トピックスtopics
  • HOME
  • トピックス
  • 膝関節が痛い!そんな時、どういった病気が疑われるのか

膝関節が痛い!そんな時、どういった病気が疑われるのか

膝関節が痛い!そんな時、どういった病気が疑われるのか

日常生活において、膝に痛みを覚えたり違和感を自覚したことはありませんか?

そもそも、膝関節という部分は大腿骨、脛骨、膝蓋骨と呼ばれる3種類の骨形成群が組み合わさって構成されています。私たちが膝を曲げ伸ばしするということは、脛骨の上を大腿骨が前後になめらかに転がっている状態だということになります。

これらの骨表面には弾力性に富んだ柔らかい軟骨というクッションで覆われており、同時に大腿骨と脛骨の間に位置する半月板と呼ばれる部分も膝関節にかかる物理的な衝撃を吸収するという役割を果たしています。

膝関節の痛みを抱えている人にとって、膝に関する正しい知識を知り、日々の適切なケアを継続することによって疼痛症状を緩和させることが期待できます。

今回は、膝関節の痛みを感じた際には「どういった病気が疑われるのか」、そして膝関節の痛みを自覚するようになった場に「どのような対応策があるのか」という2つの観点から解説してまいります。

膝関節の痛み

膝関節の痛みは、どういった病気が疑われるのか

通常の場合には、膝関節の痛みを生じさせる代表的な病気には、「変形性膝関節症」と言われるものが最も多く、その他、運動などのスポーツ障害として「半月板損傷や、前十字靱帯損傷等」などが良く知られ、一部に「関節リウマチ」という場合もあります。

「膝の痛む」ときに多い疾患
  • 変形性膝関節症
  • 関節リウマチ
  • 膝骨壊死症ほか
  • 半月板損傷
  • 前十字靱帯損傷等
  • 後十字靱帯損傷
  • 内側・外側々副靱帯損傷
  • 離断性骨軟骨炎
  • 関節ネズミ
  • オスグッド病
  • 軟骨損傷ほか

変形性膝関節症について、

これは加齢によることが多く、原因としては、年齢を重ねるごとに軟骨が少しずつ摩耗し、半月板が損傷、炎症が起こり関節の変形がみられるようになることです。

変形性膝関節症の初期段階では座った状態から立ち上がる瞬間や歩行動作を開始する時などに限定して膝の痛みを感じますが、休息すれば自然と症状が改善する傾向にあります。

ところが、病状が進行すると正座の姿勢を取る、あるいは階段を昇り降りすることが困難となり、さらに悪化すると安静にしている時でさえも膝の痛みがとれずに膝関節の変形が顕著になると歩行することが出来なくなってしまう怖い病気です。

本疾患における原因としては加齢に伴って膝関節内の軟骨組織が老化することのみならず、肥満体形であることや、元々の遺伝的素因、そして膝関節周囲における骨折病変や半月板損傷を始めとした外傷などの後遺症として発症することが往々にしてあります。

変形性膝関節症は進行性の病気で元の状態に回復させることが困難な病気です。いかに現状の状態を維持できるかといったことが治療の主眼となり、保存療法を中心としたリハビリが有効な治療法となります。

ただ、最終的には「人工関節」という選択を迫られる時がまいります。そのため、膝に違和感を感じたら、早めに病院等にて診察を受け、リハビリ等にて進行を、できるかぎり遅らせるようなお取組みが必要です。

関連記事 変形性膝関節症の人がしてはいけない仕事とその理由

関節リュウマチは、

膠原病という自己免疫が関連した病気で膝関節のみならず手指、手関節、肘関節などを中心に身体のあらゆる関節で炎症が引き起こされる病気です。

関節リウマチを引き起こす要因としては未だに明確なことは判明していませんが、どうやら生体の自然免疫システムが発症に深く関係していると言われており、病状が悪化するメカニズムは最近の医学研究などによって少しずつ明らかになってきています。

本疾患における初期症状としては関節自体に炎症が起こることに伴って関節部の腫れが認められ、それが膝部分で発症すると膝関節部の痛みが出現することになります。

さらに病状が進行してしまうと関節を構成している骨や軟骨などが破壊されることによって関節が変形して屈曲拘縮や関節脱臼など日常生活に多大に支障をきたす症状を自覚することに繋がっていきます。

▼合わせて読みたい

関節リウマチ放置してはいけない!初期症状と治療法

膝骨壊死症

骨壊死の特徴として、急な痛みがあります。病気が進行することで徐々に痛みが進行していく変形性膝関節症とは違って骨壊死は、急に、突然に痛みが発症する場合が多いと報告されています。

原因としては、軟骨の土台になっている軟骨下骨に微小骨折が生じて骨の壊死が発症していくと推測されています。夜間など寝ている時や、体を動かしていないのに膝の痛みがある場合に膝骨壊死(大腿骨内顆骨壊死、脛骨内顆骨壊死)が考えられます。

半月板損傷、前十字靱帯損傷等

これらの損傷は、比較的若い世代で起こることが多く、運動や、スポーツによって強い力を受けたときに生じる外傷によって膝の痛みがみられる場合に疑われます。

半月板損傷などは、年をとって弱くなった半月板に力が掛かると損傷することもあります。この場合は、日常の軽い怪我、転んだりした場合にも起こるため、年齢を重ねた場合は転倒や、つまずきに注意すべきでしょう。

