため、規則正しい生活習慣の維持が重要です。 以下の記事では、閃輝暗点とカフェインの関係性について詳しく解説しています。 脳の構造異常・基礎疾患 原因・疾患名 詳細 脳腫瘍(例:星細胞腫) 後頭葉への腫瘍による神経圧迫や刺激による視覚前兆の発生 脳血管奇形(例:AVM) 異常血管構造による血流異常と神経刺激による繰り返す視覚前兆やけいれん 脳梗塞・一過性脳虚血発作 脳血管の閉塞や血流障害による視覚野の虚血状態と神経機能障害 視覚野の血流障害(圧迫・浮腫) 腫瘍や血管異常による血流障害(虚血)による視覚情報の伝達異常 てんかん発作 後頭部の神経異常興奮による視覚発作と閃輝暗点類似の症状 閃輝暗点は多くの場合、片頭痛の前兆として一時的な血流変化で起こりますが、脳の構造異常や基礎疾患が原因となることもあります。後頭葉の腫瘍は異常な血流により、視覚前兆やけいれんを引き起こします。 腫瘍による圧迫や浮腫は一時的な虚血状態を引き起こし、後頭部のてんかん発作も類似の視覚症状を示します。これらは重大な脳疾患の兆候であり、症状が持続・悪化する場合や頭痛・麻痺を伴う場合は、早急な検査が必要です。 以下の記事では、脳疾患のひとつである側頭葉てんかんについて詳しく解説しています。 閃輝暗点の症状が初めて現れた際の対処法 対処法 詳細 静かな暗所で安静にする 明かりや音を避け、刺激の少ない場所で横になる状態 症状の持続時間と変化を観察する 発症時刻、症状の変化、関連する随伴症状の記録 重症兆候があればすぐに医療機関へ 視力低下、視野欠損、強い頭痛、めまいなどの出現 運動・言語障害が出たら緊急対応 手足のしびれや麻痺、言葉が出にくい、ろれつの回らない状態 閃輝暗点が初めて現れた場合、その多くは片頭痛の前兆として一過性に生じますが、まれに脳や眼の重大な疾患が原因となることがあります。そのため、症状が出た際には落ち着いて行動することが重要です。 まずは静かな暗所で安静にし、光や音などの刺激を避けます。同時に、発症時刻や症状の変化、頭痛やしびれなどの随伴症状を記録しておくことが、診断の大きな手がかりになります。 視力低下や強い頭痛、視野欠損、めまいがあれば速やかに受診し、手足の麻痺や言語障害を伴う場合は脳血管障害の可能性があるため、直ちに救急要請が必要です。 以下の記事では、閃輝暗点の内容について詳しく解説しています。 静かな暗所で安静にする 閃輝暗点は脳の視覚野や眼の血流変化で起こり、発症直後は暗く静かな場所で安静にすることが有効です。刺激を避けて休むことで症状が落ち着きやすく、この方法は初期対応として推奨されています。 初めての発症や片目のみ、視野欠損やしびれを伴う場合は速やかに受診し、改善後も眼科または神経内科で原因の確認が必要です。 症状の持続時間と変化を観察する 閃輝暗点は通常、数分で自然に消失します。持続時間や症状の変化を観察することは診断に重要です。症状が長引く場合や暗点が明瞭で、かつ視野欠損が強い場合は、脳梗塞など重大な疾患の可能性があるため速やかに受診します。 発症頻度の増加や症状の性質の変化も精密検査の対象となります。持続時間や変化を正確に記録し医師に伝えることで、原因特定と適切な治療につながります。 重症兆候があればすぐに医療機関へ 内容 詳細 視界異常が長時間続く 視野欠損や暗点が1時間以上持続する状態 片目だけに症状が出る場合 網膜剥離・眼底出血など眼科疾患の可能性 神経症状の出現 手足のしびれや麻痺、言語障害、意識低下 激しい頭痛や吐き気を伴う 脳出血・脳梗塞・くも膜下出血の可能性 初めての強い症状 既往のない重度発作や症状の急激な進行 閃輝暗点は多くは片頭痛の前兆として一過性に現れますが、脳梗塞、脳腫瘍、一過性脳虚血発作(TIA)、網膜剥離など命に関わる疾患の前触れとなることもあります。 視野欠損が続く場合や片目だけの症状、激しい頭痛や吐き気、麻痺、言語・意識障害を伴う場合は危険性が高く、速やかな受診が必要です。 運動・言語障害が出たら緊急対応 閃輝暗点は多くの場合、片頭痛の前兆として現れる視覚症状ですが、同時に手足のしびれや麻痺などの運動障害や、ろれつの回らない、言葉が出にくいといった言語障害を伴う場合は、脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)などの命に関わる疾患が疑われます。 これらは脳の血流が著しく低下しているサインであり、一刻を争う事態です。放置すると脳の損傷が進行し、後遺症が出る危険が高まります。症状が出た際は自己判断せず、直ちに救急車を呼び医療機関を受診する必要があります。 閃輝暗点の見え方が現れた場合はただちに医療機関を受診しよう 閃輝暗点が初めて現れた場合や片目のみ、通常と異なる症状を伴う場合は重大な病気の可能性があり、自己判断せず直ちに受診してください。早期診断により原因を特定し、必要に応じて適切な治療を開始できます。 閃輝暗点の見え方についてお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、閃輝暗点の原因となる脳疾患の症状によっては、手術や薬物療法より低リスクな再生医療を提案できる場合があります。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 閃輝暗点の見え方に関するよくある質問 閃輝暗点が現れたものの頭痛がないのですが大丈夫? 頭痛を伴わない閃輝暗点は、必ずしも片頭痛の前兆とは限らず、まれに脳梗塞、脳腫瘍、一過性脳虚血発作など他の脳疾患が原因となることがあります。 頭痛がない場合でも、脳の異常サインの疑いがあります。そのため、早期の受診が重要です。 閃輝暗点に効く即効薬はありますか? 閃輝暗点に即効で効果を示す薬剤は現時点ではありません。多くの場合、症状は数分程度で自然に消失するため、特別な薬剤で速やかに治すことはできません。 片頭痛を伴う場合には、頭痛発作に対してトリプタンなどの治療薬が使用されることがありますが、閃輝暗点そのものを即座に消失させる薬剤はありません。 閃輝暗点は何科を受診すれば良いですか? 閃輝暗点が初めて出た場合は、脳の血流変化による視覚症状の可能性が高いため、脳神経外科または脳神経内科の受診が適切です。これらの診療科では脳の状態を詳しく評価できます。 視覚異常が片目のみに出る場合は眼科的疾患の可能性があるため眼科の受診も検討します。両目に同時に症状が出る場合は脳の異常が疑われるため、脳神経外科や脳神経内科を受診することが推奨されます。
2025.08.31 -
- 腱板損傷・断裂
- 肩関節
「腱板損傷は安静にすれば自然に治るのでは?」 「手術や注射を避けたい」 本記事では、腱板損傷が自然に治癒する可能性や治療期間、放置による悪化のリスクについて、医学的根拠に基づき現役医師が解説します。 記事の最後にはよくある質問をまとめています。まずは自分の症状と損傷の程度を正しく把握し、適切な治療と生活管理を始めましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 腱板損傷の治療について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 腱板損傷は自然治癒する? リスク項目 内容 断裂拡大 放置により断裂が広がる可能性 機能低下 肩の筋力や動きの制限による日常生活への支障 手術困難 長期放置で脂肪浸潤・変性が進み再縫合が困難になる可能性 関節症進行 腱板断裂性肩関節症への移行リスク 手術成績への影響 断裂が進行した状態での手術は術後の回復遅延や満足度低下のリスクが高い 腱板は肩の重要な働きを担う組織で、血流が乏しく自然治癒が極めて困難な部位です。1996年と2002年に行われたMRIによる経過観察では、完全断裂の約66%が拡大し、縮小例はゼロでした。中等度の部分断裂でも縮小は27%にとどまり、自然治癒はまれと報告されています。 放置すると断裂拡大や筋力低下が進行し、洗濯干しや着替えなどの日常動作に支障をきたす恐れがあります。さらに、長期放置は手術の難易度を上げ、術後の回復や満足度に影響します。保存療法で痛みを抑えることは可能ですが、断裂そのものの修復はできません。早期に医療機関で画像検査を受け、適切な治療方針を立てることが重要です。 腱板損傷を放置するリスク 放置するリスク 詳細 断裂が進行し機能が低下する 断裂部の拡大による肩の可動域と筋力の低下。日常生活の基本動作が困難になる状態 手術が必要になる可能性 断裂の悪化で手術適応となるリスク増大。放置による筋肉の脂肪浸潤や変性による縫合困難 腱板断裂性肩関節症に進行するリスク 肩関節のバランス崩壊による軟骨・滑液包障害。人工肩関節置換を検討せざるを得ない段階 肩以外にも負担が広がる 周囲の筋肉や関節への過負荷。肩こり、腰痛、姿勢不良など他部位の不調の原因となる状態 腱板損傷を放置すると損傷が拡大し、肩の可動域が狭まり日常生活や仕事に支障が出ます。初期は保存療法で改善するケースもありますが、進行すれば手術が必要になる場合が多く、肩を酷使する人ほど悪化は早まります。 長期放置で肩関節が変形し腱板断裂性肩関節症に進行すると治療は複雑化します。また、肩をかばうことで首や背中、反対側の肩などにも負担がかかり、二次的な不調や全身バランスの崩れを招きます。早期診断と適切な治療が不可欠です。 以下の記事では、腱板断裂を放置するリスクを詳しく解説しています。 【関連記事】 腱板断裂を放置するとどうなる?日常生活や仕事への影響を現役医師が解説! 腱板損傷と断裂の違いは?症状の進行や治療法について現役医師が解説 断裂が進行し機能が低下する 放置による影響 詳細 腱の裂け目拡大と張力の喪失 断裂部分の拡大による腱板の安定性低下。本来の張力喪失による腕の挙上・支え動作の困難 筋肉の萎縮・脂肪化 使われない腱板筋の萎縮と脂肪浸潤。不可逆的変化による筋力回復困難 肩の連携動作の乱れ 腱・筋連動の喪失による肩甲骨運動障害。負荷の偏りによる他の腱板や筋肉への損傷拡大 生活動作の制限 腕の動き制限による洗濯・着替え・整髪動作の困難。生活の質低下と介助依存のリスク増大 腱板損傷は、日常的な肩の使用により徐々に進行する可能性があります。とくに、断裂部に持続的な負荷が加わると、裂傷が拡大し、部分断裂から完全断裂へ移行することがあります。 断裂範囲が拡大すると、腕の挙上や物の把持といった基本的な動作が困難となり、肩の機能は顕著に低下します。 手術が必要になる可能性 断裂が進行すると修復は難しくなり、手術が複雑化して回復も遅れます。活動的な方や症状が長く続く場合は、断裂部を骨に縫合する手術で機能改善が期待できますが、リスクもあるため必ず医師と相談してください。 放置は将来的に手術が必要になるリスクを高めるため、早期の診断と適切な治療・リハビリの検討が重要です。 以下の記事では、肩腱板断裂の手術と入院期間について詳しく解説しています。 腱板断裂性肩関節症に進行するリスク 進行する理由 詳細 腱板断裂による肩の安定感喪失 腱板の支え消失による上腕骨の位置異常と関節動作の不安定 骨同士の衝突と軟骨摩耗 上腕骨の上方移動による肩峰との接触と関節軟骨の持続的摩耗 関節変形と機能低下 軟骨消失による関節裂隙の狭小化、骨棘形成、骨変形による摩擦増加 筋肉バランスの崩れと関節不安定化 腱板機能の喪失による筋肉の不均衡と骨・軟骨への負荷増大 腱板損傷を長期間放置すると、肩関節の安定性が失われ、腱板断裂性肩関節症へ進行する可能性があります。これは肩関節内の軟骨が摩耗し、関節自体が変形する病態です。 一度変形した関節は元に戻らず、強い痛みが慢性化して日常生活に大きな障害をもたらします。 肩以外にも負担が広がる 腱板損傷で肩の機能が低下すると、首や肩甲骨周囲の筋肉、腰、肘、手首、反対側の肩などに過度な負担がかかり、こりや痛みが広がります。 これは肩の回復ではなく代償動作によるもので、全身のバランスを崩す原因となります。早期診察と適切な治療で負担拡大と症状悪化を防ぐことが重要です。 腱板損傷の治療期間 進行度 詳細 注意点 軽度の腱板損傷(保存療法で3〜6カ月) 安静、薬、リハビリにより約3カ月で日常動作が可能に。スポーツや重作業復帰は最大6カ月。断裂は修復されず症状コントロールが目的 年齢・筋力・仕事内容で回復に差。無理な運動は再断裂リスク。必ず医師・理学療法士の指導下で実施 中等度の腱板損傷(6〜12カ月) 2〜3カ月で日常生活復帰。可動域・筋力回復には6〜12カ月。軽作業は約3カ月で可能だが、高負荷作業・スポーツは6カ月が目安 3カ月以上改善が乏しい、断裂範囲が広い場合は手術検討。年齢・生活スタイルを踏まえ治療方針を決定 重度・広範囲断裂(手術必要例|6カ月〜1年以上) 手術後の回復は6カ月〜1年以上。年齢・断裂の大きさ・筋肉状態で差あり。MRIや超音波で定期評価しながらリハビリ継続 回復は長期計画が必要。自己判断で負荷増加しない。医師・リハビリ専門職と連携 腱板損傷の回復期間は損傷の程度によって異なります。軽度では、安静や薬、リハビリなどの保存療法で3〜6カ月が目安です。受傷から約3カ月で日常動作がほぼ可能になりますが、断裂が完治するわけではありません。 中等度では、日常生活復帰に2〜3カ月、肩の動きや筋力の回復に6〜12カ月かかります。軽作業は約3カ月で可能な場合もありますが、重い作業や高負荷スポーツは6カ月程度が目安です。3カ月以上治療しても改善がない場合や断裂が大きい場合は手術を検討します。 重度・広範囲では手術が必要で、回復には半年〜1年以上かかります。年齢や筋力、生活環境により差があるため、無理をせず医師や理学療法士の指導のもとで治療とリハビリを行うことが重要です。 腱板損傷の治療法 治療法 詳細 薬物療法 症状緩和目的の消炎鎮痛剤や湿布、関節内注射による炎症抑制 温冷療法 血流促進と筋肉の緊張緩和を狙う温熱・冷却処置。リハビリ補助療法 リハビリテーション 肩周囲筋の筋力維持・可動域拡大。残存機能の強化と動作指導 手術療法 断裂部の縫合修復。関節鏡による小切開手術が主流。重症例で適応 再生医療 幹細胞等を用いて損傷組織の再生促進。新規治療法として注目 腱板損傷の治療は、患者の年齢や活動レベル、損傷の範囲・重症度を総合的に考慮して決定されます。保存療法では、消炎鎮痛剤や湿布、関節内注射による炎症抑制、温熱や冷却による血流改善と筋緊張緩和、肩周囲筋の筋力維持や可動域拡大を目的としたリハビリテーションを行います。 重度の断裂や保存療法で改善が得られない場合は、関節鏡による小切開での縫合修復術などの手術が適応です。幹細胞を用いた組織再生を促す再生医療も、新たな選択肢として注目されています。 薬物療法 有効な理由 詳細 炎症や腫れの抑制 NSAIDsやステロイド注射による炎症抑制と腫れ軽減。夜間の不快感や動作時の負担軽減 リハビリ継続のための環境づくり 痛み軽減による可動域訓練や筋力トレーニング開始の容易化 日常動作のストレス軽減 家事や運転などの日常動作時の違和感や不安の軽減 保存療法の柱としての役割 保存療法構成要素の一つとして症状軽快の確率向上。手術回避の補助 腱板損傷に対する薬物療法は、炎症や腫れを抑えて痛みを軽減し、治療を円滑に進めるための重要な方法です。NSAIDs(消炎鎮痛薬)やステロイド注射は、痛みや可動制限を緩和し、夜間の不快感や日常生活での負担を減少させます。 ステロイド注射は腱の損傷を悪化させずに症状を改善し、その効果が半年以上続くため、リハビリ継続と肩機能の改善に寄与します。 薬物療法は腱を修復する治療ではありません。しかし、残存する腱や筋肉の機能を活かし、肩の使い方を改善するための支援となります。リハビリや他の治療と組み合わせることで、機能回復を効果的に支えます。 温冷療法 状況・時期 詳細 急性期(受傷〜48時間以内) アイスパックや冷湿布による炎症・腫れの抑制。痛みの緩和と患部保護 慢性期(炎症が落ち着いた後) 温湿布や温浴による血行促進。筋肉のこり緩和と関節可動性の向上 温→冷の交替使用 血流改善とこわばり軽減。疲労回復の補助 日常生活での取り入れやすさ 自宅でも実施可能な負担軽減法。リハビリ前後の補助にも有用 注意点 1回15分以内・1時間に1回目安。冷やす際は肌を保護。温め過ぎはやけどリスク。循環障害・皮膚脆弱部位は医師指示必須 温冷療法は、腱板損傷の症状や回復段階に応じて冷却と温熱を使い分ける方法です。受傷直後や炎症が強い急性期は、冷却により炎症と腫れを抑え、痛みを軽減します。炎症が落ち着いた慢性期には温めることで血流を促し、筋肉のこりを和らげ、肩関節の動きを改善しやすくします。 また、温めた後に冷やす交替浴により循環が促進され、こわばりの軽減にもつながります。自宅でも実践可能で、リハビリ前後の痛みコントロールや準備運動の補助として有効です。ただし、冷やしすぎや温めすぎは逆効果となる場合があり、皮膚の保護や時間管理が重要です。 また、循環障害や皮膚が弱い方は使用前に医師へ相談しましょう。温冷療法は腱断裂を直接治すものではなく、あくまで保存療法の一部として症状緩和と機能改善を支える補助的役割を果たします。 リハビリテーション 有効な理由 詳細 周囲の筋肉で肩を支える 残存する筋肉や肩甲骨周辺の動きを整え、三角筋などで断裂部を補う安定性の向上 可動域維持と拘縮予防 動かせる範囲を保ち、肩のこわばりや凍結肩の発症を防ぐ可動域練習 筋力回復による日常動作改善 手を挙げる・物を持つ動作を支える筋力強化による機能回復 正しい姿勢と使い方の習得 肩甲骨の動かし方や姿勢の修正による再断裂予防と負担軽減 手術回避や術後回復の促進 中等度以下では保存療法で症状改善、術後の機能回復促進 腱板損傷は断裂した腱の自然修復は極めて困難ですが、リハビリテーションにより残存する筋群や肩甲骨周囲の機能を整え、肩関節の安定性と可動性を向上させることが可能です。とくに三角筋などの働きが断裂部を補完し、日常生活動作の円滑化に寄与します。 長期間の不動は拘縮や凍結肩を招きやすいため、疼痛のない範囲で関節可動域を維持することが重要です。さらに、段階的な筋力強化により物の把持や挙上動作が改善し、生活復帰が促進されます。理学療法士による姿勢や肩の使用方法の適正化は、再発予防にも効果的です。 軽度〜中等度の損傷では手術回避が可能な場合があり、手術を行う場合でも術後の機能回復を支援します。定期的な評価と継続的介入が良好な治療成績と将来的な肩障害予防につながります。 以下の記事では、痛みを和らげる方法やストレッチの方法をわかりやすく解説しています。 手術療法 有効な理由 詳細 腱板断裂を元の位置につなげる唯一の方法 関節鏡や直視下手術による断裂部の再固定と修復 進行防止と肩機能維持 偽性麻痺や変形関節症への進行予防 関節鏡手術による低侵襲治療 約1.5cmの小切開から器具を挿入し、出血・感染・身体負担を軽減 手術は早期ほど有利 早期対応で医療費増加や再治療リスクを抑制 術後リハビリの重要性 可動性と筋力を段階的に回復させ結果を向上 腱板損傷の手術は、切れた腱を骨へ再固定できる唯一の方法です。自然治癒ではほとんど再接着しないため、進行すれば肩を上げられなくなる偽性麻痺(肩を上げられなくなる状態)や、関節の変形を伴う変形性関節症に至る危険があります。 現在は関節鏡を使った低侵襲手術が主流です。1.5cm程度の小切開から器具を挿入するため出血や感染のリスクが少なく、身体への負担も軽減されます。 腱板損傷は手術開始の遅れが再治療リスクを高める可能性があり、術後は理学療法士の指導による早期リハビリで可動域と筋力を回復させることが、長期的な肩機能の維持と生活の質向上に直結します。 再生医療 再生医療は、自身の身体から採取した幹細胞を培養・増殖させ、損傷部へ注射することで腱板の修復・再生を促す先進的治療法です。従来の薬物療法やリハビリでは改善が難しい場合でも、損傷した腱板の治癒力を高め、根本的な回復を目指せます。 手術のような大きな切開や入院を伴わず、注射で行うため身体への負担が少なく、感染症リスクも極めて低いことが特徴です。さらに、日常生活への制限がほぼなく、リハビリと併用することで機能回復をより効果的に進められる可能性があります。 ただし、実施している医療機関は限られているため、受診前に対応可否を確認することが必要です。痛みの軽減と腱板の再生を同時に実現し、手術を回避できる選択肢として有効性が期待されています。 以下の記事では、再生医療について詳しく解説しています。 【関連記事】 PRP療法のメリット・デメリットは?効果や費用も紹介 肩の腱板損傷にはテーピングが有効!巻き方やリハビリについて専門医が解説 腱板損傷は自然治癒に頼らず医療機関を受診しよう 腱板損傷は放置すると進行し、手術が必要となる可能性があります。軽度の場合でも、画像診断で損傷範囲を正確に把握し、適切な治療計画を立てることが重要です。早期に受診すれば保存療法による改善が期待でき、生活や仕事への影響を最小限に抑えることが可能です。 腱板損傷でお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院は、腱板損傷の治癒に有効である再生医療を選択肢のひとつとしてご提案しています。再生医療は、手術に伴う感染症や薬物による副作用のリスクが低いメリットがあります。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 腱板損傷の自然治癒に関するよくある質問 サプリメントや市販品で腱板損傷は良くなりますか? 腱板損傷は、サプリメントだけで断裂が治る科学的根拠はありません。成分によって痛みの軽減など短期的な効果が期待できる場合はありますが、腱を物理的に修復する証拠はなく、機能改善の裏づけも不十分です。 サプリに頼りすぎることで治療のタイミングを逃し、症状が悪化する恐れがあります。まずは医師による診察と画像検査で損傷の程度を確認し、適切な治療計画を立てることが大切です。 腱板損傷を再発させない方法はありますか? 腱板手術後は、専門家の指導のもとで可動域回復から筋力強化まで、段階的にリハビリを行うことが推奨されます。 日常生活では、重い荷物の運搬や腕を大きく振る動作を避け、肩甲骨周囲の筋力と柔軟性を維持します。姿勢の改善、過負荷の回避、適切な栄養管理も再断裂予防に重要です。
2025.08.31 -
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「腱板損傷の症状が一向に良くなる兆しが見えない」 「腱板損傷はどれくらいで治るのか知りたい」 違和感や力の入りにくさを感じると、仕事や私生活に大きな支障が生じます。腱板損傷と診断されても、どのような治療法があり、どれくらいで回復できるのかがわからず、不安を抱く方は少なくありません。 とくに日常的に肩を酷使する人やスポーツ愛好者にとって、放置による悪化は避けたいものです。本記事では、腱板損傷の治療法について現役医師が詳しく解説します。記事の最後には、腱板損傷の治療についてよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 腱板損傷の治療法について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 腱板損傷はどれくらいで治る? 進行度 詳細 軽度 保存療法による日常生活の改善期、症状の安定期(慢性化抑制)、3〜6カ月で日常生活動作の支障軽減、最大6カ月でスポーツ・肉体労働復帰の目安 中等度 保存療法とリハビリ継続、6カ月〜12カ月程度の治癒期間、症状の程度や個人差による回復期間の変動、日常生活や軽いスポーツ復帰の可能性 重度 手術が必要な場合が多い術後2〜3カ月で日常生活の支障が軽減し、3カ月頃から軽作業が可能、6カ月程度で重作業やスポーツ復帰目安、場合により1年以上の回復期間 腱板損傷の回復期間は、損傷の程度や治療方法、肩の使い方によって異なります。軽度は保存療法で数週間〜3カ月で症状が安定し、3〜6カ月で日常生活に支障がほぼなくなります。 中等度は6〜12カ月、重度は6カ月〜1年以上かかることもあります。広範囲の断裂では手術が必要となり、術後3〜6週間の安静後にリハビリを行い、日常生活復帰は2〜3カ月、重作業やスポーツ復帰は6カ月以上かかる場合があります。年齢や基礎疾患、肩を酷使する習慣も影響するため、早期からの適切な治療とセルフケアが重要です。 以下の記事では、腱板損傷の自然治癒の可否について詳しく解説しています。 腱板損傷|軽度 項目 内容 状態 腱板の一部に炎症や小さな損傷がある状態 主な治療法 安静、日常動作の見直し、物理療法(温熱・冷却)、消炎鎮痛薬、軽いリハビリ 回復までの目安 日常生活の改善は3〜6カ月、スポーツ・重作業復帰は最大6カ月ほど 注意点 肩に負担をかける動作の回避、症状が軽くても無理をしない 予後・見通し 早期治療により損傷拡大を防ぎ、数週間〜3カ月で症状を安定させる 軽度の腱板損傷は、腱の一部に炎症や小さな損傷がある状態です。原因は繰り返しの肩の使用や急な動作による負荷で、放置すると悪化し中等度・重度になる可能性が高い状態です。治療は安静、生活動作の見直し、物理療法、消炎鎮痛薬、リハビリを組み合わせて実施されます。 早期治療で損傷の拡大を防ぎ、症状は数週間〜3カ月で安定します。日常生活には早期復帰できますが、スポーツや重作業は3〜6カ月かかる場合があり、痛みが軽くても肩の酷使を避け、休養と段階的リハビリが必要です。 腱板損傷|中等度 項目 内容 状態 腱板の一部に部分断裂や炎症の拡大 主な治療法 安静、日常動作の見直し、物理療法(温熱・冷却)、消炎鎮痛薬、計画的なリハビリテーション 回復までの目安 日常生活復帰は約2〜3カ月。スポーツ・重作業復帰は一般的に6〜12カ月 注意点 痛みが軽減しても無理な復帰は再発リスク。リハビリ・保存療法で十分な改善が得られない場合は手術を検討 予後・見通し 計画的な治療・リハビリ継続で比較的円滑な社会・スポーツ復帰が可能(ただし症状や治療法により期間は前後) 中等度の腱板損傷は、腱の部分断裂や炎症が広がり、肩の可動域制限や筋力低下がみられる状態です。治療は安静、生活動作の見直し、物理療法、薬物療法、リハビリを組み合わせた保存療法が中心で、改善が乏しい場合や断裂範囲が広い場合は関節鏡手術を検討します。 保存療法では、日常生活復帰まで約2〜3カ月、スポーツ・重作業復帰まで約6カ月、治癒まで6〜12カ月かかる場合が多いです。手術を行った場合は術後リハビリを含め半年以上かかります。自然治癒は難しいため、無理な動作を避け、医師や理学療法士の指導に沿って段階的に回復を進めることが重要です。 腱板損傷|重度 項目 内容 状態 腱の完全断裂により日常動作や腕の挙上が著しく制限される状態 主な治療法 手術による腱の修復、術後3〜6週間の固定・安静後にリハビリ開始 回復までの目安 術後2〜3カ月で日常生活の支障が軽減し、3カ月頃から軽作業が可能、6カ月でスポーツ・重作業復帰が一般的だが個人差大 影響要因 放置による関節変形や機能回復の限界、再断裂リスク、リハビリの継続と医師指導の厳守が重要 注意点 年齢、損傷範囲、治療法、リハビリ状況などによる回復期間の差異 重度の腱板損傷は、腱が完全に断裂し、日常生活の動作や腕の挙上が著しく困難となる状態です。保存療法のみでの回復は難しく、多くの場合は手術による修復が必要です。手術後は約3〜6週間の安静期間を経てリハビリを開始し、縫合部の修復にはおよそ3カ月を要します。 日常生活への復帰は術後2〜3カ月、軽作業は術後3カ月頃から可能となる場合が多く、スポーツや重作業への復帰は術後6カ月以降が目安です。全体の回復期間は半年〜1年程度ですが、損傷範囲や年齢、肩の使用状況によっては1年以上を要することもあります。 保存療法を選択した場合でも、重度損傷では回復に半年以上かかることが多いため、放置による関節変形や機能低下を防ぐために、早期の医療介入と計画的なリハビリの実施が重要です。 以下の記事では、重度の腱板損傷について詳しく解説しています。 腱板損傷の治療法 治療法 詳細 セルフケアと生活上の工夫を実践する 肩への負担の軽減、姿勢・動作の見直し、日常生活での適切な休養と工夫 温冷療法 急性期の冷却による炎症抑制、慢性期の温熱による血流促進と筋肉のこわばり緩和 薬物療法 消炎鎮痛薬の内服、局所ステロイド注射による炎症抑制と症状の緩和 リハビリテーション 可動域改善、筋力強化、専門家指導のもと段階的に負荷を増やす運動療法 手術療法 重度断裂に対する腱の修復手術、術後の安静期間と段階的リハビリ 再生医療 幹細胞・PRP療法による腱修復促進、保存療法や手術の補完的治療 腱板損傷の治療は、症状や損傷の程度に応じて適切な方法を選択します。セルフケアでは、肩への負担を減らし、姿勢や動作を見直し、十分な休養を取ることが重要です。温冷療法は、急性期に冷却で炎症を抑え、慢性期に温熱で血流を促進します。 薬物療法では、消炎鎮痛薬の内服や局所ステロイド注射により炎症と痛みを軽減します。リハビリテーションは、可動域改善や筋力強化を目的に、専門家の指導のもと段階的に運動を行います。重度断裂では、腱修復手術が必要となり、術後には安静期間と継続的なリハビリが欠かせません。 再生医療は、幹細胞やPRP療法で腱修復を促す方法ですが、実施医療機関が限られており、事前に対応可否と適応の有無について医師の診察を受ける必要があります。 以下の記事では、肩腱板断裂(腱板損傷)の痛みについて詳しく解説しています。 セルフケアと生活上の工夫を実践する 内容 詳細 肩への負担を減らす生活習慣の見直し 重い物を持つ・腕を急に上げる動作の回避、姿勢改善による肩への負担の軽減 温冷療法の活用 怪我初期は冷却で炎症抑制、その後は温熱で血流促進と筋緊張緩和 適切なリハビリやストレッチの実践 医師の指導で痛みのない範囲の運動・可動域拡大、筋力強化 適切な安静と休息 無理な動作を避け、日常生活で安静時間を確保 医療機関でのフォローに併せた自宅ケア 注射・物理療法の補完として計画的なセルフケア継続 腱板損傷は自然治癒が難しく、肩への負担軽減と肩周囲筋の強化が症状の軽減と機能維持に重要です。セルフケアでは、無理な腕の挙上や高所への手の動きを避け、就寝時は肩を圧迫しない姿勢を保ち、必要に応じてタオルやクッションで支えます。 荷物は片手に偏らず両手や身体全体で分散し、デスクワークではモニター位置を調整して長時間同姿勢を避けることで、炎症悪化防止や可動域維持、再発予防につながります。医療機関での治療と併用することで、より効果的な症状管理が可能です。 以下の記事では、肩の腱板損傷のセルフケアに役立つテーピングについて詳しく解説しています。 温冷療法 方法 適用時期・目的 実施方法 注意点 冷却療法(アイシング) 急性期(受傷〜48時間以内)、炎症・腫れの抑制、二次損傷予防 氷嚢やアイスパックをタオルで包み、患部に15分程度あてる。15〜20分ごとに繰り返す 直接長時間あてない、皮膚の凍傷防止、間隔を空ける 温熱療法 慢性期・回復期、血行促進、筋肉や腱の柔軟性改善、可動域拡大 ホットパック、温タオル、入浴などで温める 急性期は避ける、皮膚低温やけど防止、持病がある場合は医師へ相談 温冷療法は、腱板損傷による痛みや炎症の管理に有効な方法です。冷却療法は、受傷直後や急性期に氷嚢やアイスパックをタオルで包み、15分程度患部にあてることで血管を収縮させ、炎症や腫れを抑えます。これにより二次的な組織損傷の予防にもつながります。 温熱療法は、炎症が落ち着いた慢性期や回復期に行います。ホットパックや入浴で肩を温めることで血流を促進し、筋肉や腱の柔軟性を高め、可動域の改善や痛みの緩和を図ります。症状や時期に応じた適切な使い分けが重要です。 冷やすべき時期に温めると悪化する恐れがあります。また、長時間の直接冷却や高温での長時間温熱は避け、持病がある場合は必ず医師に相談の上で実施する必要があります。 薬物療法 薬物療法の種類 詳細 消炎鎮痛剤(NSAIDs) 飲み薬や貼り薬による炎症物質生成の抑制と症状軽減、軽度〜中等度症状への初期対応、日常動作負担の軽減 局所ステロイド注射 関節内や周囲への直接注入による強力な炎症抑制、即効性のある一時的効果、4回以上の連続使用非推奨、医療機関での実施とリハビリ併用 その他の補助的薬物療法 筋弛緩薬や鎮痛補助薬による補助的対応、消炎鎮痛剤の補完的使用 薬物療法は、炎症を軽減し機能回復を支援する目的で行われます。一般的に使用される非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は炎症や疼痛の軽減に使用される薬剤です。 急性期や症状が強い場合は関節内ステロイド注射で炎症を抑え、リハビリや生活を行いやすくします。長期使用は副作用の恐れがあるため医師の指示に従い、生活改善やリハビリと併用して効果を高めます。 リハビリテーション 段階 詳細 急性期 安静、アイシング、無理のない範囲での肩関節可動域運動 回復期 ストレッチ開始、肩の柔軟性回復、肩甲骨・肩関節周囲筋の軽い筋力強化 強化期 抵抗トレーニング導入、肩周囲筋力と持久力向上 維持期 適切な負荷管理下での定期的運動継続、肩機能維持と再発防止 患者指導 痛みを悪化させる動作回避法、日常生活での肩負担軽減法 医療機関との連携 段階的運動負荷調整、安定したリハビリ進行のための医師・理学療法士の指導 腱板損傷の回復と疼痛軽減には、段階的かつ計画的なリハビリテーションが重要です。リハビリは可動域改善と筋力強化によって肩関節の安定性を高め、肩甲帯の適切な働きで関節への負担を減らします。 急性期は安静とアイシング、軽い可動域運動で炎症を抑え、回復期にはストレッチや軽い筋力トレーニングで柔軟性と支持力を回復します。 強化期には抵抗運動で筋力・持久力を高め、維持期では定期的な運動と負荷管理で再発を防ぎます。全過程を通じて、医師や理学療法士の指導のもと日常生活での負担軽減と安定した運動進行を実施することが大切です。 以下の記事では、腱板損傷に効果的なリハビリ方法について解説しています。 手術療法 項目 詳細 手術の目的 保存療法で改善しなかった場合、重度機能障害を伴う場合に有効 主な適応 大きな断裂、進行例、保存療法で改善が乏しい症例 手術方法 関節鏡視下手術による断裂腱の縫合固定、腱と骨の再連結 手術の流れ 肩に小切開を数か所、関節鏡と専用器具で断裂部確認・修復 手術後経過 数週間の固定後、専門的リハビリ開始、軽作業は数カ月、運動復帰は半年程度 期待される効果 肩機能改善、可動域制限や再断裂リスク低減、長期的予後の向上 保存療法(リハビリや薬物療法)では修復が困難な大きな断裂や進行例に有効です。対して手術療法は、重度の機能障害や保存療法で改善しない場合に推奨されています。 主流は関節鏡視下手術で、小切開からカメラと器具を挿入し断裂部を修復、腱を骨に縫合固定します。腱と骨の癒合により肩の安定性と可動域が改善します。術後は数週間固定し、その後リハビリを行い、軽作業は数カ月後、スポーツや重作業は半年程度で復帰可能です。 再生医療 腱板損傷に対する再生医療は、患者自身の幹細胞や血小板を培養し、損傷部へ注射して組織の修復・再生を促す治療法です。 自然治癒が難しい損傷に対し、痛みの緩和と正常に近い組織回復を目指します。手術や入院の負担がなく侵襲も少ないため、保存療法と併用して回復を促すこともあります。ただし、適応条件や症例は限られ、実施施設も限られているため、医師の慎重な判断が必要です。従来治療で効果が不十分な場合や手術を避けたい場合に選択されます。 以下の記事では、再生医療について詳しく解説しています。 【関連記事】 PRP療法のメリット・デメリットは?効果や費用も紹介 再生医療とは 腱板損傷を放置するリスクと注意点 放置するリスク 詳細 症状の進行と機能低下 断裂部位の拡大、肩関節の筋力低下、可動域制限、日常生活動作の困難 炎症の慢性化と関節変形 慢性的な炎症の持続、滑膜炎、関節内の癒着、関節の変形や骨の摩耗 生活・仕事への影響 肩の動かしにくさ、作業や趣味の制限、睡眠障害や日常動作への支障 手術が必要になることもある 保存療法での改善困難、断裂の悪化、機能回復不全、最終的に手術や人工関節置換術の必要性 腱板損傷を放置すると損傷拡大や炎症慢性化により、筋力低下や関節変形、日常生活への支障が進行します。断裂が進めば手術が必要となり、回復期間が長期化する恐れがあります。 症状の進行防止と機能低下の抑制のため、早期に医療機関で診断を受け、適切な治療を開始することが重要です。 以下の記事では、腱板損傷を放置するリスクについて詳しく解説しています。 症状の進行と機能低下 理由 詳細 断裂部位の拡大 損傷部が自然修復されず裂け目が広がることで、肩の安定性低下 筋肉の萎縮 使わなくなった腱板筋のやせ細りによる筋力低下 可動域の制限 筋力低下や断裂の進行による関節の動きの狭まり 慢性炎症と拘縮 持続する炎症による組織の硬化と肩のこわばり 関節変形の進行 軟骨摩耗による骨同士の接触と変形性関節症の発症 腱板は肩関節の安定を保つ重要な組織ですが、血流が乏しく自然修復が難しいため、損傷を放置すると悪化しやすくなります。 時間の経過とともに断裂が拡大し筋力が低下、可動域制限や拘縮が進行して肩の動きが困難になります。長期間放置すると軟骨摩耗や骨の接触による変形が進み、痛みや機能低下で日常生活に影響を及ぼすため早期治療が必要です。 炎症の慢性化と関節変形 理由 詳細 炎症の慢性化 損傷部位の持続的刺激による炎症継続、組織の硬化と拘縮発生、肩可動域の制限、痛みや使いにくさの長期化 関節変形 腱板機能低下による軟骨摩耗、骨同士の直接接触、骨形態の変化(変形性肩関節症)、肩動作の制限と痛みの悪化 腱板損傷を放置すると肩関節内の炎症が慢性化し、周囲組織が硬くなる拘縮が生じることで、可動域が制限され、腕の動かせる範囲が狭くなります。 腱板機能の低下が長期化すると肩関節への負担が増え、軟骨摩耗や骨の変形を伴う変形性肩関節症へ進行する危険が高まります。変形が進行すると不可逆的な変化となり、手術を含む大規模な治療が必要になる場合があるため、早期診断と適切な治療で重度の関節障害を防ぐことが重要です。 生活・仕事への影響 リスク・注意点 詳細 炎症の慢性化 長期間の損傷による炎症持続、肩周囲組織の硬化(拘縮)、痛みや不快感の長期化 関節変形 腱板機能低下による軟骨摩耗、骨同士の接触、変形性肩関節症への進行と症状悪化 生活・仕事への影響 腱板筋力低下による動作不全、日常生活動作の困難化、睡眠や仕事への悪影響 腱板損傷を放置すると炎症が慢性化して拘縮が起こり、可動域が制限されます。さらに機能低下が進み、軟骨摩耗や骨の接触から変形性肩関節症へ進行し、痛みや動作制限が悪化します。 筋力低下による動作不全は日常生活や仕事、趣味に支障をきたし、生活の質低下や精神的負担を招くため、早期診断と適切な治療が重要です。 手術が必要になることもある 理由 詳細 断裂の拡大による修復困難 切れた腱板が自然修復されず裂け目が広がり、手術での修復難易度が上昇 症状悪化による生活支障 強い痛みや可動域制限による日常生活・仕事・趣味の制限 筋力低下・腱の退縮 長期放置による筋萎縮や腱の硬化による回復不良と再断裂リスク増加 重症化による手術の必要性 進行例で腱板修復が困難となり、筋膜移植や人工関節置換術が必要となる可能性 腱板損傷は肩関節の安定と動きを担う腱が切れる病態で、軽症なら保存療法で改善することもありますが、放置すると損傷が進行し、断裂拡大により手術が難しくなり、痛みや可動域制限で生活に支障をきたします。 長期放置は筋萎縮や腱退縮を招き、再断裂や機能回復不良のリスクを高め、重症化すれば大規模手術が必要になります。症状が悪化したり生活への影響が大きい場合は、早期に専門医を受診し、手術時期を含めた治療方針を検討することが重要です。 腱板損傷の再発を防止する方法 再発を防止する方法 詳細 適切なリハビリで肩周囲筋と肩甲帯を強化する 棘上筋・棘下筋・肩甲骨安定化筋の筋力向上、肩関節と肩甲帯の安定性確保 定期的なストレッチと可動域訓練で柔軟性を維持する 肩関節と肩甲骨周囲の筋群の柔軟性保持、関節可動域の正常化 姿勢や腕の動きを見直し肩への過負荷を抑える 猫背や巻き肩の矯正、腕の急激な挙上や過度な外旋の回避 回復期には運動強度を段階的に調整して進行させる 急激な負荷増加の回避、運動内容と強度の計画的漸増 腱板損傷の再発を防ぐには、回復後も肩周囲筋と肩甲帯の安定性を維持することが重要です。棘上筋・棘下筋・肩甲骨安定化筋を中心とした筋力強化と、定期的なストレッチや可動域訓練による柔軟性保持が欠かせません。 日常生活では猫背や巻き肩を避け、急激な腕の挙上や過度な外旋など肩に負担をかける動作を控えます。さらに、作業環境やスポーツ動作を見直し、運動強度は段階的に調整することが大切です。こうした継続的な取り組みにより、再発リスクを低減し、肩機能の長期的な維持が可能となります。 適切なリハビリで肩周囲筋と肩甲帯を強化する 項目 詳細 肩関節周囲のストレッチと可動域訓練 肩甲骨周囲の柔軟性向上、関節可動域の拡大 チューブや軽い抵抗を使った筋力トレーニング 回旋筋群(外旋・内旋)と肩甲帯の段階的強化、肩状態に応じた負荷調整 姿勢改善や動作指導 肩への過度な負担軽減、日常生活や仕事での適切な肩の使い方指導 医師の指導のもとでの段階的リハビリ 理学療法士などによる継続的な運動指導、再発予防 腱板損傷は、保存療法で改善が見込める段階を過ぎると腱の再接合が難しくなり、手術が必要になる場合があります。手術は有効な治療法ですが、身体的・精神的負担が大きく、術後には長期間のリハビリが必要です。 軽度〜中等度の損傷は、保存療法で回復することが一般的ですが、放置すると断裂の進行や慢性痛により手術が必要になるリスクが高まります。早期治療は手術回避や将来の機能低下防止に有効です。 定期的なストレッチと可動域訓練で柔軟性を維持する 運動名 詳細 振り子運動 前かがみ姿勢で反対腕を支え、痛む腕を下に垂らして左右・前後に小さく揺らす可動域拡大運動 クロスボディストレッチ 腕を肩の高さまで上げ、反対の手で肘を体側へ引き寄せ肩後方を伸ばす柔軟性向上運動 手のひら回し 両腕を肩の高さに上げ、手のひらを回して肩甲骨周囲を動かす可動性向上運動 腕の上げ下げ運動 椅子に座って背筋を伸ばし、痛みのない範囲で腕をゆっくり上げ下げする可動域維持運動 腱板損傷のリハビリでは、肩関節の柔軟性を保ち可動域を広げることが重要です。振り子運動やクロスボディストレッチ、手のひら回し、腕の上げ下げ運動などを痛みのない範囲で行いましょう。 筋肉が硬くなると可動域が狭まり、肩に過度な負担がかかりやすくなります。これを防ぐためには、定期的なストレッチや可動域訓練を習慣化することが大切です。肩回しや肩甲骨を意識したストレッチを日常に取り入れ、とくに起床時や運動前後に実施することで筋肉の柔軟性を維持し、再発リスクを減らせます。 姿勢や腕の動きを見直し肩への過負荷を抑える 項目 詳細 姿勢改善 猫背矯正と背筋伸展による肩甲骨位置の正常化、デスクワーク時のモニター高さ・椅子高さ調整 腕の動きの工夫 過度な挙上や急なねじり動作の回避、肩負担軽減を意識した動線確保 肩甲骨の動きを意識 肩甲骨安定化筋の活用による滑らかな肩・腕の動作、肩甲骨周囲ストレッチやエクササイズの実践 仕事・日常動作の見直し 両手での物の持ち運び、左右の腕の使用バランス確保による肩負担分散 腱板は肩関節の動きと安定性を支える重要な組織です。不適切な姿勢や腕の使い方は過剰な負担となり損傷や再発の原因になります。猫背や巻き肩は肩甲骨の動きを制限し、肩関節に不要なストレスを与えます。 腕の無理な高挙や急なひねり、誤ったスポーツフォームはリスクを高める原因です。日常生活や仕事では背筋を伸ばし、モニターや椅子の高さを調整して姿勢を整え、物は両手で持ち左右均等に使います。肩甲骨安定化筋を鍛える運動やストレッチも有効です。必要に応じて専門家の動作指導を受けることが望まれます。 回復期には運動強度を段階的に調整して進行させる 腱板損傷のリハビリでは、回復期に運動強度を段階的に調整することが重要です。損傷部が完治する前に強い負荷をかけると、腱や筋肉に過剰なストレスがかかり、再断裂や炎症悪化の恐れがあります。 初期は軽い可動域訓練から始め、回復状況に応じてチューブや軽負荷を使った筋力強化へ移行し、最終的には日常生活やスポーツ動作に進めます。 段階的な負荷増加は腱や筋肉の適応を促し、肩関節の安定性を高める上で効果的な方法です。医師や理学療法士の指導のもと、状態に合わせた調整を行うことで無理なく長期的な機能回復に寄与します。 腱板損傷の治療にお悩みの方は当院へご相談ください 腱板損傷は放置すると断裂の進行や慢性化を招き、痛みや可動域制限が悪化して日常生活に大きな支障をきたす恐れがあります。早期に正しい治療を開始し、継続的に取り組むことが回復への近道です。 腱板損傷が改善せずお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、損傷部位の修復を目的とした再生医療を選択肢のひとつとしてご案内し、症状や状態に応じた治療方針を検討いただけます。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 腱板損傷の治療に関するよくある質問 腱板断裂でやってはいけないことはありますか? 腱板断裂では、肩に大きな負担をかける動作は避けましょう。重い物を持ち上げる、遠くへ手を伸ばす、腕を強くひねる、急な動作や過度な力をかける、肩を後ろに回すなどは悪化や再断裂の原因になります。 とくに手術後3カ月ほどは無理な運動を控え、医師の指示に従って段階的に動かすことが大切です。 腱板損傷の筋力や痛みを確認する方法はありますか? 腱板損傷の状態を確認するには、自宅でできるセルフチェックと医療機関での検査があります。腕の挙上時に肩の中央付近で痛む(ペインフルアークサイン)、腕の内外旋で痛みや力の入りにくさがある、肩の外転時に筋力低下や痛みが出る場合は注意が必要です。 医療機関では徒手筋力テスト、視診・触診、超音波やMRIで損傷の程度を評価します。痛みや筋力低下が続く場合は早期受診が重要です。 腱板損傷で社会保険(労災・障害年金など)は受けられますか? 腱板損傷で社会保険を受けるには以下の条件を満たす必要があります。 種類 条件 労災保険 仕事中や業務関連の事故・負傷で「業務遂行性」と「業務起因性」が認められること 勤務中の作業や出張中の事故、業務に密接した活動中の負傷が対象 重作業の蓄積で発症した場合も対象となることがある MRIや診断書など医学的証拠が必要、原因の業務起因性の明確化が必須 障害年金 腱板損傷により肩の機能障害や可動域制限が残り、日常生活や労働に著しい支障がある場合 MRI画像や可動域制限の度合いにより12級や14級などの障害等級が認定されることがある 医師の診断書提出が申請に必須で、障害状況が詳細に評価される この表は、労災保険は業務に関連した明確な原因が認められ、医学的証拠が必要である点、障害年金は日常生活や労働に著しい支障をきたす機能障害が条件となることを示しています。 それぞれの制度で求められる証明や認定基準に基づいて申請されます。これにより患者様は、労災保険と障害年金の適用条件を理解し、適切な手続きを行うためのポイントが把握できます。
