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半月板損傷を早く治す方法は?治療法と効果的なリハビリを現役医師が解説

半月板損傷のリハビリ
公開日: 2022.07.26 更新日: 2025.02.12

「半月板損傷を早く治したい」「1日でも早くスポーツへの復帰を目指したい」といった方も多いでしょう。

膝の障害と聞くと年配者のイメージですが、若年者であっても過度な運動などによってスポーツ傷害を引き起こすリスクがあります。

なかでも、頻繁に認められる疾患が半月板損傷といえます。半月板を損傷し、万が一慢性化すると、将来的に変形性膝関節症を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

半月板損傷は、リハビリテーションを視野に入れながら適切に治療を行うことが重要です。今回は、半月板損傷を慢性化させず、早く治すための方法について詳しく解説していきます。

半月板損傷とは

半月板とは、繊維軟骨でできている組織で、Cの型や半月状の形をしていることが特徴です。膝関節の大腿骨と脛骨の間にあり、膝の内側と外側に存在している組織です。

半月板は、膝の滑らかな動きを可能にするほか、膝を安定させて荷重を分散させたり、物理的な外力による衝撃を吸収したりする機能を果たしています。

半月板が損傷すると膝部に疼痛が生じ、膝を屈曲・伸展する際に引っかかりを感じるようになります。ひどいケースでは、激痛のために歩行できなくなったり、関節内部で強い炎症を引き起こして膝全体が腫れあがったりするケースも珍しくありません。

半月板損傷の主な原因

半月板損傷は、スポーツの際に起きる怪我から発症するのみならず、加齢に伴う場合が多いのも事実です。

傷つきやすくなっている半月板組織に外部からわずかな力が加わることで、損傷・断裂を引き起こす症例もあるため注意が必要です。

外傷性の半月板損傷は、激しいスポーツのほか、長時間のランニングや急に立ち止まる動作などによって起こります。また、事故などによって膝が物理的なダメージを負ったときにも、外傷性の半月板損傷につながる可能性が考えられます。

また、年齢とともに長い年月をかけて半月板への負担が蓄積されると、わずかな衝撃や力が加わっただけでも損傷するケースが少なくありません。

とくに、長時間のウォーキングや膝をねじるような動きをした際に損傷リスクが高まります。

半月板損傷は自然に治らないため治療が必要

半月板損傷は、基本的に自然には治りません。

なぜなら、半月板は血管が乏しく、修復に必要な栄養素が運ばれにくいためです。

膝に痛みや違和感を感じるからといって、半月板損傷を発症しているとは限りません。しかし、半月板損傷を放置してしまうと、膝の軟骨部分が露出してすり減ったり関節の変形が進行したりするリスクが高まるため注意が必要です。

膝に痛みや違和感を感じる場合は、医療機関で検査を受けることをおすすめします。検査の結果、半月板損傷と診断された場合には、早く治すためにも適切な治療を受けましょう。

半月板損傷を早く治す方法

半月板損傷を発症した際の主な治療法としては、以下の3つが挙げられます。

  • 保存療法
  • 手術療法
  • 再生医療

個別の症状や生活習慣に応じて、早く治すための治療法を選択する必要があります。

保存療法

保存療法とは、薬物の内服や適切なリハビリテーションを通じて回復を目指す方法です。軽度な痛みや半月板損傷に対して優先的に試みる方法で、3カ月程度を目安に治療を続けるのが一般的です。

具体的には、膝に負担をかけないよう安静を保ちながら、抗炎症薬の投与やヒアルロン酸注射、筋力強化のためのリハビリテーションを行って痛みの緩和を目指します。なお、保存療法を続けても症状が改善されない場合は、手術療法に進むかどうかを判断する必要があります。

手術療法

手術療法は、保存療法で効果がない場合や、膝の安定性を維持するために半月板の修復が必要な場合に検討すべき治療法です。

手術療法の主な目的は、膝関節の機能を回復させ、半月板損傷の再発や関節の変形を防ぐことです。

半月板損傷の手術には、縫合術と切除術の2種類があります。

半月板縫合術

半月板が部分的に切れたり裂けたりした場合に選択する術式

半月板切除術

半月板が広範囲に損傷しており、縫合による修復が難しい場合に選択する術式

半月板は血流がもともと少なく、損傷したところが修復されにくい組織です。そのため、縫い合わせても元の通りにくっつかないことが多く、手術の9割は切除術を選択せざるを得ない状況だといわれています。

