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トラマールは腰痛に効く?他の痛み止めとの違いや副作用を現役医師が解説

トラマール 腰痛
公開日: 2026.02.28

腰痛でトラマールを処方され「この薬は腰痛に本当に効果があるのか」「どの程度の痛みに使われるのか」と、不安に感じていませんか。
ロキソニンやカロナールなど他の痛み止めで十分な効果が得られない場合、トラマールに変更されることがあります。しかし、副作用や長期服用について心配する方も多いでしょう。

トラマールは、中程度の腰痛症や他の鎮痛薬で十分な効果が得られない場合に処方されることが多い薬です。

本記事では、腰痛に着目してトラマールの作用や副作用、他の鎮痛剤との違い、痛みに効かないときに考えられる理由まで整理します。

自分の腰痛に合った治療を考えるためにも、ぜひ最後までご覧ください。

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トラマールが処方される腰痛の種類

腰痛においてトラマールがおもに処方されるケースは「痛みが長く続いている場合」や「他の痛み止めでは抑えきれない場合」です。

ここでは、トラマールが検討される代表的な腰痛のタイプを解説します。ご自身の症状と照らし合わせながら読み進めてみてください。

慢性的な腰痛

トラマールは、3カ月以上続く慢性腰痛で処方される薬です。(文献1

慢性腰痛では、神経系における痛みの信号が過敏化しているケースもあります。トラマールは、脳や脊髄に働きかけて痛みの伝わり方を弱める作用を持っているため、変形性腰椎症や腰部脊柱管狭窄症などに用いられます。(文献2

ただし、原因や症状の程度によって適応は異なるため、医師の診断に基づく服用が必須です。自己判断での使用は避けましょう。

他の痛み止めが効かない中程度~高度な腰痛

トラマールは、「中等度~高度の腰痛」でロキソニンやカロナールで十分な効果が得られない場合に用いられる選択肢でもあります。

腰痛治療では、年齢や持病・痛みの強さに応じて段階的に薬を選択することが一般的です。

実際の診療では、痛みの強さを数値化するNRSなどの指標を用いて評価を行います。他の鎮痛薬でコントロールが困難な中等度以上の腰痛と判断された場合、トラマールの処方を検討することがあります。(文献3

ただし、腰痛の強さのみで処方が決定されるわけではありません。年齢や持病、ほかに服用している薬との相互作用を考慮し、医師が総合的に判断を下します。

たとえ中程度以上の腰痛であっても、必ずトラマールが適用されるわけではない点を理解しておきましょう。

トラマールと他の痛み止めとの違い

トラマールと一般的な鎮痛薬の違いは、作用の仕方や使用される場面が異なります。

本章では、トラマールと混同されやすい3種類の鎮痛薬(ロキソニン、リリカ、トラムセット)との相違点を解説します。

ロキソニン(NSAIDs)

ロキソニンとトラマールは「どこに作用するか」と「どのような痛みに向いているか」が異なります。(文献2)(文献4
それぞれの特徴の違いは以下のとおりです。

比較項目 ロキソニン(NSAIDs) トラマール
作用する場所 末梢(炎症が起きている部位) 中枢神経(脳・脊髄)
作用の仕方 炎症を抑えて痛みを軽減 痛みの伝達を抑制
主に効果が期待できる痛み 急性・炎症性の痛み 慢性・神経からくる痛み

ロキソニンをはじめとするNSAIDsは、患部の炎症を抑えて痛みを和らげる薬です。けがや捻挫、筋肉痛のように、炎症が明らかな急性の痛みに使われることが多いとされています。

一方でトラマールは、脳や脊髄に働きかけ、痛みの伝わり方を弱める薬です。そのため、長期化する腰痛や、神経が関与するしびれを伴う痛みに対して検討されます。

ロキソニンの効果については、以下の記事にてより詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

リリカ

リリカは、トラマールと同様に神経性の痛みに用いられますが、痛みを抑える仕組みが異なります。(文献2)(文献5)それぞれの仕組みを以下の表に整理しました。

比較項目 リリカ トラマール
作用の仕方 神経の過剰な興奮を抑える 痛みの伝達を中枢で調整する
主な適応 坐骨神経痛、帯状疱疹後神経痛など神経障害性疼痛 侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛
使い分けの目安 しびれや神経痛が強い場合 鈍痛や強い痛みが続く場合

リリカとトラマールは、作用の仕方が異なるため、難治性の痛みに対しては併用するケースもあります。ただし併用の可否や具体的な服用方法は、必ず担当医の指示に従ってください。