2025.08.31 -
- 頭部
- 頭部、その他疾患
「突然、視界にキラキラやギザギザした光が見えるようになった」 「視界がおかしい?重い病気の前兆?」 閃輝暗点と呼ばれるこの症状は、片頭痛を伴わないこともあり、不安を抱える方が少なくありません。突然視界に不自然なジグザグ模様やぼやけが現れるのが閃輝暗点の特徴です。 閃輝暗点は重大な疾患の前兆の可能性があります。そのため、原因の早期発見が不可欠です。本記事では現役医師が閃輝暗点について詳しく解説します。 頭痛のない閃輝暗点は危険である理由 閃輝暗点の初期症状 閃輝暗点の原因 閃輝暗点を放置するリスク 閃輝暗点の治療法 記事の最後には、閃輝暗点についてよくある質問をまとめています。ぜひ最後までご覧いただき、症状についての理解を深めましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 閃輝暗点について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 閃輝暗点とは 項目 説明 原因 後頭葉の一時的な血流変化とセロトニンの影響 症状の特徴 視界に光の輪やジグザグ模様が現れて消える 発症のきっかけ ストレス・睡眠不足・特定食品や気圧変化 片頭痛との関係 多くは片頭痛の前兆だが頭痛がない場合もある 注意が必要な場合 発症頻度が多い・症状が長引く場合 閃輝暗点は、視界に突然ギザギザした光の波やチカチカした輝きが現れ、数分から30分程度で自然に消える一過性の視覚異常です。多くは片頭痛の前兆として出現しますが、頭痛を伴わない場合もあります。 原因は、脳の視覚野(後頭葉)における一時的な血流低下と回復で、神経伝達物質セロトニンの変動も関与します。光の模様は万華鏡や稲妻のように見え、視野の一部が欠けることもあります。 誘因として、ストレス、睡眠不足、疲労、特定食品、カフェイン、アルコール、女性ホルモン変動、気圧変化などが知られています。頻発や長引く症状は脳梗塞など重篤疾患の可能性があり、早期の受診が必要です。 頭痛のない閃輝暗点は危険 項目 説明 特徴 視界にキラキラ・ギザギザの光が出るが頭痛はない 多くのケース 脳に異常がなく経過観察で済む場合が多い 注意すべき場合 初めて起きた・40歳以上・頻繁に出る場合 考えられる原因 脳梗塞・一過性脳虚血発作・脳腫瘍・てんかんなど 危険性 脳血管や脳の異常が隠れている可能性 検査の必要性 MRIや脳波検査などで原因を特定 とくに注意するべき人 高血圧・糖尿病など生活習慣病がある方 受診のタイミング 初発・繰り返す・症状が長引く場合は早急に受診 閃輝暗点は片頭痛の前兆としてよく見られる症状ですが、頭痛を伴わない「孤発性閃輝暗点」が現れることもあり、注意が必要です。とくに片頭痛の既往がない方で初めて発症した場合や、症状が長く続く、あるいは頻繁に繰り返す場合には、脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳腫瘍、てんかんなどの脳疾患が原因となっている可能性があります。 中高年や高血圧・糖尿病といった生活習慣病をお持ちの方ではリスクがさらに高まるため、放置や自己判断は避け、できるだけ早く神経内科や脳神経外科を受診し、原因の特定が重要です。 閃輝暗点の初期症状 初期症状 詳細 光・模様・ゆらぎ キラキラやギザギザの光の輪や波模様の出現・徐々に広がる・ゆらめき・数分から20分程度の持続 視野欠損・ぼやけ・狭窄 視界の一部が見えにくくなる・暗くなる・ぼやけや狭まる感じ・視野の部分欠損や狭窄の発生 閃輝暗点は、突然視界中央付近に小さな光やチカチカとした輝きが出現することで発症します。光は徐々に拡大し、ギザギザした幾何学模様や波紋状の揺らぎとして知覚され、白色や銀色、時に多彩な色調を呈することもあります。 これらは視界内をゆっくりと移動しながら徐々に広がっていくのが特徴です。進行に伴い、光や模様が現れる部分が見えにくくなる視野欠損や、物の歪みやかすみといった視覚異常が出る場合があります。また、視野が狭くなる視野狭窄を伴うこともあり、重症の場合には一時的な視野欠損が生じます。多くは数分から30分以内に自然軽快しますが、初発や再発時は精密検査が望まれます。 光・模様・ゆらぎ 閃輝暗点の初期症状である、光・模様・ゆらぎは、脳の視覚野(後頭葉)での神経活動と血流変化によって起こります。神経細胞の急激な興奮と抑制の波(皮質拡延性抑制)が視覚野を通過すると、ギラギラやジグザグの光、波打つ模様が出現します。 脳血管の一時的な収縮と拡張による血流変化も関与します。これらは眼ではなく脳に由来し、多くは一過性ですが、初発、高頻度、長時間持続、頭痛を伴わない場合は脳梗塞などとの鑑別が必要です。自然に消えても受診による原因の確認が重要です。 以下の記事では、閃輝暗点を繰り返す原因について詳しく紹介しています。 視野欠損・ぼやけ・狭窄 閃輝暗点による視野欠損・ぼやけ・狭窄は、後頭葉の血流変化と神経活動異常で生じます。脳血管が一時的に収縮して視覚野の血流が低下し、その後の拡張で回復する過程で視野の欠けやかすみ、狭まりが発生します。 神経細胞の興奮と抑制の波(皮質拡延性抑制)が広がり、視覚情報処理が一時的に阻害されます。脳由来のため両眼に同じ異常が現れ、通常は数分から30分で回復しますが、初発や頻発時は精密検査が必要です。 閃輝暗点の原因 原因 詳細 脳血管・神経物質の急変 脳血管の一時的な収縮と拡張・セロトニン等の神経伝達物質変動 生活ホルモンなど内的リズム乱れ 睡眠不足やストレス・ホルモンバランスの乱れ 食品・気圧など外的トリガー カフェイン・アルコール・チョコレート・気圧変動 片頭痛前兆・稀な重大疾患 片頭痛の前兆・脳梗塞や脳腫瘍などの重大疾患の可能性 閃輝暗点は、脳血管の収縮・拡張や神経伝達物質の変動、睡眠不足やストレス、ホルモン変動など複数の要因で発症します。また、カフェイン・アルコール・チョコレートといった特定食品や気圧変動などの外的刺激も発症の原因です。 多くは片頭痛の前兆として現れますが、稀に脳梗塞や脳腫瘍など重大な疾患の初期症状として現れることがあります。そのため、重大な疾患の前兆と思われる症状や、これまでと異なる症状を感じた際には、自己判断せず速やかに医療機関を受診し、適切な検査を受けることが重要です。 脳血管・神経物質の急変 要因 詳細 脳血管の収縮・拡張 後頭葉の血管が一時的に狭くなったり広がったりする血流変化 血流低下による神経影響 視覚野の神経細胞の活動低下や異常興奮 神経伝達物質の急変 セロトニンなどの急な増減による血管収縮・拡張の誘発 生活習慣の影響 ストレスや睡眠不足、疲労によって血管の反応性が変化 外的・内的トリガー 特定食品、女性ホルモン変動、気圧変化などによる血流・神経活動変化 閃輝暗点は、脳の視覚野(後頭葉)で起こる一時的な血流変化と神経活動異常によって発症します。後頭葉の血管が収縮して血流が減少し、その結果、視覚情報を処理する神経細胞の働きが低下または異常興奮します。 この血管変化にはセロトニンの急激な増減が関与し、結果として視界にキラキラやギザギザの光や模様が現れます。ストレス、睡眠不足、疲労、特定食品、女性ホルモン変動、気圧変化などが誘因となります。目ではなく脳由来の症状であり、生活習慣の改善やストレス管理が予防に有効です。 以下の記事では、重大な疾患のひとつである脳卒中・脳出血について詳しく解説しています。 【関連記事】 【医師監修】脳出血とは|症状・種類・原因を詳しく解説 脳卒中の前兆とは?見逃してはいけない5つのサインとチェックリストを紹介 生活ホルモンなど内的リズム乱れ 原因 詳細 女性ホルモンの変動 月経周期や更年期、妊娠・出産によるエストロゲン分泌の乱れ 脳血管の反応性の変化 ホルモン変動による血管の収縮・拡張しやすさ セロトニンの減少 ホルモンバランスの乱れで神経伝達物質セロトニンの低下 ストレスや睡眠リズムの乱れ 心理的・身体的ストレスや睡眠不足によるホルモンバランスの崩れ 生活習慣の影響 不規則な生活や疲労が内的リズムを乱し閃輝暗点の発症リスクを高める 閃輝暗点は、脳の血管の一時的な変動によって起こる視覚異常です。生活ホルモンの乱れ、とくに女性ホルモン(エストロゲン)の分泌バランスの変化が大きな要因です。月経周期や妊娠、更年期などでホルモンの変動が起こると、脳血管の柔軟性が低下し血管が収縮・拡張しやすい状態となります。 また、ホルモンの乱れは神経伝達物質セロトニンの減少を招き、血管の調整機能に影響を与える要因です。加えて、ストレスや睡眠不足、生活習慣の乱れがホルモンバランスに影響し、閃輝暗点の発生リスクをさらに高めます。これらのため、生活リズムの安定やストレス管理、十分な睡眠が予防に重要です。 以下の記事では、更年期と閃輝暗点の関係性について詳しく解説しています。 食品・気圧など外的トリガー 食品 詳細 チョコレート チラミン含有・脳血管の不安定な拡張誘発 チーズ 発酵食品でチラミン含有・血管拡張作用 ナッツ類 血管反応を促す成分含有 赤ワイン アルコール含有・血管拡張と神経刺激の誘因 カフェインを含む飲料(コーヒー、紅茶等) 血管収縮作用・過剰摂取は血管の不安定化を招く アルコール飲料 血管の収縮と拡張を繰り返し血管機能を乱す 閃輝暗点は、脳の視覚野(後頭葉)の血管が不安定に収縮・拡張することで発症します。特定の食品に含まれる成分はこの血管反応を変化させ、症状を誘発しやすくします。チョコレートやチーズなどの発酵食品に含まれるチラミンは血管拡張を促し、赤ワインやアルコール類は異常な収縮と拡張を繰り返す原因となります。 カフェインを多く含む飲料は血管収縮作用を持ち、過剰摂取で血管機能を不安定にする原因です。これらの食品は直接的に目の異常を起こすわけではありませんが、脳血管や神経活動に影響を与え、発症リスクを高めます。症状が出やすい方は摂取の制限や量の調整が予防につながり、生活習慣の見直しと併せた食事管理が重要です。 以下の記事では、閃輝暗点の原因のひとつであるコーヒーに含まれるカフェインの影響について詳しく解説しています。 片頭痛前兆・稀な重大疾患 分類 内容 片頭痛の前兆 脳血管の一時的な収縮と拡張による血流変動・視覚野の神経活動異常 片頭痛の特徴 視界のギラギラやギザギザの光、のちに脈打つ頭痛や吐き気などの症状 重大疾患の可能性 脳梗塞、一過性脳虚血発作(TIA)、脳腫瘍などが隠れている可能性 注意が必要なケース 初めての発症、繰り返す症状、頭痛を伴わない場合、生活習慣病や高齢者 推奨される対応 速やかな医療機関受診と精密検査(MRIや脳波検査など) 閃輝暗点は、多くの場合片頭痛の前兆として現れる視覚症状です。脳血管の一時的な収縮と拡張により視覚野の神経活動が乱れ、視界にギラギラやギザギザした光の模様が出現します。その後、拍動性頭痛や吐き気、光や音への過敏といった片頭痛特有の症状が続きます。 頭痛を伴わない場合、初発時、または症状が繰り返される場合は、脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳腫瘍など重大な脳疾患の可能性があるため、注意が必要です。とくに高齢者や高血圧・糖尿病など生活習慣病のある方はリスクが高く、自己判断せず速やかに神経内科や脳神経外科で精密検査を受ける必要があります。 以下の記事では、脳梗塞について詳しく解説しています。 【関連記事】 脳梗塞とは|症状・原因・治療法を現役医師が解説 脳梗塞は症状が軽いうちの治療が大切!原因と対策を解説【医師監修】 閃輝暗点を放置するとどうなる? 放置するリスク 詳細 慢性片頭痛への移行リスク 片頭痛の頻度増加・症状悪化・慢性化の可能性 脳梗塞・一過性脳虚血発作の前兆としての可能性 脳血管障害の早期兆候・重大疾患のリスク 眼科的合併症や重大疾患の見逃しリスク 網膜剥離など眼疾患や他疾患の診断遅れ 日常生活への影響が出始める 視野障害による運転や仕事、日常動作の支障 閃輝暗点を放置すると、片頭痛の発作が増えて症状が悪化し、慢性化する恐れがあります。脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)などの前触れの場合は、治療が遅れ重症化する危険もあります。 さらに、網膜剥離などの眼科的疾患や脳腫瘍などの重い病気が原因でも、診断が遅れる可能性があります。視野障害によって運転や仕事、日常生活に支障をきたし、事故や生活の質の低下を招くこともあります。初めて症状が出た時や繰り返す場合は、早急に医療機関を受診することが大切です。 慢性片頭痛への移行リスク 放置することで生じるリスク 詳細 片頭痛発作の頻度増加 頭痛の回数や頻度が徐々に増加 慢性片頭痛への移行 頭痛が継続する慢性化 症状の重症化 頭痛の強さが増し、市販薬の効果減弱 薬物乱用頭痛の発症リスク 不適切な薬の多用による頭痛の悪化 生活・精神面への悪影響 QOLの低下・抑うつや不安の増加 閃輝暗点は片頭痛の前兆となる視覚症状で、放置すると片頭痛発作が繰り返され、慢性片頭痛へ進行するリスクが高まります。慢性片頭痛は月15日以上頭痛が続く状態で、日常生活や仕事に大きな支障をきたします。 発作が増えると市販薬が効きにくくなり、薬の多用による薬物乱用頭痛を起こすケースもあります。慢性化は脳や神経の痛み感受性を変化させ、痛みのコントロールを難しくし、睡眠障害や抑うつ、不安など二次的被害も招きます。閃輝暗点を自覚したら早期に専門医へ相談し、適切な治療と予防を行うことが重要です。 脳梗塞・一過性脳虚血発作の前兆としての可能性 理由・状況 詳細 脳の血流が一時的に悪くなる症状 後頭葉の視覚野への血流低下と回復による視覚異常 頭痛を伴わない場合の危険性 脳梗塞・TIA・脳腫瘍など重大疾患の可能性の上昇 前兆症状としての視覚障害 脳梗塞やTIAで視覚野が障害される際に現れる初期症状 放置によるリスク 後遺症を伴う脳梗塞の発症・日常生活への重大な支障 早期受診の重要性 MRIなどによる精密検査と血管リスク評価・予防的治療の開始 閃輝暗点は多くが片頭痛の前兆ですが、頭痛を伴わない場合は脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)の初期サインの可能性があります。脳の視覚野を栄養する血管が一時的に詰まるか血流が低下すると、脳梗塞と同じ仕組みで視覚異常が起こります。 TIAや脳梗塞は視覚障害や手足のしびれ、言語障害などを伴い、放置で後遺症の危険が高まるため、初発や頻発時は早期受診と検査・予防が不可欠です。 以下の記事では、閃輝暗点が脳梗塞の前兆になる確率について詳しく解説しています。 眼科的合併症や重大疾患の見逃しリスク 危険の種類 詳細 片目のみに出る症状の危険性 網膜剥離・眼底出血・緑内障・ぶどう膜炎・眼内出血・眼感染症など視力障害や失明の恐れ 重大脳疾患の可能性 脳梗塞・一過性脳虚血発作(TIA)など命に関わる疾患の初期症状 頻発・症状変化の見逃し 発症パターンの変化や増加に伴う重篤疾患発見の遅れ 放置による結果 視力の恒久的低下・失明・脳の後遺症・生命の危険 必要な対応 眼科・神経内科・脳神経外科での精密検査 閃輝暗点は多くが脳由来ですが、片目のみの場合は網膜剥離、眼底出血、緑内障、ぶどう膜炎などの眼科疾患が疑われます。これらは治療の遅れが視力障害や失明につながる危険があります。 また、脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)の初期症状として現れることもあり、頭痛を伴わない場合や新たな症状を伴う場合は要注意です。症状の頻発や変化は病状進行や合併症の兆候であり、放置すると視力や生命に関わる重篤な結果を招く恐れがあります。初発、頻発、片目のみの異常時は眼科と脳神経領域での早期精密検査が不可欠です。 日常生活への影響が出始める 理由・状況 詳細 視覚異常による見えにくさ ギザギザ・キラキラした光の模様・視野の欠損やぼやけによる文字や物の識別困難 仕事や運転など日常動作の支障 視覚情報の乱れによる集中力低下・判断ミス・疲労感の増加 精神的負担とストレスの増大 不安やストレスの蓄積・生活リズムの乱れ・精神的負担の増大 頭痛発作との重複による体調不良 片頭痛の前兆として閃輝暗点が現れ、頭痛と吐き気などの体調不良が日常を妨げる 事故リスクの増加 視覚障害による運転や機械操作時の事故リスク上昇 症状の悪化や慢性化の危険性 症状が頻発・長時間続く場合は慢性片頭痛や脳血管疾患の可能性 閃輝暗点は視界にギザギザやキラキラした光、視野欠損が現れ、仕事や運転、家事などに支障をきたします。集中力低下や疲労感、不安やストレスの蓄積で生活の質が低下し、片頭痛発作が続けば影響はさらに大きくなります。 放置すれば慢性片頭痛や脳血管疾患、事故のリスクが高まるため、初発・頻発・症状変化時は早期受診と適切な対策が必要です。 閃輝暗点の治療法 治療法 詳細 過度なストレスや睡眠不足、飲酒、喫煙などを控える 精神的・身体的負担の軽減・自律神経の安定 バランスの取れた食事をする 栄養の補給・血管や神経機能の維持・誘因の回避 根本の疾患治療を行う 片頭痛や脳血管疾患に対する専門的な治療と管理 閃輝暗点に直接作用する特効薬はなく、現在の医学では確立した治療法はありません。これは閃輝暗点が症状であり、その背景にある原因疾患や誘因への対応が重要だからです。まず、脳梗塞や神経系疾患、片頭痛などの根本的な病気に対して医師による診断と治療が必要です。 同時に、発症の引き金となる過度なストレスや睡眠不足、飲酒、喫煙などを避け、自律神経や血管機能を安定させることが大切です。また、バランスの取れた食事による栄養管理は血管や神経の健康維持に有効です。生活習慣の改善と医療的フォローを組み合わせることで、症状の軽減や発症頻度の低下が期待されます。 過度なストレスや睡眠不足、飲酒、喫煙などを控える 閃輝暗点は、脳の視覚野を含む後頭葉の血管が一時的に収縮や拡張を起こし、血流が不安定になることで発症します。過度なストレスや睡眠不足、飲酒、喫煙は血管の調節機能を乱し、発症や悪化を招きます。 これらは自律神経や神経伝達物質のバランスを乱し、脳血流を不安定にして発作を繰り返しやすくするため、予防にはストレス管理や十分な睡眠、飲酒・喫煙の制限が重要です。 バランスの取れた食事をする 目的・効果 詳細 脳・血管の健康維持 マグネシウム(海藻・大豆・魚介類・玄米)やビタミンB2(卵・納豆・緑黄色野菜・乳製品)による血流改善・炎症予防 発症リスク低減 血管を不安定にする誘発食品(チョコレート・チーズ・ナッツ・カフェイン・アルコール)の過剰摂取回避 自律神経の安定 栄養バランス改善による睡眠質向上・ストレス耐性向上 栄養不足補完 マグネシウムやビタミンB2のサプリメント活用(過剰摂取は医師・薬剤師に相談) 閃輝暗点は多くの場合、片頭痛の前兆として起こり、脳血管の収縮・拡張や神経機能の異常が関係します。バランスの取れた食事は脳や血管の健康維持に役立ち、症状の予防や軽減に有効です。 とくにマグネシウム(海藻、大豆、魚介類、玄米など)やビタミンB2(卵、納豆、緑黄色野菜、乳製品など)は血管の安定化や炎症抑制に寄与します。一方、チョコレート、チーズ、ナッツ、カフェイン、アルコールは血管の動きを不安定にし症状を誘発する可能性があるため、控えることが望まれます。 栄養バランスの良い食事は睡眠やストレス耐性を高め、自律神経を整えて発症リスクを低下させます。栄養が不足する場合は、医師の指導のもとサプリメントで補うことも可能です。 以下の記事では、バランスの取れた食事について詳しく解説しています。 根本の疾患治療を行う 閃輝暗点は、脳の視覚野で血管の一時的な収縮・拡張や神経活動の異常が起きて生じ、多くは片頭痛の前兆として現れます。症状を直接的に治療する薬剤はないため、原因となる片頭痛や他の疾患を特定し適切に治療・管理することが重要です。 片頭痛が原因なら予防薬やトリプタン製剤で発作を抑えられますが、脳梗塞や一過性脳虚血発作、網膜疾患が原因の場合、精密検査と早期治療が不可欠です。根本疾患を放置すれば再発や重い後遺症の危険が高まるため、医師の診断と治療が必要です。 以下の記事では、原因となる疾患によっては有効なアプローチになり得る再生医療について詳しく解説しています。 閃輝暗点が出たら放置せず早急に医療機関の受診しよう 閃輝暗点は、脳梗塞などの重大な疾患の前兆の可能性があります。放置すると日常生活に支障をきたすだけでなく、後遺症を残す危険性があります。症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診し、原因を明らかにすることが重要です。 閃輝暗点の症状にお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、閃輝暗点が脳梗塞や脳腫瘍などによる組織障害の前兆の可能性を踏まえ、損傷組織の回復を促進する再生医療を治療選択肢のひとつとしてご提案しています。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 閃輝暗点に関するよくある質問 他の眼の病気とどう見分ければ良いですか? 閃輝暗点は脳の視覚野の異常による一過性の視覚症状で、両眼に同時に光のギザギザや波状模様が現れ、数分から30分程度で自然に消失します。 片眼のみの持続する視野欠損や、一瞬の閃光(光視症)は網膜剥離や緑内障などの眼疾患の可能性があり自然には回復しません。また、飛蚊症は黒点や糸くずが常に見え、緑内障発作では痛みや充血、視界のかすみを伴います。症状が閃輝暗点の特徴と異なる場合は、早急な眼科受診が必要です。 以下の記事では、糖尿病と目の関係性について詳しく解説しています。 【関連記事】 糖尿病で失明する原因とは|治療法とあわせて現役医師が解説 糖尿病網膜症は治るのか|治療方法とあわせて現役医師が解説 初めて閃輝暗点の症状が出た場合どの科を受診すれば良いでしょうか? 閃輝暗点が初めて出現した場合は、脳の血流変化や神経活動の異常など中枢性の原因を評価できる脳神経外科または脳神経内科を受診しましょう。 両眼で同時に症状が現れる場合は脳由来の可能性が高く、これらの診療科が適しています。片眼のみの症状では網膜剥離など眼疾患の可能性があるため、眼科の受診も必要です。 以下の記事では、閃輝暗点の見え方について詳しく解説しています。 閃輝暗点がある場合の禁忌はありますか? 閃輝暗点を伴う片頭痛がある場合は、低用量ピル(経口避妊薬)の使用は禁忌です。これは、ピルに含まれるエストロゲンが血液を固まりやすくし、脳卒中や心筋梗塞などの血管障害リスクを高めるためです。 また、喫煙、過度の飲酒、睡眠不足、ストレスは症状を悪化させる可能性があるため避けることが望ましく、基礎疾患の適切な治療と医師への相談が重要です。
2025.08.31 -
- 腱板損傷・断裂
- 肩関節
「肩に違和感がある」 「夜中に目が覚めるほどつらい」 それは腱板断裂のサインかもしれません。腱板断裂とは、肩の腱板が損傷または断裂し、腕が上がらない、筋力低下、夜間の痛みなどを引き起こす疾患です。とくに肩を長年酷使してきた人や中高年では発症リスクが高まります。 本記事では、腱板断裂について現役医師が詳しく解説します。 腱板断裂の原因 自分でできる腱板断裂のセルフチェック 腱板断裂の治療法 腱板断裂の予防法 腱板断裂と似ている症状 腱板断裂は、適切な診断と治療により症状の改善が期待できます。本記事を通じて症状を正しく理解し、治療法の選択に役立てください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 腱板断裂について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 腱板断裂とは 項目 内容 定義 肩の深部にある腱板の腱が、上腕骨の付着部から部分または完全に剥がれた状態 役割 肩関節の安定維持と腕の上下・回転動作の補助 構成筋 棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋 主な原因 加齢による腱の弱化、肩の酷使(スポーツ・肉体労働)、外傷(転倒や事故) 症状 腕の挙上や物を持つ力の低下、挙上制限、肩の不安定感、動作時や夜間の違和感 診断方法 MRI検査、超音波検査、医師による徒手テスト 要点 発症は中高年に多く、原因や症状は多様。早期診断と適切な治療が肩機能維持の鍵 腱板断裂は、肩の運動と安定性に重要な腱板が損傷または断裂した状態です。腱板は棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の4つの筋肉の腱で構成され、上腕骨頭と肩甲骨をつなぎ、腕の挙上や回旋を担います。 損傷が生じると、肩の違和感や筋力低下、可動域の制限などが現れ、日常生活に支障を及ぼします。断裂にはすべての腱が切れる完全断裂と、一部のみが損傷する部分断裂があります。放置すると悪化し、回復が難しくなる場合があるため、症状が見られた場合は早期に医療機関で診断と適切な治療を受けることが重要です。 以下の記事では、肩腱板断裂(損傷)について詳しく解説しています。 腱板断裂の原因 原因 詳細 加齢による腱の変性と断裂のリスク 腱の老化・血流低下による組織の弱化および弾力低下 スポーツや肉体労働による肩の酷使 繰り返しの肩使用や過度の負荷による腱の摩耗・損傷 転倒や事故など外傷による断裂 強い衝撃や捻挫による急激な腱の断裂・損傷 腱板断裂は、加齢に伴う腱の老化や血流低下による組織の弱化・弾力低下、スポーツや肉体労働などでの繰り返しの肩使用による摩耗、さらに転倒や事故による強い衝撃や捻挫など、さまざまな要因で発症します。原因を理解することは、予防や早期発見のためにも重要です。 加齢による腱の変性と断裂のリスク 加齢により肩の腱は弾力や柔軟性を失い、損傷しやすくなります。原因はコラーゲン繊維の劣化、水分量の減少、血流低下による修復力の低下です。 日常生活や仕事、スポーツでの長年の使用による摩耗も影響し、わずかな負荷や軽い外傷でも断裂が起こります。40歳以降でリスクが高まり、60歳を超えると発症が増えます。肩の違和感や動きの変化があれば、早期の医療機関への受診が重要です。 スポーツや肉体労働による肩の酷使 肩を繰り返し使うスポーツや肉体労働は腱板に負担をかけ、損傷や断裂の原因となります。野球やテニス、水泳、重量物の持ち運びなどの頭上動作は肩関節への負荷が大きく、腱板が骨にこすれて摩耗しやすくなります。 この摩耗が蓄積すると強度が低下し断裂に至ります。利き腕に多く、慢性的な酷使が主因ですが、転倒など一度の衝撃でも発症します。肩の痛みや違和感があれば早期の受診が必要です。 以下の記事では、腱板が再断裂する原因を詳しく解説しています。 転倒や事故など外傷による断裂 腱板は腕の動きと肩関節の安定に重要で、強い外力で急に損傷することがあります。高所からの転倒や交通事故、スポーツ中の衝突などで肩や腕に瞬間的な過負荷がかかると、とくに腕を伸ばして手をついた場合や肩から転倒した場合に断裂しやすくなります。 加齢や酷使で変性した腱板はわずかな外力でも断裂することがあるため、受傷後に肩の動きや筋力に異常を感じたときは早期に診察と画像検査を受けることが重要です。 自分でできる腱板断裂のセルフチェック セルフチェック 詳細 ドロップアームテスト 腱板の主に棘上筋の断裂や筋力低下の有無 リフトオフテスト 腱板の主に肩甲下筋の損傷や機能低下の有無 ホーンブローワーテスト 腱板の主に棘下筋や小円筋の損傷や外旋筋力低下の有無 腱板断裂が疑われる場合、自宅で行える簡易的な確認方法として、ドロップアームテスト・リフトオフテスト・ホーンブローワーテストがあります。ドロップアームテストは、腕を横に上げたまま保持できず途中で落ちる場合に棘上筋の損傷や筋力低下を調べる検査です。 リフトオフテストは、腰の後ろに回した手を背中から離せない場合、肩甲下筋の機能低下が疑われます。ホーンブローワーテストは、腕を外に開く動作で力が入らないず場合に棘下筋や小円筋など外旋筋の状態を確認する検査です。これらはいずれも目安であり、異常があれば医療機関での診断が必要です。 ドロップアームテスト 項目 詳細 目的 腱板のうち主に棘上筋の断裂や筋力低下の有無の確認 方法 腕を真横に90度(肩の高さ)まで上げ、そのまま支えずにゆっくり下ろす動作の観察 陽性所見 腕が途中で急に落ちる、または動作をコントロールできない状態 判定の意味 陽性の場合は棘上筋を中心とした腱板損傷の可能性 留意点 自分一人でも行える簡易的な確認方法だが、陽性時は医療機関での診察・画像検査が必須 ドロップアームテストは、棘上筋損傷を確認するための簡易検査です。腕を横に伸ばして肩の高さまで上げ、そのまま支えずにゆっくり下ろします。健康な腱板であれば滑らかに下ろせますが、損傷があると保持できず途中で落ち、動きが不安定になります。 棘上筋は腕を横に上げる筋肉で、損傷すると筋力低下や動作制限が起こるため、異常があれば早期の受診とMRIや超音波検査による診断が必要です。 リフトオフテスト 項目 詳細 目的 肩甲下筋の損傷や機能低下の確認 方法 片手を背中の腰あたりに回し、手の甲を背中につけた状態から背中から離す動作の実施 陽性所見 手を背中から離せない、動かしづらい状態 特徴 肩甲下筋の機能確認に有効な簡易的セルフチェック方法 注意点 異常を感じた場合は放置せず、医療機関での検査を推奨 リフトオフテストは、肩のインナーマッスルである肩甲下筋の損傷や機能低下を調べる簡易検査です。肩甲下筋は肩関節の内旋(腕を内側にひねる動き)を担い、腱板を構成する4つの筋肉のひとつです。 テスト方法は、背中の腰あたりに手を回し手の甲を背中につけ、その状態から手を背中から離そうとします。正常であれば手を浮かせられますが、損傷があると自力で離せなかったり、痛みで動かせなかったりします。この検査で異常がある場合は肩甲下筋の腱板断裂が疑われ、早期に整形外科で診察と画像検査を受けることが重要です。 ホーンブローワーテスト 項目 詳細 目的 棘下筋や小円筋の損傷や機能不全の確認 方法 腕を肩の高さ(外転90度)に上げ、肘を90度に曲げた状態で腕を外に押し出す動作の実施 陽性所見 腕がスムーズに動かない、力が入らない、または動作時の違和感 特徴 外旋筋群の機能を評価できる簡易的セルフチェック方法 注意点 陽性の場合は医師による診察と画像検査の受診推奨 ホーンブローワーテストは、肩の腱板の中でも主に棘下筋と小円筋の機能を評価するための検査です。方法は、腕を肩の高さ(外転90度)に上げ、肘を90度に曲げた状態で、腕を外に回す動作(外旋)を行い、その際に抵抗を加えます。 筋肉や腱の損傷があると動きが不自然になり、力が入らず違和感が生じ、これは腱板断裂の可能性を示します。自宅でも鏡を見ながら実施できますが、結果が陽性の場合や症状が続く場合は、早期に整形外科を受診し、MRIなどで状態を確認することが重要です。 腱板断裂の治療法 治療法 詳細 保存療法(薬物療法・注射・リハビリテーション) 薬剤や注射で痛みを抑え、リハビリで肩の動きを改善する方法 手術療法(関節鏡手術・縫合術など) 関節鏡などを使って断裂した腱板を修復する方法 再生医療 幹細胞やPRPで腱の修復を促す先進的な治療方法 腱板断裂の治療は、損傷の程度や症状、日常生活への影響に応じて方法を選びます。軽度の場合は、鎮痛薬や注射で痛みを抑え、リハビリで肩の動きや筋力を取り戻す、保存療法が行われます。これは手術をせずに回復を目指す方法です。 一方、大きな断裂や保存療法で改善が見られない場合は、関節鏡を用いて断裂した腱を縫い合わせる「手術療法」が選ばれます。適切な治療選択のためには、早めの診察と正確な診断が重要です。 近年では、幹細胞療法やPRP療法などの再生医療も腱の修復促進を目的に導入されていますが、実施する医療機関は限られているため、事前に対応の可否や症状が適応するかを確認することが重要です。 以下の記事では、肩関節の治療法について詳しく解説しています。 保存療法(薬物療法・注射・リハビリテーション) 項目 詳細 目的 症状の軽減と生活の質の向上 方法 消炎鎮痛薬や湿布、ステロイド注射による痛み・炎症の緩和 リハビリの役割 肩甲骨周囲筋の柔軟性と筋力の維持・強化、肩関節のバランス改善 適応 部分断裂、高齢者、持病による手術リスクが高い方 特徴 手術に比べ身体への負担が少なく開始しやすい方法 注意点 腱板断裂そのものは自然治癒せず、定期的な経過観察が必要 保存療法は、手術を行わずに症状を和らげ、日常生活を維持する方法です。薬物療法で炎症や痛みを抑え、リハビリで肩の筋力・柔軟性を回復させて関節の安定性を高めます。 保存療法は、手術のリスクが高い高齢者や部分断裂の方、持病のある患者に適しており、身体への負担が少ないことが特徴です。ただし、腱板断裂は自然に修復されないため、症状が落ち着いた後も定期的な診察と経過観察が必要です。 以下の記事では、肩腱板断裂の痛みを和らげる方法を詳しく解説しています。 手術療法(関節鏡手術・縫合術など) 項目 詳細 確実な再固定 関節鏡を用いて断裂した腱板を元の骨に縫い付けることで自然な形に修復可能 低侵襲 小さな切開で行うため体への負担や術後の痛みが少ない方法 症状進行の抑制 断裂拡大や筋萎縮・脂肪変性の進行を防ぐ効果 機能回復の促進 回復期間が比較的短く早期リハビリ開始が可能な利点 適応の柔軟性 年齢・断裂の程度・生活環境に応じた治療方針の選択 保存療法で症状が改善しない場合や、断裂が大きく日常生活に支障がある場合、さらに活動性が高く早期の機能回復を希望する方には手術が検討されます。 現在主流の関節鏡手術は、小さな切開から関節鏡を挿入し、モニターで内部を確認しながら損傷した腱板を修復する方法です。身体への負担が比較的少なく、回復が早い点が特徴です。 腱板縫合術では、断裂した腱板を骨に縫い付けて固定し、断裂の程度に応じて方法を選択します。術後は腱板が骨に癒着するまで安静が必要で、その後のリハビリテーションが機能回復に重要な役割を果たします。 以下の記事では、肩腱板断裂の手術と入院期間について詳しく解説しています。 再生医療 再生医療は損傷した腱板の修復や再生を促進します。幹細胞治療は、患者自身の脂肪などから幹細胞を採取・培養し、断裂部位へ注射で投与する方法です。 幹細胞は損傷部位で修復を促し、注射で行えるため負担が少なく、手術困難例や保存療法無効例に適します。幹細胞やPRP療法は炎症を抑えつつ腱組織を修復し、痛み軽減や可動域改善、断裂進行防止に寄与します。 ただし、再生医療は実施している医療機関が限られており、適応には事前の相談や診察が必要です。投与後は適切なリハビリを併用することで、肩の機能回復がより効果的に進みます。 以下の記事では、再生医療について詳しく解説しています。 腱板断裂の予防法 予防法 詳細 肩の柔軟性&筋力維持 肩甲骨や肩周囲筋の柔軟性と筋力の維持・強化による肩関節の安定化 姿勢・使い方の見直し 胸を張り肩甲骨を適切な位置に保つ、正しい姿勢と肩への負担を減らす動作の習慣化 オーバーユース回避 肩の過剰使用を避けることによる筋肉や腱への負担軽減 生活管理と違和感への早期対応 肩の違和感や痛みの早期発見・専門医受診と適切なケアによる悪化防止 腱板断裂を予防するためには、肩甲骨や肩周囲の筋肉の柔軟性と筋力を維持・強化して肩関節の安定性を高めることが重要です。 胸を張り、肩甲骨を正しい位置に保つ、肩を過剰に使わず休養を取り、違和感があれば早期に受診して悪化を防ぎます。 以下の記事では、腱板断裂を放置するリスクを詳しく解説しています。 肩の柔軟性&筋力維持 項目 詳細 肩や肩甲骨の連動性維持 肩関節と肩甲骨の動きのバランスを保ち腱板への負担を軽減 可動域の維持 動きの制限による摩擦や腱の摩耗の防止 インナーマッスル強化 腱板筋群を中心に肩関節の安定性を高め負荷を分散 全体バランスの改善 偏った動きや代償動作の防止による怪我リスク低減 日常・スポーツ時の負担軽減 正しい肩の動きによる過度な使用からの保護 腱板断裂を予防するには、肩の柔軟性と筋力の維持が欠かせません。肩関節は肩甲骨と連動して動くため、柔軟性が落ちると動きのバランスが崩れ、腱板に負担が集中します。その結果、可動域が狭まり摩擦が増えて損傷を招く恐れがあります。 日常的なストレッチで柔軟性を保つことは、こうした負担の軽減に有効です。さらに、腱板を構成するインナーマッスルや周囲の筋力を維持・強化すると、肩関節の安定性が高まり、運動時や荷物を持つ際にも腱板への負荷を分散できます。柔軟性と筋力をバランスよく整えることで、スポーツや日常生活での無理な動きが減り、怪我や断裂のリスクが低下します。とくに肩を酷使する方は、予防のために日常的なストレッチと筋力トレーニングを継続することが重要です。 以下の記事では、右肩や左肩がズキズキと痛い症状について詳しく解説しています。 姿勢・使い方の見直し 肩甲骨や胸椎の位置と可動性を適切に保つことは、肩関節の動きを整え、腱板への負担を減らします。猫背や巻き肩では肩甲骨が前傾し、可動域が狭くなって筋肉や腱板が骨にこすれやすくなり、摩耗や断裂のリスクが高まります。 正しい姿勢を保ち肩甲骨を適正位置に維持すれば、摩擦と負荷の軽減が可能です。また、日常生活やスポーツでは腕の使い方も見直し、腕を高く上げすぎたり同じ姿勢を長時間続けることを避けます。重い物を持つ際は腕だけでなく体全体を使い、肩関節の安定性を保つことが腱板損傷の予防につながります。 オーバーユース回避 予防ポイント 理由 肩の使いすぎの回避 繰り返し動作による腱板への微細損傷の蓄積 適切な休息の確保 腱板の自然修復を促すための負荷軽減 正しいフォーム・作業姿勢の習得 肩関節への不要なストレスの軽減 負担の分散 肩のみで行わず、体幹や下半身も活用 痛みや違和感時の使用中止 傷の進行防止 腱板断裂は、肩の筋肉と骨をつなぐ腱板が損傷する疾患です。野球やテニスなどのスポーツや重い物を扱う仕事で肩を繰り返し酷使すると、腱板に小さな損傷が蓄積します。腱板は血流が乏しく修復力が弱いため、休息を取らずに使い続けると回復が追いつかず、摩耗や断裂が進行します。 予防には、肩の使用を適度に制限して休養を確保し、動作や姿勢を見直して負担を軽減することが重要です。また、体の他の部位を活用して負担を分散し、痛みや違和感があれば早めに使用を中止することが推奨されます。これらの対策によって、腱板断裂の発症や悪化を防ぐことができます。 以下の記事では、腱板断裂(腱板損傷)でやってはいけないことを詳しく解説しています。 生活管理と違和感への早期対応 項目 詳細 肩への過度な負担回避 重労働やスポーツでの繰り返し負荷を避け、肩の筋力・柔軟性を維持 早期受診の重要性 違和感や動作制限を感じた段階で専門医を受診し画像検査で診断 進行予防による負担軽減 症状の進行抑制による手術回避や機能障害予防 全身状態の改善 血糖値管理や禁煙による腱の健康維持 無理な使用の回避 違和感がある場合の安静による損傷拡大防止 腱板断裂を予防するには、日常生活で肩への負担を減らし、症状への早期対応を徹底することが重要です。重労働やスポーツでの反復動作、無理な姿勢や動作は腱板損傷のリスクを高めます。 普段から肩周囲の筋力と柔軟性を保ち、過度な使用を避けることが予防の基本です。肩に違和感や動きの制限を感じた場合は、症状が軽くても早めに医療機関を受診し、MRIや超音波検査によって診断を受けます。 早期に保存療法やリハビリを開始すれば断裂の進行を防ぎ、手術を回避できる可能性が高まります。また、糖尿病や喫煙は腱の健康を損なうため、生活習慣の改善も重要です。違和感がある時は無理な動作を控え、安静を保つことが損傷拡大の防止につながります。 以下の記事では、腱板断裂(損傷)における超音波(エコー)検査について詳しく解説しています。 腱板断裂と似ている症状 似ている症状 詳細 肩関節の炎症・拘縮(五十肩・肩関節周囲炎・石灰沈着性腱板炎) 肩関節周囲の炎症や拘縮による痛みと可動域制限。腕が上がりづらく動作時の痛みやこわばりが特徴 関節や骨の変性(変形性肩関節症・インピンジメント症候群) 肩関節の軟骨や骨の変性による運動時の痛み、インピンジメントは腱板が骨に挟まることで生じる痛み 腱や周囲組織の障害(上腕二頭筋長頭腱炎) 上腕二頭筋の腱の炎症で、肩の前方の疼痛や動作時痛、押すと痛みが出ることが多い 首からくる症状(頚椎症性神経根症など) 首の神経圧迫に伴う放散痛やしびれ、腕の筋力低下、肩の動かしにくさ。首の動作で症状が誘発されることも 腱板断裂と症状が似ている疾患はいくつか存在します。肩関節の炎症や拘縮を伴う五十肩(肩関節周囲炎)や石灰沈着性腱板炎では、肩の強い痛みや可動域の制限、腕の上げにくさ、こわばりが見られます。変形性肩関節症やインピンジメント症候群では、軟骨や骨の変性や腱板の挟み込みによって動作時の痛みが生じます。 