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鵞足炎は膝の酷使が原因!その症状と治療法について

鵞足炎は膝の酷使が原因!その症状と治療法とは

皆様の中で日常的に立ち上がる瞬間や、階段を昇り降りする際などに「膝が痛い、痛む」と自覚している人はおられませんか。

普段生活している中で「膝が痛む症状」で悩んでおり、その対策や改善方法を探索している方も少なからずいらっしゃることでしょう。仮にひざを酷使して膝痛を自覚している場合には「鵞足炎(がそくえん)」という病気を見逃してはいけません。

普段聞きなれない、この病気は「鵞足(がそく)」と呼ばれる場所、膝関節の内側より下方に位置する脛骨付近に炎症が引き起こり、膝に痛みが出現することで知られています。

今回は、膝を酷使すると起こりやすい鵞足炎という病気の特徴や症状、その疾患に対する対策や治療法について詳しく解説してまいります。

膝痛で膝を押さえている写真

鵞足炎の症状(膝の内側の痛み)

そもそも「鵞足」と呼ばれる部位は、膝から5㎝程度足側に存在している脛骨という骨の内側部分に位置しており、一般的には縫工筋、半腱様筋、薄筋という三種類の筋肉に付着している腱がその脛骨にくっついている場所を指しています。

この鵞足部位にある「滑液包の内部に強い炎症が起こっている状態が鵞足炎」であると考えられており、鵞足炎を発症していると膝を屈曲するときや股関節を内転する動きにより慢性的に膝に痛みを覚えます。

本疾患は、膝を酷使するマラソンなどの走る系の一般アスリートや、それ以外でもトップアスリートなどプロスポーツ選手に生じやすいと言われており、打撲などの外傷を契機に発症する可能性も指摘されています。

鵞足炎の原因は、自分に見合っていない不適切なトレーニングをする、運動前にストレッチを怠る、急な坂道を急激に長時間走る、肥満体形で膝に負担が掛かりやすいなどが発症に関与していると考えられています。

このように鵞足炎という病気は、スポーツにかかわる障害として代表的な疾患のひとつであり、その臨床的な特徴所見としては鵞足部への圧痛や、同部の動作時における疼痛症状が現れることであります。

この疾患に罹患すると、初期では膝関節の内側部より5㎝ほど下方の部位に痛みを覚えて、その部位を押すと強い痛みを自覚します。また、運動時や階段昇降時に疼痛症状が悪化しやすく、更に病状が進行すると安静時にも同部位が疼くように痛みを感じることがあります。

  • 鵞足炎の特徴

  • ・スポーツ障害として代表的な疾患
  • ・膝の酷使
  • ・マラソン
  • ・トップアスリート、プロスポーツ選手に生じやすい
  • ・打撲などの外傷を契機に発症
  • 鵞足炎の原因

  • ・不適切なトレーニング
  • ・運動前のストレッチを怠る
  • ・急な坂道を急激に長時間走る
  • ・肥満体形で膝に負担が掛かかる

鵞足炎の治療法について

鵞足炎に対する治療策は、一般的には理学療法、あるいは投薬や注射などの保存的な療法が通常の流れになっています。

理学療法の一環として、本疾患においては大腿部の筋肉が硬くなると膝の症状が悪化すると考えられていますので、効果的なストレッチで筋肉部の緊張を和らげることが重要な視点となります。

注意点としては、炎症が強くて痛み症状が顕著な時期にストレッチ運動を過剰に実践してしまうと、逆に膝の痛みが悪化する原因になりかねないとの指摘もあります。

したがって、症状がひどい際には軽めのストレッチに留めておき、十分な安静を保持して、患部のアイシングや、湿布をはったり、外用消炎剤を塗布する、あるいは消炎鎮痛剤を服薬するなどの対処策を検討することになります。

また、鵞足炎に対する理学療法の一つとしてテーピングや、サポーターが挙げられます。

具体的には、膝関節を少し曲げながら股関節をやや内側に保持した状態で伸縮性のあるテーピングを貼付したり、サポーターを用いることで膝関節部における内側方向の動作を物理的に制限することができ鵞足部への負担を減らすことが出来ます。

もし鵞足炎に対して患部安静、局所的アイシング、抗炎症薬の使用、理学療法を実践するなどの治療方法を施行しても症状が改善しないケースでは、滑液包の内部に少量ステロイド薬を直接的に注射する療法も考慮されます。

このステロイドによる注射治療は施行後すぐに症状が軽快することが多く認められますが、数か月経過すると再度膝の痛みが再燃する可能性がありますので十分に注意を払っておくべきです。

また、痛みを覚えると身体を動かさなくなり、運動量が減ると体重が増加する恐れがあります。膝には体重の数倍の付加が、かかるとされ、体重の増加はそのまま症状の悪化につながりかねません。予防も含めて体重管理には注意したいものです。

まとめ・鵞足炎は膝の酷使が原因!その症状と治療法とは

鵞足炎という病気は鵞足部に存在している滑液包における炎症が主な病態であり、通常の場合には過度の運動などによって同部において繰り返して引き起こされる摩擦と物理的なストレスが原因で発症するものです。

特に、マラソンランナーや陸上選手などを始めとして膝を屈曲あるいは内旋する動作そのものが膝の内側、鵞足部への過剰な負担となりますし、縫工筋や半腱様筋、薄筋などの筋肉の緊張度が高い状況下に鵞足炎は頻繁に発症することが知られています。

  • 鵞足炎の治療法

  • ・薬物療法、湿布などのアイシング
  • ・ストレッチ
  • ・鎮痛剤の内服
  • ・消炎鎮痛剤の塗布、炎症部位をアイシングし、熱感を除去する

鵞足炎は再発しやすいとも指摘されているため、焦らずにきちんと治すことを意識しながら、担当の医師や理学療法士などの医療従事者や専属トレーナーと一緒に使用するシューズを見直すなど症状が再発しないように出来る工夫策を共有することが重要な観点です。

心配であれば、最寄りの整形外科クリニックや専門病院などの医療機関を受診して相談してみることも考慮してみましょう。以上、鵞足炎は膝の酷使で起こる、その痛みと治療法と題して記させて頂きました。

今回の記事の情報が少しでも参考になれば幸いです。

 

No.S040

監修:医師 加藤 秀一

 

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