トラムセット

トラムセットとトラマールは、含まれている有効成分の数が異なります。(文献2)(文献6

比較項目 トラムセット トラマール
成分構成 トラマドール+アセトアミノフェン トラマドールのみ

トラムセットは、トラマール(トラマドール)に「アセトアミノフェン」を組み合わせた配合錠です。アセトアミノフェンとは、トラマールとは異なる仕組みで発熱や痛みを和らげる成分です。

トラマールがトラマドール単剤であるのに対し、トラムセットは異なる2つの仕組みで痛みに作用します。

ただしトラムセットはアセトアミノフェンを含むため、市販の風邪薬など他のアセトアミノフェンを含む薬と併用すると過量摂取につながるおそれがあります。また、肝機能障害を持つ方は慎重な投与が必要です。

どちらの薬が適しているかは、痛みの性質や強さ・体質、他の服用薬との兼ね合いによって異なります。それぞれの違いを理解した上で、医師と相談して選択することが大切です。

なお、トラムセットとロキソニンの違いについては以下の記事で詳しく整理しています。あわせて参考にしてください。

腰痛でトラマールを服用する際の注意点

トラマールは一般的な痛み止めとは作用の仕方が異なるため、副作用や長期使用に関する注意点を理解した上で服用することが大切です。

本章では、トラマールを服用する前に知っておくべき注意点を解説します。万が一異常を感じた際は自己判断せず、早めに医療機関へ相談しましょう。

よくみられる副作用

トラマールで比較的多くみられる副作用は、以下のとおりです。

症状 備考
悪心・嘔吐 ・服用開始直後に見られやすい
・服用後、1~2週間で軽減する場合が多い
便秘 ・長期服用では、慢性化する可能性がある
・症状が強い場合は、下剤を併用して対応するケースがある
眠気やめまい ・服用中は、運転や高所作業は避ける

副作用には個人差がありますが、生活に支障をきたすような症状が出ている場合は、用量の調整や他の薬への変更などを検討する必要があります。

気になる症状が現れた場合は、自己判断で中止せず、医師に相談しましょう。

飲み始めに注意すべき症状

トラマールの服用開始時や増量時は、以下の症状が現れやすいため注意が必要です。

症状 対策
吐き気や嘔吐 ・吐き気止めを処方・服用する
眠気やめまい

・運転や危険な機械の操作は避ける
・飲酒を避ける

トラマールは重篤な副作用を防ぐためにも、少量から開始し、経過を観察しながら段階的に増量します。

とくに高齢者の場合、薬の代謝や排泄機能の低下により、副作用が強く出る傾向があります。吐き気による食欲低下や眠気、めまいによる転倒リスクも考えられるため、より慎重な用量設定が必要です。

長期服用で注意が必要とされる点

トラマールは「弱オピオイド」に分類される薬であり、長期間使用する場合は依存性や耐性のリスクに注意が必要です。

精神的・身体的依存の発生頻度自体は低いものの、長期の服用により耐性が形成され、同一用量での鎮痛効果が弱くなるケースもゼロではありません。

添付文書上でも、投与開始後4週間を経過して十分な効果が得られない場合は、治療方針を再検討するよう明記されています。(文献2

また、自己判断による急な服薬中断は、以下の離脱症状を引き起こすリスクがあります。(文献7

  • 不安
  • 発汗
  • 震え
  • 不眠
  • 痛みの増強 など

服用を中止する際は、必ず医師の指示のもとで段階的に減量する必要があります。長期的にはトラマールだけに頼らず、腰痛の原因そのものに目を向けていく姿勢が重要です。

トラマールが腰痛に効かないときに考えられる理由

トラマールを服用しても腰痛が十分に改善しない場合、腰の痛みの根本的な原因が治癒していない、悪化しているといったケースが考えられます。

トラマールは、あくまでも痛みを感じにくくする作用を持つ薬です。椎間板の変性や関節の炎症、軟骨のすり減りなど、腰痛の原因そのものを治療する薬ではありません。

もし効果が不十分だと感じる場合は、自己判断せず、医師と相談の上で運動療法や物理療法などを組み合わせるなど、別の治療を検討することが大切です。

トラマール以外に検討される腰痛治療

トラマールを服用しても腰痛に十分な効果が得られない場合や、副作用が強い場合には、以下のような治療法が検討されます。

  • 他の薬物治療
  • リハビリ・運動療法
  • 手術
  • 姿勢や動作の見直し

トラマール以外の治療法の選択肢を知り、痛みを抑えるだけでなく、腰痛の原因に向き合う治療を考えていきましょう。

他の薬物療法

トラマールの服用で効果が十分でないと判断された場合、別の作用の薬への変更や追加が検討されます。

症状の例 薬剤の例
ビリビリ・ジンジンするしびれを伴う痛み 神経の痛みに使う薬(例:リリカ)
筋肉がこわばる・張る感じが強い痛み 筋肉の緊張をゆるめる薬(例:ミオナール・テルネリン)