上腕二頭筋長頭腱炎は、肩の前方に限局した痛みや押したときの圧痛、動作時痛が特徴です。さらに、頚椎症性神経根症など首からくる症状では、肩から腕にかけての放散痛やしびれ、筋力低下があり、首の動きで症状が誘発されることもあります。これらは腱板断裂と症状が似ているため、正確な診断には医師による診察と画像検査が欠かせません。 肩関節の炎症・拘縮(五十肩(肩関節周囲炎)・石灰沈着性腱板炎) 項目 腱板断裂 五十肩(肩関節周囲炎) 石灰沈着性腱板炎 主な症状 肩の痛み、可動域制限、日常動作の困難、夜間痛 慢性的な痛み・力が入りにくい 肩全体の広い痛みと動きの硬さと急な激痛や腫れ 原因 腱板腱の断裂 肩関節周囲の炎症と拘縮 腱板へのカルシウム沈着 痛みの特徴 特定動作や夜間で強く出やすい 夜間痛が強く、徐々に拘縮へ進行 発作的な強い痛みと寛解期 可動域制限 外転・外旋がとくに制限 全方向で強く制限 発作時は動かしにくい 経過 自然治癒は稀で、放置すると悪化しやすい 数年で自然回復傾向 数日〜数週間の発作後軽快しやすい 主な治療 保存療法または手術 保存療法主体 薬物・注射・石灰除去(手術は稀) 主な共通症状 肩の痛み、可動域制限、日常動作の困難、夜間痛 腱板断裂、五十肩(肩関節周囲炎)、石灰沈着性腱板炎はいずれも肩の痛みと可動域制限を伴いますが、原因や経過が異なります。五十肩は関節全体の炎症と拘縮により全方向の動きが制限され、数年かけて自然回復することが多い疾患です。 腱板断裂は肩の腱が部分的または完全に切れ、特定動作で力が入らず自然治癒はほぼありません。石灰沈着性腱板炎は腱板にカルシウムが沈着し、急激な激痛発作を起こしますが多くは自然軽快します。症状が似ていても治療法は異なるため、正確な診断には医師による診察とMRIや超音波検査が重要です。 以下の記事では、五十肩(肩関節周囲炎)と石灰沈着性腱板炎の症状について詳しく解説しています。 【関連記事】 腱板断裂と五十肩(四十肩)の違い|主な症状や治療法を解説 石灰沈着性腱板炎の原因とは?症状や痛みが続く際の治療法を紹介 関節や骨の変性(変形性肩関節症・インピンジメント症候群) 項目 腱板断裂 変形性肩関節症 インピンジメント症候群 主な症状 肩の痛み、可動域制限、日常動作の困難、夜間痛 (途中で力が入らないことも) 肩の痛み、可動域制限、関節変形、慢性痛 肩の痛み、特定動作や挙上で強まる痛み、可動域制限 原因 腱板腱の断裂 長年の摩耗や軟部組織損傷で関節軟骨のすり減り・骨変形 腱板の摩擦や圧迫 症状の特徴 肩から腕にかけて広がる・断裂部周辺 関節内部が中心、動作時や負荷時に増す痛み 肩前面、動作中に鋭い痛み 可動域制限 外転・外旋などに強く制限 全方向で強く制限 特定動作(挙上など)で制限 経過 保存療法で経過観察も多い 進行性で慢性化しやすい 保存療法で多くが改善傾向がある 主な治療 保存療法または手術 保存療法中心だが症状で手術選択 保存療法、重症時は手術 主な共通症状 肩の痛み、可動域制限、日常動作の困難、夜間痛 腱板断裂と関節や骨の変性によって起こる疾患(変形性肩関節症やインピンジメント症候群)は、どちらも肩の痛みや動かしにくさを伴い、症状が似ているため混同されやすい疾患です。 腱板断裂は肩の腱が部分的または完全に切れて特定動作で力が入らず、夜間痛が出やすいのが特徴です。変形性肩関節症は軟骨の摩耗や骨変形で肩全体の動きが制限され、進行すると関節音を伴います。 インピンジメント症候群は腕を上げる際に腱板が骨に挟まれ炎症を起こし、特定の角度で痛みや引っかかり感が生じます。原因と治療は異なり、腱板断裂は保存療法や手術、変形性肩関節症は保存療法を基本に進行例で人工関節手術、インピンジメント症候群は保存療法が中心です。診断にはMRIやレントゲンなどの画像検査と専門医の診察が必要です。 以下の記事では、インピンジメント症候群について詳しく解説しています。 腱や周囲組織の障害(上腕二頭筋長頭腱炎) 項目 腱板断裂 上腕二頭筋長頭腱炎 主な症状 肩の痛み、可動域制限、日常動作の困難、夜間痛 肩前面の痛み、可動域制限、日常動作の困難、夜間痛 原因 腱板腱(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)の断裂 上腕二頭筋長頭腱の摩擦や炎症 症状の特徴 特定動作で力が入らない、肩の上・外側の痛み 肩前面、結節間溝付近の痛みや圧痛 可動域制限 外転・外旋の制限 肘の曲げや前腕の回内外で痛み増強 経過 自然治癒しにくく進行することあり 安静や保存療法で多くは改善 主な治療 保存療法または手術療法 保存療法(安静、薬物、リハビリ) 合併の可能性 発症により上腕二頭筋長頭腱炎を伴うことあり 腱板断裂を伴うことあり 主な共通症状 40歳以上の中高年に多い傾向、動作時や夜間に強まる肩前面や周囲の痛み、動かしにくさや筋力低下、スポーツや肉体労働による肩の反復使用による負担 腱板断裂と上腕二頭筋長頭腱炎は肩の痛みや動きの制限を引き起こしますが、原因や特徴に違いがあります。共通点として、肩の痛みや筋力低下、とくに40歳以上に多く、スポーツや肉体労働がリスク要因です。 腱板断裂はインナーマッスルの腱が断裂し、外転や外旋で痛みが生じます。一方、上腕二頭筋長頭腱炎は炎症により腕を曲げる動作で痛みが生じます。診断にはMRIや超音波検査が使用され、症状がひどい場合は手術が必要です。治療法としては、保存療法と手術が選択肢となります。 以下の記事では、腱や周囲組織の障害について詳しく解説しています。 【関連記事】 腱板損傷と断裂の違いは?症状の進行や治療法について現役医師が解説 上腕二頭筋長頭腱炎とは?医師が徹底解説 首からくる症状(頚椎症性神経根症など) 項目 腱板断裂 頚椎症性神経根症 主な症状 肩や腕の痛みやしびれ、動かしにくさや筋力低下、夜間痛 肩の痛み、とくに動作時の痛みと可動域制限、夜間痛 首から肩・腕・手にかけての痛みやしびれ、感覚鈍麻、筋力低下 原因 肩の腱板(棘上筋など)の部分または完全断裂 頚椎や椎間板の変性による神経根の圧迫 症状の特徴 腕を特定角度まで上げると痛みや力が入らなくなる(ドロップアーム) 首の動きや姿勢で悪化する放散痛・しびれ、片側の筋力低下 痛みの範囲 肩関節周囲の局所痛、動作に伴う痛み 首から肩・腕・手・指先までの放散痛やしびれ 可動域制限 特定の肩の動きで強く制限 首の動きで痛み増悪、上肢の動作制限 診断方法 肩のMRIや超音波検査で腱板の損傷確認 頚椎X線・MRIで変性や神経圧迫を確認 主な治療 保存療法(安静・薬物・リハビリ)、必要に応じ手術療法 薬物療法、神経根ブロック、まれに手術 主な共通症状 肩や腕の痛みやしびれ、動かしにくさや筋力低下、夜間痛 腱板断裂と頚椎症性神経根症は、肩や腕の痛みやしびれを引き起こしますが、原因や症状に違いがあります。共通点として、肩や腕の痛み、筋力低下、とくに夜間痛が見られ、腱板断裂は肩のインナーマッスルの腱が切れ、特定の動作で痛みが強くなります。 頚椎症性神経根症は首の骨の変形による神経圧迫で痛みやしびれが広がり、頚椎のX線・MRIで確認し、早期に医師の診察を受けることが重要です。 以下の記事では、頚椎症性神経根症について詳しく解説しています。 腱板断裂でお悩みなら当院へご相談ください 腱板断裂は、加齢やスポーツ、肉体労働により腱板が損傷または断裂し、肩の痛みや腕が上がらない原因となります。適切な治療を継続することで改善が期待できますが、症状が改善しない場合は手術が必要となることもあります。 腱板断裂の症状にお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、腱板断裂で損傷した組織の回復を促す治療法である再生医療を提案しています。再生医療は、手術に比べてリスクが少なく、断裂部分に直接アプローチできる治療法として近年注目されています。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。
2025.08.31 -
- 頭部
- 頭部、その他疾患
「最近、物覚えが悪くなった」 「言葉が上手く話せないと感じる」 高次脳機能障害は、脳卒中や交通事故などで脳が損傷し、記憶・言語・注意・思考・感情の調整など高度な脳機能に障害が生じる状態です。 本記事では、高次脳機能障害について現役医師が詳しく解説します。 高次脳機能障害の症状 高次脳機能障害の原因 高次脳機能障害の治療法 高次脳機能障害と似た症状 記事の最後には、高次脳機能障害についてよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 高次脳機能障害について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 高次脳機能障害とは 項目 内容 高次脳機能障害とは 脳の病気や外傷で記憶・注意・判断・言葉の働きが低下する状態 主な症状の例 記憶低下、言葉が出にくい、計画困難、感情制御の難しさ 特徴 身体ではなく認知機能や感情の働きに障害が出て外見からはわかりにくく 主な原因 脳梗塞や脳出血、交通事故による頭部外傷 経過と改善 個人差があり、リハビリや支援で改善の可能性がある 高次脳機能障害は、脳梗塞や脳出血、外傷などにより脳の一部が損傷し、記憶力・注意力・判断力・言語機能・感情の調整など、高度な脳の働きに障害が生じる状態です。 主な症状には、新しいことを覚えにくい、会話中に言葉が出にくい、計画的に行動することが難しい、感情のコントロールがしにくいなどが挙げられます。これらは手足の麻痺や感覚異常といった身体症状とは異なり、認知機能や感情の働きに影響が出る点が特徴です。 そのため、外見上は健康に見えても、本人や家族は日常生活で大きな困難を抱えることがあります。症状の現れ方や程度は個人差があり、リハビリテーションで徐々に改善する可能性があります。障害の特性を理解し、適切な対応を行うことが、生活の質の向上につながります。 高次脳機能障害の症状 症状 詳細 記憶障害(覚えられない・思い出せない) 新しい出来事を覚えられない状態や過去の記憶が抜け落ちる状態 言語障害(言葉が上手く話せない) 自分の思いや言葉を適切に表現できない状態 注意障害(集中できない・気が散りやすい) 作業や会話に集中し続けられない状態 遂行機能障害(計画を立てて行動できない) 物事の手順を考えて実行できない状態 社会的行動障害(感情コントロール・対人関係の変化) 感情の起伏や対人関係の維持が難しい状態 高次脳機能障害では、脳の損傷により記憶力・注意力・判断力・言語機能・感情の調整など、日常生活に欠かせない高度な脳機能にさまざまな影響が生じます。 新しい情報を覚えられない、言葉が思うように出てこない、作業に集中し続けられない、計画を立てて実行できない、感情や対人関係のコントロールが難しくなるなど、症状は多岐にわたります。 これらは外見からはわかりにくい場合も多く、本人や家族の生活に大きな負担となります。適切な理解と支援が、症状の改善や生活の質の向上に重要です。 以下の記事では、高次脳機能障害の症状と診断方法や対応の仕方について詳しく解説しています。 記憶障害(覚えられない・思い出せない) 新しい出来事を記憶するためには、情報を注意深く受け取り、脳内で整理し、必要時に呼び出すという一連の過程が必要です。この過程には、主に内側側頭葉の海馬と前頭葉が関与します。 海馬は、情報を覚える・整理する役割を担い、この部位が脳卒中や頭部外傷で損傷すると、新しい情報が正しく整理されず、記憶として定着しにくくなります。 前頭葉は覚える対象を意識し、整理された情報を呼び出す指令を出す働きを持ち、損傷すると注意力の低下や記憶の呼び出し困難を招きます。さらに、びまん性軸索損傷(DAI)などで脳内の神経回路が損なわれると、海馬や前頭葉が保たれていても情報伝達が障害され、記憶形成のネットワークが機能しなくなります。 これらの障害は単独または複合して生じ、覚えようとしても記憶に残らない、思い出そうとしても想起できないといった記憶障害を引き起こします。 言語障害(言葉が上手く話せない) 困りごと 詳細 言いたい単語が頭に浮かぶのに思い出せない(喚語困難) 言葉が口まで出かかっているのに言えない状態 発話がゆっくり・断続的で流暢さに欠ける(非流暢型) 話のテンポが遅く途切れがちな状態 何か言おうとするが違う単語が出てしまう(音韻性錯語) 意図とは異なる単語や音が出てしまう状態 相手の言葉を聞いても意味がつかみにくい(理解障害) 会話内容の理解が難しい状態 失語症に分類される症状 聞く・話す・読む・書くのすべてで障害がある状態 高次脳機能障害による言語障害は、ブローカ野やウェルニッケ野、またそれらをつなぐ神経回路の損傷で起こります。ブローカ野の損傷では言葉が出にくい非流暢型失語、ウェルニッケ野の損傷では意味が理解できない受容性失語、弓状束の損傷では言い間違いが続く伝導性失語が生じます。 これらは構音障害や声帯障害とは異なり、脳の情報処理機能の障害によるもので、多くは記憶や注意、思考の障害を伴うため、適切なリハビリと支援が改善に必要です。 注意障害(集中できない・気が散りやすい) 種類 特徴 容量性注意障害 一度に意識できる情報量が少なくなる状態 選択性注意障害 必要な情報に集中できず周囲の刺激に気を取られる状態 転換性注意障害 ひとつのことに固執して注意を切り替えられない状態 持続性注意障害 集中を長時間保てずすぐに途切れる状態 配分性注意障害 複数作業に注意を分けられずミスや抜けが出る状態 注意障害は高次脳機能障害のひとつで、集中力の維持や必要な情報への注意が難しくなる状態です。前頭葉やその神経回路の損傷が原因となり、情報の選択・切り替え・持続といった機能が低下します。 脳梗塞や頭部外傷でこの部位が損傷すると、集中力が低下し注意が逸れやすくなり、容量性・選択性・転換性・持続性・配分性の各注意障害が単独または複合して現れます。 仕事や学習、日常生活に大きく影響を及ぼしますが、適切なリハビリや生活環境の調整により改善が期待できます。 遂行機能障害(計画を立てて行動できない) 遂行機能障害は、高次脳機能障害のひとつで、目標の設定や計画の立案、行動の順序立てが困難になる状態です。主に前頭葉が関与し、この部位は思考、判断、計画などの機能を担います。 脳卒中や交通事故で前頭葉が損傷すると、段取りが立てられない、作業を途中でやめてしまう、優先順位を決められないといった症状が現れます。 注意力や記憶力の低下、神経伝達物質のバランス異常も影響します。日常生活では、仕事や家事の進行が滞る、約束や期限を守れない、やるべきことを忘れるといった例が見られます。 遂行機能障害は外見からわかりにくいため、適切な理解と周囲の支援、専門的なリハビリテーションが生活の質を保つ上で重要です。 社会的行動障害(感情コントロール・対人関係の変化) 社会的行動障害は、脳損傷によって感情や行動の調整が難しくなり、普段とは異なる言動が現れる状態です。 前頭葉の損傷や、記憶障害・注意障害・遂行機能障害などの影響により、衝動的な行動、場にそぐわない発言、相手の気持ちを理解しにくいなどの症状が生じ、対人関係に誤解やトラブルを招きます。 外見からはわかりにくく、周囲の理解が得られにくい点が特徴です。これは性格や意志の問題ではなく脳の損傷によるもので、周囲の理解と支援、専門的なリハビリが改善に重要です。 高次脳機能障害の原因 原因 詳細 脳梗塞や脳出血などの脳血管障害 脳の血管が詰まったり破れたりして脳組織が損傷を受ける状態 交通事故などによる外傷性脳損傷 頭部への強い衝撃による脳の損傷で、見た目ではわかりにくい損傷も含む 低酸素脳症や感染症などその他の要因 脳への酸素不足や脳炎などの感染症による損傷や影響 高次脳機能障害は、脳の損傷によって記憶・言語・注意・行動などの高度な脳機能に障害が生じる状態で、原因は多岐にわたります。 主な原因には、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、交通事故による外傷性脳損傷、低酸素脳症や脳炎などの感染症があります。これらは脳の組織や神経回路に影響を与える可能性があります。 発症時には早期に医療機関を受診し、適切な診断・治療・リハビリテーションを受けることが、症状の軽減や回復に重要です。 脳梗塞や脳出血などの脳血管障害 項目 詳細 高次脳機能の働き 記憶、言語、注意力、計画、判断をつかさどる脳の働き 高次脳機能障害が起こる仕組み 脳血管障害で脳の特定部位が損傷し、その働きが低下または消失する状態 脳血管障害の主な症状 記憶障害、言語障害、注意障害、遂行機能障害、感情コントロールの低下 脳梗塞の特徴 脳の血管が詰まり、詰まった先の組織が血液不足となり細胞が死ぬ状態 脳出血の特徴 脳の血管が破れて脳内に血が広がり、損傷部位や範囲によって症状が異なる状態 原因と結果 損傷部位が酸素と栄養を受けられず、高次脳機能に障害が生じる状態 脳は、記憶や言語、注意力、計画、判断、感情の制御など、日常生活に欠かせない高次脳機能を担っています。脳血管障害で脳の一部が損傷すると、その部位の機能が低下または失われ、高次脳機能障害が生じます。 脳血管障害による症状は多岐にわたり、損傷部位や範囲によって重症度が異なります。脳梗塞は血管の詰まり、脳出血は血管破裂で発生し、いずれも早期診断・治療と適切なリハビリが回復に重要です。 以下の記事では、脳梗塞と脳出血の症状について詳しく解説しています。 【関連記事】 脳梗塞とは|症状・原因・治療法を現役医師が解説 【医師監修】脳出血とは|症状・種類・原因を詳しく解説 交通事故などによる外傷性脳損傷 外傷性脳損傷は、交通事故や転倒、スポーツ中の衝撃などで頭部に強い外力が加わり、脳に損傷が生じる状態です。衝撃によって脳組織が傷ついたり、脳内で出血が起きたりし、その結果、脳の機能に障害が生じます。 脳の損傷部位や範囲によって多様な高次脳機能障害が現れ、とくに交通事故では前頭葉を含む広範囲が損傷しやすく重い障害を招くことがあります。 脳挫傷・脳内出血・びまん性軸索損傷はいずれも高次脳機能を低下させるため、早期診断と適切な治療・リハビリが重要です。 以下の記事では、外傷性脳出血の症状について詳しく解説しています。 低酸素脳症や感染症などその他の要因 状態・要因 詳細 低酸素脳症 脳への酸素供給が不十分となり、脳細胞がダメージを受ける状態(溺水、窒息、心停止、一酸化炭素中毒などが原因) 低酸素脳症で高次脳機能障害が起こる理由 酸素不足により、記憶・注意・判断を担う脳細胞が損傷される状態 症状の特徴 記憶障害、注意障害、感情コントロールの障害などが現れやすい傾向 脳炎や感染症が高次脳機能障害を引き起こす理由 感染による脳の炎症で正常な脳機能が妨げられる状態(ヘルペス脳炎などでは認知や情緒面の障害が特徴) その他の要因 髄膜炎、脳腫瘍、てんかんなどによる脳細胞の損傷と高次脳機能障害発症の可能性 低酸素脳症は、溺水、窒息、心停止、一酸化炭素中毒などにより脳への酸素供給が不足し、脳細胞が損傷する病態です。 高次脳機能を担う部位が障害されると、記憶障害、注意障害、判断力低下、感情コントロールの困難など多様な症状が現れます。とくに記憶障害や注意障害が出やすい傾向があります。 脳炎や髄膜炎などの脳感染症も、脳組織に炎症や損傷を与え、認知機能や情緒面に影響を及ぼします。さらに、脳腫瘍やてんかん発作なども高次脳機能障害の原因となります。これらの障害は損傷部位や範囲によって症状が異なるため、適切なリハビリテーションが回復に不可欠です。 高次脳機能障害の治療法 治療法 詳細 リハビリテーション 記憶や言語、注意力、計画力など低下した機能の改善を目指す訓練や作業療法 薬物療法 集中力や意欲、感情の安定など症状に応じた薬剤を用いた治療 再生医療 幹細胞などを利用し損傷した脳組織の修復や機能回復を促す治療 高次脳機能障害の治療は、症状や原因、重症度に応じて複数の方法を組み合わせて行います。中心は記憶や言語、注意力などの回復を目指すリハビリテーションで、作業療法士や言語聴覚士が訓練を行います。 薬物療法は注意力や意欲低下、感情の不安定さに対して補助的に使用されます。再生医療は幹細胞や成長因子を用いて損傷した脳組織の修復や機能回復を促す新しい治療法です。 しかし、取り扱う医療機関が限られているため、実施には事前の問い合わせと医師による診察が不可欠です。再生医療は単独でなくリハビリなどと組み合わせて行われ、早期かつ継続的な介入により生活の質向上が重要視されます。 リハビリテーション リハビリ内容 有用性 言語療法(ST) 言葉の理解・表現力の改善、会話能力の向上、コミュニケーションの円滑化 作業療法(OT) 日常生活動作(食事、着替え、家事)の能力向上、手先の動作や計画力の改善 認知機能訓練 記憶力、注意力、判断力、遂行機能の強化による生活自立度の向上 理学療法(PT) 基本的な身体の動きやバランスの安定化による活動範囲の拡大 心理的支援・カウンセリング 自信回復、抑うつ・不安の軽減、社会参加意欲の向上 リハビリテーションは、高次脳機能障害の中心的な治療法です。記憶力、注意力、遂行機能、言語能力などを回復させ、日常生活の自立を支援します。 脳には損傷後に新しい神経回路を形成する可塑性があり、リハビリはこの能力を最大限に活用する治療法です。医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理士、ソーシャルワーカーなど多職種が連携し、症状や生活状況に応じたプログラムを提供します。 効果を高めるには発症早期から開始し、6カ月から1年程度継続することが推奨され、継続的な評価と調整によって機能改善、自信回復、抑うつや不安の軽減、社会復帰の促進が期待できます。 以下の記事では、高次脳機能障害のリハビリ効果について詳しく解説しています。 【関連記事】 高次脳機能障害のリハビリ効果とは?方法や内容をあわせて紹介 高次脳機能障害は回復する?事例やリハビリの重要性を現役医師が解説 薬物療法 理由・特徴 詳細 症状の軽減と生活の質向上 記憶障害・注意障害・感情や行動の問題を和らげる補助療法 神経伝達物質のバランス調整 セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンなどを整え脳機能をサポートする治療 行動・感情コントロールの支援 衝動性や攻撃性、うつ症状、不安を鎮め落ち着いた状態を保つ治療 リハビリの効果向上 薬物の作用で集中力や安定性を高め、リハビリ訓練への取り組みを後押しする効果 継続的な治療の重要性 症状や状態に合わせ、医師が薬剤を調整しながら数カ月以上継続する治療 薬物療法は、高次脳機能障害に対し脳損傷そのものを治すのではなく、症状を軽減し日常生活の質を高める補助的治療法です。記憶障害、注意障害、衝動性や攻撃性などの感情・行動の問題を緩和し、リハビリテーション効果を向上させます。 治療ではセロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質のバランスを調整し、注意力や意欲の改善、感情の安定を図ります。たとえば、注意障害にはメチルフェニデートが用いられ、集中力や覚醒度を高めます。抗うつ薬や抗精神病薬は衝動性、不安、うつ症状の緩和に有効です。 薬物療法は認知リハビリや作業療法と併用することで効果が高まり、数カ月以上の継続が推奨されます。薬物療法では、必ず医師の指導のもと実施することが重要です。 以下の記事では、高次脳機能障害の薬物療法とリハビリでの治療法について詳しく解説しています。 再生医療 再生医療は、患者自身の幹細胞を用いて損傷した脳組織の修復や再生を促し、失われた機能の回復を目指す治療法です。 幹細胞は損傷部位で新しい神経細胞を作り、修復を支援します。これにより脳の自己治癒力が高まり、リハビリ効果も向上します。従来より短期間で症状改善が報告される例があり、幹細胞が分泌する物質は血管修復や保護にも働き、脳卒中再発予防の可能性があります。 ただし、再生医療は実施できる医療機関が限られているため、事前に対応可能かを確認し、適応の有無を診察で判断することが必要です。 以下の記事では、再生医療について詳しく解説しています。 高次脳機能障害と似た症状 似た症状 詳細 認知症(アルツハイマー型・血管性など) 進行性の認知機能低下と記憶障害が中心の状態 うつ病や統合失調症などの精神疾患 気分の落ち込みや思考・行動の障害を伴う精神状態 発達障害(自閉スペクトラム症・ADHDなど) 社会的コミュニケーションや注意集中の困難が持続する状態 脳腫瘍・正常圧水頭症などの脳疾患 脳の腫瘍や脳室の異常による認知や運動機能の障害 てんかん(とくに側頭葉てんかん) 発作やそれに伴う意識障害、記憶・行動の異常 高次脳機能障害と似た症状は、認知症、精神疾患、発達障害、脳疾患、てんかんなど多岐にわたります。認知症では記憶障害や判断力低下が進行し、うつ病や統合失調症などの精神疾患では意欲低下や感情の不安定さがみられます。 自閉スペクトラム症やADHDなどの発達障害では、社会的コミュニケーションや注意・行動の調整が困難です。脳腫瘍や正常圧水頭症では脳の構造変化や圧迫により記憶・歩行・判断力が障害されます。 側頭葉てんかんなどのてんかんでは、発作に伴い記憶や感情の変化、一時的な意識障害が生じます。これらは症状が似ていても原因や治療法が異なるため、正確な診断が不可欠です。 認知症(アルツハイマー型・血管性など) 項目 高次脳機能障害 認知症 主な原因 交通事故・脳卒中・外傷などによる急性の脳損傷 アルツハイマー病・血管性認知症などによる脳の変性や萎縮 発症の仕方 急に症状が現れる発症 徐々に症状が進行する発症 症状の進行 基本的に進行しにくい状態 時間とともに進行し悪化する状態 主な経過 リハビリによって改善が期待できる経過 根本的な治療は難しく進行を遅らせる支援が中心の経過 主な共通症状 記憶障害、遂行機能障害、注意障害、人格変化などの症状 高次脳機能障害と認知症は、どちらも記憶障害や注意障害、計画力の低下、人格変化など似た症状を伴いますが、原因と経過が異なります。高次脳機能障害は、交通事故や脳卒中などによる急な脳損傷が原因で、症状は突然現れます。基本的に進行せず、リハビリによって改善が見込めます。 一方、認知症はアルツハイマー病や血管性認知症などが原因で脳が徐々に変性・萎縮し、症状が進行していきます。根本的な治療は難しく、薬剤や生活支援で進行を遅らせることが治療の中心となります。 以下の記事では、高次脳機能障害と認知症の違いを詳しく解説しています。 うつ病や統合失調症などの精神疾患 項目 高次脳機能障害 うつ病や統合失調症などの精神疾患 主な原因 交通事故・脳卒中などによる器質的な脳損傷 心理的・社会的ストレス、神経伝達物質バランスの乱れ遺伝的素因など 発症の仕方 脳損傷後に突然症状が現れる発症 徐々に進行する場合や急性に悪化する場合がある発症 背景メカニズム 損傷部位の神経ネットワーク障害による症状発現 器質的損傷を伴わない脳機能異常や心理社会的要因による症状発現 治療の方向性 原因疾患の治療とリハビリによる機能回復支援 薬物療法や心理社会的支援による症状の安定化と再発予防 主な共通症状 注意障害、意欲低下、感情コントロールの不全、社会的行動の変化 高次脳機能障害は、交通事故や脳卒中などによる明確な脳損傷を原因として、認知機能や感情の制御が低下する病態です。これに対し、うつ病や統合失調症などの精神疾患は脳の構造的損傷を伴わず、心理社会的ストレス、神経伝達物質の異常、遺伝的要因などが主な背景と考えられます。 いずれも注意力や意欲の低下、感情の不安定さ、対人関係の変化といった共通症状を示し、日常生活や社会生活に大きな支障をきたしますが、その発症機序は異なります。高次脳機能障害は脳の器質的障害による直接的な機能低下であり、精神疾患は脳機能の異常や心理社会的要因による変化が中心です。 症状が類似するため誤診の恐れもあり、正確な診断には医師による詳細な問診、神経心理検査、画像検査が不可欠です。 発達障害(自閉スペクトラム症・ADHDなど) 項目 高次脳機能障害 発達障害(自閉スペクトラム症・ADHDなど) 主な原因 脳梗塞・交通事故・外傷などによる後天的な脳損傷 生まれつきの脳機能の特徴や発達の仕方の違い 発症の時期 成人期・小児期を問わず、脳損傷後に突然発症 幼少期から症状がみられる発達期発症 背景メカニズム 損傷部位の神経ネットワーク障害による情報処理の低下 先天的な脳情報処理の特性による行動や認知の違い 治療・支援 リハビリテーションや薬物療法で機能回復支援 療育・環境調整・必要に応じた薬物療法による適応支援 共通する症状 注意の持続困難、遂行機能障害、社会的行動の変化 高次脳機能障害と発達障害(自閉スペクトラム症、ADHDなど)は、注意が続かない、計画や段取りが苦手、感情や対人関係の調整が難しいといった共通の症状があります。これらは脳の情報処理や行動調整機能の障害で起こります。 発達障害は先天的で幼少期から症状があり、高次脳機能障害は脳梗塞や事故など後天的損傷が原因です。症状の時期や経過が診断の鍵であり、正確な鑑別には医師の評価が必要になります。 以下の記事では、ブレインフォッグとADHDについて詳しく解説しています。 脳腫瘍・正常圧水頭症などの脳疾患 項目 高次脳機能障害 脳腫瘍・正常圧水頭症 主な原因 交通事故・脳卒中・外傷などによる脳の損傷 脳内の腫瘍形成や脳脊髄液循環障害による脳圧迫 発症の仕方 脳損傷後に突然症状が現れる発症 腫瘍や液体貯留が進行して症状が徐々に出現する発症 症状発現の仕組み 損傷部位の神経細胞や神経回路の破壊による直接的障害 脳の圧迫や循環障害による二次的な機能障害 主な治療 リハビリテーションを中心とした機能回復支援 外科的治療(腫瘍摘出・シャント手術)による圧迫解除と症状改善 共通する症状 記憶障害、注意障害、感情のコントロール不全 脳腫瘍は脳内に発生する異常な腫瘤であり、正常圧水頭症は脳脊髄液の流れが障害されて脳室に液が過剰にたまる疾患です。いずれも脳を物理的に圧迫し、血液や脳脊髄液の循環を妨げることで、記憶障害、注意力低下、感情の不安定化など、高次脳機能障害に似た症状を引き起こします。 原因は脳細胞の直接的な損傷ではなく、圧迫や循環障害による二次的な機能低下です。治療は腫瘍摘出術やシャント手術などの外科的手段が中心で、圧迫を解除することで症状が改善する可能性があります。高次脳機能障害とは症状や原因が異なるため、医師の診断が不可欠です。 【関連記事】 【くも膜下出血の後遺症】水頭症は寿命がある?症状から治療法まで医師が解説 水頭症による高齢者の認知症は手術で治る?手術しないリスクとは【医師監修】 てんかん(とくに側頭葉てんかん) 項目 高次脳機能障害 てんかん(とくに側頭葉てんかん) 主な原因 脳梗塞・交通事故・外傷などによる器質的な脳損傷 脳内の異常な電気活動(発作)や潜在的なてんかん性放電 発症の仕方 脳損傷後に突然症状が現れる発症 発作の繰り返しに伴い徐々に症状が現れる場合もある発症 症状発現の仕組み 損傷部位の神経細胞や神経ネットワークの破壊による直接的障害 異常な電気活動やネットワークの乱れによる機能障害 主な治療 リハビリテーション中心の機能回復支援 抗てんかん薬や外科手術による発作コントロール 共通する症状 記憶障害、注意障害、感情のコントロール不全 てんかん、とくに側頭葉てんかんは、高次脳機能障害と同様に記憶障害・注意障害・感情変化を示します。記憶障害は発作時だけでなく非発作時にも現れ、新しい情報を覚えにくい、過去の出来事を忘れやすいなどの症状があります。 注意障害は集中力低下や気の散りやすさ、感情変化は怒りやすさや感情コントロール困難として表れます。これらは異常な電気活動や潜在的なてんかん性放電による脳ネットワークの乱れが原因です。 一方、脳腫瘍や正常圧水頭症では脳の圧迫や循環障害による二次的症状であり、外科手術で改善を図ります。てんかんは抗てんかん薬や手術で発作を抑えるなど治療法が異なるため、正確な鑑別診断が重要です。 以下の記事では、側頭葉てんかんの手術後に起こりうる後遺症について詳しく解説しています。 改善しない高次脳機能障害は当院へご相談ください 高次脳機能障害は、記憶力の低下や注意力の欠如などが現れ、日常生活に支障をきたします。早期発見と治療の継続で改善が見込めます。しかし、症状が進行している状態の場合、改善が困難になることがあります。 改善が見られない高次脳機能障害でお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院は、損傷部位の修復にアプローチする再生医療を積極的に提案し、患者様の症状に合う治療方針を策定します。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 高次脳機能障害に関するよくある質問 高次脳機能障害の家族の向き合い方を教えてください 高次脳機能障害の患者さんは、日常生活や介護の多くを家族が担いますが、症状は外見からわかりにくく、性格や行動の変化も伴うため、家族の心理的負担は大きくなります。介護を続けるためには、病気の正しい理解が重要です。 症状や経過を知ることで患者さんの行動を病気の一部として受け入れやすくなり、家族会やセミナーの参加も有効です。また、家族自身の心身の健康維持も必要で、心理カウンセリングや相談窓口の活用、同じ立場の家族との交流がストレス軽減に役立ちます。 また、行政や福祉サービス、レスパイトケアを利用して介護負担を分散させることが、患者さんの生活の質向上にもつながります。 以下の記事では、高次脳機能障害の家族の向き合い方について詳しく解説しています。 【関連記事】 高次脳機能障害で怒りやすくなる?家族への適切な対応を紹介 高次脳機能障害への対応の仕方は?介護疲れを軽減するコツを解説 高次脳機能障害患者の家族が抱えるストレスは?対処法や支援制度を現役医師が解説 高次脳機能障害の平均余命はどのくらいですか? 高次脳機能障害の平均余命は、発症年齢や性別によって異なりますが、健常者より短くなる傾向があります。男性では、20歳発症の場合は平均余命が42.61年で、健常男性の61.45年より約18.8年短くなります。 年齢が上がるにつれて差は縮まり、50歳発症では約12.4年、80歳発症では約6.5年の差です。女性も同様で、20歳発症では約17.3年、50歳発症では約11.9年、80歳発症では約8.5年短くなります。 この余命短縮は、脳損傷による高次脳機能障害と、それに伴う身体機能低下や合併症リスクの増加が影響していると考えられます。ただし、適切な医療管理やリハビリテーション、生活習慣の改善によって健康状態を保ち、余命や生活の質(QOL)を高めることは可能です。 平均余命は統計上の目安であり、個々の生活環境や支援体制によって変わるため、医療機関と連携し、長期的な健康管理と社会参加を継続することが重要です。 以下の記事では、高次脳機能障害の平均余命について詳しく解説しています。
2025.08.31 -
- 脳卒中
- 脳出血
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「ある日突然、激しい頭痛や吐き気に襲われた」 「片側が麻痺するような感覚や、言葉がうまく話せない」 これらは脳出血のサインの可能性が高く、脳の血管が破れて出血し、脳細胞を損傷・死滅させる疾患です。短時間で命や生活に重大な影響を及ぼします。 飲酒や喫煙、高血圧、糖尿病といった生活習慣や持病があれば、若年でも脳出血を発症する危険があります。脳出血は年齢を問わず起こるため、予防が欠かせません。 本記事では、脳出血について現役医師が詳しく解説します。 脳出血の症状 脳出血の種類 脳出血の原因 脳出血の治療法 脳出血の予防法 記事の最後には、脳出血についてよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 脳出血について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 脳出血とは 項目 内容 主な原因 長期間続く高血圧による血管の脆弱化。加齢による脳アミロイド血管症。脳動静脈奇形などの血管異常 他の脳卒中との違い 脳出血は脳卒中の一種で、脳実質内の出血を指し、くも膜下出血(脳表面の隙間の出血)や脳梗塞(血管の詰まり)とは異なる 出血で起きること 血腫形成による脳細胞の圧迫。麻痺・言語障害・意識障害の発症。部位と出血量による症状の違い。血腫吸収後も残る神経障害の可能性 早期治療の理由 発症後48時間以内に進行する脳浮腫。再出血や脳圧上昇による生命危機。血圧管理・外科的処置・全身管理の必要性 主な症状 片側の麻痺・しびれ。言語障害。意識障害。吐き気・嘔吐。激しい頭痛 対応の重要性 急性期の対応が予後を左右。再出血や浮腫悪化時は緊急処置の必要性 予防と再発防止 高血圧管理。生活習慣改善。血管異常の検査。医師による定期的なフォロー (文献1) 脳出血は、脳内の細い血管が破れて出血し、血液が脳組織を直接傷つけたり、血腫(けっしゅ)となって周囲を圧迫し、脳組織を損傷する疾患です。意識障害、手足の麻痺、言語障害などの重い症状が突然現れることがあります。 脳の血管は非常に細く、高血圧などで慢性的な負担がかかると血管壁が脆くなり、破れやすくなります。出血は脳全体の圧力を高めて血流を妨げ、生命に関わる危険な状態を引き起こし得ます。急な頭痛、意識の変化、麻痺などが現れた場合は、一刻を争うため直ちに救急要請が必要です。 以下の記事では、脳梗塞と脳出血の合併症について詳しく解説しています。 脳出血の症状 症状 詳細 片麻痺・顔面のゆがみ 手足の力が入らなくなる現象。顔半分の筋肉のゆがみ。片側だけ口角が下がる状態 言語障害(話す・理解) 思ったことを言葉にできない状態。会話や文字の理解困難。意思疎通の困難 視覚・平衡感覚の異常 視野が欠ける現象。一部が見えなくなる状態。物が二重に見える現象。ふらつきや歩行困難 頭痛・吐き気・意識障害 突然の激しい頭痛。吐き気や嘔吐の発現。意識がもうろうとする状態。反応が鈍くなる現象 脳出血では、出血の部位や程度により多様な症状が突然現れます。代表的なのは片麻痺や顔面のゆがみで、口角が片方だけ下がることもあります。 言葉が出にくい、相手の話や文字が理解しづらいといった言語障害に加え、視野の一部が欠ける、物が二重に見えるなどの視覚異常や、平衡感覚の異常によるふらつき・歩行困難も特徴です。 さらに、突然の激しい頭痛、吐き気や嘔吐、意識の混濁、反応の鈍化などが起こることもあり、これらの症状が現れた場合は直ちに医療機関を受診する必要があります。 以下の記事では、脳出血の前兆を詳しく解説しています。 片麻痺・顔面のゆがみ 症状 詳細 片麻痺(かたまひ) 脳の片側が出血で障害されると、反対側の手足の動きが悪くなる現象。力が入らない、動かせない、物を落としやすくなる状態 顔面のゆがみ 顔の筋肉を動かす神経が障害され、片側の筋肉がうまく動かなくなる状態。笑ったときに口角が片側だけ下がる、まぶたが閉じにくい左右差 重要性 いずれも脳出血の可能性が高い危険なサインで、突然出た場合は直ちに救急車を呼び医療機関を受診する必要性 脳出血が運動をつかさどる脳の部分に起こると、身体の片側が急に動かしにくくなり、腕や足に力が入らず物を落とすこともあります。 顔面神経にも障害が及ぶと、笑ったときに口角が一方だけ下がる、まぶたが閉じにくいなどの左右差が出ます。発症した場合は直ちに救急車を呼ぶことが重要です。 以下の記事では、脳出血の前兆として現れる手足のしびれについて詳しく解説しています。 【関連記事】 手がしびれる病気は?前兆とチェックを医師が解説 手足のしびれの原因となる病気の症状や予防法を解説!前兆も紹介 言語障害(話す・理解) 項目 詳細 言葉が話せなくなる理由 脳の左側にある言語中枢の出血による機能障害 主な症状 思ったことを言葉にできない発語障害。相手の言葉の意味がわからない理解障害 危険なサインの理由 脳の重要領域の障害を示す重大な兆候で、早急な治療が必要 対応の必要性 突然の発語困難や理解困難が出た場合は、脳出血や脳梗塞の可能性があり直ちに受診が必要 脳の言語中枢が出血で損なわれると、言葉を話す・理解する機能に障害が生じ、言葉が出ない、入れ替わる、理解しづらいなどの症状が現れます。口や舌の動きが悪くなり発音が不明瞭になることもあり、失語症や構音障害と呼ばれます。 これらは本人が気づきにくく、周囲の早期発見が重要です。突然の発症は脳出血の可能性が高く、速やかに医療機関を受診する必要があります。 視覚・平衡感覚の異常 項目 詳細 視覚の異常 脳の後頭葉や視覚信号の経路への障害による視野狭窄や見えにくさ。目そのものの異常ではなく、脳の視覚処理の問題 平衡感覚の異常 小脳や脳幹の損傷による急なめまい、ふらつき、歩行時のバランス障害、方向感覚の喪失 重要性 突然の視覚や平衡感覚の異常は脳への深刻な障害のサインであり、緊急受診が必要 脳の視覚中枢や平衡感覚をつかさどる部位に出血が起こると、視界が欠ける、二重に見える、ふらつくなどの症状が現れます。歩行が不安定になり、立ち上がった際に倒れそうになることもあります。 視覚障害やめまいは一時的に治まる場合もありますが、脳出血は進行する恐れがあるため、軽視は禁物です。とくに、これまでにない視覚の異常やバランスの崩れは、早急な診断が必要な危険信号です。 頭痛・吐き気・意識障害 症状 詳細 激しい頭痛 脳の血管破裂による脳を覆う膜や血管への強い刺激。普段と異なる突然の強烈な痛み 吐き気・嘔吐 脳圧の上昇による脳幹の嘔吐中枢刺激。身体からの危険信号としての反応 意識障害 血液や腫れによる脳の重要部位圧迫、意識がぼんやりする状態、重症の場合は意識消失の可能性 脳出血によって脳内の出血が増えると、頭蓋内の圧力が急激に上昇し、強い頭痛・吐き気・嘔吐などが起こります。これは、硬い頭蓋骨の中で血液が増えて脳が圧迫されるためです。 出血範囲が広くなると脳幹や全体へのむくみ(脳浮腫)により、意識がもうろうとしたり呼びかけに反応できなくなることもあり、命に関わる緊急事態となります。このような症状が急に現れた場合には、一刻も早く救急車を呼び、迅速な治療を受けることが非常に重要です。 以下の記事では、吐き気を伴う頭痛について詳しく解説しています。 脳出血の種類 種類 詳細 被殻出血 大脳基底核の一部である被殻での出血。主に高血圧が原因。反対側の手足の麻痺や感覚障害、言語障害が起こることが多い 視床出血 感覚情報の中継を行う視床での出血。反対側の感覚障害や麻痺、意識障害を伴うことが多い 皮質下出血 脳の表面近く、皮質直下の白質での出血。一部運動障害や感覚障害、視覚や言語の障害が現れる場合がある 小脳出血 運動のバランスを司る小脳での出血。めまいや歩行困難、吐き気などが強く現れることが多い 橋出血 生命維持に重要な脳幹の一部である橋での出血。四肢麻痺や重度の意識障害、呼吸不全など重篤な症状が出やすい 脳出血は、出血する部位によって症状や重症度が異なります。被殻出血は、大脳深部の被殻に起こる脳出血で、高血圧が原因となることが多い病態です。視床出血は感覚の中継を行う視床で発生し、片側の感覚障害や麻痺、意識障害を伴うことが多くあります。 皮質下出血は脳の皮質下白質で起こり、運動・感覚・視覚・言語など多様な障害を引き起こす可能性があります。小脳出血はバランス機能を担う小脳で発生し、めまいや歩行困難、吐き気が顕著に現れることがあります。橋出血は脳幹の一部である橋で発症し、四肢麻痺や重度の意識障害、呼吸不全など重篤な症状を引き起こしやすく、とくに注意が必要です。 被殻出血 被殻出血は、脳の深部にある被殻で起こる脳出血で、手足の動きや感覚に関わる重要な部位が障害されます。脳出血のうち、約40~50%は被殻出血であり、脳出血全体の中で最も多くを占めています。被殻は脳の深部に位置し、手足の運動や感覚をつかさどる重要な部位です。 