▼ 半月板損傷の手術について詳しく知りたい方は、以下をご参考ください。

再生医療

保存療法で効果が得られない場合、手術に代わる治療法として、再生医療という選択肢があります。再生医療とは、自然治癒力を最大限に引き出す医療技術です。

幹細胞を投与することで、半月板損傷に対する高い治療効果が期待できます。

再生医療なら、半月板を切り取る手術をしなくて良い分、膝の関節が変形するリスクを避けられるメリットがあります。

リペアセルクリニックでは、再生医療による膝の痛みや半月板損傷の治療が可能です。当院では、メール相談オンラインカウンセリングも実施しているので、ぜひ気軽にご連絡ください。

半月板損傷を再生医療で治療する

再生医療なら半月板損傷は、手術せずに改善できます

半月板損傷を早く治すためのリハビリテーションの4ステップ

半月板損傷を早く治すためには、適切なリハビリテーションが欠かせません。

運動器リハビリテーションは、患者の運動能力や生活機能を回復させた上で、レベルの維持を目指す治療法です。

半月板の損傷度や症状は一人ひとり異なるため、実際にリハビリテーションを実践するタイミングはさまざまです。

しかし、リハビリテーションの基本的なステップはほとんど変わらないため、以下で解説する内容を参考に、担当の理学療法士とよく相談して進めましょう。

1.関節可動域を増やすために訓練する

リハビリテーションにおける最初のステップは、関節可動域の訓練です。具体的には、膝関節を曲げ伸ばしできる角度を改善するために、リハビリテーションを行います。

半月板損傷を発症すると、一般的に膝の曲げ伸ばしが困難になって日常生活に多大な支障が生じます。そのため、可動域を増やすことを目標にした理学的な訓練を実施することが大切です。

また、膝関節をかばって股関節や足関節が拘縮すると、かえって膝に負荷が集中してしまうため注意が必要です。半月板損傷を早く治すためには、膝関節のみならず、股関節や足関節に対するリハビリテーションも行う必要があります。

2.筋肉をつける

関節の可動域を増やすための訓練や、股関節あるいは足関節のリハビリに慣れてきたら、並行して膝周辺の筋力増強を図ります。具体的には、膝関節を支えやすくなるようなトレーニングを取り入れていくことがポイントです。

半月板が損傷している状況では、膝周りにあるほかの構造物で半月板を代理して体を支えなければなりません。半月板損傷の再発を防止するためにも、膝周辺の筋力強化によって膝を安定化させ、身体を支えられるようにすることが大切です。

3.バランストレーニングを行う

リハビリテーションが後半に差し掛かると、バランストレーニングを始めます。バランストレーニングとは、本来の膝領域におけるバランス感覚を取り戻すためのリハビリテーションです。

半月板は膝関節を安定させる機能を有しており、損傷によって膝が不安定になると、身体を支えられずに怪我を引き起こす危険性があります。

そのため、バランスを取り戻すための理学療法は、半月板損傷のリハビリテーションにおける重要なトレーニングの一つであるといえるでしょう。

4.アスレチック・リハビリテーションを実践する

リハビリテーションの最終段階になると、スポーツ競技や運動動作の再開を見据えて、アスレチック・リハビリテーションを実践します。

アスレチック・リハビリテーションは、筋力がある程度回復し、膝関節の痛みをほとんど自覚しない状態になった場合に、本格的なスポーツへの復帰に向けて行う理学療法です。

まずはジョギングに取り組み、ひざの痛みが悪化しないかを確認します。とくに問題がないようであれば、徐々に梯子を用いたラダートレーニングや両脚ジャンプなどの動作を取り入れていくのが一般的です。最終段階では、競技に応じた特有の動きがスムーズにできるように、より実践的な運動動作を確認していきます。

半月板損傷を早く治すためは手術前のリハビリも効果的

半月板損傷を早く治すためには、手術後に限らず、手術前のリハビリテーションも効果的です。

とくに、術後すぐに動けない場合は、足首周りや股関節周りなど、ほかの部位の関節機能を低下させる可能性が高いため注意が必要です。半月板の手術後、スムーズに回復・リハビリテーションを進めるためには、手術前から筋力トレーニングを行ったり、生活指導を受けたりしておくと良いでしょう。