半月板損傷や前十字靱帯損傷、軟骨損傷などでは膝が伸びないロッキングと言われる症状が出ることがあったり、膝が痛みと共に、曲がらなくなったり、走れなくなる場合があります。

また、前十字靭帯損傷には完全断裂や部分断裂、弛緩といった症状があります。前十字靭帯は、膝関節の脛骨と大腿骨を繋いでいる靱帯で、この部分に強い力が加わることで断裂や伸びてしまったりして損傷が起こります。

この症状はスポーツや運動を行うことで発症することが多く、サッカーやラグビー、バレーボール、バスケットボール、スキーやスノボード。柔道や空手などの格闘技等、激しいぶつかり合いやジャンプしたり、急な捻りが起こったり、転倒が起こることで損傷することが多く見られます。

▼こちらも合わせてご覧ください

半月板損傷は自然には治らない/その症状と治療法

膝関節の痛みを自覚する病気になった時の対応策

膝関節痛の原因が変形性膝関節症の場合には、

日常生活において、ふとももの筋肉(大腿四頭筋)を鍛えて、出来る限り「正座」の姿勢を取らないように心がけましょう。

また、肥満気味と指摘されれば食生活を見直して運動習慣を持って減量に努める、また膝部分を冷房などで極力冷やさずに血行を良好に保つ、そして和式トイレで長時間膝を屈曲した状態を保持せずになるべく洋式トイレを使用するように認識しておきましょう。

変形性膝関節症を患った患者さんの場合、膝関節の痛みが軽度であれば鎮痛剤を内服するあるいは湿布などの外用薬を貼付する、あるいは膝関節内にヒアルロン酸を注射する処置を実施することもあります。

その上で並行して大腿四頭筋を強化するリハビリ訓練を受ける、関節可動域を改善させるための理学療法を実践する、膝を温める物理療法を試みる、あるいは膝関節にかかる負担を補助するための足底板や膝専用装具を作成するなどの工夫策を組み合わせてみましょう。

これらの保存的な治療でも症状が改善しない場合には関節内視鏡手術、高位脛骨骨切り術、人工膝関節置換術などを中心とした手術治療を考慮することになります。

関節リウマチ疾患の治療は、

膝関節の疼痛症状のみならず発熱や体重減少などの全身症状を合併することも多いため、病状の活動性が盛んな際には絶対的安静も必要になるでしょう。

本疾患の病状進行度は患者さん自身の日常生活の習慣と密接に関与していると考えられているため、周囲のサポート環境がリウマチ患者さんに日常生活指導を実践して生活習慣を改善させることで膝関節の痛みなどを代表とする症状を軽減させる効果が期待できます。

普段の食生活においてはタンパク質やビタミン成分、そして微量ミネラル元素などを中心にバランスに優れた食事内容を摂取することをお勧めしますし、体重が増加し過ぎて肥満にならないように心がけることが重要な観点となります。

関節リウマチに対する薬物療法としては、抗リウマチ薬や生物製剤を用いた免疫療法、ならびに原疾患に伴う炎症所見や痛みを緩和させる非ステロイド系鎮痛消炎剤などを用いた対症療法が主流となります。

膝関節における屈曲制限などを含めた機能障害の重症度によっては、その機能を回復させることを主目的として滑膜切除術や人工膝関節置換術などの手術療法を検討するケースも考えられます。

前十字靭帯損傷の治療について

損傷が起こった場合は、リハビリを中心とした運動療法を中心に理学療法、装具療法等の保存療法を行います。それでも症状が改善しない場合は、手術療法を検討することになります。

手術療法には、関節鏡視下にて行う低侵襲の手術であるため、術後の回復も早く、スポーツの場合では競技への復帰、また社会への復帰も早く見込めます。

ただし、注意点としては、靭帯損傷で適切な治療を行わないままに運動や、スポーツを継続すると半月板等、周囲の軟骨を損傷することとなりかねません。そうなると変形性膝関節症に移行しかねない危険性があります。

上記、どんな症状であっても初期の治療が非常に大切です。また、治りきらないまま放置したり、運動を行うのは危険であることをご理解いただければ幸いです。 

まとめ・関節の痛み!そんな時、どういった病気が疑われるのか

膝関節痛を来す病気として代表的なものは変形性膝関節症や、半月板損傷、前十字靱帯損傷、関節リウマチが挙げられます。

これらの関節疾患に罹患した場合には、疼痛症状の度合い、病状の進行度、日常生活における支障度などにはそれぞれ個人差があるので、個々のケースに応じて状態を評価して綿密な治療計画を立案する必要があります。

これらの病気に対する治療や予防に関しては、まずは膝関節を含めて自分の身体の状態を適切に知ることが重要です。その詳細な症状や具体的な治療法、薬剤効果などを本人や家族自身が十分に向き合って理解することが重要な視点となります。

膝に痛みや違和感などがあって心配であれば、最寄りの整形外科クリニックや専門病院などの医療機関を受診して相談されることを検討しましょう。

以上、関節の痛み!そんな時、どういった病気が疑われるのかについて記載しました。今回の記事、情報が少しでも参考になれば幸いです。

▼こちらの動画も是非ご覧ください

膝と足首の変形性関節症の幹細胞治療を実際の症例を交えて紹介!注射するだけで改善するって本当?【再生医療】

 

No.S074

監修:医師 加藤 秀一

 

イメージ画像トップ