このため、被殻で出血が起こると、反対側の手足の麻痺やしびれが現れます。多くは高血圧が背景にあり、発症は急激です。言葉のもつれや視野の欠けを伴うこともあります。 さらに重症化すると意識障害に進行することがあるため、早期の診断と適切な血圧管理が不可欠です。日本国内の統計でも、視床出血(約30%)、小脳・脳幹・皮質下出血(いずれも約10%前後)と比べて圧倒的に頻度が高いことが示されています 視床出血 視床出血は、脳の深部にある視床で起こる出血です。視床は、手足や顔の感覚情報を脳の各部に中継し、意識の維持にも関わる重要な部位です。主な原因は長期の高血圧による細い血管(穿通枝)の破裂で、突然の頭痛、嘔吐、意識の低下、片側の手足のしびれや麻痺といった症状が急に現れます。 視床出血は感覚・運動・意識・眼球運動など多彩な症状を伴い、視覚異常や瞳孔反応の変化、言語障害、高次脳機能障害、慢性的な強い痛み(視床痛)が現れ、出血が大きい場合は運動障害が悪化します。 治療は血圧や脳の腫れを抑える保存療法が中心で、早期診断とリハビリが回復が重要です。 以下の記事では、視床出血について詳しく解説しています。 【関連記事】 手足のしびれの原因となる病気の症状や予防法を解説!前兆も紹介 【保存版】視床出血の主な症状はなに?原因や治療法・予後について現役医師が解説 皮質下出血 皮質下出血は、脳の表面に近い大脳皮質の直下で起こる脳出血です。高血圧が原因となることは少なく、若年者では脳動静脈奇形や海綿状血管腫、高齢者ではアミロイドアンギオパチーなどの血管異常が多くみられます。 症状は突然の激しい頭痛や吐き気、嘔吐に始まり、意識障害、片側の手足の麻痺、言語障害、てんかん発作などが出ます。数時間以内に症状が進行することもあり、予後は出血の大きさや原因に左右されます。 診断はCTなどで行い、大きな出血や重症例では手術が検討されますが、多くは薬物療法や経過観察が中心です。早期受診と原因に応じた治療が不可欠です。 小脳出血 小脳出血は、頭の後ろにある小脳で起こる脳出血です。小脳は体のバランスや運動の調整を担い、出血すると後頭部の激しい痛み、強いめまいやふらつき、吐き気、歩行障害、構音障害などが現れ、急速に悪化することがあります。 原因は高血圧が最も多く、血管奇形や頭部外傷も関与します。出血が大きいと脳幹を圧迫し命に関わるため、治療は血圧管理や脳浮腫の抑制が中心であり、必要に応じて手術が必要です。早期受診と適切な治療が予後を左右します。 橋出血 橋出血は、脳幹の一部である「橋」に発生する脳出血です。橋は呼吸や心拍の調整、感覚や運動の伝達など、生命維持に欠かせない機能を担っています。主な原因は長期の高血圧で、血管壁が弱くなり破れることで発症します。血管奇形や外傷、血液疾患が原因となるケースもあります。 症状は急速に進行し、激しい頭痛や嘔吐、意識障害、四肢麻痺、顔面のしびれや運動障害、呼吸困難、言語障害、めまい、眼球運動異常などが現れ、橋は重要な神経が集中する部位のため重症化しやすく、手術が困難な場合も多くあります。 治療は血圧や呼吸の管理が中心で、早期発見と迅速な対応が予後を左右するため、発症時は直ちに医療機関での治療が必要です。 以下の記事では、橋出血について詳しく解説しています。 【関連記事】 橋出血とは?症状・原因・治療法を現役医師がわかりやすく解説! 橋出血の初期症状は意外と身近な痛み?!死亡率や予防法も現役医師が解説 脳幹出血は回復の見込みある?治療や時期別のリハビリ内容も解説 脳幹出血の原因は?今からできる予防策も解説【医師監修】 脳出血の原因 原因 詳細 高血圧性出血 持続する高血圧による脳内小動脈の血管壁破綻。血圧の過度な上昇による血管の破裂 血管異常(奇形・アミロイド) 先天的な脳動静脈奇形や海綿状血管腫などの血管奇形。高齢者に多いアミロイド血管症による血管の脆弱化 薬剤・出血傾向を伴う血液の病気 抗凝固薬や抗血小板薬の服用による出血傾向。血液疾患による止血障害や血液成分異常 脳梗塞からの出血性転化 脳梗塞後に血管の浸食や血流再開で出血を伴うこと。脳組織の壊死に血管破綻が加わる状態 頭部の外傷 交通事故や転倒などの頭部への直接的な強い衝撃による脳内出血。とくに高齢者で転倒リスクが高い 脳出血の原因は多岐にわたります。中でも代表的なのは、持続する高血圧による脳内小動脈の破綻です。ほかにも、先天的な脳動静脈奇形や海綿状血管腫、高齢者に多いアミロイド血管症などの血管異常、抗凝固薬・抗血小板薬の服用や血液疾患による出血傾向、脳梗塞後の血管破綻による出血性転化、交通事故や転倒といった頭部外傷などがあります。 これらの要因は脳の重要な部位に急激な出血を引き起こし、命に関わる重篤な症状へとつながる可能性があります。突然の頭痛、麻痺、言語障害、意識の変化などの症状が出た場合は、脳出血の可能性があるため直ちに医療機関を受診することが重要です。 高血圧性出血 項目 詳細 血圧の慢性的上昇 小さな脳血管の壁への持続的な負担。血管壁の弾力低下と脆弱化 微小動脈瘤の形成 弱った血管にできる小さなコブ。血管の一部が膨らみ、破裂リスクの増加 急激な血圧上昇 強いストレスや激しい運動、寒冷刺激による急な負担。もろい血管の破裂誘発 高血圧症の頻度 多くの人が持つ慢性疾患。目立たないうちに脳血管障害の進行 脳出血の発症機序 血管壁の脆弱化と微小動脈瘤の破裂による脳出血 予防のポイント 血圧の治療・生活習慣改善による脳血管の保護。血圧管理の重要性 脳出血は、脳内の細い血管が破れて血液がたまり、脳を圧迫する病気です。そのうち約6割から9割は高血圧が原因とされています。 慢性的に高血圧が続くと脳の細い動脈が硬く脆くなり、血圧が急に上がったときに破れやすくなります。とくに寒暖差、過度の飲酒、強いストレスは発症のきっかけになります。高血圧性出血は脳出血全体の多くを占めるため、日頃から血圧を適切に管理することが最も重要な予防策です。 血管異常(奇形・アミロイド) 項目 詳細 血管奇形の種類 脳動静脈奇形や海綿状血管腫などの先天性または後天性の血管構造異常 アミロイド血管症 高齢者の脳血管壁にアミロイド蛋白が沈着し脆弱化する状態 出血のきっかけ 弱くなった血管の血圧変動や外的刺激による破裂 若年者での特徴 高血圧がなくても血管奇形が原因で発症する脳出血 高齢者での特徴 アミロイド血管症が原因となる脳出血 重要性 高血圧以外の独立した脳出血原因としての臨床的意義 血管異常には、若年層にも見られる脳動静脈奇形や海綿状血管腫などの血管奇形と、高齢者に多いアミロイド血管症があります。血管奇形は生まれつき構造が弱く、血圧の急変や軽い刺激でも破れやすく、若年層の脳出血の原因です。 アミロイド血管症は血管壁に異常なたんぱく質が沈着し、もろくなった血管から出血を招きます。これらは高血圧の有無に関係なく発症しやすく、とくに若年層と高齢者の脳出血で重要な原因です。 予防には、定期的な健康診断や脳ドックで早期発見し、生活習慣を改善することが重要です。海綿状血管腫は無症状のことも多いため、症状が現れたら速やかに受診することが、命を守り再出血や重症化を防ぎます。 異常血管と診断された場合は、専門医による経過観察や必要に応じた治療が推奨されます。脳出血は突然発症し、対応の遅れが命や後遺症に直結するため、少しでも異変を感じたら直ちに受診することが大切です。 薬剤・出血傾向を伴う血液の病気 項目 詳細 出血傾向の仕組み 血液凝固機能の低下による止血力の低下 薬剤による影響 抗凝固薬(ワルファリン・DOACなど)や抗血小板薬(アスピリンなど)による血液凝固抑制 薬剤の目的 血栓予防のための血のかたまり形成抑制 薬剤の副作用 脳内の細い血管からの出血リスク上昇 血液の病気による影響 血小板減少や凝固異常による全身的な出血しやすさ 高血圧性出血との違い 血管壁の脆弱化ではなく、血液そのものの止血不全 注意点 定期的な検査と医師の指示遵守による出血リスク管理 抗凝固薬(ワルファリン・DOACなど)や抗血小板薬(アスピリンなど)は、血液の凝固を抑えることで血栓予防に有効です。しかし、これらの薬剤は脳内の細い血管からの出血リスクを高める可能性があります。 また、血友病や白血病などの血液疾患では、血小板減少や凝固機能の異常により全身で出血しやすくなります。これらのケースにおける脳出血は、血管壁の脆弱化ではなく、止血機能の低下によって発症する点が特徴です。服薬中または血液疾患の既往がある方は、定期的な血液検査や診察を受け、医師の指示を厳守することが重要です。 脳梗塞からの出血性転化 項目 詳細 出血性転化とは 脳梗塞で詰まった血管が再び開通した際、損傷した血管や脳組織から血液が漏れ出す状態 原因となる仕組み 血流遮断による血管壁・脳組織の脆弱化と、再開通による血流再流入 リスクを高める要因 広範囲の脳梗塞、高血糖、抗血栓薬の使用 起こりやすい時期 脳梗塞発症後の治療中や経過観察期間 主な影響 脳圧上昇や脳損傷の拡大による症状の急激な悪化 予防・対策の重要性 出血性転化リスクの管理、早期発見と適切な治療 出血性転化とは、脳梗塞で詰まった血管が再び開いた際に、損傷した血管や脳組織から血液が漏れ、脳出血を起こす状態です。脳梗塞では、血流が途絶えた部分の脳細胞が酸素や栄養を失い壊死します。 長時間の血流不足により血管壁や脳組織は脆くなり、治療や自然回復で血流が戻ると出血が発生しやすくなります。梗塞範囲が広い場合や高血糖、抗血栓薬の使用はリスクを高めます。出血が起こると脳の圧迫や損傷が加わり、症状が急激に悪化するため、治療中や経過観察中は早期発見と慎重な管理が欠かせません。 以下の記事では、脳梗塞の症状について詳しく解説しています。 頭部の外傷 項目 詳細 原因 交通事故、転倒、スポーツ中の衝突などによる頭部への強い衝撃 発症の仕組み 脳の内部や周囲の血管損傷による出血 主な種類 脳内出血、硬膜外血腫、硬膜下血腫 症状 意識障害、手足の麻痺、言語障害、激しい頭痛、嘔吐 症状発現の特徴 外傷直後または数時間〜数日後の症状悪化 検査方法 CTやMRIによる画像検査 治療方法 薬物療法、外科的血腫除去術 受診の重要性 頭部を強打した際の早期受診による重症化予防 頭部に強い衝撃が加わると、脳の血管が損傷し、脳内やその周囲で出血(外傷性脳出血)が起こることがあります。主な原因は交通事故、転倒、スポーツ中の衝突などです。出血部位によっては、脳内出血、硬膜外血腫、硬膜下血腫などに分類されます。 血液が脳を圧迫すると、意識障害、手足の麻痺、言語障害、激しい頭痛や嘔吐などの症状が現れます。発症は受傷直後とは限らず、数時間から数日後に出ることもあります。 とくに高齢者や抗凝固薬を服用している方は、軽い衝撃でも出血の危険があるため、頭を打った場合は症状がなくても早急に医療機関で検査を受けることが重要です。治療は血腫の大きさや症状に応じて薬物療法または手術が行われ、早期診断と治療が予後を左右します。 以下の記事では、頭部の外傷で発症する外傷性脳出血について詳しく解説します。 脳出血の治療法 治療法 詳細 保存療法 出血の広がり抑制と状態の安定化。血圧管理や脳圧コントロール 薬物療法 降圧剤による血圧低下。脳浮腫を軽減する薬剤の使用 リハビリテーション 運動機能や言語機能の回復訓練。日常生活動作(ADL)の自立支援 手術療法 血腫除去や圧迫軽減のための開頭手術、内視鏡下血腫除去術 再生医療 脳組織の再生促進を目指す先進治療。臨床応用段階の研究・実施 脳出血の治療は、出血の規模や症状、患者様の全身状態に応じて選択されます。軽症時は安静と血圧管理を行い、必要に応じて薬物で脳浮腫や血圧を調整します。麻痺や言語障害があれば早期にリハビリを開始します。 血腫が大きい場合や脳を強く圧迫している場合は、手術での除去が必要です。また、再生医療は損傷した脳組織の機能回復を目指す新しい選択肢です。ただし、治療法によっては合併症や再出血のリスクもあるため、必ず医師の判断のもと適切な方法を選ぶことが大切です。 保存療法 項目 詳細 血圧管理(降圧療法) 降圧薬による血圧コントロール。収縮期140mmHg未満または平均血圧130mmHg未満の維持 脳浮腫の抑制 浸透圧利尿薬(高張グリセロール・マンニトール)による脳圧の低下維持 全身管理と合併症予防 酸素投与や循環管理による低酸素・低血圧予防。感染対策や深部静脈血栓症予防 栄養・水分補給と休養確保 点滴や経管栄養による栄養・水分補給と十分な安静の確保 (文献2) 保存療法は、脳出血のうち出血量が少なく、脳や神経への圧迫が軽度な場合に選択される治療法です。全身状態が手術に耐えられない患者や高齢者、出血部位が深く手術が困難な症例にも適用されます。治療は安静を保ち、血圧を適切に管理することが基本です。 具体的には収縮期140mmHg未満、または平均血圧130mmHg未満を目標とします。(文献2) 降圧薬により再出血や細小血管への負担を軽減し、脳浮腫がみられる場合は高張グリセロールやマンニトールなどの浸透圧利尿薬を用いて脳圧を低下させます。点滴や経管栄養で水分・栄養を補給し、感染症や深部静脈血栓症の予防も並行して行います。 定期的な画像検査で経過を確認し、出血の自然吸収を促す、侵襲性が低くリスクの少ない治療法として、多くの患者にとって有力な選択肢です。 薬物療法 項目 詳細 血圧の管理 降圧剤(カルシウム拮抗薬・硝酸薬など)による血圧コントロール 止血剤の投与 トラネキサム酸等の止血剤による出血拡大の防止 脳浮腫の抑制 マンニトールや高張グリセロールによる脳内のむくみ軽減 抗凝固薬中和の対応 ワルファリンやDOACの効果を中和する薬剤の投与 合併症の予防 発作や感染症などの予防薬の使用 薬物療法は、脳出血治療において重要な役割を果たします。主な目的は、血圧の適切なコントロールと脳浮腫(脳の腫れ)の軽減です。降圧薬を用いて血圧を安定させることで再出血のリスクを低減し、さらにグリセロール(高張グリセロール液)などの脳圧降下薬で脳圧の上昇を抑えます。 また、けいれん発作の恐れがある場合には、抗てんかん薬を予防的に使用します。薬物療法は、手術が困難な症例や軽症例で有効です。症状の悪化防止と全身状態の安定化に寄与します。加えて、継続的な血圧管理や合併症予防の観点からも欠かせない治療手段です。 リハビリテーション 項目 詳細 理学療法 筋力回復、バランス改善、歩行訓練による身体機能の向上 作業療法 食事、着替え、排泄など日常生活動作の練習による生活自立支援 言語療法 発話・理解能力や嚥下機能の改善訓練によるコミュニケーション能力向上 認知療法 記憶力、注意力など脳の働きの改善訓練 脳出血の回復には、発症後できるだけ早い時期(通常24〜48時間以内)からのリハビリ開始が重要です。早期にリハビリを行うことで、運動機能や日常生活能力(ADL)の回復が促されます。 これは脳の神経可塑性を刺激し、新たな神経回路の再構築を助けるためです。リハビリは寝返りや起き上がり、座位保持などの基礎動作から始まり、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が連携して段階的に進めます。継続訓練により、運動機能、言語機能、嚥下機能を改善し、日常生活の自立と社会復帰を支援します。 手術療法 項目 詳細 手術の目的 血腫除去による脳圧の軽減と脳損傷の予防 有効な理由 脳の圧迫解消による症状の悪化防止 適応となる状況 大量出血、急激な脳圧上昇、小脳出血による脳幹圧迫、一定以上の血腫での意識障害 期待される効果 意識障害や麻痺の進行防止と生命予後の改善 重要性 早期血腫除去による生命救助と回復促進 脳出血の手術療法は、血腫が大きく脳を強く圧迫している場合や、意識障害を伴い生命に危険が及ぶ場合に行われます。目的は、血腫を除去して脳の圧迫を軽減し、脳損傷の進行を防ぐことです。 主な方法には、頭蓋骨を約10cm開けて直接血腫を取り除く開頭血腫除去術、頭蓋骨に約1.5cmの小孔を開けて内視鏡で吸引・除去する内視鏡的血腫除去術、髄液の流れが障害され水頭症を起こした場合に管で体外へ排出する脳室ドレナージがあります。 手術方法の選択は、出血部位や量、全身状態を基に脳神経外科医が慎重に判断します。血腫除去後も、再出血予防のための血圧管理、脳浮腫対策、リハビリテーションなどの継続的治療が不可欠です。 再生医療 再生医療は、脳出血で損傷した脳細胞や血管を幹細胞で修復し、後遺症の改善や再発予防を目指す治療法です。 患者自身の骨髄・脂肪・歯髄から採取した幹細胞を体外で増殖させ、注射などで損傷部位に戻すことで、神経や血管の再生や炎症の抑制が期待されます。これにより、麻痺・言語障害・しびれなどの症状軽減が見込まれます。 リハビリテーションと併用することで効果が高まる可能性があり、早期の開始が望ましいとされていますが、効果には個人差があります。 以下の記事では、再生医療について詳しく解説しています。 脳出血の予防法 予防法 詳細 血圧・生活・嗜好の改善 塩分控えめの食事、適度な運動、禁煙、節度ある飲酒、ストレス管理 慢性疾患・薬剤使用の見直し 高血圧や糖尿病、脂質異常症の適切な管理。医師による薬剤調整や定期検査 若年・再発時の血管精密検査 血管奇形やアミロイド血管症などの精密検査。再発リスクの評価と対策 脳出血の予防には、まず血圧管理を含めた生活習慣の改善が重要です。塩分を控えた食事、適度な運動、禁煙、節度ある飲酒、ストレスの軽減は血管への負担を減らします。高血圧、糖尿病、脂質異常症といった慢性疾患は、医師の指導のもと適切に管理し、薬剤の調整や定期検査を行います。 若年発症や再発例では、血管奇形やアミロイド血管症などを早期に発見するための精密検査を実施し、再発リスクを評価・対策します。こうした予防法を行っても改善が見られない場合や、体調に不安がある場合は、早めに医療機関を受診し、医師の診断と治療を受けることが大切です。 以下の記事では、脳出血の再発率と再発防止につながる行動を詳しく解説しています。 血圧・生活・嗜好の改善 項目 詳細 高血圧管理 定期的な血圧測定と医師の指示に従った治療。薬物療法と生活習慣管理の継続 減塩と食事の見直し 塩分摂取量の制限。バランスの良い食事内容への改善 適度な運動 毎日のウォーキングや週150分以上の有酸素運動の継続 禁煙・節酒 タバコ・過度な飲酒の制限。血管への負担軽 ストレス管理 十分な休養や趣味時間の確保。心身のリフレッシュ 体重管理・糖尿病コントロール 適正体重の維持と糖尿病・生活習慣病の管理 脳出血の最大の原因は高血圧であり、日頃からの血圧管理が不可欠です。塩分を控えたバランスの良い食事や適度な運動を心がけ、喫煙や過度な飲酒は避けましょう。これらの習慣は血管への負担を減らし、脳出血のリスク低下につながります。 規則正しい生活やストレスの軽減も血圧安定に有効です。とくに脳出血の既往がある方は、より厳格な血圧管理(130/80mmHg未満を目安)が推奨されます。継続した血圧管理と生活改善により、再発や新たな発症を防ぎやすくなります。 以下の記事では、高血圧の予防について詳しく解説しています。 慢性疾患・薬剤使用の見直し 脳出血のリスクは、高血圧に加え、糖尿病、脂質異常症、心疾患、腎疾患、血液疾患などの慢性疾患によっても高まります。これらは血管を脆弱にし、発症を招きやすくするため、継続的な管理が不可欠です。 抗凝固薬や抗血小板薬などの一部の治療薬は、管理が不十分だと出血リスクを増やす可能性があるため、定期的な診察や血液検査で病状と薬剤の効果・副作用を確認し、必要に応じて治療を見直すことが重要です。 薬剤の中止や変更は必ず医師・薬剤師と相談し、自己判断は避けましょう。生活習慣の改善と薬剤管理を含む慢性疾患の適切なコントロールが、脳血管の健康維持と脳出血予防につながります。 若年・再発時の血管精密検査 検査名 詳細 MRI/MRA(磁気共鳴画像検査・血管造影検査) 脳の組織や血管の状態確認。血管の狭窄、動脈瘤、血管奇形の有無を評価 頸動脈超音波検査(エコー) 首の動脈の血流測定と動脈硬化の評価。脳への血流状態の確認 血管造影検査(必要に応じて) カテーテルと造影剤による詳細な血管形状の評価。治療計画立案の補助 脳出血は高齢者に多く発症しますが、若年での発症や再発が疑われる場合には、脳動静脈奇形(AVM)や未破裂脳動脈瘤などの血管構造異常が隠れていることがあります。これらを放置すると再出血の危険性が高まるため、早期発見と症状の管理、必要に応じた外科的治療が重要です。 再発時には初回と異なる原因や血管の変化が生じている可能性があり、再評価としての精密検査が有効です。血管の詳細な状態を把握することで、発症リスクを正確に評価し、適切な治療や予防策を講じることができます。若年発症や再発例では、再発予防のため脳血管の精密検査が推奨されます。 脳出血が疑われる方は早急に医療機関を受診しよう 脳出血は時間の経過とともに脳への損傷が広がり、命や生活に深刻な影響を及ぼす危険性が高まります。 片側の手足が急に動かしにくい、言葉が出にくい、視界の一部が欠ける、強い頭の違和感や吐き気がある場合は、症状が軽くても急速に進行する可能性があるため、自己判断せずに迷わず救急要請してください。早期の診断と治療開始が後遺症を減らすために重要です。 脳出血の症状が改善しない、後遺症にお悩みの方は当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、脳出血による後遺症に直接アプローチできる再生医療を、治療の選択肢のひとつとしてご提案しています。 また当院では、現在も後遺症や症状でお困りの方の思いや生活上の不安に耳を傾けながら、状況に合わせた治療計画を一緒に考えてまいります。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 脳出血に関するよくある質問 脳出血の後遺症にはどのような症状があるのでしょうか? 脳出血後には、半身の麻痺や手足のしびれといった運動・感覚障害、言葉が出にくくなる失語や構音障害、記憶力や注意力の低下などの認知機能障害、嚥下障害、視野欠損や視力低下などの視覚障害がみられることがあります。 これらの症状は出血部位や範囲によって異なりますが、多くの場合、急性期から1年後もなんらかの後遺症が出るケースもあります。ただし、適切なリハビリテーションや継続的な医療支援によって、症状が改善する可能性も十分にあります。 以下の記事では、脳出血の後遺症について詳しく解説しています。 脳出血は若い人も発症する病気ですか? 若年層(18〜49歳)でも脳出血は発症する可能性があり、実際にこの年代が脳出血全体の約30%を占めるとの報告があります。(文献3) 日本における45歳未満の年間発症率は、平均で人口10万人あたり52.4人(95%信頼区間:35.7~69.2)とされ、高齢者に比べると頻度は低いものの、若年層でも発症が報告されています。(文献4) 発症の背景には、高血圧や血管異常、外傷、薬剤使用などがあり、とくに血管奇形や遺伝的要因は若年層における重要な原因とされています。 脳出血の入院期間はどのくらいですか? 一般的な入院期間の目安は以下のとおりですが、これはあくまで統計上の平均であり、実際の期間は年齢、症状の程度、合併症の有無、離床の進み具合などによって大きく異なります。厚生労働省の統計では、平均入院期間は77.4日と報告されています。(文献5) 以下の記事では、脳出血の入院期間について詳しく解説しています。 脳出血の退院後の生活は? 脳出血の再発予防には、毎日の血圧測定と降圧薬の適切な服用、減塩・栄養バランスの取れた食事、禁煙、節酒、適度な運動、規則正しい生活によるストレス軽減が重要です。 さらに、定期通院やリハビリを継続し、自宅でも訓練を行いながら症状の変化を医師に報告し、転倒防止のための住環境整備や介助者との連携を行うことで、再発リスクを減らし生活の質を保てます。 以下の記事では、脳出血の退院後の生活について詳しく解説しています。 脳出血の既往歴がありますが頭皮マッサージを受けても大丈夫でしょうか? 脳出血の既往がある方が頭皮マッサージを受ける際は、発症直後の急性期(24〜48時間以内)は再出血の危険が高いため、強い圧迫や刺激を避ける必要があります。 血圧が安定していても過度な力は脳や血管に負担をかけるため、優しい力加減で行うことが重要です。発熱、頭痛、めまいなど体調不良がある場合は施術を控え、施術前には医師に相談してください。 施術中に違和感や不調を感じたら直ちに中止し、医師の許可と適切な力加減のもとで強い刺激は避けましょう。 以下の記事では、頭皮マッサージと脳出血の関係性について詳しく解説しています。 家族が脳出血になってしまったときにできることはありますか? 脳出血からの回復には、ご家族の適切な支援が欠かせません。病気や治療内容、予想される後遺症を正しく理解し、リハビリ、日常生活の介助を行いましょう。精神的な寄り添いや励ましは、患者さんの意欲を高める重要な要素です。 介護保険や各種福祉サービスを活用して負担を軽減し、ご家族自身の健康管理にも配慮が必要です。医療スタッフと情報を共有しながら、患者さんとともに回復への道を歩んでいくことが大切です。 以下の記事では、脳出血後の介護ケアについて詳しく解説しています。 参考文献 (文献1) 脳卒中患者に対する発症後48 時間以内の起立と定義した早期離床導入の効果|J-STAGE (文献2) 脳卒中治療ガイドライン2009|Ⅲ.脳出血 (文献3) Spontaneous Intracerebral Hemorrhage in the Young: An Institutional Registry Analysis|PMC PubMed Central® (文献4) Epidemiology of intracerebral hemorrhage: A systematic review and meta-analysis|frontiers (文献5) 退院患者の平均在院日数等
2025.08.31 -
- 腱板損傷・断裂
- 肩関節
「肩や腕に違和感がある」 「肩に力が入りにくい」 腱板損傷が疑われたとき、対処に迷う方は少なくありません。五十肩との違いがわからず、不安が強まるケースもあります。肩や腕の不調を放置すると症状が悪化する可能性があるため、早期の判断が重要です。腱板損傷の症状や原因を理解すれば、適切な対処方法が見えてきます。 腱板損傷の症状 腱板損傷の原因 腱板損傷の治療法 腱板損傷の予防と再発防止策 記事の最後には、よくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 腱板損傷について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 腱板損傷とは 項目 内容 腱板損傷の症状 肩や腕の動かしにくさや特定角度での違和感、夜間の不快感、力が入りにくいことや筋力低下などが挙げられる 似た症状の病気との違い 五十肩(肩関節周囲炎):関節包の炎症が主な原因で、動かし始めの違和感が強く、時間の経過とともに可動域が制限されます。一方、腱板損傷は腱の損傷により筋力低下が生じる点が特徴です。 変形性肩関節症:軟骨のすり減りによる関節の変形と違和感が原因。画像診断で確認 神経由来の痛み:首の神経圧迫による肩・腕のしびれや痛み。腱板損傷は局所の腱損傷が原因 原因 加齢、肩の使いすぎ、外傷など 診断 肩の動かしにくさや特定の角度での違和感が続く場合は、整形外科への受診が必要 腱板損傷は、肩の筋肉と腱で構成される腱板が傷ついた状態です。腱板は肩関節を安定させ、腕を動かす役割があります。負担や加齢によって腱に傷ができると、肩の動きが制限され、違和感が生じます。 日常生活に支障をきたすこともあるため、適切な診断と治療が必要です。軽度の場合は保存療法が中心で、症状や生活環境によっては手術が検討されます。 以下の記事では、腱板損傷と断裂の違いについて詳しく解説しています。 腱板損傷の症状 症状 詳細 肩や腕を動かしにくい 肩や腕の動作制限、腕を上げる動作が困難になる 特定の動作で違和感が出る 腕を一定の角度に動かした際の引っかかり感や不快感 夜間や安静時に症状が強まる 夜間や休息時の肩の不快感、睡眠障害の可能性 肩の力が入りにくい 筋力低下による物を持つ・支える動作が困難になる 腱板損傷では、肩や腕の動かしにくさ、特定の動作での痛み、夜間痛、筋力低下などの症状がみられます。 これらの症状は、物を持つ、腕の挙上、寝返りを打つといった日常の動作を妨げ、生活の質を低下させます。症状が強く時間が経っても改善しない場合は損傷が進行する恐れがあるため、早期に整形外科を受診することが重要です。 以下の記事では、腱板損傷の筋力や痛み確認方法について詳しく解説しています。 肩や腕を動かしにくい 内容 詳細 力が入らない 腕を横や上に持ち上げようとしても途中で力が抜ける状態 特定の角度で止まる 肩を一定の角度までは上げられるが、それ以上は力が入らず動かない 日常生活での不便 洗濯物を干す、棚の上の物を取る、髪をとかす・結ぶなどの動作が難しい 他人が動かそうとしても動かない 違和感が強く出る場合、自分以外が肩を動かしても固まって動かせないことがある 似た症状との違い 五十肩と違い、急に力が入らなくなることや特定方向だけ動きにくい特徴がある 腱板損傷では、腕を上げる・横に広げる・後ろに回すなどの動作で肩の痛みが生じ、動きが制限されます。 高い所の物を取る、服を着替えるといった日常動作にも支障が出ます。これは損傷した腱が正常に機能せず、肩関節の動きが妨げられるためです。 特定の動作で違和感が出る 腱板は肩関節を安定させ、腕を動かす役割を持つ組織で、動きの方向によって特定の部分が強く働きます。損傷があると、腕を横から90度まで上げる、後ろポケットに手を回す、頭上に物を持ち上げるなどの動作で負担が集中し、引っかかり感、脱力感、疼痛が生じやすくなります。 原因は腱が骨にこすれ、正常に収縮できず関節が不安定になるためです。腱板損傷では、できる動作とできない動作の差が特徴で、五十肩は方向に関係なく全体的に固くなります。また、動作中に「コキッ」という音や引っかかり感、腕を下ろす途中で力が抜けるドロップアームサインがある場合は、腱板の完全断裂が疑われます。 夜間や安静時に症状が強まる 原因 詳細 寝る姿勢と肩の負担 横向きで痛む側を下にすると体重で肩が圧迫され、仰向けでも腕の重みで肩に負担がかかる 筋肉の緊張と血流の悪化 筋肉が緊張して血流が悪くなり、酸素や栄養が届きにくくなるため、違和感が出やすくなる 関節の安定性低下による刺激 腱板損傷で筋肉と腱の連結が弱くなり、安静時でも肩関節内で組織が擦れ刺激を受けやすい 炎症の影響 損傷部位の炎症が夜間に強まり、血流悪化と体の休息中に違和感が増し、目が覚めることがある 肩の痛みは、腱板損傷により夜間や安静時に強まることがあります。寝る姿勢や腕の重みで肩に負担がかかり、筋肉の緊張や血流悪化で炎症が悪化するためです。 安静時でも肩内部で組織が擦れて刺激を受けやすく、痛みで目が覚めることもあります。姿勢の工夫と適切な治療が不可欠です。 肩の力が入りにくい 項目 詳細 腱板の役割と損傷の影響 肩関節の安定と腕を動かす筋腱複合体の損傷による力の伝わりにくさ 筋力低下のメカニズム 腱断裂による筋肉の付着不全と炎症による筋力低下 筋肉の萎縮や硬直 肩の使用減少による筋肉の細化と硬直 安定性低下に伴う不安定感 肩関節の緩みやずれ感による力の入りにくさと違和感・不安感 腱板は、肩関節を安定させながら腕を動かす重要な筋肉群の腱の集合体です。腕を上げる動きにも欠かせず、損傷すると肩に力が入りにくくなります。 とくに重い物を持つ時や腕を伸ばして物を取る時に力が出ず、腕が上がらないことがあります。これは、腱断裂により筋肉が骨にしっかり付着できなくなり、炎症や痛みによって筋力が低下するためです。 また、肩を使わない状態が続くと筋肉が痩せたり硬くなったりし、力が入りにくくなります。関節の安定性も損なわれ、動かす際にぶれやずれを感じることがあります。 腱板損傷の原因 原因 詳細 加齢による腱の変化 加齢に伴う腱の弾力性低下や摩耗による損傷の起こりやすさ 肩の使いすぎや外傷による負担 繰り返しの動作や急な衝撃による腱への過度な負担 生活習慣や体質の影響 姿勢不良や血流不足、体質的な腱の弱さによる損傷の起こりやすさ 腱板損傷は、加齢、肩の使いすぎ、外傷、姿勢不良、血流障害などによって腱が損傷し、肩関節の動きや腕の挙上が制限される状態を指します。 予防には肩への負担を減らしつつ、適度な運動で柔軟性を保つことが大切です。異常を感じたら早めに医療機関を受診してください。 加齢による腱の変化 項目 詳細 腱の柔軟性や強さの低下 腱の弾力や強度の低下、腱の硬化による負担耐性の減少 血流の悪化と修復力低下 血管の細さや閉塞による栄養不足、腱の修復能力の低下 繰り返しの負荷による摩耗 長期間の肩使用による腱の摩耗と変性、断裂リスクの増加 気づかない損傷の進行 進行がゆっくりで自覚症状が遅れることによる突然の症状出現 腱板は肩の動きを支える重要な腱ですが、加齢や長年の使用で弾力や強さが低下し、変性しやすくなります。細胞やコラーゲンの劣化、血流悪化で修復力も落ち、小さな負荷で損傷が進みやすくなります。 この変化は自覚しにくく、突然の痛みや動かしにくさとして現れることが多いため、違和感が出た場合は、早めの受診が大切です。 肩の使いすぎや外傷による負担 肩を繰り返し使いすぎると腱板に小さな損傷が蓄積し、炎症や違和感が生じやすくなります。野球やテニス、バレーボールなどのスポーツや重量物を扱う重労働は、肩の骨と腱が擦れたり衝突したりして損傷する原因のひとつです。 転倒や打撲、重い物を持ち上げた際の急な力でも損傷が起こり、突然の痛みや動かしにくさが現れます。とくに棘上筋は骨の突起の下を通るため摩擦や衝突を受けやすく、損傷しやすい部位です。そのため、肩を日常的に酷使する人は損傷が進行しやすくなります。 生活習慣や体質の影響 原因 詳細 年齢による変性(体質的影響) 加齢に伴う腱の老化と血流低下による修復力の低下、高齢者や大きな断裂のリスク増加 喫煙 ニコチンなどによる腱の細血管損傷と代謝・回復能力の低下 肥満・高BMI 体重増加による肩関節と腱への負担増加、慢性的炎症による腱の劣化促進 姿勢の悪さ 猫背や前かがみによる肩の動きの不均衡と腱への異常圧力・摩擦 運動不足 筋肉や腱の弱化による支持力低下と損傷のリスク増加 家族歴(遺伝的体質) 家族に腱板損傷の経験があることで、同様の体質的弱点の存在 生活習慣性疾患 高血圧や糖尿病による微小血流障害と腱の修復力低下、とくに糖尿病患者の組織老化促進 腱板損傷や腱板不全症候群は、加齢や生活習慣、体質が関与し、とくに65歳以上や広範囲の断裂がある方、喫煙者、糖尿病患者、筋萎縮や脂肪浸潤がある方、術後ケアを守らない方で発症リスクが高くなります。 2008年の研究では断裂の発生率が50~59歳で13%、60~69歳で20%、70~79歳で31%、80歳以上では51%に増加しています。(文献1) 喫煙は腱への血流を悪化させ修復力を低下させ、糖尿病などの生活習慣病も組織の修復を妨げます。遺伝的な体質が腱板の脆弱性に関与する可能性もあります。予防には、禁煙や適正体重の維持、良い姿勢と肩周りの軽い運動、慢性疾患の適切な管理が重要です。 腱板損傷の治療法 治療法 詳細 保存療法(薬物療法・注射・理学療法) 痛み軽減のための薬物使用、炎症抑制のステロイド注射、関節可動域維持の理学療法 リハビリテーション 肩周辺筋肉のストレッチと強化訓練、肩関節の動きの改善、関連部位の調整 手術療法 関節鏡視下手術による腱板断裂の修復、必要に応じた上方関節包再建術や人工肩関節置換 再生医療 神経や筋肉の機能改善を目指す細胞治療や組織修復技術 腱板損傷の治療は、症状や損傷の程度に応じて保存療法、リハビリテーション、手術療法、再生医療が選択されます。保存療法では薬剤や注射で炎症や痛みを抑え、理学療法で肩の可動域を維持します。 リハビリテーションでは筋力や柔軟性を向上させて日常生活での負担を軽減し、損傷が大きい場合や改善が得られない場合には手術を行います。 腱板損傷の治療法として、幹細胞を活用した再生医療も選択肢のひとつです。しかし、取り扱う医療機関が限られているため、事前に問い合わせや診察を受ける必要があります。 以下の記事では、腱板損傷の治療について詳しく解説しています。 保存療法(薬物療法・注射・理学療法) 治療法 詳細 薬物療法 違和感や炎症を和らげる消炎鎮痛剤の使用(飲み薬、湿布)による一時的な違和感の軽減と日常生活の改善 注射療法 超音波エコーで炎症部位を確認しながら行うステロイド注射やハイドロリリースによる炎症抑制と腱の拘縮を軽減 理学療法 理学療法士の指導による筋力強化運動、可動域拡大のストレッチ、温熱療法や電気治療を用いた負担を抑えた治療 注意点 腱の完全再生は困難で小康状態の維持を目指すこと、症状悪化時の医師受診の重要性、日常生活での肩負担軽減の工夫を含む 腱板損傷の保存療法は、手術を行わずに炎症や痛みを抑え、肩の機能維持を目指す治療法です。違和感や炎症を和らげる薬物療法(内服薬や外用薬)、直接炎症部位に注射をする注射療法(ステロイド注射やヒアルロン酸注射など)、そして温熱療法や電気療法を含む理学療法による血行促進や関節可動域の改善が行われます。 腱板が完全に治癒することは難しい場合もありますが、これらの方法で痛みの軽減や肩の動きの改善を目指します。 とくに加齢や軽度・部分断裂、高齢で活動量の少ない方では、保存療法で約75%の方に症状改善が見込まれます。(文献2) 以下の記事では、腱板損傷に対する保存療法について詳しく解説しています。 【関連記事】 肩の腱板損傷にはテーピングが有効!巻き方やリハビリについて専門医が解説 【痛み止め】関節症に使うステロイド注射の効果は?気になる副作用も解説 膝のヒアルロン酸注射が効かないのは失敗が原因?効果を感じないのはなぜ? リハビリテーション リハビリ内容 詳細 段階的な運動療法 初期の軽い可動域訓練・ストレッチによる関節可動域回復、腱板筋群強化、肩甲骨運動によるバランス改善 物理療法の併用 アイシング・温熱療法・超音波治療・電気刺激による痛みと炎症の軽減、血流改善 姿勢や動作の指導 日常生活での正しい肩の使い方や姿勢指導、負担軽減動作の習得 医師による継続的サポート 理学療法士や医師による個別プログラム作成と症状・状態に応じた進行管理 注意点 段階的な負荷設定の重要性、自己判断での継続回避、強い違和感が出た場合の中止と医師への相談 リハビリテーションは、腱板損傷の症状を改善し、肩の動きをスムーズにしながら筋力を強化して関節の安定性を高め、日常生活への支障を減らす重要な治療です。 痛みを軽減し、硬くなった関節の可動域を広げ、肩を支える筋肉を鍛えることで再発や悪化を防ぎます。理学療法士の指導によるストレッチや筋力強化運動で正常な肩の機能を取り戻し、生活の質向上と予防につながります。 以下の記事では、腱板損傷のリハビリや痛みを和らげる方法について詳しく解説しています。 【関連記事】 腱板損傷に効果的なリハビリとは?NG行為や治るまでの期間も解説 肩腱板断裂の痛みを和らげる方法5選!ストレッチや治療方法を現役医師が解説 手術療法 項目 詳細 手術が有効な理由 自然治癒困難な腱を物理的に修復して機能回復を図る効果、科学的根拠に基づく症状改善、早期修復による悪化防止 手術方法 関節鏡視下腱板修復術(ARCR)による小切開での腱板縫合と身体の負担軽減 手術の流れと適応 急性完全断裂や大きな損傷、保存療法無効例、生活や仕事への支障例での早期手術検討 効果 術後2〜10年間での肩の動きと機能回復の持続、従来法より優れた長期成績 注意点 感染症・神経障害・再断裂リスク、術前術後管理の重要性 (文献3) 損傷した腱は自然治癒が難しいため、手術で物理的に修復することで肩の違和感や動きの改善が期待できます。また、放置すれば損傷が拡大し、関節機能の低下や将来的な関節炎につながります。したがって、早期修復は進行防止に有効です。 現在主流の関節鏡視下腱板修復術は、小切開で腱を骨に縫合する低侵襲手術であり、術後の回復や合併症リスクの軽減が見込まれます。ただし、手術には感染、神経損傷、再断裂などのリスクがあります。とくに高齢者や大きな断裂、脂肪浸潤がある場合は再断裂のリスクが高く、術後リハビリの質が治療結果を左右するため適切な管理が必要です。 以下の記事では、肩腱板断裂の手術と入院期間について詳しく解説しています。 再生医療 再生医療は、患者様自身の脂肪組織や血液から採取した幹細胞や血液成分を用い、損傷した腱板の修復や再生を目指す治療法です。手術を伴わないため身体への負担が少ないのが特徴です。 幹細胞の働きによって、従来の薬物療法やリハビリでは改善が難しい損傷にも根本的な回復が期待できます。細胞は培養後に損傷部位へ注射で投与され、治療後も通常の生活を送りやすいのが利点です。 以下の記事では、再生医療について詳しく解説しています。 腱板損傷の予防と再発防止策 予防と再発防止策 詳細 生活習慣の見直しで肩への負担を減らす 重い物の持ち上げを控える、無理な動作の回避、禁煙による血流改善、健康的な体重維持 運動とストレッチで肩の柔軟性を維持する 肩周りの筋力強化運動、肩甲骨の動きを良くするストレッチ、適切なウォームアップとクールダウン 定期的な検診で早期発見につなげる 医師による状態評価、リハビリ進行の確認、違和感や痛みの早期相談による再発予防 腱板損傷を防ぐには、日常生活や運動習慣の見直しが重要です。重い物を避け、無理な動作を控え、禁煙と適正体重の維持によって肩の負担を軽減し、血流を改善します。 肩周囲の筋力強化や肩甲骨のストレッチ、適切なウォームアップとクールダウンで柔軟性を保つことも大切です。また、定期的な診察で状態を確認し、違和感があれば早めに医師に相談することで再発を防げます。 生活習慣の見直しで肩への負担を減らす 理由 詳細 肩への過度な負担の軽減 繰り返しの動作や重い荷物、長時間同じ姿勢による腱への負担減少、腱の疲労や損傷予防 筋肉や腱の老化・劣化の遅延 適度な運動やストレッチによる筋肉の柔軟性維持、血流改善による腱の健康促進と損傷リスクの軽減 肩の安定性と動きのサポート 無理な動作の回避や正しい荷物の持ち方による関節負担の軽減とケガ予防 炎症や疲労の蓄積防止 休息・睡眠の確保、ストレス管理による炎症悪化防止と肩の健康維持 具体的な生活習慣の見直し例 休憩の確保、体全体を使った荷物の持ち方、姿勢改善、適度な運動とストレッチによる肩周辺筋力と柔軟性の維持 生活習慣の見直しは腱板損傷の予防と再発防止に効果的です。繰り返し動作や重い荷物の持ち運び、長時間同じ姿勢など肩に負担をかける行動を減らすことで、腱の疲労や損傷を防げます。 適度な運動やストレッチ、正しい姿勢は筋肉の柔軟性と血流を保ち、腱の老化や劣化を遅らせます。肩の使い方を工夫し、重い物は両手で持つ、長時間同じ姿勢を避ける、作業中は休憩を取る、睡眠時の枕や姿勢に配慮することが大切です。 運動とストレッチで肩の柔軟性を維持する 予防ポイント 詳細 肩の柔軟性維持 肩の筋肉や腱の硬さや動きの悪さを防ぎ、不自然な負担を軽減し腱の損傷リスクを抑制 筋力強化による関節安定性向上 肩周囲の筋肉を適度に鍛え、肩関節を安定させ腱板への負担を分散、損傷予防に寄与 血流改善による組織回復促進 運動やストレッチで肩周辺の血行促進、栄養と酸素供給を増やし腱や筋肉の修復と疲労回復を支援 こわばり予防と動作負担軽減 肩のこわばりや硬さを防ぎ、動かしやすくすることで動作時の負担を減らし腱板の保護を図る 運動時の注意点 無理のない範囲での定期的なストレッチ、痛みがある場合は中止し専門家相談、軽い筋力トレーニング推奨 肩の柔軟性維持は腱板損傷の予防に有効で、筋力強化は関節を安定させ負担を分散します。運動やストレッチは血流を促し修復を助け、こわばり予防で腱板を守ります。 違和感がある場合は無理をせず医師の指導を受けることが大切です。 定期的な検診で早期発見につなげる ポイント 詳細 軽い損傷や初期変化の発見 問診・動作チェック・エコー・MRIによる自覚症状が軽い段階での異常発見 早期発見による治療効果 保存療法や生活習慣の見直しで状態安定、悪化防止と手術回避の可能性向上 再発・悪化リスクの管理 継続的な肩の状態確認と再発防止のための指導 状態把握によるセルフケア 日常生活での肩の使い方指導により無理な動作を避けやすく、良好な状態維持支援 肩に違和感が出た場合、放置せず早めに整形外科を受診しましょう。早期診断と適切な治療・ケアで症状の悪化や重症化を防げます。 とくにスポーツや肉体労働で肩を酷使する方は、症状がなくても定期検診で小さな異変を早期発見し、予防対策を講じることが大切です。 以下の記事では、MRI検査について詳しく解説しています。 腱板損傷でお悩みなら当院へご相談ください 腱板損傷は、日常生活に支障をきたします。腱板損傷を改善するには原因の特定と正しい治療の継続が不可欠です。 腱板損傷の症状が改善しない、強い違和感にお悩みの方は当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、腱板損傷の症状に直接アプローチする再生医療を、治療の選択肢のひとつとして提案しています。 再生医療は、薬物や手術を用いず、幹細胞を投与することで損傷した腱板を再生させる可能性がある治療法として、近年注目されています。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 腱板損傷に関するよくある質問 腱板損傷でやってはいけないことはありますか? 腱板断裂の悪化や再断裂を防ぐためには、肩への負担を避けて安静を保つことが重要です。 具体的には、重い物を持ち上げる動作(とくに頭上や水平位置)、無理に遠くや高所へ手を伸ばす動作、腕を強くひねる動作、急な動きや肩を大きく後ろに回す動作を控えましょう。症状や治療経過に応じて、医師の指示に従いましょう。 以下の記事では、腱板断裂の際にやってはいけないことを詳しく解説しています。 腱板損傷(断裂)は自然治癒で治りますか? 腱板断裂は程度によりますが、自然治癒は一般的に期待できません。完全断裂や広範囲断裂では自然には治らず、放置すると症状が悪化することがあります。 そのため、多くの場合は手術などによる治療が必要です。症状が改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。 以下の記事では、腱板断裂の自然治癒について詳しく解説しています。 片桐作成KW(腱板損傷 自然治癒) 腱板損傷(断裂)を放置するとどうなりますか? 腱板断裂は自然に治癒せず、放置すると断裂が広がります。筋肉は萎縮して脂肪に置き換わり、修復が困難になります。 腱板の機能が失われると肩関節が変形し、違和感や動作制限、筋力低下で腕が挙がらなくなり、進行すると睡眠や服の着脱など日常生活にも支障が出るため、早期診断と適切な治療が重要です。 以下の記事では、腱板損傷を放置するリスクを詳しく解説しています。 腱板損傷を発症したスポーツ選手や有名人はいますか? 腱板損傷や断裂を経験したのは以下の日本人スポーツ選手です。 山本由伸(プロ野球・ドジャース) 由規(元ヤクルト) 浅尾拓也(元中日) 斉藤和巳(元ソフトバンク) 福田秀平(元ソフトバンク/ロッテ) 腱板損傷はプロスポーツ選手にも発症し、競技パフォーマンスや選手生命に大きな影響を与えることがあります。 以下の記事では、山本由伸選手が発症した腱板損傷について詳しく解説しています。 参考文献 (文献1) Rotator cuff tear|WIKIPWDIA (文献2) What happens to patients when we do not repair their cuff tears? Five-year rotator cuff quality-of-life index outcomes following nonoperative treatment of patients with full-thickness rotator cuff tears|PubMed (文献3) At a 10-Year Follow-up, Tendon Repair Is Superior to Physiotherapy in the Treatment of Small and Medium-Sized Rotator Cuff Tears|PubMed
