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コラーゲンの効果とは?実は関節や肌に効果はない?【医師解説】

コラーゲンの効果とは?実は関節や肌に効果はない?【医師解説】
公開日: 2022.02.16 更新日: 2025.02.12

コラーゲンにはどのような効果があるのか、どのように摂取すれば良いのか知りたい方はいませんか。

コラーゲンは美容的に注目されていますが、実は身体にとっても非常に重要な栄養素です。

この記事では、コラーゲンの効果や効率的に摂る方法についてご紹介します。コラーゲンについての知識を深めることで、身体の健康のために習慣的に摂り入れるきっかけになるでしょう。

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そもそもコラーゲンとは?

コラーゲンと聞くと、肌に良いイメージを持たれる方もいるのではないでしょうか。しかし、コラーゲンの働きは皮膚だけではありません。

コラーゲンとは、人間の体内に存在するタンパク質の1種です。タンパク質は人間の筋肉や臓器など、身体のさまざまな場所に分布しています。

また、タンパク質は炭水化物と脂質に並ぶ三大栄養素のため、人間の身体にとって必要なエネルギー源でもあるのです。コラーゲンは体内のタンパク質の約30%を占めており、以下のような組織に多く含まれています。

  • 皮膚
  • 血管

そして線維性コラーゲンや基底膜コラーゲンなど、組織の部位ごとに分類されており、現在わかっているものだけで29種類あります。ここでは、コラーゲンの役割や種類について詳しくみていきましょう。

コラーゲンの役割

皮膚の約70%はコラーゲンで構成されているといわれており、肌に弾力やハリを維持する働きがあります

そしてコラーゲンは皮膚だけではなく、以下のような組織にも含まれており、それぞれの強度や柔軟性を保つ機能もあるとされています。

  • 関節
  • 靭帯

例として、骨にコラーゲンが含まれることでクッションのような役割が生まれ、強い衝撃から守る働きがあるのです。

関節に含まれているコラーゲンには、骨同士の摩擦による擦り減りを防ぐ役割を担っています。このように、コラーゲンは肌だけでなく骨や関節に密接に関わっています。

コラーゲンの種類

コラーゲンには多くの種類があり、おもに「Ⅰ〜Ⅴ型」の5つのタイプに分類できます。それぞれのタイプの特徴について、以下の表にまとめました。

タイプ

線維性・非線維性

役割

含まれている場所

Ⅰ型

線維性コラーゲン

骨や皮膚を作る

組織の弾力を生み出す

皮膚、骨、腱、靭帯など

(体内に最も多く含まれている)

Ⅱ型

関節や軟骨の成分となる

関節、軟骨、目の角膜など

Ⅲ型

肌のダメージ回復

組織の柔軟性を生み出す

皮膚、血管、内臓など

Ⅳ型

非線維性コラーゲン

細胞同士をつなぐ

細胞の成長を促進させる

基底膜(表皮と真皮の間にある組織)

Ⅴ型

線維性コラーゲン

Ⅰ型・Ⅲ型に含まれている

血管、筋肉、胎盤など

このように、コラーゲンの種類によって分布場所や役割が異なることがわかるでしょう。

コラーゲンは加齢により減少する

コラーゲンは健康の維持に欠かせないものですが、年齢とともに減少傾向にあります。加齢にともなって細胞の数が減ったり、衰えたりするとコラーゲンが合成しにくくなるからです。

また、紫外線による影響でも皮膚のコラーゲンが減少することがわかっており、シワやたるみなどの原因となっています。肌の健康のためにも、日光を長時間浴びるのはできるだけ避けましょう。

コラーゲンの主な効果

コラーゲンは、口から摂取する場合の科学的な有効性はなく、効果が期待できないとされています。

ただし、「まったく効果がない」とはいい切れず、明確な結論が出ていないのが現状です。

ここでは、コラーゲンのおもな効果について解説します。

*参考資料:サプリメントの効果について|公益法人日本整形外科学会

肌に潤いやハリ・弾力を与える

コラーゲンには、肌の潤いやハリ・弾力などをサポートする効果があるとされています。前述したように、身体を構成するタンパク質の約30%はコラーゲンといわれています。

このコラーゲンが表皮と真皮の間にある「基底膜」に存在することで、それぞれの皮膚がつながり合い、肌の状態を良好に保っているのです。シワやたるみを予防し、きめ細かい肌をキープしたい方にとって、コラーゲンの摂取は重要といえるでしょう。

また、コラーゲン以外にも肌の状態を改善する方法として、「再生医療」があります。再生医療とは、自身の再生能力が備わった細胞を使用した治療法で、肌の健康に必要な成分・組織の申請が期待できます。

関節の動きを改善する

コラーゲンは肌の健康だけでなく、関節の動きの改善にもつながります。前述したように、コラーゲンは関節にも含まれており、骨同士の衝突や摩擦をやわらげるクッションのような役割を果たしています。

関節内のコラーゲンを保つことで、クッション作用が維持され、動きがスムーズとなるのです。実際に、傷ついた関節の治療時にコラーゲンのサプリメントを摂取したところ、修復が早くなったとの結果も報告されています。

また、「変形性膝関節症」の症状の改善にも効果があることもわかっています。変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減り、痛みが出ている状態のことです。変形性膝関節症に対しては、コラーゲンだけでなく再生医療も有効とされています。再生医療によって膝の軟骨の再生を促すことで、変形性膝関節症による痛みの改善が期待できます。

