半月板損傷は放置禁止|進行で重症化の恐れ!その症状と治療法
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半月板損傷は放置禁止|進行で重症化の恐れ!その症状と治療法
膝に痛みや違和感を感じて、日常生活に支障が生じている!という方へ。その痛み、半月板が損傷して起こっているのかもしれません。
膝には半月板という組織があり、膝を滑らかに動かすために重要な働きをしています。半月板が損傷するのは、大きく分けて年齢を重ね組織が脆くなった場合、或いはスポーツの衝撃などで損傷する場合もあります。いずれにしても半月板損傷は、膝に負荷のかかる動きをしたときに起こりやすい病気です。
このように半月板損傷の原因としては、一般的に「スポーツ障害」で見られることもありますが、「加齢」によって起こることもあり、スポーツをしない人でも日常生活の中で半月板損傷を起こすリスクがあります。
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実際、膝が痛いな・・・と思っていたら半月板損傷だった!いう人もおられます。今回は、そんな半月板損傷の原因から治療法、ご注意頂きたいことについてお話します。
半月板損傷は、一度発症すると自然に治ることはありません。
そればかりか放置すると重症化し、変形性膝関節症にも進行しかねず、最終的に人工関節という結果にもつながりかねない注意が必要な病気です。そこで、半月板損傷を放置することなく治療し、進行する前に早く治していただくためにも、その症状や痛みの原因、治療法について記載させていただくことにしました。
半月板とは
半月板は、膝関節に存在し、太もも側の大腿骨と、すね側の脛骨の間に存在する軟骨でできた板です。アルファベットのC 型という特徴的な形状をしていて膝関節の内側と外側に1つずつ存在します。
半月板の周囲には、軟骨や靭帯、腱といった膝関節を構成する組織があり、半月板は、それらを安定させる役割を果たしています。それ以外にも半月板は膝関節のクッションとして役立っており、膝に対する荷重や、衝撃などの負荷を軽減したり、膝の動きを滑らかにしたりと、足の動きに関して非常に重要な働きを担っています。
このように半月板は、膝を構成する大切なパーツなのですが、急激な衝撃や動作を行ったり、過度な負荷が掛かることで損傷することがあります。
これが半月板損傷と言われるもので次で詳しく解説します。
半月板損傷の症状について
人は歩くだけでも体重の5倍もの負担が膝関節に掛かっていると言われています。そんな荷重を受け止めている半月板ですが、強い衝撃や突然の負荷によって傷ついてしまうことがあり、これが半月板損傷といわれるものです。
半月板は一度損傷すると自然に元の状態に戻ることはほとんど無いため、放置せず治療が必要です。半月板は膝関節のクッションの役割を担っているため損傷するとクッション性が無くなり、歩くときに痛むようになります。
また、それ以外にも膝の引っかかり感や、動かすと音が鳴ったり、膝の腫れ、関節がずれるような感覚、また嚙み合っていないような違和感を感じることがあります。
また、断裂した半月板が膝関節に挟まるこで急に膝の曲げ伸ばしができなくなる(ロッキング)こともあり、そうなると膝の動きにも支障が生じます。
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半月板損傷で膝に痛みが起こる原因
半月板損傷が起こると、痛みが起こるのですが実は痛みが発生しているのは半月板ではありません。痛みの原因は、大きくわけて「筋収縮」と「炎症」によるものです。
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注意!半月板損傷は、変形性ひざ関節症に進行(重症化)する危険
半月板損傷により、半月板としての機能が損なわれて時間が経過すると、その間に軟骨に大きな負担がかります。
注意すべきは、この軟骨のすり減りが原因として「変形性膝関節症」を発症してしまう可能性があることです。
そのため半月板損傷が発症した場合には、放置することなく治療を行い、膝を正常な状態に回復させることが大切になります。「半月板損傷」を放置し、「変形性膝関節症」に移行すると、さらに重篤な症状へとつながり、更には「人工関節」という可能性すらありえます。
半月板損傷を発症したら早めに治すために行動を起こしましょう。ついては、病院、医療機関の整形外科等で診断を受け、「早期に治療」を始めることが大切です。
半月板損傷の治療
半月板損傷の治療は「保存療法」か、「手術療法」がメインとなります。保存療法は、リハビリをメインに行い、膝に水が溜まる場合には、水を抜いて潤滑性と抗炎症作用を期待できるヒアルロン注射を行います。
痛みに対しては、薬物を用いた痛み止めを使用することになります。また、抗炎症剤を用いて炎症を鎮めることもあります。炎症が原因で痛みが出ている場合は、炎症が収まれば痛みも落ち着いてくることが多いからです。
それでも痛みが強くなる「ロッキング(膝が動かない)」の状態になると手術療法の検討が必要となります。
手術療法は、「半月板を縫い合わせる縫合術」と、「断裂した半月板を取り除く切除術」があります。ただ、手術を行った場合でも。将来的に変形性ひざ関節症を発症するリスクがあり、リハビリなどの保存療法は欠かせません。
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手術をするとなれば入院も必要となり、中には手術自体が不安という方もいることでしょう。
また、スポーツをされている方は復帰までに時間がかかることを覚悟しなければならず選手生命を絶たれる可能性すらあります。
※ 注目の「再生医療」という治療法
これまで半月板損傷の根本的治療には手術という選択肢が主でしたが「手術をしない」、「入院もしない」で治療できる新たな方法が注目されています。それが最先端の医療で「再生医療」という選択肢です。
これは自身の脂肪から採取・抽出し培養で増やした肝細胞を膝に直接注射するという方法です。幹細胞が傷ついた半月板を修復し、痛みや炎症を抑える効果が期待できます。
自分自身の脂肪から培養する幹細胞であるため、アレルギーなどの心配も不要、この方法なら患者さんの体に負担が少なく、外科的な手術に比べて治癒までの期間が短く済むなどのメリットもあります。
特にスポーツ選手にとっては手術を避けることができるため、大切な体にメスを入れないで済むこと、入院が不要なため患部以外の痛めていない部分の筋力を落とさないで済みます。
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まとめ・半月板損傷は放置禁止|進行で重症化の恐れ!その症状と治療法
今回は、半月板損傷は治療しなければ治らないということ。そして、放置して自然に治ることは無いこと。放置することの危険性について簡単にご説明いたしました。
半月板損傷を早く治すには、膝の違和感を感じた時点で放置しないこと早期に治療に取り組みましょう。半月板損傷の痛みの原因は、損傷したときの衝撃による筋収縮や、炎症です。
その治療については、保存療法やリハビリ、そして手術があります。損傷した半月板を縫い合わせたり、半月板を取り除く方法があります。
そして、新たな可能性として注目を集めている再生医療という方法もご紹介いたしました。損傷した半月板の修復も期待できる治療法です。
膝に違和感や痛みを感じた際には、早く治すためにも整形外科等、専門の医療機関を受診されることをおススメしました。以上、半月板損傷は自然には治らない、その症状と治療法について記しました。
本記事が参考になれば幸いです。
No.S039
監修:医師 加藤 秀一
再生医療なら半月板損傷は、手術せずに改善できます
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