胸郭出口症候群のセルフケア!自分でできる効果的なマッサージやストレッチ方法をご紹介
公開日: 2023.01.23更新日: 2024.10.07
目次
胸郭出口症候群のセルフケア!自分でできる効果的なマッサージやストレッチ方法について
胸郭出口症候群でお悩みではありませんか?
この疾患には、スポーツ選手から主婦まで、幅広い年代や分野の人が悩まされています。
今回は、その胸郭出口症候群に対するストレッチ方法やマッサージ方法、効果的なツボの位置も合わせたセルフケアをご紹介します。
胸郭出口症候群ってなに?
胸郭出口症候群をはじめて聞く方もいらっしゃるかもしれません。腕の動きや感覚を支配する神経(腕神経叢)や、血管(鎖骨下動脈・静脈)が胸郭出口で圧迫されて起こる疾患です。
首から腕に走る神経や血管が、骨や筋肉、腱によって圧迫されることで、手の指先の痺れや、首から腕にかけての痛み、力の入りづらさ、血行不良など様々な症状を引き起こします。
胸郭出口症候群の原因は?
野球やバレーボール、バドミントンなど腕を上から振り下ろすような動作を反復するスポーツ選手が罹患するスポーツ外傷としても知られています。
他にも、なで肩の女性や、重いものを持ち運びする仕事の人にも多く、普段の姿勢や負担のかかる動作が原因となることが多いです。
割合は少ないですが、頚肋といって発達段階で生じる骨の形態異常から神経・血管を圧迫するケースもあります。
胸郭出口症候群になりやすい人の特徴
胸郭出口症候群になる人の多くは以下のような特徴がみられます。
自分に当てはまるものが一つでもあれば、注意が必要です。
オーバーハンドスポーツをする人
オーバーハンドスポーツとは、野球のピッチングやバレーボールのアタック、バドミントンのスマッシュなど、腕を上に挙げる動作を繰り返すスポーツのことを指します。
腕を上から振り下ろす動作は、肩の前方から前胸部の筋肉を使うことが多いため、それらの筋肉が発達し過ぎて、腕神経叢や鎖骨下動静脈を圧迫する可能性がでてきます。
オーバーワークの人も、カラダのコンディションがついていかず、発症する危険性も上がるため注意が必要です。
なで肩の人
胸郭出口症候群で特徴的な姿勢の一つが「なで肩」です。
なで肩では、鎖骨の位置が下がるため、神経・血管が通る鎖骨と肋骨の間が狭くなり、圧迫を起こしやすくなります。
猫背など姿勢が悪い人
猫背にみられるような背中が曲がった姿勢を長時間とってしまうと、胸の前の筋肉の一つである小胸筋が短縮してしまいます。
その小胸筋は硬くなってしまうと、腕神経叢や鎖骨下動静脈を圧迫してしまう恐れがあります。
小胸筋の柔軟性が低下している状態で胸を張ろうとすると、小胸筋がある脇の下で圧迫が強くなり、症状が酷くなることも多いです。
普段から背中が曲がった姿勢をとってしまう人は、胸郭出口症候群になる可能性も高まります。
胸郭出口症候群は治らない?いいえ治ります!
神経症状が辛い胸郭出口症候群ですが、症状が長引くことも多く、「治らないんじゃないか?」と心配の声も多く聞かれます。
しかし、胸郭出口症候群は基本的には治る疾患です。日常生活での姿勢や動作習慣の見直し、そしてこれからお伝えする「セルフケア」によって原因を取り除くことができれば、症状の改善が見込めるはずです。
胸郭出口症候群に対するセルフケア
胸郭出口症候群に対するケアの方法で重要なことは、“胸を開ける状態にする”ことです。胸を開けるとは、胸を張ること。
しかし、胸周りの筋肉が硬い状態で胸を張ろうとしても返って逆効果になることもあります。
まずは、首から胸、肩甲骨周りなどの筋肉、関節の柔軟性を出して、胸を張りやすい状態にすることが大切です。
それでは柔軟性改善のために必要な具体的な方法をお伝えします。マッサージに効果的な、東洋医学のツボの位置も合わせてご紹介します。
胸鎖関節のマッサージ①「兪府(ゆふ)」というツボを押さえる(鎖骨の真下、胸骨の際から指一本分横の位置に取ります) ②手で胸骨と鎖骨の繋ぎ目のところをさするようにマッサージする ③慣れてきたら、同部位を押さえた状態で肩を回す |
鎖骨周囲筋のマッサージ①「欠盆(けつぼん)」というツボを挟むようにつかむ(鎖骨中央のすぐ上、大きくへこんでいる場所にあります) ②少し前屈みになり鎖骨を浮き出させたら、反対の手の親指を鎖骨の下に入れ、その上から人差し指で挟むようにつかむ ③つかみながら周りの筋肉をほぐすようにマッサージする |
小胸筋のストレッチ⓵「中府(ちゅうふ)」というツボの位置を押す(鎖骨の外側端から指一本分下の場所です) ②反対側の手で小胸筋(※)に対して垂直に押す ※鎖骨外側 1 / 3部から 3 ~ 4 横指下の部分をゆっくりと触診します ③押した状態で腕を 20 回ほど前後に振る ④少しずつ位置をずらしながら 5 セット程度行う |
無理のない範囲で、様子を見ながら行いましょう。
まとめ・胸郭出口症候群のセルフケア!効果的なマッサージやストレッチ方法をご紹介
胸郭出口症候群に対するセルフケアの方法を紹介してきました。
症状の程度は人それぞれであり、セルフケアだけではなかなか改善が難しいケースももちろんあります。
セルフケアを行うと同時に、専門の医療機関でしっかり状態をみてもらい、専門家より適切なアドバイスを受けることが大切です。
気になる症状がある人は、できるだけ早めに受診することを心がけましょう。
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