骨を丈夫にする

コラーゲンには骨を丈夫にする効果があるとされています。骨を丈夫にする栄養素として、カルシウムのイメージが強いですが、実はコラーゲンも大きく関わっています。

骨を構成する約30%がコラーゲンでできているといわれており、その線維にカルシウムが付着しているのです。

コラーゲンが関与することで骨の強度が高まるとともに、柔軟性が備わって外部からの衝撃をやわらげています。反対に、コラーゲンが不足するとカルシウムが付着しにくくなり、骨がスカスカになる「骨粗鬆症」の原因となります。

コラーゲンを効果的に摂る方法

コラーゲンを効果的に摂るためには、どのような方法がおすすめなのでしょうか。ここでは、効果的に摂取するための方法を詳しく解説します。

コラーゲンを多く含む食べ物を摂取する

まずは、コラーゲンを多く含む食べ物の摂取を心がけましょう。コラーゲンが豊富な食べ物は、以下のとおりです。

食べ物

100gあたりのコラーゲン量(mg)

フカヒレ

9,920

はも(皮のみ)

7,660

うなぎの蒲焼き

5,530

牛すじ

4,980

鶏軟骨(胸肉)

4,000

はも(皮付き)

3,560

豚白もつ

3,080

鮭(皮付き)

2,410

鶏手羽先

1,550

これらの食べ物を取り入れることで、効率的にコラーゲンの摂取が可能です。

サプリメントを摂取する

コラーゲンを多く含む食べ物の摂取が難しい場合は、サプリメントの活用がおすすめです。サプリメントであれば気軽にコラーゲンを摂取できるので、無理して食事量を増やす必要はありません。

効率的にコラーゲンを取り入れるためには、「コラーゲンペプチド」の商品を選択しましょう。コラーゲンペプチドとは、コラーゲンを分解してさらに小さい分子にしたもので、体内で吸収しやすくなります。

コラーゲンを効果的に取り入れるコツ

コラーゲンを取り入れるためには、どのようなことを意識すれば良いのでしょうか。ここでは、コラーゲンを効果的に取り入れるコツをご紹介します。

ビタミンCと鉄分を多く含む食べ物を一緒に摂る

コラーゲンだけでなく、ビタミンCや鉄分を多く含む食べ物と一緒に摂るようにしましょう。これらの栄養素は、コラーゲンの生成をサポートする役割があるとされています。ビタミンCや鉄分が多く含まれている食べ物は、以下のとおりです。

【ビタミンC】
  • 果物(柑橘類)
  • 野菜(ピーマンやブロッコリー)
  • のり
  • ケール
【鉄分】
  • レバー
  • 魚介類
  • ダイブ製品
  • 野菜(ほうれん草や小松菜)

ぜひ、これらの食べ物を意識的に摂り入れてみてください。

寝る前に摂取することを習慣化する

なるべく、寝る前のコラーゲンの摂取を習慣化しましょう。皮膚や筋肉などの組織が作られる時間帯は、睡眠中とされています。

そのため、寝る前にコラーゲンを摂取しておけば組織が効率的に生成され、肌の健康につながりやすくなります

睡眠を十分にとる

寝る前にコラーゲンを摂取するだけでなく、睡眠時間の十分な確保も重要です。睡眠中に成長ホルモンが分泌されることで、皮膚や筋肉などが生成されます。

しかし、睡眠不足になって成長ホルモンの分泌量が少なくなると、その分生成が遅れてしまいます。十分な睡眠時間を確保し、コラーゲンの効果を高めていきましょう。

まとめ|コラーゲンをうまく取り入れて効果を実感しよう!

コラーゲンはタンパク質の1種であり、肌や骨などのさまざまな組織に分布しています。コラーゲンには肌のハリや弾力を改善したり、骨を丈夫にしたりする効果があるとされています。そのため、身体の健康にとっては欠かせない成分といえるでしょう。

コラーゲンの効果を高めるためには、特定の食べ物やサプリメントを摂取することが重要です。また、ビタミンCや鉄分と一緒に摂取する、睡眠時間を確保するなどの工夫もおすすめです。

ぜひ今回の記事を参考にして、コラーゲンを意識的に摂り入れてみましょう。

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コラーゲンの効果に関連するよくある質問

Q. 低分子コラーゲン(コラーゲンペプチド)とはなんですか?

A. 低分子コラーゲンとは、コラーゲンタンパク質の分子を小さくしたものです。低分子コラーゲンは「コラーゲンペプチド」とも呼ばれ、粒子が細かいために吸収されやすいメリットがあります。

コラーゲンペプチドはサプリメントとして錠剤やパウダー、ドリンクに配合されており、種類もさまざまです。

Q. コラーゲンの摂取によりアレルギー反応を起こす可能性はありますか?

A. サプリメントの原料になっている以下のような動物が原因で、アレルギー反応を起こす可能性があります。

例として、鶏や卵にアレルギーがある方は、鶏が原料になっているコラーゲンは避けたほうが良いでしょう

コラーゲンによるアレルギー反応でアナフィラキシーを起こした事例も報告されているため、摂取する際は十分に注意が必要です。

監修者

坂本 貞範(医療法人美喜有会 理事長)

坂本 貞範 (医療法人美喜有会 理事長)

Sadanori Sakamoto

再生医療抗加齢学会 理事

再生医療の可能性に確信をもって治療をおこなう。

「できなくなったことを、再びできるように」を信条に
患者の笑顔を守り続ける。

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