上記のほか、ブロック注射や漢方薬による治療が有効なケースもあります。

痛みの仕組みによって適した薬は変わるため、「トラマールが合わない」と感じたら、早めに医療機関で相談しましょう。

リハビリ・運動療法

腰痛治療はトラマールのような薬物療法と並行して、理学療法士の指導に基づく運動療法を実施することもあります。

体幹の筋肉強化と筋肉の柔軟性向上により、脊椎や神経への負担を軽減できる場合があります。

運動療法は腰痛の治療だけでなく、再発防止の目的でも行われる治療法です。医師から運動についての指示がある場合は無理のない範囲で取り組みましょう。

手術

コルセットの装着や安静、薬物療法などの保存的治療で十分な改善が得られない場合や、強い痛みによって日常生活に大きな支障が出ている場合には、手術を検討するケースもあります。

たとえば、椎間板変性や脊柱管狭窄症が腰痛の原因である場合、脊椎固定術のような手術が有効です。(文献1

ただし、すべての腰痛で手術が適用されるわけではありません。痛みの程度や日常生活への影響などを総合的に評価し、医師が手術するかどうかを慎重に判断します。

 

姿勢や動作の見直し

日常生活での姿勢や動作を見直すことも、腰痛対策の一つです。以下のように、日常の動作を見直すことで腰痛が和らぐこともあります。

  • 反り腰や猫背が続いていないか
  • デスクワークの場合は長時間前かがみになっていないか
  • 重い荷物を持つ際に腰に負担をかけていないか

受診やリハビリの際に医師や理学療法士へ相談し、具体的なアドバイスを受けながら、無理のない範囲で取り組みましょう。

トラマールを適切に使って腰痛ケアをしよう

トラマールは、慢性・中程度以上の腰痛への効果が期待できる薬です。

ただし、トラマールには、椎間板の変性や骨格の歪みといった腰痛の根本原因を改善する作用はありません。服薬により、痛みをコントロールしながら、並行して原因疾患の治療を進めることが大切です。

本記事の内容を踏まえ、症状に合った使い方を医師と確認しながら治療を進めていきましょう。

当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供や簡易オンライン診断を行っています。トラマールの服用に不安がある方や腰痛の根本的な改善を目指したい方は、公式LINEより情報をご確認ください。

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トラマールと腰痛症に関するよくある質問

トラマールを続けるか見直すべきタイミングは?

トラマールの服用を開始してから4週間以上経っても十分な効果が得られない場合や、副作用が強いと感じたタイミングで、治療方針の見直し・検討が必要です。(文献2

鎮痛効果が不十分なまま服用を継続すると、眠気や便秘といった副作用のみが増大するケースもあります。また、トラマールの長期服用による耐性の形成や、依存性などのリスクも考慮しなければなりません。

自己判断による増量や休薬は避け、受診時に担当医へ相談することをおすすめします。

トラマールが腰痛に効いていないと判断する目安は?

適切な用量で4週間ほど使用しても痛みが軽減しない場合、「効果が不十分」と判断する目安となります。

ただし、即座に他の薬や治療法へ変更されるとは限りません。トラマールの副作用が許容範囲内であれば、医師の判断で用量調整(増量)が検討される場合もあります。自己判断での増量は避け、必ず医師の指示に従いましょう。

なお、トラマールだけでなく「トラムセット」で十分な効果が得られない場合の考え方や対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方はあわせてチェックしてみてください。

参考文献
文献1
腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版
文献2
日本薬局方 トラマールOD錠
文献3
厚生労働省研究班「痛みの教育コンテンツ」
文献4
日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム錠
文献5
疼痛治療剤(神経障害性疼痛・線維筋痛症)
文献6
日本薬局方 トラムセット配合錠
文献7
トラムセット配合錠 CTD 2.7.6 個々の試験のまとめ(臨床的有効性)