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ヘルニアのPLDD手術は失敗する?効果なし?治療前のチェックポイントを医師が解説

この記事を読んでいる方は「椎間板ヘルニアのPLDD手術で失敗したらどうなるのだろう」と不安になっているのではないでしょうか。
椎間板ヘルニアのPLDD手術は、メスを使わないため出血が少なく、全身麻酔の必要もないため、患者さんの負担の少なさが特徴です。しかし、適応できるヘルニアは限られ、自分の状態に合うかをよく見極める必要があります。
本記事では、椎間板ヘルニアのPLDD手術について、失敗と言われる例や失敗を防ぐポイント、失敗した際の対処法などを詳しく解説します。記事を最後まで読めばPLDD手術の注意点がわかり、より失敗の少ない施術を検討できるでしょう。
目次
【効果なし?】ヘルニアのPLDDが失敗だったと言われる3つの例
椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板が飛び出して神経を圧迫し、痛みやしびれを引き起こす病気です。その治療法として、経皮的レーザー椎間板減圧術(PLDD:Percutaneous Laser Disc Decompression)が注目を集めています。
しかし、PLDDはすべての患者さんにとって最適な治療法とは限りません。
「ヘルニアのPLDDが失敗だった」と言われる主な例は以下の3つです。
- 十分な効果が得られずに痛みが続く
- 合併症や後遺症が起こる
- ヘルニアが再発する
本章の内容をもとに、PLDDが失敗だったと言われる例を確認しておきましょう。
なお、PLDD手術の詳細は、以下の記事で詳しく説明しています。
十分な効果が得られずに痛みが続く
もともと効果が期待できない人が手術を受けた場合、術後も痛みが続いて「PLDDに失敗した」と思う可能性があります。
PLDDはレーザー照射により椎間板の内圧を下げて、ヘルニアによる圧迫を改善する手術です。適するヘルニアの大きさや症状には限りがあり、残念ながら他の手術法の方が良い方におこなわれて「効果がなかった」となるケースもあります。
PLDDが適するヘルニアの種類については、記事の後半で説明します。
合併症や後遺症が起こる
PLDDはリスクが少ないと言われていますが、以下のような合併症が起こるケースもあります。
- 手術後の感染
- レーザーの影響による骨壊死
- レーザーの誤照射や針による損傷
どんな手術にもリスクは存在します。メリットだけでなくデメリット・リスクなども事前によく確認するようにしましょう。
ヘルニアが再発する
手術後に痛みが改善しても、その後ヘルニアが再発して「PLDDは失敗だった」と思うケースも考えられます。
PLDDの治療成功率は約70%で比較的高い傾向ですが、約5%の確率で再発するといわれています。(文献1)
ただしPLDD以外の手術であっても、手術後の再発リスクはゼロではないことが多いでしょう。
手術を受ける前に再発リスクについて確認し、PLDDを受けるべきか検討することが大切です。
当院「リペアセルクリニック」では、椎間板ヘルニアのPLDDにおける後遺症の治療に再生医療(幹細胞治療)をおこなっています。従来の点滴による投与方法のほかに、より神経の再生にアプローチしやすい「脊髄腔内ダイレクト注射」も選択可能です。
ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」から気軽にお問い合わせください。
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ヘルニアのPLDD手術で失敗しないためのポイント3選
リスクが少ないといえども、PLDD法が失敗する可能性はあります。治療を後悔しないために大切な内容は、以下のとおりです。
- 自分のヘルニアにPLDD手術が適しているかチェックする
- 費用や期待できる効果を事前に確認する
- 手術後の注意点を守る
本章の内容をもとに、PLDDの失敗を防ぐための知識を身に着けておきましょう。
自分のヘルニアにPLDD手術が適しているかチェックする
椎間板ヘルニアには、PLDDが適するものと適さないものがあります。
ここからの内容をもとに、自分のヘルニアが、PLDDに適しているかどうかを確認しましょう。
症状が似ている「脊柱管狭窄症」とヘルニアの見分け方については、以下の記事をごらんください。
PLDDが適している可能性が高いケース
椎間板ヘルニアに対してPLDDが適する可能性が高いケースは、以下のとおりです。(文献2)
内容 |
詳細 |
---|---|
神経根の圧迫による症状である |
以下の典型的な症状がある:
|
画像診断でヘルニアが確認され、症状と一致する |
|
保存的治療(薬物療法、物理療法など)で十分な改善が見られない |
|
医師の説明を良く聞き、相談した上で手術を受けるか検討するようにしましょう。
腰椎椎間板ヘルニアについては、以下の記事で詳しく解説しています。
PLDDが適していない可能性が高いケース
PLDDが適さない可能性が高いケースは、以下のとおりです。
内容 |
理由・解説 |
---|---|
椎間板の破裂や大きな脱出がある |
PLDDは椎間板の小さな突出に対して効果的だが、大きな脱出や破裂には適さないため |
重度の椎間板狭窄や脊椎管狭窄がある |
PLDDによる改善が難しく、他の手術的治療が必要な可能性があるため |
椎間板感染症や腫瘍がある |
PLDDの適応外であるため |
椎間板以外の原因による症状がある |
椎間板ヘルニア以外の原因で症状が出ている場合は、PLDDが適さないため 例)
|
