脳溢血による後遺症と麻痺症状の治療について
公開日: 2023.03.03更新日: 2024.10.07
目次
脳溢血による後遺症と麻痺症状の治療について
脳卒中は突然発症し、命にかかわることのある重篤な病気であり、日本での死亡の原因上位とされています。
脳卒中には、脳の血管が詰まる脳梗塞と、脳の血管から出血が起きる脳溢血(のういっけつ)に分けられます。本記事では脳溢血の後遺症と麻痺症状の治療について詳しく解説していきます。
- 脳卒中:脳の血管が詰まる
- 脳溢血:脳の血管から出血が起きる(脳出血とも言われます)
脳溢血(のういっけつ)とは
脳溢血とは、脳の血管が破れることで血液が流出し、脳内の神経細胞を圧迫してしまう状態のことで、現在は脳出血と呼ばれることが多いです。
脳溢血は発症後に治療しても後遺症が残ることが少なくありません。脳の細胞がダメージを受けることで、体の麻痺や感覚の障害、脳に障害が残る可能性もあります。
後遺症によっては、治療後も日常生活に影響が出ることがあるので、症状だけでなく後遺症まで知っておくことが大切です。
以下より一般的な後遺症について解説していきます。
脳溢血による後遺症
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脳溢血による後遺症の治療
一度脳溢血を発症すると、完全に回復することは難しいことがあります。これは、神経細胞は一度障害されてしまうと、再生することができないためです。
しかし、リハビリ治療を行うことによって、その症状は軽減することができます。特に早期からリハビリを開始することによって、機能予後は格段に良くなることが期待されます。
脳溢血のリハビリは大きく分けて 3 段階あり、それぞれについて詳しくみていきましょう。
急性期脳溢血の症状が現れ、身体の症状が安定するまでの期間を急性期と言います。発症直後の時期は全身状態が安定しないため、生命維持が優先されます。いきなり歩行などを始めたりすると、血圧が上昇し再出血などのリスクもあるためです。 急性期は一般的に2週間程度の期間であることが多く、ベッドサイドでのリハビリが行われます。これは、ベッド上で過ごす期間が長くなると、廃用症候群※を招くことがあるからです。以下のような状態を避けるためにも、急性期からのリハビリは必要となります。
回復期急性期を脱して、全身状態が安定し本格的にリハビリを進めることが出来るようになる時期を回復期といいます。 回復期は主に病院でリハビリが行われ、日常生活への復帰を目標として、ベットサイドでの運動や、杖や歩行器などを用いた歩行訓練、また日常動作として食事やトイレ、入浴に関するリハビリも開始されます。 この他にも言語や嚥下機能の回復を行うリハビリや、高次脳機能障害に対するリハビリも開始していきます。 維持期維持期は回復期を経て日常動作を獲得し、退院後の時期に当たります。一度回復した機能も、何もしなければ再度機能低下してしまうので、外来に通ったり、日常生活の中で意識して体を動かす習慣作りをすることが重要です。 |
脳溢血による麻痺症状の治療
麻痺の治療については近年研究が進んでおり、通常のリハビリ以外にも様々な方法があります。
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まとめ・脳溢血による後遺症と麻痺症状の治療について
脳溢血による後遺症と、麻痺症状の治療について解説してまいりました。脳溢血には前兆がなく、ある日突然起こる怖い病気です。そのため、日ごろから健康に気を使うことが必要です。
脳溢血の入院期間は 3ヶ月~半年程度と長期間必要となることが多くあります。その期間のほとんどが後遺症を治療するリハビリ期間に相当します。脳溢血は日常生活を突然変貌させる非常に怖い病気です。
発症後は、本人だけでなく、ご家族をはじめとした周囲のサポートも非常に重要となります。この記事がご参考になれば幸いです。