2025.08.31 -
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「突然、手足がしびれる、言葉が出にくい」 「最近、意識がもうろうとすることがある」 「もしかして脳梗塞かも」と不安を感じたことはありませんか。高血圧や糖尿病を抱え、脳梗塞のリスクを心配している方も多いでしょう。脳梗塞は年齢や性別に関係なく、誰にでも起こり得ます。 本記事では、現役医師が脳梗塞について詳しく解説します。 脳梗塞の種類 脳梗塞の一般的な症状 脳梗塞の初期症状 脳梗塞の原因 脳梗塞の治療法 脳梗塞の予防法 脳梗塞は、正しい知識を持ち早期発見に努めることが重要です。記事の最後には、脳梗塞に関するよくある質問をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 脳梗塞について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 脳梗塞とは 項目 内容 血管の詰まり 脳の血管内に血栓ができ、血流が止まる状態 酸素・栄養の不足 血液が届かず、脳細胞が酸素と栄養不足に陥る 脳細胞の壊死 酸素不足により神経細胞が死滅し、機能障害が生じる 後遺症の可能性 麻痺・言語障害・意識障害など、回復が難しい症状の発生 発症頻度・影響 年間約50万人が発症、寝たきり原因の約3割を占める重大な病気 (文献1) 脳梗塞とは、脳の血管に血栓ができて血流が止まり、酸素や栄養が届かなくなる病気です。脳細胞が壊死し、手足の麻痺や言葉の障害、意識低下などの神経障害が引き起こされます。 症状は突然現れ、進行も速いため、早期の発見と治療が非常に重要です。日本では毎年約50万人が新たに発症し、寝たきり状態の原因の約3割、年間医療費の1割を占める深刻な疾患です。(文献1) 種類や原因によって症状や治療は異なります。脳梗塞の早期発見・治療には、正しい理解が不可欠です。異変を感じたら早めに医療機関を受診することで、後遺症の軽減および生活の質の維持に寄与します。 以下の記事では、脳梗塞のサインや後遺症について詳しく解説しています。 【関連記事】 こめかみの痛みは脳梗塞のサイン?頭痛の原因や受診すべき目安を医師が解説 目の奥が痛いのは脳梗塞の前兆?目の病気との見分け方や対処法を解説【医師監修】 脳梗塞になりやすい人の特徴は?前兆や後遺症も解説 脳梗塞の種類 種類 原因 特徴 BAD(脳梗塞) 太い血管にできたプラークが、小血管の入口をふさぐことで生じるタイプ 数時間以内の症状進行。TIA(一過性脳虚血発作)の前兆の反復。進行性麻痺の出現 ラクナ脳梗塞 細い脳血管が高血圧で詰まる。小さな梗塞が深部にできる 軽症のしびれや手足が動かしにくくなる。ときに無症状(無症候性脳梗塞)で進行することもある アテローム血栓性脳梗塞 太い血管の動脈硬化で狭くなり血栓ができる。高血圧・糖尿病など関係 徐々に症状が進行。前触れ症状が出ることもある 心原性脳梗塞 心房細動などで心臓内血栓が脳へ流れて詰まる 突然の激しい症状。意識障害や半身麻痺が多い 小脳梗塞 小脳の血流が遮断される めまい、吐き気、バランス障害など 脳梗塞は、血管の詰まり方や原因によっていくつかのタイプに分類されます。 種類は「BAD」「ラクナ脳梗塞」「アテローム血栓性脳梗塞」「心原性脳梗塞」「小脳梗塞」があり、それぞれのタイプによって症状や治療法、再発のリスクも異なるため、正確な診断と対処が求められます。 BAD(脳梗塞) 項目 内容 原因 太い動脈(中大脳動脈や脳底動脈)近くの小さな枝(穿通枝)の起始部にアテローム性プラークができる。高血圧・糖尿病・脂質異常症が関係。細い動脈自体ではなくそのすぐ近くに病変がある 症状の特徴 症状が徐々に悪化する傾向。発症後数時間以内に手足の麻痺や構音障害が進むことが多い 特徴的な現象 微細なTIA(一過性脳虚血発作)が繰り返される症状が起こることがある 梗塞巣の大きさ ラクナ脳梗塞より大きく(15mm以上)広がりやすい傾向がある BAD(Branch Atheromatous Disease)は、主に中大脳動脈や脳底動脈の分岐部にできたアテローム性プラークが、穿通枝の起始部を閉塞することで発症する脳梗塞です。 このため、細小動脈そのものの病変によるラクナ脳梗塞とは病態が異なります。梗塞病巣は直径15mmを超えることが多く、画像上では通常の穿通枝梗塞よりも広範囲に広がりやすい傾向があります。 症状の特徴は、発症後数時間以内に局所麻痺や構音障害が徐々に悪化する進行性経過をたどることです。脳梗塞に進行することがあります。BADの発症には、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が関与しています。 以下の記事では、BADについて詳しく解説しています。 ラクナ脳梗塞 項目 内容 原因 脳の奥にある細い血管(穿通枝)が高血圧などで閉塞 梗塞の大きさ 小さく、直径1.5cm以下の深部にできる梗塞 症状 軽い手足のしびれや麻痺。無症状(無症候性脳梗塞)もある 予防 血圧管理が重要で、再発リスクが高い 注意点 軽度のため発見されにくいが、放置すると重篤な脳梗塞につながる ラクナ脳梗塞とは、脳の奥にある細い血管が詰まって起こる小さな脳梗塞です。主な原因は高血圧で、脳の深部に直径1.5cm以下の梗塞ができることが特徴です。 症状は軽く、手足のしびれや軽い麻痺などが中心で、無症状のまま気づかれないこともあります。そのため無症候性脳梗塞とも呼ばれており、再発率が高いのが特徴です。 放置すると重い脳梗塞につながります。重篤化する前に早期発見と血圧管理、生活習慣の見直しが重要です。 以下の記事では、ラクナ脳梗塞について詳しく解説しています。 アテローム血栓性脳梗塞 項目 内容 原因 脳の太い血管(中大脳動脈など)が動脈硬化で狭窄。狭くなった部分に血栓(かたまり)が形成。高血圧・糖尿病・脂質異常症が関係 症状の特徴 症状が徐々に進行するケースが多い。手足の動きづらさや言語障害が代表的。発症前に軽い違和感や前兆が現れることも 進行の速度 比較的ゆっくり進行し、数日かけて症状が悪化しやすい 予防と管理 生活習慣の見直しによる動脈硬化の予防、定期的な血圧や血糖値の管理が重要 アテローム血栓性脳梗塞は、脳の太い動脈が動脈硬化で狭くなり、その部分に血栓ができて血管が詰まることで発生します。主な原因は高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病であり、これらの管理が予防の基本となります。 症状は突然ではなく、数日かけて徐々に手足の動かしにくさや言葉が出にくくなるなどの言語障害が進行することが多いのが特徴です。 発症前に軽い違和感や前兆が現れることもあるため、異変を感じた際には早急に医療機関への受診が重要です。適切な治療と生活習慣の改善によって動脈硬化の進行を抑え、再発を予防することが不可欠です。 以下の記事では、アテローム血栓性脳梗塞の後遺症について詳しく解説しています。 心原性脳梗塞 項目 内容 原因 心房細動などの心臓の不整脈による心臓内の血栓が脳まで流れ詰まる 詰まる血管 脳の太い血管が突然詰まる 症状の特徴 激しい頭痛、意識障害、半身麻痺、言語障害などが急激に現れる 重症度 重症化しやすく、迅速な救急対応が必要 注意点 心疾患を持つ方は脳梗塞リスクが高く、日頃から注意が必要 心原性脳梗塞は、心房細動などの不整脈で心臓内にできた血栓が血流に乗り、脳の太い血管を塞ぐことで発症します。突然、激しい頭痛や意識障害、片側の麻痺、言語障害などの重症症状が現れ、急速に進行するのが特徴です。 症状に気づいた場合は、迷わず救急車を呼び、一刻も早く治療を受ける必要があります。心臓に病気を抱えている方は、血栓ができないように抗凝固薬を服用し、定期的に心臓の状態を管理するのが重要です。日常生活での自己管理と医療機関との連携が、脳梗塞の予防と命を守るために不可欠です。 以下の記事では、心原性脳梗塞の症状について詳しく解説しています。 小脳梗塞 項目 内容 原因 小脳の血流が途絶えること 主な症状 ふらつき、めまい、バランス障害 その他の症状 手足の震え、歩行の不安定さ、吐き気 注意点 症状が脳梗塞と気づきにくいことが多い。脳幹に近く、放置すると命に関わる場合がある 受診のタイミング 急なふらつきや歩行障害が現れたら速やかな受診が必要 小脳梗塞は、バランスや運動の調整を担う小脳への血流が止まることで起こる脳梗塞の一種です。主な症状には、突然のふらつき、めまい、手足の震え、歩行の不安定さなどがあります。これらの症状は、脳梗塞と気づかれにくいことがあるため注意が必要です。 とくに、小脳は脳幹に近いため、放置すると命にかかわる危険性があります。症状が軽く見えても、急に悪化するおそれがあるため、急なバランスの乱れや歩行障害が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。早期に診断と治療を行うことで、重い合併症を防ぐことが期待できます。 以下の記事では、小脳梗塞で起こりうる後遺症について詳しく解説しています。 脳梗塞の一般的な症状 脳梗塞の一般的な症状 詳細 片側の麻痺・しびれ(顔・手足) 脳の片側血流障害による反対側の顔や手足の動きにくさ、感覚障害、部分的または全身的な麻痺 言語障害(ろれつが回らない・言葉が出にくい) 発語困難、発音の不明瞭さ、言葉を選ぶのが困難な状態、口や舌の動きの制限 視覚・平衡感覚の異常(視野・視力・めまい・バランス障害) 視野欠損、視力低下、めまい、ふらつき、平衡感覚の乱れによる歩行不安定や転倒の危険性 意識障害・混乱・突然の激しい頭痛 意識の鈍麻や消失、思考混乱、急激な強い頭痛、脳機能の急激な低下、緊急対応を要する状態 脳梗塞は脳の血流が突然止まることで起こり、その影響で手足の片側に麻痺やしびれ、言葉が出にくくなる言語障害、視野や視力の異常、めまいやバランスの乱れなどの症状が現れます。これらの症状は脳のどの部分に障害が起きたかによって異なります。とくに早朝や起床直後に起こることが多いのが特徴です。 症状に気づくのが遅れると後遺症のリスクが高まるため、少しでもおかしいと感じた場合は迷わず速やかに医療機関を受診しましょう。早期の対応が命を守り、後遺症を減らすことにつながります。 片側の麻痺・しびれ(顔・手足) 脳梗塞の初期症状としてよく見られるのが、顔や腕など身体の片側に起こる麻痺です。麻痺は脳の血流が悪くなり、運動機能をつかさどる神経の働きが妨げられるために起こります。 顔の場合、大脳から顔の筋肉を動かす神経への伝達がうまくいかなくなり、口角が下がる、目が閉じにくいといった左右差が表れます。 腕の麻痺は、脳の運動野の損傷によって起こり、脳の片側が障害されると反対側の手足に症状が現れるのが特徴です。これらは脳梗塞のサインとして非常に重要で、少しの変化でも見逃さないことが大切です。 以下の記事では、手足のしびれとして現れるアッヘンバッハ症候群と脳梗塞の関係性について詳しく解説しています。 言語障害(ろれつが回らない・言葉が出にくい) 項目 内容 脳の言語中枢の障害 脳の左側大脳半球にある「ブローカ野」(言葉を作る)と「ウェルニッケ野」(言葉を理解・選ぶ)への血流不足や細胞損傷 ブローカ失語 話の理解は可能だが、言葉が出にくく短くぎこちない話し方になる ウェルニッケ失語 流暢に話すが言葉のつながりが悪く意味不明、時に自分の異変に気づかない 構音障害 脳幹や神経線維路の障害により舌や口の筋肉の動きが鈍り、「ぱ・た・か」が言いにくい、かすれ声や鼻声などになる アノミア 言葉を思い出せず探す時間がかかる状態で、軽度から重度まで幅広い言語困難 言語障害は、脳梗塞によって脳の言語機能を司る部分が障害されることで起こります。とくに左脳のブローカ野やウェルニッケ野が損傷を受けると、言葉を作ったり理解したりする力に支障ができるのが特徴です。 ブローカ失語では言葉が出にくくぎこちない話し方になり、ウェルニッケ失語では流暢に話せても内容が伝わりにくくなります。構音障害は、話すための筋肉の動きがうまくいかなくなり「ぱ・た・か」が言いづらくなったり、かすれ声や鼻声が出る状態です。 言いたい言葉が思い出せず、言葉を探すのに時間がかかるアノミアも見られます。これらの症状は突然現れることが多く、早期の治療とリハビリが重要です。 視覚・平衡感覚の異常(視野・視力・めまい・バランス障害) 日常で気づきやすいサイン 内容 片方の視野が見えにくくなる・ぼやける・二重に見える 突然の視野の欠損や視覚障害。脳の視覚中枢の異常の可能性 ぐるぐる回るめまい・ふわふわ感覚・バランス崩し 回転性めまいやふらつき。脳の平衡感覚を司る部分の障害のサイン 立っているだけでのふらつきや倒れそうな感覚 バランス調整障害による重度の不安定さ。転倒や事故のリスク上昇 早期受診の重要性 これらの症状があれば、迅速に医療機関に相談・受診が不可欠 脳梗塞は、脳の一部に血液が届かなくなることで発症します。視覚をつかさどる後頭葉や視覚野、視神経が障害されると、片側の視野が欠けたり、視界がぼやける、ものが二重に見えたりする症状が現れます。 小脳や脳幹が障害されると、めまいやふらつき、立てなくなることがあり、転倒のリスクが高い状態です。小脳は姿勢や歩行、脳幹は眼球や頭の位置の調整に関わっています。視覚と平衡感覚は連携して働いており、脳梗塞によって情報の統合がうまくいかなくなると、バランスが崩れやすくなります。 「突然片方の視野が見えにくくなる」「視界がぼやける・二重に見える」「めまいやふわふわした感覚」「立っているだけでもふらつく」などの症状がある場合は、医療機関を受診しましょう。 意識障害・混乱・突然の激しい頭痛 項目 内容 意識障害・混乱の原因 脳の特定部分への血流不足による酸素・栄養不足。意識や思考を司る部分の機能低下による反応の鈍化や混乱状態 意識障害の重篤さ 10秒以上の血流停止で意識消失の可能性。脳全体の機能低下による重篤な状態 突然の激しい頭痛の原因 血管破裂や血液漏出による頭蓋内圧の急上昇。雷鳴頭痛(サンダークラップ頭痛)と呼ばれる瞬間的な強烈な違和感 症状が突然起こる理由 血管の閉塞や破裂という急激な出来事が一瞬で発生するため。予兆なしに症状が始まる特徴 緊急対応の重要性 脳細胞は酸素をすぐに必要とし、放置で脳細胞の死滅と後遺症リスクが増加。即時の救急医療搬送が必要 (文献2) 意識障害や混乱は、脳の特定部位に血液が届かなくなり、酸素や栄養が不足することで起こります。とくに意識や思考を司る領域が影響を受けると、反応が鈍くなったり、ぼんやりしたりする混乱状態になることがあります。 血流が一時的に止まり10秒以上続くと意識を失うこともあり、これは脳全体の機能が急激に低下するためです。(文献2) 突然の激しい頭痛は、脳の血管が破れて血液が漏れ出し、頭蓋内の圧力が急上昇することで生じ、雷鳴頭痛と呼ばれる非常に強い違和感として現れます。 これらの症状が突然起こるのは、血管の詰まりや破裂が急に発生するためであり、予兆なく始まるのが特徴です。脳は常に酸素を必要とするため、症状が現れたら直ちに医療機関を受診しましょう。 脳梗塞の初期症状(早期のサインに注意) 脳梗塞の初期症状 詳細 表情・上肢の麻痺 顔の片側の動きにくさや歪み、片方の腕や手の力が入らない状態 言語サイン ろれつが回らない、言葉がスムーズに出ない、話しにくさや発音の異常 覚醒・自律系の前兆サイン(目・平衡・あくび・耳鳴り・いびき) 目のかすみや視野異常、めまいやバランスの乱れ、頻繁なあくび、耳鳴り、いびきの変化などの自律神経や覚醒状態の乱れ 脳梗塞は一刻を争う疾患であり、発症から治療までの時間が短いほど、後遺症を軽減できる可能性が高くなります。初期症状を見逃さず、迅速に対応することが重要です。 顔のゆがみ、腕の脱力、言葉のもつれは脳梗塞を疑う代表的なサインです。さらに、脳の深部や後方が障害されると、視覚や平衡感覚、自律神経にも異常が現れることがあります。視野のかすみ、めまい、ふらつき、頻繁なあくび、耳鳴り、大きないびきの変化なども注意が必要な前兆です。 以下の記事では、脳梗塞の危険なサインを詳しく解説しています。 表情・上肢の麻痺 脳梗塞の初期症状として、表情や上肢の麻痺が現れるのは、脳の血流不足により運動機能をつかさどる神経が障害されるためです。顔の表情筋は大脳皮質から顔面神経核を経て動かされますが、この経路が遮断されると、顔の片側に麻痺が生じ、笑顔が左右非対称になったり口角が上がらないなどの変化が見られます。 また、脳の運動野の損傷により、反対側の腕や手に力が入らなくなる上肢麻痺も起こります。これらの症状は脳梗塞の代表的なサインであり、顔と腕の麻痺が同時に見られた場合はとくに注意が必要です。本人が異変に気づかないこともあるため、周囲が早期に異変を察知し、受診を促すことが重要です。 言語サイン 項目 内容 言語機能を担う部位 脳のブローカ野(言葉を作る場所)とウェルニッケ野(言葉を理解する場所) 失語症 言葉の理解や表現が難しくなる状態 構音障害 発声器官の動きが悪くなり、言葉がはっきり話せなくなる状態 発症の特徴 血流不足で言語を司る部分が急に働かなくなり、言葉が出にくくなったりろれつが回らなくなる 重要性 急に起こるため初期サインとして早期発見・治療が脳の回復に重要。本人や周囲が気づきやすく、脳梗塞の疑いを持つ大切なサイン 「話しかけても返事が変」「言葉がはっきりしない」「言っていることが理解できない」といった言語の異常は、脳梗塞の典型的なサインです。とくに左脳に障害が起きた場合、言葉を話す・理解する力に影響が出ます。 「名前が出てこない」「簡単な文章が言えない」など、わずかな違和感でも見逃さないことが大切です。ろれつが回らないときは、無理をせずに医療機関を受診しましょう。 覚醒・自律系の前兆サイン(目・平衡・あくび・耳鳴り・いびき) 覚醒・自律系の前兆サイン 内容 目・視野の異常 後頭葉・視覚路の血流不足による視野の一部欠損(半盲)や物が二重に見える(複視)状態 平衡感覚の異常 小脳や脳幹の循環障害による立ち上がり時のめまい・ふらつき、歩行困難や転倒の危険性 耳鳴り・聴覚異常 延髄や聴橋の血流不足で起こる突発性のザー音の耳鳴りや耳詰まり、時に片側の難聴。めまいやふらつきと併発しやすい 頻回・異常なあくび 脳の血流不足による自律神経の乱れで突然起こる異常なあくび 急に始まったいびき・睡眠呼吸の変化 延髄や橋の虚血で気道を開く筋肉が一時的に働かず呼吸が不安定に。初めてのいびきや呼吸音の変化は脳卒中の前兆の可能性 脳梗塞の前兆として、覚醒や自律神経に関わるさまざまな症状が現れることがあります。視野の一部が見えにくい(半盲)や物が二重に見える(複視)は、後頭葉の血流不足によるものです。ふらつきや歩行困難は小脳や脳幹の障害によって起こり、突然の耳鳴りや耳の詰まり感にも注意が必要です。 また、頻繁なあくびや急に始まったいびきも脳の異常を示す場合があります。これらの症状は脳梗塞の可能性があるため、すぐに医療機関を受診する必要があります。 以下の記事では、脳梗塞の前兆を詳しく解説しています。 【関連記事】 目の奥が痛いのは脳梗塞の前兆?目の病気との見分け方や対処法を解説【医師監修】 耳鳴りは脳梗塞の前兆?耳鳴りを伴う脳や耳の病気も解説 生あくびは脳梗塞の前兆?病的な生あくびであるかの見分け方も解説 脳梗塞といびきは関係がある!危険ないびきの見分け方 脳梗塞の原因 原因 詳細 生活習慣病・動脈硬化(高血圧・糖尿病・脂質異常症) 高血圧による血管への強い圧力、糖尿病による血管の傷害、脂質異常症による動脈硬化の進行。これらが血管を狭くし脳梗塞のリスク増加 心房細動などの心疾患(心臓由来の血栓) 心房細動などの不整脈で心臓内に血栓ができ、それが脳に飛んで大きな血管を詰まらせる。突然の重症発症の原因 血液・血管の固有要因(加齢・もやもや病・脱水など) 加齢による血管の劣化やもやもや病による血流障害、脱水による血液の粘度上昇などが血管詰まりの要因となる 生活習慣・環境因子(喫煙・過度飲酒・ストレス・脱水) 喫煙による血管収縮や動脈硬化促進、過度の飲酒による血圧上昇、ストレスによる血管への悪影響、脱水による血液粘度増加が脳梗塞リスクを高める 脳梗塞は、動脈硬化や心臓病などで血管が詰まって起こります。高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病が血管を狭くし血栓ができやすくなるのが特徴です。 心房細動など心臓の不整脈も血のかたまりを作りやすく、脳の血管を塞ぐことがあります。また、加齢や脱水で血液が濃くなったり血管が弱ったりすることも要因です。喫煙や飲酒、ストレスなどの生活習慣もリスクを高めるため、生活の見直しが予防につながります。 生活習慣病・動脈硬化(高血圧・糖尿病・脂質異常症) 項目 内容 生活習慣病とは 食事・運動・喫煙・飲酒などの習慣が原因で起こる病気。高血圧・糖尿病・脂質異常症などを含む 動脈硬化との関係 生活習慣病の進行で血管壁に脂肪やコレステロールがたまり血管が硬く狭くなる状態 脳梗塞とのつながり 動脈硬化による血管の狭窄や血栓形成が脳血流を妨げ、脳梗塞の主な原因となる 高血圧の危険因子 血管に強い負担がかかり動脈硬化を進める要因 糖尿病の危険因子 血管内皮の傷害促進による血栓形成のしやすさ 脂質異常症の危険因子 悪玉コレステロール(LDL)の増加による血管壁への脂肪沈着と動脈硬化の促進 対策の重要性 塩分控えめの食事、適度な運動、禁煙など生活習慣の改善による動脈硬化進行抑制と脳梗塞リスク軽減 高血圧、糖尿病、脂質異常症は、血管に負担をかけて動脈硬化を進める病気です。血管が狭くなると血流が悪くなり、血栓ができやすくなります。これが脳の血管で起こると脳梗塞につながります。 脳梗塞を防ぐには、血圧・血糖・コレステロールをしっかり管理し、薬や食事療法を継続することが大切です。 以下の記事では、生活習慣病について詳しく解説しています。 【関連記事】 糖尿病の初期症状とは?合併症の特徴やセルフチェックリストを紹介 【なぜ治らない?】糖尿病が完治しない理由やなってしまったらどうするべきか医師が解説 心房細動などの心疾患(心臓由来の血栓) 心房細動とは、心臓の上部にある心房が電気信号の乱れで細かく震え、不規則かつ速く動く不整脈です。そのため心房が十分に収縮できず、血液の流れが悪くなります。とくに心房の左心耳部分に血液がたまりやすくなり、よどみができて血液が固まり血栓が形成されやすくなります。 できた血栓は心臓から血流に乗って脳へ運ばれ、脳の太い血管を詰まらせることで酸素や栄養の供給が遮断され、脳梗塞を引き起こします。この現象を心原性脳梗塞と呼び、範囲が広く重症化しやすい特徴があります。 心房細動による血栓は比較的大きく、脳の重要な血管を塞ぎやすいため、命に関わる重篤な状態になりやすく、後遺症のリスクも高い状態です。自覚症状がない無症候性の場合でも脳梗塞の危険があり、症状の有無に関わらず予防治療が非常に重要となります。抗凝固薬の服用や定期的な心電図検査による管理が推奨されます。 以下の記事では、心房細動になりやすい人の特徴を詳しく解説しています。 血液・血管の固有要因(加齢・もやもや病・脱水など) 原因 内容 とくに注意が必要な点 加齢 細い血管がもろくなり、詰まりやすくなる 高齢者では血管の弾力低下により、リスク増加 遺伝的要因(もやもや病など) 脳の血管が狭くなり、異常な細い血管ができる 若年層でも発症しやすく、出血や血流不足を起こしやすい 脱水・血液の濃さ 脱水や赤血球の増加で血液がドロドロになる 暑さや下痢・嘔吐時にリスク上昇、小さな血管が詰まりやすくなる 加齢に伴い、血管は徐々に弾力を失い、狭くなり詰まりやすくなります。こうした変化は、脳梗塞のリスクを高める大きな要因のひとつです。 また、先天的な血管異常であるもやもや病にも注意が必要です。脳の血流が不安定になり、わずかな刺激で脳梗塞を起こすことがあります。若年層にも発症し、進行すると重い症状を引き起こすことがあります。 加えて、脱水も見過ごせないリスクです。とくに夏場の水分不足や、下痢・嘔吐が続くと、血液が濃くなり、血流が滞りやすくなります。これが小さな血管の閉塞を招き、脳梗塞につながることがあります。 血管や血液の状態は脳梗塞の発症に深く関係しています。日常的な体調管理に加え、こまめな水分補給や定期的な健康チェックが予防には欠かせません。 以下の記事では、もやもや病について詳しく解説しています。 【関連記事】 もやもや病とは指定難病の一つ|症状や治療法を解説【医師監修】 もやもや病がまねく脳梗塞のリスク要因と予防策について 生活習慣・環境因子(喫煙・過度飲酒・ストレス・脱水) 項目 内容 喫煙 血管内皮の損傷による動脈硬化の促進。血液の凝固能力向上による血栓形成の増加。悪玉コレステロール増加、善玉減少。血圧上昇と心拍数増加による血管ストレス 過度な飲酒 高血圧誘発による動脈硬化リスク増加。心房細動など不整脈の誘発と血栓形成。脂質異常症の悪化。利尿作用による脱水状態の促進 ストレス 自律神経の乱れによる血圧上昇。ストレスホルモンによる血糖・コレステロールの一時的上昇。生活習慣の乱れ(喫煙増加や過食、過飲酒)によるリスク複合化 脱水 体内水分減少による血液粘度上昇と血栓形成の促進。重度脱水による血圧低下と脳血流の滞り。夏場の熱中症時に悪化しやすく、高齢者はとくに水分補給の注意が必要 喫煙は血管を収縮させ、動脈硬化を進める大きなリスクです。過度な飲酒も心臓に負担をかけ、不整脈の原因になります。加えて、強いストレスや不規則な生活は自律神経を乱し、血圧の急激な変動を引き起こす要因です。 環境要因が重なることで、脳梗塞の発症リスクは高くなります。生活習慣の改善は、今からでも始められる大切な予防策です。 以下の記事では、生活習慣について詳しく解説しています。 【関連記事】 尿酸値と痛風の関係性|8.0mg/dLはやばい?高い原因と治療法を解説 女性の尿酸値が高い原因は?生活習慣やホルモン・食べ物についても解説 脳梗塞の治療法 治療法 詳細 再開通療法 血栓を溶かす薬剤(アルテプラーゼなど)の静脈注射。発症後できるだけ早く、4.5時間以内の使用が効果的。 薬剤が使えない場合は、血管内カテーテル治療で血栓を直接除去 薬物療法 抗血小板薬や抗凝固薬の使用。血小板の働きを抑え血栓形成を防ぐ薬や、血液の凝固を抑制する薬剤を用いて脳梗塞の再発や進行を抑制。副作用や投与量管理が必要 リハビリテーション 麻痺や言語障害などの機能回復を目的とした理学療法・作業療法・言語療法の開始。できるだけ早く取り組むことが望ましい 再生医療 脳細胞の損傷修復を目指し、幹細胞などを用いた先進的な治療法。まだ研究段階であるが将来の治療法として期待されている 脳梗塞の治療では、詰まった血管をできるだけ早く再び開通させることが最も重要です。発症後すぐに対応することで、後遺症や死亡リスクが大きく左右されます。 治療方法には、血栓を溶かす薬剤(アルテプラーゼなど)の静脈注射があり、薬剤が使用できない場合は血管内カテーテルによる血栓の除去を行います。再発を防ぐためには抗血小板薬や抗凝固薬を用います。 発症後は麻痺や言語障害の回復を目指して、リハビリテーションを早期に開始することが重要です。さらに、幹細胞を用いた再生医療も将来の治療法として期待されています。患者様の状態に応じて、これらの治療法が適切に選択されます。 以下の記事では、脳梗塞の治療方法や入院期間について詳しく解説しています。 再開通療法 項目 内容 脳細胞の壊死防止 血管の詰まりを早期に解消し、壊死の進行を止めることで脳機能のダメージを最小限に抑制。回復しやすいペナンブラ領域の血流再開 治療開始までの時間の重要性 発症後時間が短いほど救える脳細胞が多く、回復の可能性が高まる 後遺症の重篤化防止 血流回復で麻痺・言語障害・意識障害など重篤な後遺症を防ぐか軽減し、日常生活への影響を小さくする可能性 t-PA静脈内投与療法(点滴) 血栓を溶かす薬剤を点滴投与。発症から4.5時間以内の治療が効果的 血栓回収療法(カテーテル治療) カテーテルで直接血栓を取り除く治療。t-PAが使えない場合や大きな血管閉塞に対応。発症から6時間以内(一部24時間まで)に実施が有効 (文献3)(文献4) 再開通療法は、脳の詰まった血管の血流を回復させるための重要な治療です。 発症から4.5時間以内であれば、血栓を溶かす薬剤「t-PA」を点滴で投与するt-PA静脈内投与療法が有効です。4.5時間を過ぎた場合や血管が太い血管が詰まった場合は、足の付け根などからカテーテルを入れて直接血栓を取り除く血栓回収療法が行われます。(文献3) こちらは発症から6時間以内、場合によっては24時間以内まで有効です。(文献4) いずれの治療も早期発見・早期対応が命と後遺症の軽減に直結し、症状に気づいたら迷わず救急要請を行うことが大切です。 薬物療法 分類 内容 急性期の治療 血栓を溶かす薬(t-PA)による再開通の促進。脳浮腫や脳圧上昇を抑える薬剤の使用 再発予防の治療 抗血小板薬・抗凝固薬による血栓形成の抑制。降圧薬・血糖降下薬・脂質異常症治療薬による基礎疾患の管理 補助的な薬物療法 メコバラミンによる神経回復の補助と後遺症軽減のサポート 薬物療法は、脳梗塞の治療において重要な役割を果たします。発症直後は、血栓を溶かす薬(t-PA)で血流を再開させ、脳の腫れを抑える薬でダメージを最小限に抑えます。 また、脳細胞を保護する薬剤も使用されます。回復期には再発防止のため抗血小板薬や抗凝固薬を使用し、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの基礎疾患の管理も重要です。さらに、神経の修復を補助する目的でメコバラミンが使われることもあり、薬物療法は段階ごとに多面的な役割を担います。 以下の記事では、脳梗塞に対する薬物療法について詳しく解説しています。 【関連記事】 脳梗塞に使われるメコバラミン(メチコバール)とは?副作用と有用性を解説 【医師監修】メチコバールの効果が出るまでの期間は?効かないと感じたときの対処法も解説 脳梗塞の痙縮・麻痺に対するボトックスの効果や影響について現役医師が解説 リハビリテーション リハビリの種類 目的・内容 理学療法 歩行・筋力・バランス機能の回復、拘縮予防、廃用症候群の防止 作業療法 着替え・食事・入浴など日常生活動作(ADL)の練習、自立支援 言語療法 言語の理解・発話機能や、飲み込み(嚥下)機能の回復 認知リハビリ 注意力・記憶・判断力などの回復、身体と認知を組み合わせた訓練の実施 脳梗塞の発症後は、麻痺や言語障害などの後遺症が出ることがあります。機能障害がある場合、できるだけ早期にリハビリを開始することが重要です。 とくに脳の可塑性(回復力)が高まるのは発症後数カ月以内、なかでも最初の3カ月が最も効果的とされています。この時期に集中的にリハビリを行うことで、機能回復が大きく促進されることがわかっています。(文献5) リハビリでは、歩行訓練や作業療法、言語療法などを、患者様の状態に合わせて段階的に進めていきます。退院後もリハビリを継続することで、再発予防や生活の質(QOL)の維持にもつながります。 再生医療 項目 内容 損傷した脳組織の修復・再生 患者様自身や他者の幹細胞を使い、神経細胞の新生・神経回路の再構築・脳内の血管新生を促進。脳機能の回復が期待される 脳の保護作用と炎症抑制 幹細胞が神経を保護し、過剰な炎症を抑制することで、さらなる脳細胞の損傷防止と脳の環境改善を促す効果 リハビリテーション効果の増強 再生医療による脳機能改善がリハビリの効果を高め、神経ネットワークの回復で機能改善や学習効果の向上につながる可能性 再生医療は、損傷した脳細胞や神経の機能回復を目指す先進的な治療法です。幹細胞などを用いて神経の再生を促す方法で、従来のリハビリや薬物療法では改善が難しかった後遺症への新たなアプローチとして注目されています。 再生医療は、症状の程度や発症からの時期によって適応が異なるため、希望する場合は対応している医療機関で診察を受け、医師と相談することが必要です。 以下の記事では、再生医療について詳しく解説しています。 脳梗塞の予防法 予防法 詳細 血圧・血糖・コレステロールの管理 高血圧や糖尿病、脂質異常症の適切なコントロール。薬物療法や生活習慣の改善による動脈硬化予防と血管負担の軽減 規則正しい生活習慣と食事の工夫 バランスの良い食事(野菜中心、塩分・脂肪の制限)。適度な運動、禁煙、適量の飲酒、ストレス管理による生活習慣の改善 定期的な検診と医師の指導に基づいた継続的なケア 定期的な検査と医師の指導に基づく継続的な健康管理の実践 脳梗塞の予防には日々の生活習慣の見直しが欠かせません。高血圧や糖尿病、脂質異常症などの基礎疾患がある方は、症状が安定していても油断せず、日々の血圧や血糖値などの数値を管理し、定期的に通院しましょう。 食事は野菜を中心に、塩分や脂肪を控え、適度な運動、禁煙、適量の飲酒、ストレス管理を心がけることが大切です。定期的な検診を受け、医師の指導に基づいた健康管理を継続することで、脳梗塞の発症や再発のリスクを大きく減らせます。日々の生活習慣を見直し、脳の健康を守ることが重要です。 血圧・血糖・コレステロールの管理 項目 内容 血圧の管理 高血圧による血管壁への負担軽減。動脈硬化の進行抑制。脳梗塞や脳出血の発症・再発リスクの大幅な減少。目標血圧140/90mmHg未満、リスク高い人は130/80mmHg未満。生活習慣改善と薬物療法の併用 血糖値の管理 高血糖による血管壁の傷害防止。動脈硬化の進行抑制。血管狭窄や血流障害を防ぎ、脳梗塞リスクを下げる コレステロールの管理 悪玉コレステロール(LDL)の抑制によるプラーク形成防止。動脈硬化や血栓形成の予防。血管の健康維持による脳血管障害リスクの減少 高血圧・高血糖・脂質異常は、脳梗塞の三大リスク要因です。これらを放置すると、血管の壁に負担がかかり、動脈硬化や血栓ができやすい状態になります。 毎日の食事や運動、薬の服用に加えて、家庭用の血圧計や血糖値測定器を活用することで、日常的な数値管理がしやすくなります。異常な数値が続く場合は、早めに医師に相談することが大切です。 以下の記事では、生活習慣病改善について詳しく解説しています。 【関連記事】 脂質異常症改善のための正しい運動とお茶の選び方|生活習慣の見直しポイントを医師が解説 血圧の正常値とは?内科医師が詳しく解説! 規則正しい生活習慣と食事の工夫 項目 内容 塩分・脂肪の摂取制限 塩分過剰は高血圧の原因。飽和脂肪酸や悪玉コレステロール(LDL)が動脈硬化を促進し血管詰まりを引き起こす バランスの良い食事 野菜、果物、青魚(EPA・DHA)、大豆製品、食物繊維の摂取による血圧低下と血管の健康維持。動脈硬化の進行抑制 規則正しい食事のリズムと食べ方 早食いやながら食いを避け、よく噛んでゆっくり食べることによる過食防止と血糖値の急上昇抑制。肥満や糖尿病の予防 適度な運動の習慣化 週150分程度のウォーキング、水泳、ヨガなど有酸素運動による血流改善。高血圧、糖尿病、肥満の改善。血管の健康維持とリスク低減 十分な水分摂取 脱水による血液の粘度上昇と血栓形成リスクの軽減。とくに起床時や就寝前にコップ1杯の水の摂取推奨 ストレス管理と睡眠促進 慢性ストレスによる血圧上昇と自律神経バランス崩れの予防。ストレス発散法の実践と良質な睡眠の確保 睡眠不足や不規則な生活は、血圧や自律神経に悪影響を及ぼします。できるだけ毎日同じ時間に起き、バランスの取れた食事を意識しましょう。 とくに減塩・低脂質・高カリウムの食事は、脳梗塞予防に効果的です。また、喫煙や過度な飲酒は血管へのダメージを加速させるため、禁煙・節酒にも取り組みましょう。健康維持は日々の積み重ねが大切です。 以下の記事では、脳梗塞の予防・再発防止のために食べてはいけないものを解説しています。 定期的な検診と医師の指導に基づいた継続的なケア 項目 内容 生活習慣病の早期発見と管理 血圧・血糖・コレステロールなどの数値の継続的モニタリング。異常発見時の早期治療や生活習慣改善の開始。動脈硬化・血栓形成の進行防止 無症候性の脳梗塞や血管異常の早期発見 MRIや頸動脈エコーによる画像検査で自覚症状のない脳梗塞や血管狭窄、動脈瘤などの異常を把握。適切な治療・生活指導による重症化予防 医師の指導に基づく継続的なケアと生活習慣改善 検査結果に基づく専門医の生活指導と薬物療法。自己管理意識の向上と持続的な血圧測定・食事・運動の改善。再発防止のためのリハビリやフォローアップの実施 再発リスクの定期評価と予防対策の更新 定期的評価による治療方針の見直し。個別的かつ効果的な予防策の継続的実施 不安の軽減と健康意識の向上 健康状態の把握。医師のサポートで予防意識・生活管理意識の向上。モチベーション維持の促進 自覚症状がなくても、脳梗塞のリスクが徐々に進行していることがあります。年に1〜2回は定期健診を受け、血圧・血糖・脂質の数値を確認しましょう。 医師から生活指導を受けている場合は、自己判断で中断せず、継続的な管理が重要です。検診結果をもとに、将来のリスクを見据えた予防計画を立てることが、脳梗塞予防の第一歩となります。 以下の記事では、脳梗塞の患者様の家族が看護する際に注意すべきポイントを詳しく解説しています。 脳梗塞でお悩みの方は当院へご相談ください 脳梗塞は、脳の血管が詰まり血流が途絶えることで、脳細胞が壊死してしまう病気であり、発症後の早期対応が重要です。治療だけでなく、再発予防やリハビリも継続的に行うことが不可欠です。 脳梗塞でお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。当院では、脳梗塞の治療において、有効な選択肢のひとつとして再生医療を提案しています。 再生医療は、幹細胞の投与によって脳細胞の再生を促し、後遺症の改善や身体機能の回復を目指す治療法であり、リハビリとの併用による相乗効果が期待されています。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 脳梗塞に関するよくある質問 脳梗塞が進行して手遅れになるとどうなりますか? 脳梗塞は発症後すぐの治療が重要です。治療が遅れると脳の損傷が進み、半身麻痺、言語や発音の障害、嚥下障害、記憶・判断力の低下などの重い後遺症が出ることがあります。 重症では寝たきりや意識障害、命の危険も伴います。こうなると回復は限られ、長期介護が必要になることも多くなります。早期受診と治療が何より大切です。 以下の記事では、脳梗塞の後遺症と手遅れにならないための治療法について詳しく解説しています。 【関連記事】 脳梗塞後遺症で性格が変わる?主な変化と原因を解説 脳梗塞は症状が軽いうちの治療が大切!原因と対策を解説【医師監修】 脳梗塞は20代でも発症する可能性はありますか? 脳梗塞は高齢者に多い病気とイメージされていますが、若い世代でも珍しくありません。 若年成人(18〜50歳)の脳梗塞は全体の約10〜15%を占め、20〜30代でも1%程度の発症が確認されています。若年性脳梗塞は加齢以外の原因によることが多く、脳動脈解離、もやもや病、オーラを伴う片頭痛や卵円孔開存などが原因です。 近年、米国では20〜44歳の脳卒中発症率が1993年の10万人あたり17件から2015年には28件へ増加しています。(文献6) CDCの報告では、2020〜22年に18〜44歳の脳卒中が14.6%増加しており、生活習慣の乱れ、ストレス、肥満などの影響が指摘されています。(文献7) 年齢に関係なく、異変を感じたら早急に受診することが重要です。 以下の記事では脳梗塞と年齢との関係性について詳しく解説しています。 【関連記事】 【医師監修】脳梗塞になりやすい年齢は?女性と男性の発症確率も紹介 20代でも脳梗塞になる!確率と原因を詳しく解説【医師監修】 脳梗塞の後遺症で補助金などは受けられますか? 脳梗塞により後遺症が残った場合、公的な支援を受けられる場合があります。身体障害者手帳の交付や、障害年金、介護保険サービスの利用などが該当します。 以下に、利用可能な支援制度の一覧を記載しています。 支援制度の種類 詳細 障害年金 麻痺や言語障害などの後遺症がある場合に受給対象。障害基礎年金・障害厚生年金の支給 障害手当金 障害年金に該当しない軽度の障害にも一時金(約100万円前後)の受給可能性 高額療養費制度 医療費自己負担が一定額超過時の払い戻しによる経済的負担の軽減 傷病手当金 働けなくなった会社員等への健康保険からの収入補填。給与約2/3相当の給付 介護保険・自治体手当 要介護認定で訪問介護やリハビリサービスの利用可。自治体による追加支援金の活用 身体障害者手帳 麻痺や言語障害など後遺症がある場合の取得可。医療費助成・税金軽減・公共交通割引などの支援適用 申請には医師による診断書などの必要書類が求められるため、まずは主治医や自治体の窓口にご相談ください。 参考文献 (文献1) 脳梗塞|Wikipedia (文献2) Brain ischemia|WIKIPEDIA (文献3) 『発症 3 時間超 4.5 時間以内の虚血性脳血管障害患者に対する rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法の適正な施行に関する緊急声明』 (文献4) 慈恵ICU勉強会2015年3月31日石垣 昌志|脳梗塞䛾血管内治療 (文献5) A critical time window for recovery extends beyond one-year post-stroke|JNP (文献6) Stroke in young adults: Current trends, opportunities for prevention and pathways forward|ScienceDirect (文献7) Why so many people are having strokes in their 20s, 30s and 40s: ‘We’ve never had patients so young’|NEWYORKPOST