PLDDの適応は状態や症状によって異なるため、専門医による詳細な診断と評価が欠かせません。他の治療方法との比較検討も含めて、専門医と十分に相談しましょう。
PLDD以外の手術法については、以下の記事で詳しく説明しています。
費用や期待できる効果を事前に確認する
PLDD手術を受ける前は、以下の4点を確認しておきましょう。
- 費用
- 期待できる効果
- 副作用
- 治療後の経過観察やリハビリの必要性
痛みがつらいときは、「早く痛みを取り除きたい」という一心で手術を決断しがちです。しかし、手術後のトラブルや失敗を減らすには、費用や副作用、術後のケアなども事前に確認すべきです。
気になる点は必ず質問し、疑問を残さないようにしましょう。
PLDDの費用については、以下の記事で解説しています。
手術後の注意点を守る
PLDDは、身体に与える負担が小さい治療です。しかし、治療後には以下のような注意点を守る必要があります。
- 術後は安静にし、医師の指示に従って徐々に活動を再開する
- 痛みやしびれが再発した場合は、早めに医師に相談する
- 定期的な通院やリハビリなどのフォローアップを受け、症状の変化に注意する
手術後の不十分なケアによる再発防止にも、注意点は大切な役割を果たします。
PLDDの有効性や手術後の痛みについては、以下の記事も参考にしてみてください。
ヘルニアのPLDDで失敗したら再生医療を検討しよう
PLDDは、ヘルニアによる短期的な痛みの軽減に有効であると考えられます。しかし、変性した椎間板そのものの修復はできません。
PLDDの他に、椎間板ヘルニアに対する治療選択肢としては、再生医療があります。
再生医療の一つである「幹細胞治療」は、身体から採取した幹細胞を培養して投与する治療法です。椎間板ヘルニアによる神経損傷や変性した椎間板に対する治療として実施されています。
また、PLDDと再生医療を組み合わせることで、椎間板ヘルニアの痛みの軽減と椎間板の修復・再生の両方を目指すアプローチとなる可能性があります。。
ただし、再生医療は治療費が高額になる可能性があるため、費用と効果のバランスを考慮する必要があります。
まとめ|ヘルニアのPLDDで失敗しないためのポイントを知っておこう
PLDDは、椎間板ヘルニアの治療に有効な選択肢ですが、すべての患者さんに適するわけではありません。
治療を受ける前には、自分の状態がPLDDに適するかを理解し、医師と十分に相談することが重要です。また、治療後の適切なケアとフォローアップも欠かせません。
患者さんご自身が積極的に情報を収集し、自分に適した治療法を選択することが、後悔しないための鍵となるでしょう。
当院「リペアセルクリニック」では、ヘルニアにおけるPLDDの失敗や後遺症に関して再生医療(幹細胞治療)を提供しています。
もし術後の後遺症にお困りであれば、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」にご相談ください。
PLDDのヘルニア手術の失敗が気になる人によくある質問
PLDDを失敗しない名医を探す方法はありますか?
どんな手術にもリスクはあります。
そのため、「絶対失敗しない名医」ではなく、「自分が信頼できる医師」を探す方が現実的ではないでしょうか。
医療機関を探す際は、以下のポイントを確認しましょう。
- 病院や医師の実績
- 納得できる説明がされたか
なお、PLDDは自由診療のため、金額をはじめとする詳細は医療機関によって異なります。他の手術方法も念頭に置き、自分に合う治療法・医師を探してみてください。
PLDDが失敗する確率はどのくらいですか?
文献によってばらつきがありますが、PLDDが有効な症例に対して行った場合の成功率は75~89%というデータがあるため、失敗する確率は11~25%程度とわかります。(文献3)
しかし、効果がなく、失敗する確率が高いヘルニアの人にPLDDがおこなわれる可能性を考えると、正確な失敗率は何とも言えません。
自分の症例にどの程度の確率でPLDDの効果が期待できるかは、医師へ確認してみるのが良いでしょう。
当院「リペアセルクリニック」では、PLDD手術の失敗例や後遺症に対して再生医療(幹細胞治療)をおこなっています。相談は無料で受け付けておりますので、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」まで気軽にご相談ください。
\まずは当院にお問い合わせください/
参考文献
(文献1)
石井克典ほか,椎間板ヘルニア髄核組織の光学特性の算出と経皮的レーザー椎間板減圧術の最適波長に関する一考察.2010;31(2):152-157
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jslsm/31/2/31_2_152/_pdf(最終アクセス:2025年2月25日)
(文献2)
中溝 寛之ほかレーザーによる経皮的椎間板減圧術 (PLDD法) の経験.中四整会誌.1997;10 (2): 229-233.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcsoa1989/10/2/10_2_229/_pdf/-char/ja(最終アクセス:2025年2月17日)
(文献3)
Hellinger J. ,Technical aspects of percutaneous laser disc decompression (PLDD),Lasers in Surgery and Medicine, 1999.Dec;16(6):325-31.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10204439/(最終アクセス:2025年2月17日)