また、半月板損傷を早く治すために何をすべきか、術後のリハビリテーションについて理解を深めておくことも大切です。

軽度の半月板損傷|術後のリハビリ期間の目安

半月板を損傷した場合、治療法や症状によってリハビリテーションの方法や期間が異なります。以下で、手術後のリハビリテーションについて詳しく解説します。

半月板縫合術は術後6〜10週間で運動しても良い

半月板縫合術による施術の場合、損傷の程度や部位によってリハビリテーションのスケジュールが異なるため注意してください。

縫合部分が再び断裂してしまうことを防ぐため、術後2週間程度は松葉杖での生活になるでしょう。また、膝の曲げ伸ばしにも制限があるため、激しい運動はできません。

術後6週程度から、軽めのジョギング等の運動が可能になります。スポーツなどへの復帰は10週程度で段階を経て行っていくのが一般的です。

ただし、重症のケースや経過によってはスポーツへの復帰が半年前後かかる場合もあります。術後の経過や回復に応じて臨機応変に対応していくことがポイントになります。

半月板切除術は術後2〜4週間で運動しても良い

半月板切除による施術の場合、縫合術と比べてリハビリテーションを早く進められます。多くの場合は、松葉杖やサポーターを使用しながら、術後すぐに体重をかけて歩行できるでしょう。

術後2週間程度で軽めのジョギングなどをはじめ、膝の安定性を高めるための筋力トレーニングを段階的に行っていくのが一般的です。日常生活の動作に支障がなくなったら、スポーツへの復帰に向けて徐々に運動強度を上げていきます。

半月板切除による施術の場合、1カ月前後でスポーツへの復帰が可能です。

半月板損傷を早く治すためにやってはいけないこと

半月板損傷を早く治すためには、治療の過程でやってはいけないことがあります。半月板損傷を悪化させたり、回復を遅らせたりしないためにも、以下のような動きには注意してください。

  • 膝をひねるような動き
  • 膝の過度な曲げ伸ばし
  • 長時間の歩行
  • 座りっぱなしや立ちっぱなし
  • 階段の上り下り

半月板損傷の治療中は、膝に負担をかける姿勢や動作を避けることが大切です。

なかには、日常生活でうっかりやってしまう可能性も考えられます。これらの動作をしていることに気がついたら、できるだけ短時間でやめるようにしてください。

半月板を早く治すためには、慎重なアプローチが必要です。リハビリ期間中は、無理をせず専門家の指導に従って回復を目指しましょう。

リペアセルクリニックでは、メール相談オンラインカウンセリングも実施しているので、半月板損傷の治療に不安がある方は、気軽にご連絡ください。

▼ 半月板損傷の治療における注意点は、以下の記事で詳しく解説しています。
【医師監修】半月板損傷でやってはいけないこと!放置するリスクや治療方法も解説

まとめ・半月板損傷を早く治すためにはリハビリテーションが効果的

半月板損傷とはどのような病気なのか、早く治すためのリハビリテーションを4つのステップに分けて詳しく解説しました。

半月板は、膝関節の内部にある軟骨様の構造物で、軟骨部に負荷がかかるような外からの物理的な力を和らげる重要な役割を担っています。半月板を損傷した場合には、損傷度合いに応じて具体的な治療期間やリハビリテーションの内容を個別に決めなければなりません。

半月板のような軟骨組織は、完全に治癒するまでにかなりの時間を要します。身体機能をカバー出来るよう、患部はもちろん身体の状況を判断しながら計画的にリハビリテーションに取り組む必要があります。

決して無理をせずにトレーナーや理学療法士と相談して適切な治療を行いましょう。

半月板損傷を再生医療で治療する

再生医療なら半月板損傷は、手術せずに改善できます

▼ヒアルロン酸注射による治療について詳しく知りたい方は、以下もご参考ください。

監修者

坂本 貞範(医療法人美喜有会 理事長)

坂本 貞範 (医療法人美喜有会 理事長)

Sadanori Sakamoto

再生医療抗加齢学会 理事

再生医療の可能性に確信をもって治療をおこなう。

「できなくなったことを、再びできるように」を信条に
患者の笑顔を守り続ける。

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