2025.08.31 -
- 足部、その他疾患
- 足部
「歩くと足の親指の付け根が痛む」 「足の親指が痛くて反らせない」 こうした症状は、種子骨炎のサインかもしれません。 種子骨炎は、地面を踏み込む際などに負荷がかかりやすい足の親指の付け根「種子骨」が炎症を起こしてしまう病気です。 この記事では、種子骨炎が治るまでの期間について治療法や再発予防対策とあわせて解説します。 症状に不安がある方や治療をいつまで続ければ良いのか不安を抱えている方は、ぜひ記事を最後までご覧ください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 種子骨炎の気になる症状や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 種子骨炎はどのくらいで治る?4週間から6週間ほどが目安 種子骨炎は症状の重さにもよりますが、ほとんどの場合約4週間〜6週間ほどで治ります。 種子骨炎は軽度〜中程度であれば、歩くと痛みが出る、赤く腫れる程度です。 手術などは行わず、テーピングやサポーター、痛み止めなどの保存療法で改善する場合がほとんどです。 しかし、重度になると変形や骨壊死といった症状も現れ、手術を伴うケースも多いため、完治まで数カ月かかる場合もあります。 種子骨炎とは? 種子骨炎とは、足の親指の付け根部分にある「種子骨」に炎症が起きる病気です。 ダンスやランニング、長時間の歩行など踏み込む動作を繰り返すことで、足の裏に継続的な負荷がかかることで炎症が生じます。足のアーチが高い人やハイヒールをよく履く人も種子骨周辺に負荷がかかりやすいため、種子骨炎を起こしやすいです。 放置して負荷をかけ続けているうちは自然に治る可能性は低く、根本的な原因を解決する必要があります。 種子骨炎の主な症状 種子骨炎の主な症状は足の親指付け根部分の強い痛みです。 運動中(とくにジャンプの着地時)、歩行中、そのほか靴底の薄い靴やヒールの高い靴を履いた際などにも患部に強く痛みを感じます。患部を押したり、手で親指部分を反らすと強く痛む場合も種子骨炎の可能性が高いです。 まれに患部が熱を持ち、種子骨周辺や親指が赤く腫れてしまうこともあります。 痛みを放置していると疲労骨折や骨壊死に至る可能性もあります。痛みを感じた際は早めに医療機関を受診してください。 種子骨炎になりやすい人の特徴 種子骨炎にかかりやすい人の特徴は以下の通りです。 スポーツ、ダンスなどで長時間足に負担をかけている。 外反母趾や凹足(足のアーチが異常に高い状態)など足の形に問題がある。 ハイヒール、靴底が柔らかくて薄い靴をよく履く。 また、年齢としては小学生〜中学生に多く見られます。大学生以上になると減少する傾向がありますが、大人になっても日常生活の中で発症してしまうことはあるため注意が必要です。 種子骨炎の治療法 種子骨炎の主な治療法は患部を安静にし治療を進める「保存療法」です。必要に応じてアイシングや痛み止め薬を服用します。 ほとんどの人が保存療法によって症状が改善されますが、数カ月症状の改善が見られない場合は手術療法も検討されます。 それぞれの治療法について以下で紹介します。 保存療法 種子骨炎を治すには、安静が重要です。 運動や長時間の歩行は避ける。 重い荷物は持たない。 上記は治療中に必ず守るべき点です。 そのほか、痛み止め薬の服用、アイシングなどによって炎症を抑えます。 また、テーピングも大切です。母趾の反りを抑えることを目的としたテーピングを施します。 テーピングは誤った方法で行うと逆効果になる可能性もあるため、医師の指導のもと行いましょう。 テーピングのほかにもインソールや、足裏用のサポーターの使用も有効です。痛みがひどい場合、ステロイド注射を打つ場合もあります。 手術療法 保存療法を継続しても症状が改善されない場合、手術療法も検討されます。 手術では、種子骨の全摘出、もしくは部分摘出をします。 しかし、種子骨を取り除くと足のバランスが崩れ、足の変形や可動性の低下が見られる可能性があります。医師と十分な相談をした上で判断しましょう。 種子骨炎の再発予防策 種子骨炎は再発しやすい病気のため、予防のためには足に負担をかけている根本的な原因を取り除くことが重要です。日常生活での工夫により、種子骨炎の再発リスクを下げられます。 具体的な予防方法について以下で解説します。 靴を見直す 種子骨は、スポーツや歩く際にとくに負荷を受けます。 体重がかかるだけでなく、踏み込む動作で地面に力を伝える際にも大きな負担がかかっています。 ハイヒールや靴底が薄い靴を履くことが多い人は、靴を見直す必要があります。 以下を参考に、ご自身に合った靴を選びましょう。 【避けるべき靴】 ハイヒール:仕事で必要な場合は低く太めのヒールを選び、着用時間を短くする 靴底が薄い靴:クッション性が高い靴底の靴に変更する サイズが合わない靴:足先の締め付けがきつい靴や靴の中で足が動く靴 【おすすめの対策】 足のサイズにぴったり合った靴を選ぶ 自分の足に合わせたインソール(中敷き)を作成する 保護パッド付きインソールを使用する 種子骨炎専用のインソールを検討する ハイヒールや靴底が薄い靴を頻繁に履く人は、定期的に靴を見直しましょう。種子骨炎の人向けのインソールなどもあるため、気になる方はぜひ調べてみてください。 足のストレッチ 種子骨炎を防ぐためには、足先の負担を軽減することが重要です。 そのため、ふくらはぎのストレッチを行いましょう。 ふくらはぎが柔らかくなると、足首の可動域が上がり、足先への負担を減らせます。 【立って行うストレッチ】 壁に手をついて片足を大きく後ろに引く 後ろ足のかかとを床につけたまま膝を伸ばす 前足は軽く膝を曲げ、体重を前にかけて後ろ足のふくらはぎを伸ばす 足を入れ替えて反対の足のふくらはぎも伸ばす 【寝転がって行うストレッチ】 床に仰向けに寝転がる 両足を上げて足首をバタバタと上下に動かす 【座って行う場合】 足を組み、ふくらはぎを揉む とくに固くなりやすい下部分、ふくらはぎの膨らみ終わりからかかとにかけてを重点的に揉む まとめ|種子骨炎は4〜6週間の治療期間が必要! 種子骨炎は約4〜6週間で症状が改善されます。 テーピングや痛み止め薬を活用しながら安静にしていれば、ほとんどの人は良くなりますが、もし効果がない場合は注意が必要です。 炎症を放置していると、骨が壊死、あるいは変形を起こしてしまうことがあります。 その場合手術によって骨を摘出しなければならず、症状の改善に数カ月かかることもあります。 また、種子骨炎は再発も多いため、普段の生活の中で予防策を立てることが重要です。 靴底が薄い靴は種子骨への負担を高めるため、クッション性の高い靴やインソールを活用しましょう。足のストレッチも効果的です。足関節の可動域を広げることがケガ予防につながります。 適切な治療と予防対策を継続することで、種子骨炎の再発を防ぎ、快適な日常生活を送りましょう。 種子骨炎に関してよくある質問 種子骨炎とはどんな病気ですか? 種子骨炎とは、足の親指の付け根にある「種子骨」が炎症を起こしてしまう病気です。 歩行時やスポーツをした際、足の親指の付け根に強い痛みが起こります。 走ることの多いスポーツ、ダンスをしている人や、足のアーチが高く足の付け根部分に継続的に負荷がかかりやすい人がよくなってしまいます。 種子骨炎はどれくらいで治りますか? 種子骨炎は適切な治療を進めていれば、ほとんどの人が4週間〜6週間で症状が改善します。 種子骨の変形や骨壊死などによって手術が必要な場合、治療期間が数カ月に及ぶ可能性もあります。 種子骨炎になってしまった場合気を付けるべきことはありますか? 種子骨炎になった場合、まずは安静が重要です。運動や長時間歩くことは避け、重い荷物もなるべく持たないようにしましょう。 テーピングや装具のサポートも有効です。テーピングは母趾が反らないよう制限する目的で行います。 親指の根元、土踏まずをつなぐような形でテーピングしますが、自己流で行うとやり方を誤ってしまい足に余計に負担をかけてしまう可能性があります。 テーピングをする場合、医師の指導のもと実施してください。 種子骨炎は再発しやすいため予防が大事です。靴が原因の場合は自分の足に合った靴に見直すことで再発予防になります。また、足周りのストレッチをすることで可動域が上がり、ケガをしづらくなります。
2025.07.31 -
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「化膿性脊椎炎はどれくらいで完治する?」 「入院期間や治療期間の目安は?」 化膿性脊椎炎の完治期間は最低6週間が目安です。本記事では、化膿性脊椎炎の完治期間をはじめとして、以下を解説します。 入院期間の目安 病状別、発症部位別、原因菌別、病型別の治療期間の目安 化膿性脊椎炎の回復までの見通しを知りたい方は参考にしてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 気になる症状や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 化膿性脊椎炎の完治期間は最低6週間が目安 アメリカのガイドラインによると、化膿性脊椎炎の治療期間は6週間としています。(文献1)そのため、完治期間も最低6週間は必要です。 しかし実際には、化膿性脊椎炎の完治期間は病状により異なります。 2008年から2012年までに化膿性脊椎炎と診断され、抗菌薬投与した患者41例を参考にすると以下の通りです。なお、1週目までの感染症の程度を示すCRP値の改善率が中央値以上の方を「良好群」、中央値以下の方を「不良群」と定義しています。 病状 症例数 治療期間の平均 良好群 20例 約38日 不良群 21例 約70日 (文献2) 以上のように不良群は、明らかに治療期間が延長しています。 化膿性脊椎炎の入院期間の目安 化膿性脊椎炎の入院期間について、2001年から2009年までの9年間における化膿性脊椎炎患者100例の調査内容を参考に、以下の表にまとめました。 症例数 入院期間の目安 27例 1カ月以内 33例 1〜2カ月 22例 2〜3カ月以内 9例 3カ月以上 (文献3) 発症から受診までの期間が短いほど入院期間は短い傾向であるため、完治するまでの時間も短くなると考えられます。 化膿性脊椎炎の発症部位別の治療期間 化膿性脊椎炎の発症部位別の治療期間について、2007年から2018年の11年間における入院加療をした化膿性脊椎炎患者117例の調査内容を参考に、以下の表にまとめました。 発症部位 症例数 治療期間の目安 頚椎 17例 約53日 胸椎 28例 約66日 腰椎 76例 約63日 (文献4) 発症部位別の治療期間に明らかな差はありません。 化膿性脊椎炎の原因菌別の治療期間 化膿性脊椎炎の原因菌別の治療期間について、2007年から2018年の11年間における入院加療をした化膿性脊椎炎患者117例の調査内容を参考に、以下の表にまとめました。 原因菌の種類 治療期間の目安 MRSA 約151日 MSSA 約48日 連鎖球菌 約48日 大腸菌 約64日 不明群 約44日 (文献4) 原因菌別で見ると、MRSAが他の菌と比較して明らかに治療期間が延長しています。 化膿性脊椎炎の病型別の治療期間 化膿性脊椎炎の多くは抗菌薬の投与により70〜90%で症状の改善が期待できますが、それぞれ治療期間の目安は異なります。(文献5) ここからは、病型別の治療期間の目安を解説します。 急性発症型 急性型の治療期間の目安は約72日です。(文献4)急性型は、高熱や激しい頚部痛、背部痛、腰痛などで発症するタイプです。 急性型の化膿性脊椎炎は、以下のような痛みが突然現れます。 夜も眠れないほどの痛み 座れないほどの痛み 歩けないほどの痛み 以上のような症状が現れたら急性型を疑い整形外科を受診してください。急性型は、亜急性型と慢性型と比較すると発症する割合は少ない傾向にあります。 亜急性発症型 亜急性型の治療期間の目安は約42日です。(文献4)亜急性型は37度台の微熱や頚部痛、背部痛、腰痛などで発症するタイプです。痛みや発熱が軽度であるからといって、放置すると重症化する恐れがあります。 以下のような症状がある場合は医療機関を受診してください。 体勢を変えても腰痛などが治まらない 背中をたたくと背部痛などが増す 長期間にわたり腰痛がある また、亜急性発症型は脊椎カリエスと間違えやすい傾向です。脊椎カリエスとは結核菌が原因で、発症する部位や症状が異なります。脊椎カリエスの場合は、微熱や食欲不振、倦怠感などの症状が現れますが、腰痛などが起きることは少ないです。 慢性発症型 慢性発症型の治療期間の目安は約55日です。(文献4) 慢性型は、発熱は見られず軽微な腰背部痛のみで発症するなど、気づきにくい特徴があります。 とくに糖尿病などの免疫機能が下がる病気を持っている方で、長期間の腰や背中の痛みに悩まされている方は、慢性型を疑い一度医師に相談しましょう。 なお、慢性型は亜急性型と同様に脊椎カリエスと間違えやすい傾向にあります。 化膿性脊椎炎は、糖尿病や慢性腎疾患を持っている方、高齢者などの免疫機能が低下している方は、悪化のリスクが高いです。疑われる症状が現れたら速やかに医療機関を受診してください。 化膿性脊椎炎の治療方法 化膿性脊椎炎の治療方法には保存療法と手術療法があります。それぞれの詳細を解説します。 保存療法 化膿性脊椎炎の治療は、保存療法が原則です。保存療法において重要な点は以下の通りです。 保存療法 詳細 適切な期間の抗菌薬の投与 適切な診断と適切な期間の抗菌薬の投与が重要。抗菌薬の投与が4週間未満であると再発率が25%に上るとの報告があるため。(文献1) 安静の保持 安静の保持は骨破壊防止と感染の鎮静化につながる。骨破壊とは細菌感染により脊椎が破壊されること。骨破壊が進むと後遺症を残す恐れもある。 手術療法 手術療法には以下のようなものがあります。 手術療法 詳細 脊椎固定術 感染部位をスクリューとロッドで固定して、骨の安定性を高めて骨破壊を防ぐ。感染を抑える働きもある。 経皮的病巣掻爬洗浄術 (けいひてきびょうそうそうはせんじょうじゅつ) 感染部位に溜まっている膿や炎症している組織を掻き出して洗浄する治療。 以下の状態となっている場合は、手術療法が検討されます。 2〜3週間実施した保存療法に効果が見られない 麻痺症状が現れている 骨破壊が進んでいる 麻痺症状や骨破壊の進行であれば手術の適応判断が容易です。しかし、保存療法の効果が見られない場合の手術の適応判断は難しいと言われています。 まとめ|化膿性脊椎炎の完治期間は病状により変動する 化膿性脊椎炎の完治期間は最低6週間が目安です。しかし、病状により治療期間は大きく変動し、良好群では約38日、不良群では約70日が目安になります。 発症部位別の治療期間に関しては大きな差はありません。 原因菌別では、MRSAで約151日、その他原因菌では40〜60日程度と治療期間に大きな差があります。発症型別では、急性型は約72日で亜急性型と慢性型は40〜50日程度です。 化膿性脊椎炎は適切な期間の抗菌薬の投与と安静が大切です。完治までの期間を延ばさないためにも、可能な限り安静を保ち治療を進めましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報発信や簡易オンライン診断を実施しています。気になる症状がある方は、ぜひ一度お試しください。 参考文献 (文献1) 化膿性脊椎炎の診断におけるMRIの有用性:3例報告|日臨救急医会誌 (文献2) 化膿性脊椎炎における治療開始初期のCRP値改善率と保存的治療期間との関係について|日本脊椎脊髄病学会 (文献3) 当院における化膿性脊椎炎100例の検討|昭和医会誌 (文献4) 当院における化膿性脊椎炎の集学的治療 ―11年間11 例の検討―|日本脊椎脊髄病学会 (文献5) 保存治療に抵抗する急性型化膿性脊椎炎の予後予測|日本脊椎脊髄病学会
2025.07.31 -
- 脊椎
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「化膿性脊椎炎に後遺症はある?」 「再発のリスクを下げる方法も知りたい」 化膿性脊椎炎は手足のしびれや痛み、運動能力の低下などの後遺症が発生する場合があります。これらの後遺症を発生させないためには、早期発見や適切な治療、リハビリテーションが重要です。 後遺症が発生してしまった際は、医師やリハビリスタッフの指示のもとで適切なリハビリテーションを進めることが大切です。本記事では、化膿性脊椎炎に関する以下のことを解説します。 後遺症について 後遺症に対するリハビリテーション 治療において安静が重要な理由 再発リスクを下げる方法 再発を早期発見するポイント 化膿性脊椎炎の後遺症や再発リスクの理解を深めるために本記事を役立ててください。 手足のしびれや痛みなど、化膿性脊椎炎の後遺症にお悩みの方へ。当院では再生医療という治療選択肢をご提案しています。 化膿性脊椎炎の後遺症のお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 化膿性脊椎炎の後遺症は手足のしびれや痛み 化膿性脊椎炎の後遺症には以下のようなものがあります。 手足のしびれや痛み 運動能力の低下 筋力の低下 排尿障害 化膿性脊椎炎を発症した方の約1/3は、神経症状の後遺症に悩まされていると報告があります。(文献1) 後遺症を発生させないためには、早期発見と適切な治療が重要です。治療が遅れると脊椎に元に戻らない変化が起きてしまう恐れがあるためです。その場合、たとえ治療を行っても、神経症状などの後遺症は期待通りに回復しない恐れがあります。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報発信や簡易オンライン診断を実施しています。気になる症状がある方は、ぜひ一度お試しください。 化膿性脊椎炎の後遺症に対するリハビリテーション 化膿性脊椎炎の手足のしびれや痛みに対するリハビリテーションにおいては、症状を悪化させない方法を身につけることが重要です。 例えば、手のしびれに対しては以下のようなアプローチがあります。 長時間の手の作業は避ける 一定時間ごとに使用する手を替える しびれが現れたら無理をしないで休ませる 手首や肘はできるだけ伸ばした状態にして作業を行う 肘や手首を圧迫しないようにする (文献2) 以上のリハビリテーションはあくまで一例です。必要なリハビリテーションは人それぞれ異なるため、医師やリハビリスタッフに相談しながら進めましょう。 化膿性脊椎炎の治療において安静が重要な理由 化膿性脊椎炎の治療において安静が重要な理由は、骨破壊(細菌感染により骨が破壊されること)を防止するためです。また、脊椎を安定させることにより感染の鎮静化に役立つとされています。(文献3) 実際に、徹底した安静臥床と適切な抗菌薬の治療による保存療法で、良好な治療成績を得られると報告があります。(文献7)しかし、化膿性脊椎炎の治療において、多くの場合に感染部位の安静を保持できていないのが現状です。 安静を保つために、例えば脊椎の場合は体幹ギプスや硬いコルセットを着用することがあります。 化膿性脊椎炎の再発リスクを下げる方法 化膿性脊椎炎の再発リスクを下げる方法は、適切な期間治療を受けることです。化膿性脊椎炎は、医師の診察や画像による診断が難しく、原因不明の発熱として見過ごされやすいです。その結果、十分な期間の抗菌薬の投与ができず再発してしまうこともあります。 実際に抗菌薬の投与による治療が4週間未満である場合は、再発率25%に上ると報告があります。(文献4)適切な診断を受けて必要な期間の抗菌薬の投与をしてもらうために、脊椎等を専門とする医師に相談したほうが良いでしょう。 化膿性脊椎炎の再発を早期発見するポイント 化膿性脊椎炎の再発に気づかず治療が遅れてしまうと、後遺症が発生するリスクがあるため早期発見が重要です。早期発見するポイントは以下の通りです。 基本的な症状を理解する 症状の特徴を理解する それぞれの詳細を解説します。 基本的な症状を理解する 化膿性脊椎炎には3つの型があり、それぞれ発症の仕方が以下のように異なります。 症状の発症の仕方 急性発症型 激しい頚部痛、背部痛、腰痛などの痛みと高熱で発症する。 亜急性発症型 頚部痛、背部痛、腰痛などの痛みと微熱で発症する。 慢性発症型 軽微で治りにくい頚部痛、背部痛、腰痛などの痛みと間欠的な発熱(発熱したり解熱したりすること)で発症する。 痛みの部位は感染の場所により異なります。以上のような症状が現れたら再発を疑いましょう。なお、化膿性脊椎炎の好発部位は、腰椎が最も多く50%以上、胸椎が30%強、頚椎が10%ほどです。(文献5) 症状の特徴を理解する 化膿性脊椎炎の症状の特徴は、腰痛や背部痛などの痛みがいくら時間がたっても治まらないことです。ぎっくり腰などでは体勢を変えると痛みは軽減しますが、化膿性脊椎炎ではどんな体勢をとっても改善はしません。 退院後に以下のような症状が現れた場合は再発を疑ってください。 高熱や微熱、間欠的な発熱などのいずれかが現れている 頚部痛、背部痛、腰痛などの痛みが現れており、体勢を変えても改善しない このような症状が現れている場合は、再発を疑い整形外科を受診しましょう。 化膿性脊椎炎の予後 化膿性脊椎炎は、かつては感染の長期化や再発が多いことに加えて、敗血症(はいけつしょう:感染症が原因で全身の臓器に障害が及ぶ状態)などにより予後が不良な病気でした。 しかし、近年では適切な抗菌薬の投与や手術療法により、死亡率が5〜16%と予後の改善が見られています。(文献6)とはいえ、診断が診断が遅れて適切な治療を迅速に開始できなかった場合、重度の敗血症を合併することはあります。 化膿性脊椎炎は、早期発見と適切な治療により予後が大きく左右されます。前述した症状が現れた際は、化膿性脊椎炎を疑い速やかに整形外科を受診してください。 まとめ|適切な治療とリハビリで後遺症を最小限に抑えよう 化膿性脊椎炎の後遺症は、手足のしびれや痛み、運動能力の低下、筋力の低下などです。 化膿性脊椎炎の後遺症を発生させないためには、早期発見と適切な期間の抗菌薬の投与が重要です。 適切な期間の治療により、再発リスクを下げることもできます。治療中は悪化を防ぐために安静を保持しましょう。 発生してしまったしびれや痛みに対しては、リハビリテーションを通して悪化させない方法を身につけることも大切です。 医師やリハビリスタッフの指示のもと適切な治療やリハビリテーションを進めましょう。 参考文献 (文献1) 化膿性脊椎炎と診断されて手術に至った 30 症例の検討|日本ペインクリニック学会誌 (文献2) 神経のリハビリ|JCHO東京高輪病院リハビリテーション (文献3) 化膿性脊椎炎における治療開始初期のCRP値改善率と保存的治療期間との関係について|日本脊椎脊髄病学会 (文献4) 化膿性脊椎炎の診断におけるMRIの有用性:3例報告|日臨救急医会誌 (文献5) 化膿性脊椎炎|日本脊髄外科学会 (文献6) 化膿性脊椎炎を契機に診断された感染性心内膜炎の1例|信州医学会 (文献7) 当院における化膿性脊椎炎100例の検討|昭和医会誌
2025.07.31 -
- 脳梗塞
- 脳卒中
- 頭部
脳梗塞の後遺症で性格が変わることは、よく知られている症状の一つです。(文献1) 脳梗塞を発症をする前は穏やかで几帳面な性格だった方が、後遺症で怒りっぽくなったり、だらしなくなったりするケースが散見されます。 脳梗塞の後遺症のわかりやすい症例は麻痺です。一方、外見からは分からない症状もあります。これが高次脳機能障害です。 高次脳機能障害を発症すると性格が変わるだけでなく、記憶に問題が生じたり言語を適切に発せなくなったりとさまざまな症状があらわれます。 本記事では脳梗塞の後遺症が原因で起こる性格の変化や治療法について解説します。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 脳梗塞の後遺症や再発予防に関する再生医療について、詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 脳梗塞の後遺症によって変化する性格の主な具体例 脳梗塞の後遺症によって変化する性格の主な具体例は以下のとおりです。 易怒性・攻撃性 意欲低下・無関心(アパシー) 感情の不安定さ(感情失禁) 衝動性・自制の欠如 固執性・融通のなさ それぞれについて解説します。 易怒性・攻撃性 脳梗塞の後遺症として多く見られる性格変化の一つが易怒性(いどせい:怒りっぽくなること)・攻撃性です。 脳梗塞により感情のコントロールを司る脳の前頭前野が損傷されると、感情の抑制が困難となり易怒性・攻撃性が見られる傾向にあります。(文献2) 発症前には気にならなかった些細な出来事が原因でイライラしたり、怒声を発したりするのが特徴です。 脳梗塞を発症した事実を知らない周囲の人からは「単に怒りっぽい人」と認識されて敬遠されるなど、社会生活が困難になるケースもあります。 易怒性・攻撃性がどのような場面で見られるのか原因を特定し、家族やパートナーなどの協力を得て対処する必要があります。 意欲低下・無関心(アパシー) 意欲低下や無関心(アパシー)も、脳梗塞の後遺症として多く見られる性格の変化の一つです。 脳梗塞が原因で脳の前頭葉や大脳辺縁系の機能が低下すると、脳内の神経伝達物質の働きが妨げられます。その結果、意欲の低下や無関心状態を引き起こすと考えられています。(文献3) 脳梗塞後に高次脳機能障害と診断された方のおよそ71%に、意欲発動性の低下・アパシーが見られるとの報告も見られます。(文献4) 意欲が低下して何事にも関心を持てなくなると、脳梗塞後のリハビリテーションにも非協力的になり、麻痺やADL(日常生活動作:食事、入浴、着替えなど基本的な生活行為)からの回復が遅延しがちです。 感情の不安定さ(感情失禁) 脳梗塞の後遺症として多く見られる性格の変化としては、感情の不安定さ(感情失禁)も挙げられます。 感情失禁は、感情の表出が適切にコントロールできない状態です。過剰に泣いたり突然笑いだしたりするケースも少なくありません。(文献5) 脳の前頭葉のなかでも眼窩面の障害により感情失禁を来すと、児戯性や多幸感により些細なことで泣いたり、面白くもないことで笑いだしたりします。 感情失禁は他者とのコミュニケーションを困難にさせるだけでなく、食事中の誤嚥や吹きこぼしのリスクも高めるため早期の対処が求められます。(文献6) 衝動性・自制の欠如 脳梗塞の後遺症として多く見られる性格の変化としては、衝動性および自制の欠如もよく知られています。 衝動性・自制の欠如も感情のコントロールが困難になる高次脳機能障害の一種で、とくに前頭葉の障害により発症しやすい傾向にあります。 もともと穏やかだった方が急に怒りっぽくなるなどの変化が見られる場合、脳梗塞の後遺症の高次脳機能障害を疑う必要があるでしょう。 衝動性や自制の欠如も他者とのコミュニケーションを阻害する原因の一つで、社会生活を営む上で重大な障壁となりかねません。 本人は自分の性格が変わったことに気付いていないケースが多いため、専門家のアドバイスを得て柔軟に対処する必要があります。 固執性・融通のなさ 固執性や融通のなさも、脳梗塞後の後遺症として多く見られる性格変化の一つです。 脳梗塞の後遺症により固執性や融通のなさを発症すると、一つのことにこだわって他に目が向かず、いつまでたっても同じことを繰り返すのが特徴です。(文献7) 行動だけでなく考え方に関しても固執が見られるようになり、多様な選択肢から適切な解を導き出せなくなります。 環境や状況の変化に対して柔軟に対処できないため、初対面の方とのコミュニケーションもうまく取れません。 固執性や融通のなさを改善していくためにはリハビリテーションはもちろん、安定した環境を整えることも重要です。 脳梗塞の後遺症における性格変化は損傷部位によって異なる 脳梗塞の後遺症によりあらわれる性格の変化や運動機能の低下、言語障害などを総称して高次脳機能障害と呼びます。 どのような変化があらわれるかは脳の損傷部位により異なります。 高次脳機能障害に伴う症状、および脳の損傷部位は以下のとおりです。(文献8) 損傷部位 認知ドメイン 具体的な症状 前頭葉 計画立案・行動・注意力など 注意障害・失行・遂行機能障害・社会的行動障害など 頭頂葉 空間認知・触覚など 半側空間無視・失認など 側頭葉 言語理解・聴覚・記憶など 失語症・記憶障害など 後頭葉 視覚 視野狭窄・視覚失認など 右脳と左脳のどちらに障害を起こしたかによって、あらわれる症状も異なります。 たとえば左脳に障害を起こすと失語症などの言語障害が見られ、右脳の障害を起こすと半側空間無視などの空間認知障害が見られます。 脳梗塞の後遺症に伴う高次脳機能障害において、性格の変化をもたらすのは主に前頭葉の障害です。 前頭葉のなかでも、内側の穹窿面(きゅうりゅうめん)を損傷すると無関心や無感情が見られやすく、下側の眼窩面(がんかめん)を損傷すると感情の不安定さが生じやすくなります。 脳梗塞の後遺症で家族の性格が変わったらどうすべき? 脳梗塞の後遺症で家族の性格が変わった場合、まずは原因を突き止める必要があります。 性格の変化は主に以下2つの原因によりもたらされることを理解しておいてください。 前頭葉の損傷により感情がコントロールできなくなって起こる 注意障害や遂行機能障害に伴い二次的に起こる 感情がコントロールできない方に対しては、本人の意思を尊重し感情の変化が起こりにくい環境を整える必要があります。 注意障害や遂行機能障害が見られる場合は、気が散る原因を取り除いたり、根気強くリハビリテーションに取り組んだりするのが大切なポイントです。 感情がコントロールできない社会的行動障害は、本人も無自覚なケースがほとんどのため、家族やパートナーの方は感情に任せず冷静に対処する必要があります。(文献9) 脳梗塞の後遺症に対する治療法 脳梗塞の後遺症に対する主な治療法は以下のとおりです。 高次脳機能障害に対するリハビリテーション 薬物療法 再生医療 それぞれ解説します。 高次脳機能障害に対するリハビリテーション 脳梗塞の後遺症として多く見られる高次脳機能障害に対しては、以下のリハビリテーションやカウンセリングが行われます。 認知リハビリテーション 認知行動療法(CBT) 行動変容療法 社会技能訓練 心理カウンセリング 認知リハビリテーションは、脳梗塞に伴う高次脳機能障害や認知症を改善する目的で行われます。 記憶力や判断力、注意力などの認知機能を向上させる目的で行われ、ADL(日常生活動作)の向上を目指すのが特徴です。 認知行動療法(CBT)は考え方や行動パターンを変化させる心理療法の一種で、感情のコントロールに役立ちます。 行動変容療法も心理療法の一種で、問題行動の原因となる行動を抑制し、より適切な行動を習得するのが目的です。 社会技能訓練ではコミュニケーション能力を高め、自信をもって生活を送るためのサポートを行います。 心理カウンセリングは高次脳機能障害患者を支援するだけでなく、家族へのサポートも行う点が特徴です。 症状の回復度合いを大きく左右するため、高次脳機能障害に対するリハビリテーションは発症から6カ月以内に開始することが推奨されます。 薬物療法 脳梗塞の後遺症を治療する際に行われる治療の一つが薬物療法です。 高次脳機能障害に伴う感情のコントロールや、うつ病・不安症などの精神症状を軽減し、日常生活の質を向上させる目的で行われます。 用いられる主な医薬品および期待できる効果は以下のとおりです。(文献10) 主な医薬品 期待できる効果 メチルフェニデート・アマンタジン 注意障害・意欲低下を改善する リスぺリドン・ハロペリドール 不安や興奮を抑制する ミルナシプラン・トラゾドン 意欲を向上させる ブロマゼパム・ロラゼパム 不安や緊張、抑うつ状態を緩和する ゾピクロン・ニトラゼパム 睡眠障害を改善する カルバマゼピン・バルプロ酸 易怒性・攻撃性を緩和する 高次脳機能障害に伴う症状を抑制する医薬品だけでなく、脳の神経伝達物質のバランスを整えるために抗うつ薬や抗精神病薬なども用いられます。 再生医療 脳梗塞の後遺症に対する治療法の一つが再生医療です。 再生医療では患者自身の脂肪細胞から抽出した幹細胞を分離して培養し、増殖させたうえで点滴を用いて静脈内に注入します。 患者自身の細胞を用いた治療法のため拒絶反応が起こりにくく、副作用のリスクも低い点が特徴の一つです。 日帰りでも治療が受けられるため、手術を避けたい方にとって適した選択肢となっています。 脳梗塞の後遺症や予防についてお悩みの方は、再生医療に関する以下の記事もご覧ください。 脳梗塞の後遺症による性格変化が気になる方は当院へご相談ください 脳梗塞の後遺症によるご家族やパートナーの性格の変化が気になる方は、当院「リペアセルクリニック」までお気軽にご相談ください。 脳梗塞の発症に伴い前頭葉が損傷されると易怒性や攻撃性、意欲の低下、感情の不安定など社会的行動障害を起こしがちです。 社会的行動障害はご家族やパートナーの方に大きな負担となる上、患者本人が社会生活に復帰する際に障害となります。 脳梗塞の後遺症に対する治療法の一つが再生医療です。再生医療では患者の脂肪細胞から採取した幹細胞を培養・増殖させ、点滴を用いて損傷部位に注入します。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療に関してLINEでの簡易オンライン診断を実施しています。再生医療に興味がある方は、ぜひ一度お試しください。 脳梗塞の後遺症に関してよくある質問 脳梗塞になると顔つきは変わる? 脳梗塞を発症すると顔つきが変わることがあります。 たとえば写真を撮る際に笑顔を作ると片方の口角や頬しか上がらず、顔つきが左右でゆがんで見えるケースがあります。 笑顔を作った際に顔つきが左右で違って見えるのは、脳梗塞を発症する前兆の可能性もあるため注意が必要です。 脳梗塞の後遺症で片麻痺を発症すると、左右いずれかの表情筋がはたらかず、表情を作った際に顔がゆがんで見えやすくなります。 また、脳梗塞の後遺症で意欲低下や無関心(アパシー)状態に陥ると、表情の変化に乏しくなるケースがあります。 脳梗塞後の麻痺が左右どちらかで症状は変わる? 脳梗塞後の麻痺が左右いずれにあらわれるかによって、症状にも変化が見られます。 脳梗塞に伴う麻痺は、損傷した脳と反対側にあらわれます。たとえば脳梗塞に伴い左脳を損傷すれば、麻痺は右半身にあらわれやすいです。 右脳には運動だけでなく空間認知や感情を司る機能があるため、右脳を損傷すると運動機能障害や社会的行動障害(感情のコントロールが難しくなるなど)が見られます。 左脳には言語や論理的思考を司る機能があるため、左脳を損傷すると言語障害や思考能力の低下が起こります。 脳梗塞の後遺症はもやもや病とどう違う? 脳梗塞の後遺症ともやもや病はいずれも脳の血管障害が原因で起こりますが、主に以下の違いがあります。 疾患 原因 症状 治療法 もやもや病 脳血管の狭窄 虚血症状・脳出血 バイパス手術など 脳梗塞 脳血管の閉塞 言語障害・麻痺など 血管拡張術・薬物療法など もやもや病はなんらかの原因により脳の血管が狭くなって(狭窄)血流不足を起こし、細い血管が煙のようなもやもやした見た目に発達する病気です。(文献11) 発症原因や症状、治療法は脳梗塞と異なりますが、脳梗塞の前兆のケースもあるため、頻繁に症状が見られる場合は速やかに医療機関を受診してください。 (文献1) 作業療法士Q&A|一般社団法人日本作業療法士協会 (文献2) 感情はどこから?実は生存をかけて脳が下した判断|日本経済新聞 (文献3) 脳卒中後遺症としての意欲低下について|社会福祉法人さわらび会 (文献4) 社会的行動障害への対応と支援|国立障害者リハビリテーションセンター (文献5) 脳卒中で笑い止まらぬ感情失禁の原因と対処法|ニューロテックメディカル (文献6) 不安な表情の多い高齢者への介護福祉士の関わり|高田短期大学 (文献7) よくある質問|国立障害者リハビリテーションセンター (文献8) 高次脳機能障害のリハビリテーション|慶應義塾大学病院 (文献9) 社会的行動障害とは?行動や感情への影響とリハビリ方法|御所南リハビリテーションクリニック (文献10) 高次脳機能障害とは|沖縄県医師会 (文献11) もやもや病|国立循環器病研究センター
2025.07.31 -
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「圧迫骨折が治ったあとに痛みが取れないのは後遺症?」 「痛みが取れない原因は?」 胸椎や腰椎など圧迫骨折では、後遺症として痛みが発生することがあります。その原因はさまざまで、原因に応じた治療を行うことが重要です。本記事では、圧迫骨折の後遺症による痛みの詳細をはじめとして、以下を解説します。 痛みが取れない5つの原因 後遺症の痛みに対する治療方法 痛みの原因とその治療方法を理解するために役立ててください。 圧迫骨折の痛みに関するお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 圧迫骨折の後遺症による痛みについて 圧迫骨折が治っても、後遺症として痛みが現れることがあります。(文献1)後遺症として痛みが現れる原因は、円背(えんぱい:背中が丸くなる)や偽関節(ぎかんせつ:骨がくっついていない状態)など、人によりさまざまです。 痛みが続くと、家事や社会活動、娯楽などあらゆる日常生活の動作の妨げになります。その結果、身体機能だけでなく、生活の質まで低下してしまいます。こうした悪化を防ぐためにも、痛みの原因に応じた適切な治療を行うことが大切です。 圧迫骨折後に痛みが取れない5つの原因 圧迫骨折後に痛みが取れない主な5つの原因は以下の通りです。 円背が起きている 骨が正常にくっついていない 筋肉が硬くなっている 痛み信号が誤って脳に送られている ストレスや不安を感じている それぞれの詳細を解説します。 1.円背が起きている 圧迫骨折が起きると、椎体(ついたい:背骨を構成する円柱の骨のこと)が潰れて円背になってしまうことがあります。円背は重症になると、神経が圧迫されて以下のような症状が現れます。 下肢の痛み しびれ 筋力の低下 尿失禁 歩行障害 骨粗鬆症による椎体圧迫骨折が原因の円背は、胃や食道の逆流現象や膀胱直腸障害(排尿や排便のコントロールが難しくなる状態)などを引き起こすことがあります。(文献2)これらの症状は、日常生活の動作を低下させる大きな要因になってしまいます。 2.骨が正常にくっついていない 圧迫骨折後に、骨癒合(こつゆごう:骨がくっつくこと)が得られず、偽関節という状態になることがあります。とくに高齢者は偽関節になりやすい傾向です。(文献4)圧迫骨折において、偽関節の状態になってしまうと以下のような症状が現れます。 慢性的な痛み 下肢の麻痺 歩行障害 偽関節のままリハビリテーションをしてしまうと、かえって運動能力が低下する恐れがあるため推奨できません。リハビリテーションの前に適切な治療を受けることが大切です。 3.筋肉が硬くなっている 圧迫骨折では、長期間の安静による動きの制限や痛みによる不自然な姿勢によって筋肉が硬直し、痛みが長引くことがあります。(文献1)筋肉が硬くなると、関節の可動域も制限されてしまいます。その結果、日常生活の動作に悪影響を及ぼします。 4.痛み信号が誤って脳に送られている 圧迫骨折が治ったあとも、中枢神経(脳から全身に指令を送る神経)が痛みの信号を誤って送り続けてしまうことがあります。(文献1)また、骨折中に大量の痛み信号を送り続けていた結果、痛みに対して、過敏になっている場合もあります。 このような痛みは、神経痛と呼ばれ、痛み止めなどが効きづらいのが特徴です。神経痛は早期から治療を始めると、多くの場合は予防できるとされています。 「骨折の治癒後1カ月以上痛みが続いている」「痛みの種類が変わってきた」という場合は、神経痛を疑い一度医師に相談しましょう。 5.ストレスや不安を感じている ストレスや不安、抑うつなど心理的な要因により痛みが長引くこともあります。(文献1)そもそも骨折による痛みそのものがストレスを増大させるため、適切な痛みの管理が必要です。 また、圧迫骨折を含む外傷の痛みによるストレスは、以下のようなさまざまな有害事象を引き起こすリスクもあります。 血圧上昇 不整脈 高血糖 免疫機能の低下 消化器機能の低下 治療中の痛みのケアはもちろん、不安や抑うつ気分を解消して、ストレスの軽減を図る必要があります。 圧迫骨折の後遺症の痛みに対する治療方法 圧迫骨折の後遺症の痛みに対しては、原因に応じた治療を行わなければなりません。 ここからは、圧迫骨折の後遺症の痛みに対する治療方法を原因別で解説します。 円背の場合 円背がある場合は、保存療法と手術療法が検討されます。保存療法の内容は、痛み止めの処方やコルセットによる矯正、リハビリテーションなどです。 リハビリテーションでは、腹部をへこませて体幹を鍛えるドローインなどの体幹トレーニングを行います。ドローインは、腰回りの筋肉を鍛えて体幹を安定させることで、腰の痛みの改善が期待できます。 下肢の痛みやしびれなどの神経症状が現れている場合は、手術を検討しなければなりません。(文献3)円背の状況に沿った手術が検討されますが、代表的な方法は以下の通りです。 手術方法 詳細 椎体形成術 潰れてしまった椎体に風船を入れて膨らませる。風船を取り出して空いたスペースにセメントを入れて椎体を形成する。 後方・後側方固定術 スクリューを用いて脊椎を安定させる方法。椎体形成術のみでは、固定が弱い場合または骨が脆弱である場合に行われる。 偽関節の場合 偽関節の場合も保存療法や手術療法が検討されます。偽関節に対する保存療法は、偽関節の周囲に仮骨ができるまで、長期間硬いコルセットを装着する方法です。そのため、患者様は長期間の辛抱強い協力が不可欠です。 手術においては、円背と同様に椎体形成術が検討されます。痛みの他に遅発性麻痺(骨折後しばらくしてから現れる麻痺)が現れている場合は、セメントの代わりにハイドロキシアパタイト(骨の原料になる素材)を椎体内に入れて、さらにスクリューで固定する方法を行うこともあります。 その他 その他の痛みの原因に対しては、それぞれ以下のような治療方法を検討します。 原因 治療方法 詳細 筋肉の硬直・痛み信号の誤送信 神経ブロック注射 痛みの原因となっている周辺に局所麻酔の注射をして、痛みを緩和させる方法。一時的に痛み信号を遮断して、血流や筋肉の硬直が改善する。 ストレスや不安 薬物療法 抗うつ薬や抗てんかん薬により神経を整えることで痛みを軽減させる。 カウンセリング 感情的な側面の理解を通して痛みを軽減させる。 認知行動療法 痛みの捉え方や行動を修正して痛みを軽減させる。 まとめ|適切な治療やリハビリを受けて痛みを軽減しよう 圧迫骨折の後遺症として痛みが発生する場合があります。その原因は、円背や偽関節、筋肉の硬直、痛み信号の誤送信、ストレスなどさまざまです。 後遺症の痛みを軽快させるには、円背や偽関節に対しては保存療法や手術、筋肉の硬直や痛み信号の誤送信に対してはブロック注射など、原因に沿った治療が必要です。 円背に対しては、ドローインなどのリハビリテーションを行うこともあります。痛みの状況や痛み以外の症状をできるだけ正確に医師に伝えて、適切な治療やリハビリテーションにつなげましょう。 参考文献 (文献1) 滋賀医大病院ニュースTOPICS|滋賀医科大学医学部附属病院ホームページ (文献2) 脊椎圧迫骨折は円背をもたらす|厚生労働科学研究成果データベース (文献3) 成人脊柱変形|昭和学士雑誌 (文献4) 骨粗鬆症性椎体骨折(偽関節)|福島県立医科大学
2025.07.31 -
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「第五中足骨骨折はどんな後遺症が起きる?」 「スポーツ復帰の目安はどれくらい?」 「再発を防止するにはどんな対策を取れば良い?」 初めて第五中足骨骨折を経験した方は、このような不安を感じてしまうのではないでしょうか。第五中足骨骨折は、適切な治療やリハビリテーションを進めないと、可動域の制限や痛みなどの後遺症が起きる恐れがあります。 本記事では、第五中足骨骨折の後遺症の詳細をはじめとして以下を解説します。 起きる恐れのある合併症 治療方法と期間の目安 スポーツ復帰の目安 再発防止の対策 後遺症における障害認定 後遺症を発生させず元の運動能力に戻すためにも、本記事で第五中足骨骨折の後遺症について理解を深めてください。 第五中足骨骨折の後遺症によるお悩みを今すぐ解消したいとお考えで、再生医療に興味がある方は当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 第五中足骨骨折の後遺症で多いのは可動域の制限 第五中足骨骨折の後遺症で多いのは、以下の可動域の制限です。 後遺症 詳細 足関節の背屈制限 つま先を上に持ち上げる可動域が制限されている状態。 股関節の内旋可動域制限 股関節を内側に回す動きの可動域が制限されている状態。 (文献1) 第五中足骨骨折は、骨融合(こつゆごう:骨がくっ付くこと)が得られにくく、たとえ骨融合しても、再骨折しやすい特徴があります。骨融合が得られないと痛みが発生しやすく、スポーツ復帰も妨げられてしまいます。 後遺症を起こす恐れのある第五中足骨骨折の合併症 第五中足骨骨折では、遷延癒合(せんえんゆごう)と偽関節(ぎかんせつ)が起きることがあります。 遷延癒合とは、受傷後または手術後3カ月以上経過しても、骨癒合の診断ができない状態です。一方、6カ月以上経過しても骨癒合が診断できない状態を偽関節といいます。 第五中足骨骨折は、適切な治療やリハビリテーションを進めないと、骨癒合が進まず、スポーツ復帰が困難になる場合があります。そのため、第五中足骨骨折は、受傷後からスポーツ復帰に至るまでの適切な治療とリハビリテーションが大切です。(文献1) 医師やリハビリスタッフの指示のもとで進めていきましょう。 第五中足骨骨折の治療方法と期間の目安 第五中足骨骨折の治療方法と期間の目安は以下の通りです。 治療方法 治療期間の目安 保存療法 6〜8週間 手術療法 術後2〜3カ月程度 それぞれの詳細を解説します。 保存療法|6〜8週間 軽度の場合は、6〜8週間のギプス固定や松葉杖による免荷などの保存療法が検討されることがあります。(文献6) しかし、第五中足骨骨折は、前述した遷延癒合や偽関節などが起きやすいです。また、骨癒合を得られたとしても再発のリスクが高い傾向にあります。 そのため、早期のスポーツ復帰を望む方は保存療法が第一選択になるとは限りません。とくにアスリートには手術療法を推奨することがあります。(文献2) 手術療法|術後2〜3カ月程度 手術療法では、スクリューによる髄内固定術(骨の中心部から骨折部位を固定する手術)が一般的です。 スポーツに復帰できるまでの期間は、術後2〜3カ月程度がひとつの目安です。ただし、骨折の程度や個人の治癒能力、競技レベルなどにより大きな個人差があります。(文献2) 手術に使用するスクリューの大きさや設置位置が適切でなければ、遷延癒合や偽関節、再骨折などが起きるリスクが高くなります。術後しばらくの間は、骨折した足を地面に着けて歩けないため、松葉杖で歩行しなければなりません。 早期のスポーツ復帰を望む方やアスリートには、手術療法を推奨することがあります。 スポーツ外傷に活用され始めている再生医療 近年では、筋肉、靱帯、関節などのスポーツ外傷に対して再生医療が活用されています。 再生医療とは、他の細胞に変化する能力がある幹細胞を使用する幹細胞治療や、血液から血小板を濃縮した液体を作製するPRP療法があります。これらは患者様自身の幹細胞や血液を使用するため、副作用のリスクが低い治療法です。 また、再生医療は基本的に簡単な注射だけで済むため、手術や入院の必要がありません。そのため、手術による身体への悪影響や後遺症の心配は不要です。 スポーツ外傷に対する再生医療について知りたい方は、こちらを参照してください。 第五中足骨骨折のスポーツ復帰の目安 治療方法別と骨折型別のスポーツ復帰の目安は以下の通りです。 治療内容 スポーツ復帰までの期間 保存療法から手術療法 4〜7週間 手術療法(受傷後4週以内) 5〜14週間 骨折型 スポーツ復帰までの期間 新鮮骨折(骨折して期間が短いもの) 7週間 疲労骨折 4〜14週間 遷延癒合・偽関節 5〜7週間 (文献3) 以上の復帰までの期間はあくまで目安です。骨折の状態などにより、個人差があるため参考程度に留めてください。 第五中足骨骨折の再発防止の対策 第五中足骨骨折の再発防止の対策は以下の通りです。 骨折の原因を理解する リハビリテーションを行う それぞれの詳細を解説します。 骨折の原因を理解する 第五中足骨骨折が起きる原因を理解すれば再発予防につながります。第五中足骨骨折が起きる原因は、以下のようなことが関連していると言われています。 O脚や回外足などの下肢のアライメント(向きや並び)の問題 関節の柔軟性の低下 シューズの摩耗状態 ヒールカウンター(シューズの踵部分)の硬度やフィット感 スパイクのポイントの位置や形状、高さ、摩耗状態 身体動作の原因としては、スポーツにおけるターンやステップの際に、第五中足骨に負担がかかってしまうことが挙げられます。 リハビリテーションを行う 再発を予防するには、継続的に下肢全体の可動域向上を中心としたリハビリテーションを行うことが重要です。その他にも、第五中足骨に不要な負荷を与えないための身体動作の取得や、下肢の筋力トレーニングも有効です。予防エクササイズの一例として、タオルギャザーという方法を紹介します。 椅子に座った状態または立った状態になる タオルを床に広げてその上に足底を乗せる しっかりと足の指の開閉を行いタオルを手繰り寄せる タオルギャザーは、立位バランスの向上に有効とされています。(文献4)医師やリハビリスタッフと相談しながら、治療の経過に沿ったリハビリテーションを進めましょう。 第五中足骨骨折の後遺症における障害認定 交通事故で第五中足骨骨折を受傷した場合は、障害認定を受けられる可能性があります。自動車損害賠償保障法を参考にすると、以下のように記載されています。 等級 後遺症 第12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの 第14級9号 局部に神経症状を残すもの 第11級9号 1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの 第12級12号 1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの (文献5) 神経症状は痛みなどのことで、「足指の用を廃したもの」は足の指の機能が著しく損なわれている状態を指します。該当する可能性のある方は、保険会社に問い合わせてみましょう。 まとめ|適切な治療とリハビリにより後遺症を防ごう 第五中足骨骨折の後遺症で多いのは、足関節や股関節の可動域の制限です。順調に骨癒合が得られないと、後遺症として痛みが発生することもあります。これらの後遺症を防ぐには、状態に応じた適切な治療とリハビリテーションを受けることが大切です。医師やリハビリスタッフの指示に従いながら、進めていきましょう。 近年では、骨や関節の損傷に対して再生医療が活用されています。再生医療は当院「リペアセルクリニック」でも行っています。スポーツ外傷でお悩みの方は、気軽にご相談ください。 参考文献 (文献1) Jones骨折のリハビリテーション|環太平洋大学 (文献2) Jones(ジョーンズ)骨折(第5中足骨疲労骨折)|兵庫医科大学病院 (文献3) Jones骨折の13例|西日本整形・災害外科学会 (文献4) タオルギャザー実施時の足底への荷重が立位バランスに及ぼす影響|日本理学療法士協会 (文献5) 後遺障害等級|国土交通省 (文献6) Jones骨折後の体組成成分および下肢周径の経時的変化|理学療法科学学会
2025.07.31 -
- 内科疾患、その他
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更年期に入ってから「肩こりがひどくなった」と感じる方は少なくありません。 これは主に、女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少によって自律神経が乱れ、筋肉の血流が悪化することが原因と考えられています。 さらに、姿勢の悪さや運動不足、ストレスなども症状を悪化させる一因です。 しかし、肩こりの根本的な原因を正しく理解し、自宅でのケアや医療機関での治療を適切に組み合わせれば、快適な日常を取り戻すことも可能です。 本記事では、更年期の肩こりが起こるメカニズムから自宅でできるケア方法、病院での治療法までわかりやすく解説します。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 ひどい肩こりの症状や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 更年期で肩こりがひどくなるのはなぜ?メカニズムを解説 更年期に肩こりが悪化するのは、女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少によって自律神経が乱れるのが主な原因です。 エストロゲンには自律神経を安定させる働きがありますが、更年期に入るとホルモンの分泌量が大きく減少します。 その結果、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、血管の収縮や筋肉の緊張が続きやすくなるのです。 とくに、肩や首まわりの筋肉が緊張すると血行不良が起こり、肩こりが慢性化する可能性があります。 また、加齢による筋力低下やストレスが蓄積すると、肩こりがさらに強まることも少なくありません。 更年期の肩こりは、ホルモンと神経系の変化が深く関わってひどくなるメカニズムである点を押さえておきましょう。 更年期の肩こりが起こる7つの原因 更年期に差しかかると、肩こりを訴える女性が増加します。 単なる疲労や年齢の影響だけでなく、ホルモンバランスの変化や生活習慣、自律神経の乱れなどさまざまな要因が複雑に絡み、肩こりになりやすい時期なのです。 ここでは、更年期に特有の肩こりの原因を7つに分類し、それぞれ詳しく解説します。 血流の悪化 更年期になると血流の巡りが悪くなり、肩の筋肉に十分な酸素や栄養が行き届かなくなります。 血行不良が老廃物の蓄積や筋肉の緊張を引き起こし、肩こりの症状を悪化させる原因となるのです。 さらに、冷えやすい体質も血流に悪影響を及ぼします。 血流不足が続くと肩や首の筋肉が硬直し、慢性化した痛みへと進行する恐れもあるため注意しなければなりません。 エストロゲンの減少 更年期に入って卵巣の機能が低下すると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少します。 ホルモンは血管の拡張や筋肉の柔軟性の維持に深く関与しており、不足すると筋肉が硬くなりやすく、肩こりの原因となるのです。 また、骨密度や関節の状態にも影響し、身体の可動域が狭くなりやすい傾向があります。 肩こりがホルモンの変動が原因の場合、単なるマッサージでは改善しにくい点も懸念材料です。 自律神経の乱れ 更年期の肩こりは、自律神経の乱れも原因の一つです。 エストロゲンが減少して自律神経のバランスが崩れると、交感神経が過剰に優位になって血管の収縮や筋肉の緊張が起こります。 その結果、血流の悪化と相まって肩周辺の筋肉がこわばり、肩こりを引き起こしやすくなります。 また、不眠や倦怠感といった他の更年期症状と肩こりが互いに影響し合うこともあるため、体と心の両方からケアしていくことが大切です。 姿勢の悪さ 日常生活における姿勢の悪さも、更年期の肩こりを悪化させる要因となります。 たとえば、長時間のスマートフォンの使用やパソコン作業により、猫背や前傾姿勢が癖になっていると肩甲骨周辺の筋肉が常に引っ張られた状態になってしまうのです。 姿勢の悪い状態を続けると筋肉の緊張で血流が妨げられ、肩こりが慢性化します。 とくに、更年期は筋肉量の低下も重なって姿勢を支える力が弱まっているため、肩こりを感じやすくなる傾向がある点に留意しておきましょう。 ストレス 更年期は体調の変化に加え、仕事や家庭での役割の変化、将来への不安など精神的ストレスが増す時期です。 ストレスが蓄積すると交感神経が活性化し、筋肉が硬直しやすくなります。 さらに、ストレスによって不眠や疲労感が増幅されて筋肉の回復が妨げられると、肩こりが慢性化しやすくなるのです。 リラクゼーションや趣味の時間を確保し、ストレス緩和と肩こりの軽減につなげていく意識が大切です。 心のケアが、体の不調と深く結びついている点を認識しておきましょう。 運動不足 加齢とともに運動量が減ると、肩こりが起こりやすくなるため注意が必要です。 運動不足になると筋肉量の減少と柔軟性の低下が進み、血流も悪化します。 とくに肩周りの筋肉は使わないと硬くなりやすく、日常の動作だけでも疲労しやすくなるのです。 また、筋肉が弱ると正しい姿勢を維持できなくなり、肩こりを引き起こす要因になります。 定期的なストレッチや軽い運動を習慣化し、肩こり予防につなげていきましょう。 ひどい肩こりは病気の可能性も 慢性的に肩こりが続き、以下のような症状がある場合には他の疾患が関与している可能性があります。 痛みが強い 頭痛や吐き気を伴う 手のしびれがある たとえば、頸椎症や椎間板ヘルニア、高血圧や内臓疾患などが肩こりの原因となるケースもあるため要注意です。 とくに、更年期は体調が変化しやすいため「更年期だから仕方ない」と自己判断せず、異常を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。 更年期の肩こりを和らげる自宅ケア方法・治し方 更年期に入ると肩こりが慢性化し、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。 医療機関での治療も大切ですが、日常的なセルフケアによって症状を和らげることも十分可能です。 ここでは、自宅で簡単に取り組める更年期の肩こり対策を紹介します。 ツボ押し 肩こりに効くツボを刺激することで、血流を促進し筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。 正しい位置と押し方を確認した上で、毎日の習慣に取り入れてみましょう。 肩こり解消に適した主なツボには、以下のようなものがあります。 肩井(けんせい):首の根元と肩先との真ん中にあるツボ 天柱(てんちゅう):髪の毛の生え際付近で、首の太い骨の外側にあるツボ (文献1) 指の腹でゆっくりと5秒間押すのを数回繰り返すことで、心地良い刺激となって肩まわりの筋肉がほぐれやすくなります。 ただし、強く押しすぎると逆効果になるため、心地良いと感じる程度の力加減がツボ押しのポイントです。 十分な睡眠 十分な睡眠は自律神経を整え、筋肉の回復を促すために不可欠です。 とくに、更年期にはホルモンの変化によって不眠や眠りの質が低下しやすいため、以下のような対策を心がけましょう。 就寝前1時間はスマートフォンを見ない 寝室を暗く静かに保つ 毎日同じ時間に寝起きする 睡眠中は筋肉が緩んで血流も改善されるため、質の高い睡眠は肩こりの軽減に直結します。 また、十分な睡眠は肩こりの軽減だけでなく、全身の健康維持にも重要です。 ぬるま湯で入浴 38〜40度程度のぬるめのお湯にゆっくりと浸かると、自律神経のバランスを整えやすくなります。 入浴によって体温が上がると血行が促進され、筋肉の緊張がほぐれやすくなるのです。 以下のポイントを意識して実践してみましょう。 15〜20分程度の半身浴 入浴剤を使用してリラックス効果をアップ また、就寝前に入浴すると入眠しやすくなる効果もあるため、睡眠の質向上にもつながります。 患部を温める 肩こりの原因が肩まわりの血行不良である場合、外から温めると症状が改善するケースがあります。 温めることで局所の血行が促進され、筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。 とくに、冷房の効いた環境に長時間いると肩が冷えやすくなるため、温熱ケアは積極的に取り入れたい肩こり対策の一つです。 以下のような方法を試してみましょう。 蒸しタオルや温熱シートを使って肩を温める 冬場はカイロや温熱パッドを活用してしっかり温める ただし、炎症を伴うような強い痛みや熱を持っている場合は、温めると逆効果になる点に留意しておきましょう。 ストレッチ 肩まわりの筋肉をやさしく動かすストレッチは、肩こりの予防と解消に効果が期待できます。 なかでも、肩甲骨周辺の筋肉をほぐすストレッチを試してみてください。 手順は以下の通りです。 1.両ひじを曲げて肩より上に上げ、手は軽く握って鎖骨のあたりに置いて腕がV字になるようにする 2.両ひじをゆっくりと後ろに引き、5秒かけて息を吐く。ひじの位置はできるだけ下げないように注意し、肩甲骨を背骨に向かって寄せる意識で強めに引き寄せる 3.肩甲骨を寄せたまま「ひじを下げてから脱力する」を5回繰り返す (文献2) 起床時と就寝時に5回ずつ、上記の肩甲骨ストレッチを習慣にしてみましょう。デスクワークの合間などに行うのもおすすめです。 ただし、無理な動きは避け、心地よく感じる範囲でストレッチしてください。 入浴後など、身体が温まっている時間帯に行うと効果を高められます。 生活習慣の見直し 日常生活の中で、肩こりの原因となる習慣を見直す意識も大切です。 とくに、更年期に入ると日々の体調が変化しやすくなるため、規則正しい生活リズムを心がけましょう。 たとえば、以下のような点に注意してください。 長時間同じ姿勢を避け、1時間に一度は体を動かす スマートフォンやパソコンの画面を目線の高さに合わせる バランスの良い食事を心がける また、カフェインやアルコールの摂取を控えると、自律神経を安定させる効果が期待できます。 これらの生活習慣の改善は、肩こりの軽減だけでなく全身の健康維持にもつながります。 更年期の肩こりの治療法 更年期の肩こりは、ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れが主な原因であり、症状が長引く場合は医療機関での適切な治療が必要です。 ここでは、更年期の肩こりに対する代表的な治療法を2つ紹介します。 ホルモン補充療法(HRT) ホルモン補充療法(HRT)は、更年期に減少するエストロゲンを補う治療法です。 エストロゲンの補充によって自律神経のバランスを整え、肩こりや腰痛の緩和を目指します。(文献3) ただし、更年期障害の中でも重い症状に対して実施される治療法であり、副作用のリスクがある点に注意が必要です。 持病がある場合には、医師の診察と管理のもとで慎重に治療を行う必要があります。 漢方療法 漢方療法は、全身のバランスを整えることを目的とした治療法です。 多種多様な漢方の中から個々の体質や症状に合わせて処方され、肩こりや腰痛だけでなく疲れやすさや冷え、不眠といった更年期特有のさまざまな症状の軽減を目指します。 漢方は副作用が比較的少ないため、長期的な体調改善を目的とする方におすすめです。 また、西洋医学との併用も可能で、症状に合わせて柔軟な治療が行える点もメリットです。 更年期の肩こりだけでなく、腰痛にもお悩みの方は以下の記事もご覧ください。 まとめ|更年期に肩こりが悪化しやすい原因を理解して改善に取り組もう 更年期に肩こりが悪化しやすいのは、エストロゲンの急激な減少による自律神経の乱れや血流の悪化が主な要因です。 また、姿勢の悪さや運動不足、ストレスの蓄積なども複合的に影響しています。 肩こりの原因を正しく理解し、自宅でできるケアや生活習慣の見直しから無理なく始めてみてください。 改善が見られない場合は、ホルモン補充療法や漢方治療といった医療的なアプローチの検討も重要です。 早めの対策と継続的なケアで、更年期の肩こりを無理なく和らげていきましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供や簡易オンライン診断を行っております。 再生医療についての疑問や気になる症状があれば、公式LINEに登録してぜひ一度ご利用ください。 参考文献 (文献1) 肩こりの解消法③ かんたんなツボ押し|大原薬品 (文献2) 肩こりにおすすめ!肩甲骨ストレッチ|沢井製薬 (文献3) 更年期相談室|更年期の症状!肩こりや腰痛、背中の痛みの原因と対策
2025.07.31 -
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「最近、心臓がドキドキする回数が増えた」「急に息苦しくなり、不安を感じるときがある」 このような不調が増えたなら、更年期のホルモンバランスの乱れが影響している可能性があります。 更年期は、女性ホルモンであるエストロゲンの急激な減少により、自律神経の働きが不安定になりやすく、不整脈や動悸などの症状が現れる場合があるのです。 本記事では、更年期に起こる不整脈や動悸の原因から、症状、診断方法、予防・対処法までわかりやすく解説します。 とくに、心と体の不調を抱える更年期世代の方は参考にしてみてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 気になる症状や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 更年期と不整脈の関係性 更年期になると、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が急激に減少します。 エストロゲンが減ると自律神経のバランスが乱れ、動悸や息切れ、胸の圧迫感といった不整脈の症状が現れやすくなるのです。 ただし、更年期だからといって誰もが不整脈を起こすわけではなく、個人差があります。 また、不整脈の症状は更年期障害によるものだけでなく、心疾患など他の病気が原因の可能性もあるため、自己判断せず医療機関での正確な診断が重要です。 更年期に起きる動悸の症状 更年期における動悸の症状は、心臓が激しく打つように感じたり、胸がドキドキしたりといった不快感として現れます。 日常生活の中で突然出現し、数秒から数分で収まる場合が多いのが特徴です。 動悸に伴って、息切れや胸の圧迫感、不安感を同時に感じるケースもあります。 とくに安静時や夜間に起こりやすく、寝つきが悪くなる原因になる場合も少なくありません。 動悸の頻度や持続時間には個人差がありますが、継続的に「何もしていないのに心臓が急に速くなる」と感じる場合は注意が必要です。 自律神経のバランスの乱れが原因で心拍調整がうまくいかなくなっている可能性があり、早期に医療機関で検査・診断を受けましょう。 脈が飛ぶ不整脈「期外収縮」とは 「期外収縮」とは、心臓が通常よりも早く1回だけ拍動し、そのあとに一拍の休止が生じる不整脈を指します。 脈が一瞬抜けたように感じられるのが特徴です。(文献1) 正常な心拍に混じって突然早い拍動が起こり、その後に長めの休止が生じるため、脈が一瞬抜けたように感じられます。 多くの場合、健康な人にも見られる良性の不整脈であり、一時的であれば治療の必要はありません。 しかし、更年期の女性はホルモンバランスの変化や自律神経の不調が関与し、頻度が増す場合があります。 また、胸の違和感や不安感を伴う場合は心臓疾患の可能性があるため、医療機関で検査を受けましょう。 更年期に起こりやすい不整脈・動悸・息切れの原因 更年期に見られる不整脈、動悸、息切れの主な原因は、エストロゲンの分泌低下による自律神経の乱れです。 エストロゲンは心血管系の安定にも関与しており、減少すると交感神経と副交感神経のバランスを崩し、心拍の変動を引き起こしやすくなります。 また、次のような要因も症状を悪化させる要素です。 ストレスや不安:更年期には心理的な影響を受けやすく、緊張や不安が心拍数を上昇させる 睡眠障害:ホルモン変動によって睡眠の質が低下し、夜間の動悸や不整脈の発生リスクが高まる 体力の低下や運動不足:筋力や心肺機能の低下が息切れや動悸を助長する原因となる カフェインやアルコールの摂取:刺激物の影響で心拍が不規則になる 上記の要因は単独でも症状を引き起こしますが、複数が重なると症状が強く現れる場合があります また、更年期には血圧の変動が激しくなる傾向もあり、血圧の急激な上昇や下降が息切れの原因となる点にも留意しておきましょう。 症状が慢性化する前に生活習慣を見直し、必要に応じて医療機関を受診することが大切です。 更年期に起こりやすい不整脈の診断・治療 更年期に起こる不整脈の診断では症状の詳細な問診に加え、心電図やホルター心電図(24時間心電図)などの検査を行います。(文献2) 不整脈の種類や頻度、持続時間を確認し、危険性の有無を評価するのが目的です。 必要に応じて血液検査や心エコー検査も追加され、心疾患や甲状腺機能異常など他の疾患との区別も行われます。 治療は不整脈の種類や症状の重さによって異なり、軽度であれば経過観察やストレス管理、規則正しい生活、適度な運動といった生活習慣の改善が中心です。 重症で日常生活に支障をきたす場合は、抗不整脈薬などの薬物療法が行われます。 いずれにしても不整脈が気になるなら、深刻な状態になる前に医療機関で適切な診断を受けましょう。 更年期の不整脈による動悸・息切れの対処法・予防法 更年期における不整脈や動悸、息切れの症状は、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。 症状に応じた適切な対処法を知り、予防につなげていく意識が大切です。 ここでは、代表的な対処・予防法を解説します。 ホルモン補充療法 更年期の不整脈がエストロゲンの分泌低下による自律神経の乱れが原因と判断されると、ホルモン補充療法(HRT)が提案される場合があります。 ホルモン補充療法とは、更年期症状の改善を目的とした治療の一つです。(文献3) 飲み薬や貼り薬、塗り薬などの方法があり、身体の状態に合わせて選択されます。 ただし、副作用として不正出血・乳腺の張り・頭痛、さらに子宮体がんや乳がん、血栓症のリスクがあるため定期的な検診が必要です。 リスクを十分に把握した上で、医師に相談しながら検討しましょう。 漢方薬 漢方薬は、体質や症状に応じて処方される自然由来の治療法です。 副作用が比較的少なく、子宮体がんや乳がんなどの持病があってホルモン補充療法が難しい方や、軽症の方の選択肢の一つとなります。 漢方は全身のバランスを整えることを目的としており、体質や症状に応じて処方されるため、ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)や眠気などさまざまな更年期の不調に対して用いられる場合があります。 生活習慣を見直す 更年期中のストレス・疲労・睡眠不足は、不整脈による動悸・息切れの症状を悪化させる恐れがあります。 不整脈の負担を減らすべく、以下の生活習慣を取り入れてみましょう。 食事:バランスの良い食事を1日3食摂り、イソフラボンやビタミンE・C・食物繊維の摂取を意識する 睡眠:夜更かしを避け、規則正しい睡眠・起床を心掛ける ストレス管理:趣味やリラックス時間を確保し、精神的負荷を減らす 上記のような生活習慣が自律神経を安定させる基盤となり、軽微な動悸・息切れの症状悪化を防ぐことにつながります。 無理のない範囲で、家族の協力も得ながら実践していきましょう。 運動する 有酸素運動は心肺機能を高めて血行を促進し、自律神経の調整にも効果が期待できます。 ウォーキング・サイクリング・水中運動などを週に3~5回、各30分程度だけでも続けてみましょう。 また、運動は生活習慣病予防や体力維持にもつながります。 無理のない範囲で日常的に取り入れてみましょう。 飲酒や喫煙を控える アルコールは中性脂肪やコレステロールを増やし、タバコは動脈硬化を進行させます。 微小血管の機能低下を招き、動悸や息切れ、胸痛などを悪化させる可能性があるため控えるべきです。 また、飲酒と喫煙は自律神経に刺激を与え、とくにタバコは血管の収縮を促進し、心臓への負担を大きくします。 更年期の不整脈による動悸・息切れを悪化させる原因にもなるため、控えましょう。 こんな症状があったら要注意|更年期の不整脈セルフチェック 更年期の不整脈や動悸・息切れが気になる場合、自覚症状の客観的な把握が重要となります。 自己チェックの方法の一つが、「簡略更年期指数(SMI)」です。 更年期障害の症状を点数化するチェック表で、動悸や息切れを含む10項目に対して自己評価を行います。 症状 強 中 弱 なし 顔がほてる 10 6 3 0 汗をかきやすい 10 6 3 0 腰や手足が冷えやすい 14 9 5 0 息切れ・動悸がする 12 8 4 0 寝つきが悪い・眠りが浅い 14 9 5 0 起こりやすく、イライラする 12 8 4 0 くよくよしたり、憂うつになる 7 5 3 0 頭痛・めまい・吐き気がよくある 7 5 3 0 疲れやすい 7 4 2 0 肩こり・腰痛・手足の痛みがある 7 5 3 0 症状の程度に応じて自分で〇をつけ、点数を計算しましょう。 症状の強弱の目安は以下の通りです。 強:毎日のように出現 中:毎週みられる 弱:症状として強くはないがある 合計点を以下と照らし合わせ、医療機関を受診する際の目安にしてください。 0~25点:上手に更年期を過ごしており、これまでの生活態度を続けていきましょう 26~50点:食事や運動に注意しながら、無理のない生活を心掛けましょう 51~65点:医師の診察を受け、生活指導・カウンセリング・薬物療法を受けましょう 66~80点:半年以上長期間の計画的な治療が必要な状態でしょう 81~100点:精密検査を受け、更年期障害のみの場合は専門医での長期的な対応が必要でしょう (文献4) ただし、簡略更年期指数はあくまで目安です。 点数が50点以下の場合でも、具合が悪いときは医療機関を受診してください。 まとめ|更年期の不整脈による動悸を予防しよう 更年期に見られる不整脈や動悸は多くの場合、ホルモンバランスの変化と自律神経の乱れに起因しています。 突然の胸のドキドキや脈の乱れが起こると不安になりますが、早期に対処すれば日常生活に大きな影響もなく過ごすことも可能です。 症状が続く場合には、婦人科や循環器科で検査・診断を受けましょう。 更年期の動悸は体からのサインです。 放置せず、自身の身体と向き合いながら適切なケアを心がけてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供や簡易オンライン診断が受けられます。 再生医療についての疑問や気になる症状があれば、公式LINEに登録して一度ご利用ください。 更年期の動悸や不整脈に関するよくある質問 更年期の不整脈が気になる場合は何科を受診すれば良いですか? 更年期に不整脈や動悸が気になる場合は、まず「婦人科」でホルモンバランスを確認します。 ただし、症状が軽度であれば婦人科で問題ありませんが、胸痛や強い動悸がある場合は心疾患の可能性もあるため「循環器内科」を受診しましょう。 更年期の動悸はどれくらい続きますか? 動悸の持続期間は個人差があるため一概にいえないものの、2~3年以上続く場合もあります。(文献5) エストロゲンの変動が大きい50歳前後の更年期に動悸が起こりやすいですが、60歳を過ぎても持続するケースがある点に留意しておきましょう。 一般的には、更年期の終わりとともに軽快する傾向があるとされています。 症状が長引く場合や日常生活に支障をきたす場合は、医師機関を受診してください。 動悸が治らないときはどうすれば良いですか? 動悸が継続する場合は、まず医療機関で精密検査を受けましょう。 心電図やホルター心電図により、心臓由来の異常かどうかが判断されます。 心疾患でない場合は更年期障害として判断され、ホルモン補充療法や漢方薬による対処法が一般的です。 また、生活習慣の見直しも重要になります。 男性にも更年期障害はあるのですか? 男性にも、「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」と呼ばれる更年期障害が起こる場合があります。 男性ホルモンであるテストステロンの分泌低下により、疲労感や抑うつ、不眠、性機能低下などが現れるのが特徴です。 症状が気になる場合は、泌尿器科または男性更年期に詳しいクリニックに相談しましょう。 参考文献 (文献1) 「動悸・息切れ、不整脈」は中高年女性に多く、精神的ストレスの影響も。受診の目安は?|家庭画報.com (文献2) 不整脈の診断・治療|キタ・クリニック (文献3) ホルモン療法とは?更年期対策でやるべき3つの理由|更年期相談室 (文献4) 簡略更年期指数PDF|東京大学医学部附属病院 (文献5) 更年期の動悸や息切れの原因、対処法。症状セルフチェック法や不整脈など他の病気との違いも丁寧に解説。|白金高輪海老根ウィメンズクリニック
2025.07.31 -
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更年期に入ると、突然視界にチカチカとした光が現れたり、ギザギザした模様が見えたりする「閃輝暗点(せんきあんてん)」に不安を感じる方が少なくありません。 一時的な視覚異常であるケースが多いものの、女性ホルモンの急激な変化や脳・眼の病気が隠れている場合もあります。 とくに、40代〜60代の女性はホルモンバランスの乱れが血管や神経に影響を与えやすく、閃輝暗点を引き起こすリスクが高まるため注意が必要です。 本記事では、更年期における閃輝暗点の原因・症状・治療法・予防法に加え、誤認しやすい他の疾患や注意点について詳しく解説します。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 気になる症状や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 閃輝暗点と更年期の関係性 突然視界にギザギザした光が現れる「閃輝暗点(せんきあんてん)」と更年期の関係において、現在のところ明確な医学的根拠は確認されていません。 しかしながら、更年期に入っている50代女性に閃輝暗点の発症が見られる傾向がある、という報告もあります。(文献1) ホルモンバランスの変化や血管の収縮・拡張が影響している可能性があり、体調の変化として注意が必要です。 症状が続く場合は、医師に相談することを推奨します。 更年期の方が閃輝暗点を発症する原因 更年期に入ると体の変化によってさまざまな症状が起こり、閃輝暗点による視覚異常を経験する人も少なくありません。 更年期と閃輝暗点に医学的な因果関係は示されていませんが、更年期の女性に多く見られる傾向があることから、いくつかの要因が影響していると考えられています。 ここでは、脳の血管の収縮・拡張、ストレス、食生活の観点から閃輝暗点の原因を解説します。 脳の血管の収縮・拡張 閃輝暗点は、視覚をつかさどる脳の後頭葉で一時的に血流が乱れることによって生じると考えられています。 この血流の乱れの背景には、脳の血管が急激に収縮したあと、反動的に拡張するという変化があります。 こうした血管の変動が、視覚情報を処理する神経細胞に一時的な興奮を引き起こし、視界にチカチカとした光やギザギザ模様が現れるのです。 とくに更年期の女性においては、エストロゲンの分泌が急激に低下することによって血管の柔軟性が失われやすくなり、自律神経による血流調整も不安定になりがちです。 そのため、血管の収縮や拡張が起こりやすくなり、結果として閃輝暗点が発生しやすい状態になると考えられています。 このように、ホルモン変動や自律神経の乱れといった体の変化が血管の不安定さを招き、閃輝暗点の原因となる可能性があります。 ストレス 更年期はホルモンバランスの変化だけでなく、仕事や家庭の環境の変化とも重なるケースが多く、精神的なストレスが蓄積しやすい時期でもあります。 ストレスが自律神経を介して血管の収縮や拡張を促進し、結果的に閃輝暗点の原因となる可能性があるため注意しなければなりません。 また、慢性的なストレスは脳内の神経伝達物質の働きにも影響を与え、閃輝暗点を繰り返し発症するリスクを高めると考えられています。 更年期に入ってから視覚に異常を感じるようになった場合、日常生活において精神的な負荷がかかっていないか振り返る習慣も大切です。 食生活 日々の食生活も閃輝暗点の発症と深く関係しているとされています。 たとえば、チーズや赤ワイン、チョコレートなどに含まれるチラミンやフェニルエチルアミンなどの物質は血管を刺激する作用があり、発作の引き金となる可能性があるとされているのです。 また、更年期の女性はカルシウムやマグネシウムが不足する傾向があり、神経伝達や筋肉の収縮に影響を及ぼす可能性が指摘されています。 さらに、基礎代謝の低下によって血糖値の変動も不安定になりがちです。 とくに、高血糖になると脳の血管にダメージを与えやすく、閃輝暗点のリスクが高まります。 バランスの取れた食事を心がけ、急激な血糖値の変化を避ける意識を心がけましょう。 閃輝暗点の症状 閃輝暗点は、突然視界にギザギザとした光や模様が現れる視覚異常です。 視野の中心や端にチカチカとした光が現れ、暗点や視界の欠けが生じる場合があります。 多くは20~30分で自然に消失しますが、人によっては日常生活に支障をきたすケースもあるため注意が必要です。 片頭痛との関連性 閃輝暗点は、片頭痛と深い関わりがあることが知られています。 「前兆のある片頭痛(片頭痛の前に視覚異常が起きるタイプ)」では、閃輝暗点が典型的な前兆症状として出現します。 閃輝暗点の後に、脈に合わせてズキンズキンと激しい頭痛が続くのが特徴です。 ただし、すべての閃輝暗点が片頭痛を伴うわけではありません。 視覚症状だけが単独で現れるケースもあり、とくに更年期以降の女性に多く見られます。 また、月経周期との関連も報告されており、女性ホルモンの変動が神経系に影響を与えている可能性もあるため、発症したら早期に診断を受けましょう。(文献2) 閃輝暗点を放置するとどうなるのか 閃輝暗点そのものは一時的な症状であり、重篤な疾患ではないと考えられがちです。 ただし、繰り返し発症する、頻度が増すといった場合には、脳の血流異常や神経系の障害が進行している可能性も否定できません。 また、一過性脳虚血発作などの視覚異常を起こす他の疾患との鑑別も重要になります。(文献3) とくに高血圧や動脈硬化などの既往がある場合は、脳血管障害の前兆の可能性もあるため注意が必要です。 症状が繰り返される、あるいはこれまでにない状態で出現した場合には、放置せず専門医を受診しましょう。 閃輝暗点の治療法 閃輝暗点の症状は一時的で自然に消失するケースが多いため、ほとんどの場合で特別な治療を必要としません。 しかし、症状が繰り返し現れる、あるいは日常生活に支障をきたす場合には、適切な診断と対処が必要です。 閃輝暗点が片頭痛と関連しているなら、医師の診察のもとで鎮痛剤や制吐剤などを処方される場合があります。(文献4) また、睡眠の質やストレス管理、バランスの取れた食事といった生活習慣の見直しも、発作のリスクを減らせる可能性があります。 はじめて閃輝暗点を経験したり、これまでと異なる症状が出現したりした場合は自己判断で済ませず、「脳神経内科」または「脳神経外科」を受診しましょう。 MRIやCTなどの画像診断で脳の異常を確認できれば、重篤な疾患の早期発見にもつながります。 閃輝暗点の予防法 閃輝暗点の予防には、生活習慣の見直しが必要です。 とくに、更年期の女性はホルモンバランスの変化によって発症しやすいため、徹底した体調管理が求められます。 たとえば、以下のような生活習慣を取り入れてみましょう。 規則正しい睡眠と十分な休養を確保する リラックスできる環境を整える バランスの良い食生活を心がける 長時間のパソコン作業や強い光の刺激を避ける 適度に運動する まず、規則正しい生活を送ることが基本です。 睡眠不足や過度な疲労、急な気温変化などが発症の引き金となるため、十分な休息と体調管理が欠かせません。 また、ストレスも大きな要因の一つであり、過度の緊張や精神的負荷は自律神経のバランスを崩し、発作を誘発しやすくします。 適度な運動や趣味の時間を持つなど、ストレスを溜め込まないように工夫をこらしましょう。 さらに、食事の内容にも注意が必要です。 たとえば、チョコレートやアルコール、コーヒーのカフェインなどは血管を刺激する物質を含むため、摂取を控えたほうが良いとされています。(文献5) 更年期の方が閃輝暗点と誤解しやすい目の病気 更年期の女性は、ホルモンバランスの変化によって身体や精神面にさまざまな症状が現れやすくなります。 突然視界に光が見えたり、欠けて見えたりといった目に関する現象は閃輝暗点として認識される場合が多いですが、実際には他の病気が原因であるケースも少なくありません。 見た目の症状が似ているからと自己判断で済ませてしまうと、重大な疾患を見逃す可能性があるため注意しましょう。 ここでは、閃輝暗点と誤認されやすい代表的な疾患について、それぞれの特徴を解説します。 網膜剥離 網膜剥離は、眼球内の網膜がはがれることで視野に異常が現れる病気です。 放置すれば失明に至る危険もある緊急性の高い疾患であり、視界に突然光が走るほかに、黒い影が出現する「光視症」や「飛蚊症」が前兆として現れる場合があります。(文献6) 閃輝暗点の視覚の異常が突然はじまる症状に類似していますが、網膜剥離は時間とともに悪化する傾向があり、視野の欠損が拡大するため注意が必要です。 視野に異常が続く場合はすぐに眼科を受診しましょう。 頭蓋内疾患 更年期以降は、脳の病気との鑑別も重要です。 脳腫瘍や脳動脈瘤、一過性脳虚血発作などの頭蓋内疾患(ずがいないしっかん)を発症すると、視覚異常が現れる場合があります。 とくに、片側だけの視野障害や持続的な頭痛を伴う場合は頭蓋内疾患の可能性があり、見逃せません。 発症年齢や既往歴からもリスクが高いと判断される場合には、脳神経内科や脳神経外科を早急に受診してください。 飛蚊症 飛蚊症(ひぶんしょう)は視界に浮遊物が見える症状で、閃輝暗点のような光の刺激は少なく、黒い影や点が動いて見えるのが特徴です。 多くは加齢に伴う生理的変化によるものですが、病気が原因のケースもあります。 突然症状が現れたり、数が急増したりする場合は、網膜裂孔や網膜剥離の前兆の恐れもあるため要注意です。 光視症 光視症(こうししょう)は、視界に閃光や稲妻のような光が見える症状です。 閃輝暗点と同じく光が見える症状では似ていますが、光視症は数秒から数分と比較的短時間で消える傾向があります。 ただし、網膜裂孔や網膜剥離の前兆のケースもあるため、決して軽視できません。(文献3) 片眼だけに生じる場合が多く、症状が繰り返されるなら精密検査を受けましょう。 まとめ|更年期の閃輝暗点を放置しないように注意 更年期は心身にさまざまな変化が生じやすく、閃輝暗点のような視覚異常が現れるケースも少なくありません。 一見すると軽い症状に見えても、脳や目の病気が隠れている可能性があるため、安易に自己判断せず適切な医療機関で診断を受けましょう。 症状を繰り返す、長引く、不安を感じるといった場合は、脳神経内科や眼科での受診を検討してください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報発信や簡易オンライン診断を実施しています。 再生医療についての疑問や気になる症状があれば、ぜひ一度ご利用ください。 更年期の方の閃輝暗点に関するよくある質問 閃輝暗点は女性ホルモンと関係ありますか? 閃輝暗点は、女性ホルモンやエストロゲンの変動と関係があるとされ、月経や更年期などホルモンバランスが大きく変化する時期に発症しやすい傾向があります。 ホルモンの乱れによって脳内の血流や神経伝達に影響が及ぶと、閃輝暗点が現れるきっかけとなる可能性があるのです。 40代・50代・60代で閃輝暗点を発症し、頭痛なしのケースはありますか? 閃輝暗点は、必ずしも頭痛を伴うわけではありません。 40代以降の女性の場合、視覚異常のみが現れて頭痛を伴わないケースがあります。(文献7) ただし、閃輝暗点は加齢や更年期による神経・血管の変化が影響しているため、頭痛がないからといって安心せず、症状が繰り返される場合は医師の診察が必要です。 閃輝暗点を発症した人の脳梗塞になる確率は? 閃輝暗点自体が、脳梗塞を直接引き起こす原因になるとの医学的根拠は現在のところありません。 ただし、閃輝暗点を持つ人に脳梗塞が見つかった症例もわずかながら報告されています。(文献8) とくに、高血圧や糖尿病などのリスク因子がある方は注意が必要です。 また、閃輝暗点が脳梗塞の前兆の可能性もあるため、繰り返す場合は早めに受診してください。 閃輝暗点の発症に、即効性のある治し方はありますか? 閃輝暗点に即効性のある治し方はなく、症状自体に直接作用する特効薬もありません。 発症した際には、以下のような対処法が症状の軽減につながる可能性があるので、試してみましょう。 目を閉じて安静にする 暗い場所で休む 水分を摂る 強い光やストレス、疲労を避ける なお、片頭痛を伴う閃輝暗点の場合は、症状を緩和させる薬物を処方されるケースがあります。 閃輝暗点と肩こり・首こりは関係ありますか? 肩こりや首こりによる血流障害や筋肉の緊張が、脳への血流を不安定にして閃輝暗点の引き金になる場合があります。 とくに、長時間のデスクワークや下を向く姿勢でスマートフォンを使用し続けると、症状が悪化する恐れがあるため気を付けましょう。 正しい姿勢を保つように意識するほか、適度なストレッチで首や肩の緊張をほぐすと予防につながるので試してください。 参考文献 (文献1) 閃輝暗点と更年期障害の関連性|横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科 (文献2) 急に視界の一部が見えない:閃輝暗点の原因・症状・対処法|溜池山王 伊藤眼科 (文献3) 閃輝暗点|医療法人脳神経外科たかせクリニック (文献4) 閃輝暗点(せんきあんてん)とは?概要・原因・治療法・予防方法を紹介|わかさ生活 (文献5) 目がチカチカする!?閃輝暗点の原因って?放置するとよくない?症状や予防も解説|医療法人社団慶月会 経堂こうづき眼科 (文献6) 網膜剥離|公益財団法人日本眼科学会 (文献7) 「特集」閃輝暗点の原因について|土屋薬品MEDIOUSS (文献8) 閃輝暗点が脳梗塞である確率|横濱もえぎ野クリニック 脳神経外科・脳神経内科
2025.07.31 -
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更年期に差しかかると、心身にさまざまな変化が現れます。 なかでも腰痛は、多くの女性が悩まされる代表的な症状の一つです。 女性ホルモンの急激な減少や加齢、心理的なストレスが複雑に絡み合って腰に不調をもたらしますが、他の病気が隠れている可能性も否定できません。 そこで本記事では、更年期の腰痛の原因と症状、日常生活でできるセルフケアの方法、医療機関での対応について詳しく解説します。 新しい選択肢として注目されている再生医療も紹介するので、腰痛で悩んでいる方は参考にしてみてください。 更年期に発症する腰痛のお悩みを今すぐ解消したいとお考えで、再生医療に興味がある方は当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 更年期と腰痛の関係|主な原因と傾向について 更年期に入ると、多くの女性が体調の変化を実感するようになります。 なかでも腰痛は、日常生活に支障をきたすほどの悩ましい症状の一つです。 ここでは、更年期に起こる腰痛の主な原因と傾向について、4つの視点から解説します。 女性ホルモンバランスの乱れが主な原因 更年期に入ると、エストロゲンを中心とした女性ホルモンの分泌量が大きく減少します。 ホルモンは骨や筋肉、関節の状態に深く関与しており、女性ホルモンの減少が腰痛の原因の一つです。 また、エストロゲンの低下により、骨密度が減少して骨粗しょう症が進行しやすくなります。(文献1) 結果として、腰椎への負担がさらに増してしまうのです。 さらに、関節や筋肉の柔軟性低下も、腰痛を引き起こす要因となります。 ストレスが原因の場合がある 更年期には身体的な変化に加え、心理的ストレスも腰痛に大きく関係します。 ホルモンバランスの乱れによって感情の起伏が激しくなり、不安やイライラを感じることも少なくありません。 自律神経の働きが乱れて筋肉の緊張が続くと、腰痛が悪化するケースがあるのです。 さらに、ストレスは睡眠の質を低下させ、身体の回復機能も阻害します。 身体状態の回復が遅れると慢性的な痛みにつながる恐れもあるため、ストレスに対する心理的なケアも更年期の腰痛対策には欠かせない要素です。 高齢になるほど悪化する傾向がある 加齢に伴う筋力や柔軟性の低下も、腰痛が悪化する一因です。 とくに、女性は閉経後に筋肉量が減少しやすく、姿勢の維持や日常動作に負担を感じるケースがあります。 運動不足が続くと体幹の筋力が低下し、腰椎へのサポート力が弱まってしまうのです。 また、加齢によって背骨の骨と骨の間にある椎間板に亀裂が入ってクッション機能が失われる「椎間板変性症」も、慢性的な腰痛の原因となります。 このような身体の変化は年齢とともに徐々に進行するため、早めの対策が重要です。 他の病気の可能性 腰痛が更年期による可能性が高いとはいえ、他の病気が原因かもしれません。 たとえば、骨粗しょう症による圧迫骨折や変形性脊椎症、椎間板ヘルニアなどの整形外科的疾患が隠れているケースも考えられるのです。(文献2) さらに、腎臓や婦人科系の疾患でも腰部に痛みが出る場合があります。 症状が長引くときや強い痛みがある場合には自己判断で済ませず、医師の診断を受けましょう。 なお、当院「リペアセルクリニック」では、ヘルニアなどの腰痛に対する再生医療を行っております。 公式LINEでは簡易オンライン診断が受けられるので、腰の痛みにお悩みの方は、登録してぜひ一度お試しください。 更年期の腰の痛み・主な症状 更年期における腰痛には、痛みの部位や強さ、持続時間などさまざまな点で個人差があります。 単なる「腰が痛い」という表現では説明しきれない、多様な症状が存在するのです。 ここでは、具体的な痛みや症状について解説します。 腰全体が重だるい 腰全体に広がる重だるさは、更年期のホルモンバランスの乱れによって筋肉や関節の柔軟性が低下した可能性が考えられます。 とくに、長時間同じ姿勢を続けた後や起床時に感じやすいのが特徴です。 腰全体が重だるい状態は血流の悪化や筋肉の緊張が関係している場合が多く、軽いストレッチや入浴で改善できるケースがあります。 鈍痛が続く 腰の奥の方で感じる鈍い痛みは、慢性的な筋肉のこわばりや骨の異常が関係している場合があります。 鈍痛が続く方は、日常生活の中で無理な姿勢を続けていたり、運動不足が影響していたりするケースも少なくありません。 放置すると悪化する可能性があるため、早めの対処が必要です。 特定の場所が痛い 腰のある一部に集中して痛みが生じる場合、部分的に炎症や筋肉の損傷が起きている可能性があります。 また、関節や椎間板に問題がある場合にも、局所的な痛みとして現れる場合があります。 痛みの範囲が限定されている場合でも、安易に放置せず医師に相談しましょう。 力が入らない 腰部の筋力低下により、物を持ち上げる際に力が入らないと感じるケースも少なくありません。 更年期に伴う筋肉量の減少や運動不足が主な原因であり、体幹の安定性が低下すると腰への負担が増えてしまいます。 とくに、腰周辺のトラブルが原因で神経が影響を受けると、立ち上がりや歩行時に不安定さを感じて危険です。 放置すると転倒リスクが高まる可能性があるため、医師の診断を受けて早めに対処しましょう。 腰に加えて手足にも痛みがある 腰だけでなく手足にも痛みが及ぶ場合は、神経への圧迫や椎間板の変形などが原因になっている可能性があります。 とくに、坐骨神経痛のように腰から足にかけて痛みやしびれが広がる場合には、整形外科的な検査が必要です。 早期の発見と治療が症状の進行を防ぐ鍵になります。 左側・右側など片側だけ痛い 腰の片側だけに痛みを感じる場合、負荷が集中している可能性が考えられます。 たとえば、寝る姿勢や座り方の癖、利き手・利き足の使い方などが原因で、筋肉の使い方に偏りが生じる場合があるのです。 また、腎臓や内臓疾患による関連痛の可能性も否定できません。 片側の痛みが続くときには生活習慣を見直すほか、必要に応じて医療機関を受診しましょう。 更年期の腰痛を治すために自分でできる改善方法 更年期における腰痛は、日常生活の中での工夫で改善できる場合があります。 以下では、セルフケアとして効果が期待できる方法を紹介します。 ツボ押し 体の特定の点を刺激して血流を促進し、痛みを和らげるのが東洋医学のツボ押しです。 腰痛に効果的とされるツボには、「三陰交(さんいんこう)」「八風(はっぷう)」「命門(めいもん)」などがあります。(文献2) 三陰交(さんいんこう):内くるぶしの中心から指4本分ほど上、すねの内側 八風(はっぷう):足の甲の指と指の間、付け根のあたり 命門(めいもん):背骨の腰の部分、へその高さで背面の中央 ツボを指の腹でやさしく押して筋肉の緊張を緩め、血行を良くすることが目的です。 ただし、強く押しすぎると傷める可能性があるので十分に注意してください。 ストレッチ・筋トレ 腰まわりの筋肉を柔らかく保ち、筋力を維持することは腰痛の予防になります。 まずは以下のストレッチを取り入れてみましょう。 【腸腰筋(ちょうようきん)のストレッチ】 1.足を前後に開いて後ろ足の膝を床につける 2.前足の膝に両手を置いて上体をゆっくり前方にスライドさせる 3.元に戻す 4.左右交互に行う 【腰方形筋(ようほうけいきん)のストレッチ】 1.四つん這いの姿勢になる 2.息を吐きながら背中を丸める 3.吸いながら反らす動きをゆっくりと交互に行う 4.5回繰り返す 【脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)のストレッチ】 1.椅子に座って背筋を伸ばす 2.ゆっくりと腰を後ろにひねる 3.深呼吸しながら20秒キープ 4.元に戻って左右交互に行う 体幹トレーニングとして軽い筋力トレーニングも、腰椎を支える筋肉が強化され、痛みの軽減につながります。 ただし、ストレッチや筋トレで筋肉や関節を傷めるケースもあるため、無理のない範囲で継続することが大切です。 温めて血流を改善 腰を温めると血行が促進され、筋肉の緊張がほぐれやすくなります。 日常的に、以下のような方法を取り入れてみましょう。 ぬるま湯の湯船にゆっくり浸かる 使い捨てカイロを腰に当てる 温湿布を使う 冷えによる血流の滞りは痛みを悪化させる要因となります。 とくに、寒い季節や冷房の効いた室内では意識的に腰を温めるようにしてください。 ビタミンEやたんぱく質を摂取 食事による栄養補給も、腰痛の改善に役立ちます。 なかでも、ナッツ類やかぼちゃなどに含まれている「ビタミンE」は血行を促進する作用があり、筋肉や関節の機能をサポートするのが特徴です。 また、筋肉の修復と維持にはたんぱく質の摂取も欠かせません。 良質なたんぱく質を含んでいる、肉・魚や大豆製品などを意識的に摂取しましょう。(文献3) ただし、持病で医師から摂取を控えるように指示されている食材には注意してください。 更年期の腰痛がひどい場合は医療機関で治療を受けよう セルフケアで改善が見られない場合や痛みが続く、あるいは悪化しているなら早めに医療機関を受診しましょう。 まずは婦人科に相談し、ホルモンバランスに起因する可能性があるかを確認してもらってください。 症状によっては、整形外科での画像診断や神経のチェックも必要です。 以下では、更年期の腰痛に対する具体的な治療方法を解説します。 ホルモン補充療法(HRT) ホルモン補充療法とは、更年期に減少するエストロゲンを医薬品で補う治療法です。 骨密度の維持や血流改善に効果があるとされ、腰痛の軽減につながります。 ただし、副作用のリスクがあるため、使用にあたっては医師の診断と経過観察が必要です。 漢方療法 漢方薬は、身体全体のバランスを整えて更年期症状の緩和を目指す治療法です。 血行を促す作用や筋肉のこわばりを和らげるのを目的として、処方される場合があります。 腰痛に限らず、更年期の代表的な処方には以下の種類があります。 種類 対応の症状 加味逍遙散(かみしょうようさん) のぼせ感、肩がこり、疲れ、精神不安、いらだち、不眠症など 温経湯(うんけいとう) 手足のほてり、唇がかわく、不眠など 五積散(ごしゃくさん) 冷え、頭痛など 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) 肩こり、頭痛、めまい、のぼせ、足冷え、肩こりなど 温清飲(うんせいいん) 皮膚のかさかさ、のぼせ、神経症など 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 体力虚弱、冷え症、貧血、疲労、むくみ、冷え症など (文献4) ただし、医師や薬剤師と相談しながら適切に使用することが大切です。 再生医療 更年期の腰痛の原因として、「椎間板ヘルニア」や「腰椎すべり症」などが関係している可能性もあります。(文献5) 椎間板ヘルニアなどの治療選択肢の一つに、再生医療による幹細胞治療も含まれます。 幹細胞治療は、患者様から採取した幹細胞を培養して患部に注射する治療法です。 幹細胞には分化能と呼ばれる他の細胞に変化する能力が備わっており、この働きを活用します。 また、再生医療は入院手術を必要としないのも特徴です。 再生医療についての疑問や相談がある方は、お気軽にお問い合わせください。 まとめ|更年期の腰痛に要注意 更年期の腰痛は、ホルモンバランスの乱れや加齢、ストレスなど多くの要因が複雑に絡み合って生じます。 症状には個人差があり、重だるさや鈍痛、片側の痛みなどさまざまな形で現れますが、いずれも早めの対処が大切です。 ツボ押しやストレッチ、食生活の改善など日常生活でできる対策を取り入れつつ、必要に応じて医療機関を受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、椎間板ヘルニアなどの腰痛に対して再生医療を行っております。 更年期の腰痛に悩んでいる方は、以下の公式LINEに登録して簡易オンライン診断をお試しください。 更年期の腰痛に関するよくある質問 更年期の腰痛に効く薬はありますか? 更年期の腰痛には、症状に合わせてホルモン補充療法などで薬の使用が検討されます。 ただし、うつや不安などの精神神経症状が主な症状である場合には、抗うつ薬や向精神薬が処方されるケースもあります。(文献6) 更年期の腰痛はいつまで続きますか? 更年期の腰痛がどのくらい続くかについての明確なエビデンスはありません。 一般的に更年期とは、閉経前の約5年と閉経後の約5年、合わせて約10年間を指します。(文献6) ただし、ホルモンバランスが大きく変動する時期であり、約10年の間で収まるとは限りません。 更年期の時期が過ぎても、腰痛が続く場合がある点に留意しておきましょう。 症状が長引いて改善しない場合は、更年期以外の疾患の可能性も考慮し、早めに医療機関を受診することが大切です。 参考文献 (文献1) 更年期対策!運動の効果とは?|更年期相談室 (文献2) 【タイプ別】更年期のつらい腰痛の原因とおすすめのツボ・対策|クラシエ株式会社 (文献3) 更年期の腰痛、その原因や特徴、治し方を解説|キッコーマンニュートリケア・ジャパン株式会社 (文献4) 更年期障害|ツムラ (文献5) 腰痛 背部痛|日本女性医学学会 (文献6) 更年期障害|医療法人社団 公和会 中村記念愛成病院
2025.07.31 -
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指の痛みやこわばりが続いてはいるものの、年齢のせいだと見過ごしていませんか? とくに、40代後半から50代の女性に多く見られる手指の不調は、更年期によるホルモンバランスの変化が関係している可能性があります。 女性ホルモンの減少は、関節や腱に影響を及ぼし、日常生活に支障をきたすほどの指の痛みを引き起こすケースもあるのです。 そこで本記事では、更年期に起こる指の痛みの原因や考えられる疾患、治療法、さらに自宅でできる対処法までわかりやすく解説します。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 気になる症状がある方や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 指が痛いのは更年期障害が原因の一つ 更年期に差しかかると、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少します。 ホルモンバランスの変化は、体全体にさまざまな不調を引き起こしますが、その一つが関節の痛み、とくに指の関節痛です。 医学的には「関節痛」や「こわばり」として認識され、更年期障害の症状の一つとして起こることが知られています。 なかでも、手や指に特有の不快感や運動障害を伴う症状は「メノポハンド」(文献1)と呼ばれ、以下のような不調を感じるのが特徴です。 朝起きたときに手指がこわばる 指の関節が痛む、または腫れる 手指の動かしにくくなる 握力が低下する 手指がしびれる 上記のような症状は、更年期によるホルモン変化によって関節や腱、神経の働きが影響を受けるために起こります。 更年期と聞くと、のぼせや発汗といった全身症状に注目されがちですが、関節痛や手の不調も見逃せない重要なサインです。 女性ホルモンの減少が関係している 更年期における指の痛みは、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量の減少と深く関係しています。 エストロゲンは骨や関節、筋肉の健康を維持する働きがあり、減少すると関節の炎症やこわばりが生じやすくなるのが特徴です。 また、筋肉と骨をつなぐ「腱(けん)」や関節を覆う薄い膜である「滑膜(かつまく)」に影響が及ぶと、手指の不調が現れるケースもあります。 とくに朝の指のこわばりや痛みは、更年期のサインの一つとして見逃せません。 自律神経の乱れや筋力低下も原因 更年期における指の痛みは女性ホルモンの減少だけでなく、自律神経の乱れや筋力低下も影響しています。 自律神経のバランスが崩れると、血流が悪化して手先の冷えや痛みが強まります。 さらに、加齢による筋力や柔軟性の低下が伴うと、関節や腱に負担がかかりやすくなるのです。 複合的にさまざまな要因が重なり、手指のこわばりや痛みが日常生活に支障をきたすケースがある点を押さえておきましょう。 関節リウマチとの違い 更年期の指の痛みと似た症状を持つ疾患に「関節リウマチ」がありますが、両者は異なる原因によるものです。 更年期の関節痛はホルモンバランスの変化による一時的な症状であるケースが多いのに対し、関節リウマチは自己免疫疾患であり、関節に炎症を引き起こして悪化します。 朝のこわばりが1時間以上続く場合や、左右対称に痛む場合はリウマチの可能性もあるため、医療機関で検査を受けましょう。 更年期の女性に多い指が痛い疾患 更年期の女性はホルモンバランスの変化により、関節や腱、神経に不調が生じやすくなります。 とくに手指は日常生活で頻繁に使う部位であり、痛みやしびれといった症状が現れると大きな支障になるため注意しなければなりません。 ここでは、更年期に多く見られる指の疾患について、代表的な4つの病気を紹介します。 指の第一関節が痛む「ヘバーデン結節」 ヘバーデン結節は、指の第一関節に変形や痛みを引き起こす疾患です。(文献2) 更年期の女性に多く見られ、関節が赤く腫れたり、指が曲がったまま戻らなくなったりする場合もあります。 原因は加齢やホルモン変化による関節軟骨のすり減りであり、炎症を伴うケースも少なくありません。 進行すると関節が変形し、見た目にも大きな変化が現れます。 握力が低下して日常生活に支障が出る恐れもあるため、早期の対応が重要な疾患です。 指の第二関節が痛む「ブシャール結節」 ブシャール結節は、指の第二関節に発症する関節疾患で、ヘバーデン結節と同様に更年期以降の女性に多く見られる傾向があります。(文献2) 関節の腫れや痛み、こわばりが生じるのが特徴です。 進行すると、関節の変形を伴う場合もあります。 原因は明確ではないものの、女性ホルモンの分泌量の低下や関節への負担が影響すると考えられています。 しびれが生じる「手根管症候群」 手根管症候群は、手首の内側にある「手根管(しゅこんかん)」というトンネル内で正中神経が圧迫されて起こります。(文献2) 更年期の女性に多く、ホルモンの変化によって腱や滑膜が腫れ、神経が圧迫されるのが原因の一つです。 主な症状は、親指から薬指のしびれや痛みで、夜間や早朝に悪化するケースもあります。 進行すると筋力低下や指先の細かい動作が困難になるため、早めの診断と治療が求められます。 指を伸ばそうとしたときに勢いよく伸びる「ばね指」 ばね指は、指を曲げ伸ばしする際に引っかかりや痛みがあり、無理に伸ばすとカクンと跳ねるように伸びる症状が特徴です。(文献2) 腱鞘炎(けんしょうえん)とも呼ばれ、腱を包む組織が炎症を起こし、腱がスムーズに動かなくなることで発症します。 とくに更年期の女性は、ホルモンバランスの乱れや手の使いすぎにより発症しやすく、悪化すると指が動かなくなることもあるため、早めの休息と医療機関での治療が重要です。 更年期で指が痛いときの治療法 更年期の指の痛みは、ホルモンバランスの変化によるものであるケースが多く、治療ではホルモンの働きを補う方法が重視されます。 ここでは、代表的な治療法の「ホルモン補充療法(HRT)」と、補助療法の「エクオール」を紹介します。 ホルモン補充療法(HRT) ホルモン補充療法(HRT)は、更年期に減少するエストロゲンを外から補って、ホルモンバランスを整える治療法です。(文献3) エストロゲンの補充によって関節や腱の炎症を抑え、痛みやこわばりの軽減が期待されます。 更年期症状全般に効果があるとされ、医師の指導のもとで内服薬や貼付薬などを用いるのが一般的です。 ただし、副作用のリスクや適応の有無があるため、治療については医師との相談が不可欠となります。 エクオール エクオールは、大豆イソフラボンが腸内細菌によって代謝されてできる成分です。(文献1) 体内で、エストロゲンに似た働きをすることが知られています。 更年期にエストロゲンの急激な減少によって起こる関節痛に対して、緩やかにホルモン作用を補うのが特徴です。 とくに、ホルモン補充療法の副作用リスクに不安を感じる方や、軽度の症状を抱える方にとって比較的取り入れやすい選択肢となります。 ただし、体質によってエクオールを産生できない人もおり、サプリメントの効果には個人差がある点に留意しておきましょう。 更年期で指が痛いときに自分でできる対処法 更年期に伴う指の痛みは、日常生活の中でのセルフケアによって軽減できる場合があります。 ここでは、自宅で実践できる具体的な対処法を6つ紹介するので、症状が軽いうちから意識して取り入れてみましょう。 生活習慣を見直す 不規則な生活習慣は、ホルモンバランスの乱れを助長します。 以下の点に注意して、健康的な生活を心がけましょう。 朝食を抜かず1日3食をバランスよく食べる ビタミンDやカルシウムを含む食品を積極的に食べる 適度な運動を日常に取り入れる 上記のような生活習慣がエストロゲンの作用を高め、関節の健康維持につながります。 また、規則正しい生活リズムを整えることも、ホルモンバランスを安定させる上で重要です。 手のケアやストレッチを行う 指の痛みやこわばりを和らげるためには、日々のケアが欠かせません。 以下のような方法を試してみてください。 手を温めながらマッサージする 指の曲げ伸ばし運動を毎日続ける 握力を保つためにタオル握り体操を行う 無理のない範囲で継続すれば、関節の柔軟性と血流改善に役立ちます。 また、手の保湿ケアも大切です。 乾燥によって皮膚が硬くなると関節の動きにも悪影響を与えるため、保湿クリームなどで手指を丁寧にケアしましょう。 体を温める 冷えは血流を悪化させ、関節の痛みを悪化させる原因になります。 次の方法で温めましょう。 入浴時はぬるま湯にゆっくり浸かる 手袋や温熱パッドで手元を保温する 白湯や温かい飲み物を積極的に取る 冷えを防いで体温を保つことで、炎症や痛みの緩和が期待できます。 日中も冷房の風に直接当たらないよう注意するなど、適切に冷え対策を行っていきましょう。 関節に負担をかけないように注意する 手や指に過剰な負荷をかけない工夫も重要です。 日常生活や仕事で、以下のような行動を意識してみてください。 重いものを持つときは両手を使う 指先ではなく手のひら全体で物を持つようにする 家事や手作業はこまめに休憩をとる 関節にやさしい動作を意識すれば、痛みの悪化を防ぐことにつながります。 また、作業の際は補助具やサポーターを活用するなどの工夫をこらしてみましょう。 ストレスや睡眠不足を改善する 自律神経のバランスは、ホルモン分泌にも大きく関わります。 以下のように意識しながら、ストレス管理と十分な休息を心がけましょう。 寝る前にスマートフォンやテレビを控える リラックスできる音楽や香りを活用する ストレッチや深呼吸で副交感神経を高める 就寝前にはスマートフォンの使用を控える、照明を落とすなど、睡眠の質を高める工夫が大切です。 心身のリラックスによってホルモンバランスが安定し、症状の緩和へつながっていきます。 エクオール含有サプリメントを利用する 大豆由来の成分であるエクオールは、体内でエストロゲンに似た働きを持つとされます。 ただし、サプリメントは健康食品であり、効果には個人差があります。 信頼性の高い製品を選ぶことも重要なので、医師と相談のうえ利用を検討しましょう。 更年期で指が痛い場合は何科を受診すべきなのか 更年期に指が痛む場合、症状によって適切な診療科が異なります。 関節や腱の異常が疑われる場合は整形外科、もし近隣にあれば手の怪我や病気を治療する「手外科専門医」を受診しましょう。(文献2) 手外科専門医は変形性関節症やばね指、手根管症候群など構造的な異常の診断・治療に対応しています。 なお、皮膚の変形や外見上の違和感がある場合は、形成外科でも対応可能です。 一方で、ホルモンバランスの乱れが関与していると考えられる場合は、婦人科で更年期障害の検査・相談するのがおすすめです。(文献4) ホルモン補充療法や生活指導を通じて、根本的な改善につながる可能性があります。 まとめ|症状に合わせて適切に治療・対処しよう 更年期における指の痛みは、ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れ、筋力低下などさまざまな要因が複雑に関係しています。 関節のこわばりやしびれ、痛みといった症状を放置すると、日常生活に支障をきたす恐れがあるため注意しなければなりません。 早期の対処と継続的なケアを意識しつつ、更年期を前向きに乗り越える気持ちを持つことが大切です。 気になる症状がある場合は、我慢せず専門医に相談しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、PRP療法や幹細胞治療などの再生医療による治療を行っています。 公式LINEでは、再生医療に関する情報の提供や簡易オンライン診断を実施しています。再生医療についての疑問や気になる症状があれば、公式LINEに登録して一度お試しください。 指が痛い更年期に関するよくある質問 更年期の指の痛みはいつ治りますか? 更年期の指の痛みは個人差が大きく、数か月で軽快する人もいれば、数年続く場合もあります。 エストロゲンの低下が原因なので、閉経後数年以内に自然と改善するケースもあります。 生活習慣の見直しやホルモン補充療法により緩和できる可能性があるため、症状が続く場合は医師の診察を受けましょう。 更年期の男性も指が痛くなりますか? 男性も加齢に伴って男性ホルモン(テストステロン)の分泌が低下し、関節のこわばりや指の痛みが現れるケースがあります。 「男性更年期障害(LOH症候群)」と呼ばれており、女性とは異なるホルモン変化によるものです。 指が痛い更年期に漢方は効果ありますか? 漢方薬は直接的に痛みを抑えるのではなく、体全体のバランスを整えて症状の改善を図ります。 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や加味逍遙散(かみしょうようさん)といった漢方を更年期障害に用いる場合があります。 体質や症状に合った漢方薬を選ぶため、使用するときは漢方に詳しい医師や薬剤師へ相談しましょう。(文献5) 朝の寝起きで指が痛いのは更年期が原因ですか? 朝起きたときに指の関節がこわばったり、手が握れなかったりといった症状は、更年期に見られる女性ホルモンの低下による影響の可能性があります。 エストロゲンが減少すると関節や腱の柔軟性が損なわれ、炎症やむくみを引き起こしやすくなるのです。 とくに、朝方に指の動きにくさや痛みを感じる傾向があります。 症状が継続する場合は、整形外科や婦人科での検査を検討しましょう。 参考文献 (文献1) 更年期の手の不調|宝塚 かおるレディスクリニック コラム (文献2) 更年期以降の女性に多い手指の疾患|おおさかグローバル整形外科病院 (文献3) ホルモン補充療法(HRT)とは|あすか製薬株式会社 (文献4) 更年期の「関節痛」と「指のこわばり」リウマチとの違い・受診の目安や治療法を婦人科女医が解説!|白金高輪海老根ウィメンズクリニック (文献5) 更年期の手のこわばりに効く漢方薬とは?市販でおすすめのものやツムラの漢方薬なども紹介|YOJO LIFE
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男性更年期障害に関連してうつ症状に悩む方の中には、「バナナが気分の安定に効果がある」と耳にしたことがあるかもしれません。 バナナには、セロトニンの生成に関与するトリプトファンやビタミンB6などの栄養素が含まれており、心のバランスを整えると考えられています。 ただし、バナナだけで症状が改善するわけではなく、食事などの生活習慣全体の見直しが欠かせません。 本記事では、バナナがもたらす栄養的効果の詳細をはじめ、男性更年期障害の症状緩和におすすめの食材や生活改善のポイントまでわかりやすく解説します。 毎日の食事を見直すきっかけとして、ぜひ参考にしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 気になる症状がある方や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 バナナが男性更年期障害のうつ症状に効果的? バナナが男性更年期障害によるうつ症状に効果的とする明確な科学的根拠は、現在のところ報告されていません。 バナナ自体にテストステロンの分泌を促進する作用はなく、更年期障害の治療手段としては不十分です。 ただし、バナナには「幸せホルモン」(文献1)と呼ばれるセロトニンの生成に関わるトリプトファンやビタミンB6が含まれています。 セロトニンはうつ症状の緩和に寄与すると考えられており、男性更年期の方の気分を安定させる可能性があるのです。 うつ症状の改善に直接的な効果があるとはいえませんが、食生活の一部としてバナナを取り入れることは、間接的なサポートになるかもしれません。 とはいえ、現実的な症状の改善・緩和には、医師による診断と適切な治療が不可欠である点に留意しておきましょう。 バナナに含まれている栄養素 バナナは甘くて食べやすい果物として知られていますが、男性の心身の健康維持に役立つ栄養素が豊富に含まれています。 男性更年期障害による精神的な不調に対して、栄養面からサポートする可能性がある栄養素を見ていきましょう。 トリプトファン バナナには「トリプトファン」という必須アミノ酸が含まれており、脳内でセロトニンの材料になります。 セロトニンは感情を穏やかに保つ作用があり、うつ症状の緩和に役立つ可能性がある栄養素です。 ビタミンB6 ビタミンB6は、トリプトファンをセロトニンに変えるときに必要な栄養素です。 また、神経伝達物質のバランスを整える働きがあり、精神的な健康を支える役割があります。 マグネシウムやカリウム マグネシウムはストレス反応の調整に関与し、カリウムは血圧の安定化を助けるミネラルです。 いずれも自律神経の安定に寄与し、精神的な不調の軽減に貢献します。 炭水化物 炭水化物はエネルギー源として重要であり、トリプトファンの脳内移行を促進します。 セロトニン合成の効率を高める栄養素です。 バナナを食べるなら1日1本が目安 バナナはセロトニンの材料となるトリプトファンやビタミンB6を含む食品ですが、糖質量が高いため摂取量には注意が必要です。 バナナ1本あたり、約21gの糖質が含まれています。(文献2) 過剰に摂取すると血糖値の急上昇や肥満リスクにつながる可能性があるため、セロトニン生成を目的に取り入れる場合でも、1日1本が適量の目安です。 医師に制限されている場合を除いて継続的に食べても問題ありませんが、食べすぎには十分注意してください。 更年期障害におすすめのバナナ以外の食べもの 男性更年期障害の改善には、ホルモン合成に関わる栄養素をしっかり摂る食生活が重要です。 ここでは、日々のメニューに取り入れると、体と心のバランスを支える効果が期待できる食材を紹介します。 牡蠣・レバー 牡蠣とレバーには、テストステロンの生成に必要不可欠な亜鉛が豊富に含まれています。 亜鉛は精巣の機能維持に関与してホルモンバランスの正常化を助け、レバーは鉄分やビタミンA・B群が豊富です。 貧血や疲労感の軽減にも寄与します。 とくに、亜鉛不足と男性ホルモンの減少は密接に関係しているため、定期的に摂取するのがおすすめです。 肉・魚・卵 動物性たんぱく質は、テストステロンの合成に必要な栄養素です。 赤身肉には鉄分やビタミンB12、魚はオメガ3脂肪酸、卵には良質なたんぱく質やビタミンDが豊富に含まれています。 とくに、ビタミンDは血中テストステロン濃度の維持に役立つとされており、過剰な摂取は避けつつバランス良く取り入れると更年期症状の軽減につながります。 山芋・里芋 山芋や里芋には、エネルギー代謝をサポートするビタミンB群と、消化を助ける食物繊維が含まれています。 また、山芋に含まれるジオスゲニンという成分は、ホルモンの前段階の物質になるとされ、体調維持や疲労回復に役立つとされている点にも注目です。 粘り気のある成分には胃腸の保護作用もあり、栄養の吸収を助けます。 きのこ きのこ類は低カロリーながらビタミンDや食物繊維、β-グルカンといった免疫調整成分が豊富です。 ビタミンDは男性ホルモンの合成に関与し、とくに干し椎茸やまいたけに多く含まれます。 きのこに含まれる多糖類は腸内環境の改善にも役立つため、免疫機能と精神面の安定に貢献する見逃せない食材の一つです。 海藻・納豆 海藻にはヨウ素やマグネシウム、カルシウムなどのミネラルが豊富に含まれ、甲状腺機能を整える効果が期待できます。 納豆は発酵食品として腸内環境を整えるとともに、大豆イソフラボンによるホルモンバランスの調整作用を発揮するのが特徴です。 ブロッコリー ブロッコリーには、スルフォラファンという成分が含まれ、体内の余分なエストロゲンの代謝を促進する働きが知られています。 男性更年期障害の改善には、エストロゲンとテストステロンのバランスを整えることが大切です。ブロッコリーのスルフォラファンは、このホルモンバランスの調整をサポートしてくれます。 また、抗酸化作用も高く、細胞の老化を防ぐ効果も期待できます。 野菜ジュース・青汁 野菜類は直接食べるのが理想ですが、忙しい日常の中では野菜ジュースや青汁での補給も有効です。 ビタミン類やポリフェノール、食物繊維が含まれており、抗酸化作用や腸内環境の改善に寄与します。 たとえば、青汁にはクロロフィルやカルシウムなど、現代人に不足しがちな栄養素が含まれているのが特徴です。 プロテイン 筋肉量の減少はテストステロンの分泌低下を促進するため、適度な運動とともにたんぱく質の補給が重要です。 なかでもプロテインは、効率的にたんぱく質を摂取できます。 朝食時や運動後の摂取が推奨されており、筋力維持とホルモンバランスの改善を手軽に行えるのが魅力です。 発酵飲料 発酵飲料には、乳酸菌や酵母など腸内環境を整える微生物が含まれており、免疫機能の調整に加えて精神的なストレス軽減にも関与します。 甘酒や乳酸菌飲料などの継続的な摂取によってストレス耐性を高めると、更年期特有のイライラや不安感の軽減にもつながるのが特徴です。 男性更年期障害の改善に大切な生活習慣 男性更年期障害の症状を軽減するには、医療機関での治療や食事の見直しだけでなく、日常生活の質を高める意識も大切です。 生活習慣の改善ポイントを以下にまとめたので参考にしてください。 生活習慣 内容 ストレス管理 瞑想・深呼吸・趣味の時間などを取り入れ、自律神経の安定を図る。 睡眠の質を向上 就寝前のスマホ利用を控えるほか、入浴やリラックス習慣で深い睡眠を確保する。 筋力トレーニング スクワットや腕立て伏せなど、無理のない筋トレでテストステロン分泌を促す。 有酸素運動 ウォーキングやサイクリングなど週に数回の継続的な運動によって、心身を活性化させる。 禁煙・禁酒 喫煙や過度な飲酒はホルモン低下や血流悪化を招くため控えるべき。 男性更年期障害の症状緩和には、上記の生活習慣の積み重ねが大切です。 無理のない範囲で実践し、継続していきましょう。 まとめ|バナナを含む食事・生活習慣を見直して男性更年期障害の改善を目指そう 男性更年期障害の改善には、バナナに含まれるトリプトファンやビタミンB6といった栄養素の摂取も一助となりますが、食生活全体の見直しも重要です。 亜鉛やビタミンD、良質なたんぱく質を含む多様な食品を取り入れながら、ホルモンバランスの維持を目指しましょう。 また、ストレス管理や適度な運動、良質な睡眠といった基本的な生活習慣も大切です。 当院「リペアセルクリニック」ではPRP療法や幹細胞治療などの再生医療による治療を行っています。 公式LINEでは、再生医療に関する情報や簡易オンライン診断が受けられます。 ぜひ登録してお試しください。 男性更年期障害に関連するよくある質問 男性更年期障害に効くサプリはある? テストステロンを直接的に増やす効果が科学的に証明されたサプリメントは現在のところ存在しません。 ただし、バナナに含まれている亜鉛やビタミンD、マグネシウムなどの栄養素は、食事からの摂取が難しいならサプリメントでも補えます。 とはいえ、できるだけ食事から摂取し、サプリメントはあくまで補助的な手段として位置づけましょう。 男性更年期障害だけどアルコールはOK? 他の疾患で主治医に禁止されている場合を除き、適量のアルコールであれば問題はありません。 ただし、過度の飲酒はホルモンバランスを乱し、肝機能や精神面にも悪影響を及ぼすため、節度を持った摂取が求められます。 飲む量や頻度に注意しながら、たしなむ程度に留めましょう。 男性更年期障害に終わりのサインはありますか? 男性更年期障害は発症時期や症状の出方に個人差があり、明確な終わりのサインを把握するのは困難です。 症状が軽快し、日常生活に支障がなくなる状態が一つの目安となりますが、最終的な判断は医師による適切な評価を受けることが重要です。 男性更年期障害にお茶は効く? お茶に男性更年期障害を改善する直接的な効果は、認められていません。 ただし、緑茶やハーブティーなどにはリラックス効果があり、イライラや不眠といった自律神経の乱れを和らげる手助けになる場合があります。 日常的に手軽に取り入れやすい工夫としてはおすすめです。 バナナが男性機能に効果ある? バナナにはマグネシウムやカリウム、ビタミンB群が含まれているなど、筋肉や神経の働きを支える栄養素が豊富です。 ただし、男性機能を直接的に高める効果は確認されていません。 健康的な体作りには寄与しますが、過度な期待は禁物です。 男性更年期障害を疑う場合は何科に受診? 男性更年期障害が疑われる場合は、「泌尿器科」または「男性更年期外来(LOH症候群外来)」を受診するのが一般的です。 症状に応じてホルモン検査や心理的評価が行われ、必要な治療方針が決定されます。(文献3) 女性の更年期障害にバナナは効果ある? 男性と同様、女性にもバナナに直接的な更年期障害の改善効果は認められていません。 ただし、ビタミンB6をはじめとする栄養素が豊富に含まれているため、ホルモンバランスを整えるサポートとなる可能性があります。 あくまで補助的な役割と考えておきましょう。 参考文献 (文献1) 「幸せホルモン(幸福物質)4つ」ドーパミン・セロトニン・オキシトシン・βエンドルフィンとは?|国立消化器・内視鏡クリニック (文献2) バナナの栄養・栄養素|スミフル (文献3) < 女性だけじゃない!「男性更年期」を知ろう >|Mint+(あすか製薬株式会社)
2025.07.31